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1973-09-11 第71回国会 衆議院 農林水産委員会水産業被害対策小委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和四十八年九月十一日(火曜日) 午後三時六分
開議
出席小委員
小
委員長
仮谷
忠男君
熊谷
義雄
君
坂村
吉正
君 丹羽 兵助君 安田 貴六君
山崎平八郎
君
角屋堅次郎
君 柴田 健治君
中川利三郎
君
瀬野栄次郎
君
小宮
武喜
君
出席政府委員
水産庁長官
荒勝
巖君
水産庁次長
安福 数夫君 小
委員外
の
出席者
水産庁漁政部長
増満
二郎君
水産庁研究開発
部長
松下 友成君
農林水産委員会
調査室長
尾崎 毅君
—————————————
九月十一日 小
委員白浜仁吉
君同日小
委員辞任
につき、その
補欠
として
熊谷義雄
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同日 小
委員熊谷義雄
君同日小
委員辞任
につき、その
補欠
として
白浜仁吉
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同日 小
委員稲富稜人君
同日
委員辞任
につき、その補 欠として
小宮武喜
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に 選任された。 同日 小
委員小宮武喜
君同日
委員辞任
につき、その補 欠として
稲富稜人
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に 選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
水銀等
による
水産動植物
の
汚染
に係る
被害漁業
者等
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
起草
の件 ————◇—————
仮谷忠男
1
○
仮谷
小
委員長
これより
水産業被害対策小委員会
を開会いたします。
水産業被害対策
に関する件について
調査
を進めます。
水銀等
による
水産動植物
の
汚染
に係る
被害漁業者等
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案起草
の件について議事を進めます。
水銀等汚染
に係る
被害漁業者等
に対する
融資対策
につきましては、かねてより小
委員各位
の御協議を重ねてまいりましたが、このたび
草案
を作成し、お
手元
に配付いたしてございます。
—————————————
仮谷忠男
2
○
仮谷
小
委員長
この
草案
の
趣旨内容
につきましてはすでに十分御
承知
のことと存じますので、その説明は省略させていただきます。 この際、発言を求められておりますので、これを許します。
角屋堅次郎
君。
角屋堅次郎
3
○
角屋
小
委員
ただいま
水銀等
による
水産動植物
の
汚染
に係る
被害漁業者等
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
の小
委員会
の
取りまとめ
についておはかりがございましたが、この点について
社会党
としての
見解
を申し述べさせていただきたいと思います。 この点については御
承知
のとおり、衆議院の
農林水産委員会
に
水産業被害対策小委員会
が設置された当初の段階におきまして、本年の五月二十二日以降の非常な
漁場汚染
による
水産被害漁業者等
の深刻な
実態
にかんがみて、
融資
の問題についても、
基本対策
の問題についても、
所要
の
立法措置
を急がなければならぬという情勢を判断いたしまして、たしか七月十三日の
時点
で、私のほうから
水銀等
による
水産動植物
の
汚染
に係る
漁業被害者等
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
、
角屋
試案
なるものを本小
委員会
に
提起
をいたしました。これはあくまでも超党派的に
取りまとめ
るための
たたき台
として、これを
たたき台
にして
十分議論
をして、
お互い
の
合意
によって
結論
を得ようじゃないかということで
提起
をしたわけでございます。 それに対しまして
野党側
でも、共産、公明、民社からそれぞれ
補強意見
なりあるいは
賛成
意見
なり等を得られましたし、同時に
政府与党
におかれても、やはり
立法措置
をやらなければならないというふうなことから、私の
試案等
も基盤にしながら鋭意党内あるいは
政府
との
折衝等
もやられまして、
立法
の
取りまとめ
をやられたというふうな点については、私
ども
も
与党
の
努力
に対して
敬意
を表するわけであります。ただ、その後の小
委員会
の
過程
