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1973-03-27 第71回国会 衆議院 農林水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年三月二十七日(火曜日)     午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 佐々木義武君    理事 仮谷 忠男君 理事 坂村 吉正君    理事 藤本 孝雄君 理事 山崎平八郎君    理事 渡辺美智雄君 理事 柴田 健治君    理事 美濃 政市君       安倍晋太郎君    笠岡  喬君       吉川 久衛君    熊谷 義雄君       小山 長規君    佐々木秀世君       正示啓次郎君    白浜 仁吉君       菅波  茂君    丹羽 兵助君       西銘 順治君    浜田 幸一君       湊  徹郎君    森下 元晴君       安田 貴六君    山崎  拓君       井上  泉君    角屋堅次郎君       島田 琢郎君    竹内  猛君       野坂 浩賢君    馬場  昇君       湯山  勇君   米内山義一郎君       諫山  博君    中川利三郎君       瀬野栄次郎君    林  孝矩君       神田 大作君  出席国務大臣         農 林 大 臣 櫻内 義雄君  出席政府委員         農林政務次官  中尾 栄一君         農林大臣官房長 三善 信二君        農林省畜産局長 大河原太一郎君         水産庁長官   荒勝  巖君  委員外出席者         大蔵省関税局監         視課長     本多 行也君         農林大臣官房審         議官      下浦 静平君         農林水産委員会         調査室長    尾崎  毅君     ————————————— 委員の異動 三月二十六日  辞任         補欠選任   笠岡  喬君     草野一郎平君   西銘 順治君     園田  直君  三ツ林弥太郎君     本名  武君   森下 元晴君     村上  勇君 同日  辞任         補欠選任   草野一郎平君     笠岡  喬君   園田  直君     西銘 順治君   本名  武君    三ツ林弥太郎君   村上  勇君     森下 元晴君 同月二十七日  辞任         補欠選任   金子 岩三君     浜田 幸一君   長谷川 峻君     山崎  拓君 同日  辞任         補欠選任   浜田 幸一君     金子 岩三君   山崎  拓君     長谷川 峻君     ————————————— 三月二十六日  農林年金制度改善に関する請願外四外(井出一  太郎紹介)(第一七一二号)  同(大久保直彦紹介)(第一七一三号)  同(青柳盛雄紹介)(第一八〇九号)  同(坂井弘一紹介)(第一八一〇号)  みかんの暴落に伴う対策強化に関する請願(藤  田高敏紹介)(第一八一一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整  備計画変更について承認を求めるの件(内閣  提出承認第一号)  農林水産業振興に関する件(乳価及び豚肉価  格安定に関する問題等)      ————◇—————
  2. 佐々木義武

    佐々木委員長 これより会議を開きます。  漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画変更について承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。  質疑申し出があるので、これを許します。諫山博君。
  3. 諫山博

    諫山委員 農林大臣質問します。  漁港整備に要する費用の一部分を漁民団体である漁業組合負担しているところがたくさんあるようです。この実情がどうなっているのか、また、この状態農林大臣としては好ましい状態考えておられるのかどうか、御説明願いたいと思います。
  4. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 ただいま御質問のように、漁業協同組合に若干負担をさせておる自治体があることは承知しております。その詳細は必要に応じて担当者から御説明申し上げまするが、こういう地元負担というものはでき得る限りないことが好ましいのでございまするが、先生御承知のように、現在の法律のたてまえでは、国の助成だけが明確にされておりまして、特定三種七割、四種に七割五分、一種二種、三種五割というように、もちろん離島はそれよりも補助率を上げておりますが、本土の漁港についてはそういうような扱いをいたしておるわけでございまするが、要は、こういう補助事業を行なうにつきまして、各種の諸施策の全体の仕組みの中できめられておることであり、また地方自治体のそれぞれの考えがそこに加わって漁港各種事業が行なわれておるという実情でございます。そういうことで、地元負担についてあるがいいかないがいいかといえば、それはもうないのがいいにきまっておることでございまするが、一応たてまえはただいま私が申し上げたとおりでございます。
  5. 諫山博

    諫山委員 地元漁業組合負担が、漁業組合自体にとって非常に大きな重荷になっているということが、前回の委員会でいろいろ指摘されました。そして、農林大臣のいまの御説明でも、漁業組合負担しなくても済む状態が望ましいと言われておられますが、だとすれば、この問題を是正するために農林大臣として何らかの行政指導をされるつもりがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  6. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 これは地方自治体考えに基づくものでございまして、全般的としては国がこの範囲のお世話をしますと、先ほど申し上げたような補助を明らかにしておるわけでございます。私が申すまでもなく、地方自治体はそれぞれ県、市町村段階において議会を持っておることでございまして、その間に常識的にいえば他では負担をしておらないが、ある地区では負担をしておるという問題については、十分それぞれの県、市町村段階で論議されて解決されるべきものである。  ただ、お尋ねは、農林大臣はどう思うか、それは常識的に負担はできるだけないほうが好ましい、こういうことを申し上げておるわけでございまして、特に県、市町村議会もあるのに、それに対して——国全般的なことであれば積極的な行政指導というものを考えてもよろしいかと思いまするが、それぞれの特殊の事情に基づいて行なわれておるといたしますれば、私があまり積極的な姿勢をとるのはいかがかと、こう思う次第でございます。
  7. 諫山博

    諫山委員 いま漁民の間では、漁港整備してもらいたいという希望は非常に強まっております。しかし、漁民負担が大きい、さらに漁民負担だけではなくて、地方自治体負担も非常に大きいということが、漁港整備を進めていく一つの隘路になっていると思います。この問題を解決するためには、漁港法を改正して国の負担率補助金を大幅にふやすということがどうしても必要です。また、全体として予算が少ないために、当然整備されなければならない漁港が放置されているというところがたくさんあります。国の負担率なり補助率を大幅に引き上げるということが必要だと思いますが、農林大臣としてこの問題をどう考えるのか、またどういうふうに善処していこうとされているのか、お聞きしたいと思います。
  8. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 ただいまの御意見につきましては、私どももそれに沿ってまいったと思うのであります。そこで、たとえば特定三種にしても、昨年補助率を引き上げる措置を講じたわけでございまするし、また、今回のお願いをいたしました第五次漁港整備計画の総事業費七千五百億円、うち国費約四千五百五十億円の計画も、この委員会における御審議でもむしろ計画が大き過ぎるのではないか、はたしてこれを円滑に遂行できるかというような御意見も出ておったというふうに承るのでありまするが、しかし、このような飛躍的な計画お願い申し上げておるゆえんのものも、まさにただいまの御質疑の御趣旨に沿ってまいっておることでございまして、ただ、個々各種漁港につきましてなお補助率考えるべきだ、こういう点につきましては、私も前向きに可能な補助率の引き上げについては十分考えてまいりたい、こう思います。
  9. 諫山博

    諫山委員 関連して中川議員に交代したいと思います。
  10. 佐々木義武

  11. 中川利三郎

    中川(利)委員 では大臣にお伺いします。  この前、私、質問した際に問題として取り上げたことの中に、日本海太平洋漁港格差の問題を申し上げました。一つの例をとりますと、漁港日本海区が四百十八ありますが、太平洋区が八百十七、たいへんな格差がございます。これにつきましてお伺いしましたところ、心情的にはいろいろ日本海区に対する同情あるような御発言がありましたが、実際何といいますか、ほんとう日本海区の漁港を新たに整備し、これに力をつけるというような、確実なそうした政府の御意向は承ることができなかったのでありまするが、この日本海区の問題につきまして、大臣の確信あるこれからのお考えをお示しいただきたい、こう思います。
  12. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 私も日本海沿岸の島根県でございますので、御質問のお立場というものには十分理解を持つ一人でございます。ただ、日本海側現実漁業実態太平洋側におくれておる、したがって、この漁業実態に沿っていく面から漁港というものを考えると、そのためにおくれがちの点があったと思うのであります。しかし、これを積極的に考える場合に、おくれておるからもっと漁港をよくして日本海側漁業のめんどうを見よ、こういう所見も当然出るので、私も日本海側の人間としてはそういう気持ちは一ぱいでございまするが、ただ、現在の漁港の密度が、この前もお話を申し上げておるそうでございまするが、全国的には平均して九・九キロメートルに一港、日本海はそれよりもよく九・一キロメートルに一港、こういうことになっておるのでございます。また指定漁港数は一五%、漁業生産量は一一%、漁船隻数は一三%、こういうことで、これらのことを総合的に申し上げてまいりますならば、日本海側日本海側漁業実情に沿っての漁港整備が現在まで行なわれてまいったと思うのでございます。しかし、これをもっと積極的に日本海側漁業振興の上に考えろという御意見については私も十分理解ができるところでございます。
  13. 中川利三郎

