○有島
委員 ただいまのお話ですと、外務員とそれから
消費者との間の、外で行なわれた話が多くて証拠がない、だから非常に確証をつかむのに骨が折れる。それで、
事務所でもって取引をするのだということ、あるいは趣旨に合わせてこまかいことを
消費者のほうにわからせるようにパンフレットなどをつくったというお話がございましたですね。それは何を通じてやらしているかというと、取引所を通じてやらしているわけですね。その取引所がいま問題になっている。それを通じていまやらしているわけですね。それが
一つ。
もう
一つは、外務員と
消費者だというふうにおっしゃるけれ
ども、それを今度は調停するところが取引所なんですね。それで、それを執行しているところと、裁判とまではいかないけれ
ども、それを調停する場所と、それからまたPRするところ、それが全部
一つの取引所に集約されているということは、これはみんなが善意であるならばそれでもいいかもしれませんけれ
ども、そうでないというのに、そういった制度がいままでそのままになっているということは、根本的な欠陥じゃないかと私は思います。ですから、官庁からも直接にどんどん監督してもらいたいということを言い出したわけです。
それで、この間、時間に追われて詳しいことをみんな省略しておりましたけれ
ども、こんなようなことになっているのですね。これはSさんという方です。豊商事というのがあるのですね。これは去年の話であります。
豊商事支店長殿は十八日午後三時ごろ見えまして、「過日スタジオ一〇二で商品相場の件放送になったのは知ってますが、あなたもNHKに手紙を出したのですか。何もそんなに大騒ぎしなくても、営業部長でだめなら、その上に私がいるのに。不服があれば会社と話し合いをしてくださればよかったのに。」と申されました。しかし、去る一月九日営業部長斉藤、課長橋本、セールス遠藤三氏が話し合いに見えましたおりには、「弁護士を依頼しても何をしてもどうにもならないから」とだめを押して帰ったのでした。その後私は云々とございますが、中略します。
Sさんという方は相当なお年寄りでございまして、老後の生活がこれでめちゃめちゃにされているんだ。それで、何も大騒ぎしなくてもいいのにという言い分で非常に傷ついていらっしゃるようでありました。
それから、去年の十一月二十七日ごろに私はやめたいと申しました。ところが外交員の方は、もう暮れも近いしお金も要るでしょうし、遠いから冬は車もだめだから
——これは北海道の話です。もう二週間だけつき合ってほしい、こういうことになった。それで必ず二、三百万円はもうけさせますからと、それでまた横浜生糸を買わした。それで十二月になりまして、十二月の五日にこちらが電話しているのですね。そうすると、こちらの用件を聞く前に、これから毛糸が下がるからチャンスで、一週間でいいからということを、向こうからすぐ言ってきた。それで、この返事をあいまいにしていたらば、そのとおりになってしまって、結局それは百万円の損になったということでした。
それで、あんまりこまかくやるのもあれですから飛びますけれ
ども、無断売買をされてしまって、その手数料が九百七十万にもなっている。保証金が何もなくなるまでほっておかれたということで、以前からやめたいと言っていたのにわざとこういうふうにされたんじゃないかと思っている。それで、一週間という期限だったのだけれ
ども、一週間たってすぐに電話をしたところ、すぐに会いたいと言ったのだけれ
ども、結局来なかったということですね。夕方になってから来たので、もう次の日になってしまって全部損になってしまった、パアになってしまった。
そういうようなことが重なっている場合が多いのです。この方は、結局半額でもって示談というか、その支払いでもって、全然ないよりかよかったということになったようです。
ところが、これまた別な話でございますけれ
ども、業者の方が夜に来て、これ以上幾ら泣いても騒いでも出ないと言って念書に判をつかせた。そして、百三十三万円という損金なのに七万九千円置いていったそうです。それで、これは家で相談して、そんなのはおかしいというので、内容証明でもって、この間の念書は取り消しにして、七万九千円は内金として取っておきたい、そういうように通告したらば、今度は五月八日です。つい最近のことですよ。業者が来て、「国会で通産大臣が被害を回復すると答弁したなんてうそだ。これ以上騒ぐとあなたを裁判にかける。」これはこの間名前を出しましたけれ
