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1973-08-28 第71回国会 衆議院 内閣委員会 第48号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十八年八月二十八日(火曜日) 午前十時三十一分
開議
出席委員
委員長
三原
朝雄君
理事
加藤
陽三君
理事
中山 正暉君
理事
藤尾
正行君
理事
大出
俊君
理事
木原 実君
理事
中路
雅弘
君 赤城
宗徳
君
伊能繁次郎
君 江藤 隆美君 越智 伊平君 大石 千八君 竹中 修一君
丹羽喬四郎
君
三塚
博君 上原
康助
君 木下 元二君 鈴切 康雄君 受田 新吉君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
総理府総務長
官)
坪川
信三君
出席政府委員
人事院総裁
佐藤
達夫君
人事院事務総局
任用局長
茨木 広君
人事院事務総局
給与局長
尾崎
朝夷君
総理府人事局長
皆川 迪夫君
防衛庁人事教育
局長
高瀬 忠雄君
防衛施設庁労務
部長
松崎鎮一郎
君
沖繩開発庁総務
局長
岡田 純夫君
外務省アメリカ
局長
大河原良雄
君
大蔵省主計局次
長 田中 敬君
文部省初等中等
教育局長
岩間英太郎
君
労働省労政局長
道正 邦彦君
労働省労働基準
局長
渡邊 健二君
委員外
の
出席者
警察庁刑事局参
事官
小林
朴君
運輸省港湾局参
事官
高橋 全吉君
労働省職業安定
局業務指導課長
加藤
孝君
自治省行政局公
務員部給与課長
小林
悦夫君
自治省財政局交
付税課長
森 審一君
自治省財政局公
営企業第一
課長
坂田 期雄君
内閣委員会調査
室長 本田
敬信
君
—————————————
委員
の異動 八月二十四日
辞任
補欠選任
三塚
博君 林 大幹君 同日
辞任
補欠選任
林 大幹君
三塚
博君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
公務員
の
給与
に関する件(
人事院勧告
に関する 問題) ————◇—————
三原朝雄
1
○
三原
委員長
これより
会議
を開きます。
公務員
の
給与
に関する件について
調査
を進めます。 去る九日の
一般職
の
職員
の
給与等
の
改定
に関する
人事院勧告
につきまして、
人事院
より
説明
を聴取いたします。
佐藤人事院総裁
。
佐藤達夫
2
○
佐藤
(達)
政府委員
九日に
国会
及び
内閣
に
勧告
申し上げましたのでございますが、本日、
説明
お聞き取りの
機会
をお与えいただきまして、たいへんありがたく存じます。
例年
のとおりでございますけれ
ども
、袋の中に「
給与勧告
についての
説明
」という横長の印刷物が入っておりますので、私が便宜それをながめながら御
説明
を進めてまいりたいと思います。
人事院
は、
例年
のとおり、
官民給与
の精確な
比較
を行ないますために、
一般職国家公務員
の全員について
給与
の
実態調査
を行ないますとともに、
民間
のものにつきましては、
企業規模
百人以上、
事業所規模
五十人以上の全国で約七千四百の
民間事業所
を抽出いたしまして、その
従業員
五十四万人についてきわめて精密な
給与
の
実態調査
を行ないまして、その結果、
官民
の
給与
の
比較
をいたし、ましたところ、その
較差
は一五・三九%であるということが明らかとなりました。したがいまして、この
較差
を埋めるために今回
給与改定
の
勧告
を申し上げた次第でございます。
改定
の
内容
は、第一に
俸給表
の
改善
でございます。
俸給表
の
改善
につきましては、
民間
における
初任給
その他
職務
の
階層別
の
給与上昇傾向
などを考慮いたしまして、私
ども
の
勧告
でも特に
初任給
及び
中位等級
の
改善
に配慮いたしました。なお、あわせて、
職務
の
実態
の
変化等
に応じまして、特
一等級
というような
等級
の新設をいたしますとともに、一部
号俸
の
間引き
によりまして、
昇給間差額
の
改善等
を行なうことといたしたのでございます。 そのうち
初任給
につきましては、
一般
の
事務
・技術の場合について申し上げますと、その
俸給
は、
大学卒
、つまり
上級乙試験合格者
でございますが、
大学卒程度
で五万三千五百円にいたします。
現行
は四万五千三百円でございます。それから
高校卒程度
の者につきましては、すなわち
初級試験合格者
でございますが、四万四千八百円にいたします。
現行
は三万七千五百円でございます。 次に、先ほど触れました特
一等級
を設けますのは、
行政職俸給表
の(二)、
税務職俸給表
、
公安職俸給表
の(一)及び(二)、
海事職俸給表
(二)、
医療職俸給表
(二)の各
俸給表
に、現在の
一等級
の上に特
一等級
を設けたわけでございますが、たとえば
行政職俸給表
の(二)で申しますと、
大型作業船舶
の長でありますとか、あるいは大
規模
な
車庫
の
車庫長
であるとかいうような
人々
が特
一等級
に格づけされることに相なるわけでございます。 次に、
号俸
の
間引き
でございます。これは、各
俸給表
の
中位号俸
以上において
号俸
を
間引き
いたしまして、
昇級間差額
を広げたわけでございますが、これらについては、場合によっては、新
号俸
に切りかえになりますまでの間、中間的に
暫定俸給月額
を支給するなどの技術的のいろいろな
措置
を考えております。 それから
指定職俸給表
でございますが、これは現在甲と乙とに分かれております。これができました当初は
意味
がございましたけれ
ども
、現在では特に甲、乙に分ける
必要性
を認めませんので、これを廃止いたしまして、
俸給表
としての体系の整備をはかりました。と同時に、
民間役員給
の
調査
も本年いたしましたので、これに応じまして
俸給額
の
引き上げ
をやっております。 次は、諸
手当関係
の
改善
でございます。諸
手当
につきましては、かねて御
報告
申し上げておりましたように、今回の
民間調査
では、ほとんど全部にわたって
民間
の
調査
を行ないました。したがいまして、その結果に応じまして
手当
てをいたしましたものも相当幅広くなっておるわけでございます。 その第一は
扶養手当
でございます。これは
相当力
を入れたものの
一つ
でございますが、
扶養家族
のある
職員
の処遇ということに特に重点を置きまして、その中でも
配偶者
に対する
手当
を三千五百円にいたしました。現在は二千四百円でございます。次に子供のうち二人、これは各千円といたしました。
現行
はそれぞれ八百円でございます。なお、
母子家庭
の
世帯主
など、
配偶者
のない
職員
の子のうち一人は二千五百円、現在は千六百円というような
改善
をしております。 次は
住居手当
でございます。これは現在では、一カ月
当たり
三千円をこえる
家賃
、
間代
を払っておる者を
対象
といたしておりましたけれ
ども
、
公務員宿舎等
の値上げもございまして、今回は一カ月
当たり
四千円をこえる
家賃
、
間代
を支払っておる
職員
を
対象
にいたしております。しこうして
支給月額
は、
家賃
、
間代
と四千円との
差額
が三千円に達するまではその額、その
差額
が三千をこえるときは、そのこえる額の二分の一の額を二千円を
限度
として三千円に加算した額ということにいたしております。
最高支給限度額
は現在の三千円から五千円に上がることになります。 なお、この
改定
によって
支給額
が減る人もございますので、そういう
方々
については、
昭和
四十九年三月三十一日までの間、暫定的な
経過措置
を設けておくつもりでございます。 なお、
持ち家居住者
の問題はかねがね懸案で、今回も相当熱心に
検討
いたしたのでありますけれ
ども
、遺憾ながらまだすっきりした結論を得ませんので、なお今後力を入れて
検討
を続けてまいりたいという
心組み
でおります。 次は
通勤手当
でございます。これは
交通機関等利用者
の場合につきましては、
全額支給
の
限度額
を現在の四千円から今度五千円に
引き上げ
ました。次に、二分の一
加算額
を加えます場合の
最高支給限度額
を、現在六千円のものを七千円に
引き上げ
ることにいたしております。 次は
自転車等
の
交通用具使用者
の場合でございますが、これも
引き上げ
まして、
片道
十キロメートル
未満
の者については、
現行
の千円を今度千百円に
引き上げ
ます。
片道
十キロメートル以上は、現在の千五百円を千八百円に
引き上げ
ます。なお、
通勤不便地
から通っております者につきましては、十五キロメートル以上の
区分
を新たに一
段階
設けまして、現在の
段階
を二
段階
にいたしました。しこうして、
片道
十キロメートル以上十五キロメートル
未満
の者については二千円、これは現在は千八百円になっております。それから
片道
十五キロメートル以上は二千五百円、現在はもちろん一
段階
でありますから千八百円でありますが、これを二千五百円に
引き上げ
るということにいたしております。 なお、
交通機関
と
自転車等
を併用する
人々
についても同様な
措置
をとることにしております。 次に
宿日直手当
でございますが、これは
支給額
の
引き上げ
を各種についていたしております。普通の
宿日直勤務
については一回千円といたしました。現在は六百二十円でございます。それから
矯正施設等
における管理または監督の
業務
を主として行ないます
宿日直勤務
につきましては一回二千円といたしました。現在は千二百円でございます。それから
常直勤務
、これは
登記所
などの一人庁の場合でございますが、現在の四千四百円を今度は
月額
七千円といたしました。これは
月額
で支給することにしておるわけです。なお、そのほか、
学寮当直
などについては、その
適用範囲
を一部拡大いたしますとともに、
身体障害者
の
収容施設
その他の
更生援護施設
、あるいは
盲ろう学校等
における
入所者
の
生活
の介助などを行なう特殊な
宿日直勤務
をしております
方々
につきましては、
勤務
一回について千五百円の
手当
を支給することにいたしております。これらの
方々
は現在は普通の
宿日直
の扱いをしておったのでありますが、今回特段の
措置
として、これを切り離して
勤務
一回千五百円を差し上げるということにいたしておるわけでございます。 次に
医療職俸給表
の(一)でございますが、これはもう
例年
御
説明
をいたしておりますように、
民間
の
病院
のお
医者
さんと
国立病院
のお
医者
さんとの間の
給与
の
較差
は非常に幅広いものでございまして、それを埋めるべく四苦八苦してまいったその処置の
一つ
でございます。ことしは幸いにしてその隔たりがだいぶん狭くはなってまいりましたけれ
ども
、なお放任できないということで、いわゆる
初任給調整手当
、この
支給限度額
をさらに
最高
一万円
引き上げ
まして、現在十万円のものを今回十一万円、これを
最高
といたしております。それから
初年度月額
を据え置く期間も
延長
することにいたしております。 次は
調整手当
でございますが、これはずっと引き続き各
地方
の
特殊事情
について私
ども検討
を続けてまいっておるのでありますが、今回は、
支給地域
とされております市町村の
地域
、これを
昭和
四十八年四月一日現在のものに改めます。その結果、
地域
的には相当広まることになります。なお、
東京
その他の
大都市周辺
の地区についての
官署指定
の
基準
を若干緩和いたしまして、これを拡大することにいたしております。 次に
特殊勤務手当等
でございますが、中でも、
交代制勤務
に服します
職員
に対する
夜間特殊業務手当
、たとえば
航空管制官
というような
人々
の
夜間特殊業務手当
の額を、
勤務
一回について深夜の全部にわたる場合は四百五十円、深夜の一部にわたる場合は三百円に
引き上げ
ます。現在は、深夜の全部の場合は三百円、深夜の一部にわたる場合が二百円ということになっておるわけです。そのほかの
一般
の
特殊勤務手当
につきましても、最近、
給与水準
が非常に上がっておりますので、定額できめられておりますこれらの
手当
の額についても、幅広く
改善
をいたしたいと考えております。 なお、期末・
勤勉手当
でございますが、これは
民間調査
の結果、現在の
公務員給与
の場合と大体均衡が保たれておるということが明らかになりましたので、これは
現行
のままに据え置くことにいたしております。もちろん
給与
が上がりますから
実額
はアップするわけでございます。かくして、以上のうち、
官民給与
の
比較
の基礎となる
給与
についての
改善
の内訳を申し上げますと、
俸給
で一三・三六%、諸
手当
で一・一七%、その他で〇・八六%、合計一五・三九%、これを
平均
の金額にいたしますと、
平均
一万四千四百九十三円ということになります。 次に、宿題の問題になりますけれ
ども
、これは昨年の
報告
で触れたと思いますが、
俸給
の
調整額制度
の
検討
の問題、それから先ほ
ども
申しました
調整手当
の
支給地域区分
などの問題につきましては、今後なお引き続いて
検討
いたしたいと考えております。 それから次は
給与
の
口座振り込み制度
の
導入
でございます。これは
民間会社
におきましても相当普及しつつありますので、
公務部
内においてもその
導入
を
検討
してもいい時期ではないかということで、これは
検討
してまいりたい。それからもう
一つ
は
死亡退職者
の
退職月分給与支給
の
合理化
で、月の途中でなくなりましてもその
月分
は全額差し上げるべきではないか。これは
国会職員
の
方々
については、もう前からやっていらっしゃるというような
お話
も聞いております。そういうととも
検討
すべき事柄であるというふうに考えております。 それから、その(3)といたしまして、教員あるいは
看護婦
の
方々
の
給与
の
改善
については、私
ども
かねてから
努力
を重ねてまいったところでございますが、なお今後も一そうの
改善
をはかる必要が認められます。このことに関連いたしまして、従来から私
ども
とってまいりました
官民比較
の
基本原則
、これはもちろんあくまでも堅持いたしますけれ
ども
、その
適用
の方式については若干の変更を加えることがむしろ合理的ではないかということも考えられますので、これはすみやかに
検討
を行なってまいりたいという考えております。 それから最後にいわゆる
週休
二日制の問題でございます。今回
報告書
においてこれに触れましたのでありますが、
民間
における
勤務
時間及び
週休制度
の
実態
について、この四月
調査
の
機会
に昨年に続いて
調査
いたしましたところ、
週休
二日制の
普及状況
については、去年に比べますというと顕著な進展が認められたわけです。去年の場合はたしか一七%でありましたものが、ことしは三七・六%ということに飛躍しておりますし、なお、
実施予定
をはっきりきめておる
事業所
、これも調べたのでありますが、それらの
予定
の
事業所
をも加えますと、
昭和
五十年中にはおおむね半数の
民間事業所
が何らかの形の
週休
二日制を
実施
することとなることが明らかとなりました。したがいまして、このような
状況
にかんがみて、
職員
につきましても
週休
二日制の採用を考えるべき
段階
に達したものと認めます。したがいまして、本院といたしましては、
行政サービス
の維持でありますとかその他諸般の
事情
に留意しながら、また
関係機関
とも連携をとりながら、当面、
昭和
五十年
実施
を目途としてその
具体化
について
検討
を進める所存でございます。 なお、
勧告
に掲げます
改定
の
実施
時期は本年四月一日、
宿日直手当
については本年九月一日といたしております。 以上が
内容
でございますが、今年の
勧告
につきましては、当
委員会
におきましての御激励もございます。われわれもできるだけ
勧告期日
を早めようという心がまえで、かつまた、
総務長官
もいらっしゃいますが、
総理府
の
統計局
の格段な御
努力
を得まして、幸いに昨年よりも六日早く
勧告
を申し上げることができたわけでございます。幸いにして、
国会
も再
延長
になりまして
会期
中になっておりますので、この
勧告
に基づく
法案
が一日も早く成立するようにわれわれとしては望んでおりますわけで、これが九月にでも
差額支給
ということになりますれば、これはこれとしてたいへん画期的な
一つ
の成果ということにもなりますので、
法案
が
提案
されました暁においては、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 以上で終わります。
藤尾正行
3
○
藤尾委員長代理
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
大出俊
君。
大出俊
4
○
大出委員
今回の
勧告
を読ませていただきまして、まず第一に、ことしの
経済情勢
その他を踏まえまして、何とか一日も早く
公務員
の
皆さん
の手に、あるいはこれに準ずる
職員
の
方々
の手に、この
差額
あるいは
改定給与
が支給されますように。三月
期東京
における
消費者物価
九%、あるいは四月期一〇・六%、五月期一一%をこえるというようなことでございますから、どうしてもそうしなければいけないということで、早くからこれはこの席でも申し上げましたが、
総務長官
、また
人事院総裁
にお願いをしてまいりましたが、いま
総裁
から
お話
しございましたように、
総理府
におかれましても、私も直接おじゃまをいたしましたが、
統計局
の
皆さん
が二日も徹夜をなさるというようなたいへんな御苦労をいただきまして、六月の十五日にコンピューターでインプットした結果を出して、
人事院
に一次、二次の
調査
結果を渡す、こういう
予定
を五日ばかり繰り上げていただきまして、たいへんこれは
長官
以下御
努力
をいただいた結果であろうというように思っているわけであります。
人事院
のほうは
人事院
のほうで
旧来
のシステムがございますから、五日間繰り上げていただいたことが何ほど役に立つかという点については、それなりのやはりまた苦労がおありのようでございまして、
最終段階
、私は無理ばかり申しましたが、中心の
尾崎給与局長
が倒れてお休みになる。これはだれの責任かわかりませんが、アルバイトを募集したらさっぱり集まらぬ。ずいぶんこれはそういう
意味
の御苦心の末に、それでもいま
お話
があったような六日ばかりの短縮をなさって出していただいた。感謝を申し上げる次第でございます。 かつ、もう
一つ
、私もここで質問をいたしましたが、
公労協賃金
が一四・七四%ぐらいになっておるはずでありましたが、そういう
意味
で、
例年
の
公労協
、
人事院勧告
の
比較等
からいきまして、もう少し高くなければということでいろいろやってまいりましたが、その後の
物価上昇
その他もいろいろ踏まえまして、結果的に一五・三九、一万四千四百九十三円という
勧告
が出てきたわけであります。おのおのの党の
立場
からするといろいろ言い方はありますけれ
ども
、担当を長らくしてまいりました私からすると、その労を多とすると申し上げておきたいわけであります。 さてそこで、何よりもいま必要であることは、
お話
にございましたように、何とか早くこれを解決したい、こう思っているわけであります。そういう
意味
でまず
総務長官
に、早く
勧告
したのは早く
公務員
の
皆さん
の手に新
賃金
が渡るようにという
人事院
の
意思表示
であるという受け取り方を私はいたしますので、早く
給与法
をこの
国会
に御
提出
をいただきたいのですが、ついては大体いつごろにどういう手順で
法律
を
国会
に
提案
をしていただけるのか。それによってどういう
審議
の日程を私
ども
が組めるのかという点とからみますから、そこのところをまず
総務長官
から
お答え
をいただきたいのと、あわせて、
閣議決定
をいただきましたが、この中でたいへんに高額の
人事院
の
勧告
であるから
旧来
より以上の節約をしなければならぬということが言われております。そうなりますと、これは
予算財源
の見通しその他とからんでまいります。したがって、どういう御相談をそこでなさったのか、あわせてひとつ冒頭に
お答えおき
をいただきたいのであります。
坪川信三
5
○
坪川国務大臣
大出委員
が、
公務員給与関係
に関連するお
考え方
、あるいはその
提出
の時期等について、
延長
前の
特別国会
の当
委員会
において強く要望され、われわれを励ましていただきましたことを、ここに厚くお礼を申し上げておきたいと思います。そうした
立場
を踏まえましておほめをいただきましたが、私といたしましては、
統計局
の
局長
以下
職員
にお願いいたしまして、酷暑の中ではございますけれ
ども
、
作業
の促進に
精一ぱい
の
配意
はさせていただいたようなことでありますとともに、
人事院
の非常な熱意のある、それを踏まえての
作業
が続けられましたので、先ほど
佐藤総裁
のお述べのごとき答申がなされたような次第でありまして、お互いに御同慶のきわみだと、私はこう考えております。 したがいまして、八月八日の午前十一時に
内閣総理大臣
に
人事院総裁
から、私もお立ち会いいたしまして受けたわけでございますので、直ちにその日午後二時半より
総理官邸
において
関係閣僚協議会
を開きまして、その
問題点
、また私としての
考え方
を申し上げまして、また
財政当局
としての
立場
からの
大蔵大臣等
の意見も開陳されまして、それをそんたくするという
方針
で、しかも四月一日に遡及するという
方針
のもとにおいて各
省庁
がこの取り扱いの
最終的決定
をいたそうという、
おかげ
で話し合いもできまして、そしてぜひとも私としては、この
国会
に間に合わせたいという気持ちもありましたので、
正式決定
をリミットをきめまして、八月の二十一日の
閣議
で正式に
おかげ
で
閣議決定
、
政府
の
方針
が決定されたような次第でございます。 以上のような
状況
でございますので、私といたしましては、前段で申し上げましたように、ぜひとも本
国会
で
関係法案
の御
審議
、議決を賜わって、そして
実施
に移したい。御
承知
のとおりに、
関係法案
といえばもう
大出議員
御了承のとおりでございまして、これらの
関係法案
、すなわち
一般職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部
改正
、
特別職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部
改正
、
防衛庁職員給与法
の一部
改正
並びに裁判官の
報酬等
に関する
法律
の一部
改正
、検察官の
俸給等
に関する
法律
の一部
改正
、この五つの
関連法案
をなるべく早く出していただきたい、こう考えておるわけでございまして、御
承知
のとおりに、八日に一応内定した、そして
政府
の大体の
方針
が決定いたしましたので、その次元で各
関係閣僚
に、今
国会
に
提出
したい旨の話も私の私見も申し上げて、ひとつ
作業
をいまからやっていただきたいということをお願いいたし、各
省庁
もこれに対して協力しようということになり、正式に二十一日に決定されたというのでございますので、大体これに要するのは、専門的な
大出委員
御
承知
のとおりでございます。
防衛庁職員等
の特別の
作業
な
ども
かなり
広範多岐
にわたっておる。また
特別職
の
問題等
もありますので、私といたしましては、まあ少なくとも三週間以内にその
作業
を終えてもらいたいという
心組み
でおるわけでございまして、
閣議決定
の際にもその旨をお願いいたしましたので、大体九月の少なくとも初旬、十日以前にはひとつこの
関係法案
を
提案
させていただきまして、そして両院において十分なる御
審議
を賜わりたい。
会期
は御
承知
のとおりの
状況
でございますから、その間十分御
審議
を賜わり得るとこう期待もいたしておりますので、その方向でひとつ御協力と御
審議
のほどをお願いいたしたい。私の考えを申し上げて御理解をいただきたい。 また
財源
の問題でございますが、一応
既定財源
の中で、
大蔵大臣
としての
考え方
は、十二月まではこれをまかない得るという話もございましたので、この十二月前後の
既定財源
でまかないながら、いずれ
大蔵省
としても、また
政府
といたしましても、いわゆる補正の
提案
をいたさなければならぬということも御理解いただけると思いますので、そうした
状況
のもとにおいて私は、
人事院勧告
を正確に守りながら
法案
の御
審議
をいただいた暁には、早急にそれを実行いたし、
国家公務員
、
地方公務員
の各位の
生活
の安定に幾らか寄与していただき、また喜んでもいただきたい、こういうような希望でおることを表明申し上げて御理解いただきたいと思います。
大出俊
6
○
大出委員
いまの御答弁で、
人事院
が今回
勧告
されました
勧告
の趣旨を完全に
実施
をなさるというのが
一つ
だというように理解をしたいのでありますが、それはよろしゅうございますね。 それで、
財源
は十二月一ぱいは本年度予算でまかない得るという
財政当局
の
考え方
である、したがって、それらを踏まえてできるだけ早く、時期的には九月の上旬、つまり九月十日以前に五つの
法案
を
国会
に出したい、こういう話でございました。そこで私、実は
地方
議会の動きを一応調べてみたのでございますが、ほとんどの全国の
地方
自治体が、ここで二つばかりお願いがございますが、九月の上旬に議会をお開きになる。私のおります横浜などは、九月十日に市議会を開きまして、二十五日までの
会期
になっております。多少の
延長
は可能だということでございますが、川崎などを聞きましたが、やはり九月上旬開会のようであります。大体九月の二十日過ぎまでどこもやるような形であります。 そこで、
旧来
よく労使間で、おのおの自治体内部の要求な
ども
ございますから、一カ月ぐらいの交渉期間などがあるわけでありますが、なぜそういう長期にわたり交渉が続くかといいますと、一面では、どうせ九月議会には間に合わないのだからという、労使双方そういう前提に立ってしまって、だから十二月しかしようがないということで腰を据えたことになってしまう、これが
旧来
の慣行でございます。それを昨今の
経済情勢
、物価の上昇等を踏まえまして、おのおのそれなりのあせりが、自治体
理事
者側にも、あるいは
職員
関係の団体の側にもある。そこへ
人事院
がたいへんな御苦労をなさりながらも前に出て、早く
勧告
をしようという姿勢になった。そのために、全国的に九月議会に何とか間に合わせよう、こういう労使双方の動きが顕著になっている。だから、九月に間に合わないとなると、非常に期待はずれということになりかねない職場の空気であります。だから、可能な限りひとつ九月議会に間に合わせようという、全国自治団体をかかえておる自治労などの動きもそういうふうに見えます。したがって、何とか九月上旬とおっしゃっておられる
提出
の時期を、ひとつ一日も早くお出しをいただけるように。 実は九月十日でございますと、この
委員会
で各党の御承認をいただき、御理解をいただいて、みんなで、かりにひとつそれじゃ十一日なら十一日と、火曜日、定例日でございますから、通そうじゃないかということになりますと、十一日に通過して、さて参議院というのがございますから、九月二十五日までの
会期
ですと、
会期
末ぎりぎりということになる、この
作業
の手順が。なぜならばその間に
地方
人事
委員会
の
勧告
をとらなければならない。そしてこれは
勧告
の中身は、多少ずつ
人事院
の
勧告
と違いますからね。そこらのこともございますから、そういう
意味
で自治体の
作業
という問題も時間的なワクがかかってくる。そういう
意味
では、どうしてもやはりこれはできる限りひとつ急いでいただきたいというふうにお願いをしたいのであります。 そこで、二つだけお願いしたいと申し上げましたのは、今月二十八日の日に十都市の人事
委員長
会議
、
地方
人事
委員会
の人事
委員長
会議
などが開かれるわけであります。 〔
藤尾委員長代理
退席、
委員長
着席〕 この辺でおそらく各
地方
の人事
委員会
の線もそろうだろうと思うのでありますが、横浜の人事
委員会
などの様子を聞いてみますと、今月中に
地方
人事
委員会
が
勧告
を出す、こういうことであります。したがって、ここらのこともいろいろな関係が
人事院
にございますので、スムーズに
地方
の
作業
が進んでまいりますように、ぜひ側面的な御援助をお願い申し上げたいわけであります。これが
一つ
であります。 それからもう
一つ
は、自治省の方にお見えをいただいたのでございますが、
国会
で通らなければ云々というようなことがよくあるのでありますけれ
ども
、ことしはお互いに早く
公務員
賃金
の決着をつけようということで出発をしておりますから、
地方
自治体の
皆さん
に対して、自治省の
皆さん
の側も、そういった
給与
条例の
改正
が必要でございますが、それらの諸準備その他につきまして、これまたひとつ前向きで御援助を願いたい、こういうふうに希望したいのでありますけれ
ども
、そこら二点について
お答え
をいただいておきたいのであります。
坪川信三
7
○
坪川国務大臣
大出委員
が冒頭に御質疑になりました、いわゆる
地方公務員
を含めての
立場
からなるべく早く
提案
してもらいたい、全く私も同感でございます。
閣議
の席におきましても、またここの
立場
においても、
総務長官
という
立場
から、山中防衛庁
長官
に対しましても、非常になんであろうが、ひとつそうした時点で早急に
作業
をしてほしいということを特別要望もいたし、山中
長官
も、その御期待に沿いたい。それだから、従来の
方針
からいいますと、
勧告
をなされてから一カ月という
状況
でございますのを踏まえ三私は十日、こう申したのでございますが、私の考えといたしましては、ぜひ五日、六日ごろまでにはひとつ各省まとめてもらいたい、こういうような気持ちも要望いたしておりますので、一日も早く
提案
できるよう
政府
は全力を尽くしますことを表明申し上げておきたい、こう考えております。
地方
財政の件につきましては、自治省からそれぞれ御発言があると思います。
小林悦夫
8
○
小林
(悦)
説明
員 ただいま
お話
ありましたように、ことしは
人事院勧告
が早まりまして、関係
給与法
等は今
国会
に
提案
される見通しが立っておりますので、各県の人事
委員会
の
勧告
でございますが、これが九月ないし十月に
予定
されております
地方
議会に間に合う場合には、国の動きに対応いたしまして
給与
条例等を
提出
しても差しつかえない、こう考えておりますし、また、その趣旨により指導しておるところでございますが、ただいま御指摘がありましたような準備の手続等につきましては、関係
省庁
と連絡をとりまして十分やっていきたいと考えております。
大出俊
9
○
大出委員
地方
自治体関係の
方々
から再三電話などをいまいただいておりますが、いま
課長
おっしゃっておられましたそこのところを非常に心配しておりまして、実はきょう特に自治省にお出かけをいただいたのでございますが、何とかひとつ国の動きに対応した自治省の動きがいただきたいという。これは私のところなどは、そういう性格の自治体でございますだけに、組合もさること汁がら、自治体の
理事
者側のほうからもそういう託もございますので、ぜひひとつ、いまの御答弁の趣旨に従いまして急いでいただきますように、お骨折りを賜わりたいと思います。そしてせっかくの
人事院
の前に出ての
勧告
に対応した形で、何とかことしは、まあ間に合わぬところも、いろいろな
事情
がございますから出てくるかもしれませんけれ
ども
、大筋ひとつ九月議会で処理ができたということにこぎつけたいものだという念願を持っておりますが、ぜひひとつそういうことで格段の御配慮を賜わりますように、重ねてお願いを申し上げておきたいわけでございます。 それから、あわせて自治省の方にちょっと承っておきたいのですが、まず心配が出てまいりますのは公営企業、交通財政などの関係でございまして、ここらのところ十二月までに、再建法といったらいいのですか、再建計画を出さなければならぬことになっているわけでありますが、企業会計にいたしますと
合理化
すべきものはしてしまった。至るところワンマンバスが走っているわけですから。路線電車はみんななくなってしまっているわけですから。そうした中でさてどうするか。財産はみんな売り払ってしまって、ないというわけであります。そうなると、再建計画の手直しをして、横浜市の交通会計だけでいえば、概算約七億ぐらいかかるだろうと思っております。それだけのものを何とかしませんと、他のほうは何とか九月ぐらいに間に合うように済みますけれ
ども
、交通会計等がまた取り残されていくという悲劇が起こる。そこらのところを、出た
勧告
の一五・三九、一万四千四百九十三円というものを踏まえまして、自治省の
皆さん
が、特に六大都市等をながめましてどういうふうに判断をされておるかという点を、一言承っておきたいわけであります。
坂田期雄
10
○坂田
説明
員 公営企業の
職員
の
給与改定
でございますが、
一般職
の
公務員
について
給与改定
が行なわれる場合には、公営企業の
職員
についても同様に行なわれるというのが
一般
的には望ましいと考えております。ただ公営企業の場合には、その前提といたしまして、その
財源
をどうするか。料金
改定
までしていくか、あるいは経営の効率化によって所要
財源
を生み出さなければならないわけでございます。その点につきまして、各
地方
団体が、企業の実情に応じましてどのようにするか、具体的な対策、
措置
を考えていきたい、十分な指導を進めていきたいというふうに思っております。
大出俊
11
○
大出委員
ちょっともう一言承りたいのですが、これは長年の懸案でございまして、私もずいぶんこの問題は、
皆さん
と直接討論もし、また
委員会
で質問も重ねてきておりますから、知り過ぎている一人でございます。当面、この
勧告
を踏まえてスムーズに進まないと考えられるところは、大都市のうちでどの辺だという御判断でございますか。
坂田期雄
12
○坂田
説明
員 特に大都市といいますか、五大市、
東京
も含めまして六大都市でございますが、公営交通経営の収支を今後どのように合わしていくか、これは中小都市に比べて特にむずかしいのではなかろうかというふうに考えております。
大出俊
13
○
大出委員
これはもうわかっていることで、
人事院
が
勧告
をする時期も明確であり、多少のズレがありましてもその前後に出る。
民間
の春闘の上げ幅その他から見まして、これまたどのくらいのものになるいうことは、見当はおおむねつく。にもかかわらず、公営交通などというところが、いつもは
一般
会計のほうは先に上がっていくんだが、あとに取り残されている。やはり家族をかかえた同じ
職員
でありますから、そういうことが続き過ぎることについてはいささかどうもこそくな感じがする。いろいろ難航はいたしますが、最終的に新
賃金
への
改定
は行なわれているわけでありますから、しょせん行なわれるのである限りは、そういうたいへんなズレをつくるということは、その
方々
に罪があるわけじゃない。一生懸命働いている。その家族の
皆さん
が、いつもどうもよけい
賃金
が上がるといやな感じを受ける。なぜかというと、御家族にすれば、ことしの
人事院勧告
は一五・三九で、このインフレに見合う高額なものが出たとほっとする反面、またうちのおとうさんのところだけはもらえないんだなという形を毎年毎年続けてくる、難航の末に
実施
をする、このズレの間は、片方は
差額
が入って、同じ近くにみんな寮などがあっているんですから、そういう形をなぜ私は放任をしておかなければいかぬのかという気がする。だから、しょせん再建計画の手直しをするならするで、あわせてなぜそういう準備ができないかという点が非常に私は不合理千万だという気がするんですが、そういう
意味
で、長い議論をする気はありませんが、もう少し自治省なら自治省の側に積極的にものを考える姿勢があっていいように思うのですが、いかがですか。
坂田期雄
14
○坂田
説明
員 確かに従来までは、公営交通企業につきましては、特に再建企業にありましては、
給与改定
が
一般職
に比べておくれるという
状況
で来たわけでございますが、ことしから公営交通企業に対しまして、過去の赤字に対しましては、国と
地方
団体の
一般
会計で全額これは再建債ということでたな上げして
措置
をするということになりましたので、四十八年度以降は、過去の赤字の心配はしないで今後どのようにして収支を合わせていくか、そういう前向きの方向で、料金の問題、あるいは最近の新しい企業環境の変化に対応する問題、公共大衆輸送機関が優先通行するという問題、経営の効率化の問題も含めまして総合的に
検討
して対処していきたいというふうに考えております。
大出俊
15
○
大出委員
ことしは御存じのとおり自治省がお出しになった
改正
案があって、これは私
ども
のほうからの対案の
提案
もございましたが、
地方
行政
委員会
で議論されたところでありまして、ことしはそういう
意味
で結論として、交通を含めて決着がつく、こう考えてよろしゅうございますか。
坂田期雄
16
○坂田
説明
員 今年度の新しい財政再建計画が十二月末までに各
地方
公共団体から
提出
があるということになっておりますので、具体的にはそういう各
地方
団体からの再建計画の
提出
を待ちまして対処いたしたいと考えております。
大出俊
17
○
大出委員
冒頭に申し上げましたように、十二月までに
提出
をすることになっておるがということを私は初てっぺんから申し上げているのですけれ
ども
、そうなると、ことしはまたずれることになりはせぬかと思うので実は承っているわけでありますが、くどくなりますから、せっかく
地方
行政
委員会
で議論をしてきたところでございますし、ことしはちょうど
改正
法律