での詳細を申し上げるまでもなくおわかりのように、私から出しました案と
与党
で
取りまとめ
られた案の点では、直接
被害地域
と
間接被害地域
という区域を設けるというふうに
与党
の
取りまとめ案
ではなっておるわけですが、私のほうでは直接、
間接
に区分することには問題があるというふうに考えておりましたし、かりに
与党
が直接
被害地域
、
間接被害地域
を認めてもらいたいということで、その点についてはこれを肯定せざるを得ないといたしましても、この今回の
被害
の
実態
から見まして、なるべく直接、
間接
の
被害地域
について
取り扱い上差
をつけないことが必要である、こういうふうに考えたわけであります。 具体的な差の問題とすれば、
各位
御
承知
のとおり、直接、
間接
の
被害地域
では、国の
利子負担分
が直接は六五%であり、
間接
は五〇%である。さらに直接
被害地域
については
損失補償
を
裏づけ
る、
間接被害地域
については
損失補償
の
裏づけ
がない。さらに、実質的に直接
被害地域
については
被害
が深刻だというふうな
地域
もあるわけであります。それらについては、
法案
上は
利子
は三分でありますけれ
ども
、これはやはり
被害者
に
負担
のないような形を行政的にとりたい、こういうこと等も含めてまいりますと、数点において直接
被害地域
と
間接被害地域
においては差が出てまいるわけでございます。 できれば、こういった
法律
上にあらわれている相違の点についてはぜひひとつ私が出した
試案
の方向で歩み寄れないかということでいろいろ強く
要請
をしてまいりました。しかし、これらの問題については、当面
法律案
を処理しなければならないぎりぎりの今日の
時点
において、直ちにこの問題を
立法
的に
解決
をするということについては困難がございます。私
ども
としても、やはり今回の深刻な
漁場汚染
による
漁業者等
の
被害
の
実態
から見れば、
融資
についても全国的に
立法的裏づけ
をして、すみやかにそれらの手が打たれるようにしてもらいたいという強い
要請
も受けておるわけであり、またその準備も急がなければならぬということ等もありまして、したがって、そういう問題については先週の金曜日の
時点
で、本
委員会
における
単独決議案
というものを私のほうから別途
提案
をいたしておりますが、その中で
本法
の運営の配慮という中でそれらの問題の注文をつける。
各位
の御了承を得られて院の
決議
になるということであれば、運営上それらの問題については行政的にできるものについては生かされていく。行政的にできない
立法
的な問題については、やはり今後
本法実施
の
過程
を見て、必要な
条件
になれば、
立法
の改正をやるという含みにして、そういう
前提
に立っていま
提案
をされました
取りまとめ
の案につきましては、
社会党
として
大局的見地
からこれに
賛成
をするということにいたしておるわけでございます。 ただ、
決議案
の問題とも関連いたしますけれ
ども
、
融資
の問題だけで今回の深刻な
漁場汚染
による
水産漁業者
の
被害
の
救済
ができるわけではありません。これは根本的に、別途
決議案
の第一項で出しておりますようなそういう
趣旨
の制度的な問題について
所要
の
立法措置
をして、
関係漁業者
にこたえるということを急がなければならぬという課題が残っておるわけでありまして、私
ども
としては、本小
委員会
を継続し、
委員会
の
決議
になったならば、
政府
がこれを受けて、積極的に
立法措置等
についても成案を急ぐということを今後やってもらうという
前提
に立って、今回出されております
融資
の問題についての
立法措置
については
賛成
をするということをつけ加えておきたいと思うわけであります。
仮谷忠男
4
○
仮谷
小
委員長
中川利三郎
君。
中川利三郎
5
○
中川
(利)小
委員
水銀等
による
水産動植物
の
汚染
に係る
被害漁業者等
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
に対しまして、共産党の
見解
を申し述べてみたいと思います。
もと
もと
この問題については、あの深刻な
水銀汚染
、
PCB
その他によって受けた
漁民
の
被害
をどう早急に回復するか、
救済
するか、こういう
趣旨
でありまして、
角屋
小
委員
が出されまして以来、わが党はそれなりに
漁民
の立場に立って問題をより深め、より手が届くようなかっこうで
修正案
を出したわけであります。 その
趣旨
といたしましては、これは
融資
というよりも
損害
の代払いだ、こういう
前提
に立ってその性格づけを試みたわけであります。その中身は、たとえば
先ほど
角屋
小
委員
からも
お話
がありましたような
間接被害地域
、直接
被害地域
、こういうものの
区分け
に対する一定の
見解
ですね。本来、いまの
漁民
の
実態
からするならば、こういう
