○旗野委員 そこで、御説明で一応は了承いたすわけでございますけれ
ども、大蔵省の回答というものが議決後に行なわれるということは、それは慣例もあるのでありましょうけれ
ども、この点はどうなんでしょうかね。大蔵
委員会が本
会議に上程してしかるべきであるという議決をしておりますものを、大蔵省がその後にこれに対して、妥当を欠くというような回答があるわけであります。そういたしますと、やはり
委員会の性格からいたしましても、大蔵当局に事前にこれの話し合いをして、そうして予算の伴うものであるからかくかくこうこうであるからというなら私はまだわかると思うのであります。だが、議決をしておるのはもはや七、八年も前。この七、八年も前のものを拝見すると、何か非常にまぎらわしいというふうな感じがするので、何か本
請願を受けることが妥当でないというような印象を持たざるを得ない。
私はまことになまいきなことを申しますけれ
ども、憲法といえ
ども改正は、しなければならない時期が来ればしなければならぬ。
法律は何べんもいじられねばならないわけでありまして、今日なお国内の国民の中に、しかも大東亜
戦争の犠牲をこうむった
人たちで何らその恩恵に浴しておらない人という方々も、私
どもの方で耳にいたします。したがって、この問題につきましては、あえて固執をしようとは思いませんけれ
ども、
請願書の趣旨というものを十分に尊重されて、ひとつ
委員会においてしかるべく御善処をいただきたい。あわせて、この
請願は私は一応提案をいたしたいと思っておりますので、ひとつさよう御了承いただきたいと思います。
いま
一つ引き続いて御
質問申し上げたいことは、満州国の開拓団員、国策農業移民の処遇改善に関する
請願であります。これは
恩給法の改正の中に、外国の特殊機関というのが旧満州帝国協和会など十一出ております。こういう何々公社というような公社の性格は、どういう性格であるのか私は詳しくは存じませんけれ
ども、ここにつとめておられた方々は、公務員としての前歴がないんだけれ
ども一応通算を認めてやろうということですね。そういたしますと、拓植公社とこの満州開拓団員の国策農業移民ということとの関連であります。これはまさに現業、非現業にしかすぎないわけであります。しかもその開拓移民の中にも優秀な諸君がおるわけです。分布は少ないかもしれませんけれ
ども、
全国的にこの拓植移民が帰ってこられて、
国家公務員あるいは地方公務員あるいは国鉄の職員等に就職をなさった方々が相当におられるわけであります。そういう方々が今度いよいよ退職をなさる場合に、内地で勤務した二十カ年なら二十カ年というものにそのまま通算されないままになっておるという
状態であります。
そこで、拓植公社という性格は私はここで議論をいたしたいとは思いませんけれ
ども、拓植公社即私は開拓団と同じだと思うのです。そういう意味からいたしますと、分布の少ないそういう開拓団員の中で
国家公務員や地方公務員になっておられる人が、満州時代を通算されないとするならば、そこに非常に不均衡が出ておる。したがって、この際、満州拓植公社というものを一応通算というものにお認めになるならば、やはり開拓団員も通算を認める。国の金で、あるいは地方公共団体の旅費で、そうしてわざわざ満州国へ渡らせられたわけであります。オーストラリアへいわゆる政治犯がイギリスから放逐されたような、あるいはまた西部の開拓者というようなものとは、満州開拓団の入植者はイメージがどうもおかしいからして、ともすると軽視されやすい。しかし、こういう人がりっぱな公務員として内地でつとめておるのでありますから、この際これは当然通算を認めるべきではないかと私は思う。
前回も、官公吏がたとえば退職をなされて会社につとめられた、また途中でやめられて公団、公社につとめられたというような場合には通算を認めるということもわれわれは議決をしております。そういたしますと、通算の問題でも、ややもすると上に厚く下に薄いというような形がどうも出ておりはせぬか。言いかえるならば、それが民心の動向にいろいろと反映をしてくるだろうと私は思うわけです。そういう
人たちは圧力団体にもなれない、あるいはまた組織をもって強力に
政府に
訴えるというようなこともやれない、きわめてひよわな諸君であります。したがって、そういう方々こそ
救済の手を伸べて通算の
制度を認めるべきである、こう私は思うのでありますが、この点につきましては、私はこの問題はいろいろ研究をしてみたのでありますが、拓植公社の
実態というものをお
考えおきになるならばおのずから解決がつくものと思います。賢明な総務長官でいらっしゃいますから、これをひとつ十分御
検討いただきたい、予算の伴うものは
あとにしましても。
拓植公社が通算をされておりながら開拓団員が通算をされておらないというこの事実は、私は全く片手落ちといわざるを得ないと思うのです。私の申し上げることがきわめてざっぱくで、あるいは申し上げること自体が野党的かもしれませんが、私は自由民主党に所属をしておりますからして、むしろ日本の将来を憂えるために、こういう問題に手厚い援護の手を差し伸べるべきである。それをおかまいなしに、ただ、拓植公社とかあるいは森林公社というものは、ちょっとした役人さんが行かれて、下に民間の人を集めてつくり上げられた。そういう
人たちに対して
救済の手を伸べて通算を認める。けれ
ども、銃を持たせられ実弾を渡されて、片や警備、片や平和の戦士として満州開拓に入ったそういう人が何ら通算をされないというようなことは、私はまことに遺憾だと思うのです。私は、こういう点こそ
政府は
考え直すべきだと思います。この点につきまして、総務長官の御回答をいただきたいと思います。