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島田(琢)委員 私の言ったのは、外麦四万円ですね。売り渡し値は違いますよ。四万円をストレートでやったってこれぐらいといわゆるあれになるのじゃないか。原麦に対して粉が八百キロ、七百八十キロでもけっこうです。そうすれば、このできた原麦代というのは三万二千円ですね、四万円のうちの原麦の
価格は。私は粉の値段を言っているのじゃないのですよ。その原麦の製粉率に占める
価格の総額はこうなるのじゃないか。そうすると、一キロ三十二円という
計算になる。これは後ほどひとつ
——このことに時間をかけては次の質問ができませんから、私、後ほど長官とお話ししたいと思います。
それで、言いたかったのは、この加工段階における追跡をしてみているかどうか。そうでないと、麦
価格は
——いま小麦の話をしております。小麦の原麦の
価格が上がっていくと消費者
価格にはね返ってくるという、こういう問題がそこに出てきますから、この加工工程における問題もこの際十分精査をし、洗い直す必要があるのではないかということを申し上げたくて、
一つの例として私はいま申し上げたわけです。
さてそこで、特別
生産奨励金の
考え方については明確に
局長からは出てまいりませんでした。しかし、これは私は具体的にいま
農業団体で検討しておりますのを申し上げますと、どうしてもこの際反当一万五千円くらいの奨励金が必要だ。それがあれば、少なくとも
政府が言っている麦の
生産振興に対しては協力できるし、また
農家自身も麦というのは非常に大事な
作物で、特に内地における零細な
規模の
麦作形態は、確かに
局長が繰り返し言うように、将来に向かってかなりコストが高くついてなかなか
生産も
伸びていかないし、その余地もない、この事実はわかるわけであります。だとすれば、おっしゃっているように、
生産団地を求めていかなければならない。
生産団地といえば、大きく
面積的にも求める地域とすれば、やはりこれは
北海道というのが常識的であります。私は
北海道の出身だから、セクトで言うのじゃありません。
北海道には条件が確かにある。しかし、その
北海道でさえ、さっき言ったような
状態になっているのですから、ここでひとつ私は主産県としての
北海道の
麦作振興はどうあるべきかという点について、若干の問題を提起して、ぜひともこの際ひとつ麦
生産振興に対しての重厚な
政策措置を打ち立ててもらうようにお願いをしたい、こう思うわけであります。
そこで、
北海道における麦づくり
農家の
考え方としては、先ほ
ども申し上げた斜・網郡におきます麦の
生産状態というのは、
比較的に、
伊藤局長がおっしゃる
生産団地の構成可能な地域であります。しかし、この地域といえ
ども、いま問題が出ておりますのは、やはり
輪作形態を大きくくずして団地に持ち込むことが、はたして将来の
農業経営、
畑作経営にとっていいのかどうかという検討がいま具体的に
農民の間から問題として出されております。これは私も
農民の一人でありますが、私なんかもきわめて後生大事にいまも持ち続けているのは、やはり
畑作の地力維持をはじめとする経営全般のいわゆる展望をしてまいりますときには、どうしてもくずしてならないのは、この
輪作ローテーションである。だから、麦といえ
ども、
大豆のときにも私、申し上げましたけれ
ども、このローテーションにしっかりと根をおろした
麦作振興でなければならない。そのローテーションに組み合わせていく場合の
麦作といえ
ども、
北海道においてはかなりの大型の
麦作経営ができるという確信を私
どもは持っているのであります。だから、
大豆のときにも申し上げましたけれ
ども、想定として大体十二町歩から十五町歩のいわゆる
畑作経営を
北海道で考えております。その中に六作目ぐらいの
作物を組み合わせたローテーションを堅持したいというのが私
どものねらいであります。
一つは麦であります。それからビート、バレイショ、そうして豆類、
大豆を入れた豆類ですね。それに地力維持のための牧草、こういう大体六
作物を組み合わせてローテーションを組んでいかなければ、将来の
農業はほんとうの長期的展望に立った安定性というものを期せられない、これは私の
一つの持論でもあります。最近、
政府はいわゆる主産地形成あるいは
生産団地、こういう言い方で、大型化、大型化といわゆる団地の大型化をはかっていく
傾向で指導してまいりました。これがいま行き詰まっているのであります。ですから、私はこのローテーションに組み合わされた場合に麦一俵幾らという
考え方ではなくて、全体で、夫婦二人で働いて得る
所得を念頭に置いて、繰り返し繰り返しいままでくどいように言ってまいりましたけれ
ども、夫婦のうち一人でもって百万円、二人で二百万円の
所得の確保ができなければ、この
輪作体系もくずれるばかりか、
畑作経営が成り立たないという現状にいまあるわけです。これはもう
政務次官にはよくおわかりいただいたようであります。
ですから、そういう立場から割り出された、麦をつくったら幾らというものが出てくる。だとすると、いまの三千八百十四円という小麦一俵の
価格では、反収がわずか四俵や五俵ではとてもこれは麦づくりができないと思うのであります。そこからどうしても一万五千円、当面反当たり特別
奨励金制度をしいてでも
麦作をとにかくローテーションの中で定着させてほしい。そしてまた、片や食糧の穀物の自給の重大な使命をになわせてほしい。これは
農民の率直な願いであります。それをつぶすということになったら、私はたいへんなことだと思うのです。
だから、思い切った
——大豆のときにも申し上げましたが、特定の品種改良が進んでいく段階、これはきょうから品種改良に手をつけてといっても、先ほど技術
会議の事務
局長から八品種ほどの優良品種を小麦についても指定しておる、こういう話でありましたけれ
ども、私はそれだけでは十分でないと思うのです。アメリカでは四百キロ反収をあげている。
日本は二百七十キロです。
北海道においては二百七十キロしかとれていない。四百キロの小麦がとれるような技術体系を急いでいま確立するとしても、それが実際圃場で定着するには六年、七年かかると私は思うのです。その間特別
奨励金制度をしいて
麦作振興をはかるべきだ。これは
大豆の場合に申し上げたことと全く同じ論法であります。そのお考えはないですかということを言ったのですが、検討したい、しかも慎重にとおっしゃる。いまごろ慎重にやっていたのではとてもこれは何年かかるか。思い切ったことをやりながら、片や慎重に検討していくという
姿勢なら私は園芸
局長の
姿勢について了解をいたします。しかし、それではとても
麦作は品種どころじゃない、壊滅してしまうという危険性をいまかかえているのであります。
いまいろいろ
北海道の実情について申し上げましたが、この点について言でけっこうですけれ
ども、腹がまえのほどをもう一度聞かせていただいて、やらないというのであれば、われわれはとても麦づくりは引き受けられない、こう答えざるを得ません。