区分け
は必要でないこと、あるいは
損失補償そのもの
も、一方では
損失補償
をし一方ではしないというような
区分け
につながる問題などに対する
意見
について、さらに
融資機関
を特定するという考え方、そのためにたとえば
汚染
の
原因者
が特定しないときは、そういう据え置きあるいは
融資機関
を必ずしもそれに限定して当てはめるようなやり方をしない、こういうようなものまで含めて
提案
したわけでありますけれ
ども
、結果的に十分それらが取り入れられなかったうらみがあるわけであります。これについては、過日、自民党さんでも、
特別立法そのもの
は十分でない、しかし何とかいまの緊急の
事態
の
解決
のためにこれでかんべんしてくれという
お話
がございましたので、全体的に見ればいろいろ
意見
はあるわけでありますが、しかし、改悪ではなくして、これをやることによっていろいろ当面する
漁民
の要求にこたえ得るという側面もありますので、そういう点で大局的に見まして
賛成
をしたい、このように考えておりますが、その
前提
として私
たち
は、あくまでも次の
国会
で二度と海をよごし、
漁民
を困らせない基本的な、抜本的な
法案
ができるという
前提
で、しかもそのためにこの小
委員会
を継続して
審議
を続ける、この二つの
条件
といいますか、そういう確認の中でこれに
賛成
するということもあわせて申し上げておきたいと思います。 以上です。
仮谷忠男
6
○
仮谷
小
委員長
瀬野栄次郎
君。
瀬野栄次郎
7
○
瀬野
小
委員
水銀等
による
水産動植物
の
汚染
に係る
被害漁業者等
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
について、わが党の
見解
を申し述べます。
水産業被害対策小委員会
は、今日まで七回開かれてまいりまして、熱心な討議を続けてまいりました。特に七月二十日第三回の小
委員会
においても、本
特別措置法案
のあり方についての考え方等具体的な問題が
提起
されまして、会を重ねてまいったわけであります。この中で、
先ほど
からも話がございましたように、直接
地域
、
間接地域
の問題、また
政府
の
債務保証
の
関係
、
利子
、
融資額
の
問題等
に焦点がしぼられてきたわけでありますけれ
ども
、何と言いましても、今
国会
の会期が九月二十七日までで、余すところわずかでございます。しかも
漁業者
はたいへん苦境に立たされて、現在
地方団体等
においても、八月三十日現在においてすでに
融資
が行なわれておりますが、
府県単独措置貸し付け
の
状況
を見ましたところ、すでに和歌山県の十億、愛知県の十億、さらには
熊本
県の四億、大分県七億というように、全国で九十五億九百万円の
融資
がすでに行なわれている
団体
もございます。こういったことを考えましたときに、早急にこの
措置法
の
立法
をすべきであるということは当然のことであります。
内容
にはたくさん問題がございますけれ
ども
、私
たち
も
漁民
の
救済
また今後の
問題等
も考え合わせまして、早急に
立法化
したいということで、
賛成
の
態度
をとっておるわけです。 御
承知
のように、最近の
水銀
、
PCB等
による一部
魚介類
の
汚染
問題というのは、
水産食品
の
安全性
に対する
国民
の不安、不信を引き起こしておりまして、その結果、
関係漁業者
が操業の停止、特に
熊本
県では
水俣湾
の
封鎖等
を行ないまして、先日ようやく話し合いがついて
海上封鎖
を解いたわけでありますが、その後の問題がまだずいぶんございまして、本日もたくさんの
組合長
、
代表等
の陳情を受けましたが、あとに残った問題もたくさんございまして、再び
海上封鎖
をせざるを得ないような問題も起きております。 さらには水産物の販売の不振、魚価の
低落等
による甚大な
損害
、こういったことは今後ももちろんありますし、いままでの痛手がなかなか回復してないという
状況
にありますので、こういった生活の危機を救うためにも、ぜひ早急な
立法化
が必要である、かように思っております。 なお、今回のこの
立法化等
、さらにはわれわれがぜひ
立法化
していただきたい問題は、将来にわたって
国民
が安心して
魚介類
を
食ぜん
に供することができるようなためにも、それは
漁場
の
復旧等
の
根本対策
ということ、ぜひこれを確立せねばならない、そのように実は思っておるわけで、引き続き小
委員会
も残して今後
審議
をしていくということでございますので、そういう
過程
においてさらに
基本対策等
特に必要な
立法措置
を含んだ
問題等
今後煮詰めていくということで私も了解をいたしておるわけです。 いずれにしても、今日まで慎重な
審議
をして、
各党
いろいろ問題もございましたが、
政府
のぎりぎりの
考え等
も伺いましたので、将来に残した問題は今後検討し、さらにこれを改善するということもあり得るわけでございますので、十二月三十一日の
