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池田説明員 前回の小
委員会におきまして、
いも、
でん粉の
需給関係資料につきましての御
説明を申し上げましたので、引き続きまして、本日は、「
いも類でん粉基準価格関係資料」という、お手元に差し上げてございます
資料について簡単に御
説明申し上げます。
内容は、
イモ及び
でん粉、
切り干しカンショの
政府買い入れ基準価格と
でん粉市場価格の
推移、それから
ブドウ糖、
水あめ価格の
推移、
生産費の
推移、さらに
農業パリティー指数といったようなものからなっておるわけでございます。
まず、一ページの「
いもの
原料基準価格及び
でん粉、甘
しょ平
切干の
政府買入
基準価格」の表でございますが、左から右に目をお通しいただきますと、
農安法の成立いたしました
昭和二十八年以降四十七年までの時系列の
変化が出ておるわけでございます。
まず、甘
しょにつきましては、それぞれ千
キロ当たりで、二十八年の七千四百六十七円から、四十七年の一万一千四百円まで、それぞれごらんいただいたような形で上昇をしておるわけでございます。なお、その下に「
歩留」と書いてございますが、これは、いわゆる
基準価格の中に織り込まれた
織り込み済みの
歩どまりでございます。四十七
年度におきましては、
カンショにおいて二五・五%という
織り込み歩どまりが採用されたわけでございます。それから、
バレイショにつきましても同様でございまして、前
年度四十七年は八千二百三十円というのが同じく千
キロ当たりの
価格でございまして、この
基準価格に対する
織り込み歩どまりは一七・五%、前
年度に比べて〇・五%引き上げられたわけでございまして、いずれも
歩どまりは四十六年に比べて若干の引き上げが行なわれたわけでございます。これは、従来からの実際の
実績歩どまりと
織り込み歩どまりというものとの格差が常にございましたために、だんだんに
歩どまりの
内容を
実績に近づけるというふうな趣旨から行なったわけでございます。
それから、「
政府買入
基準価格」がその下に書いてございますが、
カンショでん粉と
バレイショでん粉に分けてございます。
カンショでん粉は、千
キロ当たりで四十七
でん粉年度五万九千百八十円。
バレイショにつきましては、これは「未粉」、「
精粉」と分かれておりまして、いわゆる未
精製の
糖化用未粉につきまして六万五百二十円、
精粉が六万一千四百五十円というのが、それぞれ四十七
でん粉年度の
基準価格でございます。
その下に「甘
しょ生
切干」というのがございますけれ
ども、これが四万五千八十円、
歩どまりは
織り込みで三五%ということでございます。
一番下に「
告示月日」というのがございますが、これは、きまりますと
政府で
告示をいたします、その期日でございますが、
例年大体十一日から十三日という
程度でございましたが、去年は、ほかの
告示等の
関係から、きまりましたのは
例年どおりのテンポできまりましたが、実際に
告示されましたのは二十日ということになっております。
それから、次の二ページでございますが、二ページは「
でん粉市場価格の
推移」でございます。
カンショ、
バレイショはそれぞれ日経によります東京の
中央相場でございます。それから、
コーンスターチは、私
どものほうで、
業務調査で、
日本コーンスターチ協会の調べを
——これは一月おくれますけれ
ども、これを徴取いたしまして整理いたしたものでございます。
で、最近の情勢をごらんいただきますと、甘でんが、四十四年、四十五年、四十六年と、大体六万二、三千円から六万五千円
程度のところで、
上がり下がりはありますけれ
ども、ずっと安定をしてまいったわけでございますけれ
ども、四十七年の七月以降急速に
値上がりに転じまして、九月
——これは四十七年九月ではございませんで、四十七
でん粉年度でございますので、前の年の十月からこの年の九月までということで、ことしの九月の
数字でございますが、八万八千円というところまで上がってきたわけでございます。