の過渡期にあるわけですね。だから、そこのところを自治省のほうで政治的な判断をなさって、何とかひとつおくれずについていけるような御
努力
を、まだ日にちがございますから、いただきたい、この点お願いいたしておきます。いいですか。
坂田期雄
18
○坂田
説明
員 ただいま
お話
がございましたので、そういう線を十分踏まえまして、
検討
また指導いたしたいと思います。
大出俊
19
○
大出委員
質問通告をお出しになっている
方々
多数おいでになりますので、実は、
勧告
の中身その他に触れて申し上げますと、こまかく言えば切りのない論議にこれまたなるわけでありまして、できるだけ省略いたしまして、中心となるべきものを幾つか承っておきたいと思うのであります。 追加
勧告
というものの
考え方
が一面ございます。教員に関しまして人材確保にかかわる
法案
がこの
国会
にあるわけでありますがこの扱いは触れられてはおりますけれ
ども
、もうちょっと具体的に言いますと、十月くらいだろうと思いますけれ
ども
、いつごろどういう形で
勧告
をお出しになろうとなさっておるのかということ、まずこういうことについて伺いたい。
佐藤達夫
20
○
佐藤
(達)
政府委員
目下これは衆議院で御
審議
中でありまして、私
ども
としては、一日も早く成立させていただきたい、そうすればわれわれの
作業
も非常にうまくはかどるだろうという大きな期待をもって御
審議
の経過を見守っておるわけでございますが、おそらくこれは早期に成立するものと思いますので、成立いたしましたら、さっそく
勧告
のほうに取りかかりまして、そしてこれはかねがね申し上げておりますように、私
ども
の念願しておりました筋と一致する筋でございますので、待ちかまえてひとつりっぱな
勧告
を申し上げたい、そういうことでおるわけでございます。おそらくこの秋くらいに
勧告
できるようにあげていいただけるだろうと期待をしておるわけでございます。
大出俊
21
○
大出委員
どうも早急に通るだろうなんて言ったって、まだ衆議院にあるのでは、なかなか参議院にいかないかもしれない。どうですか
総裁
、あの
法律
、人材確保などというものはこの際やめて、それで、
人事院
は
勧告
しなければならないとかなんとかというふうな、あの
法律
は大きなこと書いてありますから、これは
人事院
の性格にかかわりますから、あの
法律
はあまりこだわらずに、金のほうだけは
総裁
が前に私に
お答え
になりましたが、たっぷりとっていただいてありますからということでございますから、金があることははっきりしているのですから、そういう
意味
で
人事院
が独自な
勧告
をなさるということだって、これはふしぎはない。学校の先生方が苦労されていることは周知の事実で、いわゆる役付ポストその他が少ないわけですから、四十歳という年齢を数えましても、五
等級
相当額ぐらいにしかなってないなんということになっておるわけでございまして、
一般
行政職でいえば四
等級
に渡っているのがまだ五
等級
だなんということになる。だから、積年、
人事院
はそこらをお考えになって、多少の手直しはしてこられているわけでありますから、私もそこはわからぬわけではない。ただ何年計画だとかどこまでワクを広げるんだとかいろいろあります。そういう制約は、これはあとから申し上げますが、事、
人事院
の機関的性格から見てあまり好ましいことではない、私はこういう気がするわけであります。 だから、私はそういう意見を持っておりますが、あれが全くそういういま私が触れた三点ばかりの問題に関係のない形で通るならば、これは
人事院
の性格を何ら拘束するものではないわけでありますから、それでいいわけです。つまり基本的にはそうした
考え方
にお立ちをいただいて、この問題は、
法律
が通ろうと、あるいは通らなかろうと、
人事院
は教員に関してこういうふうにものを考えている、予算があるんだし、そこらのところの基本的な
人事院
の
考え方
というものをひとつ聞いておきたい、あとの問題とからみますので。通らなかったから出さないとか、通ったから出すという筋合いでなしに、
人事院
は基本的に教員の
給与
というものをながめて一体どう考えているか、予算的なものをことしは考えられているという前提に立ちまして。その上で、いま
法案
があるんだからといって、そこから先はものを言えないということになると、あとの質問とからみますから……。
佐藤達夫
22
○
佐藤
(達)
政府委員
あとの御質問はまたそれはそれといたしまして、とにかくいま
国会
で御
審議
中であることはもう歴然たる事実でございます。それをわれわれはちょろちょろっと横からトビが何かをさらうようなかっこうで
勧告
を申し上げるということは、これはたいへん不遜な企てになるわけで、こういうことはわれわれとしては夢にも考えてはならないことでございますからして、一たん
法案
が出ました以上、一日も早く成立を祈るほかはない、それはその
考え方
に間違いはないと私は思います。
大出俊
23
○
大出委員
人事院
も
政府
機関でございますからという答弁なんですがね、これは。だがしかし問題は、
人事院
が教員
給与
というものを基本的にどう考えているかということは言えないことはない、そう言っているわけです。そうでしょう。 そこで、じゃあと一緒に聞きますが、私はこの新聞記事がどうも気に食わないわけですよ。だれがどうお書きになったのか知りません。だが、どこまで一体実情を把握の上でこういう記事をお書きになったか知らぬ。あるいはまた、こんなことがそう簡単に世の中に伝わっていくということもふしぎな現象だと私は思うわけです。だれかが言わなければわからぬのではないかという気がするようなことを新聞がお書きになる。 一ぺんこれと同じケースがございました。実は満州からお帰りになって、満日ケースだ云々だという恩給問題で、私が粘りに粘って通算さしてしまおうと思っておりましたら、
財源
まで全部明らかにして新聞にぼんと出た。出所は
大蔵省
でございました。恩給局の中身は
大蔵省
ががっちり押えている関係で、私が強引に押し通そうとしたところが、三日にわたって私は新聞にたたかれた経験がございます。 いま私がものを言わぬとしている記事が見つかりませんが、見てみなくても同じことですけれ
ども
、私は
旧来
から、総合
較差
という
人事院
のものの
考え方
はおかしくはないかと言ってきた。しいていえば間違いではないか。行(一)、行(二)のような
方々
の
立場
に立てば、私は実はこれは
人事院
を訴えたいところです。不利益取り扱いを受けたなんていう公平審理というのが
人事院
にはありますけれ
ども
、これは長年にわたって六割を占める行政職の
方々
が、
財源
というのはどんぶり勘定ですから、そのたびに、やれ
看護婦
さんが低いとか、教員がどうだとか、三十五年ごろから次々に引きちぎられて、そっちに
財源
を持っていかれる。それはでたらめなんですよ。
看護婦
なんというのは、
昭和
二十八年に、想定
看護婦
総数で正看の免許証を持っている人の数を調べて、日本の一年間の想定患者総数というのを厚生省が出して、それを割った。割ったら四対一になったから四ベッドに一人だという
看護婦
定数をきめた。これはそもそもそっちに問題がある。だから、なるべく
看護婦
さんを表へ出して、家庭で奥さんなんかやっておる正看の
方々
などを引っぱり出して、私が保助看法で質問したときに年間二千七、八百人厚生省は引っぱり出すのに成功しているという時期でございました。だがなおかつ足りない。患者総数を
看護婦
の正看の免許証を持っている人の数で割って四対一になったから四ベッドに一人だという、何の合理性もない二十八年の
基準
、いまだにそうです。そうだとすると、これは
看護婦
さんの問題は抜本的な問題だから、
一つ
の
官民比較
のワクの中で総合
較差
方式だというので、行政(一)表や(二)表のほうにいかなければならぬ
財源
をそっちに持っていくなんというばかなことがあっていいはずはない。 学校の先生も同様です。
国家公務員
である学校の先生とそうでない先生と
比較
をしてみた、そしてこっちに積み上げるのです、これを年百年じゅうやっていたわけですね。そのたびに行政職の
方々
は損ばかりしてきた。積年一体幾ら損したか調べて、
人事院総裁
を相手どって、国を相手どって訴訟を起こさなければいかぬと私は言ったことがある。 ことしの
勧告
になって、ようやく
旧来
の総合
較差
方式を変えなければならぬという表現になっている。なぜそういう表現になったかという一面に人材確保の
法案
というものがある。言いわけをなさるかもしらぬけれ
ども
、基本的にいまの筋を正しいと、しばらくぶりで十年ぶりでお認めになるなら、これはやはり四月にさかのぼって行政職のほうを手直しをしてもらわなければ困る。そうじゃなくて、人材確保の
法案
に合わせて一月からなんということを言うならば、人材確保の
法案
に便乗したということになる。そうすると新聞記事の半面の真理、半分だけ当たっていることになる。そこらの問題がある。 そこで、片方、教員を一〇%この際追加
勧告
で上げるなら、行政職の諸君からいつも引っぱっていったわけだから、そこのところに何がしか積み上げなければならぬということで
皆さん
が相談をなさったはずです。私は何となく
給与局長
は割り切ったように見えた。そうしたら、どうも
事務
総長増子さんのところと
総裁
のところとうまく話がつかない。つかないと言っているうちに新聞がぼかり発表した。どうも私はその三者以外にそうたくさん知っている方はないはずだ。これは一体どうなっているのですか。それはそっとやりましょうとお考えになっているのかもしれぬけれ
ども
、あれだけ新聞に書かれればそっとというわけにいかぬ。
東京
新聞に書いてあるんだから。私は声を大にして聞きますけれ
ども
、あなたのほうは、そっと答えるならそっと答えてください。
佐藤達夫
24
○
佐藤
(達)
政府委員
私よりもたいへんお詳しい情報をお持ちのようなので、
事務
総長がどうのこうのと私は全然初耳で、もっと詳しく教えてもらいたいと思うくらいでございますけれ
ども
、それは別にいたしまして、大体御趣旨はよくわかりますし、
考え方
として、総合
較差
主義というものは絶対に正しいかどうかということについてはもちろん別の
考え方
があると思います。私
ども
としては、従来やってきたことであるということだけからこれを正しいという弁護はいたしませんけれ
ども
、それはそれとして、やはり理屈があってのことであると考えますけれ
ども
、いみじくもいま御指摘のように、人材確保
法案
のようなものが出てまいりましてもう来年の
較差
をやろうといったところで全然ナンセンスになってしまうということから見ても、
検討
するなら至急にその辺の解決策を
検討
すべきである、それが率直なところでございまして、ただいま御指摘の新聞にはたまたま私の写真が出ておりまして、いかにも私がばかげたことをしゃべったようにお受け取りかもしれませんけれ
ども
、私がしゃべったのではございません。
大出俊
25
○
大出委員
総裁
の写真入りでここに書いてあって写真が載っていますが、私がしゃべったのじゃございませんと言ったのですが、だれがしゃべったのでしょうか。別な人の写真は載ってはないのですけれ
ども
。
佐藤達夫
26
○
佐藤
(達)
政府委員
質問ですか。
大出俊
27
○
大出委員
質問したつもりですがね。
佐藤達夫
28
○
佐藤
(達)
政府委員
私がしゃべった覚えはないということを申し上げるだけで、その話はこの辺でひとつお打ちとめ願って、前向きの話を伺いたいと思います。
大出俊
29
○
大出委員
私も、
公務員
の
皆さん
が
賃金
が高くなることを望んでいるので、別にこれから私が舌禍事件を起こしたことによって、
人事院
が上げるものも上げられないなんということになるとすると、私の責任重大でございまして、前向きでここから先は、という
お話
でおとめになりましたから、その限り
総裁
に責任を負っていただきまして、
総裁
の写真が載っているあそこに書いてある
人事院
側の
考え方
、この
旧来
の
考え方
はお変えにならない。つまり、来年からは総合
較差
といったって成り立たぬ、人材確保
法案
というものもある、そうだとすると、そこで、落ち込んでいる行政職等についてやはり何がしかのことをここで考えなければならぬという踏み切り方、これはお変えにならない、その
考え方
で進む、こう理解してよろしゅうございますか。
佐藤達夫
30
○
佐藤
(達)
政府委員
先ほ
ども
御
説明
申し上げましたし、また
報告書
にもはっきり書いておりますようなことでございまして、結局、従来から
問題点
とされてきたところでもございますし、私
ども
としては、総合
較差
のやり方というものについてはこの際大いに
検討
していいんじゃないか。
官民比較
の原則は、これは鉄則として守ってまいりますけれ
ども
、そういう具体的な方式については
検討
の余地がある。「速やかに」と書いてある。すみやかに
検討
したいという気持ちでおることははっきりしております。
大出俊
31
○
大出委員
ああ、ここにございましたね。先を言いませんけれ
ども
、言うなとおっしゃるから。「さらに二〜三%アップ」、上のほうに「
一般職
の国家
公務員給与
」と、こうなっておるわけですね。
総裁
の写真がちゃんと載っている。ここに「教員・
看護婦
に“便乗”」という表現でお書きになっている、記者の方が。便乗じゃないですよ。長年にわたって行政職の
方々
は損をしてきた、
人事院
の総合
較差
方式というものの
考え方
で。だから、こういう記事が出たからということで、あとへ引っ込んじゃったんじゃ困ると私は言っている。 もう
一つ
つけ加えますと、行(一)、行(二)の
方々
、これ六一・六%あるのですね、数字の上で。おたくのほうの資料に基づきますと、ここに各職種別の
職員
分布の数字がございますね。これは参考資料の一ページですね。全
俸給表
ということで
職員
が四十八万九千九百七十四人おいでになるわけですね。そこで行政職の(一)表の方が二十四万五千四百八十二名おいでになる。行政職の(二)表の方が五万六千四百八十五人おいでになる。そうすると、行政職の(一)表、(二)表で三十万一千九百六十七名になる。これを四十八万九千九百七十四人に対比いたしますと、行政職(一)表、(二)表においでになる
方々
が六一・六%になる。 本来、
官民比較
というものは、行政(一)表、(二)表だけでやればいいのですよ。あとは、お
医者
さんだとか、学校の先生だとか、
看護婦
さんだとかいうような
方々
は、職種別にものを考えればいい。だから人材確保
法案
も出てきた。これは学校の先生は学校の先生独自に考えようということです。いままで
一つ
のワクの中で原資はきまっているのですから。今度だって、
調整手当
を
東京
一〇%にすれば、それだけ原資は減るのですから。だから、ことしは
調整手当
をいじりたくない、原資とからみますから。これは組合のほうだってそうだ。同じなんですよ、そういう関係は。 だからそういう
意味
で、ここに書いておられる新聞の扱い方は誤りがある、私に言わせれば。そうではない。
旧来
から行政職(一)表、(二)表のところに常にしわが寄っていた。損をしていた。だから、この際あらためてその総合
較差
方式を手直しをなさるなら、あるいはやめるなら——そういう
考え方
は
旧来
からあるとおっしゃる。私は十年前から言っている。そうなちば、行政職(一)表、(二)表というところに対して多少のことはしてあげなければ筋が通らないと私は言っている。だからそれならば、人材確保に合わして一月なんていわず四月からおやりになればいい、これは。そういう基本線にお立ち願えないかと言っている。いかがでございますか。
佐藤達夫
32
○
佐藤
(達)
政府委員
もう新聞記事の話はやめましょうと申し上げながら、ただいま便乗ということをおっしゃいましたので、私もこのコピーを持っておりますので見ましたら、なるほどクォーテーションがついて便乗と書いてある。これはもう私
ども
は全然、それをかねがね打ち消してきたところで、便乗なんかではありませんよ、これは文教
委員会
なんかの速記録をごらんになれば、いつもそう言っている。便乗じゃございませんよということを必ず言ってきているのでございまして、真意とは非常に離れた
考え方
がここに出ているということを申し上げれば、おのずから賢明なる
大出委員
はわれわれの気持ちはおわかりいただけるだろうと思います。
大出俊
33
○
大出委員
それならば、私が申し上げたことと変わらないという、基本的にそういう
考え方
に立つ、論理的にそうなるということですから、便乗ではない、こういうわけですから、それならそれで私は理解をいたします。これは非常に大きな問題でございますから、ぜひひとついまの筋をお通しをいただきたい、このように申し上げておきたいと思います。 次に、ここでもう
一つ
承っておきたいのは、期末、勤勉等の
手当
ですね。これは私はずいぶん長年口をすっぱくして言ってきているのですが、またまた本年〇・〇六%をお切りになった。
初任給
なんかでもそうでございますが、長年、どうも
人事院
の方式はおかしくはないかと言ってきたのですけれ
ども
、
民間
の上昇その他との関係で
人事院
方式破産をした。いままた総合
較差
方式が破産をした。これは次々に破産する。期末
手当
も、これはやがていまの
人事院
のものの
考え方
は破産する。早くしてもらったほうがいいんですがね。この辺で破産宣言を出して、
考え方
を変えていただけぬかと思うのですが、いかがでございますか。何でまたこれ、〇・〇六をお切りになったのですか。これを見ますと、
公務員
が四・八カ月、
民間
が調べてみたら四・八六だった、四・八六だから見るべき
較差
がないという。見るべき
較差
あるじゃないですか。〇・〇六じゃないですか。世の中四捨五入がまかり通る通常の常識ならば、切り上げてひとつもおかしくないじゃないですか。見るべき
較差
〇・〇六あるじゃないですか。何で見るべき
較差
ないのですか。〇・〇六は
較差
と目ないというわけですか。そんなべらぼうな話あれますか、あなた。おかしいですよ、
総裁
。これは破産だ。
佐藤達夫
34
○
佐藤
(達)
政府委員
これは毎年御指摘を受けていることなんで、小数点以下二位のところがどう出るかというのは、われわれの重大なる毎年の関心になっておるわけで、ことしもまずい数字が出たなということで、これは必ずまたおしかりを受けるぞというようなことで用心して出てまいっておるわけでございまして、これが九とか八とかですと、それはまことにかっこうの悪いことになりますが、まあ幸い六だったから、これはごかんべん願えるだろうということでありますが、基本的な
考え方
は、たびたび申し上げておりますように、この
民間
の特別給というのは非常に浮動的で、その年その年の景気に左右されるものだ。片やわがほうは、とにかく
法律
の条文の中にこれが入りますことから申しましても、相当固定的な形になる。だから下がった場合に、それじゃすぐそれに応じた下げ方が気楽にできるかどうかというと、これもなかなかそうもいかないだろうというような、いろいろ差し引き勘定してみますと、うまみもあるということで、ことしのような場合は、これはもう十分御容赦願えることと思っておるわけでございます。
大出俊
35
○
大出委員
御容赦いたしようがないのですよ。 ここに
昭和
二十七年の八月から四十八年の八月まで、
皆さん
の
調査
結果を全部並べてみた。あなた方は全くつじつまの合わぬことばかり言っている。これは昔はあなた方は端数だってちゃんと切り上げて
勧告
したことがある。途中から今度はうまいことを言いだして、〇・〇六なんというのは数字にあらず式なことを言って、見るべき
較差
はなかったという。こういう端数というのは、どうも
民間
のほうは好不況に左右されて非常に変動性が高い、
公務員
のほうは一ぺん上げたらそれは安定するんだからなんというようなことで、〇・〇六ぐらいじゃ、どうもちょっと見るべき
較差
と見られないとかなんとか、あなた方のほうは理屈を言った。そんなことを言ったって、
民間
のほうは上がりっぱなしじゃないですか、これは。そうでしょう、幾ら理屈を言ったって。そこでいま二人で話しているけれ
ども
、ぐあい悪いなという話をしているのじゃないですか。 例をあげますよ。
昭和
三十三年七月、〇・〇七、このときは認めている、プラス〇・一増なんて書いてある。認めているときもある、ちゃんと。もっとも、三十三年なんというのは私がいた時期じゃないなんてことをおっしゃるかもしれないけれ
ども
、最近はみんな切っている。べた切り。これを見てごらんなさい。〇・〇九まで切っちゃっている。四十四年の八月、この
勧告
では〇・〇八を切った。四十五年の八月・〇・〇九を切っておる。〇・〇六でぐあい悪い数字だといったって、〇・〇九はどうなんですか、ずいぶんぐあい悪いですよ。前の年は〇・〇八を切っておる、翌年は〇・〇九を切っておる。それで今度四十六年は〇・〇七を切っておる。今度はまた〇・〇六を切る。毎年切りっぱなしじゃないですか。それじゃあなた
公務員
が少し気の毒じゃないですか。〇・〇九でも見るべき
較差
はないのですか。これは筋が通りませんよ。それで端数が云々のと言うのなら、支給割合の総計、
公務員
の
手当
というのは三十年に二・二五カ
月分
、三十二年の七月が二・五五、三十三年の七月が二・六五、こう変わってきておる。これは全部端数がついている。二・九とか二・七とかいうまるい数字じゃない。その先に二・五五とか、二・六五とかくっついている。期末
手当
の総計は、零の次の五が入っている。そうでしょう。だから〇・〇六をくっつけたって、トータルでいってごらんなさい、何もおかしなことは
一つ
もない。私は、そういう
考え方
というのはどうも……。これは
総裁
、さっき、ちょっとぐあいが悪い数字が出たと言うけれ
ども
、たまたま〇・〇五をこえたからますますぐあいが悪いのでしょうけれ
ども
、ぼつぼつこの
考え方
も変えませんですか、破算ついでに。いかがでございますか。
佐藤達夫
36
○
佐藤
(達)
政府委員
相当気持ちはあります。ありますけれ
ども
、先ほ
ども
、それが気になるものですから、わざわざ
説明
でつけ加えまして、べースのほうが上がりますから
実額
では相当いいところまでいきますというようなことまで申し上げておるわけです。この表も、いまお持ちの表と同じ表をしょっちゅうにらみながら、〇・〇九はひどかったなあというような気持ちで常に反省しながらやっておりますので、その心根に免じて、ひとつ今回はこれでごかんべんを願いたいと思います。
大出俊
37
○
大出委員
どうもそう率直におっしゃられたんじゃ、私のほうも二の句が継げないので、これでやめます。
一つ
は、先ほど私、懸案で、今後の追加
勧告
にからむ行(一)、行(二)の話もいたしましたが、新聞関係の
皆さん
が、
公務員給与
というものをにらんで、
民間
との関係でいろいろお書きになることがわからぬではない。ないけれ
ども
、こういう非常にインフレ傾向が強い昨今の
事情
からすると、私はやはり、
公務員給与
というものは
民間
に比べてずいぶんひどいことになっておる、これは実感です。だからそういう
意味
で、先ほど人材確保との関係で触れましたけれ
ども
、いま〇・〇九というのはいささかどうもというお気持ちもわかりますから、そこらも含めて、ひとつ将来に向かって善処をいただきますようにお願いをしておきたいわけであります。
公務員
の期末
手当
というのは、まして一年おくれですからね。それを切るということなんですから、どこかでまたひとつ大きな視野で埋めていっていただくように、
公務員給与
全体としてとらえて御回答を願いたいというように思うわけであります。 忘れないうちにここで申し上げておきますが、住宅
手当
の中の持ち家の問題ですが、これ、何か
人事院
の
調査
で妙な数字が出たようですな。どうなんですか、百円だか百二十円だか五十円だか知りませんけれ
ども
、私もあまり妙なものをくっつけてもらうことは迷惑なんですけれ
ども
ね。どうですか、ローンその他、借金をして自分の家に住んでおる方。これは
国家公務員
共闘と
人事院
の交渉でございましたか、持ち家で借金で払っている
方々
については利子補給程度のことは考えにゃならぬだろうというようなことを、
人事院
御当局、
総裁
か
局長
かわかりませんが、言うている情報を目にしたことがある。したがって、持ち家の問題について住宅
手当
の支給
対象
にする、この基本的な問題について、する
方針
であるならある、なお
検討
を要するなら要する、そこらは私、はっきりしておいていただきたいと思うのです。 というのは、公労委のほうの関係もございまして、こっちで労使で話し合いをやってきめろというわけですよ。これは認めているのです。だから逆に
公労協
のほうからすれば、
人事院
がけちな数字を出してきて変なことをされるよりは、持ち家で借金で払っている人たちのやつは、公労委
段階
では労使の協議できめろというわけですから、そうすればまさか百円だの二百円じゃあがらない。そうするとへたなことをしてもらいたくないという、それとない話も私に伝わっておる。そこらでひとつ基本的な点を承って来年に残したいと思いますが、いかがですか。
佐藤達夫
38
○
佐藤
(達)
政府委員
かねがねこの
住居手当
発足の当時から問題として
検討
は続けておったわけでありますけれ
ども
、ことしは特に私
ども
として、一ひざも二ひざも乗り出したような形で、何とか解決策はないかということで
検討
してみたわけであります。どうも、借金をした人だけということで、それでおしまいにできるかどうかということから考えてまいりますと、具体的の立案
段階
としてあれもこれもといろいろな面を考えてまいりますと、必ずしもそればかりにとどめるわけにいくまいということで、どうするかという大きな問題に当面したことと、それから御
承知
のように、
民間調査
もその辺十分詳しくやっておりますけれ
ども
、なかなかこれがまた各社各様でありまして、ことに都会地の会社はこれはやっておりますけれ
ども
、
地方
の会社はほとんどやっていない。ところがわがほうは、
地方
の
方々
のほうが実は数からいうと多いわけです。都会と
地方
を通じて公正なる
基準
というものを立てる場合に、一体どういうふうに筋を引くべきかという問題がございまして、とうとう今回はまだはっきりした結論を得ないままに、なお
検討
を継続していきたいということにしましたけれ
ども
、これはもう大きな問題としてますます腰を入れて取り組んでいかなければならぬという気持ちでおります。 それから公労委の関係の
お話
がありました。たしか公労委の場合は、あれは配分の外にくっつくわけですな。ところがわがほうは、これは配分の中で、
較差
の中でやっておりますから、これが持ち家の人に全然いかないということじゃないので、これは本俸のほうの配分の中に入っておりますから、いつも申し上げますように、
民間
では全
職員
に一律行き渡るような
住居手当
を出しておるところもある。そんなことをやるなら、本俸のほうに入れたほうが、万事はね返りなどを考えれば得じゃないかという面もございまして、決して取り上げっぱなしということにはなりませんということだけは御了解を得ておきたいと思います。
大出俊
39
○
大出委員
ちょっと
総裁
、最後に一言多いので、その多いところをそう言い切られると私は迷惑なんで、本来何々
手当
なんというものは要らないでしょう。
給与
の絶対額が多ければ要らない。うちの中にいるから家族
手当
でございますとか、電車に乗って通うから
通勤手当
でございますとか、家に住むから
住居手当
だとか、そんなものはほんとうは要らないのです。そうでしょう。
特殊勤務手当
だってそうですよ。官庁の職場に入った、五年くらいたつと世の中わかってくる。そうすると、年功序列
賃金
だから、若い諸君は年寄りの倍も仕事をする。おれの半分しか仕事をしないやつが給料をおれの倍ももらっておる、おもしろくないからやめようという。やめさせないように、やれ重労務
手当
だとか、やれ道順の組み立てだとか、一ぱい
手当
をくっつけて、試験制度にして、若いから受かる。受かって三千円なら三千円もらう。優越感もある。それがプラスされてまあがまんできるといって、やっとこさっとこやめないでつながっておる。そういう政策ですよ、
手当
なんというものは。 だから、
総裁
がその基本線をおっしゃるなら、
手当
なんかみんなやめちゃって、
人事院
は本来に立ち返って、これは
国家公務員
法六十四条に書いてある、
俸給表
は、生計費、
民間
における
賃金
その他
人事院
の決定する適当な
事情
を考慮して定められるのだから、あなた方定められる。そうでしょう。そこまでおっしゃるなら、根本的に
国家公務員
の
給与
というものを考えなさいよ。恩給だの何だの
対象
にするならもったいない話で、何とか
手当
、何とか
手当
なんというものは、絶対額を上げないからある。そこのところ一番の基本はどうなんですか。そこをさておいて、住宅
手当
の、持ち家制度のという件だけについて、ワク内でございますから、本俸のほうに入っておりますからなんというようなことを言うのは、少しこれは言い過ぎじゃないですか。いかがですか。
佐藤達夫
40
○
佐藤
(達)
政府委員
その一言多いのは、重大なポイントに触れての一言でございまして、大体基本的には、いまおっしゃるとおりに私
ども
は考えるべきだろうと思います。したがいまして、
手当
として支給する面をそうむきになって無理をしてまでやらぬでも、本俸のほうでそれはおさめるという
考え方
も十分成り立つではないかということを申し上げたのでありまして、御
承知
のように、
例年
私
ども
の
勧告
では、本俸と
手当
のバランスを、御
承知
でありましょうけれ
ども
、見ますと、
民間
の場合に比べまして断然本俸中心主義でいっておるということは、もうおっしゃるとおりでございます。
大出俊
41
○
大出委員
そう言いたかったとおっしゃるなら、それなりにわかりますがね。ただ、持ち家制度の件に関してそれがつけ加わると、どうも少しこれはまゆつばだという気がするので、来年ひとつぜひ先ほどの御答弁に従ってこれは御
検討
いただき、決着をつけていただきたい、お願いいたしておきます。 それから、少し急ぎますけれ
ども
、指定職の甲、乙、これは一本になるのですね、さっきの
総裁
の御
報告
によると。私は時間がなくてこまかく読んでおりませんが、さっきの
総裁
の御
説明
を聞いておりますと。ずばっと聞いて
お答え
をいただきますが、時間がありませんから。これは指定職の甲の性格と乙の性格は違いますね、従来から。これは指定職甲で言えば一官一
給与
方式で、年齢だ、だれだということでなしに、東大の学長なら学長で甲の七号である、
事務
次官なら甲の六号である。年齢その他いろいろあるけれ
ども
、東大の総長という官職が甲の七号であり、
事務
次官という官職が甲の六号だ、甲はそうでしょう。乙はそうじゃございませんね。乙はこれに準ずる準一官一
給与
ですね。そうなると属人的に変わる。ある
局長
はこうだけれ
ども
、ある
局長
、ある部長はこうだというふうに変わる。そういう性格の異なるものを一本になさるという
考え方
の基礎は一体どこにありますか。そうして結果としてどういうことになるのですか。いかがでございましょう。
尾崎朝夷
42
○
尾崎
政府委員
指定職俸給表
につきましては、現在、上級の官職につきましては指定職甲を
適用
しておりまして、これはいわゆる昇給のない一官一
給与
ということにいたしております。で、大体、本省の
局長
級以上につきまして一官一
給与
制を
適用
するということにいたしておるわけでございます。それに次ぐ官職といたしましては指定職乙表がございまして、この関係につきまして一官一
給与
制はなかなかとれませんので、つまり
一等級
から昇格して指定職乙に入りますわけですが、
一等級
の場合には一年一号の昇給がございますので、それとの関連によりまして、いわゆる指定がえということで二号ないし三号の指定がえを行なってまいった。一官一
給与
制と毎年の昇給とのいわば中間的なスタイルをとっているわけでございます。それが
局長
級に次ぐ官職ということで、局次長あるいは大きな管区の
局長
等に
適用
いたしております。 ところで、その指定職の甲の一番下の
号俸
と乙の一番てっぺんの
号俸
とは同じ金額にいたしておるわけでございますけれ
ども
、その指定職甲と乙とのいわば中間的なところにある
職員
、たとえば研究所の所長につきましては、その中間的なところにいる方がおります。それから
病院
長等についてもおるわけでございますけれ
ども
、あるいは行政機関におきましても、いわば中間的な官職というのがございます。そういう官職につきましては、乙としての
最高
号俸
として同じ
給与
を支給しておりましても、やはり乙じゃなくて甲にしてほしいというようなことが盛んにいわれまして、甲か乙かというふうに指定職を分けておくこと自身にあまり実は
意味
がないという、運用上そういう問題になってまいりましたので、従来の運用のやり方というのは原則として変えないということで、ただそういう甲と乙というのをやめて通し
号俸
にするということだけ、原則としてそういうことだけの
改正
ということで今回
改正
をいたしたわけでございます。
大出俊
43
○
大出委員
これ、長く中へ入りますと時間がかかりますから、承るだけにいたしておきます。 それから
報告
事項の中で、
給与
の支払いについて
口座振り込み制度
の
導入
をしたいという意思があるのですね、
人事院
は。これはどうなんですか。これはかつて私、聞いたことがありますが、
人事院
から当該
職員
団体等にそういう話があったということを承ったことがあります。そのときに当該
職員
団体の
皆さん
に私、聞いてみた。そうしたところが、天引きのうちには月賦だとかいろいろあるというのですね。したがって、どうもこの方式だと普通の職場でなら引いてくれるものが引かれない。公式のものしか引かないですから。そういうふうなことがあって、あとでそれらが取れなくなってしまうとかいろいろなことがある。だから、そういう点から見てにわかに、離島だとかなんとかというのは別として、こういう方式はいかがなものかというだいぶちゅうちょがある、職場の中の
方々
に。こういう反論が出てまいりました。ごもっともな反論も中にございます、六つ、七つ理屈がありましたが……。 さっき申しおくれましたが、各種
職員
団体の
方々
とずいぶん
人事院
は精力的に会っていただきまして、
地方
からお見えになった
方々
と人
事官
は手分けをされたりして、
総裁
がこっちに来ておられる、向こうで他の人
事官
の方が会っていただいておるなどということをよく見かけました。そしてずいぶん職場の主張というものをこの中に取り入れておられます。敬意を表するところでございますが、それだけにちょっとこれは残念な気がするのですが、やはりこの種のことは職場の個々の
生活
につながりますので、だから何とかこれは、そういう諸君ともっと話し合って詰めていただいて、納得づくで、これは技術的な問題を含みますので、ぜひひとつお進めをいただけないかという気がするのですが、その点だけ承っておきたいのです。
佐藤達夫
44
○
佐藤
(達)
政府委員
先ほど申しましたように、
民間
企業でもだいぶんこれは
導入
しておるという点もありますし、
公務員
関係でも
一つ
の行き方ではないか。それにいたしましても、私
ども
基本的に考えておりますのは、これは無理じいをしちゃいけないということです。本人が希望される場合だけに限ってこういう便法をつくること。それからその役所自体としても、それはやりましょうというところに限ってこれはやらぬことには、たいへんな弊害を生ずるだろうということです。いまでも実際はこれをやっておるところはあるわけです。遠いところに
勤務
されている方は家族のほうへ口座で送っておりますから。したがって、本人が希望され、役所もよかろうというなら、やって悪いことはないじゃないかというような形で、いま
お話
しのように、たびたび
職員
団体の代表者としょっちゅうひざ突き合わせてはそういう話を出しているのですけれ
ども
、これに対しても、どうも困るということがまだ私
ども
としてちょっとはっきりつかめませんので、あるいは奥さんたちに対してアンケートをとってみるということも、冗談話ではありますけれ
ども
、やってみると案外賛成者が多いかもしれぬぞというようなことまで言いながら、ひざを打ち割っていまいろいろ話を聞いているところで、まあこれはやってもいいじゃないかというのがほんとうの基本的には私の気持ちにございます。しかしそういうことで
検討
は進めていきたいということでございます。
大出俊
45
○
大出委員
ここで、外務省の大河原さん等に来ていただきましたので、実はいまの
人事院
の
勧告
に触れまして、
週休
二日制の問題、それから
公務員
制度
審議
会をめぐる素案な
ども
出ておりますが、
人事院
に触れての問題ございますので、これを承りたいのですが、その間に
一つ
はさましていただきまして、これまた
公務員給与
と関連ございますので、特にいま沖繩で問題になっております四種の——旧四種と言ったらいいと思うのですが、復帰いたしましたので、
旧来
から全駐労の
方々
などは
公務員
に準ずる
給与
の形になっております関係で、一種、二種含めましてずいぶん問題になったところであります。全体に触れるわけにまいりません、時間がございませんので。そこで当面問題になっております四種対策、こういうふうに言ったらいいと思うのでありますが、特徴的なものを幾つかあげてその点を明らかにして、ひとつ責任を負っていただきたいというふうに思うわけなんであります。 つまりそれは、まず
政府
の各機関のうちでどこが一体責任を持つ官庁であるのかという、もっと平たく言えば、どこが一体窓口として責任を負っていただくのかというこの点。
一つ
例をあげて申し上げますと、これは警察庁の方に承りたいのですが、私、先般、沖繩の那覇市の市
会議
