運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1973-04-25 第71回国会 衆議院 文教委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十八年四月二十五日(水曜日) 午後二時三十四分
開議
出席委員
委員長
田中
正巳君
理事
内海 英男君
理事
塩崎 潤君
理事
西岡 武夫君
理事
松永 光君
理事
森 喜朗君
理事
木島喜兵衞
君
理事
長谷川正三
君
理事
山原健二郎
君
上田
茂行
君
加藤
紘一
君 坂田
道太
君 染谷 誠君 床次 徳二君 中尾 宏君 野中 英二君 林 大幹君 深谷 隆司君
藤波
孝生
君 三塚 博君 山崎 拓君 山中 吾郎君 栗田 翠君
有島
重武君 高橋 繁君
安里積千代
君
出席国務大臣
文 部 大 臣 奥野
誠亮
君
出席政府委員
文部政務次官
河野 洋平君
文部大臣官房長
井内慶次郎
君
文部省初等中等
教育局長
岩間英太郎
君
文部省大学学術
局長
木田 宏君
委員外
の
出席者
議 員
木島喜兵衞
君
文部省大学学術
局教職員養成課
長 阿部 充夫君
文教委員会調査
室長 石田 幸男君
—————————————
委員
の異動 四月二十四日
辞任
補欠選任
安田 貴六君
藤波
孝生
君 同月二十五日
辞任
補欠選任
上田
茂行
君
八田
貞義
君
高見
三郎
君
加藤
紘一
君 同日
辞任
補欠選任
加藤
紘一
君
高見
三郎
君
八田
貞義
君
上田
茂行
君
—————————————
四月二十四日
国立学校設置法等
の一部を
改正
する
法律案撤回
に関する
請願
(
岡田春夫
君
紹介
)(第三一八九 号) 同(
山口鶴男
君
紹介
)(第三一九〇号) 同(
多田光雄
君
紹介
)(第三三六四号)
学校教育
の
水準
の
維持向上
のための
義務教育
諸
学校
の
教育職員
の
人材確保
に関する
特別措置法
案撤回
に関する
請願
(
山口鶴男
君
紹介
)(第三 一九一号) 同(
多田光雄
君
紹介
)(第三三六五号)
養護教諭
の
全校必置
に関する
請願
(
有島
重武君
紹介
)(第三一九二号) 同(
高見三郎
君
紹介
)(第三一九三号) 同(
岩垂寿喜男
君
紹介
)(第三三七三号) 私学に対する
公費助成増額等
に関する
請願
(金
子満広
君
紹介
)(第三三六六号) 同(
小林政子
君
紹介
)(第三三六七号) 同(
紺野与次郎
君
紹介
)(第三三六八号) 同(
多田光雄
君
紹介
)(第三三六九号) 同(
寺前巖
君
紹介
)(第三三七〇号) 同(
中島武敏
君
紹介
)(第三三七一号) 同(
米原昶
君
紹介
)(第三三七二号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
学校教育法
の一部を
改正
する
法律案
(
木島喜兵
衞君外七名
提出
、
衆法
第八号)
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
木島喜兵衞
君外七名
提出
、
衆法
第九号)
公立高等学校
の
設置
、
適正配置
及び
教職員定数
の
標準等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
木島喜兵衞
君外七名
提出
、
衆法
第一〇号)
教育委員会法案
(
木島喜兵衞
君外七名
提出
、衆 法第一一号)
国立学校設置法等
の一部を
改正
する
法律案
(内
閣提出
第五〇号)
教育職員免許法等
の一部を
改正
する
法律案
(内
閣提出
第六七号)
文教行政
の
基本施策
に関する件 ————◇—————
田中正巳
1
○
田中
委員長
これより
会議
を開きます。
木島喜兵衞
君外七名
提出
の、
学校教育法
の一部を
改正
する
法律案
、
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
公立高等学校
の
設置
、
適正配置
及び
教職員定数
の
標準等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、及び
教育委員会法案
の各案を
議題
とし、
提出者
から順次
提案理由
の説明を聴取いたします。
木島喜兵衞
君。
木島喜兵衞
2
○
木島議員
ただいま議題となりました
学校教育法
の一部を改正する
法律案
につきまして、その提案の
理由
及び内容の概要を御説明申し上げます。 御承知のとおり、
昭和
二十二年、
学校教育法
が制定されるとともに、
養護教諭
の
設置
が定められました。次いで、
昭和
三十三年には
学校保健法
の制定を見、
学校
における
保健管理
は、
教育
の重要な一部門として位置づけられたのであります。かくて、
学校医等
が常勤でない
わが国
においては、
学校保健
の管理上、
養護教諭
の
配置
がきわめて重要な意義を持つものとなってきました。しかるところ、近年、
わが国
における社会、
経済等
の急激な進展を背景として、公害をはじめ、健康を阻害する要因が著しく増加しつつあるので、
地域社会
や
学校現場
より、
児童
及び
生徒
の生命と健康を守るために、
養護教諭
の必置を求める声がますます高まってきております。 しかしながら、
学校教育法
第二十八条及び第四十条において、
小学校
及び
中学校
には「
養護教諭
を置かなければならない。」と定められておりますが、第百三条には「当分の間、
養護教諭
は、これを置かないことができる。」と規定されているため、本法の施行後二十六年を経過した今日においても、なお
財政上等
の
理由
により、これが養成及び
配置
が遅々として進んでおらないのであります。これは行政上怠慢というほかありません。ちなみに、
昭和
四十七年度の
養護教諭
の
全国平均配置率
は、わずかに
公立
の
小学校
四六・九%、同
中学校
四五・九%に過ぎず、
養護教諭等
の
定数
についても
小学校児童
数八百五十人に一人、
中学校生徒
数千五十人に一人という
標準
で算定され、
僻地学校
の数等による加算が認められたものの、これが
定数
の増加はなかなか期待できない状況にあります。さらに、その
配置基準
は、大
規模学校中心
であり、
小規模学校
における
児童
及び
生徒
の
健康管理
はなおざりにされていると申さねばなりません。 次に、
高等学校
においては、同法第五十条第二項で「
養護教諭
を置くことができる。」と
任意設置
の規定になっているため、
養護教諭
は、全旧制の課程、
定時制
の課程の兼務も余儀なくされて
労働過重
となっております。 以上のような事態を反映して、地方の
学校
においては、
養護教諭
の
相当数
が困難な数校兼務をしいられ、あるいは
交通費
も支給されず自弁で兼務するものや、
遠隔地
の
学校
または山越えしなければならない
学校
へ兼務するものなどの事実が指摘されているのであります。そのため流産や
健康阻害
、
交通事故等
の危険にさらされ、
児童
及び
生徒
の
健康管理
が十分に行なえないばかりか、
養護教諭自身
の人権問題として表面化してきております。 よって、この際、
学校
における
児童
及び
生徒
の生命と健康を守る立場から、三年後にはすべての
小学校
及び
中学校
に、また五年後にはすべての
高等学校
にそれぞれ
養護教諭
を
配置
しなければならないこととするため、本案を提出した次第であります。 以下、法案の概要について申し上げます。 第一は、
高等学校
に置かなければならない職員として
養護教諭
を加えることにしております。 第二は、
小学校
及び
中学校
に
養護教諭
を置かないことができる期間を、「当分の間」から「
昭和
五十一年三月三十一日までの間」に改めるとともに、
高等学校
には「
昭和
五十三年三月三十一日までの間」
養護教諭
を置かないことができることにしております。 第三は、この
法律
は、公布の日から施行することにしております。 第四は、政府は、すみやかに、
養護教諭
の
養成計画
を樹立し、これを実施しなければならないことにしております。 以上が本案の提案の
理由
及び内容の概要であります。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。 ただいま議題となりました
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につきまして、その提案の
理由
及び内容の概要を御説明申し上げます。
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
につきましては、すでに御承知のとおり、
昭和
三十四年度より同四十三年度までの問、二回にわたり改善五カ年計画が実施され、いわゆる
すし詰め学級
の解消をはじめ、
学級規模
の
適正化
と
教職員
の
配置率
の改善が行なわれたのであります。 さらに引き続いて、第三次改善五カ年計画が策定され、
昭和
四十四年度から
複式学級編制
の改善並びに
学級担任外教員
、
養護教員
及び
事務職員
の
配置率
の改善がはかられつつあるのであります。しかしながら、これらの
改善措置
も、
僻地学校
や人口の
過疎地域
及び
産炭地域等
に存する
公立
の
小学校
及び
中学校
における
教育
の実情に対応するものとしては、なお不十分な点が多々見受けられるのであります。 すなわち、現在、これらの地域においては、行財政の貧困もさることながら、いわゆるかぎっ子や
非行少年等
の問題児が激増しつつあり、かたがた多
学年複式学級
による
教育
は、
児童
及び
生徒
の
学習効果
を著しく減退させ、かつ、
教職員
の
勤務量
も増加の一途をたどり、過重な負担を余儀なくさせているのであります。したがいまして、これが対策として
教職員配置
の充実をはかるとともに、多
学年複式学級編制
の解消につとめることは、目下の
緊要事
とされているのであります。よって、これらの点を緊急に改善する必要があります。 さらに、
わが国
の
学級編制基準
を西ドイツ、イギリス、フランスのそれと比較すると、まだ二人ないし十一人を上回っているのが現状であります。 これら
欧米先進国並み
に
教育条件
を整備し
教育効果
を一そう高める必要があります。そこで、現行の一
学級当たり児童生徒数
を改めようとするものであります。 以上の
理由
により、
義務教育水準
の
維持向上
に資するため、本案を提出した次第であります。 以下、本案の内容について御説明いたします。 第一は、
公立小学校
及び
中学校
の
学級編制
の改善であります。 すなわち、その一は、
義務教育
の水準の向上をはかるため、
現行法
における一
学級
四十五人の
標準
を四十人にするとともに、
特殊学級
の一
学級
十三人の
標準
を十人に改めることであり、その二は、
僻地学校等
の
教育
を充実させるため、
小学校
における三個
学年複式学級
を解消するとともに、二個
学年複式学級編制
の
児童
の数の
標準
を現行の二十二人から十五人に改めることであり、その三は、
僻地学校等
の同学年の
児童
または
生徒
で編制する場合における一
学級
の
児童
または
生徒
の数の基準を三十人とすることであります。 第二は、
公立
の
小学校
及び
中学校
の
教職員
の
定数
の
標準
の改善であります。 すなわち、その一は、
小学校教育
の
指導密度
を高めるため、
専科担当教員
の
配置率
を新たに定めること。 その二は、五
学級
以下の
小規模学校
及び
僻地学校等
について、それぞれの
教育
の
指導体制
を充実するため、
教員
の数の加算を行なうこと。 その三は、
特殊学校
を置く
小学校
及び
中学校
について、
特殊学級
における
教育効果
を高めるため、
教員
の数を加算すること。 その四は、
養護教育
の充実を期するため、
養護教員
の
配置基準
を改善し、
養護教員
は
小学校
及び
中学校
に必置することとし、十八
学級
以上の
学校
及び
僻地学校等
について、その数を加算すること。 その五は、
学校事務
の円滑な運営をはかるため、
小学校
及び
中学校
の
事務職員
の
配置基準
を改善し、さらに
学校図書館
の
重要性
にかんがみ、
小規模校
においても
学校図書館事務担当
の
事務職員
を
配置
できるよう
定数
の改善を行なうとともに、
学校給食
の
完全給食実施校
について、
給食事務
に従事する
事務職員
の数を加算できるよう新たに定めることであります。 第三は、その他
関係規定
の整備を行なうことであります。 第四は、この
法律
は、
昭和
四十九年四月一日から施行することとしております。 第五は、
経過措置
についてであります。 まず、
公立
の
義務教育
諸
学校
の
学級編制
につきましては、
昭和
五十一年三月三十一日までの間は、
児童
または
生徒
の数及び
学校施設
の
整備状況
を考慮し、改正後の
学級編制
の
標準
に漸次近づけることを旨として、
都道府県
の
教育委員会
が
学級編制
の基準を定めることとしております。 次に、
公立
の
義務教育
諸
学校
の
教職員定数
の
標準
につきましては、
昭和
五十一年三月三十一日までの間は、
児童
または
生徒
の数及び
教職員
の総数の
推移等
を考慮し、改正後の
教職員定数
の
標準
に漸次近づけることを旨として、毎年度、政令で定めることといたしております。 以上が本案を提出した
理由
及び内容の概要であります。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。 ただいま議題となりました
公立高等学校
の
設置
、
適正配置
及び
教職員定数
の
標準等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につきまして、その提案の
理由
及び内容の概要を御説明申し上げます。
後期中等教育
の拡充、整備の問題は、
世界各国
におきまして最も重要な
教育課題
の一つであり、その質的な
充実発展
を目ざして鋭意努力していることは御承知のとおりであります。
わが国
におきましても、今日、急速な
社会進歩
の中で、
高等学校教育
に対する
国民的要求
は年々高まり、いまや
高等学校進学率
は八七%を突破し、ごく近い将来九〇%台に到達することは確実と思われます。このような
国民的熱意
のもとに
後期中等教育
の
拡充整備
は緊急の課題となっているところであります。 これらの点につきましては、すでに
昭和
四十一年十月、
中央教育審議会
から答申が出され、また関係各方面からもいろいろ意見が出されております。
わが国
の
後期中等教育史
をひるがえってみますと、遠く明治のころにその
学級編制基準
は最高五十名とされていたのであります。明治、大正、
昭和
と実に百余年、この間の社会の進展は著しいものがありますが、
ひとり後期中等教育
の基本をなす
学級編制基準
はほとんど前進をしていないのであります。また、
新制高等学校
の発足にあたり制定されました
高等学校設置基準
が公布されて以来、すでに二十五年を経過しておりますが、この基準を下回る貧困な施設・設備、