馬でんのほうは、これは同じように大体七万から七万四、五千円ぐらいの間が従来の
安定帯でございましたけれ
ども、それが同じように、最近は、ことしに入りましてから、国際的な
トウモロコシの
需給逼迫といったようなこともございまして、特に最近の
値上がりはひどくて、七月以降九月では、ついに九万三千円ということで、一部の呼び値としては十万円台も出るというふうに、非常な
暴騰相場にあるわけでございます。
次に、
右側、いわゆる
輸入トウモロコシからつくります
コーンスターチでございますが、これは同じように右の欄をごらんいただきますと、従来の
平均値が約五万から五万五、六千円、高いときで六万円
程度でございましたが、それが六万七千円というのが八月でございますが、九月は、ここに書いてはございませんけれ
ども、七万八千円前後になるのではないかというふうに見込まれております。
したがいまして、甘でん、馬でん、
コーンスターチのすべてを通じまして、最近に至ってかなり
価格が
高騰してきたということが言えようかと存じます。
三ページをごらんいただきたいと思います。
これは「ぶどう糖、
水あめの
価格の
推移」でございますが、
ブドウ糖は、御承知のように、
結晶ブドウ糖と
精製ブドウ糖とに分かれるわけでございますが、いずれにいたしましても、パンとか、
酒用とか、
菓子用、
医薬品用あるいは
清涼飲料用といったようなものがそれぞれ用途によって使い分けられておるわけでございまして、
結晶のほうは、いずれも含水の
結晶でございます。
価格をごらんいただきまして、右のほうの四十六
でん粉年度と四十七
でん粉年度との比較をごらんいただきますと、この
年度の
平均をごらんいただきましても、
結晶の場合に、四十六
でん粉年度が
キロ当たり八十八円三十三銭でございましたが、それが四十七
でん粉年度では九十八円四十二銭、約十円
値上がりということでございます。また、
精製のほうにいたしましても八十四円三十三銭から九十五円八銭で、いずれも十円以上というふうなことで、これは、先ほど申し上げました国際的なメーズの
高騰といったようなことが全体として
国内の
でん粉二次製品の
価格を堅調に持ち上げた結果であろうと考えられます。
それから、四ページをごらんいただきますと、四ページは「
水あめ」でございます。いわば
あめ菓子あるいはつくだ煮といったようなものをつくります材料の
水あめでございますが、これは、先ほどの
ブドウ糖と同じように、やはり四十六年から四十七年にかけまして非常に強くなってきておりまして、
キロ当たりで、
年度平均が、四十六
でん粉年度が六十六円十銭でございましたけれ
ども、四十七
年度は七十八円七十八銭ということで、最近では、特に、この六、七、八、九とごらんいただきますと、
右下のほうで、一番最後の欄の九月の欄が九十九円で、これは、実際、最近ではついに百円台を現出するというところまで来ておるわけでございまして、これは、
一つには、いまの
輸入トウモロコシの
価格の
高騰もございますし、また、一般的な公害問題の地域的な発生から、一部の
大型工場等が地元との話し合いのために一時
生産をストップするといったような話も織り込まれまして、時期的、地域的に
需給のアンバランスが起こるというふうなことから、
価格がかなりイレギュラーに
高騰してきたということが言えようかと思います。
それから、次に、五ページをごらんいただきますと、これは
統計情報部のほうで
調査をしております「
生産費の
推移」でございますが、上のほうが
カンショの
生産費、下が
バレイショの
生産費でございます。
まず、
カンショでございますが、右のほうの一番
右側から二段目、二次
生産費をごらんいただきますと、四十六
年度が十アール
当たりで二万九千三百二十六円、百
キロ当たりに直しますと千二百四十円ということでございます。それが、四十七
年度におきましては、十アール
当たりが三万一千二百四十二円、百
キロ当たりが千百六十六円ということで、若干の
生産費の低下を示しております。
全体の五五%
程度を占めております