ども、第一商品株式会社というところですね。それで、そういうふうに言っておいて、結局いろいろやりとりがあった上でもって、「あなたの意思が変わりないことを確かめることができましたから、社に帰ってその旨報告します。」と言って帰った。
解決したという話の中にはこういうことが入っているわけです。二分の一以上というのは一番最初の話です。これなんかもとにかく解決内容の中ですね。
そうかと思うと、見舞い金を二十万円渡すと言ってきたというのがありますね。これは三番目の話です。これも第一商品のほうの話です。それで、見舞い金二十万円で、いやならばあとは裁判ですよ。裁判になったらばあなたのほうはもうゼロですよ。それで、このあと週刊誌や何かに第一商品の第の一字でも載ったならばただではおかないぞというようなことを言うわけですね。これ以上騒ぐと何とかかんとか、そういったことが続きます。それで、そのあげく念書に判を押させている。
それから、もう
一つ別な話でございますが、これも、高血圧で外出できないような
状態の方のところにこう言っている、出頭しろという電話がかかってきている。それで、行かれないので向こうが来たということになっているのですけれ
ども、これも四十万の見舞い金ということでもって、これを拒否するとゼロになる、こういったわけです。それで念書に判を押させた。これは新日本商品株式会社というところだそうです。神奈川県ですね。
それから茨城県で起こっている問題、これは富士商品株式会社というのですけれ
ども、「あなたはれつきとした社会的地位の人だから、一半の
責任はあなたのほうにもある。だから業者にはあなたの希望は伝えるけれ
ども、もう一度両者で話してもらうしかない。」これは商品取引所の係の人がそう言ったそうです。
それから、農林省のほうに訴えましたところ、農林省からは文書でもって「取引所へ行って紛議の申立てをやるように」という話であった。
それから、こういった事例があるのです。これは五月一日の事例でございますけれ
ども、取引所の課長が損金の約三分の一
程度戻されるという解決案を示して、「発注については合意に達したと解釈する」第二番目は、「売りから入るという取引の方法も了解していたはずである」、三番目に、「勧誘に関し利益保証のある取引であると説明したという断定的証拠はない」、それから四番目、「取引の中途でもうやめたいと意思表示したにもかかわらず、ここで入金しなければ、ますます損が大きくなると追証を要求した点はもう少し親切な説明があってしかるべきであった」四番目だけがちょっと譲って言っているわけです。あとはのしかかって言っているわけです。
きょういただきました、四月二十五日現在となっておりますけれ
ども、「処理
状況」の中にはこういうような問題がたくさん入っているのだということ、これはよく御認識いただきたいわけだし、あるいはよくよく御存じなんであろう、いま有島さんが言っているのは、被害者のほうの話ばかり一方的に聞いているからそんなことを言っているのだろうと言われるかもしれませんけれ
ども、まだまだいろいろな事例があるのですよ。
それで、この
委員会は
消費者保護の
立場の
委員会ですから、私は、
消費者保護の
立場からもう一ぺん商品取引について考えなければいけないと思うわけでありまして、これは大臣も御存じだろうと思いますけれ
ども、
昭和四十六年十一月二十五日に商品取引所審議会というところから「商品取引所の制度と運用に関する意見」というのが出ております。その中に「商品取引のあるべき方向について」という項目で、「現行の商品取引が、現在の経済社会のなかで十分な存在
理由をもっているかどうかが問われる時期にきている」そこまでいっているわけですよ。それで、ほんとうに根本的に考え直さなければならない問題であると思いますけれ
ども、経企庁
長官としての御所見をひとつ述べていただきたい。