時限立法
でもあることから、今回の
立法化
を急いで行ない、
漁民
の
皆さん
にこたえ、そうしてさらに必要な
基本制度
についてはまた今後検討していくということで、私も
賛成
を表明し、すみやかに
委員会
において採決されるように望むものでございます。 以上でございます。
仮谷忠男
8
○
仮谷
小
委員長
小宮武喜
君。
小宮武喜
9
○
小宮
小
委員
本
法案
についてはまだまだ不十分なところもあり、決してわれわれは満足しておるものではございません。しかしながら、
先ほど
からいろいろ言われておりますように、いま
漁民
が待ち望んでおるのは、一刻も早く
融資
をしてもらいたいというような気持ちが、いろいろ
調査
またわれわれの視察の中でも出てまいっております。そういった意味で、不本意ながら本
法案
について
賛成
をしたいと思いますが、
先ほど
から各
委員
から言われておるように、
汚染漁場
の
復旧
の問題、さらにはこういった
事態
を起こさないように今後われわれが根本的な
研究
をしなければならぬということで、この問題は今後の問題としてわれわれが
努力
をすべきだと思いますから、本
法案
については一応
賛成
の
態度
を表明します。
仮谷忠男
10
○
仮谷
小
委員長
坂村吉正
君。
坂村吉正
11
○
坂村
小
委員
この小
委員会
ができましてから、
各党皆さん方
の非常な御
協力
といいますか、ほんとうにこの問題を一日も早く
解決
しなければならぬという御
熱意
でここまできたのじゃないかと思って、非常に
お互い
の
努力
に
敬意
を表したいと思っておるのでございます。 この問題が起こって、五月二十二日以来ちょうど百十日になります。
漁民
としては一日も早く、とりあえずの
暫定措置
でもいいから早くしてもらいたいという希望が非常に強かったと思うのでございます。これが円満に
各党
間の
合意
でこういうところにきましたことを非常に私は喜んでおります。 ただ、問題は、今後やはり
基本対策
を何とかしなければいかぬ、今後もまたこの運用を見ながら直すべきものは直さなければいかぬ、こういう問題があろうと思います。これはいままでのこの小
委員会
の
実績
を
もと
にして、みんなやろうと思えば、がまんし合って必ず
合意
ができるのだ、こういう
実績
を
もと
にして今後の問題にも取り組んでいく、非常にりっぱな小
委員会
の
実績
だろうと私は思いますので、小
委員長
に心から感謝を申し上げます。 また、この案ができる一つの
たたき台
といいますか、ここまでみんなが寄り合ってまいりまして、そして歩み寄りをした一番の
もと
は
角屋
小
委員
の
たたき台
にあるわけでございますから、私は
角屋
小
委員
に対しても心から
敬意
を表したいと思うのでございます。そしてぜひ一日も早くこれを
委員会
で通し、本
会議
であげて、参議院に送って、一日も早く日の目を見るように、実現できるようにお願いしたいと思います。
—————————————
仮谷忠男
12
○
仮谷
小
委員長
この際、おはかりいたします。 お
手元
に配付の
水銀等
による
水産動植物
の
汚染
に係る
被害漁業者等
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
の
草案
を小
委員会
の案とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
仮谷忠男
13
○
仮谷
小
委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ただいまの
水銀等
による
水産動植物
の
汚染
に係る
被害漁業者等
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
の
委員会
に対する
報告等
につきましては、小
委員長
に御一任を願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
仮谷忠男
14
○
仮谷
小
委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 この際、一言申し上げます。 懸案でありました
水銀等汚染
に係る
被害漁業者等
に対する
融資対策
の
立法化
につきまして、今回の
草案
を得ることができましたことは、ひとえに小
委員各位
の御
熱意
と
関係各位
の御
協力
のたまものと存じ、深く御礼を申し上げます。 なお、
水銀等
の
汚染
による
被害漁業者等
に対する
基本対策等
に関する件につきましても小
委員会
の
結論
がととのいましたので、本
委員会
において
決議
の
取り扱い
をいたしたいと存じますので、あらかじめ御了承賜わっておきたいと存じます。どうもありがとうございました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十七分散会