    中川(利)委員 青森県の三沢では、全くいままで漁港の歴史的なそういう経過もない中で、膨大な三十数億というもので漁港が新たにつくられる、こういうことになっておりますが、その理由としては、背後地に有力なるよい漁場があるからだ、こうおっしゃっているのでありますが、日本海側背後地漁場のよいものがないということは、歴史的に自民党政府の中で日本海を冷遇する、こういうことのあらわれとして、今日太平洋との比較の中で日本海が比較的冷遇されているといいますか、こういうことで漁業そのものの発展が妨げられてきた、こういうふうに考えますが、この点についてはいかがですか。
  14. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 いまの御質問の御趣旨についてはちょっとわかりかねたところがあるのであります。三沢漁港を取り上げられて、背後関係がいいから巨大なものをつくっておる。これはこれなりにその漁獲量漁船数あるいは将来のことを考えての三沢三沢なりの結論が出ておると思うのでございます。ただ、日本海側につきましては、先ほども申し上げたように、総合的に考えまするときに、もっと積極的な考慮を払ってはどうかといえば、それは私も十分考えられる。しかし、一つ一つのことについて、いま三沢ということで、ちょっとその点は、現実に相当必要性があるならば、これを大きくするということにいまとやかく言うべき立場ではない、こう思うのであります。
  15. 中川利三郎

    中川(利)委員 この前の水産庁長官答弁の中で、地域開発での大規模工業開発、こういうことで犠牲になった、埋め立てられた漁港については新しい漁場を開発する、こういう意味の御発言があったのです。そういうことはたいへんいいことでありますが、ほんとうにこれは観念的なことばのあれでなくて、現実にそれを可能とするような政治を準備なさっていらっしゃるのか。実際そういうことが、たとえば秋田湾の大規模工業開発の中で四つの漁港がなくなる、そのかわりに新しい漁場をつくっていただける、こういうふうに理解しているが、現実にあの答弁がこれからの施策の中に生かされるというふうに理解してよろしいかどうか、この点を押えておきたいと思います。
  16. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 ただいまの秋田のような場合、工業地帯が造成され、それに伴って漁港が壊廃する、こういうようなことで県のほうから新規にこの漁港については代替として拡張せいというような具体的な事例があがってくれば、それは当然考慮いたします。
  17. 中川利三郎

    中川(利)委員 最後の質問でありますが、趣旨説明では、遠洋沖合い拠点漁港を重点的に整備するとうたっています。これには日本海側のものがほとんど含まれておらないと考えます。ところが、遠洋につきましては、日ソ交渉国際海洋法会議などの動向を見ましても、これ以上水揚げの伸びがあまり期待できない、こういうふうになっていると思います。  そこで、大臣は本腰を入れて養殖を含めた沿岸漁業振興のために本格的に取り組む時期が来ておるように考えるわけでありますが、そのためにも一種、二種漁港を重点的に整備して、また必要なところには新しく漁港をつくる。これを含めてこれからの水産行政考えるべきだと思いますが、当局のいまのあれを見ますと、一種漁港というものは非常に片手落ちにされておる、こういう状態があるわけでありますが、現在とこれからの水産行政のあり方と関連いたしまして、こうした一種、二種漁港整備についての大臣の御所信を承りたいと思います。
  18. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 私どもは、沿岸漁業あるいは養殖漁業、こういうものが遠洋漁業沖合い漁業と同様に重視されなければならないということは当然であると思います。特に最近では栽培漁業について相当力を入れておりまして、日本海に今回五カ所そういう栽培漁業のための基地をお願いをしておるわけでございまするが、そういう点から考えましても、決して沿岸漁業養殖漁業に対応する漁港というものを軽視しておるわけではないわけでございます。  ただいま一種、二種漁港のことについてお触れでございましたが、何ぶんにもこれらの種類漁港指定港数も非常に大きいものでございますから、したがって、全体としての予算はとれましても、個々漁港への配分になりますると思うようにいかない面もございまするが、しかし、遠洋漁業の前途についてはもう頭打ちではないか、したがって一種、二種のほうに力を入れろという御主張でございましたが、私も、一種、二種について足らざる点がありますれば、大いに力を入れてまいりたい、こう思います。
  19. 中川利三郎

    中川(利)委員 終わります。
  20. 佐々木義武

    佐々木委員長 本件に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  21. 佐々木義武

    佐々木委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本件承認すべきものと決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  22. 佐々木義武

    佐々木委員長 起立総員。よって、本件承認すべきものと決しました。  暫時休憩いたします。    午前十一時八分休憩      ————◇—————    午前十一時四十四分開議
  23. 佐々木義武

    佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  先ほど議決いたしました漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画変更について承認を求めるの件に対し、山崎平八郎君外四名から、自由民主党日本社会党日本共産党革新共同公明党及び民社党の五党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。山崎平八郎君。
  24. 山崎平八郎

    山崎(平)委員 私は、自由民主党日本社会党日本共産党革新共同公明党及び民社党の五党を代表して、ただいま議決されました漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画変更について承認を求めるの件に対しまして、附帯決議を付すべしとの動議提出いたします。  まず案文を朗読いたします。   漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画変更について承認を求めるの件に対する附帯決議(案)  水産業の基盤である漁港整備拡充を図り、漁業振興に資するため、政府は、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。        記  一 漁港修築事業改修事業および局部改良事業を含めたいわゆる第五次漁港整備計画は、五年間に総事業費七、五〇〇億円(うち国費約四、五五〇億円)を要することにかんがみ、次年度以降において必要な予算を確保し、計画完全実施を図ること。  二 漁港整備事業に要する費用については、すみやかに国の負担および補助の割合の是正に努めること。  三 漁港関連道の建設については、計画的に実施する等これが整備充実を図り、漁獲物の流通の合理化漁村環境改善に資すること。  四 漁港維持管理の適正を期するため、漁港種類に応じて漁港管理者たるべき地方公共団体の区分を整理することについて検討すること。   右決議する。  これらにつきましては、委員会審議を通じまして十分審議されておるところでありますから、この際説明を省略させていただきます。  何とぞ各位の御賛同をお願いいたしまして、提案趣旨説明を終わります。
  25. 佐々木義武

    佐々木委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  本動議に対して別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。  山崎平八郎君外四名提出動議賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  26. 佐々木義武

    佐々木委員長 起立総員。よって、本件附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいまの附帯決議について政府所信を求めます。櫻内農林大臣
  27. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議趣旨を尊重し、今後極力努力をいたしてまいります。     —————————————
  28. 佐々木義武

    佐々木委員長 なお、ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 佐々木義武

    佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  30. 佐々木義武

    佐々木委員長 暫時休憩いたします。    午前十一時四十九分休憩      ————◇—————    午後零時十一分開議
  31. 佐々木義武

    佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産業振興に関する件について調査を進めます。  この際、乳価及び豚肉価格等畜産振興審議会に対する諮問について政府から説明を聴取いたします。大河原畜産局長
  32. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 昭和四十八年度加工原料乳豚肉価格飼料需給計画等検討状況につき御報告申し上げます。  加工原料乳につきましては、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づき、毎年度、その年度開始前に加工原料乳保証価格及び基準取引価格生産者補給交付金にかかる加工原料乳限度数量並びに指定乳製品安定指標価格を定めることとなっております。  また、豚肉につきましては、畜産物価格安定等に関する法律に基づきまして、毎年度、その年度開始前に豚肉安定基準価格及び安定上位価格を定めることとなっております。  さらに、飼料につきましては、飼料需給安定法に基づきまして、毎年、輸入飼料の買い入れ、保管及び売り渡しに関する飼料需給計画を定めることとなっております。  これらは、いずれも定めるにあたって畜産振興審議会意見を聞くこととなっておりますので、本年も去る三月十七日同審議会の総会を開催いたしまして、昭和四十八年度加工原料乳及び豚肉価格等決定するにあたり留意すべき事項並びに昭和四十八年度飼料需給計画につき審議会意見を求めたところであります。  このうち飼料需給計画につきましては、去る三月二十四日に開催されました同審議会飼料部会におきまして、これを適当と認める旨の答申をいただいております。  次に、豚肉価格決定にあたり留意すべき事項につきましては、三月二十八日に開催されます食肉部会におきまして、また、加工原料乳価格等決定にあたり留意すべき事項につきましては、三月二十九日に開催されます酪農部会におきまして、それぞれ御審議をいただいた上答申をいただくこととなっております。  なお、加工原料乳及び豚肉価格水準等につきましては、目下事務当局において検討中であり、それぞれの関係部会に間に合うよう鋭意作業を進めているところであります。  以上でございます。
  33. 佐々木義武

    佐々木委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————
  34. 佐々木義武

    佐々木委員長 引き続き質疑申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。
  35. 美濃政市

    美濃委員 私は主として加工原料乳の問題につきまして御質問したいと思います。  まず最初に、四十八年度のわが国の飲用乳を含めた生産状況、それから需要状況、まだ年度中でありますから、確定ではなくて推定でよろしゅうございますから、動向見通しをお聞きいたしたいと思います。
  36. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、四十七年度生乳生産量は約四百九十三万七千三百五十二トンでございまして、対前年比一〇二・四%でございます。四十八年につきましては、月字数字を累計いたしますと、これは一〇二%ということになっております。
  37. 美濃政市

    美濃委員 もう少し具体的に、需要生産、それから加工原料乳価格決定にあたっての……。
  38. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 用途別に申し上げますと、四十七年度は、飲用乳向けが一〇六・四、乳製品向けが九七・九、それから四十八年度におきましては飲用乳向けが一〇八・九、乳製品向けが九三・五ということに相なっております。
  39. 美濃政市

