○
山原委員 提案者と
文部省の
考え方とが、私の
質問の中からある
意味で非常に鮮明に、見解の相違というものも出てくるわけでございますが、これは今後われわれが真に
教育を
考える立場で論議をし、煮詰めていかなければならない問題だというふうに思います。そういう国際的な情勢から見ましても相当の立ちおくれを示しているというこの
現実は否定しようもないわけでございまして、それを改善をしていくという方向に立ち向かうためにも、ここのところの論議の煮詰めということが今後必要になってくるというふうに私は
考えます。こういう貧弱な
教育政策といいますか、そういう中でいま問題になっておりますのはこれは臨時
教員、また一名非常勤講師と呼んでおりますが、これがいま
全国的に非常に大きな問題になっておりまして、
日本の
教育の恥部とまでいわれておる
現状にあるわけです。私はそのことについていままでしばしば
質問をしてまいりました。またこれは一、二の例を申し上げますと、これは東京都の場合でございますけれ
ども、東京都の非常勤講師の出されておる
資料がございます。これは
ほんとうに切実な訴えがこの中に書かれているわけでありますが、たとえばこの初めにこういうふうに書いているわけです。「東京都の公立
学校には、現在どの
学校にも、とくに中学・高校には、必ずといってよいほど、「非常勤講師」(俗に「時間講師」)と呼ばれる人々が何人か働いている。そしてこれら講師全体をあわせると厖大な数にのぼる。彼らは全日勤務ではなく、週何時間という時間単位で雇われ、
授業(教科指導)のみを担当する。その身分はきわめて不安定であり、不当に劣悪な待遇におかれている。非常勤講師が導入されて以来二〇年間、この
状態はほとんど変わらず放置されてきた。しかし、その数が教えてくれるごとく、その存在は東京都の
学校教育の円滑な運営にとって不可欠なものとなっている。いわば、自らの犠牲的労働において、
学校教育を下から支えているのである。にもかかわらず非常勤講師の存在は、これまでどれほど問題にされてきたであろうか? 行政当局はおろか、職場の仲間である専任
教員の間でも、ばく然と一時的な「穴うめ」として、便利な存在として受けとめられてきたのではないか。しかし講師の多くには、次年度から時間数が無くなったという理由で、やっと慣れ親しんだ
生徒たちと別れなければならない時のさびしさ、くやしさ、職を失うという不安から
病気の時も安心して休めない苦しさの経験が数々あるはずである。自らの労働・
教育活動にかける秘かな誇りとないまぜになりながら。労働し生活する者として、
教育活動にたずさわる者として、非常勤講師のありようが、そしてそのような講師を生んでいる
制度が問われなければならないと思う。そのために、非常勤講師の実情を明らかにし、その主張と運動を伝える、」として、そしてこの小冊子をつくったというのが私がいただいたものでございます。これは中身を見ますとたいへんなものでございますし、また前にも
坂田文部大臣に私は差し上げた、これは「嘆きを怒りに」という本がございますけれ
ども、やはり臨時講師の手記でございます。これは六年も勤務をして、そして毎年三月三十一日に首を切られて、そしてまた五月、六月の時期に就職先がやっと見つかる、あるいは引き続いて四月一日からなるのもおりますけれ
ども、その勤務は普通の
先生方と全く変わりませんけれ
ども、しかし、その待遇は全く違っておりまして、赴任旅費もなければ手当もない、こういう
状態ですね。首切りも自由自在、そして勤務だけはクラス担任もやっておるというようなこういう人々によって
日本の
教育がささえられている。しかも、こういう
先生方を放置してきたこの責任というのは一体だれがとるのか。実際私
ども現場に立ちまして年末手当をもらうときに、数多くおられる臨時講師あるいは非常勤講師の方々に手当もわたらない。年末手当をもらうことさえ——何とも言えない気持ちになることを経験したものでありますけれ
ども、こういう方々にささえられて
日本の
教育が成立しておる。この非人間的な取り扱いをだれが解決するのかという問題があるわけでございます。これは
ほんとうに私は怒りを持ってこのことを訴えたいわけです。こんなことをいつまでもおくのか。この前に、
坂田文部大臣のときであったと思います。
高見文部大臣に対しましても、また予算
委員会等でも各党の議員の方からも発言がなされておりますが、少なくとも私の
質問に対して、かつて
文部省は、たしか四年前だったと思いますけれ
ども、
調査をするということをお答えになっているわけでございます。しかもそのとき、現在
調査中でありますという答えもなされております。それは議事録を持ってきておりませんけれ
ども、そのことは私ははっきりと記憶をしているのでありますが、この点についての
調査結果は出ておりますか。大体
全国に何人ぐらいそういう方がおられるか、これを伺っておきたいのです。