学級編制
、
教職員配置
が依然として行なわれているところに、今日
わが国
の
高等学校教育
が当面する最大の問題があります。 今日の
後期中等教育
は、戦前の
中等教育
のような一部
青少年
の
教育
問題ではなくなってきており、その
教育
のあり方について根本的な転換が求められているのであります。しかるに、一昨年六月の
中央教育審議会答申
にも見られるように、
能力主義
による
多様化教育政策
に伴って、差別と選別の
教育
が進められ、
青少年
は生気を失い混迷と停滞の意識が深まり、いわゆる
高校紛争
などの問題を惹起しているのであります。さらに、最近の人口の
過疎過密現象
による
教育対策
もきわめて重要な課題となっております。 一方、一九六六年九月、ILO・ユネスコの
政府間会議
で採択された「教師の地位に関する勧告」は、その第九章「効果的な授業と学習のための条件」において、
教員
の仕事は
教員
の時間とエネルギーが浪費されないように組織され、援助されなければならないことを明記し、そのための
学級規模
、
補助職員
、
教授用具
及び労働時間など
労働条件
について詳細に規定しているのであります。 以上のような観点を総合すると、すでに
中学校卒業生数
が年々減少し、来年度はその
最低数
を示すといわれる今日、欧米の
資本主義諸国
、あるいは
社会主義諸国
に比しても、あまりにも拙悪な
わが国
の
高等学校
の
教育条件
を、この機会にすみやかに是正し、
学級編制
の規模を縮小し、
教職員定数
の
配置基準
の拡大をはかり、もって
後期中等教育
を質的に充実・発展させることは緊要なことであります。 現行の
公立高等学校
の
設置
、
適正配置
及び
教職員定数
の
標準等
に関する
法律
は、
昭和
四十二年に改正されたものでありますが、これは、私どもが要望してまいりました
改正意見
や
教育関係者
などの要望、さらに各
学校
の訴えとははるかに遠いものであります。 そこで、
現行法
の
問題点
を若干指摘し意見を述べたいと思います。 第一に、
学級編制
の
標準
を全日制の課程は四十五人、
定時制
の課程は四十人としている点であります。 すなわち、
国際的趨勢
では、一
学級当たり
三十人前後の
標準
となっており、また、
昭和
三十九年
東京大学教育学部健康教育学研究室
による教室の
環境衛生学的調査
では、一教室の
生徒数
は三十人から三十五人が望ましいとしているのであります。 第二に、
教職員定数算定
の基礎を
生徒数
に置いている点であります。 すなわち、最近の傾向として、
定時制課程
はもちろんのこと全
日制課程
の
職業教育
を主とする学科の分野においても
学年進行
に伴い
生徒
の
転出現象
が増加してきており、その結果、
教職員定数
の
配置
は漸減して、
教職員
の
労働条件
は拙悪となり、
教育効果
の向上もはかれないことになってきていると思うのであります。 また、
義務教育
諸
学校
、
高等専門学校
及び大学の
教員定数
については、
高等学校
のような
生徒数
を基礎にする
算定方式
をとっていないのであります。したがって、この際
学級数
を算定の基礎とする方式を採用すべきであります。このことについては、
教育関係者等
からも強く望まれているところです。 第三に、
職業教育
を主とする学科について
小学科補正
をして
教職員定数
を算定している点であります。 すなわち、この方式は、
高等学校教育
の
多様化
を一そう推進することになります。さらに
職業関係学科
は
学級
を班別に編成して
実習指導
をしているのが実情でありますので、むしろ
小学科補正
をやめ、
実験実習
の補正による
教職員定数
の
算定方式
に改めることが適切であると考えます。 第四に、
教職員定数
の算定の対象となる職は、校長、
教諭等
など五職種に限られている点であります。 すなわち、
学校
に置くべき必要な職種は原則としてすべて
定数法
に位置づけるべきであります。
学校図書館司書
、
技術職員
、
用務員
など実際に必要な職種はこれを本法に位置づけ、それらの
定数
を明確にすることが必要であると考えるのであります。 以上の
理由
により、
高等学校教育水準
の一そうの向上をはかるとともに、
教職員
の
労働条件
の改善に資するため、本案を提出した次第であります。 以下、本案の概要について申し上げます。 第一は、
公立高等学校
の
学級編制
の
標準
についてであります。すなわち、一
学級
の
生徒
の数は、全日制の課程にあっては三十五人、
定時制
の課程にあっては二十五人を
標準
とすることにしております。 第二は、
公立高等学校
の
教職員定数
の
標準
についてであります。すなわち、
公立
の
高等学校
を
設置
する
都道府県
または
市町村ごと
の
教職員定数
は、校長、
教諭等
、
養護教諭等
、
学校司書
、
実習助手
、
事務職員
、
技術職員
及び
用務員
の職の
種類ごと
の
算定基準
に従い、それぞれ算出された数の
合計数
に百分の百十を乗じて得た数を
標準
として定めることにしております。 第三は、この
法律
の
施行年月日
を、
昭和
四十九年四月一日とすることとし、
昭和
五十三年三月三十一日までの間の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
について必要な
経過措置
を設けたことであります。 以上が本案の提案の
理由
及び内容の概要であります。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。 ただいま議題となりました
教育委員会法案
について提案の
理由
と内容の概要を御説明申し上げます。
教育基本法
に、「
教育
は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し、直接に責任を負って行われるべきものである。
教育行政
は、この自覚のもとに、
教育
の目的を遂行するに必要な諸条件の
整備確立
を目標として行われなければならない。」と明示されておりますが、これこそ
民主教育
の基本的な精神であると考えるものであります。この精神にのっとり
昭和
二十三年、
教育委員会制度
が制定されましたことは御承知のどおりであります。しかしながら、
昭和
三十一年、
地方教育行政
の組織及び運営に関する
法律
が施行されまして以来、戦後つちかわれてきたこの
民主的教育行政制度
は根底からくつがえされ、
わが国
の
教育行政
は
一路中央集権化
の道をたどることとなりました。 その例をあげてみますと、
都道府県
の
教育長
の任命には、
文部大臣
の承認を得ることとなり、また、
市町村
の
教育長
の任命には
都道府県教育委員会
の承認を必要とするなど、
文部大臣
の命令が実質的に
末端教育長
にまで及ぶことになりました。その上
文部大臣
の
措置要求
といった
非常手段
まで設けられまして
中央権力
を強め、
地方教育委員会
の
自主性
を弱めていることは
国民周知
の事実であります。 さらに最も注目すべきことは、
教育委員会
の
委員
の
公選制
が
任命制
に改悪されて現在に至っていることであります。
任命制
に切りかわることによって国民が
教育
に直接参与する権利が奪われる結果となりました。また
任命制
においては、地方自治体の首長の政策に批判的な者ないし反対な者は
委員
として選ばれなくなり、首長の意に迎合したいわゆる
お手盛り人事
が行なわれてきた弊害があります。これでは、
教育委員会
の
自主性
の喪失と
弱体化
は避けられないのであります。また
教育財政
についていえば、
教育予算
の
原案送付権
がなくなりました。これによって、
教育財政
の確立ということは名目のみに終わったきらいがあります。 かつて、国民に多大の犠牲を強要したあの悲惨な戦争の貴重な反省の上に積み上げられた
民主教育
の精神は、またもとの
封建的思想
へ逆行しつつあるのであります。 ここに
日本国憲法
及び
教育基本法
の精神にのっとりまして、
教育行政
を本来の国民の手に取り戻すべく本案を提出した次第であります。 次に、法案の内容の概要について申し上げます。 まず第一に、この
法律
は、
教育基本法
の精神に基づき、公正な民意により地方の実情に即した
教育行政
を行なうために、
公選制
による
教育委員会
の制度を設け、もって
教育
の目的を達成することを目的とすることにしております。 第二は、
都道府県
及び
市町村
に
教育委員会
を置くこととし、
都道府県
及び
指定都市
の
教育委員会
は七人の
委員
で組織し、その他の
市町村
の
教育委員会
は五人の
委員
で組織することにしております。 第三は、
教育委員会
の
委員
は、
公選制
とし、
公職選挙法
の定めるところにより選挙することにしております。また、
委員
の
選挙権
を有する者は、その総数の三分の一以上の連署をもって、
当該地方公共団体
の
選挙管理委員会
に対し、
委員
の解職を請求することができることにしております。 第四は、
教育委員会
の
職務権限
についてであります。 すなわち、その一は、
教育委員会
は、大学及び
高等専門学校
並びにこれらの
学校
を
設置
する
学校法人
にかかるものを除き、
学校
その他の
教育機関
の
設置
、管理及び廃止に関する
事務
、
教育委員会
及び
学校
その他の
教育機関
の職員の任免その他の人事に関する
事務
、
学校
の
組織編制
並びに
教科内容
及びその取り扱いに関する
事務等
のほか、
当該地方公共団体
の区域内における
教育
に関する
事務
について管理、執行することにしております。そのうち、特に申し上げたいことは、
地方公共団体
の長の権限に属する
教育事務
で、
教育財産
の取得及び処分並びに
教育委員会
の
所掌事項
に関する契約の締結については、これを
教育委員会
の権限に移すことにしたことであります。 その二は、従来、
都道府県知事
の所管とされている
私立学校
に関する
事務
を
都道府県教育委員会
の
職務権限
とすることにしております。 第五は、
教育予算
及び
教育事務
にかかる
条例案
に対する
教育委員会
の
原案送付権
についてであります。 すなわち、その一は、
教育委員会
は、毎
会計年度
、その
教育事務
にかかる
歳入歳出
の
見積もり書類
を作成し、これを
当該地方公共団体
の長に送付しなければならないこととし、また、
地方公共団体
の長は、
教育委員会
の送付にかかる
歳出見積もり
を減額しようとするときは、
当該教育委員会
の
意見聴取
を必要とし、減額した場合には、
当該教育委員会
の送付にかかる
歳出見積もり
の詳細を
歳入歳出予算
に付記することにしております。 その二は、
地方公共団体
の議会の議決を経るべき事件で
教育委員会
の
教育事務
にかかるものの議案の原案送付等については、前に述べました
教育委員会
の
教育事務
にかかる
歳入歳出予算
の場合に準じた措置を講ずることにしております。 なお、
地方公共団体
の長は、
教育委員会
の
教育事務
にかかる予算について、支出命令権を
当該教育委員会
に委任するものとしております。 第六は、
教育委員会
等の
教育事務
の管理、執行について違反の是正または改善のための
文部大臣
の
措置要求
及びこれに必要な調査並びに県費負担
教職員
の勤務成績の評定に関する規定は、これを設けないことにしております。 第七は、
教育長
は、一定の資格を有する者のうちから、
教育委員会
が任命することとしておりますが、この場合、
文部大臣
等の承認を要しないことにしております。 第八は、
教育委員会
の会議の公開等に関する規定を設けることとし、その他所要の規定を整備することにしております。 最後に、この
法律
は、別に
法律
で定める日から施行することとし、
地方教育行政
の組織及び運営に関する
法律
は、これを廃止することにしております。なお、この
法律
の施行に伴い必要な事項については、別に
法律
で定めることにしております。 以上が本案を提出いたしました
理由
及び内容の概要であります。何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。 ————◇—————
田中正巳
3
○
田中
委員長
次に、内
閣提出
、
国立学校設置法等
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、
提案理由
の説明を聴取いたします。奥野
文部大臣
。
奥野誠亮
4
○奥野国務大臣 このたび
政府
から
提出
いたしました
国立学校設置法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
及び
内容
の
概要
を御説明申し上げます。 この
法律
は、新しい構想に基づく筑波
大学
の創設を含む国立
大学
の新設、学部の
設置
その他国立
学校
の
整備
充実
について
規定
するとともに、
大学
の自主的改革の推進に資するため必要な措置等について
規定
しているものであります。 まず、筑波
大学
以外の
大学
の
設置
等について御説明申し上げます。その第一は、旭川医科
大学
を新設するとともに、山形
大学
及び愛媛
大学
にそれぞれ医学部を
設置
しようとするものであります。 これは、近年における医療需要の増大と医師の
地域
的偏在に対処し、医師
養成
の
拡充
をはかるとともに、医学の研究を一そう推進しようとするものであります。 第二は、国立
大学
の
大学
院の
設置
についてであります。 これまで
大学
院を置かなかった埼玉
大学
及び滋賀
大学
にそれぞれ工学及び経済学の修士
課程
の
大学
院を新たに
設置
し、もってその
大学
の学術
水準
を高めるとともに、研究能力の高い人材の
養成
に資そうとするものであります。第三は、東北
大学
医療技術短期
大学
部の新設についてであります。 近年における医学の進歩と医療技術の高度の専門化に伴い、看護婦、臨床検査技師、診療放射線技師等の技術者の資質の
向上
をはかるため、東北
大学
に医療技術短期
大学
部を併設するものであります。 第四は、東京医科歯科
大学
及び名古屋
大学
にそれぞれ付置する難治疾患研究所及び水圏科学研究所の
設置
並びに千葉
大学
の腐敗研究所の改組についてであります。 東京医科歯科
大学
の難治疾患研究所につきましては、現在同
大学
の医学部に付属して設けられている研究
施設
を
整備
統合し、医学の進歩にもかかわらず、現在なおその病因等が解明されていないために、治療法等が
確立
されていない難病についての
基礎
的研究を総合的に推進しようとするものであり、また、名古屋
大学
の水圏科学研究所は、同じく同
大学
の既設の研究
施設
を
基礎
とし、地球環境の諸問題の解決に資するため、大気水圏環境の構造と動態に関する総合的な研究を推進しようとするものであります。 また、千葉
大学
に付置されております腐敗研究所につきましては、時代の
進展
に伴い、腐敗という現象の究明から発展して
生命