    美濃委員 %はわかりましたが、それの具体的な量をちょっと。
  40. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 四十七年度先ほど申し上げました四百九十三万七千三百五十二トンのうち、飲用乳向け数量は二百八十三万トン、乳製品向け百九十五万トン、その他自家消費等でございますが、十四万七千トン、ラウンドで申しますとそういうことになっております。それから四十八年につきましては、飲用乳向けが、これは途中の数字でありますが、生乳生産量が一〇二%と申しましたのが——失礼いたしましたが、四十六年と四十七年の数字が出ておるわけでございます。先ほど四百九十三万トン云々と申し上げましたのは、四十七年度暦年数字がそこまで出ておるわけでございます。それから、さかのぼって四十六年は四百八十一万九千八百三十四トンが生乳生産量でございまして、数量は、二百六十六万三千トンが飲用乳向けでございまして、乳製品向けが百九十九万六千トン、その他が十五万九千トンということになっておりまして、先ほど伸び率をちょっと修正させていただきますと、四十六年暦年におきましては一〇一・二でございます。それから四十七年は一〇二・四でございます。失礼いたしました。
  41. 美濃政市

    美濃委員 その結果、いわゆる補給金対象となります指定乳製品の四十七年度見込みは、これは三月末までの見込みになりますが、限度量が余るのか足りないのか、どういうふうになるかということです。
  42. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 加工原料乳不足払い対象になります限度数量は余る予定でございます。
  43. 美濃政市

    美濃委員 どのぐらい余る見通しになります  か。
  44. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 四十七年度保証価格決定いたします際に推定いたしました限度数量は百五十九万六千トンでございますが、大体百四十万ないし百四十五万トンというのが実行の限度数量になろうかと思っております。
  45. 美濃政市

    美濃委員 こういう過程をたどりまして、結果として不足払い対象指定乳製品の三月末までの輸入量見込みはどうなりますか。
  46. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。  先生御案内かと思いますが、乳製品につきましては、今日、成分によりまして需給がアンバランスになっております。と申しますのは、脂肪に対するバター、これに対する需給が窮屈でございまして、その結果、輸入が一万一千トン程度本年度においては予定されております。
  47. 美濃政市

    美濃委員 バターだけですね。他のものは輸入がないですね。
  48. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 バターだけでございまして、先生御案内のとおり、よけいなことでございますが、脱脂粉乳を約二万六千トン事業団がかかえておりまして、いわば在庫という形であるわけでございます。
  49. 美濃政市

    美濃委員 昨年の保証価格決定した説明資料によると、参考として出ておりますが、過去五カ年平均の飲用向け比率というのが出ております。これは北海道、福島、青森、長野、岩手、鳥取、山形が出ておりますが、この動向はどう変化しますか。
  50. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 ただいま最終整理をしておりますが、飲用乳向け比率が五割をこえるような県が二県ぐらいふえると推定されます。
  51. 美濃政市

    美濃委員 そうすると、逆に加工向け比率が五〇%以上になる県は、二県減って何県になる見込みになりますか。
  52. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 従来一道六県と申しましたのが、ただいま最終資料を整理しておりますが、一道四県になる見通しでございます。
  53. 美濃政市

    美濃委員 従来、飲用向け比率が五〇%以内の県を一道何県と称していわゆる加工原料乳生産経費の調査対象としておったと思うのですが、四十八年度価格を試算するにあたっての方針はどうなりますか。
  54. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 本年度におきましても、加工原料乳の割合が相当部分を占めるという暫定措置法の趣旨に基づきましてきめていきたいというように思っております。
  55. 美濃政市

    美濃委員 次に、本年度乳価の試算にあたっていろいろ検討されておると思うのでありますが、以下その要素につきまして、あるいは現在どういう考え方で乳価の試算が行なわれておるか、もう作業はだいぶ進んでおると思うのですが、それをお聞きしたいと思います。  まず第一に、同じ牛乳でありますから、飲用乳と加工乳との均衝ということも、やはり乳価を試算する中で十分に検討しなければならぬことだと思います。過去三年間に飲用向け牛乳はキロ当たり十三円五十銭、生産価格が上がっておる。加工向けは、一時乳製品が多少過剰傾向がありまして、事業団買い入れ等がありまして、いわゆる需給均衡という価格原理——わが国の農産物支持価格のやり方は、需給を均衡さすために支持価格で調整をしておりますから、そういう問題もありまして、極端に加工乳を押えておるわけですね。ほとんど値上げをしていない。三年間で一円九十六銭、ほとんど据え置きの状態である。この均衡はどう調整するお考えですか。
  56. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 お答え申し上げますが、先生のほうが御案内かと思いますが、飲用乳価につきましては、それぞれの地域、地域の需給に応じまして自由に形成されるたてまえをとっておるわけでございますが、一方、加工原料乳につきましては、主要な加工原料乳地帯における加工原料乳の再生産を確保するという趣旨で、別途の方式で算定をされておるわけでございます。したがいまして、それぞれの価格形成の方式が異なりますので、価格についても必ずしも同一の傾向をたどる、同じ上げ幅になるとかということは従来もなかったわけでございます。特に飲用乳地帯におきましては、主体の地域は都市地域の周辺ということで非常にその影響を受けまして、労賃なりあるいはえさなり土地というようなものについての制約が強まっておりまして、それがコストアップの大きな要因になっておるというような事態も見のがすわけにはいかないわけでございます。  ただ、飲用乳加工原料乳との地域とかあるいは用途別にいかなる格差があるべきかという点については、なかなかむずかしい問題かと思うわけでございますが、加工原料乳につきましては、暫定措置法の趣旨に基づきまして、需給事情なりあるいは生産条件というものを十分に反映いたすように適正に決定していきたいと考えております。
  57. 美濃政市

    美濃委員 要約すると、全然別々な角度で検討するということで、同じ牛乳でありますが、飲用乳価格というものは、試算の中でそれぞれの均衡というのはいささかも加味しない、こういうことですか。
  58. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 飲用乳価格は、先生御案内のとおり、地域によって原料乳価格需給の関係できまっております。したがいまして、それはいわば自由な価格形成で行なわれておるものでございますが、加工原料乳につきましては、加工原料乳地帯の原料乳の再生産を確保するという制度に基づきまして、御案内の方式で適正にきめていくというたてまえでございます。
  59. 美濃政市

    美濃委員 それでは、次の質問に移りたいと思いますが、まず第一点として、最近労賃の高騰というのは御案内のとおりでありますが、ほとんど乳価が据え置きということは、もう牛乳生産の労賃そのものも据え置き状態であるわけですが、非常にいま一般労賃と牛乳生産労賃との、これはどうしてもやらなければならぬわけですが、均衡が失しておるわけです。これは思い切った労賃の均衡ということで本年の乳価は計算するという基礎に立って検討されておるか。もう大かた決定しておると思うのです、諮問案というのは。どういうようになっておりますか。
  60. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 数字等につきましては最終決定を急いでおりますが、先生も十分御案内のとおり、労賃につきましては、労働省の毎勤統計の加工原料乳地域におきます直近三カ月の上昇率というものをおらえまして、これを推定生産費に反映していくというたてまえをとっておりまして、その適正な反映を期しておるわけでございます。
  61. 美濃政市

    美濃委員 確たる額でなくてよろしいのですが、前年度に比較しておおよそ何%ぐらい——その要素を取り入れるといま御答弁されたわけですが、パーセントでよろしゅうございますから、おおよそでいいですから、おおよそ何%ぐらい反映するということになりますか。最終は多少違ってもよろしゅうございます。まだ前段ですから、きょうの答弁が一厘一分狂ってもまかりならぬという気持ちではないですから、推定でよろしゅうございます。
  62. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。  はなはだ残念でございますが、労賃その他主要な経費の項目でございまして、ただいまそれらについてその適正な算定をするために作業を急いでおるわけでございまして、その点について他の主要な経費項目とあわせまして、ただいま御答弁申し上げることは困難でございます。
  63. 美濃政市

    美濃委員 次に、同じこの酪農をやる農家の粗飼料生産に要する家族労働賃金というものは、前年度までは非常に、とにかく話しにならないニコヨン賃金といいますか、労働評価を全く安くしておるわけですが、これは一貫した酪農形態の中で何回もこの論議は乳価のときは繰り返されておるわけです。  これは動物飼育の中でえさを生産するという労働が飼育労働よりも質的に安くていいんだという根拠は全く間違いであると思います。そういう考え方が、やはり保証乳価の上だけの問題でなくて、政策としていまだ日本の畜産指導の中には、粗飼料というものを雑草のごとくものを考えておる、非常に軽視しておる風潮があるわけですね。ですから、いつが来てもいわゆるわが国の飼料の自給体制というものは先進畜産国から見れば非常に落ちて、そのことが畜産の安定に大きく響いておるという現実は、局長もそうでないということは言えないと思う。結局、こういう面から直していかなければ日本の畜産経営の安定というものは非常に欠けてくる。それはもちろん価格の上でも保証しなければならないし、あるいは生産指導や政策の上でももっともっと飼料生産というものに重点を置かなければ畜産経営というものは安定しない、こう思うわけです。その点はことしはどういう試算をしようとお考えになっているか。
  64. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 しばしば乳価問題に関しまして先生等から本問題についての御指摘があったことは十分承知しておるところでございますが、飼育管理労働につきましては、繰り返すまでもなく、その年間拘束性とか熟練性とか、そういうものにかんがみまして、その地域における他産業並みの賃金の評価がえをして確保したいというふうになっておるわけでございますが、飼料作物の栽培費につきましては、先生の御主張もございますが、他の作目との関係その他、もちろんあらゆる作目等について均衡労賃を評価がえという御議論があることも承知しておりますが、他の作目との関係その他農産物価格政策万般との関係について判断をしていくという必要性が一方にあるわけでございますし、それからもう一つは、やはり稲作等高位技術が平準化したものと異なりまして、なお酪農農家の多大な努力と各種施策とで合理化が進んでおるわけであります。したがいまして、これらにつきまして、その均衡労賃方式をとるかどうかという点についても議論があるところでございます。
  65. 美濃政市

