○大出
委員 ちょっと議事の進め方について関連質問をいたします。
私どもが一貫していままで質問をしてきておりますのは、どうも一九六九年のニクソン・ドクトリン以来、しきりに総合戦力構想といわれるものが表に出てきた。そこで、片やわが国は四次防というものを
計画を進めている。したがいまして、その相関
関係の中で、どうやら
沖繩返還というものを含めまして、日本の
自衛隊と米軍の間における、総合戦力構想というものを基盤にした、かつ
沖繩返還というものを
一つ含めての共同戦闘作戦行動という、ものの
考え方がどこかで話し合われているのではないか。その節々がたくさんある。将来そうなっていくのではないか。現在でも、制服の諸君を入れての安保協議
委員会等の構想からいきまして、詳細なそういう点の打ち合わせも進んでいるはずである。先ほどうしろのほうから不規則発言がございましたけれども、韓国にしても、日本にしても、アメリカにしても、極東
地域においてそのおのおのの軍隊、
自衛隊がばらばらでやっていくなんという、非常に非効率的な——その間には米韓条約もあります。日米安保条約もあります。そういうことになってくるとばらばらであるはずがない。だれが考えてもばらばらであるはずがない。
防衛分担もある。作戦行動範囲もある。空における話し合いもある。何かあったときにそれが総合的に機能するトータル・フォースでなければならない。これはだれが考えてもあたりまえのことなんですね。だから私が
冒頭に、少し長い質問の
あとになって入りましたが、そこで四次防原案について聞いているのも、トータルフォースといわれるものの
考え方の中に事実上組み込まれているのじゃないのか。そうでなければ、いざというときに立体的な戦闘ができないはずなんだ。これをはっきりさせたい。
皆さん方から率直に、アメリカとの
関係においてそういう形になっているのだということならば、ちぐはぐは起こらないのですよ。
ただ、それを認めたときにあなた方が困るのは、憲法の
関係が出てくる、安保条約との
関係が出てくるということなんですね。安保条約五条なら、日本の領域における米軍なり日本なりが攻撃をされれば日米共同戦闘は自動的に発生する。これは安保条約で認められている。ところが、六条という
段階になると、対象は日本の領域の外における紛争なんです。だから岸・ハーター交換公文で事前協議、ただし安保五条を除くというカッコ書きがついている。したがって、もしもいまのMLI、最小要撃線が三十八度線にあるということになるとすると、かつての朝鮮戦争のようなことが想定され、現実に起こった場合に、韓国の釜山なら釜山においても——あるいは
小松の飛行場からは三十八度線まで八百キロしかないのです。F4E
ファントムなら二十分なんですから、そうなるとここで共同戦闘が行なわれる。三十八度線で侵入機を全部落とす、こういう共同戦闘になってしまうのではないか。その心配が質問者に出てくるのは当然であり、聞いているわれわれに出てくるのは当然なんですよ。そうでしょう。だからそのことは、そうでないというなら……。
あなた方の
答弁は、
山中さんの
答弁もそうだけれども、憲法というワクが明確にある。だから、先ほど楢崎さんの質問で海上の場合もそうなんです。領海をかりに三海里説をとるとして、そこから先の公海でどこかの国、つまりアメリカの輸送船に対して攻撃が行なわれる、日本の
自衛隊がそれと戦うということになると、憲法上の問題か、能力の問題か、安保条約の問題かという問題がさっき出ておる。同じ意味で、もし三十八度線で一緒に共同して侵入機を落とすという
行為が行なわれているとすると、これは明確に安保条約六条の問題かつ憲法の問題。だからあなた方は、共同戦闘作戦行動をとりますと言えない。ここに本来の矛盾があるから、いろいろやっていくと至るところでちぐはぐになる。これが今日の経過です。
ADIZにしても、一点だけつけ加えますが、松前・バーンズ協定を
岡田さんが取り上げたことがある。米軍の識別圏を受け継ぐ形になっておる。あのときに問題になったから、皆さんは識別圏は手前に引いたのですよ。そうでしょう。これは沿海州まで含んでいたのを引いた。その識別圏というものを対象にMLIはどこにいったかといったら、三十八度線にあったのじゃおさまりがつかないじゃありませんか。そうでしょう。だからいまの問題が出てくる。したがいまして、この問題は、いまこのスクリトンにあるADIZは手前に引いたのだ、引いて国民向け、
国会向けに出されている。私もこういうふうに引きましたというのをあなた方にいただいた。松前・バーンズ協定を取り上げたときにはそうなっていない。だから問題になってあなた方は引いたのだ。引いたのだが、それは国民向けであって、このスクリーンを見たら三十八度線にMLIがあるということになるとすれば、これは私ども重大な問題だと考えますよ。そうでしょう、ここにあるのだ。私も全くのしろうとではない。十年やっておるのだから見ればわかる。これを見れば
岡田さんと同じ感覚に立つ。そうだとすれば、ここのところは日本国憲法に照らしてやはり明確にしておく必要がある。立場は違います。違いますが、皆さんがおっしゃるように、共同作戦あたりまえじゃないか、ばらばらで戦争できるか、これはだれが考えたってそうなんです。だから心配をする。憲法もある。
改正しているのではないのだ。そういう意味で憲法、安保に抵触をするのですから、だからこれがまずいならまずいで、あなた方に直していただけばいいのだ。
そういう意味で私も、このスクリーン見て疑問に思いますから、これは
理事会でけっこうですが、あなた方のほうからひとつお出しをいただいて、実際にこのスクリーンは、私どもの認識、
岡田さんの認識がどこがどう間違っておるのか、それを納得させるように
理事会で資料を出してください。そういうことで
委員長、
理事会で処理をする、そういうように預けていただいて質問を続けていただく。
岡田さん、よろしゅうございますね。そうしてください。言った意味はおわかりになるでしょう。