○
中村(茂)
委員 長官という肩書きがついていればその程度しか言えないと思いますけれ
ども、まあ
政府全体としても、長官の置かれている
立場として、これはいま言われた真というものがどの程度かいろいろありますけれ
ども、いずれにしても、これは
物価対策の
基本になる問題でありますから、私は、一腹の中では、国鉄はやむを得ないけれ
どもそのほかはできるだけ押えていきたいという長官の意思が、真にやむを得ざるもの、こういう表現になっているんだというふうに理解いたしまして、先ほどから言っております
ように、国鉄の問題は別にやるにしても、そのほかの
公共料金、それに
関係する
政府の認可、許可するこういう料金については、この際思い切って上げないという
態度で臨んでいただく
よう強く希望しておきたいと思います。
それから次に、やはり
物価対策の強い意思をこの際
政府が反映すべきではないかということを先ほど申し上げたわけですけれ
ども、そういう
立場で、先ほ
どもいろいろ論議が出ていましたけれ
ども、
商社の対策、これについてもひとつ思い切った対策を立てていただきたいと思うわけであります。
商社の
活動をいろいろ調べてみますと、いままで
社会的に問題になったのが今回で三回目だ、こういうふうにいわれています。第一回に問題になったのは朝鮮動乱の時期に、規模は小さかったわけでありますけれ
ども、やはりいまの形の
ような若干の買占め売惜しみ、こういう状態が
商社の中に出てきて、
社会的な混乱を起こしておる。しかし、その当時は、規模はいまと違って小さかったわけでありますから、
社会的に及ぼした影響もいまほどではなかったわけでありますけれ
ども、二回目に起きたのが、
日本の
経済が高度成長期に入った時期に、いわば
商社の市場をめぐっての交通整理があまりしてなかったわけでありますから、そういう過当
競争の中で非常に消費者に迷惑をかけた。そして三回目が、今度いわれております
ように、世界じゅうを荒らしまくるというくらいな非難を浴びておる
ような問題が起きてきた。よく
考えてみれば、この問題が起きたときは、いずれにしても必ず
経済の変動期に起きているわけであります。
私
ども、先般、
商社の方をお呼びして、
参考人としていろいろお聞きした中にも、いろいろな問題が提起されているわけでありますけれ
ども、私もそのときに、全体から見れば小さな問題でありますけれ
ども、羊毛の問題を取り上げて伊藤忠商事の社長にお聞きしたわけですが、オーストラリアで、
商社が中心になって羊毛の七〇%から八〇%買い占めてしまう。しかも、いままでのルールと違った、何でもかんでも買ってしまえ、こういう無謀な買い方で現地でも問題が起きておるし、そのことで
日本の
価格形成の中にいろいろ問題が起きてきている。こういうことをお聞きしたわけですけれ
ども、何と言ったかといえば、業者からそれだけのものが必要だからというふうに言われたから私は行って買いました、結果的にはそれくらい買ったかもしれませんけれ
ども、必要だから買って、いまは在庫もありません、こういうことであります。
そこのところに、私は
商社としての商道徳の
あり方の一番根本的な問題がひそんでいるというふうに思うわけであります。業者にこれだけ必要だからというふうに言われて向こうに行って買ったんだから何が悪いという言い方ですね、先ほ
どもいろいろ出ておりましたけれ
ども。ですから、そういう
商社の
考え方を聞いて、
行動基準をつくるとか、それからそれぞれの品目を整理して、お互いの
商社の交通整理をきちっとするとか、それくらいのことでは、いまの強大化したあの
商社の
活動というものが、その
基準の中で、その交通整理の中できちっといって、消費者に迷惑を与える
ような問題について
規制できるというふうには思っておりません。いえば、
政府の
物価対策に対する姿勢がどこにあるかということが一番根本的な問題だと私は思うわけであります。
そういう
意味で二点お聞きしたいと思うわけでございますけれ
ども、
商社法を含めて、それから税
措置を含めて
商社に対しての根本的な対策を
政府として
考えていくという姿勢をお持ちであるかどうかということと、もう
一つ、私が非常に心配いたしますのは、先ほど申し上げたわけでありますけれ
ども、世界じゅうどこへ行っても問題を起こしている。これは先ほどの言い方からいけば、それだけ
国内で需要があるから外国へ行って買いあさってくる、何が悪いというのでありますが、しかし、それが世界じゅうの非難を浴びているわけであります。だから、そこら辺の指導と
規制というもの、しかもそういう中で
商社としての
役割りを十分果たさせるということ、これは非常にむずかしい問題だと思いますけれ
ども、そこら辺の対策なり長官の
考え方について、ひとつお聞かせ願いたいというふうに思います。