○
加藤(六)
委員 その四十七期の
有価証券報告書には
公認会計士二人が判をついて、
ぴっしゃりした意見をつけて出しておるようでございますけれ
ども、この出し方、判のつき方は、非常に穏当な
意見、いつもと同じような、四十六期、四十五期とも同じような
意見を出しておる。それから、一番
最初に
ビールの
シェアを
国税庁のほうに承ったのですが、この
営業の現況、概況という
報告書、これを見ると、
国税庁の
報告した
伸び率、
数字というものとこの
営業の
状況という
内容に若干違いがある。そこら辺は小さい各論の
問題になってくるので、あまり詳しく追及しませんが、私は、この
有価証券報告書とこの
確定申告書の
内容、それからほかの
朝日麦酒その他の
報告書その他を比較検討してみたら、その中でどうもはっきりしない
問題、いま申し上げました
一般原則の七
原則を悪用しておるんじゃないかというような
問題が二、三見られるわけです。それは、三%の
減配をやって
ビールの
値上げをするために、
社長を追い出すために、ことさらにしておると思われる点があります。
時間がだいぶ迫ってきましたので、詳しいことは言いませんが、
企業財務課長と
間税部長それから
調査査察部長に特別に、私きょう宿題というか、
問題点を提起いたしておきますから、いずれはっきり、これについての
問題を出していきたい。
これは
国税局のほうで
確定申告の場合に
益金とみなしたりあるいは
損金とみなしたり、あるいは
株主総会で言うたやつが、
確定申告で
国税局に出す場合には
損金が
益金になったり、いろいろなことが行なわれる。これは
企業でいろいろその間ある
問題でございますから、詳しくこの席で論ずる何はないですが、まず
退職給与引き当て金の
問題です。
この
退職給与引き当て金の
問題で、先ほど申し上げました
継続性の
原則とかあるいはそれ以外のいろいろの
問題等でやってみると、これはまためちゃくちゃに違うわけです。
朝日麦酒の
内容と違いがある。しかも
資本金と同じぐらいな
積み立て金を
益金一般の中でいたしておりますが、特に
今期退職金の
引き当て金繰り入れ額七億二千八百二十二万六千円。
税務許容額は一億六千二百五十七万円だ。
自己否認額は五億六千五百六十五万四千円だ。もちろん、この
退職金というのは
会社が
社員そのものに負う
潜在的債務で、私
たちは、この
退職金の
引き当て金あるいは
価格差変動準備金とか
貸し倒れ準備金というようなものを
法人税にやるときの経過や、
大蔵委員会での審査の
問題や論争の
問題等も詳しく読んでみました。読んで、そういう
精神でやってみたわけでございますが、この
会社は、ことしそんな膨大な退職
引き当て金をやって、それなら去年一年で何ぼ
退職金を払っておるのか、百二十一万円です。去年一年で百二十一万円の
退職金を実際に払っておきながら、ことしまた繰り入れ額が七億二千八百二十二万だという、この
問題ですね。この
問題は、先ほど申し上げました
企業の一般
会計原則その他からいってみるとたいへん
問題がある。もちろん、その間の議論をこの席でいたしますと非常に時間がかかります。私は、退職
引き当て金というものは十二分に社内で確保し、留保しておることが、従業員、社員に与える
精神的な安定感というものは非常に強いということを知った上で申し上げておるわけです。具体的にこの
数字を、両方の
数字と過去の
数字とをやってみた場合に、はっきりと申しましげまして、
故意の操作が行なわれておるという点が
一つ出てくると思う。この席で詳しく申し上げませんが、その
問題を
一つ、まず申し上げておきたいと思う。
それからその次は、同じくこの両方の
書類を見て感ずることは、
売り掛け金の償却という
問題でございます。この売り掛金償却という
問題が七千万円、はっきり出てきます。この七千万円とい4のは、
国税局が
調査の結果否認されたというのでなくして、経理
責任者があとから、どういいますか、総会が済んだあと出して、おたくへの
報告書には、
確定申告書には出てきておるわけですね。これはあとから結論を出しますが、いままでこの
