○平松説明員 森林法と森林組合合併助成法の一部を改正する
法律案を近いうちに国会に提案いたしたいというふうに
考えておるわけでございます。
その内容でございますが、まず
二つの柱がございまして、森林法の一部改正と森林組合合併助成法の一部改正でございますが、先生のお尋ねは森林法の一部改正の内容であると思いますので、まず森林法の一部改正のほうについて御説明申し上げたいと思います。
第一番目の大きな柱は森林計画
制度の
改善でございまして、御
承知のように、森林計画
制度の中には全国森林計画と地域森林計画がございます。その全国森林計画につきましては、いままで全国一本で計画事項を定めておったわけでございますけれ
ども、今回の改正案によりまして、流域ごとに計画事項を定めていくということにいたしたい。そういうことによりまして、できるだけきめのこまかい計画にいたしたいということが第一点でございます。
それから、あとで申し上げます森林の開発規制の問題とからむわけでございますけれ
ども、森林計画の計画事項といたしまして、森林の整備の目標なりあるいは土地の保全、つまり国土保全の観点から、傾斜がどうだとか土壌がどうだとかいう観点で、土地の保全についての観点を計画事項の中に入れるということにいたしたわけでございます。それから全国森林計画を定めるについて、配意事項といたしまして、森林の公益的機能を尊重するという形で
考えるようにということを
考えておるわけでございます。
以上が全国森林計画に関する改正事項でございます。
次に地域森林計画でございますが、御
承知のとおり、全国を二百六十五の地域森林計画区に分けておるわけでございますが、全国二百六十五に分けております森林計画区につきまして、まず
最初に、いままでは、地域森林計画の対象としては、すべての森林を対象としておったわけでございますけれ
ども、新国土総合開発法案とのからみもございまして、新国土総合開発法案のほうでは、地域別の
一つの種類として森林地域というものが設けられておりますが、その森林地域と平仄を合わせまして、地域森林計画の対象とする地区を大体その地区と
考えるというふうにいたしまして、地域森林計画の対象地区は、だれが
考えても森林として
考えるのはおかしいという地域は落とすということにして、それ以外のところについて地域森林計画の対象区にするということでございます。
それから計画事項につきましては、先ほど全国で申し上げましたように、森林の整備の目標なりあるいは土地の保全に関する点を入れるということは同じでございます。それから公益的機能に対する配慮も同じでございます。
それから森林計画の作成手続につきまして、これは開発規制とからむものでございますから、森林計画の作成については、全国
段階のものについては関係省庁の長と協議をする、地域森林計画につきましては関係市町村長の意見を聞くというようなことにいたしまして、取り運びを慎重にするということにいたしておるわけでございます。
次に、二本目の柱といたしまして、民有林における乱開発の規制ということを
考えておるわけでございますが、森林の公益的機能を重視する、それに対する
国民の要請が最近非常に高まってきておるわけでございますけれ
ども、一方、森林の開発が無秩序に行なわれておるという
世論でございますので、そういう点に対する配慮といたしまして、森林についての一定の規模を越える開発工事、まあ大体一ヘクタール以上というふうに
考えておりますが、そういうものをする場合には都道府県知事の許可を受けなければならないというふうな内容にいたしておるわけでございます。その知事さんの許可を受ける際に、知事さんとして完全な裁量行為で、自由に許可したり許可しないというふうな形の態度がとれないようにということで、著しく災害を起こすような状態がないか、あるいは水源をからすようなことがないか、あるいは周囲の環境に悪影響を及ぼすようなことがないか、そういうようなことがない場合には許可をしなければならないというような形にしておるわけでございます。それから、そういうような開発行為に対する規制を守らないという場合には、守るように命令をする。あるいは、そういう命令を聞かないで、あるいは許可を受けないで開発行為をやった者については、復旧命令ができるというような規定を入れております。
それから次は、伐採の届け出制の実効を期するという点でございますが、現在森林の伐採については、都道府県知事に届け出ることが必要になっておるわけでございますけれ
ども、その届け出の内容が地域森林計画に
違反しておるとか、あるいは実際にやっておる伐採が届け出の内容と違うというような場合が起こり得ると思われますので、そういう場合に変更命令ができるというような規定を入れることにいたしております。
次は森林施業計画
制度の
改善でございますが、全国森林計画、地域森林計画を受けまして、森林所有者が
自分で森林施業計画というものをつくりまして知事さんの認定を受ける。そういう認定を受けたものについては、租税、金融措置等の特典を与えられておるわけでございますが、今回の改正では、一定の地域、大体三十ヘクタール以上というふうな規模になるような集団で、零細規模の森林所有者がその広さの地域について共同施業計画をやるというような形でやりたい場合には、それができるようにするというふうなことを
考えておるわけでございます。
それから最後に、森林組合
制度の改正を意図しておるわけでございますが、森林組合に関する
制度が現在森林法の中に織り込まれておるわけでございますけれ
ども、これは
昭和二十六年に改正されまして、それ以後全然手を加えていないということでございますので、
時代の進運に必ずしもマッチしていないということがございますので、森林組合の設置の目的なり、あるいは権能なり、あるいは管理
運営のあり方なりというような点について所要の改正を加える。あるいは組合員の資格について拡大をする。員外利用についての規制について
緩和をする。それに対応いたしまして、森林組合連合会についても同様の改正を加える。まあ以上のような改正の内容でございます。