○内村(良)政府
委員 まず最初に、
農協は売り掛け代金を貸し付け金に切りかえて金利を取っているという問題についての御
質問があったわけでございます。この点は、私
ども非常に苦慮しております非常にむずかしい問題でございます。と申しますのは、やはり
農協は
農民の協同
組合でございますから、
組合員は肥料なり生産資材というものを
農協に買いに行く。その場合に、すぐ現金払いじゃなくて、一定期間つけにしておくというほうが、
組合員としては物が買いやすいという面があるわけでございます。ところがそれが一定期間以上に売り掛け金がたまりますと、特別な一部の
農民の人
たちがその利益を受けるというようなことになってくるわけでございます。そこで、われわれといたしましては、単協の購買代金につきましては、
組合員に対する生活指導あるいは営農指導等を通じて現金決済が行なわれるように指導しているところでございます。ただし、その場合におきましても、現金決済がなかなかできないという
組合員もおりますので、その人
たちも、できれば一カ月、一定期間以内に金を払ってもらうようにするということにするのが正しい指導であるというふうに
考えております。協同
組合の原則自体が必ずしも絶対正しいわけではございませんけれ
ども、われわれ
承知しているところでは、協同
組合というものはやはり原則として現金決済でやるようにすべきではないかというような原則もあるようでございまして、私
どもといたしましては、そういうふうにすべきではないかというふうに
考えております。
それから第二に、今度
改正で手形割引を行なうことを認めるわけでございますけれ
ども、これについては、非常にあぶないんじゃないかということの御
指摘があったわけでございます。したがいまして、私
どもといたしましても、手形割引はそういった危険な面もございますので、当面、手形割引の対象を
組合員に限定するとともに、次に申し上げるような一定の基準を設けまして、その基準以上の
組合に手形割引をさせるように指導いたしたいと
考えております。
その基準でございますが、貯金規模が二十億以上あって、貸し出しの専従職員が二人以上いる。それから割引の依頼人は、ただいま申し上げましたように
組合員に限る。それから対象の手形は融通手形等は対象としない。それから割引の限度額ば、一
組合員当たり三千万円程度にしたいというふうに
考えているわけでございます。
次に、事務の簡素化を大いにやるべきではないか、これはお説のとおりでございます。私
どもといたしましても、事務の簡素化には大いにつとめてまいりまして、近代化資金等につきましてはかなり迅速に貸し出しができるというような体制になっております。その他の面につきましても、単協のあるいは連合会の事務の合理化というのは、もう絶対に必要でございまして、その点につきましては、今後も大いにその方面に努力するよう指導したいというふうに
考えております。
それから次に、手数料、特に公庫、信連に対する受託手数料の問題でございますが、これもなかなかむずかしい問題でございます。しかしながら、われわれといたしましては、やはり極力適正な手数料が払われるということを
考えると同時に、やはりこの事務の合理化と結びつけた線で今後の手数料の問題を
考えなければならぬというふうに
考えているわけでございます。
それから次に、
農協の固定資産が増大しているが、出資金がそれに追いついていないじゃないか、アンバランスがあるのではないかという点でございます。この点も先生の御
指摘のような現状になっております。と申しますのは、総合
農協における固定資産は、共同利用施設等を中心といたしまして、年々増加を示しております。そこで、四十六年の
事業年度におきましては、一
組合当たり約一億二百万円というふうに、そういった施設がふえております。これに対しまして、自己
資本の増加の
関係はややおくれが見られまして、固定比率は四十三
事業年度から落ち込んでおりまして、四十三
事業年度五一・五、四十四年度四九・二、四十五年度四九・四、四十六年度五〇・五になっておりますけれ
ども、いずれにいたしましても、固定比率がかなり低いということになっております。そこで、ただいま先生の御
指摘のありましたように、それを少なくとも七割くらいに上げるべきではないかということは、まことにそのとおりでございまして、農業の系統
団体のほうも、この固定比率の
改善は急務と
考えておりまして、四十五年度に策定いたしました総合三カ年計画によりましても、自己
資本充実運動を推進しているところでございます。そこで、こういった運動を
農林省といたしましても援助助長しながら、自己
資本の充実につとめていかなければならぬというふうに
考えているわけでございます。
それからその次に、
配当の問題に
関連いたしまして、
農協はもっと営農
改善あるいは教育情報、生活文化
事業に力を入れなければならぬという御
指摘がございましたが、これも先生御
指摘のとおり、やはり
農協というものは、
配当することも重要でございますが、そういった面に力を入れていかなければならぬということも御
指摘のとおりでございます。この点につきましても、系統
機関は最近だいぶそういった意識が高まっておりまして、営農指導につきましては指導員の数もふえておりますし、それから生活
関係の面、すなわち食生活の
改善とかあるいは健康診断、冠婚葬祭、それから結婚式の問題、それからいろいろな図書活動、保育所、託児所等につきましてもかなり力を入れている面が出てまいりまして、やはりそういった面の
農協活動の充実といったことは必要ではないかということで、系統も、これも総合三カ年計画でこういった面に重点を入れて推進しているという状況になっております。
それから最後に、
農協が
農協の施設を担保にして金を借りているというケースがあるではないか、これは健全ではないのではないかというケースでございますが、私
どもも、実態を必ずしもつまびらかにしておりませんが、そういったことはやはり好ましくないというふうに
考えております。