会社はこういう制度をとっていなかった。四十七期目に初めてこういうことをやって、ことさらに
益金を隠そうとした節がある。この
内容を、おたくのほうでもはっきり調べておいてもらいたいと思う。これは、
ビール値上げのためにこういうことをしたのか、
社長を追い出すためにこういうことをしたのか、そこら辺ははっきりわかりませんけれ
ども、こういうことが現にあると思います。
そのほか、貸し倒れ
引き当て金、こういう
問題についても私は若干、
内容について疑義を持っております。その疑義は、
サッポロビールのような一流の
会社が、一流の
経営マンをそろえておきながら、
株主総会の前とあとにおける操作のしかたという
問題、こういう
問題について疑義があります。
それから、先ほどちょっと触れました価格変動
準備金についても、四億五百万円計上していますね。ところが、限度額は三億九千百二十二万一千円だ。そうすると、これにも過大引き当て額は千三百七十七万円ぐらいになるのではないか、こういう
問題が出てくるわけでございますけれ
ども、いま申し上げました、退職
引き当て金の
問題から始まって一、二、三、四の
問題について、当局は詳しく
調査しておいていただきたいと思います。
私は
機会を改めて、この
問題が正しい操作であったかなかったかという
問題について、詳しく議論していきたいと思うのです。といいますのは、先ほど申し上げましたように、あと一億六千万円あれば三%
配当はできるのだ、いままでどおり引き続き一三%の
配当継続はできるということにかかわらず、なぜ三%下げたか、これは
ビール値上げを強行する前提に立ってやったのではないか、あるいは世上伝えられておるいろいろなクーデターが社内において行なわれた、それに一部銀行
資本がくっついて、いろいろ黒い霧のもとになるような行動をしたということ、こういった
問題を明らかに究明していくためには、いま私が申し上げました四つの
問題をはっきりしなくてはならぬわけでございます。
こういう
問題は、はっきり当局から、悪かったということはなかなか言えぬだろうと思います。若干の瑕疵があったかなかったかというくらいのところにはなるかもわからぬと思いますけれ
ども、私は、一番
最初に申し上げました、年間、
国民一人当たり
ビール五十四本飲んでおる、ましてや
サッポロビールの
シェアは二十何%であって、そういう中で、こういう操作を行なって
ビールの
値上げを行ない、あるいは一連のクーデターを行なうというようなこと、
国民の食生活の一部分になっておる
ビール、その
ビール会社においてこういう点が行なわれたということに非常な不信と不満の念を持っておるわけでございます。
そこで、
間税部長に承っておきますが、一、二、三四の
問題は、きょう皆さま方のお
手元に十分なる
資料はないと思います。しかし、私がいま質問しあるいは
資料の一部を披露いたしましたこういった観点から考えて、もちろん、私は、たとえば麒麟麦酒の
シェアとその資産
内容、
経営方針という
問題と、サッポロ、朝日あるいはサントリーという
問題と、はたして同一に論じていいのか悪いのかという疑問を持っております。これは、ある場合には、まじめな
企業判断をすればサッポロや朝日は売り食いしておるのじゃないかという気持ちも、大ざっぱに申し上げますと、持つような気はいたします。いま私が申し上げたような、具体的にまだほかにもたくさんありますような
問題等から考えて……。
ところが、
国税庁は
ビール値上げに対する決定権はない。まあ
自由価格でございますということは言われましたけれ
ども、いろいろな折衝は行なわれておる。こういうことになってきますと、私が簡単にこの席で答弁を引き出すのはどうかと思いますが、
指導監督官庁として、こういう
状態が行なわれておって
ビールの
値上げが行なわれていいと思いますか、してはならないと思いますか。
ビールの
値上げをさしてもやむを得ぬと思いますか。そこら辺の、許可ではないのですけれ
ども、
指導としてどう持っていくかということをまずはっきり承っておきたいと思います。