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大出委員 私、前に国土地理院にしても、あるいは無機材質にしても、ずっと私、長くこれを手がけました
関係で、職場を歩ったこともありますし、懇談をしたこともございますので、
おいでになった方から手紙をいただきましたので、本国会始まって最初の
理事会に、筑波山ろくに
委員会として御視察をいただけないかというお願いを実はしたのでありますが、参りまして、
資料をいただきましたが、まさに私、心配しておりましたようなことが現地でたくさんわかりまして、これはぜひお直しをいただきたい。
結論を先に申し上げますと、人が住める状態にないところに人を持っていって住まわしている。つまり研究
機関が移ってしまえば、そこの職員は行かざるを得ないのでございます。うちから通えない
場所でございますから、したがって家族もついていかざるを得ないのでありますから、したがって、ほかにつとめを持っている奥さんも、つとめを打ち切って一緒についていっているわけであります。砂ぼこりは飛ぶ、ダンプは走る、水道は不完全、下水は不完全、寒暖の差というものも、筑波山ろくでございますからたいへん寒い、暑いというところであります。そういう地域で、さて子どもさんを小学校にやるにしても、あるいは中学にやるにしても、高校なんてものになりますと、とんでもないところに行かなければない。実はそういう事情にありますので、筑波山麓学園都市構想に私は反対の立場で参りました。しかし当面起こっている現実は、移っておられるのですから、まずそこから
皆さんに手をつけていただきたい。
おいでになったほかの
委員の
皆さんも、大なり小なり共通する点があって、これは人は住めぬなという実感が、当時、雑談の中でございました。
そこで、列挙的に申し上げますが、まず、三、四、五階建ての公務員宿舎が七棟平行配置のかっこうで建っております。棟間隔が非常に狭い。だから、奥さんの話によりますと、隣の
住宅の中がお互いによく見える。プライバシーの侵害という
意味では、非常に気分的にすっきりしないものが連日ある、こういう訴えがまず
一つあります。その各棟の間に芝が張られている。ところが、芝は張られたけれども、その
管理費は年間二十五万円、居住者負担、棟割り、世帯割りであります。三Kというのは、独身者及び単身赴任者が三人一組で入っているんだそうです。ここなんかもどうも人が住める状態でない。単身赴任者なんかを、三Kに一緒に三人ほうり込む。だから必ずしもこれは、世帯のある
方々のみの不平ではない。研究学園都市というので、風光明媚なところというので期待を持って来たんだけれども、これはえらいところへ来たというので、連日ぐちばかり出るという嘆きでございますが、まず
工事がきわめて雑で、壁がはがれた、中からコンクリートのかわりに埋められた紙が出てきた、手抜き
工事ではないのか。急がせられたので、ずいぶん雑な
工事である。規格品である公務員宿舎よりも、天井も低い、一回り小さくできていて圧迫感を感じるんですね。そうして、だから上の音も隣の音も、壁があるにもかかわらず、全部聞こえてしまうというんです。この人は前も公務員宿舎に住んでいたそうでございますけれども、前のところから比べると全く雑で、隣がしゃべっているのがみんな聞こえちゃう。だから年じゅう神経をとがらして、このお宅にはピアノがあるんだけれども、ピアノもひけないというんですね。隣からすぐ、うるさいと、こうなるから。前に住んでいた公務員宿舎から見るときわめてひどいもので、防音的な装置は全く考えられていない。今度はその
住宅のすぐ横には騒音を出す汚水処理場があって、爆発のおそれのあるガスボンベ室がある。ガスボンベが一ぱい入っている部屋がある。そういうものはどこか遠くのほうに置いておいてくれぬと、子供が何するかわからぬし、非常に心配だという。
東京より寒い土地なんですけれども、これは
委員長も言っておられましたが、暖房施設その他一切ない。集中暖房でもやっているのですかと
委員長がお聞きになりましたら、いやそんなものは一切ありませんという。個々の家庭がやっている。たいへん寒いところですからね、筑波山麓ですから。どうも私も、行ってみて信じられぬ気がする。
交通
機関ですが、ここにバスの時間表が書いてありますけれども、刺激がほしくて土浦に何とか出る。あるいは
東京に行く。夜になると、十時五十四分という
あとが十二時一分。一時間ちょっとの間隔です。反対方向の桜村のほうに行くのはもっと少ない。何とかもう少しバスなども考えてもらえぬかという希望です。土浦に行くのに二十分かかるのですが、この研究所の業務連絡用のバスというのが、最近になって日に四回往復するようになった。だけれども、白に四回ですから、これは研究所のバスですから、業務用ということでなければ使えない。したがって、しようがないから、自家用車の運転をやむにやまれずみんな習ったというのです。そうして、車を持ってみて、その補修料、維持費がかかるのに驚いたというわけです。これがたいへん家計を圧迫している。車なんかに乗りたくないというわけです。そういう
場所ですから、奥さんが共かせぎしていた
方々もやめてきているわけですから、そういう
