○栗田
委員 最初に害いましたように、とにかく子供
たちが
義務教育で半分もついていけない状態が出ておるということを、私はたいへん憂えております。それで、
文部大臣となさいましては、こういう問題は親以上に一番
責任を感じられるべきことであると思うのです。ところが、いまのお答えですと、まあだんだんに、適切に
改善してきているというお返事でございます。しかも、さっきの
日本の学級定数の問題を見ましても、これは
世界の先進国から比べては、非常におくれた状態になっております。四十五人ということですが、これは開発途上国と先進国とのちょうど中間ぐらいの数になっているわけなんですね。こういう状態がいままでそのままにされてきておる。それが非常に
努力をして
改善されているというふうに害われるのは、私はたいへん不本意ですし、おかあさん
たち、おとうさん
たちが聞いたら、非常に大きな問題になるだろうと思います。
それから事務職員、養護教諭の問題にしましても、とにかく四分の一世紀そのままにされている。これは
文部省、
政府当局が、
教育に対していろいろ言われますけれ
ども、やはり
努力がたいへん不足していると私は思います。
そういう点で、ここにも一つこういうのがあります。これは
先生たちの日常がどんなふうになっているかということについて書かれたものですけれ
ども、いま
文部大臣は
人材を充実させるということをおっしゃいました。しかし、それでは解決しないということが、ここに述べられているわけですね。
先生の一日はどんなふうになっているか。「まず、ラッシュ時の満員のバスにもまれて汗かいて職員室へ。朝の簡単な打ち合わせ会の後、元気な子
どもたちが待っている教室へ。午前中、四時間の授業、その間には、子供
たちがほんのわずか用便する程しか遊び時間がない6すぐに「給食」。食べることも
仕事のうち」といってまあ食べるわけです。そして「昼食する間もなく全校清掃。そして午後二時間の授業。子
どもたちと今日の一日の反省をすませれば、早や三時も三十分は過ぎている。子
どもたちの持って来たノートなど、ちょっと目を通していれば、早や五時も近い。今日の授業の反省や子
どもたちの日記やノート、練習問題の正誤調べ、作文の点検、はては、明日の授業のためのプラン作りなど全て帰宅後の
仕事にならざるを得ない。なかなか、理科の実験準備など出来ない。あと始末すら充分にやりにくい。こうした直接的に子
どもに関連する事は、まだしも、ちょっとした
教育委員会からの「報告
調査」などあれば、管理体制強化のもと、もう子
どものノートはあとまわしにされてしまう。給食費や、その他の集金事務はいつもカバンを重くした持ち歩きが四・五日はかかる。」その他その他というふうに書かれているわけです。
これは実際に特別な
先生の状態ではなくて、もう全部の、たくさんの子供をかかえた
先生たちの現実の状態だと思います。こういうふうな実態に
先生が置かれて、そして一人一人行き届いた
教育、目を届かせたいと願いながら、それができないという状態にあるとき、一日も早く
教育条件を
改善するために、ほんとうに万全の力を尽くしていただかなければならないと思います。このことに関連しまして、いままでの質問にも関連しまして、文相のこれからの対策、決意をもう一度最後に伺いたいと思います。