科学の一分野としての生物活性全般に関する研究をさらに推進する必要があることにかんがみ、これを生物活性研究所に改組しようとするものであります。 第五は、国立久里浜養護
学校
の
設置
についてであります。 心身に障害を有する
児童
、
生徒
のうち、特に障害が重度であり、あるいは重複している者の
教育
の方法、
内容
等については、一昨年開設された国立特殊
教育
総合研究所において実際的研究が行なわれているところでありますが、この実際的研究を行なう上で不可欠となる実験
教育
の場として、新たに、国立久里浜養護
学校
を
設置
しようとするものであります。 第六は、国立極地研究所の
設置
についてであります。 極地の科学に関する研究は、地球上の種々の自然現象を解明し、また地球の生成、発展の歴史を解くために不可欠でありますが、これまでの南極観測十八年の成果を踏まえ、さらに極地の総合的、科学的研究及び極地観測を推進するため、国立
大学
共同利用機関として、新たに、国立極地研究所を
設置
するものであります。 次に、後ほど御説明申し上げます筑波
大学
の新しい構想の実現とともに、各
大学
における自主的な改革の推進に資するため、
大学
制度
の弾力化等の措置について所要の
改正
を行なうことといたしております。 第一に、
大学
成立の
基本
となる
組織
について、これを従来認められてきた学部のみに限定することなく、それぞれの
大学
において
教育
、研究上の
目的
を達成するため、学部以外の
教育
、研究のための
組織
を置くことが有益かつ適切であると認められる場合には、学部の
設置
にかえてそのような
組織
を置くことができることといたしております。
大学
には、従来、特定の学問領域ごとに
教育
と研究を一体的に行なうための
組織
として学部が設けられ、これが
大学
の中心的な
組織
とされてきたのでありますが、近年における
大学
教育
の拡張と学術の急速な
進展
に伴い、このような学部を中心とする
教育
と研究のあり方について再検討を求める機運が高まっており、
中央教育審議会
をはじめ、各方面における
大学
改革に関する論議の中でも、この点をめぐる各種の
問題点
なり
提案
がいろいろの角度から提起されるにいたっております。すでに海外の諸
大学
においても、
教育
研究
組織
の
改善
について積極的な検討が進められており、幾つかの
大学
においては、新しい試みが実施に移されているところであります。
わが国
においても、現に多くの
大学
において、学部
制度
の
改善
を含め、
教育
及び研究の
基本
となる
組織
のあり方について真剣な検討が加えられているのであります。 そこで、これからの
大学
制度
のあり方を考える場合、
大学
の
基本
的な構成要素を単に学部のみに限定する必要はなく、それぞれの
大学
における
教育
研究上の必要に応じ、それぞれの
大学
の判断するところによりさらに弾力的な
組織
形態をとり得る道を開くことが、
大学
改革を推進する上でこの際特に必要であると考えた次第であります。 筑波
大学
の構想はその一つの例でありますが、筑波
大学
の構想に限らず、今後、
大学
がみずからの発意により積極的に新しい適切な
組織
によることを希望する場合には、その
内容
を十分検討の上それが実現できるようにしてまいりたいと考えております。 なお、以上のことと関連し、従来は
大学
には、数個の学部を置くことを常例とし、一個の学部のみを置くいわゆる単科
大学
は特別の必要のある場合にのみこれを認めることとしていたことを改め、
大学
に学部を置く場合、その数については特に問わないようにすることといたしております。 第二に、医、歯学部における履修方法の弾力化について措置することといたしております。これまで医、歯学部につきましては、六年の修業年限を二年以上の進学
課程
と四年の専門
課程
に区分して履修させることとしておりました。しかし、最近における医学の高度の分化発展に伴い専門
教育
の一そうの
充実
をはかるとともに、全在学期間にわたる
充実
した教養
教育
を行なうため、六年間を通じた弾力的なかつ効率的な
教育
課程
を編成する必要性が医学
教育
に携わる多くの
関係
者から指摘されるに至っております。そこで、各
大学
の判断により、従来の
方式
をとることも、あるいは六年間を通ずる一貫した
教育
を行なうことも、いずれの
方式
をもとり得るように
制度
を弾力化する道を開くことといたしております。 第三は、
大学
に必要に応じ副学長を置くことができるようにいたしました。最近、
大学
の中にはその
規模
が著しく拡大し、これに伴い
組織
、編成が複雑化しつつあるものが見受けられるようになっております。このような
大学
についてこれを有機的な総合体として
教育
、研究の両面にわたり適確に
運営
してまいることは丁学長にとってまことに容易ならぬ職責となっております。
大学
改革に関する多くの
意見
の中でこのような学長の負担を軽減し、
大学
の機能的な
運営
をはかるため、その補佐役を設ける必要があるという指摘がなされていることはきわめて当然のことと思われるのであります。このような観点から、
大学
がその事情により必要があると判断した場合には学長の職務を助けることを任務とする副学長を置き得ることといたしたのであります。 以上御説明申し上げました諸点はいずれも国、公、私立を通じてすべての
大学
に適用される
規定
であり、かつ、
大学
がみずからの判断によってその採否を決定し得る事項であります。このような
制度
の弾力化を通じて
大学
自身の手による自主的な改革が一そうの
進展
を見ることを強く期待するものであります。 次に、この
法律
は、以上の
大学
制度
の弾力化を踏まえた新しい構想に基づく
大学
として筑波
大学
を新設することといたしております。 この筑波
大学
は、東京
教育
大学
が自然環境に恵まれた筑波研究学園都市へ移転することを契機として、そのよき伝統と特色は受け継ぎながらこれまでの
大学
制度
にとらわれない新しい総合
大学
を建設しようとするものであり、かねてから東京
教育
大学
との緊密な連携のもとに、同
大学
における検討の成果を
基礎
としつつ、他
大学
などの学識経験者の参加も求めて検討を進めてまいったものであります。 この
大学
の特色の第一の点は、従来の
大学
に見られる学部、
学科
制をとらず、学群、学系という新しい
教育
、研究
組織
を取り入れていることであります。すなわち、学群は学生の
教育
指導上の
組織
として編成され、広い分野にわたって、学生自身の希望に基づく選択の中で将来の発展の
基礎
をつちかうことができるよう配慮されているものであり、それぞれ幅の広い
教育
領域を擁する第一学群、第二学群及び第三学群並びに医学、体育及び芸術の各専門学群を置くことといたしております。同時に、これらの学群の
教育
に当たる
教員
の研究上の
組織
として、学術の専門分野に応じて編成する学系を置き、研究上の要請に十分対処し得る
条件
を
整備
することといたしております。 第二に、
大学
が開かれた
大学
として適切に
運営
されることを確保するため、その
管理
運営
に当たる
組織
について次のような措置を講ずることといたしております。すなわち、参与会を
設置
し、
大学
の
運営
にあたり、
大学
自身の
自主性
を
基礎
としつつ、必要に応じて学外の有識者の
意見
を取り入れることができるよう配慮するとともに、副学長のほか、学群、学系などに属する
教員
により構成されるそれぞれの
教員
会議
と緊密な連携のもとに評議会及び
人事
委員会
等の全学的
組織
を設け、全学の協調を
基礎
とした機能的な
運営
をはかることといたしております。 このうち
人事
委員会
は、学群、学系
制度
による
教育
、研究の機能的分化に対処して、
教育
、研究両面からの要請を勘案しながら全学的な見地に立って適正な
人事
を確保することを
目的
とするものであります。 以上のような
大学
の
管理
運営
方法の
改善
を通じて、真の総合
大学
にふさわしい
大学
の自治の
確立
を目ざそうとするものであります。 なお、同
大学
につきましては
教育
目的
に即した総合的なカリキュラムの編成、総合的な研究
計画
を遂行するためのプロジェクト研究システムの導入等、
教育
研究のいろいろな面に創意くふうをこらしてまいる所存であります。 この筑波
大学
は、相当の
規模
の総合
大学
を目ざすものであり、その新構想の理念を確実に実現していくため、
昭和
四十八年十月に開学し以後年次
計画
をもってその
整備
を進めることといたしております。また、さきに申し上げましたとおり、同
大学
は、一面において東京
教育
大学
の発展的
解消
により創設されるという側面を持つものでありますので、筑波
大学
の
整備
と並行いたしまして、東京
教育
大学
については、年次的に閉学措置を進めることとし、
昭和
五十三年三月三十一日限りこれを廃止することといたしております。 以上のほか、この
法律
におきましては、国
公立
の
大学
にかかる副学長の任免その他について若干の定めをすることといたしております。 その第一は、副学長という
制度
を新たに設けることに伴い、その任用方法等について
規定
したことであります。すなわち、
大学
に副学長を設ける場合には、その任免等の手続は、その職務の
内容
を勘案し、
現行
の部
局長
と同様の取り扱いにすることといたしております。 第二に、学長の選考等に関する事項を扱う
大学
管理
機関としての協議会は、これを廃止し、その
権限
を、評議会に移すことといたしております。これは、現在、協議会と評議会の構成員が多くの
大学
においてほぼ一致しているという
実情
にかんがみ、
制度
の簡素化をはかろうとするものであります。 以上がこの
法律案
を
提出
いたしました
理由
及びその
内容
の
概要
であります。 何とぞ十分御
審議
の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いいたします。
田中正巳
5
○
田中
委員長
これにて
提案理由
の説明は終わりました。 ————◇—————
田中正巳
6
○
田中
委員長
文教行政
の
基本施策
に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。
長谷川正三
君。 〔
委員長
退席、森(喜)
委員長
代理着席〕
長谷川正三
7
○長谷川(正)
委員
文部大臣
に質問をいたします。 現在、御
承知
のように、春闘共闘
会議
に結集されたたいへん広範な日本の各
労働
組合が、今日の激しい物価高の中でその生活を守るために大幅な賃金の引き上げを求め、あるいはまた公務員
関係
におきましては、
労働
基本
権がまだ十分に保障されてないような現状の中で、完全な
労働
基本
権
確立
を目標にし、あるいはまた従来そうした情勢の中で幾多の処分を受けてきた、こういうものの撤回を求め、あるいはまたいま
国民
的な大きな
課題
になっております年金の問題、老後の保障の問題、こうしたきわめて切実な要求を掲げて春の戦いを進めておりまして、いまこれが戦後最大の
規模
に盛り上がっていることは御
承知
のとおりであります。私どもは、正常な労使
関係
が
確立
して、使用者と被使用者が公正、対等の立場で、でき得れば平和的な団体交渉の中でものごとが解決されること、これが最も望ましいと思うのであります。特に
教育
の世界におきましては、大切な子供を扱うわけでありますから、ひときわ
労働
問題についてはほんとうにそれぞれの所管の使用者、被使用者の間での話し合いによって、しかも、公正に正当に問題が解決するような状態をできるだけ早く
確立
したいと私は願っております。私自身かつて教職にあり、あるいは
教職員
組合の運動の一半の責任をになった時期があり、そして年ごとと言ってもいいくらいに賃金の問題や、その他勤務
条件
の問題あるいは
教育
全般の
改善
の問題等について切実な要求を掲げて当局に要求し、いろいろな運動を展開した中で絶えず願いましたことは、でき得れば話し合いで解決してもらいたい、そういう理解ある当局の態度を望む、こういう切実な願いを持ち続けてまいりました。 そういう中で、実は四月二十一日の土曜日の読売新聞の夕刊を私見ますと、「「ゼネスト」へ緊迫」という大きい見出しで、そして「文相が強硬指示 日教組参加者厳重処分を」という見出しの記事が第一面の記事として載っておりまして、私はそれをざっと読みまして、率直に非常に衝撃を受けたのであります。
労働
運動の問題あるいは
教育
の問題、これを二重に重ね合わせて考えますときに、特に
教育行政
の問題につきましては、命令と服従という
関係
よりは指導と助言、そして
条件
の
整備
、こういったことが
文教行政
の
基本
であることは、繰り返し本
委員会
でも議論せられたところであります。 ところが、この文相の報道の中身を見ますと、今日非常な悪
条件
の中で子供の
教育
を守るために血みどろになって奮闘しておる現場の
教職員
の悩み、要求、願い、こういったものに対して、
文教行政
の最高責任者であられる
文部大臣
は最もよくこれに耳を傾け、これに理解を持ち、その解決の先頭に立っていただく、そこから非常な信頼と尊敬が生まれる、そういう中で
文教行政
が行なわれるようであってほしい、これは私の切なる望みであるわけであります。そういう姿勢を期待しておるのに対しまして、いまの見出しの記事はあまりにかけ離れた記事であったから衝撃を受けたわけであります。 そこで、端的にお聞きいたしますが、
文部大臣
はこのゼネストの非常に高まってきておる時期にあたりまして、新聞の報道では全国
都道府県
・
指定都市
教育長
会議
というものを臨時招集なさって、そこでこの強硬指示をされたというふうに報道されておりますが、それが事実であるかどうか、正確にいつどこでどういう指示をなさったのか、ひとつこれをお聞きいたします。
奥野誠亮
8
○奥野国務大臣 新聞に報道されております時期、場所に、
教育長
さんたちに集まってもらう機会を持ったわけでございます。 その際に、私はいろんなことを申し上げているわけでございますけれども、根本は、今回の半日ストが行なわれる、そのことに関して私の気持ちを訴えたい。私は養護
学校
の問題や定年制の問題、いろんなことを申し上げましたが、これが
基本
でございまして、その際に私が申し上げましたのは、私たちはいま先生の処遇を
改善
したいのです、これに全精力をなげうっているのです、そういうことで
法案
も国会に
提出
をしているのだ、その
法案
の中には、
義務教育
教員
の給与は一般の公務員に比較して優遇されなければならない、その措置を
計画
的に進めるのだ、こういうことを国権の最高機関である国会で大方針として確定してもらおうとしているのです、そういう意味で非常に重要な時期なんです。同時に、
教員
の給与はやはり
国民
の血税からまかなわれていくのだから、
国民
がこのことについてよく理解を持ってくれないと、私たちがせっかく大きな方針を
確立
しようと思ってもむずかしくなるのですよ、こういう二つのことを強く申し上げました。 私は
基本
的に、
教育
の
基本
は教師にある、同時に文部省は
教育
の諸
条件
を
整備
