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横路委員 これはいろいろ資料を見てみると、ちょっとふに落ちない点もあるんですね。たとえば負債総額六億五千九百四十万ということで、債権者別にいくと元金が五億九千百万になっているわけですね。ところが、その六億五千九百万の中身について、廃止の理由ということで
皆さんのほうにも申請されていると思うのでありますけれども、そういう書類を見ると、たとえば
大学設置のいろいろな
設備のための費用が当初の予定を大体八千万ちょっと上回ったとか、
寄付金の三千万が全然入ってこなかったとか、それから自己資金が一応表では二億二千三百万あったけれども、負債があったためにそちらのほうに回ってしまって、
現実的には二千万
程度の自己資金しかなかった。それから経常経費の不足分が一億一千万ちょっと支出になっている。こういう累計が幾らになるかというと四億七千六百五十万なんですね。それに対する利息として一億八千二百四十八万というものを計上しているわけです。つまり、そっちから追っていくと、どうしてもその差というのは一億八千万何がしが利息払いになるわけですよ。ところが、債権者別のやつを調べてみると、利息というのは六千七百八十七万ということで、大体一億一千万ぐらいそこに差が出てくるわけです。どうやって赤字が出たのかという中身を調べていったその額と、それから元金と利息別にその六億五千九百万の負債の中身を分析していくのとでは、差が一億一千万ぐらいそこに生ずるわけですよ。これはちょっと私たちのほうではわかりませんので、ここではやはり経理がずさんだというようなこともありまして、事務
局長がたとえば途中でやめて、まあ逃げたのか何か、行くえ不明になってしまったり、いろいろなことがあったわけですね。で、一億一千万が経理上ともかくわからないわけですよ。
今度の
福岡歯科大学の問題とあわせて考えてみて、やはり非常に大きな疑義がこの短大の廃止そのものの中にあるわけですね。山善から男山、それから住友不動産というこの土地が、ともかく倍以上の値段でどんどん上がっていって、その山善の三月三十一日の明け渡し期限をめぐって私大審の審議を相当急いだという話も私のほうで聞いておるわけですよ。したがって、
皆さんのほうではいろいろ調べて認められたんでしょうけれども、
あとはもう知らぬよというんで、学生もいないんだから廃校になってもよろしいということで、その間、
皆さん方の最初の審議にどこに間違いがあったのか。やはり決定的な原因は何かといったら、純然とこの短大のために使える自己資金がなかったということなわけですよ、この香蘭女子短大の場合は。したがって、
皆さん方のほうでは、高等
学校も経営している、
大学全部経理を一緒にしてしまって、そして負債のほうは負債のほうで何か償還計画みたいなものを立てさして出さしているわけでしょう、申請書のときに。だから、その負債があることを十分承知で
皆さん方は認められたわけですよ。だから当然その自己資金と負債を差し引いてみれば、具体的に使える自己資金は幾らかということだってその審議のときにわかったはずなんですね。それをあえて
皆さん方のほうは認めて、負債のほうについては、償還計画を出させることでもって目をつぶってしまった。
こういうぐあいに問題があるわけですから、本来ならば、
あとどうなっているかぐらいは、
監督じゃなくてけっこうですから、助言ぐらいあって当然しかるべきだが、それも全然やらないで、そして不動産会社の都合に合わせて廃校をぱっと認めてしまうなんというのは、経過からいってどうも私どものほうでは納得できないので、これからの審議会のあり方を議論していく上にも、
大臣、ちょっとその辺の経過をもう一度
皆さん方のお
立場でお調べになって、審議会の審議のあり方というような面で、どこがまずかったのか、どこでこういうことになったのか。つまり、最初の
認可のときに、何を
皆さん方のほうでちゃんと見るべきものを見なかったのか、そこを押える
意味から、五年くらいで廃校になるケースというのはちょっとないですから、私はそういう
意味で、後々のために
一つのケースとして、私大審の審議のあり方を
皆さん方がこれから考え直す
一つの資料に私はこれは十分なり得るんじゃないかというように考えますので、その辺のところをぜひひとつ御検討いただきたいと思うのですけれども、いかがですか。