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美濃委員 次に、ちょっとお尋ねしたいのですが、経済局長は来ていませんね。——では、政務次官にお尋ねします。
酪農問題を
考えるといろいろ問題がございますけれ
ども、まずその中で規模拡大、それから多頭飼育という、いわゆる
政府や行政庁の指導によって酪農民は一生懸命それをやってきた。その結果はかなりの設備投資となり、これは農作と違いまして、申し上げるまでもなく、畜舎が要る。乳牛という、最近かなり乳牛も高くなっておりますが、それも要る。大ざっぱに言うと、同じ畑でやるのですが、畑作就業農家を見ると、畑作就業農家は機械と畑、その上に農作物を
生産するのですが、酪農というのは、そのほかに牛舎を建てて、高い牛の頭数をそろえますから、資本投下は約三倍くらいになるわけですね。ですから、どうしても急激に多頭飼育を進めようとすれば、規模拡大を進めようとすれば、高額の負債になる。それを働いて蓄積して自己資金でやるということは不可能でありますから、拡大して、その借りた負債を払っていくというたてまえをとっておるわけでございます。
そういう中で、たとえば総合資金でも、マル寒資金でも、あるいは九州の畑作
振興資金でも、従来八割融資でありまして、事業
計画に対する八〇%融資でありますから、どうしても負債が高まる。私の計算では、まあ北海道地域における規模拡大をした酪農家の平均は、牛乳一キロ当たり元利償還が大体八円に達しておる、これは間違いありません。ちょっとオーバーに言えば、一キロ当たりのコストは十円と申し上げてもいいのです。そのうち保証
乳価では昨年の場合、地代と資本利子合わせまして六円十八銭が見込まれておるわけです。地代がキロ当たり一円八十九銭、資本利子が四円二十九銭となっております。ここにかなりの苦しみがあるわけです。これを解決しないと負債の重圧で耐え切れないという問題が出てきておるわけです。しかも総合資金で二千万、二千五百万借りて、りっぱに四十頭、五十頭という規模は完成したけれ
ども、結局、私に言わすならば、
政府資金そのものが、近代化資金あるいは総合資金、こういった制度資金そのものが、この地代、資本利子では払えない条件になっている。制度資金すら払えないのに八〇%しか融資しないし、二〇%は、そこまでのそういう余裕はございませんから、結局は二〇%も農協等から借り入れをして、大体年利一割、単
年度で払わなければならない条件で二〇%借りて、一応
計画した多頭飼育を達成しておるというのが
現実ですね。これを早期に解決してやらぬと、せっかくつくったりっぱなものがどうしても、どう計算してみても、これは理論的に払えないわけです。
参考までに申し上げますけれ
ども、外国の例をちょっととって失礼でございますけれ
ども、そういうことがはっきりしておる。欧州諸国、特にドイツあたりでは、これらの資金は金利一分で三十三年償還、一〇〇%融資ですね。事業
計画を立てて思い切って規模拡大をする、いわゆるマンスホルト・プランに対する構造
改善に沿ってやるという
計画に対して一〇〇%融資をして、そして金利は二分、それから元金は三%払えばいい、元利四%償還で進めております。ということは、保護政策というのじゃなくて、いわゆる片や大切な国民の食料だし、また消費者
価格の安定という問題もありますので、そこに立てた金融政策はそうなっております。ですから、向こうの政策では、御存じのように、ECも全部主要農産物は
価格支持をしておるわけです。
価格支持の中で計算した資本利子と金融条件というのはきちっと合わしております。
いまここですぐ合わせろと言ったって、それは年限のかかる問題ですからいまは言わぬが、少なくともとりあえず北海道から農林省に要請しております、いわゆる負債整理ですね、しがない要求だと私は思うのです。特別立法で金利一分、三十三年償還ぐらい要求したらどうかということを打ち合わせしたんですけれ
ども、結果は、いま要求してきておるのは、その金利一割かかっておる二割の持ち出しを借りた、そういうコストの高い部分を、自作農維持資金の特別ワク三百万かさ上げして条件緩和してもらいたいという要求がきておると思う。これは早急に
決定して、四十八
年度において思い切ってやらんければ——それができないというのであれば、きょうも陳情がありました七十四円十七銭の
乳価を
決定すれば、それをせぬでもいいです。せぬでも七十四円十七銭に支持
価格を
決定して、その政策をとるならば、
価格の中で払いますけれ
ども、どちらにするのかということなんです。あれも見ないこれも見ないじゃ、
ほんとうに酪農は崩壊してしまいますね。ですから、こうして全国で酪農危機突破大会というのが開かれておるわけです。自由化の問題はこの際出しません。自由化の問題はまた別の機会に出しますから、自由化の問題は出しませんが、とにかく
価格決定にあたってそういう問題が十分に配慮されなければならぬ、その作業はどう進んでおるか、もう
決定段階に至っておるのか、これをお尋ねいたします。