○美濃
委員 これは長くはやりませんが、いろいろ問題があると思います。これだけの収量差は標準農家のとり方の問題もあると思います。私は国会が終わりましたら、標準農家を回ってみようと思います。上位農家が選択されておる。それでは困ります。それと、統計は
価格政策のかなめでありますから、これは牛乳、てん菜
調査対象農家の庭先を回ってどういう
調査が行なわれておるか、これは真剣にやろうと思います。こういう間違ったものが公表されるということはありがた迷惑でありますから、これは
政務次官も検討すると言ったのですから、どうしてもことしのうちに直してしまわなければ私は
承知することができないと思います。
〔山崎(平)
委員長代理退席、
委員長着席〕
それから次に、さらに
調査の中で不十分な点は、流動資本利子等が
把握できていない。いろいろ問題がありますけれ
ども、きょうは時間の
関係で、その
調査の不十分さはいずれ次の機会なりあるいはその他の方法でもってどうしても直さなければならぬ。
そこで、
局長にお尋ねしますが、この統計表は、いま申し上げたように、私は去年の収量をもっててん菜のこれが固定した収量として、ことしの
価格決定にあたって
——昨年は非常に水太りをして異例な収量を示した。一説には、糖分のないビートを売ったのだから
農民はもうけただろう、こう言いますけれ
ども、過去何年どうですか。たとえば糖価買い入れの基準を一四・二ときめる、三ときめる、それ以上歩どまりはない。それは特にてん菜には歩引きというのがあるわけですね。第一茎葉から切って落として、その上の部分にはかなり砂糖があるのです、白い部分のところより含糖率はないけれ
ども。昔はバタリー方式といって、砂糖の糖の汁を単純な方法で煮詰めましたから、第一茎葉から上の多少青い部分には糖分もあるけれ
ども、その部分には、てん菜といえ
ども脂肪たん白が微量だけれ
ども含まれておって、微量のものが結晶作用をやるわけで、ですから、バタリー方式の製造のときは、糖業の駐在員がタッピングナイフを持って歩いて、ここから切ってくれということをやかましく農家に頼んで歩いておったわけです。これから上は毒素があって、入ると困るのだと言っていた。ところが、いまはイオン交換樹脂塔なんてありますから、こんな微量のものは全部取ってしまいますから、いまは糖業の駐在員が、茎葉をつけてきてください、もとまでつけてきてくれという態度で、持っていったら、受け渡し場所で、これは昔からだめなんだといって、土を洗ったあとでかけて、そうして二十キロなり三十キロをかけた平均歩引き率を出して、平均何%歩引きといってただ取ってしまうのですね。ただ取った中から砂糖をとっていることは事実です。そういうふうにして
農民は収奪されておるわけです。たまたま去年、
気象条件から、水分の多い含糖率の少ないビートができたというのは、四十年の間にたまたま回なのです。あと四十年のてん菜耕作歴史の中で、三十九年までは、高いある
程度の含糖率はそういうふうにごまかされておる、収奪されておるわけです。
農民というものはまことにかわいそうなものだと私は思うのです。
それはそれとして、ですから、私はことしの糖価試算にあたって、去年のような異常な収量をもって、この
資料だけで
価格測定してはならない。
それからもう
一つは、七年間も据え置いた、もう限界に来ておりますから、てん菜耕作
農民は。
局長は再
生産可能だと言っていますけれ
ども、私は限界に来ておる。北海道の畑作
農民の経済
状態は限界に来ておる。だから、据え置いたときのパリティをもとに置いて通算計算をやる。もう
一つの方法は、そういう収量増産をいままでは政策収奪をやってきたわけだ、それを戻しなさいと言いたいわけです。戻して、ことしこそ計算しなさい。
そうすれば、どちらの方法をとっても、家族労賃は、私が申し上げましたのは男子は八百円ないし八百五十円の一時間当たり労賃でなければ、
農民はどうしても一個の生活をすることができない。だから、男女込みになっておりますから、女子労賃部分は二百四十四円、いまの評価でよろしいと思います。そして女子労働が半分、男子労働が半分ですから、足して二で割れば五百三十円ぐらいになるわけです。平均労賃で計算すると五百三十円、いずれかの方法を採用せぬ限りこれも許されない。大臣の権限で告示は行政的権限だといって、一方的に寄り切るものではない、こう思います。国会における
意見というものを十分にいれてもらわなければ、何のためにわれわれはこうして審議をするかわからぬことになるわけです。
時間の
関係もきざいますから、最後に
政務次官から、それらのいわゆる要素というものは十分取捨選択する
——しなければこれだけ物価が上がって、商品
投機が加わっているこの中で、またてん菜
価格据え置きのような
状態——もうトン当たり百円か二百円の値上げだったら、そんなものは据え置きと同じであります。下げるよりは上げるのですから悪いことはないかもしれないけれ
ども、経済
状態は百円や二百円では据え置きと同じです。再
生産のものの役に立ちません。だから、いわゆる通算パリティで過去のあなた方がやった政策収奪をここで戻すのか、あるいは
農業基本法でいっておる
——農業基本法は悪い面、悪いほうに悪用しておるわけですから、他産業のような均衡労賃をやるのか、他の一般社会の方々の所得と同じ所得に基づく労賃計算をやるのか、その計算の方法を私は
指摘しております。そういう計算方法をとるのか、資本利子については、設備が経営規模拡大によって非常に増大してきておりますから、この三点の修正を強く求めたいと思います。これに対する答弁を承りたいと思います。