する、したがって、ともどもに力を合わせていかなければならない、不幸にして二十数年来、必ずしも好ましい形にはきていない、これを何とか潤いのある姿にしたい、これは私どもの
基本
的な努力目標だと思っております。したがいまして、組合のことをあれこれ批判することはこういう問題の前進に役立たないのだが、私はストに参加してもらってはいま申し上げましたような二つの大きな問題からいって困るのだ、だからこういうストについてもあえて言及せざるを得ないのだということで、私はこのストの違法性を強く訴えまして、自重をしてもらうように
教育長
の皆さんに御努力をわずらわしたい、こういうことをお願いしたわけであります。ストに参加してもらわないことがわれわれの最大の目標なんだ、しかし不幸にしてそういかない場合には、やはり秩序を守るためには厳正な処分をお願いせざるを得ない、こう申し上げたわけでございます。
長谷川正三
9
○長谷川(正)
委員
新聞の記事によりますと、いま
文部大臣
も最後のほうでちょびっとおっしゃいましたが、「文相は冒頭のあいさつで、二十七日に予定されている日教組(愼枝元文
委員長
、五十八万人)の「午前半日スト」を中止させるため個々の教師に対する服務指導を徹底するよう要請するとともに「万一ストが決行された場合、参加者は厳正処分をしてほしい。今回の公務員共闘ストに対しては一、二の省庁だけが処分を軽くし“いい子”になるようなことは絶対にない」と強調、各教委はこれまでにない厳しい、統一した処分をするよう訴えた。」こういうふうにあるのですね。これは、いまの
文部大臣
の前段のことばには何か
教職員
に理解のあるようなおことばもありますけれども、いまの緊迫した事態にこういう異例の、従来もほとんどなかったやり方をやられて、しかもそこで呼号されておるのは、要するに厳重処分だ、威嚇である。こういうあり方はとうてい、先ほど申し上げた
文教行政
のあたたかい指導、助言を中心にした——権力を振り回して、権力主義で有無を言わさず押しつける、こういったようなことをやってはいけないというその考え方とおよそかけ離れているという強い印象を持ち、これはかえって火に油を注ぐようなものだ、こういうふうに感じたわけでありますが、文相はむしろここで強調されるのは、
教職員
の窮状等についてよく知っておるということを訴え、これについて
改善
するから自重してほしいということなら立場上わかりますけれども、処分第一主義のこういう姿勢というものは、問題をますます混乱させていく種を文相みずからまいているのではないか、こう思うのですが、それに対して責任をお感じになっていないかどうか。
奥野誠亮
10
○奥野国務大臣 私は先ほど申し上げたとおりでございまして、処分を振りかざして
会議
に臨んだものでは決してございません。万やむを得ない場合には、やはり秩序を乱した方は処分をしていただきませんと秩序は守れない、こういうことを最終的につけ足しているわけでございます。同時に、私がこういう考え方を持つにつきましては閣議におはかりをいたしております。これはやはり内閣としてはどういう姿勢をとるか、いろいろな考え方があると思うのでございます。内閣も、処分が
目的
じゃございません。秩序を維持したいのでございます。それについてはどんな方法がいいか、いろいろな考え方があろうと思うのでございます。そこで私は、やはりストに参加しないようにしてもらいたいのだ、そのために
教育長
さんにも集まってもらいたいと考えているのだ、しかし、万やむを得ずストに参加した人が出てきた場合には、やはり処分せざるを得ないのじゃないかと思うのだがどうだろうかということをおはかりしております。その場合に、やはり私の考え方が妥当だということで皆さんの御理解を得たわけでございまして、それも処分第一主義を振りかざして御相談申し上げたものではございませんで、私が繰り返し申し上げておるような考え方でおはかりをしているわけであります。
長谷川正三
11
○長谷川(正)
委員
この席ではそういう御答弁のようですが、私にはむしろ最後にちょっとつけ足したというところが、実は
教育長
会議
招集の主
目的
であったように思われてならない。 しかし、これはこれ以上ここで議論することはやめまして、次に、その中で
文部大臣
はこういうことをおっしゃっておると報道されております。つまり、全文を読み上げると長くなりますから
内容
を簡単に申し上げますと、日教組が今回の半日ストの方針を昨年六月の秋田で開かれた定期大会で決定している。これは、ストは話し合いが決裂した場合のものなのに、一年も前からスケジュールを組んで話し合い抜きで決行するとはけしからぬ、こういうことをおっしゃっているのですね。これはそうおっしゃったのですか。
奥野誠亮
12
○奥野国務大臣 ことばは別にいたしまして、そういう考え方を持っておりますし、そういう式のことを申し上げております。
長谷川正三
13
○長谷川(正)
委員
これは近代政治家である奥野
文部大臣
としては、あまりにもいただけないことばだと思います。これは
労働
運動の口の字も御存じない方ならしかたがない。しかし、
労働
運動のイロハを知っていたら、これは一つの方針が立てられ、そして従来の経験からなかなか口で言っただけでは要求が通ってこない、
改善
されないというようなときに、こういうような憲法に保障された
労働
基本
権に基づく方針を立てるということは当然であります。そして、それはもちろん文相が言われるように、そういうものを立てておいてそれから交渉して話し合いがつけば、必ずしも一〇〇%要求が通らなければしゃにむにやるというものではありません。当然そこに当局の誠意が認められるということが話し合いの段階でわかれば、ストというのは回避されるのが普通であります。きめてあるから全部やるなんて、そういうばかげた
労働
運動はないのでございます。そうでしょう。それであるのに、日教組が方針でこういうことを考えたこと自体が、話し合いもしないでという言い方は
労働
運動を全く知らない方のおっしゃることばなら別でありますけれども、これはむちゃな言い方だと思いますが、そう思いませんか。
奥野誠亮
14
○奥野国務大臣 日教組の幹部の方々にもいろいろな方がいらっしゃると思います。また、何十万の人たとをまとめていくのですから、ずいぶん御苦労も多いと思うのでございます。しかし、いままでとってこられた経過をずっとながめてまいりますと、私はやはりスケジュール闘争と言わざるを得ない、こういう判断をしておるわけでございます。そういうことのないようにお互いに努力をしていかなければならないと思うのでございますけれども、過去ずっと続いてきておるわけでございまして、同時にまた、日教組として配っておられるものを私が見ますと、皆さんどう判断されるか知りませんが、たとえばわれわれが今度の給与の
改善
法案
を
提出
しておるわけでございますけれども、それが毒まんじゅうだ、こうおっしゃっておるわけでございまして、そして先生たちの顔が文部省のほうだけに向き、
政府
の言いなりの
教育
を進める結果を招きます、こう書いておられます。いまの自民党
政府
がけしからぬのだ、こういうことに徹底しておられるようなんですね。一体
政府
というのは
国民
の代表だというお考えを持っていただいておるのだろうかどうだろうかという疑問を私はぬぐえないのです。昔の官僚内閣じゃないのだ。いまの
政府
というものは
国民
の代表なんだ。憲法の前文にはこう書いてあるわけでございます。「國政は、國民の嚴齋な信託によるものであって、その権威は國民に由來し、その権力は國民の代表者がこれを行使し、」こう書いてあるわけでございます。
政府
のいうことにつきまして大いに御批判になってもけっこうだと思うのであります。ただ、
政府
のいうことはみんな悪いのだという姿勢、これはぜひやめてもらいたい。やはり
政府
は
国民
の代表なんだという気持ちで私は応じていただきたいなという感じを持っておるわけでございます。しかし、いずれにしましても、双方の態度につきまして非難しているだけでは解決しないのだ、当初申し上げたような気持ちは強く持っておるわけでございまして、何とかして解決をはかっていきたい、これが
基本
的な気持ちであることだけは御理解いただきたいと思います。
長谷川正三
15
○長谷川(正)
委員
教職員
の心を得ないような
文教行政
でどうしてりっぱな
教育
を実施することができますか。もしそこに誤解があれば——あるかもしれません。そうであれば、それを取り除くのは当然
文部大臣
の責任であります。日教組が、
政府
のやることは全部悪いなんていっておるのではありません。ある一つの問題をとらえて批判したにすぎません。これは批判の自由があるはずです。もしそれが誤りである、誤解があると思うなら、それを解く努力が必要だ。そこで私がいまお聞きいたしましたのは、一つは
労働
運動を知らな過ぎるじゃないか。方針を立てたからそれがけしからぬ、それはもう実におかしい。そうではなくて、話し合いをして、いままで日教組自身にしましても、幾度か闘争の方針を立てましても、文部省との交渉あるいは
都道府県教育委員会
との交渉、こういうものの中で日にちをさらに延期して、もう少し誠意を示して研究の期間を与えるとか、あるいは話がある程度、満足ではなくても、いったからそれをやめるとか、あるいは戦い方の
内容
を変化させるとか、そういうことはいままでもあったのですよ。たくさんございました。決してそんな機械的なことはやっておりません。私はこういう言い方、いまおっしゃったような、前もって話もしないうちから方針を立てるのはけしからぬという言い方は、これは訂正なさったほうがいい、これは
労働
組合の普通のやり方なんですから。そう思いませんか。まずそこを聞きましょう。方針を立てること自身がいけないというのはおかしい。
奥野誠亮
16
○奥野国務大臣 ちょっと憲法前文を読み上げましたように、
政府
のほうの
政策
につきまして、いやなものは反対、いいものは賛成、これはけっこうなんでございますけれども、とにかく反
政府
的な考え方が一貫しているような姿勢をとっておるわけです、日教組全体としてみた場合に。個々の指導者の中には、いろいろ御苦労になっていることは私よくわかるのですけれども、表へ出ているのはそういうかっこうになっている。そういう意味で単なる戦術とは理解できない。そこは長谷川さんのおっしゃることはよくわかるのですけれども、今回日教組のとられた戦術につきましてはそうは思えない、こう申し上げているわけであります。
長谷川正三
17
○長谷川(正)
委員
ちょっと重大なおことばです。日教組は反
政府
的団体だとあなたはここで断言したのですか。
奥野誠亮
18
○奥野国務大臣 いまビラまで持って申し上げましたように、そういうことを見ていますと反
政府
的なものの考え方を強く持っておられる、このビラでそう読めるわけであります。そういうことを申し上げたわけであります。具体の問題につきましてこれは悪い、こうおっしゃっていただく、これはけっこうなんですけれども、全体的に、
政府
に協力するような先生方はいけないのだというふうな表現にとれる文句であります、いま読み上げましたとおりに。そういうことはやめてもらわないとやはり憲法のたてまえにも反するのじゃないか、こう私は心配しているわけであります。
長谷川正三
19
○長谷川(正)
委員
私は長い答弁を聞いておりません。日教組は反
政府
団体だとおっしゃるのですかと聞いているのです。イエスかノーかで言いなさい。
奥野誠亮
20
○奥野国務大臣 そういうきめ方をしないほうが私はいいと思うのです。先ほど言ったように、できるだけやはり……(発言する者あり)
長谷川正三
21
○長谷川(正)
委員
そうは言ったのじゃないのですね。
奥野誠亮
22
○奥野国務大臣 そういう言い方はすべきじゃないと思います。
長谷川正三
23
○長谷川(正)
委員
訂正されたようですから、話を進めます。
政府
のやることを一つでも批判したらあなたの言い方だと反
政府
的だ、こう言われるのじゃないですか、そういうことはありませんね。
奥野誠亮
24
○奥野国務大臣 たびたび申し上げますように、
政府
の具体的な
政策
につきましてこれは反対これは賛成、それはけっこうだと申し上げているわけでございます。
長谷川正三
25
○長谷川(正)
委員
ようやく常識に戻ったようです。 次に質問をいたします。
高見
文部大臣
それから次が稻葉
文部大臣
だったと思いますが、日教組と文部省の
関係
も、たいへん対立、抗争の激しい時期もありましたが、雪解けの時期と申しますか、かなり日教組の代表者と
文部大臣
がお会いになって、いろいろ
教育
の諸施策について話し合われ、
意見
の一致をなさるところもたくさんあったというような報道が当時なされまして、さっき私が冒頭申し上げたとおり、
教育
の世界でいろいろ私なりに苦しんできた者として、たいへんいい空気ができたな、こういうふうに喜んでおったのであります。そこで奥野
文部大臣
になってから、再びとびらが閉ざされてしまったような感じなんです。さっきあなたは話し合いもしないでストをやるなんてことはけしからぬとおっしゃっておりますが、話し合いを拒否しているのはあなたのほうじゃありませんか。
奥野誠亮
26
○奥野国務大臣 この席でたびたびこの問題が出ておりますので、もうよく御理解いただいていると思うのでございます。私が
文部大臣
になって間もなく、会いたいというお話がございました。いまその時間の余裕がないものだから先にしていただきたい、こう申し上げてまいりました。それじゃ、おまえのほうから今度は申し入れる番じゃないかというお話をなさった方もいらっしゃいました。やはり私は国会で忙殺されている、国会に一番力を置きたいものだから、やはり国会中は自分のほうから申し入れる考えはございません、こう申し上げてまいってきているわけでございます。同時にまた、お互いに力をあわせ合っていかなければならない、そういう姿にしたいのだ。日教組もやはり当局に協力をするという姿勢を持つようになってもらえぬだろうかな、われわれもまた日教組のおっしゃることについて積極的に考えを深めていきたい、そういうようなお互いの立場にいきたいな、これも私の念願だということもたびたび申し上げてきているとおりでございます。そういういままで申し上げてきたことには何ら変わりはございません。
長谷川正三
27
○長谷川(正)
委員
そこでちょっと伺っておきますが、稻葉
文部大臣
から奥野
文部大臣
に
事務
引き継ぎをなさるときに、まあ形式的なことでおやりになるかどうかわかりませんが、形式、実質含めて
教職員
団体との
関係
については何らお引き継ぎありませんでしたか。
奥野誠亮
28
○奥野国務大臣 いま覚えておりません。
長谷川正三
29
○長谷川(正)
委員
覚えていないというお答えでありますが、実はこういう
関係
になってきたように私承っております。特に待遇
改善
の問題等につきましても、これは
教職員
の待遇はかなり思い切って
改善
する必要がある、こういう点については日教組の愼枝
委員長
と稲葉
文部大臣
との話し合いでも合意に達し、これは一致したわけですね。その
改善
のしかたについて、やはり
教職員
側には
教職員
