○島田(琢)
委員 私が尋ねました点のもう一点が落ちておりますが、国内価格との比較という問題については後ほどひとつお答えを願いたいと思うのです。
いま
局長からお話がありましたように、アメリカといえ
ども、増産はされているものの在庫率は低下する、非常に窮屈になる。しかもアメリカ一国で世界の大豆の大半をまかなっているという状態、こういう状態というものは、わが国にとっては、特にアメリカとの食料の提携というような問題がいままで長い間そういう一つのしきたりみたいなもので続いてきた中で、今後
において受ける影響というものをもろにかぶるのはやはり日本だ、こういうふうに見ざるを得ませんし、またその見方はまともだと思っておるのです。そういう点考えますと、私は、この大豆の生産
振興というものはアメリカに一〇〇%依存するような体制というものは非常に危険である、こういうふうに考えております。
そこで、国内における大豆の生産の仕組みいかんによっては、外国から入ってくる大豆に決して劣らないだけの、いわゆる品質的にはもちろん優秀でありますし、価格の上でも決して国内でつくって食料の部分に重大な影響を及ぼすほどの高価格ではない方向は幾らでも見出せるはずであります。
しかしながら、今日国内における大豆の反当たり収量というものが極度に低い。かつてわれわれは三百キロ以上も反収をあげたことがありますのに、最近は平均で百二十キロくらいにしかなっておりません。百二十キロから百三十キロ、二俵そこそこであります。これでは現行五千八百円のいわゆる
基準価格で大豆を生産しろといっても、さっき言ったように一万一千円の収入にしかならないとすれば大豆の生産
振興はこの価格の上で大きな壁にぶち当たるわけであります。この点をひとつ是正しない限り、伊藤
局長がおっしゃっているように、国内における大豆の生産
振興というものは私は絶対にできない、こういう判断に立っているわけであります。
時間のすべてをこの大豆で費やそうと思っておりましたが、先ほど
委員長にも
お願いしましたように、緊急の米の問題で中野長官にお尋ねをしたいと考えておりますので、この点ひとつ意を尽くせない点やあるいはまた十分の
考え方が引き出せないまま大豆の問題の
質問を終わることをたいへん残念に思うのですけれ
ども、いま農業団体中心になって、大豆を長い間つくってきた
農民の側から、ぜひともひとつまともな輪作体系に組み入れられて、反当二万円以上の保障ができるような大豆の価格の引き上げを頼みたい、これは私は実際
経営をやっている側からすれば、ローテーションに組み入れられた他作物との均衡あるいはまた大豆の輪作の中における重要な役割り、こういう点を考えますと、いまこそ私は思い切った価格措置を講じて、当面生産の
振興をはかりながら、もう一つには、かつて三百キロ反収をあげることのできた大豆の品種改良に全力をあげて取り組む、三百キロが実現すれば私は七千円でも大豆は完全にローテーションの中に組み入れられて、
農林省がお考えになっている一二%を一五%も二〇%も自給率を高めていくだけの力を発揮することができると思うのです。ところが、品種改良というのはそう簡単に、ことしやって来年成果のあがるものではありませんから、五年なり七年なりかかります。この間価格面
において生産
振興を刺激するという緊急措置が私は必要だと思うのです。これは長い議論をした中で申し上げようと思ったわけでありますが、先ほど申し上げたようなことでありますので、私のほうからこの考えをひとつ特に伊藤
局長にお尋ねをしまして、当面ひとつ四十八年度から大豆の生産
振興に真剣に取り組む施策の一つとして、少なくとも一俵一万円の大豆価格の実現をはかりながら、そして同時に、品種改良に真剣にひとつ取り組む
姿勢をこれから明らかにしていただきたいと思うのでありますけれ
ども、この大豆価格の問題につきましては、どういうお考えをお持ちになっているのかをこの機会にお聞かせをいただきたいと思います。