労働費をごらんいただきますと、まん中から少し
右側の欄でございますが、これが四十六
年度、百
キロ当たりで五百九十五円、それが四十七
年度におきましては、同じく百
キロ当たりで五百六十五円ということで、全体としての
労働費は、百
キロ当たりの
単価に直しますと下がっておりますけれ
ども、十アール
当たりに直しますと、全体量としては一万四千六十七円から一万五千百二十四円に若干微増しておるということでございます。
それから、農具のほうが、その二段ほど前に出ておりますけれ
ども、これは、最近の収獲機械やあるいは
動力防除機といったようなものの
償却費の
増加を反映いたしまして、四十五年、四十六年、四十七年と、ごらんのようにそれぞれ若干ずつふえてきてまいっておるわけでございます。
なお、同じように、そこのところから右から四行目の
肥料をごらんいただきましても、
肥料のほうもかなりふえてきておりまして、
バレイショほどではございませんけれ
ども、
カンショも微弱ながら若干の
合理化ということに
生産者の努力のあとが見られようかと思うわけでございます。
次に、
バレイショの
生産費これは北海道の分でございますが、これはそれぞれごらんいただきますと、十アール
当たりの
収量が、四十五年と比べて四十六年が、これは気候の
関係で若干減りましたが、四十七年と全体的に見ますと、時系列的には
バレイショは
収量が
上り坂にあるということが言えるわけでございますが、これも
一つは、
一つ置きました
肥料費をごらんいただきますと、四
六年、四十七年と、それぞれ十アール
当たりの
肥料費が非常にふえてまいっております。これは、先ほど
カンショの欄でごらんいただきました
労働費の下の欄、
バレイショの
労働費の欄をごらんいだきますと、四十六年以降、
労働費を上回って
肥料費が使われておるというふうなことがわかるわけでございまして、これは、やはり、高成分の
化成肥料など、
単価の高
いものを非常に利用しておるというふうに見ていいわけでございます。
出ましたついでに申し上げますと、
労働費のほうは、ここをごらんいただきますと、これはちょっと違った形が出ておりまして、たとえば四十五年、四十六年、四十七年と、それぞれ十アール
当たりをごらんいただきますと、四十五年から四十六年には、十アール
当たりの
労働費は逆に減っておるわけでございますけれ
ども、四十七年になって、またもとの若干の
増加に移ってきている。これは、一時的と申しますか、むしろ、トラクターをかなり入れるとか、その他
委託作業がふえてくるとかいうふうなことで、お隣の
賃料料金のほうが非常にふえる。そのために、逆に
家族労働のほうが節約されるというふうなことで、全体の
労働投下時間というものが減ってきたのが、どうもその傾向は変わりないにいたしましても、最近の労賃が高くなったというふうなことから、絶対額としての十アール
当たりが一時減ったものが若干頭打ちになったというふうに見ていいのかもわかりません。そういうふうに考えられるわけでございます。
以上が、
生産費の中でおもだったところでございます。
次に、「
農業パリティ指数」について、六ページをごらんいただきたいと存じます。
これは、
でん粉年度の九月から本年の八月までにおきますところの
パリティ指数の月別の
変化でございます。四十七年の欄をごらんいただきますと、二二三・七九から二六〇・三〇まで、ずっと
右上がりに上がっておるわけでございますが御
案内のように、現在
政府がとっております
バレイショの
原料用イモの
パリティの算出のしかたは、九月から三月までの期間を分母にいたしまして、分子に本
年度の八月を置く形をとっております。したがって、一二三・七九、一二四・八六とずっと読んでいきまして、二四六・三六までのこの
平均パリティを算出いたしまして、これ分の二六〇・三〇ということで、本年の
基準となるべき
原料用イモの
基準価格の
パリティ指数を出すというのが出し方になるわけでございます。
以上、非常に簡単でございますが、
前回は
需給関係を御
説明申し上げましたので、
価格関係についてだけ御
説明を申し上げます。