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大出委員 重ねて聞きます。それはすれ違ってもあるところまで行きます。せっかく
おいでいただいたのだから。お帰りいただきたいなんということはあとから言います。
次に、
自衛隊の
部隊数が
周辺諸国より少ないのに、
新聞などが四次防で
自衛隊が飛躍的に増強されると指摘しているのはなぜかと聞かれた、こう書いてある。書いてないことを言っているのじゃない。書いてある。ということになると、今日、国論を考えてみると、
先ほど来申し上げている、第二次大戦というたいへん悲惨な
民族の
歴史を踏まえてできた
憲法でございますだけに、
憲法九条で、陸海空その他の戦力を放棄する戦力放棄の条項がある。だからこそ、
自衛隊は違憲ではないかということ、あるいは違憲であるということ。また
皆さんのサイドで
自衛隊の合憲を求める、そういう形で大きく二分をされている。いまその
意味の
憲法裁判も進んでいる。幾つかぎりぎりのところへ来ている。ただ裁判所は、この問題について、
自衛隊が合憲であるとも違憲であるとも確定判決は下していない。砂川判決でも、
自衛隊が戦力であるかないかは別としてとたな上げしている。確定判決はない。有権解釈はない。
こういう時期に、あたかも、
増原氏が
記者に発表されました
天皇のお
ことばというものからすれば、四次防というものは小さいんだ、これで飛躍的に増強するなんということはどうもおかしくないかと
新聞が書くけれ
どもと、つまり四次防肯定の
立場に立っておられる。少なくとも、この
国会でも、私
ども社会党をはじめ野党四党の
方々は、ニュアンスの相違はいろいろあるけれ
ども、四次防に反対の
立場に立っている。だとすると、
天皇が肯定をする側にお立ちになる御
発言を
国民統合の
象徴としてやるべきではない、こういうことになる。
さらにもう一つ。かくて、
防衛二法の
審議を前にして、
増原前
長官がたいへん勇気づけられたと受け取るような御
発言をなさった。国の
守りは大事なので、旧軍の悪いところはまねせず、いいところを取り入れてしっかりやってほしいと、こう言う。こうなると、
防衛二法まで触れられると、では一体
防衛二法とは何だ。その中心は沖繩配置です。久保・カーチス協定を踏まえまして、五千人からの
自衛隊が沖繩に行く。
天皇の名によって三人に一人の県民が死んでいる。しかもたくさんの県民が逆に、
天皇の
軍隊、あるいはそれに類するものによって殺されている。だからこそ、相当たくさんの
方々が
自衛隊派遣にまっこうから反対をしておられる。しかも四半世紀の間異
民族支配のもとにあった。
天皇を含むわれわれも何にもしてあげられなかった。この
方々の反対論、それがおわかりにならぬはずはない。にもかかわらず、
防衛二法を肯定される
発言をなさったとするならば、まして激励をするなどというふうに受け取れる
発言をなさったとするならば、沖繩県民百万の意思を全く無視している。本来、
天皇の名においてという形の中では、私もそうだが、戦争
責任をお感じになっていていいはずだと私は思っている。そうだとすれば、そういう
発言があっていいはずはない。
国民統合の
象徴どころではなくなってしまう。傷がつく。これは慎重に私
ども考えなければならぬことです。私はこう考える。だからこそ、そう受け取っている沖繩県民の方や
国民の
皆さんに、そうでないならそうでない。もしよしんば
天皇がこういう御
発言になってしまう御心境にあるとするならば、それはいずれかの
責任において改めていただかなければならぬのですよ、
日本の将来のために。
そこらのところがこの問題の中心なんだ。単なる
制度論じゃない。だから私はあなたに、
新聞に出ていてみんなが知っているんだから、そこのところをお
認めになったんだから、
まともに
議論に入ってほしい。もしかりに、この
新聞にあるようなこと、これであってはならない。しからば
責任の所在はというなら、私
どもがそこのところは
責任を持って、
憲法の趣旨に従って将来ともに
日本という国は進んでいくように最善の努力をしていくんだというふうなことにならなければ、私は
国民に対して
まともな
国会議論ではないと思っておる。まだあなたはそこでも、
仮定だからということで、
増原さんの
辞任の弁を繰り返して
答弁終わりとするのですか。もう一ぺん
お答え願います。