側のいろいろな要求があり、願いがあるから、そういうものについてさらにじっくり話を進めようじゃないか、こういうようなところまで進んでおったやに聞いております。そこで大臣がかわられたわけでありますが、私はこういう話し合いの路線がそのまま実を結んでいきますと、いまあなたがお読み上げになったようなことがあるいはなくて済んだんじゃないかという気がするのです。そういう点について、奥野
文部大臣
としてはどうお考えですか。
奥野誠亮
30
○奥野国務大臣 文部省の中に、
教員
の給与等に関する調査会が置かれております。日教組の方々にも来ていただいて一給与についての
意見
を聞いたようでございます。その記録を私は読みました。積極的にそういう団体の
意見
を伺っていくべきだ、私はかように思っております。
長谷川正三
31
○長谷川(正)
委員
そこで
文部大臣
は、きょうは、日教組と会わないのは会う気はあるのだけれども、話し合いの気持ちはあるが、国会が忙しいから会わないのだ。前にたしかこの
委員会
でのいろいろな方からの御質問に対して、全然会う気がないというわけではない。しかし、勉強が足りないので、もう少し勉強してからと思っている、こういうお答えもあったと思います。しかし一体、こういう緊迫した事態に、全国の
教育長
を集めて厳重処分の指示をなさるというような、こういう緊迫した段階の中で、
文部大臣
が国会が忙しいからとか、まだ勉強をしてないからとか、準備が不足だからとかいう、こういう御姿勢はいかがかと思うのです。もしそういうことをおっしゃるのなら、少なくとも、それが直ちに解決に結びつかないにしても、
文部大臣
としての誠意を尽くした交渉を、ぜひ来いとあなたのほうから呼びかけてもやるくらいの姿勢は当然あってしかるべきではないか、私は
国民
はそう思っていると思います。いかがですか。
奥野誠亮
32
○奥野国務大臣 私も不幸な事態は避けたい、人一倍そういう気持ちを持っております。日本
教職員
組合が要望しておられる声明その他のものをしさいに検討いたしました。掲げられている問題はスト権奪還、処分阻止、筑波
大学
法案
でありますとか、
人材確保
法案
でありますとか、あるいは教頭法制化の
法案
でありますとか、この三
法案
につきまして、粉砕でございます、あるいは撤回でございます。そういうことから、私は、今度のストでいっておられる問題は政治的ストだ、こう判断をしているわけでございます。
職員
組合は勤務
条件
の
改善
をはかることをもって
目的
とすると明示されているわけでございます。しかしながら、これはまさに政治的意図を持った行動だと判断せざるを得ない。しかも、これらの三
法案
は、すでに国会に
提案
をいたしております。
審議
にも入っております。幾ら
文部大臣
の
権限
が強くても、私一個ではこれはどうにもならない性格のものであります。そういうときに、私から話し合いを求めていって問題が解決できるか、かえって混乱するのじゃないかということもありまして、成り行きを非常に心配しながらも、私からあえてそのような措置をとる行動に出ない
理由
でございます。
長谷川正三
33
○長谷川(正)
委員
私は、手練手管や、それからそのことがすぐ成功するか失敗するか、それによってどう評価されるかということの前に、やはり大臣が、これはたいへんな事態になりそうだから何としても解決したいという御熱意があれば、率先してあなたが行くなりお呼びになるなり、会って解決するというような姿勢は当然示されてしかるべきじゃないでしょうか。さっき冒頭に、
教育長
会議
で、処分のことは終わりにつけ足しに言って、前段はいかにも
教職員
の待遇を
改善
したいとか、
教育
の
改善
のためにいろいろ配慮しているんだということをおっしゃっている。もしそれだけの誠意があるなら、それを端的に団体の代表者にぶっつけよう、なぜこういうお気持ちにならないのか、そこがどうしても理解できない。こうした組合運動に対しての認識が根本的にお違いになっているのじゃないか、こう思うのですが、もう一ぺんそれについてお答えを願いたい。
奥野誠亮
34
○奥野国務大臣 私は、非常によい方法があるならばぜひそれをとりたいのです。会って話をする、それがいい方法なのかどうなのか、私には納得がいきかねているわけでございます。そういうことにつきましても多くの批判があるだろうと思いますし、また私は、
教職員
組合が掲げておられる
目的
も、ここでざっくばらんに申し上げたわけでございまして、それに対応する私の力の範囲も申し上げたわけでございます。そういうことをいろいろ考えてまいりますと、この際私から会いたいという行動を起こすことがいいか悪いか、私は簡単に言えないと思うのでございます。いろいろなことを総合的に判断して行動しなければならない。そういう意味で私は府県段階で御協力を求めた。ストに入るか入らないかということは、これはやはり日本
教職員
組合も
権限
を持っておられるでしょうけれども、また個々の単位団体もその
権限
を持っておられるわけでございますから、今後それらのところで変化を期待することはあり得ないわけではない。そういう変化を期待しながら
教育長
さんに集まっていただいているというのが私の真意でございます。
長谷川正三
35
○長谷川(正)
委員
あなたの言っていることはたいへん官僚的答弁というか、いろいろなことをたくさんおっしゃるんだけれども、最後が何を言っているのかわからない。日教組ときちっと会って、
職員
団体の責任者と会って、待遇の問題にしても
教育
の問題にしても、話し合うという姿勢があるのかないのか。いまは忙しいとか勉強中とかおっしゃいますけれども、あなたの姿勢でいけば、少なくともあなたの任期中はそういう日は来ないんだ、こう判断してよろしいのですか。
奥野誠亮
36
○奥野国務大臣 いつかのこの
委員会
でもお話が出たと思うのでございますが、日本
教職員
組合がいろいろな御
意見
を持っておられる。その御
意見
の印刷物を私が拝見した。それにすぐ返事をお書きなさいということを
事務
当局に言いました。返事をあすお渡しするそうでございます。日教組があげておられます
意見
、いろいろな問題がございます。全部について親切にお答えしなさい、私はこう言っておるわけでございます。できる限り意思の疎通をはかっていきたい、私はこれはそのとおり思っております。思っておりますが、いろいろな方法があるわけでございまして、長谷川さんの言っておられるのも長谷川さんが考えておられる一つの打解の方法だろうと思います。それにつきまして、私は賛否両論あると思うわけでございます。私としては、いま私のほうからそういう行動を起こすことが適切な方法だと判断していない。それがいま私からそういう申し入れをしない
理由
でございます。
長谷川正三
37
○長谷川(正)
委員
そうすると、結論といたしましては、日教組と会うことは適当ではないと
文部大臣
としては考えておる、いまそうなんですね。
奥野誠亮
38
○奥野国務大臣 私からお目にかかりたいという考えは持っておりません。
長谷川正三
39
○長谷川(正)
委員
そうすると、日教組のほうから会見を申し入れたら会いますか。
奥野誠亮
40
○奥野国務大臣 どういう事情でどういう考えで会おうとおっしゃってきているのか、よくその事情を判断した上で考えさせていただいて、できる限り——私は、いまのような
教育
界、たいへん不幸な姿だと思っておることについては人後に落ちないつもりでございます。
長谷川正三
41
○長谷川(正)
委員
人後に落ちないから会わないんですね。会うんですか。どっちなんですか。はっきり言ってください。
奥野誠亮
42
○奥野国務大臣 このスト問題に関連いたしましては、私から会いたいと申し入れる考えはいま持っておりません。会いたいという話が出てきた場合に、それはどういう事情であるかということをきわめさせていただきたい、そして決定させていただきたいと思います。
長谷川正三
43
○長谷川(正)
委員
私は、スト問題でももちろんですし、スト問題に限らず会わないという方針をまだ続けるのか、そうでないのか、そこのところを聞いているのですよ。
奥野誠亮
44
○奥野国務大臣 将来とも会わないというようなことは毛頭考えておりません。喜んでお目にかかります。
長谷川正三
45
○長谷川(正)
委員
喜んでお目にかかるのですね。
奥野誠亮
46
○奥野国務大臣 そのとおりであります。
長谷川正三
47
○長谷川(正)
委員
わかりました。そういう御姿勢があるというのでしたら、それが一日も早く実現して、一ぺんに問題が解決しないにしても、その糸口をぜひ開いていただくように強く要望します。 時間が来ておりますので、まだ伺いたいことが多々あるのですが、私、最後に一つ、これは与野党というような立場でなく、いまこの
労働
運動の中や一般市民運動の中で、これは私の思い過ごしならばけっこうでありますけれども、どうもそうでもなさそうな気がして、あえてここで大臣に伺いたいのです。それはいつかも申し上げましたように、公務員は全体の奉仕者だからストは禁止するのが当然だというお考えをいまも憲法を読み上げられておっしゃいました。しかし、この全体の奉仕者論というのは
昭和
四十一年の全逓中郵判決と、私が直接
関係
いたしました都教組勤評闘争の問題の四十四年の四月の最高裁判決で、ここで一応これは否定されておるのですね。やはり憲法二十八条の
労働
基本
権というものは、公務員を含めて原則としてすべての
国民
に保障された
基本
権である、こういう考えに立ってこの判決が出されておることは御
承知
のとおりだと思います。 これについて先般私が質問いたしましたときに、それはそれなりに尊重いたしますという御答弁がありました。私は帰りましてからい
文部大臣
のそれはそれなりに尊重するということはどういうことだろうとたいへん疑問を持ったわけですね。端的に、尊重するのかしないのかでいいのに、それはそれなりに尊重するという答弁に私はたいへん疑義を持ちました。ところが御
承知
のように、きょうやはりこうした
労働
運動に関連した最高裁の判決が出ました。これは私どもの先ほど申し上げた判決と同じような事件を、反対な判決を出したというわけではないのですけれども、多少関連性のあるものについて一歩後退した判決、つまり二審で無罪だったものは差し戻しになって、有罪だったものは有罪にした。有罪が有罪の点はともかくとして、無罪だったものを差し戻しにしたという判決がきょう午前十時に出されたと聞いております。この間から
文部大臣
のたいへん高姿勢な御答弁の姿やこの
教育長
会議
を招集してのたいへんいたけだかな文相の態度、これは新聞記者のほうから漏れ聞いたのでありますけれども、要旨として配られたものを越えた、たくさんのおことばがあったようでありますが、これらの中に、非常にこの処分についての確信と強い姿勢、そして下級審の判決などが混乱しているというようなおことばがあったそうでございます。これをからみ合わせますと、
文部大臣
はすでにきょうの判決を何らかの情報でキャッチされておって、そして最高裁でくつがえすという——これはもうどなたも言っております。あなた首をかしげているけれども、これはちゃんと情報は入っているんだ。それでああいう姿勢になって、ここで一挙に
労働
運動を押し返そうとしているんだ、こういう見方をしているのです、多くの方が。私だけがしているんじゃないのです。そこで、最高裁の判事がかわるたびに、だんだん
政府
権力に近いような、気に入ったような方がなっていく、国会の多数ということでなっていくということ、このことは
国民
がまだ裁判には信頼を寄せている、司法の独立には信頼を寄せている、こういうことに対してこれが少しくずれかかっている。
田中
二郎先生の
辞任
問題の際も、これは新聞、雑誌、週刊誌が一斉に取り上げておりますように、その裏面に何があるかというようなことを、たいへんいろいろうがった報道をされておるのであります。私は、別に野党の議員としてではなく、ほんとうに国政の一画をともかくになわしていただいておる一国
会議
員として、少なくともこういう印象が流れるということは、日本の政治の上で非常に危険なことではないかと思う。最高裁の判事についての批判票というようなものも、従来はほとんど無意識にみんなマルというか、つけておったのですね。こういうことに対して、最近はだいぶ意識的に、これは考えなければというような空気も出てきております。こういう国の根本にかかわる三権分立の
精神
というものまでが、だんだん
政府
権力と申しますか、
行政
権によってリードされるようなことは、これは今後の日本の民主政治の前途に非常に暗影を投げるものだ、
文部大臣
の姿勢の中にも私はそういうにおいをかいでいる。これについて、私の憶測であるかどうかわかりません。大臣はここで、それは確かに私は情報をキャッチしておりました、こういう御答弁が出るとは思いません。思いませんが、こういうことはよほど、特に与党、日本の政治の責任をあずかっている
政府
、それは十分にひとつ戒心をしていただかないと、少なくともそういう受け取り方をしている
国民
が多数になってきているということ、このことは私はこの際強く反省を求めまして、私の質問を終わります。
奥野誠亮
48
○奥野国務大臣 長谷川さんのような疑惑が起こっておるということになりますと、これは大問題でございまして、また私の発言がそういう疑問を起こしたといたしますと、最高裁判所の権威からいたしまして、たいへんな迷惑をかけたということになりますので、そこで私は、あの当時の御答弁申し上げたことをちょっとふえんして申し上げたいのであります。 それなりに尊重しますと申し上げました。同時に、二十八条の
労働
基本
権、公務員に対する適用、どの範囲まで適用があるか判断が明確にされていないのです。要するに、十五条でございましたか、全体の奉仕者という
規定
がある、公務員は全体の奉仕者と
規定
されているわけだから、積極的に
国民
全体に対して奉仕していかなければならない。奉仕していかなければならない者に対して、怠業する、ストライキをするというわけでございますから、自由自在に一般の民間の組合員と同じようにやっていいわけのものではない。その範囲というものは明確にされていないわけです。そこで私は、憲法十五条の範囲が明確になっていないのですということばもつけ加えたつもりでございます。 そういう際に、下級審にいろいろな判断が出ているわけでございます。右、左取りまぜて出ておるわけでございます。やはり裁判は三審
制度
をとっておるわけでございますから、最高裁判所の判断が出ました場合には、
法律
もそれに従わなければならないと思います。しかし、それまでの間は、
法律
が
改正
されない限りは、私は、
行政
当局はその
法律
の命ずるところに従って運用していかなければ、下級審の裁判の結果によって右顧左べんしておったのでは、
行政
の秩序は保たれないと考えておるわけでございます。そういういろんな気持ちがございまして先般の答弁になり、また
教育長
さんの集まりにおける私のあいさつになっておるということを御理解賜わりたいと思います。
長谷川正三
49
○長谷川(正)
委員
ちょっと補足質問。終わったつもりでしたけれども、あえて御答弁が、御答弁を求めないのにありましたから、私のほうもちょっと申し上げておきます。 確かにおっしゃるとおり、二つの原理の法益がどちらが重いかによって判断するというような言い方でありまして、具体的にどこで線を引くということは明確になっていないといえばそうですね。しかし、少なくとも私の場合の四十四年の判決、四・二三事件の判決というものは、少なくとも東京都