員の選挙の関係で参りましたときに、あちらの新聞に非常に大きく載っておりました。ダニエル・バックという会社がございまして、これは人の名前でありますが、ここに空軍百四十五人、陸軍二百十七人、那覇空軍三十六人、マリーン九人、学校九十四人、辺野古教会が二人、ハンビー飛行場が三人、那覇海軍三十八人、これで五百四十四人になります。それからメスホール関係でトリイ・ステーション五十八人、砲兵旅団四人、これで六十二名。それから給食関係で学校が九十六人、移動スナックが三十六人、小計百三十二名。総合計で七百三十八名になるのでございますが、これは四種でございますから、このダニエル・バックなる会社がいまの七百三十八名の
方々
を雇っている。七百三十八名の方を労務提供の形で軍に入れている。その間にこの会社と軍との間の契約が結ばれている、こういうかっこうであります。 この六月の三十日付でバックが雇用していた
従業員
七百三十八人の六
月分
給料の総計二千二百三万八千五百八十一円ございました。これをこの社長ダニエルなる人が持って逃げちゃった。いなくなっちゃった。新聞によりますと、家族を台湾に前もってやっておきまして、そうしてこの給料総額を受領してきたら、それを持って今度は本人が逃げちゃった。雲をかすみと逃げたものですから、あと何も残らない、こういうわけであります。したがって今日なおかつこれは解決をしない。もらえない。現地で私が聞いた限りの話では、二千二百万どころじゃないんだ、五千万ぐらいになる。何だと言ったら、
手当
も入っているからという。 この事件について、私、当時、現地の警察関係の方には、精力的な
調査
をお願いをした経験があるのでありますが、今日承るところによりますと、やれ台湾だといっていたのがベトナムに行っている。そのうちには、ベトナムを調べたらそうじゃない、マニラだ。マニラを調べたけれ
ども
いない、わからない。家族ぐるみでいなくなったものが、米人でございますが、これはわからぬで済む筋合いのものじゃない。
給与
をもらえないままだ。 さて、これをどこに持っていくかといったって、どこもかしこもみんな適当にお逃げになるものだから、これは
総理府
だって、四種の問題をと言えば、
総務長官
おいでになるけれ
ども
、わがほうは振興開発専門でございまして関係ない。防衛庁に言えば、うちのほうは一種、二種なら関係ございますけれ
ども
、間接雇用ではございませんから関係ない。労働省に申し上げれば、労働省は、首になっちゃった失業のほうなら失業対策をやるけれ
ども
、働いているうちは関係ない。関係なければこれはどこへどうすればいいのですか。日本人であり、間違いなく米軍基地に行って働いているのに、全くどこも関係ないなんてばかなことで……。これは一体どこが責任をどう負う筋合いのものでございますか。四種関係全般一緒でございますが、いかがでございますか。
坪川信三
46
○
坪川国務大臣
旧四種の雇用者に関連する問題は、いま
大出議員
がおっしゃったとおり非常に重要な問題であります。また、
問題点
の複雑な点も十分御指摘のとおりであること、
大出委員
の
お話
のとおりでございますが、私といたしまして、やはり開発庁の
長官
といたしましての
立場
から考えてみ、またいままで各
省庁
において対策がいろいろと協議されました点等を考えてみましたときに、窓口は一応労働省にお願いをいたしておる。しかもその連絡調整の対策協議会という
立場
においては
総理府
がこれを所掌する、こういうような
状況
になっておるわけでございますが、先ほどからの
お話
のごとく各
省庁
にわたって、大綱、
問題点
を見ましても、いま非常に理解と勉強されておる
大出委員
に申し上げるまでもなく、五つ、六つにわたる多岐な点に及んでおるというようなことを考えておりますので、田中
内閣
、またわれわれ
政府
関係者といたしましては、そうした重要な離職者対策の問題でございますので、われわれは、どこの関係庁の責任所管のなすり合いといいますか、あるいはセクショナリズム的な考えでこれを対処すべきでない、こういうような気持ちで、
政府
あげて共同責任の上においてこれに取り組むべきである。きょうも
閣議
終わりましてから二階堂官房
長官
とも、この問題について
政府
はやはり一体となって早急に何らかの結論を出すべきであるというような話し合いを二人でいたしておるような次第でございますので、そうした
方針
でひとつこれに取り組んでまいりたい、こう考えております。具体的には
政府委員
に答弁させます。
大出俊
47
○
大出委員
いまたいへんありがたい御答弁なんですが、実は先般、総評の議長の市川さんが二階堂官房
長官
に、特に沖繩の
皆さん
の
給与
、四種問題で数々問題があるのでお目にかかりたいという。総評の議長が二階堂さんに会見を申し入れたら断わられたという。まあ山中君に会ってくれという
お話
だった。そちらのほうがなかなか進まぬというので私のところへ話がまいりましたので、防衛庁に話しまして、山中さんと総評市川議長と会っていただきました。実はその中で、おれが
総務長官
のときに一生懸命やったんだ、いまは
坪川
さんだ。だからバックアップするから、おれもやるからという
お話
だった。簡単にいえばそういうこと。 ところで、どうも話がなかなか詰まりませんので、昨日、官房
長官
に私、電話で、沖繩から現地で困っておられる
方々
もお出かけになっているので、ひとつ会ってあげていただけぬかという連絡をいたしましたら、いや、四種問題については実はお断わりしたいんだ。そこで、さらに話を詰めてみたところが、官房
長官
も、山中さんが
総務長官
のときに軍港湾の問題で四億何がし
大蔵省
とこうやって話をした、幾らかあとで防衛庁内部予算の積み上げをした、そこらで払ってある。そのときに野党のさる代議士諸君との約束もこれありというふうに山中さんは二階堂さんに言うておるということで、したがって、この辺でうっかりお目にかかってものを言うと、どうも山中君の
立場
もあるというようなことでお目にかかりたくないということなんだ。いや、これはそうじゃないと、いまダニエル・バックの話からずっとした。そうしたら、二階堂さんサイドからの
お話
は、実は私
ども
困っている。
総務長官
のほうは沖繩担当に違いないが、振興開発専門でございます。だから四種といわれても困る。山中さんのほうは、一種、二種は、間接雇用は関係あるけれ
ども
、そうでないのは私
ども
の所管ではない、こう言っている。さあ労働省にものを言ってみると、労働省も、失業対策だ、やれ職業訓練だというならわがほうだけれ
ども
、そこまでいかない
段階
だからどうもわがほうではと、こう言う。何がどうなっているのかさっぱりわからぬと二階堂さんは言う。 だから、何がどうなっているのかさっぱりわからぬじゃ困るじゃないか、やはり何とか会って何がどうなっているかがわかるようにしてくれなければ困るということで、きょうお目にかかることになっておるわけなんですが、いま
長官
が、たまたまきょう
閣議
のあとで二階堂さんと御相談をいただいたというわけでありますから、その
意味
でともかく総がかりでやろう。それにしても、道正さんそこにおいでになるけれ
ども
、いま労政
局長
におなりになって、前安定
局長
ですから前官礼遇でお出かけをいただいた勘定でございますけれ
ども
、これは道正さんに私は話をした。そう言ったって
大出
さんどうしようかなんて、そこのところどうしようもないと言うんですよ。これじゃ話のしようないですよ、窓口なんですから。それじゃ窓口の役割りできない。 だから、どうしようもないんじゃ困るんで、これはやはり、
総務長官
なら
総務長官
がぴしっと所管をしていただくならいただくということにしていただけぬですか、いかがですか、窓口問題は。
坪川信三
48
○
坪川国務大臣
先ほど市川総評議長との
お話
がありましたが、つい四、五日前であったと思いますが、市川議長からもこの問題に対する会談の要望もありましたので、
総理府
において市川議長とも私お会いをいたしまして、総評としての
立場
から考えられる
問題点
の御要望、解明等もお聞きいたしておるような次第でございますので、
政府
はこれを放置するような考えはみじんもございません。したがって、きょうも官房
長官
と話し合うような熱意を持っておりますので、いわゆる
総理府
が中心となってこれをやるべきである、こういうことは私の
立場
、私の政治的良心から言いますならば、
お答え
申し上げたい気持ちは一ぱいでございますけれ
ども
、各
省庁
間、考えてみると十二、三省にわたっておるのです、詳しく調べてみますと。そうすると、やはり労働省に窓口になっていただいて、そしてその調整、まとめ、推進役を私のほうでいたしたい、こういうような行政の配慮を私いたしておりますので、御案内のような沖繩県民の当面する重要な労働問題でございますので、そうした気持ちでひとつ取り組んでまいりたい。また私、この間、屋良知事も見えましてこの点の
お話
も承り、本
国会
が終了いたしましたら、十月に現地に一ぺん行って参りまして、現地の声も十分ひとつ
検討
、お聞きしたい、こういう
心組み
で、
政府
は決して放置はいたしておりませんから、今後なお一そう御協力をいただきたい、こう思います。
上原康助
49
○上原
委員
一点だけちょっと関連でお伺いをしておきたいのですが、いま
大出
先生御質問のように、
一つ
はマリーン関係、いわゆるバック・サービスの
賃金
持ち逃げの問題があるわけですね、七百三十八名。あと
一つ
は、これもマリーンですが、六月二十七日、正確にはアメリカの新しい会計年度、七月一日から九百二十六名。正確には八百六十八名だという数字もありますけれ
ども
、これが即時解雇になっているわけです。 旧四種雇用員の問題というのは、もう本
委員会
でも、あるいは沖特その他でも、今日まで軍港湾の問題も含めて、何回か
大出
先生あるいは私も取り上げてきたわけですが、いま
総務長官
、大臣が御答弁するような方向で解決をしていないわけですよ。私たちが
委員会
で取り上げると、そのつど
政府
は、重要な問題なんで積極的にやるという御答弁があるわけですが、なかなか解決しない。したがって、ここで先ほどの
長官
の前向きの答弁あったわけですが、当面、何としても持ち逃げされた
賃金
について一体どうするのか。この点、私はさっそく外務省のほうにも、電話でこういう事件があるので
調査
をしていただきたい、あるいは現地でも警察当局なり施設局にも総合
事務
局にもいろいろ要望したのですが、なかなか
政府
の取り組みというのがどうなっているのかわからない状態です。したがって、この件どう
政府
は今日まで捜査をし、解決をしようとしておられるのかとうこと あと
一つ
は、マリーンの九百二十六名の七月一日で解雇された
人々
は、いまだに即時解雇のままで解雇
手当
もない。何らの
手当
てもされずに放置をされている状態なんですね。当面何としてもこの二件については
政府
の
立場
でやっていただかなければいかない問題だと思うのです。 ですから、先ほどの答弁がありましたが、一体この二点について当面どうなさるのか。窓口は労働省ということ、あるいはまた
総理府
で所掌するという両面あるようですが、連絡
会議
を置いても、なかなか自主的にそれをやっていこうという姿勢がうかがえないわけなんです。この際この問題放置はできないと思いますので、ぜひ
大出
先生の質問と関連さして
政府
の明確な御答弁を承っておきたいと思うのです。
坪川信三
50
○
坪川国務大臣
旧四種の雇用者に関する問題についての基本的な考えは、先ほど申し上げておるような
方針
で取り組み、また推進してまいりたい。いま先生御質問になりました二点につきましては、労働省あるいは外務省等の
政府委員
から具体的な事実としての現状を御
報告
、御
説明
させたいと思っております。
大出俊
51
○
大出委員
いまの点は、警察庁、外務省にけさ私が連絡をいたしましたので、大河原さんおいでいただきましたが、時間がなくてあるいは御迷惑をかけたかもしれぬと思うのですが、ただ上原さんの御質問しているのは、いまに始まったことじゃないので、これは当面、
従業員
、家族をかかえて金がもらえないという現実。それからいま
お話
がございましたマリーン・メス・アテンダントの
従業員
キャンセル問題ですね。これも、いま上原さん言っておりますように、全く猶予期間もない。暫定認可という形での約束ができているにもかかわらず、突如として、しかもこれはユニホームまで全部そろえていたわけですね。それを八百六十八名首切ったということですから、当面の問題ですから、ひとつわかる範囲、できるだけこまかに、持ち逃げ事件を含めまして
お答え
をいただきたいわけでありまして、これは警察庁、外務省のほうでひとつ
お答え
いただけないかと思うのですが……。
小林朴
52
○
小林
(朴)
説明
員 警察庁のほうの捜査の経過でございますけれ
ども
、先ほど
お話
がございましたような事案につきまして沖繩の県警察で調べたわけでございますが、この問題は、請負がダニエル・バック個人の事業になっておりまして、結局、六
月分
の給料も含めてとにかく請負の額を米軍からもらって、それを支払わないという形で逃げてしまったわけであります。 刑法の
立場
から申しますと、これはやや横領罪のケース、
業務
上横領のケースになる問題でございますけれ
ども
、
業務
上横領という形になりますと、金の性格が、これは特定の使途がきめられて、それを預っておる間に自分がかってに使うというようなケースになる場合には犯罪になるのでございますけれ
ども
、こういうように一括して受けて、その請負代金という中から自分が雇用した者に支払うということになっておりますので、支払い関係といたしましては、これ自身をもって直ちに犯罪というわけにはいかない。あと残りますのは、この面から申しまして労働
基準
法の違反。これは
賃金
の不払いという条項がございまして、これには罰則がございまして、罰則は五千円の罰金という
比較
的形式的な軽い問題でございますので、警察側の
措置
といたしましては、そっちの犯罪の追及ぐらいがまあできるということでございまして、ほとんどがやはり民事関係の問題になるのじゃなかろうか、こういうことでございます。
大河原良雄
53
○大河原(良)
政府委員
旧四種の問題につきましては、この春以来いろいろな問題が現地において起きておるわけでございまして、港湾労務者の問題、メスの問題、ただいまのダニエル・バックの問題、非常に遺憾なケースがずっと続いておりまして、
政府
といたしましてもまことに遺憾に考えてきているわけでございます。 これに対する対策といたしまして、
国会
でも種々御議論また注文承っておりますけれ
ども
、
政府
といたしましても、先ほど
総務長官
御答弁いただきましたような態度でこれに臨んできておりますけれ
ども
、米側との関係におきまして必ずしも思わしいような進展が見られないことを、私
ども
も遺憾といたしております。 ただいまのダニエル・バックの問題につきましては、警察庁から御答弁ございましたように、七月二十六日に労働
基準
法違反ということで逮捕状が出されておりますけれ
ども
、何ぶんにも本人が計画的に持ち逃げをはかったということで、本人の所在がわかりません。これを確認する、所在を明らかにするということに重点を置いて米側と接触を続けてきているわけでございまして、事件が起きまして以来、たとえば八月の三日に米側に対しまして遺憾の意を申し入れるとともに、所在の確認を強く要望し、また警察庁といたしましても別途の処置をお願いしているわけでございますが、米側からは、当初台湾に逃げたということを言っておりましたが、その後ベトナムに動いたという趣旨の情報がございまして、これをまた追っておりましたところが、先週の終わりになりまして、フィリピンに行ったようである、こういうような
状況
が出てまいりまして、これにつきまして、米側に事実関係の確認を急ぐように重ねて申し入れておる
状況
でございます。
加藤孝
54
○
加藤
説明
員
基準
法違反の関係につきまして、
賃金
債権そのものをとにかく確保する必要がある、こういうことで横浜銀行を差し押えしてございまして、本人がマニラから小切手の支払い請求を求めてきたようでございますが、現地マニラから横浜銀行に対して、支払っていいかということで、いや実はその債権はこういう問題のあることだということで、一応
賃金
債権は押えてございますので、その面での支払いの確保は一応できておるということでございます。 それからマリーンの関係の離職者につきましては、率直に申しまして、こういう突然の解雇ということを私
ども
もたいへん遺憾に存じますが、将来の就職先につきましては、いま現地
段階
におきまして、ホテル関係とかそういう類似の職場についての求人開拓につとめておるところでございます。とりあえず現在現地の公共職業安定所におきまして求職の受理と職業相談を行なっておる、こういう
段階
でございます。
上原康助
55
○上原
委員
あと一言だけ御要望申し上げておきたいのですが、先ほど
大出委員
の御質問の中にもありましたように、県労協の亀甲議長、全軍労の友寄
委員長
をはじめ八名の
方々
が本
委員会
でいま傍聴しておりますけれ
ども
、この問題が長いこと未解決のまま進展しないということで
政府
折衝に上京しておるわけなんです。後ほどまた基地労働全般について、本
委員会
なり別の
委員会
でもいろいろお尋ねしたい点、要求したい点もありますけれ
ども
、特に
総務長官
に、沖繩担当の大臣として、ぜひ早急にこの四種の問題について、当面する、いまさっき申し上げた二点については解決しなければいかない問題ですので、
閣議
でも
お話
しをなさったということですから、要請団が上京している間に前進せしめる解決策と、そして四種全般についての対策というものを具体的に打ち出していただきたい。このことを強く御要望申し上げておきたいと思うのです。それに対する
長官
の御答弁ありましたらいただいて、私の関連を終わりたいと思うのです。
坪川信三
56
○
坪川国務大臣
上原
委員
の重要な問題の御質疑としまして、
総務長官
として
お答え
申し上げたいと思うのでございます。 その
方針
につきましては、先ほど
大出議員
が御質問になりましたとおりの姿勢で、あり方で進めてまいりたい、こういうような気持ちを持っておる次第でございます。ただ
総理府
といたしましては、御
承知
のとおりに、もう申し上げるまでもなく、われわれは百万県民の父というような気持ちで取り組むという
一つ
の心情的な問題が主になっておって、実務的な問題になってくると沖繩開発庁という、仕事は御案内のごとく開発振興、沖繩の県民のしあわせづくりをやるという
立場
でありますので、非常にそこが私として、決して責任のがれをいたすのではございません、抽象的な心情的な
立場
から、私は大いに中核の推進体といいますか、原動力となって進めてまいりたいという気持ちを持って、真摯に真剣に各
省庁
に督促をいたす、また調整もいたすという気持ちであることを御理解願い、リミットの点につきましては、その気持ちを持って推し進めていくという
方針
で御理解願いたい、こう思います。
大出俊
57
○
大出委員
それじゃ少し急いで要点を申し上げますが、その前に、いまの横浜銀行のはどのぐらいの額でございますか。
加藤孝
58
○
加藤
説明
員 私、直接の担当でございませんで、労働
基準
局のほうでその辺やっておりますが、約二千万円程度押えておるということであります。
大出俊
59
○
大出委員
そうすると、
皆さん
のほうで、私の手元には、さっき申し上げたように、二千二百三十万八千五百八十一円、こうなっておりますし、現地で私が聞いたときには、もっとあるような
お話
でしたが、ここらの金額を押えておられますか。どのくらい持ち逃げしたかという点はいかがでございますか。
小林朴
60
○
小林
(朴)
説明
員 私のほうでは、大体
賃金
その他の請負額が五千万円ぐらい、こういうことを聞いております。それで、いまおっしゃいました
賃金
の不払い額につきましては二千二十二万八千八百五十七円。ちょっとこまかいのでございますが、若干違うかと思うのですが、確かめてみなければわかりません。
大出俊
61
○
大出委員
多少の相違はいいのですが、ここに数字がございまして、これを読み上げたのですが、現地で私が聞きましたら五千万、こういう話でございました。浜銀で二千万円押えられて、それを処理できるにしても、だいぶ足らないことになる。そこのところを
総務長官
どうしたらいいか。 四種については本来制度的な欠陥がある。前からこれは私の持論でございまして、なぜ一体これを間接雇用にしないかということですね。おまけに、私の先輩の石橋政嗣さんが当初おつくりになった議員立法の臨時
措置
法がございますが、これは時限立法でございまして、期限が切れましたので、私の手元で、本
委員会
の長老である
伊能繁次郎
先生なり、民社党の受田新吉先生なり、参議院においでになる自民党の岩動道行先生、四人で小
委員会
をつくりまして、勲章と年金法、それから駐留軍の被害にあった
方々
を救済する
法律
それと臨時
措置
法と、議員立法を三つこの
委員会
が出して一緒に通したことがある。時の
大蔵大臣
が福田赳夫さんでございまして、私も実は、金がかかりますので八回折衝をしてやっと話がついた、こういう経過がこの
委員会
でございます。そのときにも雇用奨励金という形で、当時の金で一カ月八千円雇う方に差し上げる、就職促進
手当
を一万二千円ばかり差し上げるというようなことを含めてこしらえたわけなんですが、それがその後それぞれ上がって今日に至っている、こういう経過があるわけです。 で、特別給付金制度というものもこういう中でこしらえたわけでありますけれ
ども
、まあ予告月数なりあるいは給付金なりという、そういうところにやはりのせて、額的に一種、二種とどうしても多少の差をつけなければならぬというならばこれは政治的な相談になりますが、何かやはりそこに法的根拠、制度としてのせていただかないと、どうしてもこの種のものが次々に起こってしまう。これは根本的な問題です。やはり同じ米軍に働く
方々
だから、労働省の
法律
を多少使うということも考えられますけれ
ども
、やはり将来の問題としては臨時
措置
法にのせるというのが筋であろう。これが一点です。 それからもう
一つ
、これは外務省にお願いをしたいのですが、かつまた御答弁をいただきたいのですが、どうも沖繩の米軍を見ておりますと、復帰前と全くものの
考え方
が変わっていない、やりたいほうだいなことを平気でやりまくるという姿勢なんですね。これは根本的な問題ですから、外務省側から相当強く言うていただかなければならぬ。相手は軍ですから。この点は、外務省のほうでいままで折衝された経過もございましょう。どういうふうにお感じになっているかを含めて、これは
お答え
を願いたいのです。 先ほど上原さんが取り上げましたマリン・メス・アテンダントの
従業員
のキャンセル問題なんというのは、これは六月二十七日に請負契約の暫定認可を軍のほうが与えているわけですよ。それで崎山商事というのが請け負って一年間やった。これは請負契約者が毎年かわる歴史的な経過がある。かわるけれ
ども
働いている人はかわらないわけだから、一年更新で、更新のときに契約者がかわるということはあっても、働いている人は長年
勤務
しているのだから、何の心配も感じないまま今日まで来たわけですよ。そこでこの八百六十八名の方は、経営者もかわって、契約者もかわるということで、崎山商事から八建産業が契約をした——暫定契約です。という時点で、ユニフォームや何かまで全部そろえて働くつもりで安心していた。そこへ突如として予算が削減されましたからというので、寝耳に水なんですね、暫定契約があるわけですから。ぽかり切ってきた。予告期間もなければ、解雇
手当
もなければ何もない。そういうふざけたことを、本土に返ってきている沖繩の県民の
方々
に、本来なし得る筋合いのものじゃないですよ。 だからここにも制度的な問題が
一つ
ある。予算が削減されたというならされたで、その時点で契約がどうなるかということはわかるわけだから、その場合には米側に義務づけて、やはり予告期間というものを明確にしてもらわなければ困る。そして、こういう不当な解雇をするのならば、一体それに対してどういうふうに金の
手当
てをするかということも、だから臨時
措置
法という問題になるんだが、はっきりしておいていただかぬと、これはたまったものじゃないですよ。八百六十八名もの方がいきなりほうり出されたらどうにもならぬです、
生活
をかかえているのですから。 こういうばかげたことを行なわせている
政府
の責任というのは、私は重大だという気がします。制度的な問題、
政府
の責任の所在という問題、そして将来どうするかという問題、ここらのところをはっきりしていただきたい。いかがでございますか。
坪川信三
62
○
坪川国務大臣
大出議員
が長い期間にわたって取り組まれました、非常に大事な体験から割り出されての御議論の中にあっての結論、いわゆる法的な制度の裏づけといいますか、確立をすべきであるという点、非常に重要な課題であり、また懸案事項だと私は考えておりますが、とれらに関連する従来の各
関係法案
の関連性もいろいろ調べたり勉強いたしておりますと、いろいろそれによって言うべき筋もあり、また
改正
せなければならぬかかわり合いのものもあるということを、私もよく理解いたしておるのでございます。したがって、それがそうした方向でとることが可及的にいい方法であり、また、あなたのおっしゃったような制度上の裏づけというものを抜本的に考えるべきではなかろうか。これも意見として私は非常に大事な御意見だと思っておりますので、これら各般の諸方向をひとつ十分
検討
して、連絡対策
会議
の場において、こうした問題のもつれを
一つ
一つ
早急に、やはり
政府
としての一致した見解として出すべきではなかろうか、私はこういうような気持ちを持っておりますので、そうした方向で私は所掌いたしたい、こう思っております。
大出俊
63
○
大出委員
坪川
さん、法的根拠が何にもないということになると、米軍に働いているわけですから、間接雇用じゃないから、こういう場合に手の打ちようがないのですよ。だから、前から申し上げているので、これは
皆さん
のほうの御
検討
にまかせますけれ
ども
、何らかのことでよるべき法的根拠を明らかにしておく、その方向で御
努力
を願いたいのですが、いかがでございますか。
坪川信三
64
○
坪川国務大臣
お説のとおりの方向でございます。きょう幸いに各
省庁
のそれぞれの
政府委員
も来ておりますので、そうした姿でひとつ対策協議会の大事な
問題点
として進めてまいりたい、こう考えております。
大出俊
65
○
大出委員
もう
一つ
ここで明らかにしておきますが、時間をかけませんけれ
ども
、実は、よく口の端に出てくる
政府
要路の
方々
の答弁なり、あるいは陳情団に
お答え
になることばなんですが、旧四種の
方々
にはそれなりの金を払ってありますよということなんですね。二階堂さんもそういう話をされたことがありました。だが、これは
事情
が少し違う。 なぜかといいますと、軍港湾の
方々
がかつて百日ストライキというストライキをおやりになったことがある。沖繩の商港のほうでなくて軍の港湾においでになる千余名の方です。実は復帰直前でございまして、まあいろいろ大きな問題が当時出てまいりました。このときに、何とかこれを片づけなければいかぬということが時の沖繩対策を進めておられた山中さんの頭の中にもあって、私と山中
総務長官
でずいぶんこれはやりとりもいたしました。また非公式に話し合いもずいぶんいたしました。そこで
大蔵省
といろいろ話して四億の金を何とかしよう。これは國場さんがやっておられた國場村などといわれた時代で、かつては強引に軍が港湾に働く
人々
を集めさせた歴史があり、契約者が変わるたびに身分の更新をしていって、だから長年満足な退職金
一つ
もらってないわけですよ。つまり形の上で永年勤続にならないわけですよ。そういう点等がありましたから、一種や二種とうんと違うその不合理をどう解決をするかといったら、復帰にあたって見舞い金を出そうということで、言うならばつかみ金ですよ。つまり、一種、二種並みにするとかいうことでない、ああいう特殊な
事情
にあるからということで、軍港湾の
方々
を
対象
につかみ金で見舞いをしようということだった。それが四億という額です。 ところがそのあとで、四種対策だとなってしまえば、同じ四種はたくさんある。ほかのほうにいろいろ議論がございまして、そこまで話が進んでしまいまして、全軍労傘下の四種の
皆さん
、ここから始まりまして、やあ国際興業をどうするか、カルテックスをどうするか。沖繩のバン労働組合というのがありますが、ここらをどうするか。全部、四種、四種、四種ということで出てしまった。そこで、問題がそこにあったのではない、軍港湾にあったのだけれ
ども
、やっぱり行政官庁の
立場
からすると、全くそちらは手つかずというわけにはまいらぬということから、傾斜配分で軍港湾に主たる金はおろすのだけれ
ども
、同じ四種なんだから何がしかの見舞い金を差し上げておこうということで、あとは涙金になったわけですよ。 私はそのときに、個人判断でいえば、軍港湾は軍港湾で片づけて、そうして四種全体をどうするかということをあらためて提起をして、軍港湾の例を
一つ
とらえて、それなりの
措置
を考えていくということを主張したことがあるのですけれ
ども
、しかし全体の政治情勢を考えて、つまり涙金的な処理をした、こういうことなんですね。これを、四種の
方々
にはそれなりの金を払ったから、今度も一種、二種等と同じようなことをしている、そういうふうなことなんだけれ
ども
、それは済んでいるんだと言われたんでは、あまりといえばこれは天と地の違いがある。だから、そこのところを御理解をいただいて、復帰の時点であまりにも気の毒だから、それなりの見舞いをしたということなんだから、そういう理解をして、制度は制度としてよるべき根拠を
法律
的につくっていただくということとあわせて、四種の
方々
のあまりに気の毒過ぎる今日までの
状況
にかんがみ、一種、二種の
方々
などとの均衡を全部とは申しませんけれ
ども
、どこかで考えていただく、こういうふうにこれをお進めいただきたいのです。ここのところをきちっとしていただきませんと、何か済んじゃったんだという認識でおられたんでは、現地の実情を行ってお調べいただけば一ぺんでわかりますが、あまり沿いませんので、念のために
一つ
申し上げておきたいのですが、所見をいただきたいのです。
坪川信三
66
○
坪川国務大臣
大出委員
のその背景に立つ既応の大事な事実、それを踏まえましての
お話
でございます。私たちも、また
政府
の関係者も、そうした事実を踏まえながら取り組んでまいりたい、こう考えております。
大出俊
67
○
大出委員
そこで、あと幾つか残っておりますのでお許しいただきたいのですが、具体的に当面さてどうするかという問題の中で、たとえば国際興業のバスなどの関係がまずある。これは米軍の学校のスクールボーイを運んでいるバスの運転をしていた国際興業、この
方々
などの問題もございました。五十八名といい、六十四名といい、いずれがほんとうかわかりませんが、そういった数でございます。これは実は、会社側のほうがしっかりした会社でございますだけに、私のところには約六十名とここに書いてございますが、退職金の五割増しの
措置
であるとか、まかり間違えば本土に来て働いていただくとか、いろいろなことで企業なりの解決が、私鉄関係でございますけれ
ども
、これはできそうでございます。だからこちらのほうの四割はそれで片づけられる。 もう
一つ
、軍港湾のその後の
事情
でございますけれ
ども
、実は國場さんのところが、三十万トンあったアーミーカーゴーが三万トンに減ったというようなことで、企業を投げてしまった。私も現地に参りまして、沖繩開発庁の岡部
事務
次官、富田運輸部長などにお目にかかりましたり、沖繩県の前田労働商工部長と話をいたしましたりということで、ようやく琉球港運なる会社に六百五十名ばかり採用がきまって契約ができました。内訳は四百五十名が常勤で二百名が日雇いというかっこうでございますが、それでも六百五十名の
方々
の行く先がはっきりした。三百余残っておられるわけであります。 この件については、現地の
皆さん
の中に、金で解決を望む声もございます。何がしかの
手当
てをしていただいて、ここで
政府
側にそのお骨折りいただいて、三百名ばかり残った
方々
の、あとはひとつおのおの先の職業を見つけていっていただくという声もございます。だが私は、現地の岡部
局長
なり富田運輸部長なりと話している間に、この
方々
について、沖繩の海洋博もございます。たいへんに仕事もいまいろいろな仕事がございます。商港のほう、つまり商業の港のほう、こちらは二千名といわれ二千五百名といわれる需要もございます。かりにそれが満ぱいであるにせよ、似たようなところに三百名の方を、まとまっておられるわけだからお世話する。これをばらばらにしてしまって、おのおの労働省が職業指導なんてなこともたいへんなことから、まとまっておるのだから、その三百の方をそっちにまとめてお世話をするような方向がとれないものかというやりとりをしたいきさつもございます。 そこらのことが
政府
側の御
努力
でお骨折りをいただけるなら、当面そういう解決の方法はあり得るわけでありまして、ただ問題は、海洋博が終わったときにどうするかという問題が
一般
論として残ります。残りますが、これはやはり、沖繩でいま、三万人ぐらいの方がサトウキビ畑をやっていた方がやめちゃって労務提供で働いておられる。じゃ、海洋博が終わったらこの方は帰農するかというと帰らない。そういう
問題等
も含めた、三万人も浮いちまう人をどうするかという、これは国として考えなければならぬ
一般
的な問題なんです。だから、そのときはそのときでそういう処理の中で考えるということにしていただいて、当面この三百余の
方々
をどうするかという点などは、もう少し
皆さん
にお考えを願いたい。 そうすれば、国際興業のバスのほうの四種の関係はそれなりのおさまりがつき、軍港湾関係はそれなりのおさまりがつき、さてメスホール、先ほどの八百六十八名の
方々
の問題をどうするかという、そういう個々の処理のしかたをし、将来に向かっては制度に乗せるべく法的根拠をつくる、こういうふうに処理をしていけば問題は片がついていくと私は思っているわけなんですが、その軍港湾の残る
方々
等について、運輸省の高橋参
事官
とも何べんか御相談したこともあり、道正さんお見えになっておりますが、労政
局長
以前の安定
局長
時代にいろいろお願いしたこともあるわけでありますが、そこらについて
お答えおき
をいただきたいわけでございます。
加藤孝
68
○
加藤
説明
員 いま
お話
ございましたように、六百五十名の方は琉球港運という形で以前の仕事にまたおつきになる、こういう形で帰趨がはっきりしたわけでございますが、残りの方につきまして、当然その次の就職の場所をどうするかという問題が御指摘のとおり出るわけでございまして、いまその再就職対策に、例の沖繩失業者求職手帳という三年間の促進
手当
を出しながら職業相談、職業指導を続けていく、こういう制度を使いながらあっせん先を懸命にさがしておる、こういう
段階
でございまして、現時点では沖繩通運等へ約二十一名の方の就職がきまったということでございまして、なお他の港湾業者に対しても、いま懸命の求職対策を行なっておりまして、ある程度の就職は可能でございますが、率直に申しまして、全員の再就職をここしばらくの間で全部片づけるというような情勢にはございません。今後のこれらの方の再就職については、いまお示しのような全体の計画の中でこの再就職計画を強力に
実施
できる体制を固めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
大出俊
69
○
大出委員
昨日も、きょう運輸省の高橋参
事官
お見えになっておりますが、お願いをいたしまして、労働省との御相談等をお進めいただくようにお骨折りをいただいておるわけでありますが、どうかひとつ、これはたいへんきめこまかくやっていかなければならない問題でございますから、そこらは、さっき
総務長官
がおっしゃっておりますように、中心的にどなたがという点を、これは
長官
、たいへんでも、この
業務
課長
なら
業務
課長
の窓口で、安定
局長
がバックアップするなり労政
局長
がバックアップするなりでやるならやると、政治的に問題をというなら
総務長官
のところでお引き受けいただくということで、少し回転が早くなるようなそういう御連絡をいただいて、それへ乗せていくというふうに、これはぜひひとつ軌道に乗せていただきたいんですよ。 いま幾つか論点を申し上げましたが、そういうことで、たまたま現地からも代表をなさる
方々
がそれぞれお見えのようでございますから、できるだけひとつ、おいでになっておられる期間の間に精力的にお進めをいただいて、一日も早く現地で御家族をおかかえになっている
方々
に安心して
生活
をしていっていただけるような御
措置
を願いたい、この点を最後にいまの点については申し上げておきたいわけであります。
坪川信三
70
○
坪川国務大臣
全く政治的の
立場
からも、また
事務
的な
立場
からも、いまそれぞれ申されました点な
ども
含めましてひとつ推進いたしてまいりたい、こう考えております。
大出俊
71
○
大出委員
簡単に承りたいんですが、
公務員
制度
審議
会が素案をお出しになっておりますが、
総務長官
並びに労働省の
皆さん
に承りたいんですけれ
ども
、進行中だから、九月三日の任期でもこれあり、
公務員
制度
審議
会の動きを見守るという
お答え
が出てくるのではないかと思うのです。思うのですが、どうもそういうわけにまいらない
事情
にございます。騒ぎが起こりそうな感じでもございます。したがって、基本的にどうお考えかという点を承りたいのでございますが、
公務員
制度
審議
会というものは、どういうことでできた
審議
会でございましょうか。
皆川迪夫
72
○皆川
政府委員
これはもう先生御案内のように、ILOの条約批准に伴いまして、日本の労働関係の基本的なあり方の問題をどういうふうに
措置
したらいいだろうかということで、当時、
国会
の中のいろいろな議論を受けて設置されたわけでございます。
大出俊
73
○
大出委員
私、三十八年当時、ILO特別
委員会
の
委員
をいたしておりまして、議論に参画をいたしました一人でございますが、かつまた、田中現総理大臣が私の首を切りましてから、三十四年の五月にILOに私自身の問題を含めて提訴をいたしましたのが発端でございまして、百七十一号事件でございますか、結果的にドライヤー氏の
