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大出委員 私が承った限りは、これは
法務大臣、
日本の十項目の
要請にこたえて
韓国の回答が参りましたね。ここにございますが、回答になっていない
中身であります。言ってもしようがないような
中身でありますが、これらをめぐりましても、やった当の張
本人である限りは、何がどうなってどういうふうに
金大中氏を
韓国に
日本のホテルから連れてきたかということはみんな知っているわけですね、やった
本人だから。やらせたんだから。やらせた、やったというわけですからわかっている。それは準戒厳令だというのだけれ
ども、みごとに入っていって、金さんの家の近くまで持っていった。この事実も明確にある。それは全部わかっている。わかっている張
本人が
捜査をする、これは一体どういうことなのかということです。やった
人間が
捜査をするといったって、これはナンセンスですね。報告が来た。何もないですね。やった張
本人が報告しようがないですね。こういうふうに私がやりましたと、知っている人が。裏を返せばそういうこと。話をしてみますと、いや
大出さん、やった張
本人が
捜査をするというのはナンセンスだということになりますかという話が出てくる。つまり私はその
意味の見当はついてしまっている。
法務大臣がおっしゃる——
外務大臣はちょっと慎重にものをおっしゃっていますが、しかし
先ほど、
金大中氏ほか二人の方の再
来日を
最後まで求めるということはお答えをいただきました。そうすると、
法務大臣がおっしゃっている筋からすれば、それは非常に近い。私も、秋の
国連総会もございますから、そう長引かしているわけにはいかないだろうと思う。
大平さんが二十三日に行かれて二十五日に演説をするのだから、
国連総会で話をされるのだから。しかも
国連総会の議題の
中心は何かといったら、朝鮮の問題なんだから。そうでしょう。そうだとすると、おそらく
韓国側にすれば、その
国連総会の
時点では腕を組んで、そこから先まで持っていきたいのだろうと思う、私が
韓国の
立場でも。だけれ
ども、それで済むかという問題がいまここにあるから、
法務大臣は、比較的近い将来をさして
実現をするだろう、近づいていると私は思っているという
お話が出てきた。
そこで、ここまで来れば、だから
政治的解決しかない。まず
一つは、
韓国自身が、わがほうの
政府機関がやった、あるいは
政府機関にごく近い
関係の
機関がやった。うっかり
政府機関がやったということを明らかに認めた場合には、李厚洛情報部長じゃありませんけれ
ども、もしわがほうの
機関が介入していた、あるいはやったということである限りにおいては
責任をとると言っているのだから情報部長が
責任とってやめるということになった場合には、一種の
韓国の政変でしょう。
日本側としても、さっきから私が申し上げているように、
朴政権でなければならぬということだから、そうだとすると、
韓国に政変が起こることは好まない。あるいは政情不安定になることは好まない。だとすると、よしんば
韓国KCIAがやったんだということであったにしても、
日本の
外務省の側がそのことをそのまま表に出せるか、これは問題がありますよ。
そうなると、
金大中氏を
日本に再
来日という形でよこす、
関係者をよこすという話がまとまるとすれば、その際は、おそらく
先ほど田中さんおっしゃっている、たいへんに水くさい仲ではない日韓の中だ。水くさくないのであれば話をするのはあたりまえ、話をして、話し合いで何かがそこに
政治的にきまらなければならぬ。そうすると、極端なことを言えば、
韓国側が介入していない、それ以外の組織、あるいは民間の組織が、その中のはね上がりがやったんだ、別な
人間の名前が名前だけ出てくるかもしれぬ
可能性だってあり得る。そのかわり、
金大中氏が
日本に再
来日でやってきた、そうすると
捜査当局が言っている、
被害者がいないところの
捜査は本来ない、こう言っておられるその筋に乗せるという
政治的な解決の方向だって出てくる。
だが、しかしそうだとすると、そこに残るのは
日本の
主権の
侵害という問題がまた残る。そんなべらぼうな話があるか、この
事件はそんなに簡単にはね上がりが出てきてやってのけられるようなしろものか、だれが考えたってそうなりますよ。そうなりますと、そういう決着のつけ方がはたして可能かどうかという
判断だって必要でしょう、
外務省にすれば。
それから、そこから先に、これは
法務大臣に聞いておかなければなりませんけれ
ども、
金大中氏が
法務大臣の言うとおり
日本に来た場合に、
韓国は無条件でよこすかという問題がある。では何日間
捜査に
協力をするから
韓国に帰してくれ。はたして帰していいということになるかどうか。そういう受け入れ方をして一週間なら一週間、十日なら十日、
捜査当局は二十日ぐらいのことを言っておられるようだけれ
ども、そうしたら
国内世論というものはまた硬化いたします。
捜査期間だけ
捜査してまた送り帰した、そうなると
反共法だ何だというのがある国なんだから、
金大中氏の身の安全はどうなんだということが
国内世論として出てくる。
あるいはまた、
日本に亡命をするということだってあり得るかもしれない。そうなれば初ケースができ上がる、お認めになるならば。そうでなくて、ポパー国務次官補が
韓国に行って
日本に来られて話をしておられる。
国連総会における相談に行くのだということが表向きの発表です。しかし
アメリカと今日まで
金大中氏が長い
つき合いを持っていることは間違いない事実です。厳たる事実です。
韓国の政変のあとに出てくる大統領はあるいは金さんかもしれないという
新聞の書き方だってある。そうだとすると、第三国につまり亡命をするということだってあり得る。そこらの筋道の話し合い、だてや酔狂で後宮さんが
韓国政府と話しているのではないし、
外務省当局と連絡をとっているわけではない。そこらの問題が
一つ大きな問題として現にここにある、こう私は思う。
したがって
法務大臣は、ある国の、あるいは
某国CIAのしわざであると
第六感で思った。
脅迫電話がかかってきた。けしからぬじゃないか、
某国とは一体どこだと言われて、いや特定の国をさしたのではない、いや
某国とはどこだ、君が
某国だというようなことを言ったということが
新聞に出ておりましたがね。
大臣、名言だと思うのです。
田中さんはうまいことをおっしゃると思った。
だが、この一連の動きを考えたときに、これは
政治的な処理の
段階に入っていると私は見ている、いま述べたようなことで。それしか解決の方法がない。実際そうじゃないのですか。あなたは
先ほど非常に近い将来の再
来日の
可能性について、近くまで来ているということをおっしゃいましたが、そういう
意味の
政治的な
判断の時期にすでに来ている、こういうふうに見なきゃならぬと、私はいろんな方の
お話を聞いてみまして、直接聞いてみまして思いますが、そこのところは
法務大臣、いかがでございますか。