教職員
組合が一日ストライキをやったわけです。この程度のものについては——一日ストライキをやったのですよ、朝から晩まで。この程度のものについては有罪とすべきではない、すれば憲法違反がある、こういう結論が出たこと、そのことをあなた認めますかと聞いたんですよ、あのとき。どうですか、それは。
奥野誠亮
50
○奥野国務大臣 ちょっとそのときの正確な応答を忘れてしまって申しわけございません。判決そのものを、私はこれをとやかく申し上げるわけではございません。先ほども申し上げましたように、違った
法律
であれば
法律
を改むべきものだ、かように考えております。
長谷川正三
51
○長谷川(正)
委員
いや、その都教組判決の
法律
の違う違わないを言っているのじゃないのです。
法律
そのものは違憲とはいっていないけれども、適用において、その憲法二十八条との衡量において判断しなくてはならない、したがって、憲法二十八条の
労働
基本
権というものは、これはもうきわめて重要な
国民
の権利ですから、これは十分重視して、そして万やむを得ないときに制限される場合がなしとしないから、
法律
そのものは違憲とはいえないけれども、運用については非常に制限してやらないと、大事な二十八条を犯すことになる、こういう判決の組み立てになっているわけですよ。ですから、少なくとも私ども都教組がやった一日のストライキに対して有罪と、したことは、これは誤りとして無罪の判決をした、そのことはお認めになりますねと言ったんですよ。それ、お認めになるでしょう。
奥野誠亮
52
○奥野国務大臣 四十四年の判決、またきょうの判決、その判決は当然認めるべきものでございます。
長谷川正三
53
○長谷川(正)
委員
終わります。
森喜朗
54
○森(喜)
委員長
代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
森喜朗
55
○森(喜)
委員長
代理 速記を始めて。
山原健二郎
君。
山原健二郎
56
○山原
委員
本日、
教職員
のストライキについて
文部大臣
の声明が各新聞に出ておるんです。これは率直に聞きますけれども、この広告料幾らかかりましたか。
井内慶次郎
57
○井内
政府
委員
約六百四十万円でございます。(「安い」と呼ぶ者あり)
山原健二郎
58
○山原
委員
国民
の税金ですから、安いという声は私は受け取りかねる。六百五十万円、これは全紙合わせて六百五十万ですか。
井内慶次郎
59
○井内
政府
委員
全紙合わせてでございます。
山原健二郎
60
○山原
委員
この中にある「いかなる場合においても争議行為を行なうことは、厳に禁止されているところである。」という表現は正しいですか、
文部大臣
。
奥野誠亮
61
○奥野国務大臣
地方
公務員法にそう書いてございます。
山原健二郎
62
○山原
委員
憲法にはどう書いてありますか。
奥野誠亮
63
○奥野国務大臣 憲法には「全體の奉仕者」と、こう書いてあるわけでございまして、全體の奉仕者」を受けて
地方
公務員法の
規定
がされているわけであります。
山原健二郎
64
○山原
委員
いかなる場合においても争議行為を行なうことは、厳に禁止されているという
法律
上の解釈は、あなたの解釈ですか。
奥野誠亮
65
○奥野国務大臣 一般的にそう解釈されます。
山原健二郎
66
○山原
委員
最高裁判所はどういつでいますか。
奥野誠亮
67
○奥野国務大臣 もちろん最高裁の判断は私はそういうふうに理解をいたしております。
山原健二郎
68
○山原
委員
東京都教組事件の最高裁の判決は、いかなる争議行為も厳に禁止されているという判決ですか。
奥野誠亮
69
○奥野国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたように、十五条との
関係
が明確になっていないと私は考えておったんでございます。
山原健二郎
70
○山原
委員
最高裁の都教組判決は、少なくとも公益の福祉の問題が出ておりまして、その範囲はいま長谷川先生が言われたようにまだはっきりはしておりません。しかしながら、少なくとも最高裁の判決は、すべてのストが違法だということは憲法上矛盾があるという判決なんですよ。判決はそうなんです。だから、あなたの書かれておるところの「いかなる場合においても争議行為を行なうことは、厳に禁止されている」ということは、少なくとも誤りなんです。厳密な意味においてこのことばは誤りです。こういう誤りを六百五十万の
国民
の税金を使って広告を出すとは何事か。私はそのあなたの見解を聞きたい。
奥野誠亮
71
○奥野国務大臣 先ほど申し上げましたように、公務員の「全體の奉仕者」という積極性をどう考えるのか必ずしも明確でなかったわけでございます。明確でないから、したがってまた
法律
も現存しているわけでございます。きょうの判決はかなり明確になった、私はかように考えておるわけであります。
山原健二郎
72
○山原
委員
きょうの判決のことはまだ読んでおりません。しかし、これはけさですからね。けさ出されているわけでしょう。きょう判決が出たのは午前十時です。しかも、これは原審差し戻しでありますから、最高裁判所のこれに関するところの決定というものはないわけですよね。最高裁判所における決定というのは、すべての争議行為は禁止されておる、そういうものではないのです。そういう考え方は憲法上矛盾があるという見解が最高裁判所における今日の判決なんです。そういうことから見まして、われわれはお互いに、まあ
文部大臣
の場合は大臣の立場で書かれているのですけれども、こういう広告を全
国民
に示すからには厳密な意味での表現がなければならぬと思うのです。こういう考えだとするなら、「いかなる場合においても争議行為を行なうことは、厳に禁止されているところである。」という、これは
国民
に対して最高裁判所の判決、あなたが常に言われてきた下級審においては判決が混乱をしておるから信用できないという言い方、少なくとも最高裁判所における今日の確定的な判決、それを表現を変えて、これは偽りを
国民
に対して宣伝をしておるということになるわけです。その点どうですか。
奥野誠亮
73
○奥野国務大臣 大きな見解の違いだと思うのでございますが、
地方
公務員法の三十七条には、「
職員
は、
地方公共団体
の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は
地方公共団体
の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおってはならない。」と明示されているわけでございまして、それに従って申し上げているわけでございます。
山原健二郎
74
○山原
委員
そのことはわれわれはもう初めから終わりまで覚えていますよ。地公法三十七条は覚えています。けれども、最高裁判所の判決は、それを含めて憲法二十八条との
関係
において最高裁判所の今日の判決が出ているわけですからね。あなたが従うとするならば、今日憲法の擁護者である最高裁判所の決定というもの、これを正確に書かなければ、こういう形で独断的に、地公法三十七条にあるからといってこういう書き方をすることは、きわめて不見識なやり方ですよ。
奥野誠亮
75
○奥野国務大臣 私の理解では、刑事事件について、刑事罰について最高裁の判決はあったけれども、
行政
罰についての最高裁の判決は私は出ていないようなふうに思います。同時に、今回かなり明確な判示があったわけでありまして、そういうことを通じてみますと、全体の奉仕者、職務専念の義務を持っている。したがいまして、そういう公務員の性格から考えますと、ストに参加すべきではない、そういう今回の談話、これは私は適当なものではなかろうか、かように考えているわけでございます。
山原健二郎
76
○山原
委員
刑事罰であろうが
行政
罰であろうが、最高裁判所が憲法と
法律
の
関係
において
審議
をして出された見解というもの、それはこの争議行為すべてを禁止するということは憲法になじまない、矛盾するという結論なんですよ。刑事罰だとか
行政
罰だとかいうことは
行政
官庁がやることであって、それが憲法上どうなのか、
法律
上どうなのかということが、最高裁判所においていま出ておる半ば確定的判決というのはこの都教組事件でしょう。だからあなたの言うように、そこから刑事罰だとか
行政
罰だとかいう逃げ方というのは、あなた方のかってなことですよ。しかし、現実に
国民
の前にあなたが示す場合にはこれは明らかにしておかなければ、これは憲法の最高裁判所の判決というものに対するこれはもうあなたの反逆ですよ。これは反逆であり挑戦であるのですよ。そういうものをこういう形で国費を使って広告を出していいのか。
奥野誠亮
77
○奥野国務大臣
行政
罰と刑事罰と同じだというような議論をおっしゃると、これはまた私はいただけないのです。やはり
行政
罰というものは、
行政
内部の秩序を守るために科せられる罰則でございます。刑事罰は
社会
全体の秩序を守るために適用される罰則でございますから、おのずから違ってくる。私は
行政
内部の秩序を守るためには、公務員の道義的な感覚も強く要請されてしかるべきものだ、こう考えておるものでございます。
山原健二郎
78
○山原
委員
刑事罰、
行政
罰の問題と、「いかなる場合においても争議行為を行なうことは、厳に禁止されているところである。」ということとは違うのですよ。そこをごまかしたらいかぬですよ。われわれお互いに文教
委員
としてここで論議をしておるわけですから、お互いに正当な論議をやろうじゃありませんか。それをごまかして、
行政
府の行なう
行政
処分あるいは検察庁の行なう刑事処分、それをごっちゃにしてはいけないのですね。憲法上
法律
をどう解釈していくかという法理論の問題として最高裁判所から出ておるそのことをゆがめて
国民
に呼びかけるとは一体何事か。これは当然私どもは疑問が出てまいります。どうですか。
奥野誠亮
79
○奥野国務大臣 私は先ほどからたびたび申し上げておりますように、
地方
公務員法をもとにして考えておるわけでございます。同時に、最高裁判所の判決も明確でなかったのが今回非常に明確にされた、こう考えておるわけでございます。
山原健二郎
80
○山原
委員
地公法と憲法とどちらが上級
法律
ですか。
奥野誠亮
81
○奥野国務大臣 憲法の判決が明確でなかった、こう考えているわけでございまして、明確であれば私は違っているところはとっくに
法律
が直されているはずだと思うのであります。
法律
が訂正されているはずだと思うのであります。今回それが非常に明確になったわけでございますので、それで不穏当ではないのじゃないかというふうに思います。
山原健二郎
82
○山原
委員
論争としては明らかにあなたの負けですね。(笑声)いいですか。笑ったっていかぬですよ、感情その他をまじえて言っているのではないのですから。最高裁判所の憲法、
法律
の
関係
における違法性、合法性というものに対する判決が出ているわけですからね。少なくとも、いかなる争議行為もこれは禁止するという考え方は憲法上矛盾があるという結論ですよ。だからあなたがどんなに強弁されたところで、こういう書き方は
法律
上正当性を持っていません。そのことを私は言っているわけです。これは明らかなところです。だから、文部省全体で合議してください。どうなんです。そんなあいまいなものをあなたは六百五十万も金を使って全
国民
に呼びかけるなんてとんでもないことです。この点について私は文部省の統一見解を聞きたい。
奥野誠亮
83
○奥野国務大臣
行政
運用の面におきまして、公務員は全体の奉仕者として積極的に専念していかなければならない。したがって、一刻といえども住民に対してサボタージュするようなことは適当でない、そういうふうに
地方
公務員法にも書かれている。そういう道義的な見解を踏まえましてこういうことばを用いたのであって、何ら不穏当ではない、私はかように考えております。
山原健二郎
84
○山原
委員
あなたが
国民
の税金である国費を使って出されるものですから、それに対しては少なくとも
法律
上瑕疵のない文章を書かれるのが妥当だと思いますよ。だから、地公法上私はこう解釈するというならまた別ですね。しかしながら、いかなる争議行為も厳格に禁止されておるという書き方は、
法律
上正しくないのです。それなら、そういう考え方が正しいのかどうか最高裁判所に対してあなた方、問い合わせてください。私どもは都教組事件における最高裁判所の判決文をもちまして、そういう考え方は憲法上矛盾があるということをたてにして一なぜたてにしておるかというと、常に下級審のいうことは信用できない、あなたはこのほど
教育長
会議
でこう言っておられるでしょう。下級審のいっておることは混乱がある、下級審がストライキを認められるとしても最高裁で確定されていないので
現行法
上は取り締まる必要がある、こういうことをあなたは
教育長
会議
で言われておるのです。最高裁判所のことをあなたが言われるから、最高裁判所はこういう判決だ、こう言っておるわけでございます。 私はこれからもいろいろ聞きたいことはありますけれども、時間は守ります。だからこれでおきますけれども……(発言する者多し)実際ほんとうに……
森喜朗
85
○森(喜)
委員長
代理 静粛に願います。
山原健二郎
86
○山原
委員
最近あなたのとっておられる態度、たとえば閣議における発言あるいはまた
教育長
会議
における発言、きょうの新聞、こういうものを見ましたときに、武断的な態度で問題を処理されようとする考え方があるんじゃないですか。私は、率直に日教組と話し合ったらいいんじゃないかと思う。その場で話がつかないかもしれないが、少なくとも
教育
の問題について論議しようじゃないか、こういう姿勢が必要なんであって、そういうことが問題を処理していく方向に向くわけでございますから、私はぜひそういう——奥野さんは内務官僚であられたそうでありますけれども、実際に
文部大臣
としてそういう面で厳正な立場をとっていただくということ、ほんとに話し合いをしていくという立場を貫いていく。武断主義で、処罰だけが秩序を維持するなんということばもありますけれども、そういうことでは少なくとも
文教行政
というものは解決をしないということを申し上げまして、私の質問を終わります。
森喜朗
87
○森(喜)
委員長
代理
有島
重武君。
有島重武
88
○
有島
委員
私は再三にわたりまして、大臣に、
教員
の代表と話し合われるようにということを申し上げてまいったわけでございますけれども、その際に、大臣は、私はやらないけれども文部省としては各段階でもってやっておるということを言われた。じゃ、どの段階でもって、いつ、どういうことを話し合ったのか、そのことを御報告いただきたいのです。
奥野誠亮
89
○奥野国務大臣 日教組と文部省との
関係
でございますね。日教組の方は、たびたび文部省へいらっしゃっているようでございまして、課長なり
局長
なりよく会っているようでございます。また先般は、文書までいただいているものでございますから、その返事をいたそうとしております。