調査
団が日本に参りまして、その後ジュネーブでいろいろ聴聞等が行なわれまして、ドライヤー
勧告
が出た。この中でストライキ権の問題が
一つ
中心でございますが、
公務員
制度
審議
会がそれを扱うべきである、こういうことでございまして
公務員
制度
審議
会が発足をした。八年ばかりになるわけでありますが……。それだけに、数々ILOという場所で論議をされたものをこの
審議
会が
一つ
の整理をして、日本の労使関係、特に
公務員
における労使関係というものを、信頼の回復等を中心にして決着をつけなければならぬ、そういう責任があると私は思っておるわけであります。 そこで、結論としてストライキ権等の問題が何ら前進を見ないということになるとすれば、つまり、国鉄なり、あるいは全逓なり電通なりというふうなところに、このストライキ権が返ってこないままで過ぎてしまうとすれば、やはりそれでもストライキはこれらの団体は打つわけであります。そうすると、今日
法律
上、裁判上問題になっておる法体系のままで依然としてストライキは続いていくということになる。これはILO
調査
団が
報告
した中身に相反する。そうだとすると、これは制度
審議
会は
審議
会として、
政府
の
立場
としてドライヤー
勧告
を当時のんだわけでありますから、時の総理大臣以下。労働大臣は石田博英さんでございましたが……。そこで、使用者としての
政府
と労働者側との定期的な会談まで行なわれるようになったわけでありますから、のんだ趣旨に反することになる。そういう
意味
で、
政府
は一体どういうことをこの
審議
会に期待をし、どういうことをこの
審議
会に対して諮問をしたかという、つまり諮問をし何を期待したかということ、そこの点がはっきりしないままに過ぎていったんでは、私は、何年この
審議
会をやってみたって
意味
がないことになる、こう思っているわけであります。だから、そこのところをまずもって、これは所管の
総務長官
に明らかにしていただきます。それでもしぐあいが悪ければ、道正さんお見えになっておりますから、新労政
局長
の
立場
で——今度は首切られたのを相手にするのじゃないですから、道正さんは。労政なんですから、そちらの
立場
でひとつ
お答え
をいただきたいと思うわけであります。
坪川信三
74
○
坪川国務大臣
公務員
制度
審議
会は、先ほどから御指摘になりましたごとく、
昭和
四十年十月以来、第一次、第二次、第三次と、長い三次にわたる
審議
会の場においてそれぞれ真摯な協議が続けられておったようなわけであり、第一次、第二次の答申等も御
承知
のとおりでございます。
政府
といたしましては、この第三次のいよいよ最後の場を迎えてきておるような次第で、私も、御
承知
のとおりの二十七日の公益
委員
側の素案といいますか、こうした点も新聞を通じて拝見もいたし、知悉もいたしておるような次第でございます。 しかし、いよいよ三十日にこの公益側の素案を中心にして、労使との間にそれぞれの場をもって協議、懇談がされるというようなことでありまして、その懇談の結論によって最後的な答申をされるというような
状況
で、非常に重要な
段階
に入ってきておるのでございますとともに、三十日の労使の各意見等もそれぞれ出るであろうというこうしたときに、
政府
といたしまして、かくあるべきであってほしいとか、あるいはかくあるべき結論を望みたいとか、あるいは
政府
といたしてのこれに対するところの態度を申し上げるということは、せっかく御
審議
を願っている公正、中正な第三者機関の公制
審議
会を冒涜するものでもございますので、私はいま、謙虚にその推移をながめておるという姿での明鏡止水の気持ちでおることを、ひとつ御了承願いたいと思うのでございます。
大出俊
75
○
大出委員
総務長官
が明鏡止水でいるうちに、労使、公益いずれもばらばらで何もまとまらなかった、そうすると、ドライヤー
勧告
を受けた日本
政府
の
立場
から見て、またまた
公務員
制度
審議
会は何にも結論が出なかったということで、明鏡止水でおいでになるうちに、
公務員
における労使関係は何も前進しない、いままでのいろんなこの複雑な形がそのまま残る、こういう結果になる。そのことをあなた方は、そのほうがいいとお考えなんですか。
坪川信三
76
○
坪川国務大臣
基本的な私の気持ちはさっき申し上げましたとおりでございますので、いま予想の上に立って、想像の上に立って、その期待感なり予想感を申し上げることはいけないというような気持ちである私の心境は、賢明な
大出委員
、ようおわかりじゃないか、こう思いますので、ひとつお察し願いたいと思います。
大出俊
77
○
大出委員
もう
一つ
だけ、くどいようですが承っておきますが、だとすると、私はいま、ばらばらで結論が出ない、それでは労使関係は複雑な形のままで将来とも残ってしまう、ILOのドライヤー
委員会
が期待したものでない結果になってしまう、明鏡止水だと言っているうちにそうなって、それでいいとあなたはお考えかと聞いたら、明快な
大出
さん、あなたはお察し願えると思うとおっしゃるんだから、そうだとすると、ばらばらになっては困る、やはりまとまって結論が出て、ILOがドライヤー
委員会
を通じて
報告
をし、かつ
勧告
を日本
政府
がお認めになった、おのみになったたてまえからすると、この複雑な労使関係というものの
改善
が、相互信頼を前提にして生まれてこなければならない、そのためには
一つ
の結論が出なければ困る、こういう筋道になるはずなんです。結論を求めたいという気がおありになるのじゃないですか。
坪川信三
78
○
坪川国務大臣
私はいま
大出議員
に、賢明な
大出委員
でありますからよくお察し願いたいということは、もう結論が予想された上に立っての
大出委員
の願望の線によってこれがなされるものであるということで、賢明な
大出委員
の御推察にまかせると、こういうような気持ちで申し上げたことではないことはひとつ御理解願っておきたい。いわゆる
政府
はこうした姿でおることが一番正しいという
立場
である
事情
、すべてを御理解願える
意味
において賢明な
大出委員
の御推察を願いたいと、こう言ったことでございますから、その点、非常に大事な問題ですから、誤解のないようにひとつお願いしたいと思います。
大出俊
79
○
大出委員
いまの一番最後の、話の途中まではそうかと思って聞いていましたが、一番最後、一言違うですな。つまりみんな違うですな、そうなると。 そこで、これはいろいろな話が流れてきて耳に入るので、これは田中総理がどう言ったとか、日本列島改造政策で国鉄だけは認められない、国鉄だけはどうしてもだめだ、こう田中総理が言ったんだってね。それぞれその衝に当たる、ここにおいでになる
皆さん
が、いろんなことをいろんな人に言うもんだから、これは耳に入ってくる。いや、国鉄だけと言ったのじゃないんだ、国労と全逓なんかもひっついているんだなんという話が出てきましたりね。つまり
政府
のほうで、いま
総務長官
はそういう言い方、逃げ方をするけれ
ども
、陰のほうでどうもそういう話がやたら伝わっちゃったのじゃ、穏やかじゃないのです、これは。 そこでこれは、ここにおる人をつかまえて、陰で言ったことをものを言う気はありませんが、そこでひとつ結論を出しておきたいのでありますが、公益
委員
が何人もおいでになりますけれ
ども
、この中でつまり非現業と現業に分けまして、現業にはストライキ権を回復すべきであるという意見を吐いておられる方が今井さん、山内さん、石川さん。これは石川吉右衛門さんですが……。有泉さん、氏原さんというような
方々
は態度を明らかにしておられる。三宅さんなり斎藤さんなりという
方々
は、少し違った意見をお吐きになっている。会長の前田さんは何も言わない、こういうかっこうであります。したがって、公益側の大体のこの雲行きは、あなた方はおわかりになっているはずなんですね。 そういうわけで、私は時間の関係もありますから結論めいて申し上げますが、この際、長年やってきたのですから、公益側の良識に従ったもののまとめ方を、
事務
局は皆川さん、あなたのところなんだから、この辺でおまとめになる気におなりにならぬのかということを承りたいわけですよ。あなたが最後のところをちょっと変えなければそれで済むんだけれ
ども
、変えるから……。
坪川信三
80
○
坪川国務大臣
非常に関心を深く持っておられ、また、それぞれの
立場
での
内容
についての御勉強と、また関心を深くされておられる
大出議員
のただいまの御発言、また、いろいろの揣摩憶測を通じての情報の意見をまじえての
お話
等、十分
大出議員
の御意見としてお聞きいたしたわけでございますが、
政府
といたしましては、また担当大臣の責任大臣である私といたしましては、全く純正な
立場
で心境を明鏡のごとくいたしながらこれの推移をながめておるということで、ほんとうに賢明な
大出議員
、ひとつお許しを願いたい、こう思います。
大出俊
81
○
大出委員
えらいどうも賢明賢明言われちゃいましてね。これは賢明賢明と言われますと、私のほうも少しくすぐったくなってくるのですが、この中に
一つ
だけ、
人事院総裁
、
総務長官
両方に関係があるのですが、締めくくりでございますが、素案の中に「
国家公務員
の
給与
については、当分の間、
人事院勧告
制度によるものとするが、その基礎となるべき
調査
等に、
職員
側および当局側の意見を聴く制度を設けるものとする」、こうなっているのですね。これは
総務長官
の所管でございますから承りますが、ILOのいう代償機関というものの言い方がございます。しかも完全な代償機関。そういう
意味
で、日本の
公務員給与
というもの、ストライキ権か代償機関かというILOの論法からいきますと、完全な代償機関という
意味
にはほど遠いという見解をILOは何べんか発表しております。公平審理その他の制度までかかえている
人事院
でございますから、これは制度的に言っているので、属人的にものを言っているわけではない。そういう
意味
で私は、やはり総合
較差
問題などがここで少し変わってきている
段階
で、
公務員
の
賃金
判定の機関というふうなものはあらためて考え直すべきときに来ている、こういう気がする。たまたま素案の中でも「当分の間」といっている。「当分の間、
人事院勧告
制度によるものとするが」、こういっている。つまり「基礎となるべき
調査
等に、
職員
側および当局側の意見を聴く制度」——制度ですね。こういう素案が出ている。 いままで長い論議を何べんか
人事院勧告
をめぐってしてまいりました。
総務長官
の
立場
で、ILOのいうところの代償機関というもの、
人事院
という存在、制度的にこれをながめて、いまの点が完全な代償機関であるかないかという
問題等
含めまして、私は新しい
公務員
の
賃金
の判定の機関というものは、外国にも例がありますが、別につくる筋合いではないかという気がするのでありますが、そこのところをどうお考えになりますか。
坪川信三
82
○
坪川国務大臣
非常に重要な
問題点
にお触れになっておられ、御質問を受けておるようなわけでございますが、公益
委員
側のそうした素案というものの正式な
報告
なり、あるいは正式な情報を私は受けておりませんが、いまの
公務員給与
の第三者機関である、公正な
立場
に立って、科学的な基礎の上に立って
勧告
される
人事院
制度というものは、私はもう、りっぱな機能を果たしつつあるという期待と、またその事実を肯定いたしまして、いま私は、想像の上に立ってのこれらに対するところの別な
考え方
は、申し上げる気持ちもありませんし、申し上げる
段階
ではない、こう思っております。
大出俊
83
○
大出委員
あなたの
考え方
だけ承っておきまして、あらためて問題を提起いたしたいと思います。 最後に
週休
二日制問題で
総裁
この
報告
をお出しになっておりますね。長い
報告
でございますから、中身に多く触れませんが、五十年、こういうことなんでございますが、
人事院
としては、この表現ではかりかねる面がございますから承るのですが、これからどういう手順をお考えの上で「
週休
二日制の
普及状況
については顕著な進展がみられ、
実施予定
の
事業所
をも加えると、
昭和
五十年中にはおおむね半数の
事業所
が何らかの形の
週休
二日制を
実施
することとなることが明らかとなった。このような
状況
にかんがみ、
職員
についても
週休
二日制の採用を考えるべき
段階
に達したものと認められる」。この限りは
週休
二日制をやろうということなんですね。「本院としては、
行政サービス
の維持その他諸般の
事情
に留意し、
関係機関
とも連繋をとりつつ、当面
昭和
五十年
実施
を目途としてその
具体化
についての
検討
を進めることとしたい」。五十年
実施
を目途としてやろう、そういう前提にお立ちだと理解してよろしゅうございますか。
佐藤達夫
84
○
佐藤
(達)
政府委員
いまお読みいただいたとおりの
報告
文でございまして、もう
実施
を考えるべき
段階
に達したということは一番の前提であります。ただ、
実施
の準備といいますか、研究は前々からずっとやってきたわけでありますけれ
ども
、では、めどをどこに置くかということは当面の
一つ
の標準として考えられることなんで、それには、
民間
の大体
予定
をも含めて考えますと、
昭和
五十年にはもう半数にはなる、いわんや
従業員
数でいったらもっと大きなパーセンテージになりはしないかということからいって、やはり
昭和
五十年というめどは、これは適正なめどであろう。そういうめどのもとに、これは
人事院
だけで独走できることではございませんから、各省と緊密な連係をとりながら
努力
を続けていきたい、そういう意気込みを示したと御了解いただいてけっこうでございます。
大出俊
85
○
大出委員
私はかつて、郵政省の日曜の郵便配達を廃止をするという運動を続けて、西ドイツの例な
ども
参考にしながらやってまいりましたが、これは定員をふやさないでやるとなりますと、たいへん単位時間内の労働密度が高くなる、こういう結果が生まれます。そうすると、やはりそこに至る間の、私がかつてこの席上で
提案
いたしました、私以下数名の、
週休
二日制に関する四十九年度からといろ
提案
をしておるのですけれ
ども
、そこらのところをある
意味
のサンプル
事業所
等をつくって詰めてやっていきませんと、特に交代制、
週休
制の
方々
等の場合などは非常に複雑な研究が要ります。郵便物を日曜日配達しませんから、月曜に回る。局幅等によっては非常な違いが出てくる。それをどういうふうに具体的に繰り回していくかということはたいへんな
努力
が実は要るのです。ただ単にこれは五十年目途というだけではないと思いますけれ
ども
、そこらのプロセスをどういうふうにあなた方のほうとしてはこれからお進めになるかという点、ここらを少し表に出してものを言っていただきませんと、こういったからといって、なかなかそうかというわけにまいらぬ面がございます。そこらのところをこれからどういうふうな手順で
皆さん
はお進めになるか。 たとえば各省ごとに
検討
をさせてみて、五十年から土曜、日曜の休み、こうなった場合に、こういう職場はどうなるかといろ、そこらまで
人事院
のほうでものを言って、たとえば気象庁なら気象庁というのはどうなるのだ、富士山頂レーダーというのはどうなるのだというぐあいにあげていかないと、なかなかこれは前に進まない、各省に預けただけでは。そこらのところまでこれは御配慮いただかないと前に進まぬと思いますから、そこらはどういうふうにお考えか、お聞きしたい。
佐藤達夫
86
○
佐藤
(達)
政府委員
これはなかなか各職場の違いがございますし、むずかしい問題でありますことはもう
承知
の上で、いまおっしゃるような点もずっと表をつくりまして、どこどこ省のどういう職場というようなことの目星をつけて、これは
総理府
でも非常にお力添えをいただいておるわけですが、われわれもそれと一緒になって各省各庁と緊密な研究
検討
の場をつくって、いますでに積み重ねておるわけであります。それにしても、五十年くらいの目途を立てておきませんと、とても励みがつかないだろう、非常に率直な言い方をしますとそういうこともあって、そういう目途をみずから定めながら大いに
努力
をしていこう、こういう気がまえでおります。
大出俊
87
○
大出委員
あわせてひとつ、これは労働省もおいでになりますが、余暇施設というのは国際的にも非常に大きな問題であります。
週休
制がだんだん二日制に移行する過程で、国としてどういうふうに余暇を利用する施設というものを考えるかという点、これな
ども
、今度の休みなんかもたいへんな交通混雑を重ねているわけでありますから、そこらも含めて大きな
意味
での政策が必要であろうと思いますが、そこらは
総務長官
どうお考えでございますか。
坪川信三
88
○
坪川国務大臣
週休
二日制にする
人事院
の
勧告
もいただきました
政府
といたしましては、先ほど申しましたように、直ちに閣僚協を開きまして、そして基本的な
方針
をきめ、完全
実施
、四月一日から行なう、しかも今
国会
に
提出
するという原則を打ち立てました。その際、私が
総務長官
という責任担当の
立場
から声明を出さしていただいた。そのときにも声明にうたっておりますがごとく、
週休
二日制という問題については非常に重要な問題であり、
民間
の動向等も十分洞察、勘案する必要もあるので、これらを踏まえながら、
週休
二日制に対する閣僚協議会の場において前向きで進めていこうという声明を出して、ごらんいただいたとおりでございます。 したがって、いま御指摘になりましたレジャーの施設、受け入れ体制、その
実施
に対する具体的な問題、これが私は一番重要なことでもございますので、
関係閣僚
間で、そうした論議も
関係閣僚協議会
の場においてかわされてもおりますし、全く重要な
大出議員
の御意見、そのとおりと思いながら、
政府
はこれらの万全の対策を講じ、その
内容
を
検討
いたしながら、
人事院勧告
の
方針
をそんたくいたしながら進めてまいりたいと、こう考えておることを御理解願いたいと思います。
大出俊
89
○
大出委員
予算的に、今度の
給与
を
実施
いたしますと、国、
地方
含めましてどういうふうにかかりますでしょうか、数字をお述べいただきたい。
田中敬
90
○田中(敬)
政府委員
人事院
の
勧告
に基づきます
給与改定
の所要
財源
は、
一般
会計で約三千七百七十九億円、特別会計で八百八億円、合計で四千五百八十七億円となりますが、
一般
会計の中には特別会計への繰り入れ分も含んでおりますので、これを純計いたしますと、差し引き三千九百七十一億円が必要ということになります。
大出俊
91
○
大出委員
地方公務員
のほうはありますか。
田中敬
92
○田中(敬)
政府委員
地方公務員
につきましては、所要額約四千八百余億円と計算されております。
大出俊
93
○
大出委員
どうも長いことありがとうございました。
三原朝雄
94
○
三原
委員長
午後二時二十分より
委員会
を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時十三分休憩 ————◇————— 午後二時二十二分
開議
三原朝雄
95
○
三原
委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。
公務員
の
給与
に関する件について、質疑を続行いたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大石千八君。
大石千八
96
○大石(千)
委員
春闘の大幅ベースアップに伴う
官民給与
の均衡をはかるという
意味
合いもございまして、今回一五・三八%、定期昇給も含めれば一八・三八%という大幅な
公務員給与
のベースアップの
勧告
があったわけでございます。これは当然、
国家公務員
というものが国民の
生活
を守る、国民の奉仕者であるという特殊な職業にありながら、国民の一人という
意味
においては何らほかの職種に携わる人たちと変わりないという
意味
合いからいいましても、その
職務
の重大さはともかくといたしまして、ベースアップを受ける国民の権利を持った一人ということは、当然これは論をまたないことでございまして、この
勧告
というものは非常に評価を高くしていいものではないかと思います。 しかし、その間におきまして、
給与
の
改定
、べースアップというものが、
民間
におきまして、最近の
経済情勢
の非常にきびしい中で、激動の中で耐えるという、労働者一人一人のきびしい戦いがあるわけでございます。その間におきまして、当然生産性向上というノルマを課せられて、きびしい労働条件、そして能力の評価を受ける、そういうような中にありまして、
民間
の企業に働く労働者は
精一ぱい
の
努力
をしているわけでございますけれ
ども
、単に
官民
平等という論を
給与
の上であらわすのは簡単であると思いますが、やはり生産性という
意味
におきましても、
公務員
の場合、
民間
に劣らぬものでなくてはいけないというふうに考えるわけでございます。 その点、
総裁
も談話の中で「
公務員
の
勤務
の密度及びその質においていささかも
民間
のそれに劣るとの批判を招くことのないよう、全体の奉仕者としての使命感に徹しつつ、厳正な紀律の下に行政能率の増進とサービスの向上に一層精励されることを強く要望したい」、このような
勧告
の声明を出されております。この
勧告
の
総裁
の御意図が十分に徹底されるように望むわけでございますけれ
ども
、現在の生産性という見地からいたしまして、
民間
と
公務員
を
比較
いたしまして、
総裁
はどのように見ておられますか。非常にむずかしい問題もあると思います。生産性という
比較
がむずかしいとは思いますけれ
ども
、そのあたり、率直な感想、所感をお聞かせ願いたいと思います。
佐藤達夫
97
○
佐藤
(達)
政府委員
きわめて適切な御指摘であると拝聴いたします。もちろん、いまおことばにありますように、生産性ということ自体から
公務員
の仕事をとらえるということは、これは職場にもよりますけれ
ども
、非常に困難なことで、生産性云々を尺度にすることは、これはちょっとむずかしいと思いますけれ
ども
、それにいたしましても、前段のおことばにありましたように、
給与
を
民間
に比べているならば、その
勤務
の密度なり質なりが劣るということでは、これはもう申しわけの立たないことだ、それが一番の眼目だと私は思います。 したがいまして、たまたまお目にとまりました談話も発表いたしておりますし、私
ども
としては、たとえば各省の
公務員
を集めてのいろいろな形の
公務員
の研修がございます。それから、
人事院
では毎年一回各省の人事主任官を集めて、私も直接出て打ち合わせをやるような
機会
もございますので、そういうような際は、すかさずできるだけ私が繰り合わせて出てまいりまして、とにかく
公務員
生活
四十五年の大先輩の言うことだ、ぜひこれは聞いてくれというわけで、いまのような私の感じておりますところを切々と訴えてきておるわけですが、ただ
公務員
一般
に、世間からはいかにも全体がなまけているように見られているのは、またこれは私
ども
として非常に残念なことでございまして、大部分の
公務員
はまじめにやっておりますし、ことに職場によりましては、ほんとうに昼夜をあげず仕事に忙殺されて、健康を心配せにゃならぬというような職場もあるくらいなんです。
民間
の
方々
には私
ども
はそういう点も強調して、決して
公務員
がみななまけているということは絶対にないということと、かたわら、しかしこういう世間からの目はきびしいということを部内には訴えているということで、これからもさらにまた
努力
を続けていかなければならぬと思いますけれ
ども
、私はそれを
一つ
のキャンペーンと心得て、従来もがんばってまいりました。今後もそのつもりでおります。
大石千八
98
○大石(千)
委員
ちょっと
長官
にお聞きしたいと思いますが、これは非常に広い範囲の問題になりますので、一がいにいまここで即答はいただけないかもしれませんけれ
ども
、行政機構というような面で、やっぱりフルに
公務員
の能力が発揮できるようなシステムというものが必要じゃないかと思います。特にアメリカなどにおきましては、個人の能力を最大限に発揮するようなシステムがうまくしかれているというふうに聞きますし、たとえばキャリアシステムといったものを
導入
されているといったような話も聞きまして、終身職制といいますか、そういうような、仕事をしていく上でも
一つ
の張りを持ってもらう、そしてまた自分の能力が十分に発揮できるのが目に見える、こういうことが職場に
一つ
の活を入れるという
意味
でも大事なことじゃないかと思いますが、なかなか端的には
お答え
になりにくい問題かと思いますが、そういう面も含めまして、現在の
公務員
行政ということに関しまして、能率的な面で、
総裁
同様、大臣の所感をお述べいただきたいと思います。
坪川信三
99
○
坪川国務大臣
大石
委員
の適切な御質問でございます。私も
地方
の市長などをいたしておりますと、
地方
の行政部門において、市長さんなりあるいは町長さんなりが、新たなる
一つ
の行政能率の増進をはかるという角度から、あらゆるシステム、また
考え方
を持たれまして、市民へ、あるいは
地域
住民への奉仕の場をいろいろの面で改革をやっておられる。私は深く敬意を表し上げておるような体験も持っておるのでございますが、中央の
国家公務員
の
立場
から考えての行政の
事務
の刷新、能率の増進、また国民への奉仕の場の大事な職場というものの刷新というものは、新しい時代の英知と感覚の上に立ってこれに取り組むべきである、こういうような気持ちも持っておりますので、そうした面から、
給与
担当の
立場
ではございますけれ
ども
、各省との人事担当の関係者
会議
等もありますし、あらゆる
機会
を通じて、私は、そうした新たなる新機軸を打ち出しましての、国民への公僕としての職責を果たし得るような姿の職場に極力変えていく
方針
のもとにおいて行政指導をとっておるような次第でございますので、大石
委員
御指摘の点は全く共感をともにする
立場
であります。
大石千八
100
○大石(千)
委員
ますますそのようなことに、何よりわれわれも期待するのでございます。一そう大臣はじめ
総裁
の気持ちが
公務員
に徹底いたしますように希望いたしまして、次の質問に入りますが、こういう大幅なベースアップの
勧告
を出され、しかもことしはたいへんな諸物価高騰ということもありまして、早期に実現を
実施
されるということは、
公務員
はもちろん期待していることでございましょうし、それがまたふさわしいことであると思います。先ほど午前中の
大出委員
の質問にもそれはございましたので割愛をさせていただきますが、これからのことになりますと、いままでですと
勧告
がかなり時期的におくれていた、ことしはいろいろな諸般の情勢もあって早められたということで、
勧告
が出たばかりで来年以後のことをお聞きするのもどうかと思いますけれ
ども
、やはりこういう慣行というものはこれからも守られたほうがいい。ベースアップが四月にさかのぼるのに、一月、二月ぐらいから実際に給料が上がるのでは、これはベースアップの恩恵に浴する時期があまりにもおそ過ぎるという面からいいましても、ことしのようにこれからも早められるということがいいのではないかという気もいたしますが、その辺のところはいかがでございましょう。
佐藤達夫
101
○
佐藤
(達)
政府委員
ことしは、先ほどの
お話
に出ましたように、若干早く
勧告
申し上げることができましたし、また、たまたま
国会
再
延長
で
会期
中にありますものですから、これで一安心ということもありますけれ
ども
、来年以降、
国会
の関係等がそういうふうにうまくいくかどうかということがひとつ一番大きな条件でございまして、
例年
でございますと、通常
国会
というものはもっと早く終わってしまう。それに間に合わせるために一体どうしたらいいかというのは一番むずかしい問題でございます。私
ども
非常に精密な
民間
給与
調査
をやっておりますものですから、したがってその
調査
の集計そのものがどうしても若干の日を食ってしまうわけで、それからスタートをして何とか結論にこぎつける、そこのプロセスの問題は、実は率直に申しまして、これからの
一つ
の大きな研究課題だと思います。
民間調査
を非常に簡略化してしまうというようなことをすれば、それはまたそれで考えられますけれ
ども
、いままで
人事院勧告
が各方面の御信頼を得てまいりましたのは、きわめて精密な
民間
企業の
調査
の結果、それとの
較差
を求めての
作業
であるということにありましたし、その信頼性を犠牲にするということになると、これまたなかなかたいへんなことになりますので、そことのかね合いの問題を目下、来年のことだとおっしゃいますけれ
ども
、ほんとうにわれわれとしてはいまから苦慮しておるのが実際でございます。いまここで、こういう名案がございますというところまで
お答え
する
段階
には行っておりません。
大石千八
102
○大石(千)
委員
たまたまことしは
延長
国会
、
国会
の
会期
が二度
延長
されましたけれ
ども
、その辺の見通しをつけて早く出されたということもあるわけでございますか。
佐藤達夫
103
○
佐藤
(達)
政府委員
見通しをつけてということも、それは
国会
の御
審議
権をこっちがまた憶測をしてということになりますから、そういうことはなかったと申し上げるべきだと思います。むしろ初めの話の発端は、七月二十七日ですか、最初の、あれに何とか間に合わせられないかという話からスタートをして、それから大いに馬力をかけて、その結果こういうことになった、現実はこうなりましたと申し上げるのが一番すなおな
お答え
のしかたじゃないかと思います。
大石千八
104
○大石(千)
委員
次に、
週休
二日制を五十年をめどに
実施
したいという回答を、
給与
以外のこととして今回は特別な
勧告
を出されたわけでございますけれ
ども
、先ほ
ども
お話
にありましたように、
民間
の
週休
二日制の進行のぐあいと兼ね合わせまして、これからいろいろむずかしい問題が出てくると思います。しかし
週休
二日制ということを
公務員
のほうでやるとなれば、かなりの
一つ
の社会的な
基準
ができるという
意味
からも、逆の
意味
で非常に重要な問題をはらんでいると思います。 そこで、
民間
との
比較
においてもそうでございますけれ
ども
、
公務員
の中で、実際に
週休
二日制を完全にすべて
実施
することができるかどうかという問題も派生してくると思います。特に、
交代制勤務
者は官執
勤務
の
方々
に比べて、労働条件でも現状に照らし合わせて非常にむずかしい問題があると思いますけれ
ども
、五十年をめどにというそのことを、もう少し具体的に言っていただけたら、全部がはたして
適用
になれるのかどうか。職種によってはなかなか実現が不可能だと思いますが、その辺をお伺いしたいと思います。
佐藤達夫
105
○
佐藤
(達)
政府委員
大きく
週休
二日制と申しておりますけれ
ども
、実は
民間
の
調査
の結果によりますと、いわゆる毎週二日というような厳格な
週休
二日制をとっている
事業所
は、まだ残念ながら非常に少ないのでございまして、大体一カ月に何回とかというような変形のものが日本の現状としては大部分であります。したがいまして、われわれがこれに取り組みますについても、初めは完全な
週休
二日制ということは無理じゃないかという懸念を持ちながら、できる範囲でという幅広い態度で立ち向かっておりますけれ
ども
、いずれにせよ、いま御指摘のように、
交代制勤務
のきびしい場所その他、職場によって非常な窮屈な職場がございますので、これは先ほど来も申しましたように、その
省庁
の
方々
と額を集めまして、何とかその辺をじょうずなやりくりによってカバーできないかと考えております。 実はよけいなことを申し上げますけれ
ども
、従来、刑務所その他においては、
交代制勤務
で五十一時間という労働時間でやっておるきびしい職場がありました。これはそのままほっといて
週休
二日制も何もあったものじゃないというわけで、われわれ死にもの狂いになりまして、それをせめて四十八時間に押えようじゃないかと、当局者と鳩首協議してやっと何とか形をつけることができましたので、そのような意気込みで
努力
をしていけば、いまからもうさじを投げて、だめでございますというのは早いだろう、できるだけ粘って、何かいい方法を探りたいというのがほんとうの気持ちでございます。
大石千八
106
○大石(千)
委員
それから、
週休
二日制という問題、一応
給与
以外の労働条件に関する
勧告
も出されましたということで、それにからんで、ちょっと別の観点から
公務員
の雇用制の問題に関してお伺いしたいと思うのですけれ
ども
、
民間
では、五十五歳という定年制が設けられてからもうずいぶんたつのですが、実際には五十五歳定年制がまだ多い。しかしそれが少しずつ
民間
企業のほうでは延びてきている。五十八歳になったり、あるいは六十歳ぐらいになっている企業もぼつぼつ出てきているように思うのでございますが、
国家公務員
の場合は、定年制はないとはいえ、一応ある程度の線を引かれているという現状にもあると思います。これはどなたでもけっこうですが、現状としては、
国家公務員
の場合、何歳ぐらいで退職する方が多いのでございますか、年齢構成をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
茨木広
107
○茨木
政府委員
公務員
の場合には、御案内のように一応いわゆる定年制というような形のものは
法律
上はないわけでございます。一部のものについてはございますけれ
ども
、大半はございません。それで各省まちまちに勧奨退職と申しますか、いわゆる肩たたきといわれるものをやっておるような実情でございます。退職の実情を見てみますと、五十五歳から五十九歳あたりのところが毎年二千人前後、それから六十歳以上六十四歳のところがやはり同じような程度。それからあとずっと少なくなりますけれ
ども
、五十五歳から六十歳、六十五歳あたり、その辺のところが多いことは間違いないわけでございます。その辺をめどに各省が肩たたきをやっておる。御案内のように、大体行(二)の関係でございますと六十歳以上、それから行(一)のほうの方でございますと五十五から六十歳の間、役職になりますと少し早い、そんなことで、やむを得ずこんなかっこうをとりながら新陳代謝をはかっておる、こんな実情でございます。
大石千八
108
○大石(千)
委員
だんだん時勢というものに反応して、自然にそういう雇用問題も流れていくという面はあると思いますけれ
ども
、実際問題としてこういうことをある程度きちんとしておく必要があるんじゃないかとも考えられます。たとえて申しますならば、勧奨、
勧告
を受けて天下りをする例が相変わらず多いんじゃないかという批判もあるわけでございまして、そういうような誤解を受けないようにするためにも、ある程度定年制というものを考えるとか、安心してある年齢までは十分にその能力を
公務員
として発揮することができる、そういう制度をつくるとか、いろいろ世間の誤解を招かないためにも、あるいは
公務員
としての
職務
を十分に発揮するためにも、そういう制度の再
検討
というものも必要じゃないかと思うのですけれ
ども
、今回の
勧告
にはございませんが、そういうことをお考えじゃございませんでしょうか。
佐藤達夫
109
○
佐藤
(達)
政府委員
これは、いまおことばにありましたように、
人事院総裁
が天下りということばを使うわけにはまいりませんけれ
ども
、そういうような世間でいわれているようなことに関連していつも考えさせられることでございますが、第一、せっかく
事務
次官になった優秀な人が、一年やそこらでやめてしまうというのはもったいない話じゃないかということは、どなたにもお気づきのことだと思いますけれ
ども
、さてそれを引きとめる方法となりますと、定年制はその引きとめる方法の役には立たないわけですね。何年までつとめろという
意味
は全然ありませんから。何歳になったらやめろという
意味
しかないものですから。そうなりますと、やはり結論は人事の運用の問題になりはしないか。 運用の問題になりますと、大ぜい待機をしている、後輩がずっと順番を待っておりまして、早く次官があかないか、おれは何年目にはなれるはずだというような計算を、非常に素朴な言い方ですけれ
ども
、そういう
意味
で待ちかまえておる部隊がまたおるというようなことから、新陳代謝という面で
公務員
に励みを与えるという作用もまた考えねばならぬということで、そこのかね合いを一体どういうふうに持っていったらいいか。私
ども
のいままで考えましたところでは、制度でそれを調整するということはおそらく困難ではないかというのが結論でございます。したがいまして、制度を離れての
一つ
の運用の妙のほうで適当な方法はないか。これはもちろん人事局の所管にもわたりますので、
総理府
とやはり
検討
しなければならぬことだと思いますけれ
ども
、問題の焦点は、どうも制度の問題ではないような気がするというのが率直な
お答え
であります。
大石千八
110
○大石(千)
委員
確かに新陳代謝を求めるというのも、仕事に、そして職場に活気が出てくるという
意味
で非常に大事な問題だと思います。一がいに六十歳まで高級
公務員
として職を全うされるということでなくて、諸外国などでも、ある年齢に達すると要職を退いて、しかしその中において別の職場でその経験を生かして六十歳なら六十歳、六十五歳なら六十五歳まで働くというようなシステムを取り入れているところもあるようでございますが、そういう方法な
ども
お考えいただいて、あくまでも、
公務員
というものが意欲に燃えて、その使命観のもとに国民に奉仕できる、サービスできるような職場をつくっていただきたいと思います。 いろいろベースアップ問題ということになってまいりますと、
一般
公務員
の方だけでなくて、先ほど言われましたが、指定職の
方々
、あるいはわれわれ
国家公務員
の
