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小坂国務大臣 石井委員と同じように、私も
物価の問題について非常に心痛をしておるわけであります。むしろそういった
責任のある立場にありますだけに、一そう深刻に悩んでおるわけでございます。
ただいまの御
質問の
最後のくだりについてお答えいたしたいと思いますが、
輸入品が安くなるべきものである、円の実質的な
切り上げ、目下フロートしておるわけですけれども、実際切り上がっているわけで、この
デフレ効果をそのまま
消費者に持っていくためにはどうするかということでお答えしたいと思いますが、前回の場合は一六・八八の
切り上げ、大体一%くらい下がっていいものであったのでありますが、それがその間にいろいろ
流通機構等に吸収されてしまうという面で、実際は〇・三ぐらいではないかというふうなことをいわれておるわけでございます。その
対策としましては、もう
石井委員すでによく御
承知のように、
流通機構に吸収されるのをできるだけ少なくするようにすることのほかに、
輸入総
代理店というものに対して独占的な支配を認めないような、第三者による
真正品の
並行輸入ということをやったわけでございます。これは昨年の十月からやりまして、相当にいま
効果が出てきておるわけでございます。
それから今度は、そうした
経験がございますだけに、ひとつこの
経験を生かして
消費者に広く
利益を還元するようにということでは、通産省のほうにおきましていろいろ
通産物資について
考えておる、
農林省のほうでは
農林物資について
考えておるということで、
企画庁に
物価担当官会議というのを設けまして、各省から
物価関係の
担当官に集まってもらいまして、いろいろデータを出しているわけでございます。大体この月末ごろには一応の
結論が出ると思われますので、これをひとつ、新しい試みといたしまして公示いたしまして、
消費者のための
情報提供をしようということを
考えております。
情報提供だけにとどまりませんで、これは私がいまひそかに
考えており、ぜひそういうふうにしようと思っておるのは、今度ひとつ
輸入商社に少し協力をさせて、それから
デパートと
チェーンストアに協力さして、
輸入品の
安売りの
フェアをやってはどうか、見本市をやってはどうかというふうに
考えておるわけでございます。これではっきり
輸入品が安くなったということを、実際家庭の
奥さん方に買いものしてもらって、その
実感をつかんでもらうことはどうであろうかというふうに思っておるわけでございます。
それからさらに、まあ泣きごとみたいになりますけれども、いま冒頭に
石井さんおっしゃいましたように、海外でも非常に
物価が高騰しております。いままでと同じ
価格であればすでに安くなるべきところを、
先方の値段が上がっておるので、そのまま円の
切り上げ分だけ安くなるにしても、それほど安くならぬという面もあるわけでございまして、どうもその点がぱっとした
効果がなかなか出にくいのじゃないかと思いますけれども、それにしてもそのまま、
流通関係のむだないろいろな経費というものをとらなければこれだけ安くなるということを事実において示して、そして
消費者の皆さんに買いものしていただいて、安くなったという
実感を持ってもらうということをやってみようという
気持ちを持っておるわけでございます。
長くなりまして恐縮ですが、もう
一つ、私としましては、いま、非
関税商品の一部になると思いますけれども、結局
輸入品というものは非常にぜいたくなものなんで高いものなんだという頭がございまして、その
意味からか、たいへんに
利益を上のせして売る傾向がございます。この間、
北欧のある国の大使が参りまして、
北欧の
家具というのは御
承知のように非常に人気があるわけでありますが、これを
デパートで売っているのを見たら四倍だと言うのですね。何でこんなに高くする必要があるのだということを言ったら、いや、もうそういうことでお客さんが買うんだからいいんですよ、こういう話だったのですね。それじゃ君、ひとつ
知恵を授けるが、ほかの
デパートへ持ち込んだらどうだと言ったところ、いや、それは
デパートの間でみんな話がついておって、これだけかけて売ることになっていますと言う。じゃ
チェーンストアはどうだと言ったら、いや、
場所がない、
家具だから
場所をとります、そういうことを言っておりましたので、こういう問題はひとつお互いに、
先生方のお
知恵も拝借して、何か
輸入品を安く売らせることを検討してみることはできないかというようなことも
考えておるわけでございます。