有島重武
90
○
有島
委員
いろいろという話じゃないのです。たとえば
事務
次官は会った、で、こういうような
内容
を話し合った。そういうしっかりしたお話をしてください、何を話し合ったのか。
奥野誠亮
91
○奥野国務大臣 私、こまかいこと
承知
しておりませんが、日教組の方もそうかた苦しくなしに文部省へいらっしゃっているんじゃないでしょうか。また私どもも、将来そういうかっこうで話し合えるような姿にしたいな、こう念願しておるわけであります。
有島重武
92
○
有島
委員
御自分でもってお話し合いになるということの前段としてそういうふうにさしていらっしゃるんだとすれば、いまのお答えは何だかずいぶんあいまいであろうと思うんですね。いま会期中だからというようなお話がございました。にもかかわらず、そういった壁を御自分から破っていこうというお話ではないように私はいまのお話は受け取りますね。 それから四月二十一日に
教育長
をお呼びになった。それでこのときに各
教育長
に、各
地域
における
教員
団体との話し合いを指示なすったのですか。
奥野誠亮
93
○奥野国務大臣 日教組の話の一つとしては、先般書類をもらっておりましたからその返事、私は、早くお渡ししなさいよと督励をいたしましたら、先方のほうではあすほしいとおっしゃっているようでありまして、あす渡すことにしているわけでございます。そういうように話はよくなされているんだ、こう申し上げているわけであります。 それから、先般
教育長
さんに集まってもらったときに申し上げましたのは、よく先生方に理解してもらうように話し合ってくれということで、これにもつばら重点を置いた会合であります。
有島重武
94
○
有島
委員
さっきの文部省内の問題も同じなんですけれども、それがどういうようなことになって戻ってきて、それをどういうふうに判断されるのかですね。そういうことがもっと大切だと思うんですね。ただ文書を渡したりあるいはこうやって文書を報告したり、それでもって話し合いをしているんだというようなことではとてもお話にならないと思うんですね。 それから、
政府
のやることはみんな悪いというような言い分の人と話し合う余地は全くないという言い方、あるいは反
政府
の態度でその上の戦術だから話し合う余地がないといったようなおっしゃり方、それで結局結論としては、言うことを聞かなければ強行処分だよという言い方、そういうふうにこれは受け取れますけれども、そういう態度ははなはだよくないと思うんですけれども……。
奥野誠亮
95
○奥野国務大臣
政府
のことは何でも悪いというような言い分にとれるような表現を、私、先ほど御披露いたしました。だから会わない、これは
有島
さんがつけ加えておられるわけであります。そうかってに結論をつけられては困ると私は思うのでありまして、私は
基本
的には手をつないでいかなきゃならない、手をつないでいけるような
教育
界にしたいんだ、これは私の最大の目標とまで心得えております、こう申し上げておるわけであります。ただ、いま私から進んで日教組の方々に会いたいということを申し入れる考えはありません。三
法案
の撤回とか紛砕とかいうておられる。あるいはスト権奪回とか処分阻止とかいっておられる。そういうことについては私は何らの
権限
がありませんで、それは国会で
審議
しておることであります力そういうことはまさに政治ストでありまして、組合は勤務
条件
の
改善
をはかることをもって
目的
としておる。それについては喜んで話し合いをいたしますけれども、いまの話ではそんな状態になっていないじゃありませんか。だからいまは私から進んで会う段階になっていない、こう申し上げたわけでありまして、だから私は、日教組に会わないと申し上げているんじゃありませんで、ぜひその点はひとつ正しく御理解を願うようにお願いを申し上げます。
有島重武
96
○
有島
委員
いまの三
法案
と勤務
条件
ですが、全く無
関係
の話ではないわけですね。それは勤務
条件
とは全く別な話だ、勤務
条件
の
改善
なら話し合うんだ、それもずいぶんおかしな話だと受け取られると思うんですね。
奥野誠亮
97
○奥野国務大臣 私は、いまは勤務
条件
の話だって、会うことができるとは思いません。ですから、かってに結論をおつけになることだけはやめていただきたいと思います。
有島重武
98
○
有島
委員
それから、いまあげられましたけれども、「いかなる場合においても争議行為を行なうことは、厳に禁止されているところである。」これは非常に問題だと思います。このことについては、やはりこれはやや軽率であったということは免れないと私も思います。それで、これはもうこの広告を出し直されるということは——これはぜひとも撤去されるべきだと私は思います。いかがですか。
奥野誠亮
99
○奥野国務大臣
有島
さんまで重ねてお話がございましたので、私はここで、はっきりしないんだとたびたび申し上げたわけでございますが、
有島
さんまで、私がはっきりしないんだと申し上げたことで御理解いただけないようでございますので、ここで判決文を読み上げます。私がなぜはっきりしないんだと言っているかを御理解いただけると思いますので、読みます。「本件の一せい休暇闘争は、同盟罷業または怠業にあたり、その職務の停廃が次代の
国民
の
教育
上に障害をもたらすものとして、その違法性を否定することができないとしても、」あいまいな表現を使っておるのです。「その違法性を否定することができないとしても、被告人らは、いずれも都教組の執行
委員長
その他幹部たる組合員の地位において右指令の配布または趣旨伝達の行為等をしたというのであって、これらの行為は、本件争議行為の一環として行なわれたものであるから、前示の組合員のする争議行為に通常随伴する行為にあたるものと解すべきであり、被告人らに対し、懲戒処分をし、または民事上の責任を追及するのはともかくとして、」これは許されるというふうに読めるような表現を使っているのです。「懲戒処分をし、または民事上の責任を追及するのはともかくとして、」刑事上は別だ、こういつているわけです。だから私は、刑事上と
行政
上の問題とは区分して考えるべきだ、こう申し上げたわけでございます。 そのように、これは
行政
上の問題は不明確なんです。そういう意味で、現在においては
地方
公務員法が明示しているとおりに、私たちが皆さんたちに申し上げていることは何ら不穏当じゃないじゃありませんか、ことに、公務員はどうあるべきかという道義的な問題も踏まえてわれわれがいろいろなことを話をしていく、それが不穏当だというわけにはまいらないんじゃないでしょうか、こうお答えをしているわけでございます。
有島重武
100
○
有島
委員
この場合、今度のストライキに限ってこうであると言わずに、いついかなる場合にもということがここに読み取れる。いついかなるときにも
教員
はどんな争議にも加わってはならない、そういうことをここでもって言われるべきでないと私は思うのです。
奥野誠亮
101
○奥野国務大臣
地方
公務員法の三十七条をたてまてにして申し上げておるわけでございます。同時に、先ほど来議論になりました最高裁の判示もございますけれども、いささか明確を欠いておる。そうすると、公務員の道義的な感覚も踏まえてああいうお話をすること、それは不穏当だといえないじゃないか、こう申し上げておるわけであります。
有島重武
102
○
有島
委員
時間が限定されておりますけれども、いついかなるときにおいても争議行為が絶対に許されないというようなことは、これは憲法の
精神
じゃないと思うのですね。きわめて限定された
条件
の中にあってこういったことが言えるのであって、私は、いまの大臣のそれだけの御答弁ではまだ
承認
し切れないと思います。時間が非常にきびしく言われているから、その問題は保留して、次のチャンスのときにあともう一ぺんこれをしっかりやらなければいけないと私は思います。
奥野誠亮
103
○奥野国務大臣 きょうの判決の趣旨をお読みいただきますと、考え方がかなり明確になったと私は思うのでございます。公務員は全体の奉仕者だ、使用者は住民全体だというたてまえをとっておるわけでございまして、住民全体に迷惑をかけるようなことは許されないし、同時にまた、使用者である側でロックアウトというような方法もとれないわけでございますので、したがって、公務員がストをやる、それは元来国会の中で給与の問題をきめていかなければならない、それに対して圧力を加えるというようなことにもなってくる、民主的なルールにも反する。したがって、必要な代償措置を十分に講ずる、代償措置を講じているのなら、憲法十五条との
関係
において、スト権を与えないことはそれなりにいわれがあることだというような考え方を明確にしているわけでございます。それを踏まえて私がああいうことばを申し上げたわけではございませんけれども、
地方
公務員法あるいは公務員のあるべき姿ということを踏まえて、ああいう表現をさせていただいたわけでございます。
有島重武
104
○
有島
委員
この問題を留保して、これで終わります。
森喜朗
105
○森(喜)
委員長
代理 この際、暫時休憩いたします。 直ちに
理事
会を開会いたします。 午後四時二十六分休憩 ————◇————— 午後五時三十二分
開議
田中正巳
106
○
田中
委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。
教育職員免許法等
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
本案
につきましては、すでに質疑を終了いたしております。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。深谷隆司君。
深谷隆司
107
○深谷
委員
私は、自由民主党を代表いたしまして、
教育職員免許法等
の一部を
改正
する
法律案
に賛成するものであります。 このたびの
改正
法案
の主眼とするところは、免許状授与の特例として、新たな
教員
資格認定試験の
制度
を設けようとするものでありますが、初等
中等教育
の
充実
向上
のため、
教育
界に広く人材を集めることが要請されている今日、
大学
における通常の
教員
養成
のコースを歩んでこなかった者であっても、必要な資質、能力を備えていることが実証されれば教職への道が開かれるようにすることは、
小学校
教員
や
高等学校
、特殊
教育
の特定の分野の
教員
の確保の面における要請とも合致し、時宜を得た施策であると考えます。 なお、この資格認定試験の実施にあたっては、適正な
水準
において
教員
としての能力が検証し得るよう、試験の
内容
、方法について十分な配慮がなされることを期待いたします。 また、
高等学校
の衛生看護に関する
学科
の全国的な普及に対応し、その
教育
の
充実
のため、看護及び看護実習の教科についての免許状を設けるなど、この
改正
法案
に盛り込まれた各種の
改善措置
も、最近における
学校教育
の
実情
に即応するものと考えます。 以上、このたびの
教育職員
免許法の
改正
は、その
内容
が
関係
者の要望にも即しており、適切な措置と信ずるものでありますが、なお、
教員
の確保と資質の
向上
の見地からは、免許
制度
の全体的な仕組み、
教員
養成
のあり方、
教員
の処遇などにわたり、さらに検討、
改善
すべき問題が少なくないと考えますので、今後これらについての総合的な施策を推進する必要があることを付言して、この
法律案
に賛意を表する次第であります。
田中正巳
108
○
田中
委員長
次に、
木島喜兵衞
君。
木島喜兵衞
109
○木島
委員
日本
社会
党は、本
法案
に対し、
委員会
において慎重に
審議
を重ねてまいりましたが、その結果、次の
理由
により反対せざるを得ない
法律
であるという結論に達しました。
理由
の第一は、
教員
養成
の原則を安易にくずしているということであります。 すなわち、戦後
教育
の改革にあたり、当然に
教員
養成
のあり方は主要な
課題
となり、旧制師範
学校
の批判をも含め、きわめて高い視野、観点から、
教員
は
大学
において
養成
されることと開放制の二原則が
確立
されたのであります。 今回の本
法案
の
改正
の主眼である検定
制度
は、この原則をくずし、
教員
の資質を低下せしめるおそれが十分にあり、このことは
本法
第一条の、
教員
の資質の保持
向上
をはかる
目的
に反すると考えるものであります。 その二、三の
問題点
を指摘するならば、一つは、
教員
の不足を資格認定試験で補おうとするものでありますが、免許状所持者の数は十分なのであって、その就職の
条件
の
整備
や全国的な需給調整等に意が注がれず、安易に
教員
は
大学
において
養成
されるという原則をくずして、検定により補充しようとしていることであります。 その二は、
教員
に要求される資質には人間的要素と専門的要素がありますが、近時、文部
行政
はその専門的要素に重点を大きく傾けているのでありますが、
教育
には
教育
学、教授法より、より人間的にすぐれていることが要求されるのであります。そのため、
法律
はまた人物を重要視しているのでありますが、資格認定試験にはこの人物に関する面の無視、軽視がなされていることであります。 その三は、
大学
で必修となっている
教育
実習が課せられないことであります。
教育
実習は、国立
大学
における
教員
養成
課程
はともかく、一般
大学
におけるそれはきわめて形骸化しており、その根本的
改善
をはからず、その現状を是認し、その延長線上にこの検定
制度
の場合も置いて、
教育
実習を課していないことは
教員
の資質の低下につながるのは当然のことであります。 反対の
理由
の第二は、高校のあり方が問われているとき、その傾向に逆行するからであります。 すなわち、資本に奉仕する
教育
といわれてもいたし方のない高校の
多様化
は、
後期中等教育
を荒廃せしめている一因でもあり、また、高校進学率の上昇や技術革新とともにその反省期を迎え、普通
教育
の拡大の方向にあるとき、高校の一部の領域に、
教員
養成
の原則をくずしつつ資格認定試験による
教員
の採用には賛成しがたいものであります。 また、その一環である看護の免許の新設は、その免許取得には医師免許、看護婦免許所有者による授業を
条件
としますが、そのためには、正規の免許資格を有しない者に臨時免許状を形式的に与えて授業をしてもらう以外になく、このことは
本法
を貫く
教員
資格の尊厳を著しくおかすものといわざるを得ません。 反対
理由
の第三は、
本法
の
法律
技術上の不
整備
であります。 その一つは、第十七条三項に「養護訓練の教授を担当する教諭」とあるその教授ということばは、
実情
に著しく適合せず、
政府
答弁によると、立法技術からかかる法文にしたと言っておりますが、立法技術上から実体を変えることは許されないことは当然であります。 また、十数回の
改正
により、そのつど付加された附則は本文の四倍以上にも及ぶことに見られるごとく、
国民
にわかる
法律
とするための
整備
が痛感せられます。これらのなすべき
整備
をなさず、安易な道のみを求めることには賛成をしかねるものであります。 反対の第四は、