特別職
ですか、自分のこともあまりよくわかりませんけれ
ども
、そういうところにもすべて影響が出てくるものだと思います。これは単に
一般
公務員
の
方々
に反省を求め、ことしからベースアップを
機会
にますます精励
努力
をされるということでなくて、全部、特別
公務員
、指定職含めてに問題が波及するのではないかと思います。われわれもそういう点は非常に自覚をして、これはすべての
公務員
の問題ということで大いに発奮しなければならないというふうに考えるわけでございます。 今回の
調査
は、いままでもそうでございましょうが、百人以上の企業、そして五十人以上の
事業所
というのが条件になっております。これが全体の大体二分の一を網羅されるようでございますが、大体、
事業所
の
規模
からいいまして、おそらく半分よりも給料がいいというところの
調査
だと思うのですが、それ以下非常に零細企業の方も恵まれない条件のもとで一生懸命がんばっておられるというようなことにかんがみますと、ますます国民の奉仕者として
努力
をされるよう督励されますように強く希望を述べまして、質問を終わらしていただきたいと思います。
三原朝雄
111
○
三原
委員長
竹中修一君。
竹中修一
112
○竹中
委員
けさほどから、先輩
委員
、同僚
委員
から、去る九日に行なわれました
勧告
についての御質問、さらには御要望等があったわけでございますが、この際、重複を避けて二、三御質問したいと思います。 質問に入る前に、このたびの
勧告
を拝見して、私は
佐藤総裁
が日ごろの御主張を真剣に、非常に一生懸命実行されたと思うわけであります。それは、いままでにない一五・三九%、金額に直して一万四千四百九十三円という、かつてない大幅のベースアップを
勧告
されたということとともに、
週休
二日制を五十年
実施
を目途として、いわゆるいままでなかった
国家公務員
法二十八条の第一項の
適用
を始められたということで、私は非常に敬意を表するものであります。 この質問をするについていろいろと古い議事録を拝見させていただきましたが、非常に残念だと思うのは、昨年は八月の十五日に
勧告
が出たわけです。そして翌々日の十七日にはこの
内閣
委員会
で、伊能先生、
大出
先生、東中先生が非常に熱心に
審議
をされた。おそらく
勧告
を、全国に散らばっている
国家公務員
がどういうふうに取り扱いを受けるだろうというふうに首を長くしてその結果を待っていたということで、翌々日にはもう
審議
が行なわれたわけです。それが残念ながら、ことしは
国会
の運営が異常であるために、きょう初めて
審議
が行なわれるわけです。私は
国会
議員の一人として、いままでせっかく
努力
をされた
佐藤総裁
に何か水をかけるような気がして、非常に反省をして遺憾に思っているわけであります。先ほ
ども
大石
委員
から
お話
がありましたが、
勧告
とともに
総裁
談話が発表されて
公務員
に対する呼びかけをなされた、あの真摯なお気持ち、
佐藤総裁
の御心情を考えて、非常に感激しているわけであります。これからもどうぞいままでのお気持ちを貫いていただきたいと思うわけであります。 そこで、最初にお尋ねを申し上げますが、このたびの
勧告
について冒頭御
説明
がございましたが、最も重点を置かれたことを
一つ
二つお示しをいただきたいと思います。
佐藤達夫
113
○
佐藤
(達)
政府委員
ことしの
勧告
は、先ほどおことばにありましたように、わりあいに上げ幅が広かったものでございますから、卑俗なことばで申しますと、かねがね果たしたいと思っておりましたいろいろの懸案を多少なりともまんべんなく果たすことができた。言いかえれば総花主義じゃないかという御批判もあろうかと思います。そういうことを申し上げたいと思いますけれ
ども
、私
ども
として、毎年のことではありますけれ
ども
、一番注目いたしますのは、何と申しましても
初任給
をどのくらいにすることができるかということなんです。これは
人事院
は、御
承知
のように
公務員
の採用のほうの責任官庁でもありますために、実は
民間
企業とはその点では競争関係にある。露骨なことばはあまり使いたくありませんけれ
ども
、本質的にはそういう
立場
にありますので、あまり低い
初任給
ではとても来る人がない。特にことしの場合は御同情を仰ぎたいのですけれ
ども
、これは
勧告
の発表の前に締め切ったせいもありましょうけれ
ども
、高校卒の初級試験の応募者が去年に比べて二割近く減りました。一割六、七分というところになって相当ショックを感じておるわけであります。そういう面も当面ありますものですから、何としても
初任給
には力を入れております。ただし大手企業とは、もちろん百人以上で押えておりますから大手企業には太刀打ちできませんけれ
ども
、あとはわれわれの
努力
で人材を獲得するほかはないということでございます。 それからもう
一つ
は、
初任給
を上げまして影響を受けるのは、結局、中堅どころが、やはりどうしても配分の関係から申しますと手薄になってしまう。これは国鉄その他いわゆる公社、現業の関係は、配分は御
承知
のように団交でやっております。団交でやりますせいかどうか知りませんけれ
ども
、
初任給
はものすごく高く毎年きまっておりますけれ
ども
、その少し上のほうの中間層になりますとまさにへこんでおるというと語弊がありますけれ
ども
、非常な中だるみの形になっておるというのがございます。われわれのほうとしてはそういうことは許されませんから、ここをささえなければならぬということから、先ほど申しましたような
間引き
とか
号俸
の間差というような技術的な
措置
をとりますとともに、どうしても
生活
のほうからいうと
扶養手当
に、しかも
配偶者
に力を入れてその辺の調整をとる必要があるだろうということで
配偶者
のほうの
引き上げ
額も従来にあまり例のない大幅の
引き上げ
をやっております。その他、特
一等級
をつくりますとか、そういうようなこともそれに関連するものでございますけれ
ども
、非常に形はじみでございますけれ
ども
、力を入れた点はそういうじみちな面に力を入れておりますということを御了承いただければ幸いだと思います。
竹中修一
114
○竹中
委員
いま
総裁
から重点の御
説明
がございましたが、
初任給
についてはもちろんでございますけれ
ども
、いつも配分をやります場合に、
初任給
と上のほう、ちょうどそこの中心の中堅が中だるみをするわけであります。それについて
総裁
から、じきじきこの点については十分配慮したという御答弁をいただきまして、まことに心強く思うわけであります。 次に移らしていただきますが、
報告
の中で「教員、
看護婦
の
給与
の
改善
については、かねてから
努力
を重ねてきたところであるが、今後更に一層の
改善
を図る必要が認められる」、こう書いてあります。特に教員と
看護婦
を抽出して特記してあるわけでありますけれ
ども
、先ほど
大出
先生から人材確保
法案
に関連して教員の話がありましたので、省略いたしまして、
看護婦
についてちょっとお尋ねをしたいと思うわけであります。
民間
の
看護婦
との
給与
の差は、
現行
では
民間
のベースアップ後の
給与
よりも〇・四%だけ低いのだというふうに
承知
しておりますが、それでも今度の
勧告
で待遇
改善
が行なわれると一六・七%のベースアップとなり、
民間
よりもずっと高くなるというふうに聞いているわけであります。いわゆる逆
較差
を生ずる結果になるというふうに新聞等でも報ぜられているわけでありますが、
国家公務員
法の二十八条の二項によるといわゆる五%条項があるわけであります。それでこの点の御
説明
を伺いたいわけですが、従来
民間
との
較差
の
比較
について、この条項を見ても、職種
較差
を重点とするのか、総合
較差
を重点とするのか、法文では明示されていないわけです。それで私の勉強が足りないのかもしれませんが、いままでは職種
較差
を主としてとっていたように思うのでありますけれ
ども
、これは間違いかどうか御答弁をいただきますが、そういう場合に、今回、職種
較差
を総合
較差
の中にのみ込んでしまって
看護婦
の
給与
が大幅に上がったのだというふうに理解されるわけですが、間違っていたらひとつ御答弁いただきたいと思います。 とともに、そのあとに、「
官民比較
の
基本原則
の
適用
方式に若干の変更を加えることについて、速やかに
検討
を行う考えである」というふうに述べてありますけれ
ども
、この関連等についても御
説明
をいただきたいと思います。
佐藤達夫
115
○
佐藤
(達)
政府委員
従来の
較差
の算定の方式は、行政職は行政職なり、あるいは
看護婦
は
看護婦
なり、お
医者
はお
医者
なりの職種別に、一応同じ職種の
民間
の企業との対応関係を求めまして、今度はそれを加重
平均
と申しますか、しました結果、積み上げて、それで総合
較差
を求めているわけです。ですから、逆
較差
のものが入っておりますと総合
較差
のほうでは損をする勘定に大体なっておるということが
一つ
あります。そうして今度は各
俸給
、
手当
の配分をいたします際には、そのかくして得ました一五・三九%というような総合
較差
の中で配分いたしてまいります。その配分になりますと、たとえば
看護婦
さんはすでに逆
較差
だからもうこれでほっといてもよくはないかということで済めば、それはそれでよろしゅうございますが、これはもう
一般
の社会の要請から申しましても、
公務部
内の要請からいっても、とても
看護婦
の人手不足で、何とかして人を集めなければならぬという要請が非常に強い。学校の先生についてもそうです。したがってわれわれとしては、その総合
較差
のやりくりの中で、本来逆
較差
であるにかかわらずさらに積み上げなければならぬ。したがって、どこにそのしわが寄るかといいますと、本来
較差
をかせいでくれたところの職種の方向へどうしてもその犠牲としてしわが寄っていくという面があります。しかし、この総合
較差
ということは、
民間
と
公務員
という大きな集団として見ました場合には、やはり総合
較差
でつかまえていきますということが御納得を得る
一つ
の方法でもあります。私は、従来それをやってきたことは決して誤りとは思いませんけれ
ども
、今度のように、たとえば人材確保の教員の関係の
法案
のように、特別の予算がついて一〇%近い
引き上げ
が行なわれるということになりますと、いまの逆
較差
がまさにものすごい逆
較差
になって、そうして今度は総合
較差
にそれを求めようということになったら、これは幾ら何でも総合
較差
主義はもちません。ということで、まず踏み切るべき
段階
が
一つ
あると思います。 それから、
大出委員
の
お話
にもありましたように、従来のそれは行き過ぎではないか、むしろ行政職なら行政職だけをつかまえて比べて、あとは部内の均衡でやるのが正しいのじゃないか、これは
考え方
としてはそういう
考え方
もあります。その辺のところをいよいよ今度は早急にひとつ
検討
して解決しようじゃないかという
心組み
でおるわけであります。
竹中修一
116
○竹中
委員
ありがとうございました。 それでは、ちょっとこまかいことになるのでありますけれ
ども
、ことしの
勧告
の中には寒冷地
手当
について何ら触れていないわけであります。いろいろ御理由があると思いますが、今回のベースアップでいわゆる定率分はもちろん上がるわけです。しかし定額分は、私は青森県でございますけれ
ども
、薪炭加算分が変わらないわけです。北海道ももちろんそうだと思うのですが、いまどき幾ら青森県でも、山の奥でもまきや炭をたいて暖房をとっているところはないわけです。北海道では石炭加算と、こうなっておりますけれ
ども
、だいぶん前からもう灯油に変わっているのです。したがって、名前が大体おかしいと思うのですが、去年のいまごろ灯油がドラムかん一本が三千円ちょっとだったのです。ところが、ことしは予約をしようと思っても、品不足の不安、先行き高いという不安から、五千五百円でも予約してくれないのです。そうしますと、倍近く灯油が上がっているわけです。という
状況
の中で寒冷地
手当
に何ら触れなかったということはどういうことか、お示しいただきたい。
佐藤達夫
117
○
佐藤
(達)
政府委員
寒冷地
手当
の関係は、
例年
一般
の
給与勧告
とは別に
勧告
を申し上げ、現に昨年の十二月に寒冷地
手当
の
勧告
だけを申し上げて、そうしてことしの三月に
法案
成立させていただきました。このときは実は北海道が中心で、そのときもお耳に入ったかどうか知りませんけれ
ども
、函館を据え置きにしたのはどういうわけだ、それは海峡を隔てた青森と比べて北海道はそんなに上げる根拠は出てこないと、青森さんに非常に遠慮しながらやったのだと言わんばかりのことを
お答え
したことがあるいはお耳におとまりになったのかもしれませんけれ
ども
、そういうようなことで、ことしは北海道についてはやりました。ついては、この間の
委員会
の附帯決議等の、世帯の変更があった場合にどうするかというような宿題もいただいております。いずれまたそのほうの
勧告
も申し上げなければならぬだろう。それから
地域
別の、いまたまたま御指摘の
地域
を押えての関係、あるいは寒冷増高費の積算な
ども
、これはわれわれしょっちゅう心がけて
検討
はしております。これはちょっとでも寒冷対策の費用が上回るようになれば、それはもうすかさず
手当
てをしなければならぬという気がまえでおりますけれ
ども
、そのほか
地域
別の関係も一通り一応は安定したとは思っておりますけれ
ども
、しかしわれわれとしては、なお執拗に
検討
を続けておりますので、御趣旨は御趣旨として十分承って、なお
検討
の
一つ
の材料にしたいと思っております。
竹中修一
118
○竹中
委員
いま御答弁いただきましたが、寒冷地
手当
を変える必要があった場合には早急にこれを
勧告
するという
お答え
のようでございますけれ
ども
、それでよろしゅうございますか。
佐藤達夫
119
○
佐藤
(達)
政府委員
この間の附帯決議の関係で、世帯の変更があった場合というようなことは当面のわれわれの宿題になっておりますけれ
ども
、なお寒冷地
手当
の関係も一回限りというわけじゃございませんから、先ほど申しましたように、しぶとい体制でデータを刻々追及してまいりたい。そうしてまた適切な処置をとる必要があればすかさず処置をとりたい、そういう気がまえでおるわけでございます。
竹中修一
120
○竹中
委員
わかりましたが、先ほど御
説明
の中で、昨年函館地区を据き置きにしたときに、その理由づけとして、青森を変えないのだから函館を変えないのだというような
お話
でございますが、全然逆でございます。私がこれからお願いすることは、現在、函館と格差があるわけです。どうして津軽海峡を
一つ
隔てた函館を変えなければいかぬのか、これは納得ができないのです。この質問をするについて、国へ帰って県庁といろいろとデータの打ち合わせをしましたのですが、きょう正確なデータがございませんので、最後の詰めができませんけれ
ども
、ぜひともこれは同じにしていただかなければ私の顔も立ちませんし、
総裁
何とかそれをお考えいただけましょうか。
佐藤達夫
121
○
佐藤
(達)
政府委員
どうもすっかり恩着せがましいようなことを申し上げたのでございますが、それでもうばちが
当たり
まして、逆効果になってしまいました。これはもう深くおわびいたしますが、根本的には、先ほど申し上げましたような心がまえでなお目を離さずにまいりたいという気持ちでおります。
竹中修一
122
○竹中
委員
総裁
からたいへんありがたいおことばを賜わりましたので、青森県を督励して直接陳情にあがるようにいたします。その節はよろしくお願い申し上げます。 それでは
総務長官
にお伺いするわけですが、ポイントとしては、この
勧告
をどういうふうにして
実施
していただけるかということなんです。これはもう午前中にも
大出
先輩から話がありました。しかも二十一日の
閣議
で決定を見ておりますので、心配はいたしませんけれ
ども
、せっかくおいででございますから、もう一回同じ答弁でけっこうでございます。
坪川信三
123
○
坪川国務大臣
竹中
委員
に
お答え
いたします。 午前の質疑のときにも
お答え
いたしましたごとく、
人事院
におかれましての公正適切な答申がなされましたので、
政府
といたしましては、これと緊急に取り組んで早急に対処すべき方向を決定する必要があると私は判断いたしましたので、直ちに総理に渡されました答申書を踏まえまして、午後二時半から
関係閣僚協議会
を開きまして、そうしてこれを全面
実施
する、全面受けて立つ、しかも四月一日に遡及、そうした点と、もう
一つ
は可及的すみやかにこれを立法化する、この三つの大前提のもとに
関係閣僚
の御了解も得、また
財政当局
におきましても、
大蔵大臣
から、当分の間十二月までは既定の
財源
でまかない得るという確報もいただき、しかる後において補正予算に取り組むつもりであると言われましたので、そのありがたい現実を踏まえまして、御
承知
のとおりに、さっき申しましたような
関係法案
五つの
改正
作業
に目下取り組んでおるようなわけでございますが、竹中
委員
御
承知
のとおりに、さっきも申しましたが、いわゆる
特別職
の問題がいつも論議をされて、その
方針
がなかなかちゅうちょしておったということと。それからもう
一つ
は、防衛庁等の
職員
の
作業
がかなり時日を要するというような点もありまして、先ほ
ども
一カ月と私は申しましたが、現実のいままでの
作業
を見ますと一カ月以上かかるというような
実態
でございますので、十日をめどにしたい。しかし、何といってもそれよりも早く議決申し上げたいというような気持ちを持っておりますので、
作業
の完了次第
閣議
を開きまして、
政府
の
方針
を決定いたしまして
法律
案に取り組む、そうしてすみやかに御
審議
をちょうだいいたしましてこれを
実施
に移したい、こういうような
心組み
でおりますので、そうした
立場
で、そうした
方針
のもとにおいて
公務員
の
方々
に喜んでこれを引き受けていただくという体制を整えながら御期待の線に沿いたい、こう考えておる次第であります。
竹中修一
124
○竹中
委員
総務長官
から非常にありがたい御答弁並びに御決意を伺って心強く思うわけであります。ぜひともそのとおり
実施
をしていただきたいと思うわけであります。 そこで、
大出委員
からの御質問の際にも、またいまの
総務長官
の御答弁の中にも、
国家公務員
の場合は十二月まで
財源
措置
が一応できるのだという
お話
がございましたが、自治省の方お見えでございましょうか。 そうしますと、先ほ
ども
地方公務員
分が四千八百億
財源
が必要であるというような
お話
でございましたけれ
ども
、私が伺っておりますのは、
地方
財政計画において
措置
済みのものが二千四百三十億ある。したがって、まだ
差額
は二千三百七十億あるわけですが、それについて、国のほうは十二月まで何とかやりくりできるのだというようなことでございましたが、
地方
財政のほうではどうなるのでございましょうか。
森審一
125
○森
説明
員 ただいま御質問にありましたように、現在までの
地方公務員
に対しまする企業会計の
財源
措置
といたしましては、四月から八%アップした場合の
一般
財源
所要額二千四百三十億円というものが
地方
財政計画並びに
地方
交付税に算入してございます。さらに今回の
人事院勧告
に準じまして
地方
団体が
給与改定
を
実施
いたしました場合には、仰せのようにあと二千三百七十億円必要なわけでございます。これにつきましては、
地方
団体の税収の増加等を考慮しながら、
例年
のように
地方
交付税の再算定を行なうことによりまして、各
地方
団体が支障なく企業会計が
実施
できるようにいたしたい、こういうように考えております。
竹中修一
126
○竹中
委員
そうしますと、けさほどの論議にもありましたが、各
地方
においては九月の議会が開かれるわけでございます。それに間に合わせることができるものでしょうか。どうでしょう。
森審一
127
○森
説明
員 交付税法の
改正
がこの
国会
に間に合うかどうか、ちょっと技術的にあるいは税収の見込み等の関係からむずかしいかと思いますが、個々の団体の御相談には現在までも応じておりますし、今後も十分御相談に応じていきたい、こう考えております。
竹中修一
128
○竹中
委員
わかりました。これは
大蔵省
のほうの関係かもしれませんが、
国家公務員
の場合は、五%、四月から織り込んでいるわけです。
地方
財政のほうでは四月から八%織り込んでいるわけです。この五%と八%の違いは何か
意味
があるのでございましょうか。
森審一
129
○森
説明
員
地方
財政計画並びに
地方
交付税におきましては、先ほど申し上げましたように八%計上しております。
竹中修一
130
○竹中
委員
ですからなぜ五%と八%と織り込みの数字が違っていたかということなのですが、
大蔵省
がいなければよろしゅうございます。
田中敬
131
○田中(敬)
政府委員
私も不明にしまして、その五%と八%の違いが何に基因するかよく存じておりませんが、お説のように、
公務員
につきましては五%、
地方
財政計画上は八%という現実であることは事実でございます。
竹中修一
132
○竹中
委員
現実でございますので質問したわけでありますが、きょう御答弁ができなければ、後日また私の手元でけっこうでございますから、御答弁をいただきたいと思います。 けさから非常に質問が長くなっておりますので、これで終わらしていただきますけれ
ども
、冒頭に申し上げましたように、非常な御
努力
でこの
勧告
ができ、しかも
総務長官
からいま、非常な御決意でこれを
実施
するという決意のほどの御披瀝があったわけであります。ゆうべの新聞、けさの新聞に
公務員
制度
審議
会の一応の素案が出たようでありますが、現在、結局、
人事院
の
勧告
によって自分たちの
勤務
条件あるいは
給与
が
改正
されるという日本特殊な形態において、ますます
人事院
がこれから真剣に
努力
を積み重ねることを心から要望して質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。
三原朝雄
133
○
三原
委員長
木下元二君。
木下元二
134
○木下
委員
私は、
人事院勧告
の中身に触れます前に、この
人事院勧告
制度と表裏一体の
公務員
労働者の団結権、団体交渉権、ストライキ権などの労働基本権につきまして、
政府
の基本的な態度をただしたいと思います。 現在、
公務員
制度
審議
会におきまして、
公務員
、公共企業体などの労働者の労働基本権のあり方につきまして
審議
され、昨日、公益側のいわゆる素案なるものが新聞等で発表されました。私は、この発表されました公益側
委員
の素案については、多くの重要な問題を含んでおると思いますが、これに触れるつもりはありません。ただ
政府
は、官公労働者のストライキ権回復の戦いの高まりの中で、一部にだけストライキ権を認める態度を示しており、あくまで官公労働者のストライキ権を認めない方向を固執しておるように思われます。
政府
としての
立場
というものは、先ほ
ども
お話
がありましたように、
公務員
制度
審議
会で
審議
の山場を迎えておる
段階
でありますので、具体的にどのように考えていられるか、これは軽々に述べにくいものと思います。明鏡止水ということも言われましたので、私はそれ以上聞こうとは思いませんが、ただ、このストライキ権の全面一律禁止を鋭く批判いたしましたあのドライヤー
報告
を受けまして
公務員
制度
審議
会が持たれるようになった経過から見ましても、労働基本権を回復させるべきだという前向きの基本姿勢というものは、
政府
はお持ちのことと思うわけでございます。この点を具体的にどのように考えているかといったことではなくて、この基本姿勢について確認をいたしておきたいと思います。いかがでしょう。
坪川信三
135
○
坪川国務大臣
先ほどの
大出委員
の御質疑に対しましても
お答え
を申し上げましたごとく、四十年から発足いたしまして第三次に及ぶ
審議
会が慎重に取り組まれながら、まじめに力を入れてそれぞれの
立場
での御
審議
が続けられているほどまで、私はこの問題は重要的なる国民的課題であろうかと思うのであります。したがいまして、重要であればあるほど、こうした点につきまして、いま公制審におかれまして、二十七日には公益
委員
側の
立場
に立っての素案が打ち出された。そしてまたその素案のもとにおいて、三十日に労使両間にわたっての協議の場が持たれていくというようり最終的
段階
にも来ておるような次第でございますので、私がその時点の上に立って、かくあるべきであろうという願望とか、あるいは期待とか、あるいは結論がましい想像というようなことは、あくまでも私は申し上げる時期でもなく、申し上げる筋合いでもなかろうと思いますので、ただいまは午前中に申し上げましたような心境でその推移を注視しておるということのみを申し上げて御理解をいただきたい、こう考えております。
木下元二
136
○木下
委員
それ以上伺いません。ただ要請だけいたしておきます。 私から多くを申すまでもないのでありますが、
公務員
労働者のストライキ権をはじめとする労働基本権は、二十五年前にアメリカ占領軍の指示で不当に強圧的に剥奪をされたものであります。これによって官公労働者は長年にわたって民主主義的権利を奪われておるわけでありまして、いまなお
政府
がアメリカ占領軍と同じ態度をとり続けておるということは大きな問題だと思います。さらに
政府
みずから憲法第二十八条を踏みにじって、労働組合法にも違反をしておる、こういうことであります。私は、労働者の権利を不当に制限する一切の
法律
と条項を廃止し、
公務員
、公共企業体労働者などすべての労働者に団結権、団体交渉権、ストライキ権を保障し、これらの労働者に労働組合法、労働
基準
法を全面的に即時
適用
するよう強く要求いたします。それとともに、このストライキ行動に参加したことを理由とする不当な処分は、ことごとく撤回するように強く要請をいたしておきます。 そこで本論に入るわけでございますが、八月九日に出されました
人事院勧告
について幾つかの質問を行ないたいと思います。 従来から
政府
が行なっております
人事院勧告
制度には、
公務員
労働者の労働基本権の全面復活の問題など基本的な問題があることを指摘してきたのでありますが、この基本的な問題が解決していない現在、
公務員
労働者の労働条件が今回の
勧告
によってどの程度
改善
され、また
問題点
がどこにあるかということをはっきりさせることは必要なことだと思います。 まず、この
人事院勧告
が
民間
と
公務員
の
給与
を
比較
しまして、その
較差
を是正していくという方式をとっておる現在、一体どのような
比較
のしかたをしておるのかは、直接賃上げ幅を規制するものだけに重要なことだと思います。この
人事院
の四日本
較差
は、
民間
と
比較
することの可能な十種目を選び出しまして、時間外
賃金
を除く月例
賃金
ということで、本俸をはじめ十種類の
手当
の合計額について
民間
との
比較
を行なっておるわけであります。いわゆる総合
較差
方式でありますが、この
人事院
の行なっている総合
較差
方式では、いろいろ午前中から指摘されましたけれ
ども
、行政職のような
民間
先導か、あるいは海事、教育職のような公務先導かという
賃金
相場のきまり方の違い、あるいは職種ごとの
賃金
水準の社会的な違い、あるいは企業ごとの
職員
構成や序列の違い、こういった歴史的な、あるいは社会的な複雑な
賃金
事情
というものが無視をされまして、すべてどんぶり勘定的な非科学的な
比較
方式になっておる、こういうふうに私
ども
は思うわけでありますが、端的にお尋ねしたいのですが、
人事院
といたしましては、このような総合
較差
方式を次回から
改正
する考えがあるというふうに伺っていいわけですか。
尾崎朝夷
137
○
尾崎
政府委員
人事院
といたしましては、
公務員
の
給与
を
民間
と
比較
をいたしまして、その
比較
したところで
較差
がございますれば、それに追いつかさしていただくということは基本として考えておるわけでございます。その場合の
比較
方式についていまお述べになりましたけれ
ども
、その
比較
というのはどういうふうにしたら一番いいかという点は、結局、日本における
賃金
がどういうふうに決定されるかということの裏返しでございまして、たとえばアメリカの場合ならば
職務
と責任だけできまる。したがって
職務
と責任で
比較
をするということになるわけでございますが、日本の
賃金
決定におきましては、
職務
の種類、
段階
、それに学歴、年齢、
地域
、それに経験等を入れまして
賃金
決定がなされておる、そういう
賃金
決定において主要な要素を占めるそういう要因につきまして、同じ条件において、
公務員
と
民間
をこまかく
比較
するというのが現在の
人事院
の方式でございまして、私
ども
としてはこれ以上の方式というものはないというふうに考えております。 そういうことで、ある具体的な
公務員
がおりまして、つまり
事務
という職種、それに
課長
なら
課長
、
大学卒
で四十歳、四十五歳、
東京
といったような条件を持った人がかりにこちらのほうで十五万円もらっておりましたならば、それが
民間
の場合に十八万円もらっておるという場合に、三万円の
較差
がございますれば、その三万円をその個人について埋めさしていただくということを、五十万の
公務員
の個人個人についてやりまして、そしてそれを総合して、それを
平均
をいたしまして、幾ら
較差
が出るかということでやっているわけでございます。 そういう精密な
比較
という関係でやっておるわけでございますが、その職種といたしましては、いま
公務員
にも
民間
にもございます職種につきまして
比較
をいたしておりまして、
民間
にございません職種につきましては、いわば部内均衡ということでやっているわけでございます。そういうことで、公務にもあり
民間
にもあるという場合の職種につきましては、
民間
の
賃金
決定がどちらが先導であるかという点は、そのときどきの
状況
によっていろいろな場合がございまして、一がいになかなか言えない問題がございます。 そういう点で、私
ども
としましては、両方にあるという職種につきましては、総合的に
比較
をしてその
較差
をきめる、かつ部内均衡的に配分をするということで、同じような
内容
につきましては同じように配分していくということでやっているわけでございますが、ただ、従来から、教員あるいは
看護婦
等につきましては、
民間
の
給与
は相対的に低い。つまり同じ学歴、経験等のほかの職種に比べて相対的に低いというのが
民間
の
実態
でございまして、それを
公務部
内の均衡で配分した場合に、こちらより低くなる、こちらのほうが高くなるという点があるものですから、そういう点で、そちらのほうにいわばとられるじゃないかという点があったわけでございます。それで、今回、いわゆる教員の
改善
ということで人材確保法という問題が出ておるわけでございますけれ
ども
、そういう関係が出てまいりますと、やはりそういう特別な
改善
について、ほかの職種からさらに持っていくということは問題がございますので、今後の
比較
方式につきましては、特に教員あるいは
看護婦
等の
比較
方式については今後真剣に
検討
しなくちゃならぬ、そういうつもりで
報告書
にも書いてあるわけでございます。
木下元二
138
○木下
委員
いわゆる逆
較差
とかマイナス
較差
といわれておる職種ですね。四十八年度で申しましても、海事(一)であるとか、あるいは教育(一)、(二)、こういうのがある。この結果、行政職の
職員
の
較差
が、十の職種の全体の
較差
算定をすることによりまして常に薄められてしまう、足を引っぱられる、こういう結果になるわけでありまして、行政職の
職員
が大きな損失をこうむっておるということは指摘をされました。 私のほうで調べたところによりますと、これは
人事院
が公表しておる資料に基づいて、行政職(一)、(二)表の
官民
較差
を計算いたしますと、毎年のように総合
較差
方式の
勧告
より
較差
が上回っておるのであります。今度の
人事院
の資料「
官民給与
の
較差
」というのがあります。別表第一です。これを見ましても、行政職(一)は、
民間
が十万四千五百三円、
公務員
が九万九百八十一円、
較差
は一四・八六%。行政(二)は、
民間
が八万七千三百七十円、
公務員
は八万三円、
較差
は九・二一%であります。これを人員ウエートで加重
平均
してみますと一三・九一%、四月遡及
改正
分を加えますと、これは四・一八%でありますが、一八・〇九%という結果になります。これだけの
較差
がある。本来ならば、行政職の
改善
は当然この一八・〇九%、これは金額で申しますと一万六千八十九円になります。この
改善
が行なわれるべきであるのに、これが一五・三九%にとどまっておる。結局、差し引き二・七%の損失ということになっておるわけであります。これは金額にいたしますと約千六百円の損失であります。これは今回ばかりではなくて、長期にわたってこの損失が続いておる、こういうことであります。 しかもマイナス
較差
の職種、これは
民間
より公務のほうが
賃金
が高い場合でありますが、それはいろいろ先ほ
ども
言われましたけれ
ども
、社会的に見まして、公務のほうが
民間
よりも大きなウエートを持っておる場合であります、教育のように。言うならば、公務先導型の
賃金
決定構造がつくられておるといえるわけであります。これらの職種の
賃金
はいわば
公務員
賃金
追随型であります。 ひるがえって考えてみますと、何のために
官民
較差
の計算をするのか。
官民
匹敵ということを
人事院
もいわれますけれ
ども
、
官民
を匹摘せしめる、こういうことでありますが、
公務員
賃金
追随型の
民間
賃金
を取り上げまして、
官民
較差
の計算を試みることは、これははっきり申しましてナンセンスだと思うわけであります。だから、こうした職種、こうした
民間
賃金
は、できるだけ
比較
職種からはずすべきだ。これは私
ども
ばかりではなくて、労働組合のほうもこうした主張をしてきたと思いますけれ
ども
、こういった不合理な面が総合
較差
方式には横たわっておるわけであります。 確かに私は、全面的に何もかも、これまで
人事院
がやってきた総合
較差
方式が悪いとは申しません。しかし、私がいま指摘をしましたような、そういった不合理さというものがある。この点はお認めになるのでしょうか。こうした点を認められて、その上に立ってこの教員等の
賃金
アップを契機としてひとつ
改正
を考える、こういうふうに伺っていいわけですか。
尾崎朝夷
139
○
尾崎
政府委員
御指摘のように、教員及び
看護婦
につきましては、長い間
比較
をいたしますと、公務のほうが高くて、あるいは公務とほぼ同じ水準であって、さらにその職種だけでいえば
改善
をする必要はないという関係がございました。したがって、そういう関係でございますから、
平均
いたしまして
較差
がかりに一万円なら一万円ございますと、そういう
較差
のない教員あるいは
看護婦
にも、一万円程度はやはり部内均衡上
改善
をいたしたいというふうになるわけでございまして、その分は結局行政職のほうから持っていかざるを得ないというのが従来のやり方の現実であったわけです。しかしながら、それはどこから持っていっているかといいますと、
大学卒
にしましても、高卒にしましても、
初任給
のほうはそういうことにかかわりなく
民間
水準を反映させておりますので、結局いわば上のほうからその分を回しておったというのが現実でございます。つまり若い人については、そういう点は毎年の
初任給
相場をそのまま反映いたしておりますので、結局、中年層以上についてそういう問題が生じておった。 分析いたしますとそういう問題になってまいるわけですけれ
ども
、そういう関係を、従来のような、
比較
的に、相対的に少ない時代はともかくといたしまして、人材確保法のような大幅な特別な
改善
ということが日程にのぼってまいりますと、さらにそういう関係を大きくしわ寄せをするということは、これはもうとても問題があるということで、今回、そういう点について従来からの
問題点
がさらに明らかになってきたということで、その点の
合理化
と申しますか、
改善
をいたしたいということで、至急
検討
をする必要があるという気持ちでございます。
木下元二
140
○木下
委員
この
人事院
のほうの「
給与勧告
についての
説明
」の中で、
人事院
は
官民比較
の
基本原則
の
適用
方式について触れて述べておられます。「
官民比較
の
基本原則
の
適用
方式に若干の変更を加える」、これは総合
較差
方式を
検討
するということでありますので、私はけっこうだと思います。また当然のことだと思います。けっこうなんですが、ただ、書き方が全体として非常に問題があると私、思うのです。「教員、
看護婦
等の
給与
の
改善
については、かねてから
努力
を重ねてきたところであるが、今後更に一層の
改善
を図る必要が認められる。これに関連して」——何も関連する必要ないと思うのです。「これに関連して、従来からとってきた
官民比較
の
基本原則
の
適用
方式に若干の変更を加えることについて、速やかに
検討
を行う考えである」。この変更を加えることについて
検討
を行なう、これはけっこうであり、これはむしろ独立してこのことをうたうべきであったと私は思うのです。こういうふうに「関連して」なんということをお書きになるから、こういう質問をしなければならなくなる。 結局、「関連して」というのは
意味
深長でありますけれ
ども
、午前中から
お答え
がありましたように、教員の人材確保法を制定するのだ、そして制定することとあわせて
官民比較
の
基本原則
の
適用
方式を変えるのだ、こういう
意味
のように受け取ったのですけれ
ども
、もう一度確認いたしておきますが、そうでしょうか。
佐藤達夫
141
○
佐藤
(達)
政府委員
もう文章をいまさら直すわけにはまいりませんけれ
