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山原委員 これは、この
事件だけがぽかっと起こったなら、そういう
対応のしかたがにぶいとか、あるいはとまどっておるとかいうことは、私はまだ理解できないものではないのですよ。しかし、先ほどあげましたように、
私立医科大学あるいは
歯科大学をつくる場合に、いままでもう
幾つもそういう経験を積んでいるわけでしょう。好ましくない
事件が次々に発生しているその過程でしょう。だからそういう点では、きびしい倫理性というものを持たなくてはならない。しかもこれは
教育の問題ですよ。だからその点きちんとしていくのが
文部省の仕事だと私は思うのですよ。
この問題にしましても、もらった、返したけれども、それは
大学が出したものではないと言われるというのですけれども、じゃ、あなたの
文部省のほうで預かってちゃんと保管をして、返すべきところへ返すとかいう手だてを講じないで、率直に言えば、いま何にもしていないということですよ。あなた方は何にもしていないのです。こういうところに問題がありますよ。
しかも、今度のこの
事件だけでなく、時間がありませんから、他の
事件のことをきょう申し上げることはできませんけれども、たとえば逮捕されました
大城常務理事ですか、この人なんか、もうどういうふうに言っているかというと、一度
認可がおりなかった
時点、四十六年の九月に
申請をして、四十七年の一月に
認可が保留されたときがありますね。そのときなど、
認可がおくれても
設立資金とは別に三億五千万の持久戦費を持っているんだということを言っているのですよ。
認可が保留になったって、おれのほうは金を持っているからまだやるんだ、そういう広言をしておる事実もありますね。だから、相当の金が流れる、そういう暗いものがうごめいているというこの
状態の中で、身を潔白にしなければならない
審議会の
委員、
文部省の係官、あるいは
文部省当局が、それに対してきちんとした
姿勢をなぜとらないのですか。普通では私、考えられないのですよ。普通の官庁であればどこでも、普通の常識であれば、この辺はもうみずからの力でそういう点は事実を明らかにしていく、また世間の
疑惑を解くということをやりますよ。依然としてのんべんだらりと、まだ
事件の進展を見るんだという。つぼのことなんか簡単なことですよ。警察の
捜査がなくたってこれはできるわけですよ。もらっていますか、もらっていない、もらっているなら返しなさい、その
金額はどの
程度のものか、そんなことは
文部省自体ができないことはないのです、警察当局の手をかりなくとも。そういうきびしい倫理性ですね、それがいま問われていると私は思うのです。
だから、きょうの各種の
新聞を見ましても、もうごらんになったと思いますが、大体要約しますと、この
事件については、まず第一番に問題になっているのは
文部省の
姿勢だと言っているのですよ。私もまさにそうだと思うのです。それから、いままでの日本の医学界のもうけ主義が問題だ、これが二番目にあがっているのです。こういうことではまさに
教育の名に値しないとまで社説で書いた
新聞もあるわけですね。これに対して
文部省がどうこたえていくかということが、いま問われていることだと思うのですね。
そのことに対して、いま私が質問していることはこまかいような問題ですけれども、そういう倫理性の欠如ということ。しかも、特に
教育の問題において厳正でなければならない
文部省が、その点については非常に
態度をあいまいにしたり、あるいは鈍感な動きしか示していないということは、非常に遺憾です。この点について
文部大臣の見解を伺っておきます。