    美濃委員 どうもいまの局長の説明では、いつが来てもこの論議は尽きないわけです、これが改善されるまで。他の作物との均衡、こう言うが、そうすると、たとえば最近までは米価の試算ですね、その中に占める家族労賃とこの労賃とは差があるわけです。それはあれですか、米をつくる労働と酪農民が牧草をつくる労働とではやはり質的に安くていいんだという解釈に立つんですか。いわゆる他の農作物の支持価格あるいは政府買い入れ価格、均衡労賃との均衡も考えなければならぬ。そこにも差があるのですね、ここで計算される労賃というのは。そのどちらにもなっていない。飼育労働の労賃はものすごい格差をつけて計算されている。牧草も畑へつくるものだから——他の畑作物の支持価格等、労賃の均衡と、いまさっきお話が出ました。それとも差がついておるわけです。何か聞いておると、低乳価を押えつけるためにそういうふうな理由づけをしておるというふうにしかわれわれとしては受け取れぬわけです。
  66. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 おことばでございますが、低乳価をあれするというようなことはないわけでございまして、飼料作物の栽培労働については、やはり酪農経営の一環として相当大事なものであるという点については私も認識を同じくしておるわけでございますが、米とこの酪農の家族労働費を除きまして、他の作物については均衡労賃方式をとっておらないわけでございまして、他の畑作物その他の労働との関係、バランスとの関係、その他万般の関係については相当基本的な検討を要するものではないかというふうに思うわけでございます。
  67. 美濃政市

    美濃委員 時間の関係で平行線をたどっておってもいけませんから——しかし、これは何年も繰り返されておる問題でありますから、ことしはぜひ改善すべきである、この点だけ申し上げておきます。改善しないで出てきた場合は、またそのとき——私はもう許せないと思っておるわけです。繰り返しますが、いつまでもこういう状態でおくということは、いつがきてもわが国の畜産というものの基本的な安定が出てこない。現在、酪農の危機といって、危機ですよ。非常に生産が低下してきています。そういう面が改善されぬ限り、先ほど言っておりました四十八年度においての一〇二%の伸び率というものが非常に怪しくなってくる。いま局長が推定しておる一〇二%くらいの生産になるだろうというのは、反対に前年度実績を割るような結果になると私は思うわけです。  そこで、もう一つ価格要素の問題点でありますが、そうすると、たとえば国民の主食である米であっても、食管法には生産費・所得補償方式とうたってある。それでも米が過剰になれば、需給均衡価格を導入するという見地に立って、米価を据え置きにしておる。こういう現象が出ますが、反対にわれわれから見ておると、余れば需給均衡というものを価格作用に持ってきて、不足すれば輸入すればいいんだというものの考え方がありますから、政府が支持したり買い入れしておるあらゆる農産物に対して、供給が不足になってきたからここでいろいろ検討して、なぜ生産が停滞してくるのか——不足してくるのですから、今度は反対に自給を助長するための価格決定しなければならぬが、いままでこの誠意がないのじゃないですか。余れば一日の余裕もなしに需給均衡だといって据え置きを押しつけてくる。不足になってきたものに対して、生産を助長するために価格を少し引き上げて、そして生産を伸ばさなければならぬという、支持価格なりあるいは政府買い入れ価格のときにそういうのが働いた例が私はないと思うのです。  たとえば、乳価に限らず、一例を大豆にあげます。大豆の補給金を設ける、そういう政策がとられぬために、大豆はついにほとんど生産がないという状態ですよ。昭和三十七、八年当時は六十万トンくらいあった食用大豆が今日十万トンちょっとになり、それも自家用を引けば、商品となって市場に出回ってくる大豆なんというものは無にひとしいものた。だから、大豆を例に出しておるのですよ。大豆の答弁は畜産局長ですから要りません。需給均衡価格というのだったら、大豆の場合は、農林省がこの間出しましたいわゆる「農産物需給の展望」で五十四万トンという自給を計画しておるわけです。あの計画量に持っていくためにはやはり思い切って生産を伸ばす。理由なく伸ばせと言うのではないのです。労賃を押えたり、均衡労賃だ何だといって他産業よりも、たとえば五人規模労賃などから見れば、下回った労賃で計算されるわけです。世間に例のない労賃を計算せよと言っておるのではないのです。そういう面の改善をはからぬ限り、何ぼああいう「試案」を出しても気休めの試案になってしまうと思うのです。  そういうふうに考えると、ここで生産が停滞してきたわけです。ことしの価格決定にあたっては需給均衡は生産を刺激する方向へ——労賃の改善なりあるいは非常に高い機械その他の償却も不足であります。農具費あるいは建物費等も、私どもの計算では、これが償却に該当するほど十分に見積もられておるとは思わぬわけです。そういう面をもっと前向きに取り組んで、かかった経費だけは計算して、そうして生産の促進をはかる、こうなければならぬと思うわけです。  どうですか。その需給均衡は、十分そういう考え方で畜産審議会に諮問し、最終案を決定する、こういう前向きの姿勢で取り組んでおりますか。どうですか。
  68. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。  先生がただいまおっしゃいましたような諸点につきましては、最大限の配慮を払いながら適正な決定をしたいと思っておるわけでございますが、特に生乳生産の停滞とか酪農頭数の絶対数の横ばいとか減というような事態については、酪農をめぐる諸条件等を十分勘案いたしまして価格決定の結論を出したいというふうに急いでおります。
  69. 美濃政市

    美濃委員 そういたしますと、いま前向きの答弁が行なわれましたが、ここで私はその額には触れません。額に触れてもそれはいつも言わぬわけですから、額には触れませんが、そうすると、相当期待してよろしい、こう判断してよろしゅうございますか。ことしの畜産審議会に出てくる価格の諮問案ですね、いまの前向きに検討されるという答弁をもって、ある程度その面は改善される、こう期待してよろしゅうございますか。
  70. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。  最終の結論が出ておりませんので、この点については申し上げることは困難かと思いますが、先生がただいまるる御指摘になりました生産費の各経費項目の見方その他の万般の点については十分考慮を払いまして、価格の最終の結論を出したいというふうに思っております。
  71. 美濃政市

    美濃委員 次に、前向きに取り組みますと、その保証価格の裏づけをしていかなければならぬ。以下、裏づけの検討をいたしたいと思います。  前向きに取り組んだ保証乳価を保証するためには、一つは補給金を上げるという手段、もう一つ基準取引価格を引き上げる手段、基準取引価格をかなり引き上げると、いわゆる価格を上げただけで対応できない場合は指標価格の引き上げということになると思うのです。この三つ。それなくしてそれを避けようとすれば、いまニュアンスとしては、前向きで、ある程度評価しますと言っておるが、しかし、そこをきちっとしないと、保証乳価を上げた現実に伴わないし、またその点を整理しないと保証乳価の支払い遂行ができないと思う。そこら辺の検討はどうなっておりますか。この裏づけに対してはどういう考え方でいま作業をしておるのか。
  72. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 先生は制度にお詳しいのでるる申し上げませんが、安定指標価格はすなわち乳製品の価格安定一つのめどの価格でございますし、また基準取引価格は製造販売経費等を差し引いた経費、これはそれぞれ最近の価格動向その他を見て、保証乳価と同様適正な算定をいたすべく努力中でございます。
  73. 美濃政市

    美濃委員 何か答弁が、ちょっと聞き違えておるのではないですか。安定指標価格の中で計算される製造経費や何かを十分に計算しなさいと言っておるのではないのです。それもやはり試算ですから、おろそかにせいという意味ではないのですが、乳価を引き上げれば基準取引価格で何ぼ引き上げる、あるいは補給金を何ぼ出すというその裏づけがなければ、保証乳価の引き上げ効果というのは出てこないでしょう。それからまた、従来やっておるのは、乳価を上げた分のその裏づけをしなければならぬでしょう。その検討はどういう方向で進めておるかということがわからぬのです。
  74. 大河原太一郎

    大河原(太)政府委員 私のお答えを申し上げたのが不十分かと思いますが、安定指標価格につきましては、最近の乳製品価格動向、物価の動向というようなものを十分勘案いたしまして適正にきめたい。特に消費者物価等その他もろもろの視点からも検討しなければならないという点でございますし、また、製造経費等は合理化の進展その他から、十分に検討した上で基準取引価格も算定をいたすべきものでございます。保証価格につきましては、もう申すまでもなく、ただいまの先生のいろいろな御指摘等も配慮しながらきめていくつもりでございます。
  75. 美濃政市