ども
、私
ども
の書いたその「関連して」の趣旨は、先ほど来
局長
が言っておりますように、また私
ども
も言っていますように、学校の先生、それから
看護婦
さんは逆
較差
の一番典型的なものだ、それにもかかわらず、
努力
に
努力
をしてきたけれ
ども
なお徹底した
措置
がとれなかった、このことにつけても考えられることはということだけでして、その人材確保
法案
とかなんとかというのは、これはさっきおことばにありましたように、確かにきっかけにはなりましたけれ
ども
、そういうような関連しての
意味
では、関係はほんとうはないのです。
木下元二
142
○木下
委員
わかりました。そういうふうに伺っておきます。 特に私、人材確保
法案
なんということが出ましたので、非常に問題だと思いましたのは、これは大体与野党が一致していない問題
法案
であります。もともと不偏不党であるべき
人事院
が、こうした与野党一致しない問題
法案
、政治的にも問題のある
法案
。まあ
国会
には出ておりましても、一体通るか通らぬかわからぬ
法案
であります、少なくとも形の上では。そういう
法案
が制定されるということを前提にして、こういうふうに制度を変えるんだというふうなことをもしお考えだとすれば、私は非常に問題がある、こう思ってお尋ねをしたのですけれ
ども
、そうではなくて、人確法というのは、単に契機にはなっておるという
意味
であるけれ
ども
、それ以上に、この人確法をつくって、それとともにこの総合
比較
方式の
改正
をするのだという
意味
ではないんだ、こういう趣旨で私いま受け取りましたので、それはけっこうだと思います。それでいいわけですね。
佐藤達夫
143
○
佐藤
(達)
政府委員
そう念をお押しいただくとやはり明確にしておかなければいけませんけれ
ども
、いまお読み上げになりました文章で「関連して」といっておるその教員そのものは、いまの人確法には関係ないので、たとえて申しますと、大学の医学部の先生で
病院
で普通の国内
病院
の先生と同じ診療をやっていらっしゃる方があるわけですよ。
国立病院
のお
医者
さんには
初任給調整手当
、たいへんな
手当
がついて、同じような仕事をしている自分たちにはそういう
措置
がないのはどういうわけだというような要望もありまして、実はその文章自体はそういうことを念頭に置いて書いているので、したがって関連は、文章にあらわれた限りでは人確法とは関係ありません。しかしながら、契機は大きな契機でありまして、人確法そのものは、これはもう全面的に
人事院勧告
におまかせいただいた。これはいい
法律
だと思いますから、これはこれとしてぜひ成立さしていただかないと困るということを陳情を申し上げておきます。
木下元二
144
○木下
委員
繰り返しませんけれ
ども
、ただ私は、人確法を
人事院
がいい
法律
だと言われますけれ
ども
、少なくともやはり与野党で一致していない
法律
だと思うんですよ。そういう問題
法案
について
人事院
が、それはいい
法律
だからぜひ通してもらいたい、これをひとつ契機としてやるんだというようなことを言われるのは、私は問題があると思うのです。そのことを指摘しておきたいと思います。 それから次は、配分の点に関して質問をいたしたいと思います。 私が
勧告
の
説明
を受けました際に、
人事院
としては
民間
の配分傾向にならったと言っておりますが、昨年のこの
勧告
で一たん縮まった
等級
上下間の開きは再び拡大の方向に向かっておるようであります。
公務員
の場合、これは
公務員
に限らないわけでありますが、物価の値上がりに追いつかないほど苦しんでおる、たいへん
生活
が苦しめられておる、そういう
状況
というのは、これは中
等級
以下の労働者であります。上級
公務員
の場合には、仕事に励みを与えるとかいった理由はありましょうけれ
ども
、まず何よりも下級
公務員
の
生活
を安定させることが先決であると思うのでありますが、この点は
人事院
としてはいかがお考えでしょうか。
佐藤達夫
145
○
佐藤
(達)
政府委員
これはもうおっしゃるとおりで、絶対額の
給与
の高低が
生活
に直ちに響く、それはむしろ若い人たちのところにそれが直接的である、これはもう十分
承知
の上でございますし、したがって、
初任給
及びその辺に近いところですね、それについては大いに力を入れておりますし、なお中堅のところには
扶養手当
等においてさらにささえも設けております。
民間
の配分傾向はことしは、まあ卑近なことばで言いますと、ずん胴型と申しますか、いわゆる上薄下厚のあまり顕著な形は出ていないわけです。私
ども
としては、やはり先ほどの
お話
にもつながりますけれ
ども
、何年
勤務
した人はやはり
民間
の何年
勤務
した人というところにバランスをとりませんと、それこそまた逃げられてしまうという面もございますので、全然これを無視するわけにいかないということが今度の
勧告
の基礎になっております。
木下元二
146
○木下
委員
そのずんどう型と言われますが、確かにこの
引き上げ
率のパーセンテージで見ますと、そう問題はないように思うのです。八
等級
で一八・八%、七
等級
で一七・一%、三
等級
で一三・九%、
一等級
で十三%、こういうことでありますので、むしろこれは、
人事院
が
説明
しておりますように、上薄下厚の形が、そういうパ一センテージの数字から見ればあらわれておる、こう思います。ところが、一昨年、昨年と
比較
してみますと、四十六年
勧告
では、八
等級
で指数を一〇〇といたしますと、
一等級
では二六四・七。四十七年、昨年は二三二・二というふうに縮まってきておるわけであります。ところがことしは、八
等級
で一〇〇に対しまして
一等級
は二八二・七というふうに再び拡大しておるのであります。パ一セントでは下を厚くしたといいましても、八
等級
で七千六百三十四円の
引き上げ
に対しまして
一等級
は二万一千五百八十三円。
最高
の指定職の特権官僚に至りましては一挙に七万円もの
引き上げ
になっております。四十六年
勧告
から四十七年
勧告
にかけまして一たん縮まってきたこの上下配分
較差
、これを私はさらに縮める方向で今後
検討
してもらいたい、こう思うわけであります。
総裁
いかがでしょうか。
尾崎朝夷
147
○
尾崎
政府委員
上下間の配分と申しますか、これにつきましては、私
ども
といたしましては、先ほど申し上げましたように、それぞれの
等級
あるいは学歴、年齢その他非常にこまかい
比較
をいたしておりますが、それをかりに各
等級
ごとに集約をいたしてみますと、こういうふうになるといったような関係のデータがございます。一方におきまして、
民間
におきましての各部長、
課長
、係長
段階
でどう上げたかといういわゆる上下配分の傾向という関係がございます。
民間
においてことしは部長、
課長
、係長で上下配分の傾向がどのように上げてきたかという関係と、私
ども
が
官民
の
比較
をいたしております各
等級
ごとの
官民
較差
という点を突き合わしてみますと、大体傾向が似ておるわけでございますけれ
ども
、そういう関係を見まして、大体そういう
民間
の上がり方及び
官民
の
比較
に基づきまして上下配分の傾向をやっておるわけでございます。 いま御指摘の関係で申しますと、たとえば昨年の場合には、上のほうが一〇%、下のほうが十数%という形であったわけでございますけれ
ども
、ことしの場合には、
民間
の場合には上のほうが一四%、下のほうが一六%というような形で、従来この二、三年に対しましてことしは、さっき
総裁
がおっしゃいましたように、非常に
民間
における上げ方というのがいわゆるずん胴型であって、そして
官民
の
較差
も上のほうに相当
較差
が出てきておるという傾向があるわけでございます。そういうことで、私
ども
としましては、やはり
民間
における各
等級
の
給与水準
に大体合わせるように、
較差
を埋めるように配分していくということで、大体
民間
の傾向に合わせるような方向で従来から配分をしてまいっております結果が、先ほど御指摘のような結果になったということでございます。
木下元二
148
○木下
委員
私が質問しておるのは、四十六年
勧告
から四十七年
勧告
にかけまして、一たん縮まった上下配分
較差
、これを今度は拡大する傾向が出てきたわけなので、これは
民間
にならったというような御
説明
ですけれ
ども
、このこと自体私はよくないことだと思いますし、特にこれは下のほうが、ほんとうに
生活
もできないような、そういう非常に苦しい状態に追い込まれた上での
較差
でありますから、だから私は特にこれを問題にして申しておるわけであります。これまでどうであったかということでなくて、今後こういうような傾向を是正するような方向で御
検討
を願いたいというふうに私は質問とお願いをしておるのですが、いかがでしょうか。
佐藤達夫
149
○
佐藤
(達)
政府委員
開きっぱなしということも言いえないと思います。開いたり縮んだりというのが正直な観察だろうと思いますけれ
ども
、私
ども
の
立場
は、たとえば今度の
勧告
について、上薄下厚でございというようなことをいかにも手柄めかして公表するようなこともいたしません。大体、新聞の批評として、上薄下厚とかというようなことはちらちら出ますけれ
ども
、私
ども
は、上薄下厚がいいことで上厚下薄は悪いことだというような先入観は持っておりません。したがって、いま
給与局長
が申しましたようなことから、やはり
民間
の動向というものをよく押えて、それに合わせていきませんと、各階層の人がおるわけですから、逃げたり引きとめたりというような問題もありますから、そこは相当神経を使っておる。その結果がことしのようなことで、それは
民間
がずん胴型だからということになるわけでございます。 ただし申し添えておきたいのはやはり
初任給
ですね。これだけはことしは猛烈に力を入れていますことは、おわかりいただけると思いますし、したがって
初任給
周辺のところは、それらの
考え方
から申しまして多少配慮し過ぎたといいますか、してあるというような申し上げ方はできますけれ
ども
、大量観察をすればそういうようなことではないかと思います。
木下元二
150
○木下
委員
次の問題に移ります。
手当
の問題。
調整手当
ですが、これは
支給地域
とされている市町村の
地域
を
昭和
四十八年四月一日現在のものに改めるという方向が出されております。
支給地域
とされている市町村合併等の
地域
を組み込むことになると思うのでありますが、これは何年ぶりの
改正
ということになるでしょうか。
尾崎朝夷
151
○
尾崎
政府委員
三年ぶりの
改正
であります。
木下元二
152
○木下
委員
合併等があった場合に、そのつど、あるいは毎年四月一日に
改正
をするというふうな方向にはできないのでしょうか。これは二年も三年もほうりっぱなされておって、その間にそういう不公正がそのまま積み残されるという結果になりますので、即時もしくは一年に一回はそういう
改正
をするというふうにお考えいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
尾崎朝夷
153
○
尾崎
政府委員
調整手当
の
支給地域区分
の問題につきましては、前回、
昭和
四十五年の際に、いろいろ今後の制度の
検討
につきましては三年くらい
検討
をいたしましてから
内容
を整備したいということを申し上げてきておりますが、
地域
給問題というのは非常にむずかしい問題でございまして、たとえばドイツやイギリスなんかでも、同じように二年とか三年とかというふうなことでやっている例もございます。そういうことで、今回ちょうど三年目ということになりましたので、
検討
の結果といたしましては、たとえば
賃金
あるいは物価等の
地域
差の動向、そういう指標の動向というのは緊急に
改正
しなくちゃならぬというほどのことはないものでございますから、さらに来年も継続して
検討
しようということで、三年後ということは今回は決して申しておりません。しかしながら、当面の問題といたしまして、合併
地域
の関係とか、あるいは当面の
官署指定
の問題とかいうことを、さらに
検討
していこうというふうに考えておりますけれ
ども
、今後の問題といたしまして、先ほど申しましたように、来年も継続
検討
というふうに考えておりますので、いま御指摘の関係につきましても、それにあわせまして
検討
いたしたい。ただ三年間と申しましても、
支給地域区分
の問題といたしましては、たとえば広島とか岡山とか、そういう関係市町村というのは二つか三つぐらいの話でございます。
木下元二
154
○木下
委員
わかりました。 それから
勧告
では「
大都市周辺
の
官署指定
を一部拡大すること」ということになっておりますが、その「大都市」というのは「特に
東京
」ということにカッコで書かれております。
大都市周辺
の
官署指定
を拡大することにつきましては異論がないと思います。むしろ実情に即して、「特に
東京
」というふうに限定せずに
適用
官署を拡大すべきだと思います。 私はここで
一つ
の例を申し上げますが、大阪府の熊取町にある京都大学原子炉実験所。この熊取町というのは、甲地八%
支給地域
であります貝塚市、泉佐野市に囲まれた
地域
でありまして、
昭和
四十五年ごろより人口が急激に伸び始めまして、いまや大阪市、堺市のベッドタウンとなっております。熊取町役場の
調査
に基づく
消費者物価
の
比較
を見ましても、これは四十六年十月のものでありますが、大阪市を一〇〇といたしまして一一五、隣接をする貝塚市、泉佐野市と比べましても物価指数は高いのであります。さらにことしの三月には、熊取町役場
職員
に対する
地域
調整額を四%から八%に増額する町条例の
改正
が行なわれております。熊取町を甲地に指定、あるいは原子炉実験所を
官署指定
すべきだと思うのですけれ
ども
、これがされない理由というのは特に何かあるんでしょうか。
尾崎朝夷
155
○
尾崎
政府委員
官署指定
につきましては、特に都市近郊につきまして今後
検討
いたしたいと考えておりますけれ
ども
、従来、市町村の
地域
指定の大体の関係を見てまいりますと、大阪周辺、京阪神のまわりの辺が
比較
的多く指定されてきておりまして、
東京
、京浜地区関係が相対的に少ないという点がいろいろ
検討
した結果わかったわけでございます。そういう点で申しまして、
東京
を中心としたところで
官署指定
をより拡大したいというふうに考えておるわけでございますが、もちろん京阪神関係等につきましても、そういうところがございますればさらに
検討
する、そういうつもりにいたしております。 それで、いま御指摘の熊取の原子炉施設の問題は、隣接の貝塚市あるいは泉佐野市等につきまして、これは
昭和
二十六、七年であったかと思いますけれ
ども
、
最高
級地に格づけをいたしたことを覚えております。そういう関係で海岸地帯の市街地帯について指定をいたしたわけでございますけれ
ども
、その後いわゆる合併市町村ということで山の上まで市町村
地域
区分
がみな八%という形になったわけでございます。そういう関係から申しますと、従来熊取町につきましては一級地ということで格づけされまして、そしてその後三級地以下は無給地ということになったわけでございます。 そういう点で現在無給地になっておりますが、なお三十九年に原子炉施設を設けました際に、京都大学の
職員
をそこに持っていくという関係で、何とか
地域
手当
の落ちる分をカバーしてもらいたい、そういう要望が強くなされまして、同時に危険
手当
的な面もあるものでございますから、そういうものをすべて総合しまして調整額というものをつけたことを覚えております。で、そういう関係がございますものですから、熊取につきましての
官署指定
につきましては、
検討
はいたしておりますけれ
ども
、そういうことも総合的に
検討
したいという気持ちで考えているわけでございます。
木下元二
156
○木下
委員
すみやかに
検討
を進められて
官署指定
をされるように、特に強く要望いたしておきます。 それからその他
特殊勤務手当
についてであります。これは、気象庁で働く
職員
、あるいは
航空管制官
、ほかにも多くあるわけでありまして、これらはやむを得ず、
交代制勤務
についておる者には、
夜間特殊業務手当
といたしまして、
勤務
一回につき四百五十円、支給されることになっておりますが、肉体的な疲労、
生活
サイクルのズレなどを考えますとき、あるいはまた医学的にも
交代制勤務
者は疲労度が高いということを考えますとき、あまりにも低額ではないかと思います。
公務員
の場合の変則
勤務
というのは、
民間
の利潤追求が目的の場合のそれと違いまして、社会的な要請が非常に強いわけでありまして、ただ単に夜間のときにだけ
手当
でカバーするというのではなくて、日勤の場合でも他の労働者と
勤務
時間が異なる場合もありますし、また休日につきましても、ほかの者よりもズレがあるわけであります。たとえば子供との団らんにしましても、変則
勤務
者は休みが日曜日になる率が少ないわけでありまして、こういった変則
勤務
、
交代制勤務
の体系に組み込まれるということ自体に対する何らかの
手当
、たとえばシフト
手当
的なものを月、定額で支給してもよいのではないか、こう思うわけであります。むしろそうした
手当
を新設すべきではないかと思います。この点はいかがでしょうか。
尾崎朝夷
157
○
尾崎
政府委員
気象庁その他
航空管制官
等の
交代制勤務
者につきましては、確かに非常に変則的な
生活
関係になるわけでございまして、私
ども
としましても、それらの
勤務
者に対する処遇ということについて注意してまいらなければならないというふうに考えております。したがって、この関係の
民間
における処遇の関係を絶えず
調査
をしていくということで、ほとんど毎年のようにこれは
改正
していくという方向で従来からやってまいっておりまして、今回も
民間
の関係を
調査
いたしましたところ、深夜に従事する者につきましては若干の割り増し
賃金
が出るわけでございますけれ
ども
、それ以外に夜間
業務
手当
というものを支給するということでいたしておるわけでございまして、それを増額していくという関係にいたしておるわけでございます。 それで今後、まあ、ことしは一応四百五十円ということで五割増しにいたしてございますけれ
ども
、もちろんこれでいいというわけにはまいりませんので、さっき問題になりましたような
週休
二日制その他の問題がだんだん出てまいる方向でもございますし、夜間
交代制勤務
者等につきましては、処遇の問題についてますます配慮をしていく必要が出てくるだろうというふうに考えております。
木下元二
158
○木下
委員
そういたしますと、夜間
勤務
の場合ばかりではなくて、交代制の
勤務
の問題についても積極的に
検討
を進めていくというふうに伺っていいわけですか。
尾崎朝夷
159
○
尾崎
政府委員
そういう方向で
検討
いたしております。
木下元二
160
○木下
委員
一時金の問題でありますが、これは午前中質問がありましたので、もう簡単にいたしておきますが、結局、
官民
の
較差
はわずかかどうかはともかく、〇・〇六カ
月分
だということなんですが、これは
公務員
全体で一体どのくらいの金額になるかということはお調べでしょうか。——いまわかっていなかったらけっこうでございます。
佐藤達夫
161
○
佐藤
(達)
政府委員
ちょっと間を縫って……。われわれあるべき姿というのをつかむのがまず第一でございまして、これはお金が相当かかるからちょっと遠慮しておこうかというようなものじゃないものですから、いま計算もふだんからそういうふうにしつけておりませんので、御了承願いたいと思います。
木下元二
162
○木下
委員
全体の金額はともかくとしまして、一人一人について金額見ましても、〇・〇六カ月でありましても
月額
俸給
が十万円であるとすれば六千円であります。毎月多額の
給与
をもらっている高級官僚からすればたいした額ではないかもしれませんが、多くの
公務員
労働者にとってはたいへんな金額であります。これも午前中にもありましたけれ
ども
、ひとつ再
検討
を願いたい。お願いをいたしておきます。 それから
週休
二日制の問題でありますが、従来からの
検討
事項が
昭和
五十年中を目途に
実施
を
具体化
したいということで前向きの姿勢になっておる点は、私も評価をするのにやぶさかではありません。ただ、労働時間については触れられておりませんので、一体これはどのようにお考えなのか。特にこれは
民間
の場合など見ましても、
週休
二日制が
実施
されまして労働時間が長くなったりして、かえって労働強化を招いておるという事態も多々あるわけであります。そこで私は、この週四十時間というILOの
勧告
の線は守るのかどうか、この点を伺いたいと思います。
佐藤達夫
163
○
佐藤
(達)
政府委員
それはもう当然そうあるべきでありまして、
週休
二日制のかわりに労働時間が延びるというようなことは、これはわれわれ毛頭考えておりません。と同時に、またそのために定員をふやしていただくというわけにもこれはいかぬだろう。両方をささえとして考えながら勉強しておるという現状でございます。
木下元二
164
○木下
委員
定員をふやすわけにはいかないという
お話
があったのですけれ
ども
、
人事院勧告
では、「本院としては、
行政サービス
の維持その他諸般の
事情
に留意し、
関係機関
とも連繋をとりつつ」云々と、こう書かれております。
行政サービス
等については非常に大切なことでありますが、
行政サービス
を向上させるためには、
公務員
労働者の労働条件向上をはかっていかなければならないという関連にあると思います。大学における定員外
職員
の問題であるとか、あるいは
登記所
で働く労働者の労働条件の問題であるとか、あの悪名の高い総定員法のもたらしている影響が非常に大きな問題となっておるわけであります。ILO
勧告
に基づいて週四十時間制を
実施
しまして、さらに
行政サービス
をよくするためには、総定員法を撤廃して、必要な部門にはそれなりの人員を配置するようにしなければならないと考えるものであります。この点について、
総理府
なりあるいは
人事院
としては、どのようにお考えになっておられるか。
佐藤達夫
165
○
佐藤
(達)
政府委員
ちょっと定員のことをよけいなことを言ったと思って反省しておるのですが、われわれの仕事としては、定員増を前提とした
作業
をするわけにはいかない、そういう気持ちでおるわけです。定員増というのは、これまた各方面の大所高所からの御判断で、定員はかくあるべきだ、これはふやしたほうがいいという御判断が出てくると思いますけれ
ども
、私
ども
としては、これを
実施
するからこれは定員をふやしてもらわなければできませんよという寄りかかった
立場
ではやれない、そういう気持ちを申し述べたわけであります。
木下元二
166
○木下
委員
いまの点については
総理府
のほうはいかがでしょう。
坪川信三
167
○
坪川国務大臣
ただいま
佐藤総裁
がお述べになりましたとおりでございます。そう解釈しております。
木下元二
168
○木下
委員
私がお尋ねしました点、総定員法というものが
公務員
労働者の労働条件を非常に悪くしておる、これはいろいろ例があるわけでありまして、ここでも一々申しませんけれ
ども
、労働条件の向上、特にいま問題になっております
週休
二日制の
実施
といったことにつきましても、あるいは労働時間の点につきましても、労働条件の向上をはかっていくためには、総定員法の撤廃といった方向もひとつ御
検討
をいただくことが必要ではないかというふうに思うのですが、この点についてどうお考えになっておるかということを伺っておるのです。
皆川迪夫
169
○皆川
政府委員
定員法の関係は行政官庁が所管しておりますので、もちろん私たちのほうから答弁する限りではございません。御了承のとおりだろうと思いますが、先ほど来
人事院
の
総裁
から
お話
がありましたように、
週休
二日制という問題という角度から考えました場合に、安易に定数増がなければこれが
実施
できない——職場によってはこういう事態も起こるところもあるわけでございますが、全体的に見ると、そういう問題も
一つ
の大きな前提問題として考えざるを得ないのじゃないだろうか、こういう角度から申し上げておるわけでございます。
木下元二
170
○木下
委員
もうこの程度にいたしまして、最後に要望いたしておきますが、今回の
勧告
内容
は、いわゆる頭打ち層の
昇給間差額
の是正であるとか、扶養、住居、当
宿日直
、
特殊勤務手当
などの
改善
が盛り込まれております。これが国公労働者の切実な要求にこたえた一定の積極面があるというふうに私
ども
も考えております。しかし、たとえば高卒
初任給
はわずか七千三百円の増額、係員など行政職(一)表の下位
等級
職員
で約一万円前後、用務員など行(二)
適用
職員
で約九千円の増額にとどまっておりますのに、次官級は一挙に七万円もの大幅増額で、すでに指摘しましたとおり上厚下薄が強化をされておる。さらに四十歳前後の主任、係長クラス、いわゆる中堅層を見ましても、本俸で一万三千円程度の増額でありまして、
生活
改善
にはほど遠い
実態
であります。また、たいした額ではないといたしましても、さっきから問題にいたしましたように、一時金支給率はそのままにされております。私は
人事院
に対しまして、
公務員
労働者の要求する
手当
の増額、あるいは下に厚い配分を行なうのに必要な原資を確保し、さらに〇・〇六カ月の一時金の格差を解消するために再度
勧告
をするように強く要求をいたします。何か
お答え
がございましたら……。
佐藤達夫
171
○
佐藤
(達)
政府委員
十分拝聴いたしました。
木下元二
172
○木下
委員
終わります。
藤尾正行
173
○
藤尾委員長代理
鈴切康雄君。
鈴切康雄
174
○鈴切
委員
人事院
は去る八月の九日に
公務員給与
の
改定
を
内閣
と
国会
に
勧告
をいたしました。
勧告
は
公務員
の
給与
については
平均
一五・三九%のアップという
内容
であります。
勧告
につきましては、先ほどからいろいろと
お話
がありましたように、昨年に比べまして約六日間早く行なわれたということ、その
努力
については画期的でありたいへんに評価されると思うわけでありますが、しかし要は、その
勧告
があった
内容
を完全
実施
し、早く
公務員
の
方々
に
給与
をお支払いするということが一番大きな問題ではないかと思うわけであります。そこで、完全
実施
の問題については、これは
坪川
総務長官
から完全
実施
ということを
閣議決定
されたという御
報告
がありましたので、私は、まことにけっこうな話である、そのように思うわけでありますけれ
ども
、しょせんは、完全
実施
をされますと、今後はやはり
人事院勧告
のあり方また
内容
等に論議が進んでいくのではないか、私はそのように思うわけであります。 そこで、
人事院
の
給与
の
勧告
は、
公務員
の
給与
と
民間
の
給与
の
比較
によって
民間
の水準と均衡させる考えで行なわれるわけでありますけれ
ども
、その
官民給与
の
比較
のあり方についてまずお伺いをしていきたいと思います。少し重複する点があろうかと思いますけれ
ども
、私、午前中ちょっと席をはずしておりましたので、あえてお聞きいたします。 教員とかあるいは
看護婦
等の
給与
の
改善
について、この
勧告
の中には「かねてから
努力
を重ねてきたところであるが、今後更に一層の
改善
を図る必要が認められる。これに関連して、従来からとってきた
官民比較
の
基本原則
の
適用
方式に若干の変更を加えることについて、速やかに
検討
を行う考えである」ということを指摘をされておりますけれ
ども
、その
内容
については具体的にどういうことなんでしょうか。
佐藤達夫
175
○
佐藤
(達)
政府委員
私
ども
の
官民比較
の原則は、これはたびたび申し上げておりますように、
勧告
の信頼性と申しますか、あるいは納税者を含む国民の
皆さん
の御納得をいただく上においてはどうしても堅持をしてまいらなければならぬ、この鉄則は今後も守り続けてまいりますけれ
ども
、ただし従来のやり方については、御
承知
のように全体の総合
較差
、ことしの場合で言えば一五・三九%というようなものを
一つ
のワクにいたしまして、その中での配分のやりくりということで徹底してきたわけです。これはこれとして確かに理由もあることでございますけれ
ども
、たとえば今回の人材確保の
法案
のようなことで、従来すでに逆
較差
であった教員の
方々
に対してさらに一〇%近いかさ上げが行なわれるということになりますと、これらの
方々
も含めて総合
較差
を考えてみたところで、ほとんどこれは
意味
をなくしてしまうではないかという
一つ
の差し迫った
機会
というものがあるということ。それからもう
一つ
は、従来も
お話
に出ておりましたように、総合
較差
主義の中でのやりくりというのは少しゆがんでいるのじゃないか、行政職その他の職種に対して不当なしわ寄せが行なわれる結果になりはしないかというような
問題点
も、これは
一つ
の
問題点
としてわれわれ
検討
してきたことでありますし、それらのことが二つ結びつきまして、今度それを打開する方向へ向かって、すなわち総合
較差
主義というものをもうちょっと変わったものに変更するのが適当ではないか、そういう方向に向かってすみやかに
検討
したい、一口に申し上げればそういう気持ちでございます。
鈴切康雄
176
○鈴切
委員
現在
国会
に
提案
されておりますいわゆる教員の人材確保
法案
が成立をしなくても、別途教員の
給与
改善
勧告
を
予定
していることを明らかにされたものであるかどうか。あるいは、教員の人材確保
法案
は、すでに
政府
として一〇%のアップというものを来年の一月から予算として組んでおられるのでそういうふうにされるのか、どちらでしょうか。
佐藤達夫
177
○
佐藤
(達)
政府委員
先ほ
ども
触れましたのですが、この
報告書
の中に書いております文章は、別段、人材確保という文字も出ておりませんし、表にそれとの関連をうたったわけではございません。しかし実質的に考えますと、いま人材確保の
法案
は
国会
で御
審議
中でもございますし、その
内容
は全部
人事院
の
勧告
におまかせいただいておる
内容
でございまして、これはもう成立は間違いないという気持ちで臨んでおりますし、かたがた、人材確保の
法案
の成立などというのはこれは非常にいいきっかけになるという気持ちを持っておることは事実でございます。
鈴切康雄
178
○鈴切
委員
本来から言うなら、やはり私は、人材確保
法案
が出る前に、
人事院
としては当然こういうものに対して
勧告
すべき筋合いのものである、それが言うならば
人事院
の公平性というか、
人事院
のあり方として正しい方法じゃないかと思うのですが、今度の人材確保
法案
は、すでに
政府
として予算は一〇%組んでいるという、もうすでにお墨つきのような
法案
が出されるということは、はたしてこれは正しい方向であるかどうかということについてちょっと疑問に思うのですけれ
ども
、その点はいかがでしょうか。
佐藤達夫
179
○
佐藤
(達)
政府委員
たびたび申し上げておりますように、人材確保の
法案
は、第一にかねがねわれわれの意図しておった方向に沿うものでございますし、しかもその
内容
は
人事院勧告
にすべておまかせいただいている、その上に予算までついている、これほどけっこうな
法案
はないわけなんで、これはもうおそらく成立は間違いないだろうと思いますし、ぜひ成立さしていただきたいということを前提にして話を申し上げれば万事すっきりした形になるということになるわけでございます。
鈴切康雄
180
○鈴切
委員
実は人材確保
法案
は、そういうふうに
政府
としては予算をすでに組んでいるということで、今後やはり、いわゆる
公務員
の確保を必要とするところがそういう方式をとった場合に、いつも追随型において
人事院
は、全くそのとおりでありますということばを投げかけなければならないという状態になってしまう、それでいいかどうかということが、今後私は非常に大きな問題じゃないかと思うのですが、その点はどうなんでしょうか。
佐藤達夫
181
○
佐藤
(達)
政府委員
その点は大事なことでございます。私
ども
の基本的な気持ちは、
法律
案が
法律
として成立してしまえば、これはもう国権の
最高
機関であり、唯一の立法機関である
国会
がおきめになったことですから、それについてはもう当然従うほかはない。しかし
法律
案の
段階
においては、われわれとしては当然これを批判申し上げ、意見を申し上げる
機会
を持つべきであり、従来もそういう
機会
をお与えいただいて意見を申し上げてきたわけです。今回の
法案
についても、まだ
法案
でありますからして、われわれは十分に意見を申し述べる
機会
をお与えいただいております。また意見を述べておりますが、これは先ほど来申しますように、われわれとして多年念願しておった方向のことであり、しかも
内容
は、
人事院勧告
にすべてまかしてくださる、予算までついているということでございますから、反対のしようがない、たいへんけっこうなんですということを申し上げるほかはないので、一日も早く成立さしていただきたいというのは、そういう点から申し上げている。これは
法案
の
内容
によりけりで、われわれとして責任の負えないような
内容
、われわれとして筋がいかがかと思うような
法案
の場合には、それはもうはっきりと御
審議
の
段階
において意見を申し上げます。過去においてそういう実例もあったわけでございます。それだけのけじめを持ちながら事に臨んでおるということだけは御了承をいただきたいと思います。
鈴切康雄
182
○鈴切
委員
このところに、
人事院
の
勧告
でいただいた「
給与勧告
についての
説明
」ですが、実はこれはページをふってないのですけれ
ども
、何か特別にページをつけてはまずいあれがあるのですか。なかなか見にくいですね。その点どうでしょうか。
佐藤達夫
183
○
佐藤
(達)
政府委員
これはいま気がつきましたが、おそらく大あわてにあわてたせいじゃないかと思いますけれ
ども
、従来はどうなっていたか。——あわてたせいじゃないらしいんで、従来ページがなかったそうでございます。これは今度ひとつ
改善
いたしたいと思います。
鈴切康雄
184
○鈴切
委員
「速やかに
検討
を行う考えである」というふうにここに書いてあるわけですけれ
ども
、大体めどをどういうふうにお考えになっておられますか。
佐藤達夫
185
○
佐藤
(達)
政府委員
官民比較
の原則は鉄則として守りながら、いま申しましたような点からいいますと、どうも総合
較差
にとらわれて配分を考えるということに
問題点
、ポイントがあるだろう、そこを何とかしよう。たとえば教員や
看護婦
の
方々
は総合
較差
の問題からはずしたらどうか、そっちの方向の問題に発展することでございます。いずれこれから研究問題ではございますが……。
鈴切康雄
186
○鈴切
委員
すみやかに
検討
をするという
考え方
ですが、いまの
考え方
ですと、来年はそういうふうな方向になりそうでしょうか。
佐藤達夫
187
○
佐藤
(達)
政府委員
すみやかに
検討
をして結論を得たいと思っております。
鈴切康雄
188
○鈴切
委員
小中学校の教員の
給与
、いわゆる教(三)については、職種別の
民間
給与
の
実態調査
の
対象
職種としないで、いわゆる部内均衡できめられておりますけれ
ども
、さらに
勧告
をされる場合の
改善
の
基準
というものはどういうふうになりましょうか。
尾崎朝夷
189
○
尾崎
政府委員
官民給与
の
比較
をいたします場合に、同じような仕事が両方にございまして、
民間
に相当の数がいるという場合に
比較
をいたしております。そのために、大学あるいは高校は
比較
をいたしておりますけれ
ども
、義務教育の場合、それから高等専門学校の場合については
比較
をいたしておりません。しかし、その
給与
の内部における
改善
のしかたといたしましては、たとえば大学を出ましてすぐ教員になった場合、それが高等学校に行った場合、中小学校に行った場合、あるいは大学の助手になった場合、従来
一つ
の均衡がございまして、そういう関係で内部均衡ということできめているわけでございます。
鈴切康雄
190
○鈴切
委員
八月十二日の朝日新聞に書いてあったのですけれ
ども
、
看護婦
の医療(三)の
改善
について今秋別途の
勧告
をする
方針
というふうに書かれておりますけれ
ども
、その理由についてどういうふうになっておられますか。 また、人材確保という
立場
からすれば、
公務員給与
は
民間
追随という従前からの
方針
を転換したことになるようになるわけですから、その
考え方
についてはどうなんでしょうか。
尾崎朝夷
191
○
尾崎
政府委員
看護婦
にいたしましても、教員の場合と同じように、
民間
の
給与
と
公務員
の
給与
とを四月一日現在で
比較
をいたしますと
較差
があまりないということ。しかし、その
引き上げ
方といたしましては、ほかの
公務員
と均衡をとって配分をしているということでやっているわけでございます。そういう関係でやってまいっておりますけれ
ども
、御
承知
のように、
看護婦
につきましては、現在の
給与
ではなかなか
看護婦
のなり手がないという点が非常に強く指摘されておりますし、あるいは労働条件も非常に悪いということがいわれているわけでございます。 現実問題といたしまして、たとえば
一般
の
看護婦
の場合には、高等学校を出まして三年も訓練を経まして正
看護婦
になるわけでございますが、そういう
大学卒
とほぼ匹敵するような高学歴の
職員
がほかの職種に参ります場合には、たとえば教員とほぼ同じような学歴
比較
になっておるわけでございますけれ
ども
、そういう教員と
比較
をいたしましても一〇%も現実に低いというような
状況
に現在なっております。 〔
藤尾委員長代理
退席、
委員長