本法
の立法の
精神
に立脚した
運営
がなされていない点であります。 たとえば資格を有しない者を雇用した場合は、体刑、罰金刑が科せられる
規定
があり、資格を有しない者は、人物、学力、実務、身体の検定をされることになっているにかかわらず、実際には申請者の申請に基づきノーチェックで採用されているがごときは、その違法行為の最たるものであります。 また、本
法律
の存在の
基礎
である
教員
養成
の
条件
整備
や開放制の一面である奨学
制度
の改革に本格的な手段が講ぜられず、小手先のみの、あるいは現実との妥協のみにより、
教員
の資質の保持
向上
をはからぬのみか、低下をもたらす文部
行政
の
基本
姿勢に対して、きびしく批判をせざるを得ないのであります。 以上、おもなる反対
理由
を述べ、日本
社会
党の反対の討論といたします。
田中正巳
110
○
田中
委員長
次に、栗田翠君。
栗田翠
111
○栗田
委員
私は、日本共産党・革新共同を代表して、
教育職員免許法等
の一部を
改正
する
法律案
に対する反対討論を行ないます。
国民
が今日、
学校教育
に求めているものは、憲法、
教育基本法
に示されているように、何よりも
青少年
が、
社会
と自然についての
基本
的な事実、
基本
的な法則を正しく知り、真に自主的、批判的にものを考え、
社会
の主人公として行動できる能力の
基本
を身につけ、すこやかに成長することであることは、言うまでもありません。
国民
の負託を受けて、教師がその責務をりっぱに果たすためには、幅広い教養と深い学問、豊かな情操を身につけ、真理、真実のみに従い、教材や
教育
計画
の決定をはじめ、
教育
活動を自主的、創造的に進めることが必要です。 しかるに、歴代の
政府
は、
教育
の反動化の重要な
内容
の一つとして、
教員
養成
大学
・学部に対して、他の
大学
と異なった
課程
制を押しつけ、
教員
養成
に対する国家統制を強化し、教師を
政府
の意のままに動く者にしようとしてきました。 私が本
法案
に反対する第一の
理由
は、本
法案
が、戦後の民主的改革によって打ち立てられた
教員
養成
は
大学
で行なうという
教員
養成
の原則を、なしくずしにこわしてきた反動文教
政策
を一そう推し進め、
教員
資格認定
制度
を新たにつくり、
教員
の質的低下を引き起こそうとしていることです。その上、わが党の議員の質問に答えて、
政府
は、
教員
資格認定試験の一つの種目である人物調査の中に、思想傾向の調査を含めることはあり得ることであると公言しています。このことは、
教員
資格認定試験を通じて、学問の自由や、思想、信条の自由など、
教員
が憲法に基づき当然持つべき
基本
的人権が踏みにじられる危険性をはらんでいるということです。わが党は、このように
教員
の
基本
的人権や自主的
権限
を踏みにじり、
教育
の反動化と統制を一そう強めようとすることを認めることはできません。 反対の第二の
理由
は、本
法案
が、
高等学校
の
教育
課程
を一そう多様なコースに細分化し、そのことによって、
教員
の
養成
課程
の
多様化
、細分化を引き起こすこととなり、
教員
養成
の質的な低下をもたらすことになるという点です。 今日、
高等学校
の教科は、
政府
の安上がりの
労働
力
養成
政策
の結果、二百五十種類をこえる多様なコースに細分化されており、
基本
的な
教育
内容
の切り下げ、技能
教育
化の進行とともに、高校生の健全な成長に大きな障害を与えていることは、だれしも認めることです。神奈川県をはじめ、各地の実業高校が廃校とされたり、応募者が減少したりしていることが、はっきり物語っているように、高校
多様化
に対する
生徒
、
国民
の批判と怒りは大きなものとなっています。
政府
は、この
生徒
や
国民
の批判や怒りとは逆に、教科の一部の領域についての免許状を
教員
資格認定
制度
によって与えようとしていますが、これは高校
多様化
を免許法を通じて、固定化するものです。 現在、全国各地で、高校の学区制の手直しや、教科の
多様化
の訂正のための、
生徒
や父母、
教員
の願いにこたえた自主的
改善
の動きが盛り上がってきています。今回、
政府
の
提出
した
本案
は、この
国民
の願いと要求に全く相反するものであります。 反対の最後の
理由
は、本
法案
が文教
政策
の
貧困
な状態を放置したままこそくな手段で
教員
需給
関係
を取りつくろおうとするものであり、
教育条件
の
改善
ははかれないどころか、
教育
現場の現状を
貧困
なままに放置することを免罪するものであるという点です。 今日、
国民
が真剣に求めていることは、 第一に、
教育予算
を大幅にふやして、
教員
養成
大学
・学部を
充実
するとともに、奨学金
制度
を
拡充
して多数のすぐれた
教員
を
養成
できるよう
教育
・研究
条件
を
改善
すること。 第二に、
教員
の
定数
をふやすとともに、不当な就職差別をやめること。 第三に、
教員
の待遇を
改善
し、
社会
的地位の
向上
をはかりながら、子供一人一人に行き届いた
教育
を実現するため、
学級規模
を三十五人以下に減らすとともに、専科
教員
と
事務職員
を
拡充
して
教員
の負担を軽減すること。 第四に、差別、選別の
教育
をやめ、子供たちの個性や
自主性
を十分発揮できるような
教育
内容
に改めること。等なのです。 私は、こうした方向こそ、今日の
教員
の
貧困
な状態を
改善
し、真に憲法と
教育基本法
の原則に基づく方向であることを確信するとともに、このような措置をとらない限り、真に
国民
の期待にこたえた
教員
養成
は何らできないと考えます。 このように見てくるならば、ことさらに本
改正
案を
提出
するに至った
政府
のねらいが、まさに中教審
答申
に沿った
教育
全体の反動的再編を推し進めるところにあると断じざるを得ません。 このような
理由
から、私は本
法案
に反対いたします。
田中正巳
112
○
田中
委員長
次に、高橋繁君。
高橋繁
113
○高橋(繁)
委員
私は公明党を代表いたしまして、
教育職員免許法等
の一部を
改正
する
法律案
に反対の討論を行なうものであります。 以下、その
理由
について申し上げます。
提案
されました本
法案
の
提案理由
の説明の中に「最近における
学校教育
の
実情
にかんがみ、広く人材を求め、
教員
の確保を図るため」とあります。これが真意であるならば、その根拠、裏づけとなるべき
理由
が明確に示されるべきであると考えます。 その根拠とは
教育職員
の需給体制の
確立
であります。しかも、五年ないし十年の将来
計画
でなければならない。その
計画
の立案にあたっては、科学的に究明され、綿密な調査のもとに、たとえば
児童
生徒数
の
増加
、
学級
編成及び定員
定数
の将来の見通しに立った
計画
、定年制、
教員
養成
大学
への志望、卒業、就職の
状況
、志望者の成績、意識調査、過疎過密のアンバランス等を考慮した実態のもとに、その体制の
確立
をはかるべきであります。 その上に立った
教員
不足に伴う
教員
の確保と人材を求めるための施策を考えるべきであります。 この需給体制の
確立
ができない限り、
教員
の確保はできないと確信するものであります。したがって、今回の免許法の
改正
は、急場しのぎの場当たり的な即席の
教員
づくりにほかならないものであります。 次に、第二点として、
小学校
教員
の認定試験を行なうための
改正
でありますが、広く人材を求めるというが、
教育職員
の免許法については、
昭和
二十四年に
大学
卒業者をもって教諭資格取得者とする、また教職専門単位を履修した者とする公平平等の措置が講ぜられ、さらに現職
教育
による上級免許状取得の道が設けられ、検定試験
制度
が廃止になり一すべての
大学
でという開放制の原則が立てられ、画期的な免許法の大
改正
が行なわれ、この
制度
の大原則が決定されたのであります。本
法案
の
改正
によります認定試験
制度
は、この大原則を根底からくずす結果ともなります。 なお、具体的に試験の方法についても、幾多の問題があります。
教員
の不足は、特に過密県では東京、関東近県、大阪を中心とした関西の近県、愛知県等限られた
地域
であり、いわゆる過疎県より過密県への
教員
の需給をはかるための施策であると思うが、一例をあげれば埼玉県
教育委員会
が
教員
不足を補うために過疎県の大分県に募集を求め、三十人の採用をしたものの、実際に埼玉県に就職したのはわずかに六名、その
理由
は
教員
としての志望はあるが、住宅、採用
条件
、待遇問題等
基本
的な根本題問が解決できない限りむだな方策であり、机上プランと現実のズレは大きい。また小、
中学校
の統合問題を
教育
の効果をあげるためとの
理由
のもとに促進させ、結果として過疎化をさらに促進をさせ、
教員
のアンバランスと、
教育
の効果は期待できないと確信を持つものであります。 第三点として、高校の
多様化
政策
をいたずらに助長し、父兄の声、要望に逆行し、
学校教育
全体を荒廃の状態におとしいれる現状ともなり、安易な免許法の
改正
には反対するものであります。 第四点として、新たに
特殊学校
の養護訓練の免許状を授与するとあるが、
学習
指導要領には、養護訓練の時間の指導は専門的な知識技能を有する教師が行なうことを原則とすると
規定
されております。 しかしながら、最も現在現場で要求されておることは、専門的な知識技能を有する教師であります。しかし、その
養成計画
は具体的にははっきりしていない。しかも、
昭和
五十三年までには養護
学校
二百四十三校を新設する
計画
を発表した。文部省はそのことを真剣に考えるならば、りっぱな人材を確保するためにも
教員
の
養成計画
を樹立すべであります。急場しのぎのためとはいえ、最低一年ないし二年の
養成
期間が必要と考えます。人命にかかわる養護訓練を担当する教師に安易な気持ちで免許状を交付することはきわめて危険であります。
養成
に関しての
計画
を立てるべきであります。第四の医学ともいうべきリハビリテーションの
重要性
にかんがみ、養護訓練を受け持つ教師の
養成
には慎重にして早急に
計画
を立案し、実施に踏み切るべきであり、その具体性がない本
法案
には反対であります。 結論として、
教員
の確保は単なる免許法の
改正
等によって確保できるものではない。
教員
志望者もいる、
教員
免許取得者もいる、だけれども
教育
界は人材が集まらない。その
理由
については
教員
の待遇
改善
、これには現場
教員
の声を反映しなければならない。また
社会
的地位の
向上
をはかり、魅力ある職場づくりに根本的に解決をはかり、
養成
大学
そのものも学生の意識調査を行ない、人格形成と学問研究に重点を置いた抜本策を打ち立てない限り解決はできないことに思いをはせるべきであります。 現在の
教職員
の資質の
向上
についての確たる
対策
を先議すべきであるのに、その方途について
政府
と
教員
との合議がなく、
政府
はただ
管理
職
養成
をもって資質
向上
にすりかえる傾向も見られ、また
大学
における
教員
養成
コースになじまないと称せられる高校の特殊専門
教員
の速成を急ぐ前に、現在及び今後の高校のあり方をよく見定める必要があります。 以上をもちまして、本
法案
に反対をいたすものでございます。
田中正巳
114
○
田中
委員長
これにて討論は終局いたしました。 これより採決いたします。
教育職員免許法等
の一部を
改正
する
法律案
に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
田中正巳
115
○
田中
委員長
起立多数。よって、
本案
は原案のとおり可決いたしました。
—————————————
田中正巳
116
○
田中
委員長
次に、ただいま議決いたしました
本案
に対し、林大幹君外四名より、自由民主党、日本
社会
党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の五常共同
提案
による附帯決議を付すべしとの動議が
提出
されております。 この際、
提出者
より趣旨の説明を求めます。林大幹君。
林大幹
117
○林(大)
委員
私は自由民主党、日本
社会
党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、ただいまの
法律案
に対し附帯決議を付すべしとの動議を
提出
いたします。 まず、案文を朗読いたします。
教育職員免許法等
の一部を
改正
する
法律案
に対する附帯決議(案)
政府
は、
教育職員
免許の
重要性
にかんがみ左記事項に留意すべきである。 一、
教員
養成
の二大原則、即ち
教員
は
大学
において
養成
されること及び開放制の趣旨を尊重し、
教員
資格認定試験の実施にあたつては、人物、学力等について筆記試験、面接試験等によつて、公平かつ十分な審査を行ない、
教員
の資質の保持
向上
のために公開等の措置を含め適切な配慮を行なうべきである。 二、
本法
の運用は、
教員
養成
の原則からして、きわめて高い視野からなさるべきものであり、いたずらに現状に妥協し、安易に流れぬよう十分配慮をなすべきである。 三、
本法
の
基礎
となる
教員
養成
のための諸
条件
の
整備
や、開放制の基ともなる奨学
制度
等の抜本的改革を早急に行なうべきである。 右決議する。 以上であります。 その趣旨につきましては、
本案
の審査に際し十分御
承知
のことと存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきたいと思います。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
田中正巳
118
○
田中
委員長
これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
田中正巳
119
○
田中
委員長
起立総員。よって、
本案
に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し
政府
の所見を求めます。奥野
文部大臣
。
奥野誠亮
120
○奥野国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を体して十分検討、努力いたしたいと存じます。
—————————————
田中正巳
121
○
田中
委員長
なお、ただいま議決いたしました
法律案
に関する
委員会
報告書の作成等につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
田中正巳
122
○
田中
委員長
御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
—————————————
〔報告書は附録に掲載〕
—————————————
田中正巳
123
○
田中
委員長
この際、暫時休憩いたします。 午後五時五十六分休憩 ————◇————— 〔休憩後は
会議
を開くに至らなかった〕