    美濃委員 次に、ちょっとお尋ねしたいのですが、経済局長は来ていませんね。——では、政務次官にお尋ねします。  酪農問題を考えるといろいろ問題がございますけれども、まずその中で規模拡大、それから多頭飼育という、いわゆる政府や行政庁の指導によって酪農民は一生懸命それをやってきた。その結果はかなりの設備投資となり、これは農作と違いまして、申し上げるまでもなく、畜舎が要る。乳牛という、最近かなり乳牛も高くなっておりますが、それも要る。大ざっぱに言うと、同じ畑でやるのですが、畑作就業農家を見ると、畑作就業農家は機械と畑、その上に農作物を生産するのですが、酪農というのは、そのほかに牛舎を建てて、高い牛の頭数をそろえますから、資本投下は約三倍くらいになるわけですね。ですから、どうしても急激に多頭飼育を進めようとすれば、規模拡大を進めようとすれば、高額の負債になる。それを働いて蓄積して自己資金でやるということは不可能でありますから、拡大して、その借りた負債を払っていくというたてまえをとっておるわけでございます。  そういう中で、たとえば総合資金でも、マル寒資金でも、あるいは九州の畑作振興資金でも、従来八割融資でありまして、事業計画に対する八〇%融資でありますから、どうしても負債が高まる。私の計算では、まあ北海道地域における規模拡大をした酪農家の平均は、牛乳一キロ当たり元利償還が大体八円に達しておる、これは間違いありません。ちょっとオーバーに言えば、一キロ当たりのコストは十円と申し上げてもいいのです。そのうち保証乳価では昨年の場合、地代と資本利子合わせまして六円十八銭が見込まれておるわけです。地代がキロ当たり一円八十九銭、資本利子が四円二十九銭となっております。ここにかなりの苦しみがあるわけです。これを解決しないと負債の重圧で耐え切れないという問題が出てきておるわけです。しかも総合資金で二千万、二千五百万借りて、りっぱに四十頭、五十頭という規模は完成したけれども、結局、私に言わすならば、政府資金そのものが、近代化資金あるいは総合資金、こういった制度資金そのものが、この地代、資本利子では払えない条件になっている。制度資金すら払えないのに八〇%しか融資しないし、二〇%は、そこまでのそういう余裕はございませんから、結局は二〇%も農協等から借り入れをして、大体年利一割、単年度で払わなければならない条件で二〇%借りて、一応計画した多頭飼育を達成しておるというのが現実ですね。これを早期に解決してやらぬと、せっかくつくったりっぱなものがどうしても、どう計算してみても、これは理論的に払えないわけです。  参考までに申し上げますけれども、外国の例をちょっととって失礼でございますけれども、そういうことがはっきりしておる。欧州諸国、特にドイツあたりでは、これらの資金は金利一分で三十三年償還、一〇〇%融資ですね。事業計画を立てて思い切って規模拡大をする、いわゆるマンスホルト・プランに対する構造改善に沿ってやるという計画に対して一〇〇%融資をして、そして金利は二分、それから元金は三%払えばいい、元利四%償還で進めております。ということは、保護政策というのじゃなくて、いわゆる片や大切な国民の食料だし、また消費者価格の安定という問題もありますので、そこに立てた金融政策はそうなっております。ですから、向こうの政策では、御存じのように、ECも全部主要農産物は価格支持をしておるわけです。価格支持の中で計算した資本利子と金融条件というのはきちっと合わしております。  いまここですぐ合わせろと言ったって、それは年限のかかる問題ですからいまは言わぬが、少なくともとりあえず北海道から農林省に要請しております、いわゆる負債整理ですね、しがない要求だと私は思うのです。特別立法で金利一分、三十三年償還ぐらい要求したらどうかということを打ち合わせしたんですけれども、結果は、いま要求してきておるのは、その金利一割かかっておる二割の持ち出しを借りた、そういうコストの高い部分を、自作農維持資金の特別ワク三百万かさ上げして条件緩和してもらいたいという要求がきておると思う。これは早急に決定して、四十八年度において思い切ってやらんければ——それができないというのであれば、きょうも陳情がありました七十四円十七銭の乳価決定すれば、それをせぬでもいいです。せぬでも七十四円十七銭に支持価格決定して、その政策をとるならば、価格の中で払いますけれども、どちらにするのかということなんです。あれも見ないこれも見ないじゃ、ほんとうに酪農は崩壊してしまいますね。ですから、こうして全国で酪農危機突破大会というのが開かれておるわけです。自由化の問題はこの際出しません。自由化の問題はまた別の機会に出しますから、自由化の問題は出しませんが、とにかく価格決定にあたってそういう問題が十分に配慮されなければならぬ、その作業はどう進んでおるか、もう決定段階に至っておるのか、これをお尋ねいたします。
  76. 中尾栄一

    ○中尾政府委員 先生がおっしゃるとおりでございまして、以前から、私自身は酪農関係に必ずしも密接な県からの出身ではございませんけれども先生の御卓見には敬服しておった次第でございます。  同時に、先ほど来述べておられますことはほんとうに私どもも十分考慮に入れて、月並みな表現でございますけれども、前向きに考えていかなければ相ならぬことである、しかも緊急なことであるという感じがしております。  御質問の内容は、酪農家の多額の借入金をかかえて経営が非常に苦しい、このような現状を踏まえて、今後の金融対策その他を示せ、こういう御趣旨でもあったように承るのでございますが、酪農は現在構造改善を早急に進めなければ相ならない段階にあるわけでございまして、養豚経営や養鶏経営などとともに多額の資本を要する部門であることは論をまたないわけでございます。したがいまして、酪農は他の作目に比べまして制度資金の利用度も非常に高いわけでございますし、資金の貸し付け実績も年々大きくならておるわけでございます。  特に御指摘の北海道におきましては、制度資金の、でも公庫資金等財政資金の利用度が高いとか、預貯金に比較して借入金が多いなどの傾向が多数見られているわけでございまして、この借り入れ金につきましては、より低利の長期の制度資金への借りかえ並びにまた貸し付け限度額の引き上げなどの措置を講ずるように、北海道庁また道内団体などの強い要望を今日まで受けておるところでありますことは先生の御指摘のとおりでございます。しかしながら、借入資金の内容、資金の使途並びにまた負債の発生状況など必ずしも明確でない点も幾つかあるということから、四十七年度におきまして北海道庁が最近における道内農家の負債の実態を把握するための調査を現段階実施中でございまして、この調査結果を待って慎重に審議し、なおかつ検討し、さらに善処をしていきたい、このような考え方に立っておるものでございます。
  77. 美濃政市

    美濃委員 私どものほうでは、その調査がまとまって、三百万かさ上げで要求したというふうに聞いておるのですが、いま政務次官の答弁は、調査がまとまったらというのは、それは間違いございませんか。そうであれば、私はけしからぬと思うんですね。北海道庁というものは、政務次官の答弁のようであれば道民を欺瞞しておるということになる。そんなとろいものじゃないわけです。来ておっていま検討中というのなら、それなりでまあ怠慢ということになるけれども、政務次官の答弁の、来ていないということになれば、その調査結果を待ってというならば、それは道庁が調査しているわけですから、農林省直接ではないはずですから……。
  78. 中尾栄一

    ○中尾政府委員 詳細にわたりましては担当のほうにお答えさしたいと思います。
  79. 下浦静平

    ○下浦説明員 北海道の負債整理の件でございますが、かねてからのお話でございまして、先般来道庁におきまして調査をいたしました抽出調査結果に基づきまして、道庁から人が来られまして説明を承ったところでございます。なお、全体の調査につきましてはなお実施中の模様でございますので、その抽出調査検討をいたしながら、全体の調査結果もながめまして、今後いかがいたすかということを検討いたしたいと思っております。  なお、かさ上げ三百万の件につきましては、私どもまだ承知をいたしておりません。
  80. 美濃政市

    美濃委員 午前中二人の質問であまり時間がございませんから、不十分でありますけれども、以上で終わりたいと思いますが、とにかく第一点、保証乳価決定にあたっては、どうしても今回は思い切って保証乳価を上げぬ限り酪農は崩壊する。それに対していろいろ質疑がかわされているわけですが、前向きで検討するということでありますから、それを期待いたしまして、その期待に反した場合は、私どもとしては、この国会で法案審議に入りましたけれども、別に対立の法案もございませんけれども、それだけに今回出ておる十五や十六の法案、これは通過してもこの法律の中から農民は救われぬですよ。農民を救えるようなものはないのです。ですから、私どもとしては、きょうの審議は法案審議より大切なのです。政府側としては法案を早く審議してくれ、あげてくれという。きょうの審議は私どもとしては法案どころの騒ぎじゃないんです。ですから、それを十分踏まえて、われわれの期待に反しない、きょう質疑の中で前向きで検討すると言ったことは、期待に反しないように実行してもらいたい、このことをひとつお願いします。  それから、負債整理についてはいま少し話がちぐはぐなようでありますから、十分北海道も促進いたしまして、聞いておる聞いておらぬじゃこれはまずいわけでありますから、このことはきちっとしてもらいたい。条件をつけておきます。とにかく四月から明年度でありますから、とにかく早期に決定して四十八年度ですみやかにこれと取り組んでもらいたい。  この二つだけはきちっと条件として、今後の推移を見守っております。この二つの条件は法案審議より私どもとしては大切ですから、その条件が整わなければ、法案審議に支障があっても、農水は各委員の協力を得てこの問題を徹底的に詰めていかなければならぬ。もうこれきりでございますといって行政決定にゆだねておくことはできない。ぬだねておいたら農民は死んでしまう、こういうように思っておりますから、今後の推移の問題もございまして十分政府としては対処していただきたいことを切に要望しまして、質問を終わります。
  81. 佐々木義武