着席〕 いわば高等学校を出まして
事務
をしている女の子の
給与
とあまり違わない、そういうのが現実の姿でございます。そういう現実の姿では、
看護婦
になろうか教員になろうかという選択の上で、なかなか
看護婦
になり手がないのはもう当然だという感じがしてまいるわけでございます。そうするとやはり、同じ学歴の者は同じぐらいの
給与
という方向に思い切って変えてまいりませんと、これはなかなか
看護婦
についての根本的な増員というものはむずかしいという感じでございます。そうなりますと、現在の
民間
の
給与
を強く考慮していくというやり方におきましては、
看護婦
の根本的な充員というものはなかなかむずかしい、悪循環であるという関係がございますので、そういう
民間
との関係をもうちょっと離しまして、
公務部
内として同じ学歴なら同じ
給与
ぐらいという方向に若干近づけてまいりませんとなかなか充員ということはむずかしいという方向でございます。
官民
較差
を考慮してやっていくという方向でやりますとなかなかむずかしい問題がございますので、従来の
官民
較差
関係を改めてまいらないと、むしろほかの職種との均衡というような関係をより重視していかないと、なかなかむずかしいのではないかというような気持ちでいるわけでございます。
鈴切康雄
192
○鈴切
委員
八月十二日の朝日新聞に、
看護婦
の
給与
改善
について今秋別途
勧告
をする
方針
だということが書かれているのですが、これはそのとおりなんでしょうか。それともこれは全く根も葉もないことだとおっしゃるのでしょうか。
尾崎朝夷
193
○
尾崎
政府委員
いま申し上げましたように、やはり社会的な
看護婦
の充員についての強い要望がございますので、しかも当面の
勧告
につきましては、いわゆる総合
較差
方式の中で従来よりも
看護婦
にかなりの
改善
をいたしてございます。しかし、その
改善
のしかたというのは、ほかの職種から若干持ってきて
改善
をするという感じになりますので、これは思い切った
改善
はとうていできない、そういう感じでこの
勧告
の中ではやってございますけれ
ども
、これでは不十分であるということで、さらに
看護婦
につきまして、当面の総合
較差
方式をはずれた方向で
改善
の
検討
をする必要があるのではないかということで、
検討
いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
鈴切康雄
194
○鈴切
委員
今回の
勧告
において、
看護婦
の
給与
は、
官民
較差
で〇・四%、約二百八十円低いわけですけれ
ども
、今回の
改善
によって本俸の
平均
でどれぐらい
改善
をされることになるのでしょうか。
尾崎朝夷
195
○
尾崎
政府委員
大体、
改善
のしかたといたしましては、従来の同じ金額のものにつきましては、どの
俸給表
におきましても同じ金額を
改善
するという方式をとっております。つまり、
看護婦
につきましても、十万円の者は行政職の十万円の場合と同じ金額を
引き上げ
るという方向ですべて行なって、同一金額は同一ベースアップという方向でやっておりますが、
看護婦
の場合には、それにさらに若干の積み増しをいたしまして、たとえば准
看護婦
の場合には
最高
六百円、
看護婦
の場合には
最高
千三百円、婦長の場合には
最高
八百円ほどよけいそれよりも積み増すというふうなことで、若干の積み増しを行なっておるということでございます。
鈴切康雄
196
○鈴切
委員
そうしますと、何%、どれぐらいの増額になるのでしょうか。
尾崎朝夷
197
○
尾崎
政府委員
看護婦
に
適用
されます
俸給表
、医療(三)
平均
といたしまして十六・七%の
改善
をいたしておりまして、
平均
一万八百二十三円の
改定
をいたしております。
鈴切康雄
198
○鈴切
委員
そうすると、言うならば
民間
からかなり大幅に上回るわけですよね。そうしますと、さらに、先ほどの
お話
のニュアンスじゃないですけれ
ども
、別途
勧告
するという場合の
給与
改善
の
基準
というのは何に置かれるかということなんですけれ
ども
、この点どうでしょうか。
尾崎朝夷
199
○
尾崎
政府委員
先ほど申しましたように、
看護婦
に人をたくさんとる、あるいは
看護婦
に希望者がというか、
看護婦
という職業を選択するという場合のポイントと申しますのは、結局、同じある学歴を経ました場合に、
看護婦
になるか、先生になるか、あるいはほかの
事務
をとるかという場合に、ほぼ同じ
給与
でなければ来ないだろうということが
一つ
の原則だろうと思います。そういう点で見ますと、ほぼ教員と同じ学歴であるにもかかわらず、現在の水準におきましては教員よりも一〇%も低いという
状況
でございます。行政職よりもそういう点でもちろんやはり低い。行政職で申しますと、高等学校出の学歴が低い
段階
の者の女子
職員
とあまり変わらないというような
状況
でございますから、やはり最終的な理想的な姿というのは、同じ学歴ならば同じ
給与
、ほかの職種における
給与
と同じぐらいにしていくというのが、これが理想だと思うのです。そういう方向に少しでも近づけるということがやり方のポイントじゃなかろうかというふうに考えております。
鈴切康雄
200
○鈴切
委員
看護婦
の場合は
民間
よりもより優遇するというようなかっこうで、結局、従前からの
公務員給与
の
民間
追随という方向を言うならば転換をしたというかっこうになってくるわけであります。となりますと、
人事院
が従来からとってきた
官民給与
の
比較
の
方針
を転換をしつつあるというふうに考えるならば、前から指摘されておった行政職(一)と(二)の職種のみを
調査
、
比較
をして、これを
基準
として、海事あるいは税務、
看護婦
等は公務の特殊性を考慮して決定すべきと考えるけれ
ども
、そういう方向性で
人事院
は考えられておるかどうかということですね。この点について……。
佐藤達夫
201
○
佐藤
(達)
政府委員
いま
お話
に出ましたところも、
一つ
の大きな研究課題だと思って、
一つ
の
考え方
だと思います。
鈴切康雄
202
○鈴切
委員
いま
一般職
の全部の
職員
数というのは大体どれぐらいありまして、それから行政(一)、行政(二)は大体何名ぐらいいるのでしょうか。
尾崎朝夷
203
○
尾崎
政府委員
ことし調べました一月十五日現在ですと、
給与法
の
適用
者は四十八万九千九百九十四人、約四十九万でございます。そのうち行政職(一)が二十四万四千でございます。それから行政(二)が五万六千というふうになっております。
鈴切康雄
204
○鈴切
委員
そうしますと、大体全
職員
に対する割合が六一%になるわけですね。その六一%の
方々
が総合
較差
方式によって、言うならばどちらかというと割りを食っているという状態。私はこれは、
人事院総裁
、やはり考えていかなくちゃならない重要なポイントではないかというふうに思うのです。やはりそういう点も十分考慮の上で
人事院総裁
は次の
勧告
等にも盛り込まれていかれるかどうか。
佐藤達夫
205
○
佐藤
(達)
政府委員
これは大きな研究課題だろうと思います。すみやかに
検討
しようと申しておりますのは、そういう点をめぐってのことでございます。
鈴切康雄
206
○鈴切
委員
特別給についてちょっとお伺いいたしますけれ
ども
、特別給の年間の支給の割合の
調査
は、
公務員
が四・八カ
月分
に対して
民間
が四・八六カ
月分
の結果が出ているのに、
人事院
は均衡が保たれているとして
改善
の
勧告
をしておりません。昨年は〇・〇二カ
月分
を切り捨て、本年は〇・〇六カ
月分
の
較差
を切り捨てておられますけれ
ども
、その理由とするのはどういうことなんでしょうか。
佐藤達夫
207
○
佐藤
(達)
政府委員
民間
の特別給は、申すまでもありません、その年その年の業績によって上がったり下がったり、非常に浮動的なものであるわけであります。ところが、私
ども
の
公務員給与
となりますというと、これはやはりそのつどというわけにはまいりませんので、
法律
にちゃんと四・八カ
月分
というようなことまで規定をして、一種の固定した形になるということが前提としてあるわけでございます。したがいまして、本来非常に窮屈に小数点二位から下までもこれを取り込むべき性格のものかどうかというような問題があるわけであります。四捨五入というような
考え方
も成り立たないではありませんけれ
ども
、それはわれわれとしてはいままで切り捨ててまいった。 これについて猛烈な御批判がありまして、先ほ
ども
大出委員
に
お答え
したのですけれ
ども
、ことしもこれはまずい数字が出たなというようなことを率直に申し上げたわけですけれ
ども
、しかし基本はそういう基本なんで、いままで
民間
の特別給はあんまり下がった例が——まあ去年は〇・五下がりましたのですが、これはもちろん据え置きで、かりにその前の年に切り上げで四捨五入か何かでやっておれば、去年はなぜ落とさないという話が出るはずだったのですけれ
ども
、それが幸いにして出ないで済んだ。そういうような非常に浮動的なものでありますから、そう克明に追随すべきものかどうかという本質を持っている問題であります。しかし、あまりじゃけんなことはもうよそうやというようなことを内々うちうちでは申しておりますけれ
ども
、そういうことだと御了承願いたいと思います。
鈴切康雄
208
○鈴切
委員
では、過去において小数点二位まで
勧告
した例はございませんか。
尾崎朝夷
209
○
尾崎
政府委員
だいぶ昔にはございまして、
昭和
三十年、三十二年のころに〇・〇五というような
勧告
がございます。
鈴切康雄
210
○鈴切
委員
三十年と三十二年、だいぶ前だというけれ
ども
、三十七年はどうですか。三十七年に
勤勉手当
〇・〇五。
尾崎朝夷
211
○
尾崎
政府委員
それは振りかえでございまして、
勤勉手当
〇・〇五と期末
手当
〇・二五ということで、合わせて〇・三
引き上げ
たということでございます。
鈴切康雄
212
○鈴切
委員
事実はやはり過去においてもそういう事例があって、小数点二位以下はやはりちゃんと
勧告
をしているわけですね。そういうときもあるのに、昨年とことし、この切り捨てをされるということは、これは
公務員
にしてみれば、個々の場合においても、私はかなり大きな影響を与えるものであると思うのです。特に
公務員
の特別給は
民間
の一年おくれとの
比較
になっているわけですね。そうなった場合にさらに切り捨てということは、もうほんとうに情けも容赦もない、そういうふうにいわれてもしかたがないのじゃないかと思うのですけれ
ども
、
総裁
、どうですか。
尾崎朝夷
213
○
尾崎
政府委員
ちょっと補足をいたしますけれ
ども
、当時はベースアップが行なわれませんで、期末
手当
だけこまかく
引き上げ
たという
状況
でございます。
鈴切康雄
214
○鈴切
委員
いずれにしても、小数点二位以下をそのようにしてこまかく
官民
の
比較
において
勧告
をしているわけですから、そういう点も十分御配慮いただけるものであるかどうか、
人事院総裁
。
佐藤達夫
215
○
佐藤
(達)
政府委員
先ほ
ども
自白したわけでございますが、たいへん気にしながらやっているわけで、ことしは〇・〇六でございますから何とかごかんべんをいただけるだろうけれ
ども
、これがまた〇九になったらきついぞということは、われわれもじっくり胸の中に置いております。
鈴切康雄
216
○鈴切
委員
指定職の
給与
改善
についてですが、指定職の
俸給表
の甲と乙の
区分
を廃止し体系を一本化しておりますが、その理由についてはどうなのであるか。それから、いままで、甲は御存じのように一官一
給与
体系、乙は準一官一
給与
体系と性格づけられておったわけですが、一本化することによってその性格はどういうふうに変わってくるのか。
佐藤達夫
217
○
佐藤
(達)
政府委員
これは実質的には、一官一
給与
であるものとそうでないものの区別は、ほとん
ども
う従来と変わりなく今後も踏襲していくつもりでおります。ただ、甲乙の区別というのは、先ほ
ども
給与局長
がちょっと御
説明
しましたけれ
ども
、実におかしな話ではありますけれ
ども
、甲の欄の一番下の金額と乙の一番上の金額はいま同じ金額になっておる。お金は同じでいいからぜひ甲にしてもらいたいというような非常な要望な
ども
ございまして、そういうところまで気にされるならば甲乙やめたほうがすっきりするんじゃなかろうか。きわめて単純な笑い話みたいなことでございますけれ
ども
、結論はそういうことで御了承いただきたいと思います。
鈴切康雄
218
○鈴切
委員
これは
給与
体系の問題ですから、一本化されるとすれば、甲か乙かどちらかを踏襲するのか、あるいはまた別の性格的な
立場
に変わっていくのか、その点に明快な御答弁がないわけですが……。
佐藤達夫
219
○
佐藤
(達)
政府委員
そういう基本的な変更を加えるつもりはございません。おそらく実質的には将来
人事院
規則でその官職をきめます。それをごらんいただければ従来とあまり変わりないなということを御了承願えると思います。
鈴切康雄
220
○鈴切
委員
指定職の
俸給表
及び行政職の
俸給表
(一)の
平均
の
引き上げ
率は幾らでありましょうか。
尾崎朝夷
221
○
尾崎
政府委員
行政職(一)の場合には一五・二%でございます。指定職の場合には一五・六%ということになっております。
鈴切康雄
222
○鈴切
委員
指定職俸給表
は、行政職の
俸給表
(一)のアップ率及び総合
較差
のアップ率を大幅に上回る
改定
が行なわれていますが、その算定根拠についてはどうでしょう。
尾崎朝夷
223
○
尾崎
政府委員
いわゆる
官民比較
をいたしております職種というのは、
民間
にもあり
公務員
にもあるという職種ということで、行政職(一)の
一等級
以下、あるいは行政職(二)、そういうところで
比較
をいたしておりまして、指定職については
官民比較
をいたしておりません。つまり一万四千四百九十三円の
平均
額の配分という関係では、行政職(一)、(二)職種についてはそういう配分ということでやっておりますけれ
ども
、指定職については、ときどき
民間
の重役の
給与
を調べまして
比較
をいたしております。前回は、四十五年に
民間
の重役
給与
を
調査
をいたし、今回三年ぶりに
調査
をいたしたわけでございます。その場合に、五百人以上の
民間
企業でナンバーワンと申しますか、社長を除きます専任重役につきまして、その
平均
をとりますと五十二万五千円でございます。これを前回も指定職の一番てっぺんのところと合わせておりまして、それを五十二万というふうにいたしたわけでございます。前回はそれを四十万ということで四十五年に行ないまして、四十五年と今回との間は、下のほうの行(一)の
一等級
よりやや低目に
改正
をしてまいっておる、そういう形でございます。
鈴切康雄
224
○鈴切
委員
いまの御
説明
によりますと、
民間
のいわゆる役員報酬の
調査
をして、四十五年から三年ぶりで四十八年の
調査
をした結果がそうなんだ、こうおっしゃるわけですけれ
ども
、そうであるならば、当然資料か何かでそういうものをお出し願わなくちゃはっきりしないわけですよね。それはこの資料のどこにあるのですか。
尾崎朝夷
225
○
尾崎
政府委員
恐縮でございますけれ
ども
、参考資料にはつけてございません。
鈴切康雄
226
○鈴切
委員
それじゃ、
人事院
の公平性を保つという
意味
において、そういう役員の報酬の
調査
について、その資料を
提出
していただきたい。いかがでしょうか。
尾崎朝夷
227
○
尾崎
政府委員
調製しまして
提出
いたします。
鈴切康雄
228
○鈴切
委員
住居手当
の支給についてちょっとお伺いしますけれ
ども
、今回の
勧告
において、
持ち家居住者
に
住居手当
を支給をしないことになりましたけれ
ども
、その理由はどういうことでしょうか。
尾崎朝夷
229
○
尾崎
政府委員
住居手当
につきましては、従来、借家、借間居住者に対してその
家賃
について補助をするということでやってまいっておりますけれ
ども
、それならばやはり借金をして利子を相当払っている者にも出すべきではないか、出すのが望ましいじゃないかという意見、要望がいろいろございましたので、本年はそういう見地からいろいろ
検討
をしてまいったわけでございます。 しかし、そういう借金をして、その利子に対して補助をするという見地で
検討
をいろいろいたしてみますと、それでは借金をした場合にどういう種類の借金ならばいいかというような問題。つまり非常に公的な借金ならばいいわけですけれ
ども
、だんだん私的な話になってまいりましたり、あるいは家を建てる、家を買うといった場合に、その家が居住ばかりでなくて、店舗があったり土地つきであったりといったような問題。あるいは持ち家の場合につきましては、修繕費もかかるではないか、あるいは固定資産税もかかるではないかといったようないわばプラス面と、それから、持ち家をしていれば相当安定感があるのだから、
公務員
宿舎に入っている者に何にも出さないのに持ち家に出すのはいかがであろうか、そういったようなバランスの問題。そういったような問題がいろいろございまして、組合、
職員
団体等からも、いろんな意見をいい意見があったら聞かせてもらいたいということも申しまして、中でいろいろ
検討
してみたわけでございますが、しっかりしたやり方として支給するという方法につきまして、これならいけるという
意味
の最終的な結論が出なかったものでございますから、さらに
検討
していこうということになりまして、今回はそういう点で結論が得られなかったという
状況
でございます。
鈴切康雄
230
○鈴切
委員
人事院
は国公
賃金
共闘の代表者に対して、借金返済中の持ち家に対しては利子補給として若干考えるというようなことをお約束もし、また表明されているわけでございますけれ
ども
、
勧告
において実現しなかった理由というのはどういうことなんだろうか。非常にむずかしい問題は当然あろうと私は思うのです。たとえば、持ち家になっても遺産相続の場合、あるいは借金で土地とか家とかいうものを買っているという場合、あるいは土地だけ借金で買って
公務員
宿舎に入っている人、借金しないで貯金で建てている人、いろいろなケースがその点はあると思いますね。しかしやはり何らかしてあげなくちゃならない。そこで、何らかしてあげるということについて、たとえて言うならば、
公務員
宿舎に入っている人を除き、
世帯主
に対しては幾ら幾ら、あるいは独身者に対しては幾ら幾らというような、そういうような
勧告
のしかたもあるんじゃないかというように私は思うのですが、何かもう少しくふうをされたほうがいいように思うのですが、その点、
人事院総裁
どうでしょう。
佐藤達夫
231
○
佐藤
(達)
政府委員
仲裁裁定の関係でも公労委でその関係が問題になっていることでありますし、われわれのほうとしても、従来からいろいろ御指摘のあった問題でもあります。ほんとうにことしは腰を据えて具体的に案を書くことまで、一応、第一案、第二案、第三案ということでやってみました。どうも議論をしているうちにこれはというのが出てこない。それから
民間
の関係でも、ずいぶん従来からも、ことしもまた
調査
を詳しくやりましたけれ
ども
、
民間
はわりあいにラフにやっていらっしゃいますので、それを直ちにまねをするわけにいかない。ことに
地方
の関係の会社には
住居手当
がないのが大多数で、大体都会地の会社が出していらっしゃる。われわれのほうはむしろ
地方
におられる
公務員
のほうが数は多いものですから、都会、
地方
を通じての模範的な
一つ
の案を考えなければならぬということになるわけで、これはいまお察しいただきましたけれ
ども
、なかなかむずかしい問題で、ことしはとうとう間に合わなかった。しかし、これはわれわれとしても本腰を入れて
検討
すべきことでございますから、なお引き続いて熱心に
検討
をしたいという気持ちでおります。
鈴切康雄
232
○鈴切
委員
週休
二日制の件についてちょっとお尋ねをいたしますけれ
ども
、
人事院
が主要三十五カ国の
調査
をされて、もう
週休
二日制は日本においては非常に立ちおくれである、二十四カ国ではすでに
実施
をしているというような
内容
等をキャッチをされたということでありますが、しょせんはそれは
官民
の
比較
において
週休
二日制というものもとられるわけでありますが、わが国の労働時間は相変わらず長時間労働となっているというふうにいわれておりますけれ
ども
、
実態
はどういうふうなものでしょうか。
渡邊健二
233
○渡邊(健)
政府委員
わが国の労働時間につきまして申し上げますと、以前は、先生御指摘のように、かなり長時間の労働がございましたけれ
ども
、逐次わが国におきましても時間の短縮が進んでおるわけでございまして、毎月勤労統計、これは
規模
三十人以上でございますが、その月間実労働時間の推移を申し上げますと、三十五年当時、
調査
産業計で二百二・七時間でございましたものが、四十年には百九十二・九時間、四十五年には百八十七・七時間、昨年の四十七年の
調査
によりますと百八十四・七時間ということで、これは所定内も所定外も全部含めた時間でございますが、逐次最近は
改善
の方向に向かってまいっておるわけでございます。
鈴切康雄
234
○鈴切
委員
それでも週四十八時間の労働者というのが
平均
して大体二七%、それで中小企業が三一%で小企業が六一%というような、そういうデータ等も出ているわけでありますが、わが国が相変わらず低
賃金
長時間労働から脱し切れない理由というのはどういうところにあるんでしょうか。
渡邊健二
235
○渡邊(健)
政府委員
大企業におきましてはかなり
改善
が進んでおると思うわけでございますが、日本の場合非常に多数ございます中小企業におきましては、その生産性等も逐次上昇はしてきておりますけれ
ども
、なお企業の力、生産性等におきまして、まだ大企業に比べますとかなりの格差がある。そのためにやはり労働時間等も、先ほど申しましたように
改善
は進んでおりますが、先進国に比べますとまだまだ追いついておらないというのが現状であると考えております。
鈴切康雄
236
○鈴切
委員
労働省としては、いずれにしても
週休
二日制を大きく推進をされるというふうな
立場
の
考え方
に立っておられるわけでありますけれ
ども
、いわゆる中小企業、零細企業の生産性の低さということはいまあげられたとおりであります。そうなりますと、中小企業、零細企業の省力化を目ざして設備の更新をしなければならないと思いますけれ
ども
、具体的に
週休
二日制を
実施
するために省力をしていくという中小企業、零細企業に対して、労働省は今後どういうふうな計らいとお
考え方
をお持ちであるか。
渡邊健二
237
○渡邊(健)
政府委員
私
ども
、労働者の福祉のためには時間短縮、
週休
二日制を進めなければならないと考えております。その実現につきましては、中小企業は、先ほど申しましたような理由から、実際上のむずかしさはいろいろあると思いますけれ
ども
、やはり中小企業の労働者の
方々
も社会全般の
改善
におくれをとらないようにしていくためには、
週休
二日制を進めていく必要があると思います。中小企業につきましてもまた、そういうことでございませんと労働者の福祉をはかることができない、企業の健全な経営もひいては望めないということになりますので、実情を十分に考えつつも、
実態
に即して漸進的な方法でやはり
週休
二日制を進めなければならない、かように考えております。 そこで、その
導入
のしかたにつきましても、一挙にということでなしに、たとえば月に一回の
週休
二日制から始めて逐次
改善
していくとかというような実情に合った方向で指導を進めておりますが、そのためにつきましては、
地方
で通産行政、商工行政をやっておられる部局とも十分に連絡をとりまして、必要な場合にはそのためのいろいろな設備近代化融資等も配慮してきた等々の行政の横の連絡をとりながら進めておるところでございますが、さらに労働省といたしましては、そういう点十分に考えまして、来年度の予算要求等でもいろいろな面を考えて、実際に中小企業が具体的に
導入
できるような方法を考えてまいりたいと考えております。
鈴切康雄
238
○鈴切
委員
やはり私も、そういうような
週休
二日制に踏み切るためには、どうしても中小企業の省力化、設備の更新というものが必要であると思います。そういう
意味
において先立つものはやはり資金であります。資金についてどのようにそれを確保するかということが一番大きな問題になってくるわけでありますが、労働省として当然
大蔵省
に、中小企業、零細企業の
週休
二日制を進めていくための近代化資金の推進をはかるために、概算要求でいまやっておられる最中だと思いますが、大体どれくらい概算要求で
大蔵省
等に
お話
しになっているのでしょうか。
渡邊健二
239
○渡邊(健)
政府委員
中小企業の設備
改善
につきましては、前からございます設備近代化融資等があるわけでございます。これは
週休
二日をやる場合に限らず広く非常に
一般
の場合でございます。したがいまして、
週休
二日をやるために特別に考えるということでは十分でございませんので、何か
週休
二日を新しく始める場合に必要なというようなものについて融資の道はないかということで、ただいま概算要求の中で労働省の中でも、そういう融資について別途要求をいたしたいということでいろいろ考えておるわけでございます。融資ということでまだ確定的な額ではございませんけれ
ども
、五十億前後の融資のワクを設けたいというようなことで、ただいま
検討
をしておるのでございます。
鈴切康雄
240
○鈴切
委員
行政指導も大切であります。しかし
現行
の労働
基準
法をやはり
改正
すべきときに私は来ているのではないかというふうに感ずるのです。たとえば労働
基準
法の三十二条は、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間、一週間について四十八時間を超えて、労働させてはならない」。これはILOのいわゆる規約の最低の水準であって、しかも一九一九年につくられたILO第一号条約に沿ったもので、旧時代の遺物的な感じがするわけであります。そういう点において、これはやはり少なくとも一日七時間、一週四十時間以内に
改正
すべきではないかということが
一つ
と、それからまた同三十六条には、労使の協定があれば時間外労働が際限なく認められているという点について、私はこれをある程度なくしていかなくてはならないのではないかというふうに思うのですけれ
ども
、その点はどうでしょうか、お伺いいたします。
渡邊健二
241
○渡邊(健)
政府委員
先ほ
ども
申しましたように、日本でも時間短縮は逐次進んでまいっておるわけではございますけれ
ども
、なお中小零細企業におきましては、
基準
法の
限度
一ぱいの労働時間、あるいは三十六条に基づく手続によりまして時間外労働をかなり恒常的にやっている企業もあるわけでございます。したがいまして、これを一挙に
法律
で短縮するということになりますと、実際問題としてそういう中小零細企業では実行が直ちにできがたい面も、現在の
段階
においては考えられるわけでございます。したがいまして、私
ども
といたしましては、最近も通牒を出しまして、
基準
法の
限度
内であってもできるだけ時間の短縮をはかるように、さらに時間外労働についても恒常的なものはなるべくなくしていく。そして三十六条協定による場合におきましても、労使間においてあらかじめ一日何時間以内といったような
限度
を定めるといったような指導をする等、行政指導によって時間短縮を進めるべくいま
努力
をいたしておるところでございます。
鈴切康雄
242
○鈴切
委員
いますぐそれをやるというのではなくて、やはり将来は
一つ
の課題として考えられなくてはならない問題ではないかということを申し上げたわけであります。 それに伴って、
官民
の
較差
で
週休
二日制というのがクローズアップされてくるわけでありますが、
勧告
によれば、
週休
二日制の
実施
事業所
は三七・六%で、昨年の一七%に比べて顕著な進展が見られるとしております。また
実施予定
の
事業所
を加えると、五十年中には約半数の四九・二%の
事業所
が
実施
することとなっております。 しかも
人事院
が行なった英、米、ソ連、中国等主要三十五カ国の
国家公務員
の
勤務
時間、休暇制度の
調査
結果を見ると、
週休
二日制は二十六カ国で採用。
勤務
時間は、日本の一週四十四時間以上の国は、スイス、ポーランド、中国の三カ国のみで、約七割の二十三カ国が約四十時間以下になっているというふうに、
人事院
のほうとしては大体そのように
調査
がついているわけであります。 そこで
人事院
は、
公務員
について
昭和
五十年
実施
を目途として
具体化
の
検討
を進めることとしたいというふうに言っておられますけれ
ども
、
実施
のための
行政サービス
の維持、
交代制勤務
者の扱い等、体制の早急な整備を行なうべきであると考えられますけれ
ども
、その具体的な案についてはどのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。
佐藤達夫
243
○
佐藤
(達)
政府委員
全くおっしゃるとおりでございまして、その点が一番むずかしいポイントでございます。各役所それぞれ職場の
事情
が違いますし、また窓口を持っておられるところ、そうでないところ、
交代制勤務
のところ、そうでないところというようなことがございますので、これはとうてい、われわれが独断的に、あるいは独善的に処置できることではありませんから、かねて各省の関係の当局者と研究会的なものをしばしば開きまして
検討
いたしておりますが、まずそれについて、たとえば一覧表をつくりまして、こういう特殊な職場、こういう特殊な職場ということをつかまえながら、さてどういうふうに処置をすべきかということで、目下知恵をしぼっておる
段階
でございます。それにつけても、五十年というようなめどを
一つ
大きく掲げていわば
一つ
の背水の陣をしきませんと、それによって一そう気合いがかかるだろうという気持ちもあって、われわれさらに意気込みを強めて取り組んでまいろうという気持ちでおります。
鈴切康雄
244
○鈴切
委員
先ほど過重労働にならないようにという
人事院総裁
からの話があったということは、しょせんは二日休んでしまえ、こういう端的な
考え方
だと思うのですが、その点お聞かせ願いたいと思います。 それから、特に学校の五日制に対する五十年の
実施
ははたして可能であるかどうかということは、たいへんむずかしい問題を含んでおると思いますけれ
ども
、その点についての御見解をお伺いします。
佐藤達夫
245
○
佐藤
(達)
政府委員
学校の問題はまた教育制度そのものの重大な問題でございますから、われわれがそれこそ独断的に考えるべきことでもありませんし、文部省でも幸いに非常に熱心にこれと取り組んでいらっしゃるので、それはそれといたしまして、学校の先生の面について言えば、あるいは交代でやっていただいて授業は休まないという手もあるわけでございます。そういう点はのみ込みながらわれわれとしては研究をしているわけでありますけれ
ども
、いずれにいたしましても、この二日制のために労働時間がふえるとか、そういうことがあっては何にもならぬことだというのがわれわれの基本的な
立場
でございます。したがいまして、一方においては
行政サービス
を低下させても困るという二律背反的ないろんな条件の中でやらなければならぬことでございますから、われわれとしては、これは相当慎重に、かつ情熱を持って取り組まなければならぬ問題であろうというふうに考えております。
鈴切康雄
246
○鈴切
委員
給与法
は今
国会
に出るということでありますけれ
ども
、補正はお組みにならないわけですか。
坪川信三
247
○
坪川国務大臣
午前の
大出委員
の御質問等にも
お答え
いたしておるのでございますが、一応
既定財源
として十二月までは
実施
できるというようなことになっておりますので、いずれ残余の予算につきましては補正予算の御
審議
を願う
予定
であります。
鈴切康雄
248
○鈴切
委員
いずれということは、臨時
国会
を開いてということであるか、あるいは通常
国会
で間に合うということでしょうか。
坪川信三
249
○
坪川国務大臣
私のほうから、臨時
国会
を開いて補正予算を組んでいただこうとかというようなことは、申すべき筋合いのものではございませんが、御
承知
のとおりに、
既定財源
は十二月まではだいじょうぶという
財政当局
の御
報告
であり
方針
でもありますので、その上に立って予算編成を
提案
いたしたい。その
審議
の場は、いずれ
国会
みずからがおきめいただくということになろうかと思います。
鈴切康雄
250
○鈴切
委員
いずれということでありますけれ
ども
、今
国会
においてはお出しにならないということですね。
坪川信三
251
○
坪川国務大臣
大蔵省
の
政府委員
もおいでになっておりますけれ
ども
、今
国会
に補正予算を組む必要はないというように考えております。
鈴切康雄
252
○鈴切
委員
いわゆる
給与
費を支払うについて、十二月までは先食いでだいじょうぶであるということなんですけれ
ども
、その十二月まで先食いでだいじょうぶであるという算定根拠はどこにあるのでしょうか。
田中敬
253
○田中(敬)
政府委員
政府
の個々の機関の
給与
費を今回の
改定
で四月に遡及して支給いたします所要
財源
というものは、おのずから計算できるわけでありますが、既定予算の中の
給与
費の範囲内で、大体本年十二月のボーナスを含めましたところまでは、
現行
の
給与
費の歳出権限の中で支払えるという計算をいたしております。
鈴切康雄
254
○鈴切
委員
四月から十二月までで九カ月ですね。それからボーナスが大体四カ月ですから、十三カ月ということですね。十三カ月ということになりますと、結局は一五・三九%ですから大体二カ
月分
ということでしょう。となりますと、三月から二カ
月分
引くということは、一月の終わりまではあるという換算になるのじゃないですか。
田中敬
255
○田中(敬)
政府委員
御
承知
のように、
現行
の
一般
会計の
給与
費の中には、
給与改定
分としてすでに五%が含まれてございますので、その五%も含めて使用いたしますと、十二月までの
給与
の支払いが可能だと考えております。
鈴切康雄
256
○鈴切
委員
給与
の中で月に考えてみますと、〇・五%は大体何カ
月分
になるのでしょうか。
田中敬
257
○田中(敬)
政府委員
一般
会計で例にとってみますと、五%分に相当する金額が千百三十五億になっております。それと、いま
公務員
の
給与
費の総額が年間で約二兆三千百七十億、月
当たり
約千三百七十九億ぐらいでございますので、大体ほぼ一カ
月分
の
給与
に見合う額でございます。そういう
意味
で十二月末までの支払いは可能でございます。
鈴切康雄
258
○鈴切
委員
大体、千百三十五億、千三百七十九億ですね。そうしますと、〇・七、八カ
月分
ということになりますね。そうした場合、先ほど
お話
がありましたように、九カ月とボーナスの四カ月で大体十三カ
月分
ですから、一五・三九%をそれにかけますと、大体二カ月ということになるわけですね。要するに二カ
月分
はあるということになるわけですから、そうなりますと、二カ
月分
先食いをするということになりますから、それに〇・七カ
月分
を加え、そしてまた、不用額とかあるいは経費の節減等加えれば、十二月なんていわないで、けっこうもう少しありそうじゃないですか。その点どうなんです。はっきりした数字が出てくるんですから、一応出してもらいたい。
田中敬
259
○田中(敬)
政府委員
まだ個々の機関につきまして一々現員現給でチェックをいたしておりませんので、大数観察で申し上げましたけれ
ども
、私
ども
のめどといたしましては、少なくとも十二月末までは絶対だいじょうぶであろうという推測の
段階
でございます。
鈴切康雄
260
○鈴切
委員
それは絶対だいじょうぶもだいじょうぶ、ちゃんと計算で出てきているわけですから、寝ていても十二カ月まではだいじょうぶということになるわけですけれ
ども
、少なくとも今度はかなり
公務員
としての
給与
もアップされるわけですから、経費を節約するようにという
努力
目標もおそらく各省に出されておると思うのですが、要するに何%ぐらい各省にそのように
お話
しになっておりますでしょうか。
田中敬
261
○田中(敬)
政府委員
先般の
閣議
におきまして、
大蔵大臣
から各省大臣に経費節減のめどを八%ということでお願いを申し上げてございます。
鈴切康雄
262
○鈴切
委員
それじゃ八%という経費節約の
財源
は、総額にすると大体幾らぐらいになるのでしょうか。
田中敬
263
○田中(敬)
政府委員
経費の節約の
対象
財源
というのがいろいろございまして、節約のできない性質のものもございますので、節約できる経費を
対象
といたしまして私
ども
がいまめどにいたしておりますのは、八%の節減をお願いいたしますと約百八十億から二百億円見当のものがそこで生み出される、かように考えております。
鈴切康雄
264
○鈴切
委員
いずれにしても、これからの景気の動向とかそういうことがかなり問題にはなってくると思いますけれ
ども
、昨年度に
比較
して、
一般
会計の組税及び印紙税等の収入は決算額に対してどのような割合になっておるわけでしょうか。
田中敬
265
○田中(敬)
政府委員
本年度の歳入予算につきましては、まだ九月期決算がはっきりいたしておりませんので、現在のところ、税の自然増収がどれくらいであるかという見通しは非常に立てにくい現状でございます。
鈴切康雄
266
○鈴切
委員
ですけれ
ども
、大体六月にある程度のめどをおつけになるわけですから、六月の時点において、これはことし全般的なというわけにいかないでしょうけれ
ども
、それと
比較
した場合には、かなり税の増収が見込まれておるというのがもっぱらの私の感触なんですけれ