    佐々木委員長 井上泉君。
  82. 井上泉

    ○井上(泉)委員 私は豚価の問題で主として質問をするわけであります。  今日、酪農にしてもあるいは豚にいたしましてもあるいは鳥にいたしましても、この価格の形成に一番いわば大きな比重を占めているのは飼料と人件費だと思うわけですが、その飼料の値上がりというものが非常に激しいわけで、そこで、酪農民にいたしましてもあるいは豚の生産農家にいたしましてもあるいは養鶏農家にいたしましても非常に困っておるわけですが、これが昨年度の支持価格をきめたときと今日の飼料の値上がり、こういうものを考えた場合に、昨年より幾らくらい上がるのか、豚価の支持価格でも幾らくらいにきめるのが妥当と思うかどうか、それについての見解、まず最初に審議官から承っておきたいと思います。
  83. 下浦静平

    ○下浦説明員 昨年の二月でございますが、その当時は、それ以降たしか二回にわたりまして飼料価格の引き下げが行なわれておるわけでございます。その結果、昨年度の前半につきましては、おそらくわが国畜産史上最低と言っていいかと存じますけれども、非常な安い価格で配合飼料価格が推移したという事実があるわけでございます。その後、昨年の九月以降から世界的な穀物需給の逼迫の傾向が出てまいったわけでございますが、その結果といたしまして、今年の一月以降配合飼料価格の値上がりという現象が出てまいりまして、一月、三月、この二回にわたりまして配合飼料価格の引き上げが行なわれたわけでございます。昨年度の豚価の決定にあたりましては、飼料価格の引き下げという要因を実は織り込んで計算をいたしておりません。したがいまして、配合飼料価格価格水準からいたしますれば、かなりの水準の改定ということが行なわれたというぐあいに考えられますけれども、ちょっとただいまの御質問の計算という点につきましては比較をいたしかねるのではないかというぐあいに考えております。
  84. 井上泉

    ○井上(泉)委員 昨年のきめたときと比較することができないとするなれば、いまの審議会意見を求めておるわけでしょう、明日の豚価のなにについて、これを求めておるわけですが、それを一体幾らくらいに求めておるのですか、農林省原案というものは。
  85. 下浦静平

    ○下浦説明員 お答え申し上げます。  本日中に数字を取りまとめまして、明日諮問をいたすということにいたしておりますが、最近の先ほど申し上げましたような飼料価格の情勢にかんがみまして、私どもといたしましては、できるだけその辺に配慮を加えたいというぐあいに考えておりまして、鋭意最終案をただいま急いでいる最中でございます。
  86. 井上泉

    ○井上(泉)委員 飼料は四十八年度は安くなるという見通しを持っておられるのか、それとも現在の価格で横ばい状態でいくような見通しであるのかあるいはまた価格が上昇するという見通しであるのか、その辺についての飼料価格見通しについて御意見を言っていただきたいと思います。
  87. 下浦静平

    ○下浦説明員 ただいまの御質問の点は、実はたいへんむずかしい点だと思います。と申しますのは、これから来年度に向かいまして穀物生産に二山あるわけでございます。一つの山は、本年の五月から六月にかけましてでございますが、北半球で麦類の収穫期を迎えるわけでございます。それからさらに、南半球でトウモロコシ、コウリャン等の収穫期を迎えるということがございます。それから第二の山といたしましては、本年の九月から十月にかけてでございますが、これは先ほど申し上げましたのとは逆に、北半球のトウモロコシ、コウリャン、南半球の麦類という二つの実は山があるわけでございまして、各生産国の生産事情それから輸入をいたします国の輸入動向と、こういうからみが実はございまして、非常に見通しがむずかしいというわけでございますが、ただいまその一つの山でございますが、アルゼンチンにおきますトウモロコシ、コウリャン、これがかなり前年に比べまして豊作のようでございます。それからオーストラリアにおきまするコウリャンでございますが、これもかなり豊作というぐあいに伝えられております、南アフリカにおきましては不作のようでございますけれども。したがいまして、今後輸入国側の買い付けの動向一つございますけれども、ソ連、中国等の生産さえ順調に推移をいたしますれば、下半期以降はかなり緩和を期待できるのではないかというぐあいに考えております。したがいまして、価格の面におきましてもそういう現象があらわれますことを私どもは期待をいたしておるということでございます。
  88. 井上泉

    ○井上(泉)委員 その飼料需給の関係とその価格の問題あるいは自給飼料生産の拡大というような問題もあるわけですけれども、一体農林省は飼料需給安定法という法律に基づいていろいろなことをやっておると思うわけですが、この飼料需給安定法というものをどういうふうに理解をして行政をやっておるのか、その点についての私は当局の御意見を聞きたいと思います。
  89. 下浦静平

    ○下浦説明員 政府といたしましては、畜産経営の安定という観点からいたしまして、飼料需給安定法の運用ということをいたしておるわけでございますが、トウモロコシ及びコウリャン等を主原料といたします配合飼料というものにつきましては、これは原料の輸入、それから関税面すべてフリーということになっておるわけでございます。したがいまして、ただいま政府の食糧管理特別会計輸入飼料勘定というものがございますが、この特別会計で扱っておりますものは、いわゆる食管物資でございます大麦、小麦の麦類でございます。したがいまして、この麦類は政府の管理ということでございますので、この麦類の管理を通じまして飼料の供給の安定をはかるということをいたしておるわけでございますが、これは主として、と申しますよりは、大部分が単体の飼料ということで供給をいたしておるという、こういう現状でございます。
  90. 井上泉

    ○井上(泉)委員 生産者は飼料需給というものに非常に関心が高いわけで、これは飼料がなかったらもう何することもできぬわけです。だから、農林省の示すところの飼料需給計画というものが順調に施行されるということを期待しておると思いますし、また農林省としてもそのことを意図しておると思うわけですけれども、実際、昭和四十七年度における飼料の異常な暴騰というものはさきに定めたこの飼料需給計画というものに大きな狂いを生じさせた、こう見ざるを得ないわけですが、この点についての御見解を承りたいと思います。
  91. 下浦静平

    ○下浦説明員 飼料需給計画というのは、先ほど申し上げました政府操作飼料につきましての計画でございますが、そのもととなっております飼料需給推算というものを私ども推算をいたしておるわけでございます。これに関しまする限り、確かに先生の御指摘のとおり、相当需要の増というものがございまして、当初の見込みを上回ったという結果が出ておるわけでございます。ただ、この上回りぐあいもさほどのことではございませんで、昭和四十七年度中を通じましては供給面ではまずまず支障がなく供給が行なわれたというぐあいに考えております。  なお、政府操作飼料のほうにつきましては、これは先ほど申し上げましたように、大部分が単体ということで供給をいたしておりますので、大麦はほとんどが政府の供給ということでございまして、ふすま関係は約四〇%のシェアということになっておりますが、これはまずまずおおむね支障なく供給をされたというぐあいに見ておる次第でございます。
  92. 井上泉

    ○井上(泉)委員 あなたの説明を聞いておりますと、農家は何も飼料に不安定なものはない、十分に自給もされて、供給もされておるというように聞こえるわけですけれども現実は、飼料は非常に高くて、そうしてそれを買うのに苦労しておるというのが現実ではないですか。その点、もう時間がありませんので、簡単に答えていただきたいと思います。
  93. 下浦静平

    ○下浦説明員 先ほど私がお答えいたしましたのは、物量の面でお答えをいたしましたので、たいへん失礼を申し上げましたが、価格の面は、御指摘のとおり、これも先ほどお答えいたしましたとおり、本年一月以降トン当たり約八千円の値上がりを見ておる次第でございまして、したがいまして、私どもも先般も飼料につきましての緊急対策というものをきめまして、ただいまその円滑な実施をはかっておるという次第でございます。
  94. 井上泉

    ○井上(泉)委員 飼料がそういう値上がりをする原因、これは商社の買い占めもあるだろうし、絶対的な品の不足、数量の不足もありましょう。しかしながら、いずれにしても酪農家あるいは養豚農家あるいは養鶏業者、これらに対して大きな経済的な負担を与えたことは、これは事実もうお認めになるでしょう。その点について。
  95. 下浦静平