ども
、その点についてどんなふうにお考えでしょうか。
田中敬
267
○田中(敬)
政府委員
主計局といたしましては、所掌外のことでございますのではっきりしたこと申し上げられませんが、私
ども
が
一般
に伺っている数字では、五千億は下らない増収があるのではなかろうかというふうなことを伺っております。
鈴切康雄
268
○鈴切
委員
それ以上お聞きしても、まだいまの時点ではなかなか
お答え
にくいことは多々あろうかと思いますので、その程度にして、
委員長
からお約束の時間が経過をしましたというメモが届いておりますので、これで質問を終わらせていただきます。
三原朝雄
269
○
三原
委員長
受田新吉君。
受田新吉
270
○受田
委員
夏の午後ですから
皆さん
お疲れでございましょうから、きわめて短時間できょうは終わります。 主計局次長さん、ちょっとだけ最初に、いま鈴切さんがお尋ねになったことで、今度の
給与
改善
に伴う所得税の増徴部分がどれだけと計算されておりますか。これだけひとつ。
田中敬
271
○田中(敬)
政府委員
申しわけございませんが、歳入を担当いたしておりませんので、主税当局がおりませんので、どれくらいの金額であろうかは、私、しかと存じておりません。
受田新吉
272
○受田
委員
給与
改善
に伴う税の自然増というのはどれくらい出るか、ちょっと
比較
検討
させてもらいたかったのですが、御担当以外でございますので、それじゃどうぞお帰りをいただきまして……。
田中敬
273
○田中(敬)
政府委員
後刻、当局に
報告
させるようにいたします。
受田新吉
274
○受田
委員
どうも御苦労でございました。
総務長官
及び
人事院総裁
、お疲れの色がありありと見えるのですが、すかっと短時間でやるからすかっと
お答え
願いたいのです。 今度の
改善
措置
、率直に申し上げて
人事院総裁
ほめておきたいと思います。懸案が幾つも
改善
されておる。それからあなたも勇気をもって求むべきものはすかっと求めておられて、ある
意味
においては、
公務員
の待遇を担当される官庁としての面目を八〇%程度発揮されたと了承します。長い間この問題を扱った私としても、ことし久しぶりに懸案が幾つか解決しているのを拝見したときに、静かに考えてある程度ほめて差し上げたい。とかく
人事院
廃止論などの起きているさなかにおいて、その存在意義をある程度顕示していただいたということ。しかし、ここでまた新しい問題も起こってくるわけなんです。
改善
をすると、それに対するまた別のアンバランスもできてくるというような問題。それから
官民給与
差の
比較
検討
等において、
民間
よりも逆に上へいく場合も起こるというような問題も起こってくるわけですけれ
ども
、しかしいま、日本の
公務員
がえりを正して国民全体の奉仕者として精励恪勤していただくためには、ある程度処遇を思い切ってふるまいをしてあげるということ、これが労に報ゆるに適切な方法であると思います。 もう
一つ
は、
民間
給与
をむしろ
政府
がリードして、
民間
がインフレに便乗して待遇などを一方的に片寄らせる危険もあるようなときに、国家が待遇の原則をきちっと打ち立てて、
職務
と責任における本則に照らしたお報いをしてあげるような、そういう国が中心であるといろところへ頭を向けていかなければならぬと思うのです。 そこで、今度の
勧告
の中にひとつ私問題として残ることは、特一という制度を幾つも創設されたわけですが、その級別定数をどう考えているのか。それから、すでに特一を持った海事職の(一)、医療職の(三)、こういうものが特別、特一を設けたことによって現実にどのように級別定数が動いてきたか。そしてその特一を設けたことによって、その職種にどのような活路が見出されたかという反省を含めて御答弁を願いたいのです。
尾崎朝夷
275
○
尾崎
政府委員
今回、行政(二)及び海事(二)、税務、公安につきまして特
一等級
を設けたわけでございますが、それは結局、
昭和
三十二年のころに同格関係がございましたのが若干ずれてきたような関係もございまして、新しい特
一等級
を設けて、若干の定数におきまして格上げをするということを考えたわけでございますが、行政職(二)におきましては、大型
作業
船の船長、機関長、及びきわめて多数の自動車運転手を指揮監督しております
車庫長
について、当面百五十ないし二百程度を格づけをしたいということでございます。それから海事(二)表につきましては、特に大きい大型船舶等の甲板長または操機長につきまして当面十六ないし二十程度を考えております。さらに税務職の場合には、きわめて
規模
の大きい税務署の長、それから管区の部長等を考えておりまして、当面二十ぐらいを考えております。それから公安職(一)につきましては、きわめて
規模
の大きい警察署または刑務所等の長、それに県の警察本部長、重要部長等を入れまして当面八十ぐらいを考えております。それから公安職(二)におきましては、きわめて
規模
の大きい少年院等の長あるいは
最高
検の
事務
局長
等の格づけを考えておりまして、当面十五ぐらいを考えております。また医療職の(二)の場合には、特に
規模
の大きい
病院
の薬剤の部
局長
につきまして、当面十ぐらいの官職について格づけを考えているわけでございます。なお、従前
看護婦
について特
一等級
をつくったわけでございますが、現在格づけしておりますのは七十でございます。それから海事の(一)につきまして特
一等級
を設けましたが、これは大きな船の船長等でございまして、十一でございます。
受田新吉
276
○受田
委員
私がもう
一つ
質問した、成果について
お答え
願いたい。
尾崎朝夷
277
○
尾崎
政府委員
いま申し上げましたように、従来の関係では、たとえば
看護婦
の関係で特
一等級
を七十ほど格づけておりまして、そういう関係の波及ということで、
一等級
等へのいわば連鎖反応という点があるわけでございます。
受田新吉
278
○受田
委員
総裁
、この特一、そういう
意味
でごく少数の人のために道を開こうとされておられるわりに、該当者は非常に少ない。にもかかわらず、特一の
対象
号俸
になるものが、
海事職俸給表
(二)を見ましても一から二十四まである。むしろ
一等級
よりもよけい
号俸
が配列されてあるわけなんですが、こんなに要るものですか、実際の問題として。
尾崎朝夷
279
○
尾崎
政府委員
俸給表
の耐用年数といたしましては、やはり在職している現在の人の
号俸
、金額がどういうふうになっておるかという点が
一つ
ございます。それからもう
一つ
は、やはり耐用年数と申しますか、何歳ぐらいまでそこへおれるかという関係がございますので、一番てっぺんの
等級
につきましては、大体六十歳ぐらいまではおれるという形で年数を計算をしてその
号俸
をつくるという形にしております。
受田新吉
280
○受田
委員
行政職の場合に、指定職の規定を設けたときに、甲と乙とでそれぞれ七
号俸
ずつ。今度それを一本にして十二号。私は、特一をこんなに多く設けないで、もっと圧縮して、そこに適切なる人材簡抜の処遇の
改善
をはかるべきではないか。むしろ
一等級
よりもよけいの
対象
号俸
を用意しておるなどという、これでは特の意義がなくなってくる。特ということであれば特別の操作をするわけですから、数も少なくて能率を高めるようにすべきだ。行政職(一)の例に徴して今後
検討
をされるべきであると思います。 指定職の場合、これを一本にされるということ、これを整理するのにはいいことだと思います。甲と乙とを分けないほうがむしろよかったと初めから思っておったわけです。ところがこれを一本にするときのやり方にまた問題がある。指定職の乙の六と七を一本にするわけです。これを一本にすると、六はちょっとサービスがよ過ぎるのですが、六万五千円から今度上がるようになる。たいへんなサービス。これに対して暫定
措置
をとるものかどうか。つまり次の昇給期間を延伸するとか、あるいはそのほか便法があれば御答弁を願いたいのです。
尾崎朝夷
281
○
尾崎
政府委員
今回、原則としまして従来の甲と乙をいわば並行的に移動させまして、そして通し
号俸
制で運用するということで、したがって格づけの面におきましては、大体並行移動というふうに考えておるわけです。したがいまして、現在乙につきましては七
号俸
、それから甲につきましては七
号俸
ございまして、乙のてっぺんと甲の一番下とが同格でございますから、全部で号数は十四
号俸
ございますが、金額そのものは十三種類、十三項しかございません。 今回それを十二
号俸
にいたしましたのは、甲の二
号俸
というのはいわば重要
局長
を格づけしておりまして、甲の三
号俸
というのは次官補的なものの格づけをいたしておりますが、この両者につきましては、実際の運用が各省によりましてばらばらでございまして、ほぼ同じように運用したほうがよかろうという
実態
でございますので、この甲の二
号俸
、三
号俸
は合併をするということだけでございまして、したがって十二
号俸
というふうになったわけでございます。したがって、形式的には従来の十四
号俸
が十二
号俸
になったわけでございますが、いわば現在からの切りかえといたしましては、大体一四、五%、
平均
的に大体そういう形になっておりまして、いま御指摘のございます問題といたしましては、合併いたしました甲二
号俸
と三
号俸
が同じ金額にいくという点が
一つ
問題がございまして、その場合に、下のほうから上がった場合には一八%上がりますが、上のほうから格づけされたものは一一%しか上がらない、
平均
しまして一五%という形になっております。
受田新吉
282
○受田
委員
私が指摘したような、一八%と一一%というものの開きを縮めていく方法はないのか。つまり昇給の関係等で次の
機会
に何とかするというようなことがあるのかないのか。そのときちょうどそこにおった者が歩がよかったというようなことでは
給与法
の精神に反しますから、そういった歩がよかった者が運を当て込むような行き方は、
給与法
としてとるべきではないということです。
尾崎朝夷
283
○
尾崎
政府委員
その辺、いま御指摘のところにつきましては、いわゆる一官一
給与
制でございまして、昇給がございません。したがいまして、甲の二号の者と甲の三号の者とは従来一号の格差がございましたけれ
ども
、今度は同じ評価というふうに評価をいたします。大体各省の人事運用におきましても、ほぼ同年次の者がそこに格づけされるという関係もございます。また各省において、次官補的な官職があるところとないところとがございまして、あるところは重要
局長
的になっておるというところもございますし、あるところは次官補のあるところもあるというようなこともございますものですから、やはり全体の関係を見ますと、重要
局長
的なところと次官補的なところは同じ金額で格づけしたほうがよかろうというふうに考えまして、今回、現在は二つに格づけされておりますのを一本に格づけする。したがって、従来低いほうから格づけされる者は一八%になりますが、高目におった人は一一%にしかならないということで、
平均
して大体一五%という形で、ほかの
号俸
と同じくらいの格づけになるということでございます。
受田新吉
284
○受田
委員
それはやっぱりその部分について不公平です。これはやはり公平を期する精神から何かの
措置
を
検討
してもらいたい。 もう
一つ
、ちょっと奇異な質問になるのですが、現在の指定職の甲、百人前後の少数ではありますが、この
方々
の同じ
号俸
対象
、次官は次官というところで、
公務員
勤務
年数の
比較
をちょっと資料としてお出しいただきたい、何省は何年で
局長
になり次官になるかという
比較
検討
が明白にできるように。それはやはり非常に必要なことで、同じ
国家公務員
でありながら、ある省は出世が非常に早い、ある省はおそい、そういうようなことは国家行政組織上は適正を欠く。 これは
総務長官
、あなたが総合調整の人事
局長
を部下に持って、そういう
意味
の調整をなさる責任があると思うのです。人事の交流などをやるときに非常に支障が起こる。私、たいへん具体的なお尋ねをして奇異な質問になるようでございますが、いまの日本の行
政府
の
最高
級の
皆さん
がどういうかっこうで行っているか、実際つまびらかにさしてもらって、行政運営の適正を期する上に参考にさしてもらいたい。いま資料を出されるということでございますので、それをもとにひとつ
検討
させていただきたいと思います。その調整任務は
総理府
にある。
人事院
がおぜん立てをするけれ
ども
、
実施
は
総理府
が人事をなさらなければならぬ。あなたのような公正なお方が国務大臣であられる間に、これのひとつりっぱな実りをあげたいものだと思います。 そこで
人事院総裁
、
東京
都は管理職の
課長
とか
局長
になるときに試験をやるわけです。
国家公務員
もこれをやられてはどうですか。上級にパスをしたらところてんでどんどんと
局長
、指定職、次官にまでなっていく。つまり官途につけば、それから先は曲がりなりにも、誤った道をたどり汚職をやったり破廉恥罪をやったりしなければ、大体とんとん拍子に行く。ここに官途における堕落が起こる危険があると思います。そのときに
課長
補佐あたりから
課長
試験というものをぴしっとやる。それは
人事院
がやられる。つまり、時の流れに乗って平穏無事に人生を、出世コースをたどるというような形でなくして、時に
課長
試験、
局長
試験であぶらをしぼって、人間として完成できるように鍛えあげていく、こういう
措置
をとって、適切でない者は、たとえ年限は来ても
局長
にしないで
課長
で首を切る、こういうくらいのきびしいものを持っていくと、官庁がもっとぴしっとして、官途における緊張さがみなぎってくる、こう思うのですが、少しすかっとやられてはどうですか。
佐藤達夫
285
○
佐藤
(達)
政府委員
一つ
の筋の通った御意見であると思います。ただ私は、実は
昭和
二十三年か四年かに例の高級
公務員
試験というのを受けさせられまして、いまの
人事院総裁
室で答案を書かされた記憶がありますけれ
ども
、試験となりますとおちおち仕事もあまり手につかぬので、何とかとらの巻というのを役所で買ってくれまして、次の答えはどれが正しいか、一、二、三、四、五にマルをつけろというようなことで一生懸命勉強した覚えがございますけれ
ども
、これはやはり、そういう
局長
級とか
長官
級というようなことになりますと、そういう学力テスト的なものもさることながら、その人の人物とか、もっと幅の広い点にわたっての評価をなさらないと、私は別に反感を持って言うわけではありませんけれ
ども
、なかなか試験そのもののやり方自身がむずかしいのじゃないかという気持ちを持っておりますので、方向としては私はたいへん正しい方向だろうと思いますけれ
ども
、運用のほうをあわせ考えますと、自分の経験に照らすわけではございませんけれ
ども
、なかなかむずかしいことだなという気持ちになって承ったわけでございます。
受田新吉
286
○受田
委員
私は別に、マル・バツ方式のそういう学力テストをやるというような
意味
で指摘しているわけじゃないのです。やはり人物テストをやればいいわけですね。これはいろいろな角度からテストの方法は幾らでもある。つまり、
局長
や
課長
になる者が試験勉強ばかりやっていたら、下から書類を持っていってもとぼけたような顔で返事をしてくれては困るわけです。そういうことではなくして、テストの方法は幾らでもあるわけです。そういう方式をひとつ考えて、一応その難関を通って
課長
、
局長
になっていくのだという意識を高める上において私は
提案
しておるわけです。学科試験みたいなことをやるだけで
局長
、
課長
になるというのでは、そのころはものを忘れて、自分の専門以外のことは知りませんよ。いまでも主計局の次長が、税金のことは一切わかりませんと言って帰っていったでしょう。そういう調子ですから、自分の専門以外はわからぬということでなくして、他の部面についても、幅広く
国家公務員
の上位にある人としての適正な判断があるかないかを調べればいいわけですから、それをひとつ研究しておいていただきたいのです。あなたのような優秀な人でも、一ぺんやって試験勉強で頭を悩ましたことがあるということですから、これはまずいね。 次に、
人事院総裁
、あなたが
勧告
とかあるいは意見の申し出をなさったことで、まだ実りを得ていないことがありますかどうか。
人事院
は過去において、せっかく権限に基づいて
勧告
しあるいは意見の表明をしたにかかわらず、それに対して
政府
が沈黙しておるというようなのがあったらお示しを願いたいのです。
佐藤達夫
287
○
佐藤
(達)
政府委員
これはたしか去年の暮れ
提出
したと思いますけれ
ども
、いわゆる産振
手当
の
法律
、それから定時制の学校の関係の
手当
、その二つの
法律
につきまして、これは現在文部大臣が
人事院
の意見を開いて規則をきめるというような形になっております。現在の法制上、
給与
関係のものでそういう形をとっておるのは、その二つしかないわけです。ほかはみんな
人事院
の
勧告
ということを表からうたっていただいておる。これはぜひひとつ
勧告
事項としてはっきり条文を入れていただきたいという趣旨で意見書を出しておりますが、いまのところまだそのままになっておるようでございます。
受田新吉
288
○受田
委員
私もこれはよく覚えております。昨年の暮れに意見の開陳を
政府
にしておるわけです。これは
国会
にも
政府
にもしている。それは定時制通信教育
手当
、産業教育
手当
、これは教職の調整額との関連もあるので、
人事院
が大所高所から判断をする必要があるので、そういう
意味
で
勧告
権を
人事院
に与えてほしいという
意味
のことであったようです。ところが文部省は、そのいま
総裁
が指摘された意見の申し出をなさったにかかわらず、そのほうは、いま
お答え
のところでは答えがない。つまりほおかぶりをして、逆に人材確保
法案
の一〇%
給与
アップを要求して、それを
人事院
に
勧告
せよという、
勧告
権の行使を要求する
法案
を出されたというのは、お客さんに対して、お客さんの要請を全くそら吹く風で聞き流して、いやいや私はこっちのほうがこうだというふうなやり方であって、文部省としては、文教の府で、人を教育し、そして正義の味方であって、人間を善良に育てる
立場
のものが、せっかくの意見の申し出をそら吹く風で聞き流して、逆に
人事院
に
勧告
を要求するというような
法案
を出されるというのは、文教の府であるがだけに私はけしからぬと思うのです。文部省初中
局長
さんの御答弁を大臣にかわって承りたいと思います。
岩間英太郎
289
○岩間
政府委員
ただいま先生御指摘のとおりでございまして、私
ども
も、この意見の申し出に対しましては口頭で、意見の実現がはかれるようになるべくすみやかに
措置
をしたいということを申し上げているわけでございます。
政府
部内、私
ども
の内部、あるいは自民党の文教部会と申しますか、そういうところにも、一応文部省としては、
人事院
の御意見の線に沿って
措置
をしたいということを申し上げているわけでございますけれ
ども
、これは適当な
機会
がございましたら、
法案
という形で
国会
の御
審議
をいただきたいというふうに考えておるのでございます。
受田新吉
290
○受田
委員
これは
局長
さん、文部省の
勧告
のほうが先なんです。人材確保
法案
はあとなんです。そういう
意味
で先後するところを誤ってはいけない。本末転倒をしてはならない。したがって、
人事院
が非常に苦心して、教職調整のために非常に頭脳をしぼって答えを出して、他とのバランスを考えて
法律
事項としたい、
勧告
権を与えてほしい、
法律
をあらためてつくってほしいという要望をされたら、すなおにこれを受ける。
人事院
はやはり
公務員
の全般的なにらみからものごとを判断されておるのであって、小さな世界で一部局、教員だけのことをにらんでおるのじゃない、ほかのすべてのものをにらんで
検討
しておる役所なんでありまして、この
人事院
の
勧告
とかあるいは意見の表明とかいうのはすなおに聞く、こういう風習をつくる。
人事院勧告
はすなおにのんで、そのまま
法案
にするというふうな政治情勢にいまなっておる。
総務長官
、あなたは、
人事院
が言うたら言うたのを聞くというふうにいまでも考えているかどうか、それを先に聞いておきます。
勧告
があったらすなおにいまでも今後も聞くかどうかです。
坪川信三
291
○
坪川国務大臣
こつ然とした、
内容
のあまりはっきりとしない、賢明な受田
委員
にしては珍しい御質問なんですが、
人事院
制度はあくまでも堅持して、そして
人事院
の正当な答申を受けて立つという
方針
は、いまの時点では何ら動いてはおりません。
受田新吉
292
○受田
委員
国務大臣としての御答弁でもあり、
給与
担当国務大臣としての御答弁でもあるということですからね。これは文部省もすなおに聞いてもらっていいことだと私は思うのです。これは私たち、
勧告
権を与えてもらいたいというこの
内容
を読んだときに、私、教育に関与しておっただけに、特に勤労学生のめんどう見を長くやってきているだけに、その勤労学生の教育を担当している先生方の処遇というものはよくわかるのです。非常に困難な情勢を克服してやっておる人たち。産業教育
手当
などは高専にも及んでおるわけです。こういう
意味
から、定時制通信教育ということになると、いま現にその機関はないけれ
ども
、それが当然あるものとしての意見の表明でございますので、私は、そう時間をかけて、口頭で
検討
さしてもらいますというようなことではなくして、すぐやられていい問題で、自民党の文教部会などにそう一々気がねをされぬでも、筋が通ったことは自民党の文教部会だって
承知
しますよ。 私は
東京
で各大学の夏休みのスクーリングの
実態調査
をずっとやりました。あの勤労学生が、夏休みを無理を言うて雇用主に頭を下げて
東京
へ勉強に来ておる
皆さん
が、たった三百円しかもらっていない。これはかわいそうです。ああした勤労学生が夏休みを利用して、ほかの人がスポーツその他でレクリエーションに楽しんでおるときに、熱心に一カ月学ぶ通信教育のスクーリングの学生さんたちに、せめて一日千円ぐらいの金を渡してもいいんじゃないですか。かわいそうですよ。一日千円ぐらいの
手当
を出して、一月なら三万ずつサービスしてあげる。これは文教の府としてはほんとうに勤労学生に報いる道だと思うのです。それが百円とか百二十円とか小刻みに上げておったが、これがやっと三百円にいまなっておる。これはかわいそうな金額ですね。 こうした
職務
の片手間に学問にいそしむ
人々
を大いに激励するところに、日本の文教の責任者の使命があると思うのです。
局長
さんはその任にあられてよくおわかりと思うのですが、ひとつ文部省の中を十分リードして、
局長
さん自身が陣頭に立って結論をすみやかに出すような配慮をなさって、そして、いまの人材確保のようなところにいたずらに血道を上げるようなことで、大事な向こうさまから先にごあいさつがあったほうはそこのけにして、こちらは先に押し込んでいくというのは、これは礼儀にも反するのです。礼を重んずる国としてはとるべきではない。
局長
さん、ひとつこの問題は、きょうは大臣にお願いしようと思ったのですが、文部大臣もいろいろと御多忙のようでございますので、
局長
さんに御苦労願ったわけです。
局長
さん、私の要請、それから
坪川国務大臣
の答弁のしかた、
人事院総裁
のすなおな御意見の発表等を勘案して、直ちにこれに答えを出してもらうことができるかどうか。帰られたら早急に省議を開いて、この問題の処理に当たるお約束をしていただけば質問をやめますが、それができなければ、さらにさらに質問を続行します。
岩間英太郎
293
○岩間
政府委員
文部省の内部でも、また
閣議
の席でも、文部大臣から
人事院
の御意見に対しまして、私
ども
はそういう方向で行きたいということを申し上げていることでございまして、したがいまして、
政府
部内におきましても、それから先ほどちょっと言わずもがなでございますが、自民党の部会のほうでも御了承いただいている問題でございまして、できるだけ早い
機会
に、
機会
を見ましてこれの処理をするという方向で臨みたいというふうに考えているわけでございます。
受田新吉
294
○受田
委員
そうしますと、人材確保
法案
の処理の前にこれを一応片づけるというお考えであると了解してよろしいかどうか。
岩間英太郎
295
○岩間
政府委員
人材確保
法案
は、これは先生御案内のとおり、この
機会
に人材を得たいということで考えておる非常に大事な問題でございまして、これは並行して御
審議
をいただいて、できるだけすみやかに御可決いただきたいというふうに考えておるわけでございます。
受田新吉
296
○受田
委員
私、この
機会
に国務大臣として
お答え
願いたいことがある。唐突な質問ではない、通告はしてありますから。 いままだ夏です。もう二、三日ある。「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ」と百人一首に歌っておる。夏の夜はまだ宵と思うておったらいつの間にか夜が明けた、どこに暁の月がおるだろうかという歌ですね。孟子には夜気を存する、「存夜気」ということばがある。好きなことばです。その
意味
からいって、このあたりでお日さまを大事にする国の政治。夜が明けても
公務員
が朝寝をしない。いまはもう四時半ごろに日が出る。できれば出勤時間を、午前八時半とか九時とかいうことでなくして、午前七時半あるいは八時。時差出勤なら一時間ずつ繰り上げて、早く
勤務
について早く帰れるようにするという、出勤時間の一時間ないし一時間半の繰り上げ、これをやると、太陽が出るとともに目をさまし
勤務
に服して、そして太陽が西に没するとともに休みに入るという形。 また、いま午前八時半と九時との出勤時間になっておるようです。この時差出勤の二十四年の
総理府
令の二項によって、
人事院
は八時半と九時に来ておるようです。(「来やしない」と呼ぶ者あり)来ぬかね。困ったものだな。これは、そこがだらだらしておったら国の政治は乱れるですよ。(「無理だよ」と呼ぶ者あり)無理かね。それで、これをひとつ一時間早めることによって、夕方はもう三時から四時ごろにはみな退庁していく。そうすると、帰りしなにだんなさまが買いものをして、夕飯のしたくを奥さんと一緒に手伝えば女房孝行にもなる。 それから、早く起きて早く休むということになると、電力の節約になる。こうして夜の灯をつけてからやらなければならぬような、こういうことにおける電力の消耗というのはたいへんなものですよ。いま電力会社が発電所をつくろうとしておるが、至るところで公害に災いされて反対反対となっている。電力需要を緩和するためにも、太陽とともに起き太陽とともに休むというやり方に日本の政治を変える。そのためには、まず
公務員
の
勤務
時間を早くして早く帰る。
民間
の出勤時間は、私、大体八時出勤の会社が多いと思うのですが、そして四時には帰っておる。
民間
との
給与
比較
はされるけれ
ども
、出勤時間の
検討
をされたかどうか。これはやはり国が先頭に立って、日照時間を
最高
に利用する国の政治に切りかえる必要があると思うのです。その
意味
で出勤時間の
改正
をやる必要があると思うのですが、唐突の質問でなくしてきわめて適切な質問として御答弁を願いたい。
坪川信三
297
○
坪川国務大臣
まことに適切な御質問でございますが、御
承知
のとおりに、
総理府
令第一条によって
勤務
時間の変更を規定いたしておるような次第でありまして、月曜日から金曜日、また土曜日、また天候、自然・天然現象等の
立場
から、それらに対するところの時間的な操作も考えなければなりませんとともに、また出勤時間におけるところの交通渋滞の面からも考えなければならぬというような、非常に大事ないろいろの要件がこれに並行して備わっているものだと私は解釈もいたしておりますとともに、やはり行
政府
は
国家公務員
として国民への奉仕を考える
立場
にもありますので、国民
一般
の
立場
も考えて
勤務
時間というものを考えなければならぬ、こういうような気持を持っております。 私はやはり、基本的には秩序あるきびしい態度で規定しておかなければならぬ。しかし、いまおっしゃったような、太陽とともに出て官庁に入っていくというような、
一つ
の何といいますか、受田議員らしい
一つ
の正義感を持った御希望でありますけれ
ども
、いま直ちに私これに対して、
最終的決定
を即断をもって
お答え
するということは、いま前段で申し上げましたような
事情
も勘案して
総理府
令の第一条をきめたようなこともございますので、十分ひとつ御意見は貴重な御意見として拝聴いたし、そうした点を配慮いたしながら取り組んでまいりたい、こう考えております。
受田新吉
298
○受田
委員
そこでちょっと、官庁の
課長
以上の
方々
が午前八時半にはきちっと出勤しているか、あるいはおそい番でも九時にはきちっと出勤しているか、各省別の
実態調査
を要請をいたします。これは係長以下でなくして各省の
課長
でいいです。つまり
課長
クラス以上の
方々
の出勤時間を全行政機関にわたって
実態調査
をやられた結論をお出しいただいて、これが可能かどうか。現に出勤時間八時半、九時となっておるにかかわらず、
課長
は九時半、十時に御出勤になるというようなことでは、指導的
立場
にある
方々
自身が、出勤時間がちゃんと規定されてあるにかかわらず、三十分ないし一時半おくれて御出勤になる。
課長
以上
局長
はもう
一般
公務員
が出る前にきちっと出て、そして本日の執務の先頭に立たれるというような形ができておるかどうか。たいへんきびしい御要望になるかもしれませんけれ
ども
、これはやはり官紀、綱紀の粛正。 今回のこの
勧告
の書類を見ると、ここにこう書いてある。「全体の奉仕者としての使命感に徹しつつ、厳正な紀律の下に行政能率の増進とサービスの向上に一層精励されることを強く要望したい」と
総裁
談話が出ておる。この談話によって、
人事院
は八時半と九時の時差出勤になっておるが、八時半に
人事院
の
課長
以上は何人御出勤になっておるか。おそくても時差の九時には
総裁
以下
課長
までがきちっと出勤しておられるかどうか。これは非常に大事なことで、ここにせっかく
総裁
談話として、「
公務員
の
勤務
の密度及びその質においていささかも
民間
のそれに劣るとの批判を招くことのないよう、全体の奉仕者としての使命感に徹しつつ、厳正な紀律の下に行政能率の増進とサービスの向上に一層精励されることを強く要望したい」。この
総裁
談話を金科玉条と心得て、この談話に基づいて全国家行政機関が全く必死に国民のために奉仕するという模範を示すのには、各
省庁
の
課長
以上の方がまず陣頭に立っていただかなければならない。
総務長官
の御答弁を願いたい。
坪川信三
299
○
坪川国務大臣
全く同感でございます。私は、
国家公務員
の
事務
能率の増進、また国民へのサービスの点からいいまして、いま
局長
がおりませんので、あるいはまだ
課長
が出ておりませんので、せっかくいなかから出てきた陳情の国民ががっかりして貴重な時間を浪費する、こういう風景が役所等に多々見受けられることを私は思うときに、この点はやはり受田議員と御同様な気持ちで、綱紀の粛正からいいましても、
勤務
時間の励行からいうてもぜひ実行すべきである。 かつて私は、さすがはえらいなと思いましたのは、なくなられました河野一郎先生が建設大臣のときに、陳情に対するところの時間と、そしてまた各部
局長
のこれに対処すべき時間の厳守を命ぜられた、そうした
内容
を覚えておりますが、私もやはり国務大臣の
立場
から、行政庁の
長官
、責任者として、そうした点は十分配慮もいたしてまいる覚悟であり、また
総理府
といたしましては、各省の人事担当官との
会議
を持ちますので、そうした場を通じまして、いまいろいろ御要望になりました点は十分周知徹底いたすべき
方針
で臨みたい、こう考えております。
受田新吉
300
○受田
委員
非常に私としては、質問に対してまじめな
意味
で御答弁をいただいてありがたいと思います。 私は、そこに綱紀、官紀の粛正もあるし、国民が全体の奉仕者としての
公務員
に対し高い信頼もわく。そして残務整理があるからというて、あかり、ともしびをつけてやるようなことにならぬように。これはやはり家庭の紛争のもとにもなる。夜なべというのはわれわれの郷里のことばでございますが、夜やることですね。そういうことにならぬように、もうきちっとやって、そして早く行けばもう超過
勤務
をやらぬで済むようになるのです。朝というのは非常にすがすがしい。能率があがる。そしてもう
一つ
は、夜の十二時前一時間の眠りは十二時後二時間の眠りにまさると、これは健康上もいわれておる。十時ごろには寝て朝はもう五時には起きるという習慣にも通ずる。そうして、
局長
さん自身が、
課長
さん自身が、きちっともう七時には家を出られる。そうなると、とたんに役所は明るくなって、おはようございます、おはようございますという明るい雰囲気ができる。これが、
局長
、
課長
が十時ごろにひょろっと出てきて、そして夜はゆっくり遊んで——遊ぶというわけではないのですが、なるべくおそうに行くというような風潮は、私はおかしいと思うのです。 それはやはり
総理府
が、そうした人事的な総合調整役を持つ人事
局長
のところで、そういうものをこれこそひとつやっていただきたい。そして
勤務
の能率についての
基準
は
人事院
が示していただけばいいわけです。
人事院総裁
、私の
提案
に賛成していただけますね。御答弁を願います。
佐藤達夫
301
○
佐藤
(達)
政府委員
全くおっしゃるとおりだと思います。ただ、太陽とともに帰れるかどうかということが実際の問題としてはむずかしいことなんで、それは職場にもよりましょうけれ
ども
、ほんとうに夜中までかからなければできない仕事な
ども
あるわけで、
国会
の答弁資料をつくるにしても大体徹夜でやっているわけでございます。(受田
委員
「そのことは別ですよ」と呼ぶ)というようなことがありまして、太陽とともに帰れることは、これはむずかしいかもしれません。しかしながら、そのために、たとえば朝おくれるという——私の身近な者はたいてい夜中の二時か三時ごろ家に帰ってまいりますけれ
ども
、朝はやはり大急ぎで出かける。それは三、四十分あるいは二十分くらい遅刻するでしょう。それは有給休暇、どんどん差し引かれてやっておりますから、そういうようなけじめはちゃんとついておるという職場が大部分であるということだけは御了承願いたいと思います。
受田新吉
302
○受田
委員
夜、十時までも、十二時までもやらにゃいかぬときがある。予算編成期とか
人事院
が
勧告
案を出すときは、それはそうですよ。一ぺん
勧告
を出してしまうと、いまでも十二時とか二時までやられるかどうか。
総裁
、
人事院
の
局長
、
課長
で、現在、夜の二時ごろ家に帰られる方はどういう
立場
の方がおられるのか。予算編成期とか
勧告
案の処理をするとかというとき、それはある限られた期間です。多くの人はやはりきちっと出ていける。それから、おれは夕べおそかったから
局長
以上は出勤がおそうてもいいというようなことではいかぬし、それで、もう書類の点検な
ども
九時からぴちっと始めれば、それは能率があがって、昼までには午後の分まで片づくということを私は思います。ほんとうに官庁能率を高める方法は幾らでも私はあると思うのです。 じゃ、このあたりで
総務長官
、ひとつ私が指摘したことが困難でない
限度
においての
調査
を要請をさしていただいておきます。 最後に、もうこれは一言だけ
総務長官
ですが、あとのことは今度に譲ります。
皆さん
にお待ち願ってすみませんが……。
大出
さんからも御質問があったようですが、公制審の答申は九月三日までで期限切れであるのですが、四十一年以来三次にわたって足かけ八年間進められたこのような長い
審議
会というのは、
国会
が承認した
審議
会では、私はあまり例がないと思います。きわめてわずかな例しかないと思うのです。それで素案が一応できておるわけですけれ
ども
、その中に、スト権その他については別の
審議
会をまた設けてとかいうような新聞報道な
ども
ちょっと見たのですが、そういうことでなくして、この三日までにひとつ懇談会その他で精励恪勤していただいて、できるだけ、長期にわたって
審議
したこの
審議
会に国民のためのよい結論が出るような
努力
を、
総務長官
、やっていただけますね。
坪川信三
303
○
坪川国務大臣
午前、
大出委員
からも非常に真摯に討議を重ねていただいたわけでございます。それに対しましての私の
考え方
もそれぞれ申し上げたとおりでございますが、第三次にわたっての三者のそれぞれの
委員
の各位が、それぞれの
立場
において真摯に、その
問題点
の解明に、また、そのよりよき答申のために日夜
努力
をされていることに対して、深く私は敬意を表し上げたいと考えておるのであります。そうした点を心に踏まえながら、二十七日には公益
委員
側の一応の素案ができた、そして三十日には労使の
委員
とそうした点を基礎に置いて論議がかわされて、そしておのずから結論が出されるものと私は期待をいたしておるわけでございますが、この重要な
段階
に入ってきておりますので、私といたしましては、よく心情的には理解できますけれ
ども
、
政府
が、ここの
段階
に立ち至ったときに、どうあるべきかという願望を述べたり、あるいは予想を述べたり、あるいはその結論の判定を下したりすることは、私はこの時点では慎むべきであるというような気持ちで、まあありふれたことばではございますけれ
ども
、明鏡止水な気持ちでいまおりますと、こう答えたのでございますので、この点ひとつ、ほんとうに受田議員もまじめに考えておられる
立場
から、私の気持ちもひとつ十分御理解賜わりたい、こう思います。
受田新吉
304
○受田
委員
質問を終わります。
皆さん
方、おそくまでどうも御苦労さま。
三原朝雄
305
○
三原
委員長
次回は、来たる三十一日金曜日、午前十時より
委員会
を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時八分散会