    ○下浦説明員 ただいま全農系等におきましては……
  96. 井上泉

    ○井上(泉)委員 簡単に、ぼくは生産農家に大きな打撃を与えたか、不安を与えたか与えなかったのか、それだけでいいですよ。言いわけには及ばぬ。
  97. 下浦静平

    ○下浦説明員 かなりの不安感を与えたものと推量をいたしております。
  98. 井上泉

    ○井上(泉)委員 かなりの推量と言っても、推量じゃないでしょう。現実でしょう。あなたは何か言いのがれのことばを言わないように、ちゃんと国民に納得のいくような、そういう姿勢で答弁してもらわないと困るわけです。現実に農家に対しては飼料の不足、飼料の高騰、そうして酪農の将来の見通し、そういうようなものに対して不安感を与えていることは事実だから、その事実をなくするようにする、これが行政の責任であり、政治の責任であるわけです。かりにいろいろ法律のなにもありましょうけれども飼料需給安定法という法律では「政府輸入飼料の買入、保管及び売渡を行なうことにより、飼料需給及び価格の安定を図り、もって畜産の振興に寄与する」、これが飼料需給安定法の目的であって、それに基づいて需給計画というものをつくって、そうして今年度飼料需給計画についてはこういうことで臨むのだから、生産農家は安心をしてやりなさいよ、こういうことがたてまえでしょう。そうじゃないですか。
  99. 下浦静平

    ○下浦説明員 おっしゃるとおりだと思います。
  100. 井上泉

    ○井上(泉)委員 それで、そういうたえまえがはずれたわけでしょう。たてまえがはずれた以上は、それに対する対策を講じてやるのが、これが行政の責任じゃないかと思うのですが、その対策たるやまことにおぼつかない限りであるわけです。たとえば古々米を飼料になにする場合にも、トン二万三千円、これはトン一万円程度でこれを払い下げてもらいたいという、こういう要望があるが、これすらなかなか認めようとしないような状態にあるわけですが、もうここらあたりで飼料については不安感のないように、つまり飼料需給安定計画を定めたときに、そうして今日の価格から考えて、これだけの飼料価格生産農家、養鶏あるいは養豚あるいは酪農ができるように安心感を与えるような姿勢というものを私は農林省としては示すべきだと思うわけですが、ここでそういう姿勢がありとすれば、簡明に御答弁願いたいと思います。
  101. 下浦静平

    ○下浦説明員 繰り返すようになるかと思いますが、先ほど申し上げましたとおり、飼料緊急対策をきめまして、鋭意ただいまそれを実施中でございます。今後もその円滑な実施をはかるということに努力をいたしたいと思いますが、さらに新しい事態といたしまして、円の変動相場制への移行という問題が出てまいっておるわけでございますので、その効果はフルに飼料価格に反映させるように強力に指導をいたしておる最中でございます。
  102. 井上泉

    ○井上(泉)委員 飼料というものに対する安心感を与えるということは、これはもう行政の責任であるし、極端なことばで言えば、飼料需給安定法という法律がある、法律はあるけれども法律の第一条の本旨というものは生かされていない。そこで、農家の方が政府は怠慢じゃ、法律そのものに対する違反というものは、これはいわゆる刑事的な違反と異なって、行政上の違反行為を起こしておる。それだから、全国の酪農家あるいは養豚業者、養鶏業者が政府に対して被害の賠償の要求訴訟でも起こすというようなことも、これは私は法理論的に可能なんじゃないか、こういうように、いろいろ調べてみると、感じるわけですが、そういう点でも、つくった法律はこれを生かしてやっていかなければならぬ。そうしないと、国民が何をたよりにやっていくか、こういうことになるわけです。  それから、円の変動相場制とか、いろいろ言うても、為替相場の関係もあって、輸入価格が下がるというても、なかなか商社は下げようとしないでしょう。そこに大きな問題があるわけで、そこで、畜産物の価格安定に関する法律に基づいて今年のそれぞれの支持価格を明日以降きめるわけですけれども、私はこれをきめるにあたって、一体どういう立場に立ってこれをきめようとなされるのか、そのことをひとつ直接担当の審議官のほうから御答弁願いたいと思います。
  103. 下浦静平

    ○下浦説明員 えさの値上がりにつきまして今回定めます豚価にどう織り込むかというような御質問と思いますが、最近の飼料価格動向につきましては、十分配慮を払いながら決定をいたしたいと存じております。
  104. 井上泉

    ○井上(泉)委員 その安定価格をきめる場合に畜産審議会意見を聞かねばならぬというけれども、その意見を聞くだけであって、聞かなければならぬが、そのとおりというのじゃない、絶対的にこのとおりにしなければならぬというのじゃない。これは聞くということは尊重する、こういうことに通ずると思うわけですが、それをいま審議官は鋭意検討中と、こう言いますのを、もうここらあたりで、これはもうどれくらいの価格にせねばならぬじゃないか、こういう数字というものは私は出ておるはずだと思うのですが、その点についてどうお考えですか。
  105. 下浦静平

    ○下浦説明員 おことばを返すようでございますけれども、本日中かけまして最終案をつくりまして、明日諮問をいたすということでございますので、御了承をいただきたいと存じます。
  106. 井上泉

    ○井上(泉)委員 それで、数字が言えないとするなら、いま養豚農家が要望しておる支持価格は、これは不当と思いますか。低過ぎると思うか、それとも高いと思うか、妥当と思うか、この点について。
  107. 下浦静平

    ○下浦説明員 要望の価格でございますが、これは統計と申しますか、調査と申しますか、その対象がこれまた相当私どものものとは違っておるという点が第一点でございます。それから第二点は、労賃の見方でございますが、この点につきまして都市近郊労賃をとっておる、こういう点が第二点で、かなりの大幅な差が出ておるということかと存じますが、それぞれの見方等がございまして、一がいに比較はできないのではないかと存じております。
  108. 井上泉

    ○井上(泉)委員 一がいに比較はできなくとも——上がいにせぬでもいいですよ。一がいにせぬでもいいですから、安定基準価格を、一キログラム当たり平均三百八十七円、上物四百十五円という要求内容が、一体どの点が不都合と思いますか。あなたの見解と違うのはどこであるのか、ひとつその点説明を受けたいと思います。これはあなたと違って、直接豚を飼っておる人が血のにじむような思いで出した価格ですから、それが反論できればひとつ反論してください。
  109. 下浦静平

    ○下浦説明員 先生の御指摘の価格につきましては、先ほども申し上げましたような計算方法で計算をいたしましてそうなった価格ということでございまして、私どものほうは、いわゆる需給実勢価格ということで別個の試算の方式をとっておりますので、その点を御了承いただきたいということでございます。
  110. 井上泉

    ○井上(泉)委員 別個の政府の算定方式と生産農家がやった算定方式が違うからと、こういうふうに言われますけれども、だから、私は、一体、農家がやって出しておるこの算定の基準価格はどういう点に誤りがあるのか、その点を教えていただきたいと思います。私は、政府のやっておることが正しい、あるいは農家の方が出しておるものが正しい、そういうふうな評価は別といたしまして、政府のほうは農家が出しておるものはどうも高過ぎる、こう言うでしょう。それならば、高過ぎるのはどういう点が高過ぎるのか、それをひとつ具体的に解明をしていただきたいと思います。
  111. 下浦静平

    ○下浦説明員 豚価を決定するにあたりましては、私ども生産者の立場とともに、消費者の立場というものもあわせて考えなくてはならぬというぐあいに考えておりますが、たびたび申し上げましたように、算定方式自体にかなりの差がございますので、その点をひとつお含みいただきまして御了承をいただきたいと思います。
  112. 井上泉

    ○井上(泉)委員 その点、なかなか了承はできないわけですが、これは時間が制限されておりますので、たとえ明日の審議会でどういう決定がなされようとも、この農民側が要求しておる支持価格というものと差が出るようなことでありましたならば、その点については今後委員会等においても十分究明をしてやっていきたいと思います。  そこで、いま消費者の立場、こういうことも言われたのですが、これは非常にけっこうなことだと思います。それは行政というものが生産者側のみに立ってやるとか、あるいは消費者側のみに立ってやるとかということがあってはならないと思います。それがためにこそ、生産農家に対しては安定をした生産ができるように法律はいろいろとこれを保障しておるでしょう、守っておるでしょう、飼料需給安定法にしても、あるいは価格にしても。  そこで、あなた、いまや豚肉は平均してどれだけの小売り価格で売買されておるのかお調べになったことがあるのですか。あるとするなら、出していただきたいと思います。
  113. 下浦静平

    ○下浦説明員 お答えをいたします。  四十七年を通じましての価格で申し上げますと、小売り価格九百九十二円という数字が出ております。それからごく最近の数字は、一月までしか実は出ておりませんが、千三十円というぐあいになっております。
  114. 井上泉

    ○井上(泉)委員 その小売り価格生産者のいわゆる養豚者の販売の価格と、その違いというものはどれくらいになっておるのですか。
  115. 下浦静平

    ○下浦説明員 先生御承知のとおり、生産者の段階から出荷されますのは生体でございまして、それが枝肉になりそれから部分肉になり、そして消費者の手に渡るということでございますので、ただいま御指摘の点はたいへんむずかしい点がございますが、ざっとはじきまして、生産者の手取りが六〇%ぐらいということでございます。
  116. 井上泉

    ○井上(泉)委員 その点につきましても、私は資料をあげていろいろ質問をしたいと思いますけれども、時間がありませんので省略をしておくわけですが、最近、豚肉というものは消費者にとっても非常に必要な生活食料物資ですが、それに対する価格というものは非常に不安定である。生産者のほうも不安定である。それで消費者のほうもいつも不安定である。そういうふうな関係をどう調整するのか、これがやはり政治なり行政なりの責任だと私は思うわけです。  そこで、問題とは直接関係ないかもしれませんけれども、たとえば豚肉を輸入する、その輸入をするのに対しまして、関税法の中にある条項を利用して輸入業者が非常に大幅な脱税をやっておる。これは消費者としてはもう許すことのできない腹立たしさを覚えるわけです。これについて大蔵省の関税局のほうは、いま摘発をされて調査中だと思うわけですが、これらの輸入業者の脱税は一体どれくらいのものを脱税しておるという見込みを立てておるのか、それに対して今後どういう処置をもって臨むという考えであるのか、その点について御説明していただきたいと思います。
  117. 本多行也

    ○本多説明員 お答え申し上げます。  豚肉の輸入につきまして、輸入商社等の関係業者が、ただいま御指摘のように、税関に不正の申告をいたしまして、それから関税逋脱——関税法の百十条でございますが、この関税逋脱をはかったといううわさがございました。これは昨年の十一月でございますが、端緒は神戸税関でございまして、税関が強制捜査に移りました。それ以後大体十数社、二十社近くの輸入業者、これは代理店もございますが、商社も含めて十数社の関税法違反の疑いが出てまいりました。現在これを鋭意調査中でございます。これは捜査をまだ終わっているわけではございませんで、今後ともなお捜査を続けていく予定でございますが、徹底的にこれをやりたいということで、まだ現在のところ逋脱の金額の全貌が明らかになっておりません。例を言いますと、ある商社の強制捜査によって押収した書類はトラック三台ぐらいあるということでございまして、四つの税関で現在これを鋭意調査しております。したがって、大体どのくらいになるかということはまだ申し上げる段階でございません。今後につきましても十分徹底的にこれをやりたい、こう思っておる次第でございます。
  118. 井上泉

    ○井上(泉)委員 これは全く不届き千万な行為だと思うわけですが、そこで、こういうふうな豚肉等の輸入に関連いたしましても、たとえば畜産物の価格安定ということは消費者にとっても生産者にとっても必要であるということは言うまでもないわけで、そこで、生産者にとっても消費者にとっても価格の安定をはかるために、畜産振興事業団というものがここに設けられておるわけですが、畜産振興事業団の目的というものは、第十二条で「主要な畜産物価格の安定、乳業者等の経営に要する資金の円滑化及び畜産の振興に資するための事業に対する助成等に必要な業務を行なうことを目的とする。」こうなっておるが、この豚に対しては、私、事業報告その他を見ましても、豚に対する畜産振興事業団としての取り扱いは、生産の場合にもあるいは消費の場合にも、何もないのですが、これはどういうことですか。
  119. 下浦静平

    ○下浦説明員 畜産振興事業団の豚につきましての体制でございますが、これは豚肉価格安定基準価格を下回ります場合に豚肉を買い入れるという機能名持っているわけでございます。それで安定上位価格を越える場合にその豚肉を放出するという仕組みになっておるわけでございますが、最近では豚肉価格が強含みに推移しております関係で、そういう実績はなくなっております。過去におきましては昭和四十二年から三年にかけてと存じますが、かなりの豚肉の買い入れを行ないまして、畜産振興事業団といたしまして約四十億円くらいの赤字を出したという経緯がございます。
  120. 井上泉

    ○井上(泉)委員 生産者は豚肉は高いと思っていないのですよ。安いと思って困っている。これは畜産振興事業団が買い入れる価格があまりにも低過ぎるからどうにもならぬ、こういう状態でしょう。だから、これは畜産事業団が買い入れる安定価格というものに問題がありはしませんか。そういうふうに仕組みをちゃんとしないから豚肉が不足する。今度は輸入する。今度輸入業者は、きめた価格よりも下回っておるあるいは上回っておるということで、関税法で抜け道を考えて脱税をはかる、こういう因果関係というものが出てきておるわけでしょう。やはり畜産事業団というものをつくった以上は、つくったものが生かされるために、生産者のためにも消費者のためにもこれが有効に発揮されてこそ価値ある事業団。何人かの理事がここでぬくぬくと暮らしをするのが、優雅な役員生活を送るのが事業団じゃないと私は思う。その点について問題になるのは、政府がきめる価格というものがあまりにも低額だから、そういう点から考えて——消費者の価格、消費者にとってみますならば、これは非常に高いですよ。これは普通、私ども調べたところじゃ、小売り価格で一番程度の悪い徳用肉で売るのが八十円、九十円あるいは百円程度、ちょっとよくなると百三十円、百六十円、こういうような価格で消費者は買っているわけです。ところが、生産者の場合には、ばかに安い価格で発送して、高い飼料の中で苦しめられる。それを行政が安定さすために畜産事業団というものが設けてあるけれども、その価格が低いために、事業団に対して養豚農家がこれを利用するようなものはほとんどないという。養豚農家に対してこれから融資をしたなにはあるのですか。
  121. 下浦静平

    ○下浦説明員 先生の御質問趣旨は、この事業団がという御趣旨かもしれませんが、この事業団が持っております機能の一つに融資の債務保証というのがございます。これはなりたちからいたしまして、牛乳の関係でございますけれども、これに限定をされておりますので、豚に関しましてはございません。
  122. 井上泉

    ○井上(泉)委員 やはり養豚農家が一番困っているのは、飼料の問題もいろいろ困っているわけですけれども、今度は豚の屎尿の処理等についてもたいへん困っているわけです。これは何百頭も飼っている方たちは屎尿をどうやって処理するのか、公害に関連をして非常にやかましいわけですけれども、これを処理するためにはたくさんの資金が要るわけです。こういうふうなものに対して、いわゆる公害防除という面からも養豚農家に対して公害防除対策事業としてこれに融資の道があるのかどうか、その点をひとつ。
  123. 下浦静平

    ○下浦説明員 公害防止施設に対します融資でございますけれども、これはこの事業団ではございませんで、農林漁業金融公庫という金融機関がございますが、こちらのほうから従来出ております。それで、来年度におきましては、この点、特に御指摘の点もございますので、力を入れて改善をいたしたいと思っておるわけでございまして、かなり長期低利の資金の融通ができるように措置をいたすつもりでございます。
  124. 井上泉

    ○井上(泉)委員 きょうはこれで質問を終わりますけれども、これは政府の積算の基礎というものが非常に間違っておるし、直接養豚をやっておられる農家の方がいろいろ自分の貴重な日々の作業の中からつくり出したところの安定基準価格というものがこれだけ大きな食い違いが出てくるというようなことになりますならば、これは農家としてもたいへんな問題だと思うし、またそのこと自体は、農林省の豚に対する姿勢だけではなしに、いわゆる酪農その他畜産業全体に対する姿勢が問われることだと思うわけです。そこで、そういうことがないように、これは特にあすの審議会においては十分この農家の意向というものを受け入れるようなそういう審議の取り計らい方をしないと、何かしら農家も痛め、消費者も痛め、そして農林省は平気になっておる、こういうことになっては私はたいへんなことだと思います。  そこで、酪農問題、いわゆる乳価の問題にいたしましてもあるいは豚価の問題にいたしましてもあるいはブロイラーの問題にいたしましても、今日の国民の食生活の中で欠くべからざる要素になっておるわけですが、これらに対しまして地方の出先等においては、農林省の出先の機関というもので、これらに対する行政指導とかいろいろなことをする窓口といいますか、そういう人員というものもほとんどいないようで、それが農林省だけでこれに対する運営をやっておるようなきらいがあるわけですが、この点については政務次官はどうお考えになっておるのか、その点について、いわゆる明日の審議会に対する大臣としての決意、そしてこれらの食生活を扱うところの行政官庁としての農林省としてのこれからの行政姿勢、この点について政務次官の見解を承って、きょうのところの質問は終わります。
  125. 中尾栄一

    ○中尾政府委員 御質問の内容は二点あると思います。  まず第一点は、あすに開かれまする審議会の模様、慎重審議していくのをどのようにやっていくか。これは私どもも、先ほど来担当官が答えましたように、あくまでも先生の御意思を導入いたしまして、またそれを反映していくように努力いたしたいと思っておりますし、審議会も慎重審議の上これを検討するように、また私どもも反映さしていきたいと思っております。  さらに、農林省の機構の問題として、地方の食料行政と申しましょうか、そういう機構がだんだん少なくなって、人員が不足しているのじゃあるまいか、こういう御指摘でございました。これに対してお答えさしていただきたいと思います。  社会経済情勢の変化に対応いたしまして、農林省の果たすべき役割り及び農林省に対する行政需要も当然変化してきておるわけでございまして、農林省におきましては、これらの行政需要の変化に機動的に対処し得るように、昨年の機構の大幅な改正に見られますように、従来から必要に応じて弾力的に私ども措置してきた次第でございます。しかしながら、一方、既存の組織のうち、行政需要が減少しているものや事務の合理化等によって対処できるものにつきましては、政府全体の方針に即し極力簡素化をはかって、安易な機構拡大を避けるように配慮しておるところであることは、すでに井上先生も御承知置きのことと思います。そのような方向づけの中で考えておるわけであります。
  126. 佐々木義武

    佐々木委員長 次回は明二十八日、水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十三分散会