意味で非常に経済的に苦しい。
性格上運転に向かない人も、習わなければ、子供が病気になったらさあ困るんだからというので、みんな習う。そうすると置き場がない。自転車置き場はあるのですけれども、そこには子供の三輪車、うば車が並んでいて、車となったらどうにもならない。だから、これができ上がって、みんなが車を持つようになったら、これはどういうことになるかというのですね。たいへん大きな心配をいまからしでいる。これは偽らざる
お話です。
交通網の全体計画というものを、私はかつて、鶴海さんが
首都圏整備委員会事務局長時代から、ここに十三省お見えいただいて、子供さんの学校その他を含めて交通体系、交通網全体をどうするのかということを承った。そういう点はもうきめこまかく配慮いたします。こういうわけです。きめこまかい配慮は何にもない。きめが荒過ぎますよ。
一体、
皆さんここで答えればそれでおしまいになっちゃって、それですぐ忘れちゃう特性があるんじゃないかとふしぎに思っている。あれだけぼくは念を押したんだから。
おまけに、いまは
工事が始まりつつありますから、いろいろな人が入ってくる。若い奥さんが多いですから、からかわれちゃって、昼間出ていけない。そうすると、いよいよいるところは、殺風景な、前にいた公務員
住宅よりも寸の詰まった、圧迫感を感じる、隣の声までみんな筒抜けちゃう、壁にひびが入って新聞紙が出てくる、そういう宿舎の中にしかいられないのかという話まで出る、こういうわけです。
それから水ですが、井戸水をろ過して調べてみた。これは研究
機関がずらっとそろっているんですから、お手のものなんですね。そうすると、亜硝酸性窒素とアンモニア性窒素が同時に検出された。検査
機関の判定によると、飲料不適という判定も出ている。まあ何とかこのぐらいならというのもあるけれども、飲料不適と両方出ている。だから、井戸なんですから、水道がないのですから、地質、水質の専門家による実地調査をやって、
そこらをなぜ安心できるようにしてくれぬか、これはもっともな話であります。
私、実はきのう、一番最後の無機材質の前の高分子の研究所、物理学の研究所に行ったときに、この水飲めますかと聞いたら、しようがない、私ども飲んでいるのですけれども、という話です。こっち側にこうやってやる蒸留水などがあるのですが、それはこわれているのですよ。だから、心配して神経を使う人がいる限りは、きちっと調べていただかぬと困る。行った当時、子供さんがなま水を飲んで下痢をしたので、なま水を飲まないことというふうに話し合って、いまは蒸留水をちゃんとつくって飲ましていると奥さんたちは言っていましたがね。毎日不安を感じながら飲んでいる。蒸留水などをやったりしてですね。水の保守を業者に委託するとやらで、またまた居住者負担月額一万円だというのです。みんなが文句を言ったら、水の保守は業者に委託しようという話が出てきた。そしたら月額一万円ずつ保守料を払えと、こういうことになってきた。
それから新聞だけは何とか配ってくれるけれども、ほかの情報
機関、映画も何もないのですね。あそこはほんとうに何もないのです。ショッピングセンターが、地主さんたち、土地を提供してくれた
方々ということでつくられていますが、これもどうもひどいものです。
あとから出てまいりますが。
ごみを業者に依頼して、週二回ごみを取りに来てもらっている。ときどきサボられると書いてある。ごみ集めの日は、ほんとうにごみの袋が山になる、週二日ですから。これでも
地方自治体と半分ずつということで月額二万円居住者負担。もちろんこれは一人じゃありません。
東京なんかの場合には、明らかにこれは都が
責任を持っておりますからね。
東京にいた人が行けば、たいへんな違いがありますね。だから、清掃法による政令指定市町村に指定してもらってちゃんとやってもらいたい、こう言っております。入居者もこれからふえてくる。飯場が立ち並ぶということになった場合に、粗大ごみなんかが、いまでも大きなごみは捨て場がないそうですけれども、
一体どういうふうにすればいいのか、これはぜひ研究してもらいたい。焼却炉なんというものも、やはり公害その他も考えたものにしていただかぬと困る。
そこらは何とかみんな考えてもらいたい。これは切実な要求です。
下水
工事がこれまたおくれておりまして、つまり地面にしみ込み方式でしみ込ませる。すぐお隣のショッピングセンターには魚屋があるのですけれども、しろうとがやっているわけです。肉は一週間に二日売るというのですけれども、買い手がなくて残ると、
あとは持ってこない。そうする一週間、肉にお目にかからぬというわけです。隣のショッピングセンター、魚屋もしろうとがやるものだから、鮮度が落ちる。落ちるから、つい買わない。いつまでも置いておく。ますます買わない。そうすると今度は仕入れてこない。こういう悪循環なんです。そうして、魚屋の流しの水がうまく流れないで、室内に流れている。子供がすべってころんだりしている。これもしみ込み方式だ。何のことはない、下水を土地にしみ込まして、それを井戸でくみ上げているようなものだ。こういうことで、研究学園都市どころの騒ぎじゃないじゃないかというわけです。
パンなんかでも、ショッピングセンターに午前中に行かないと買えない。よけい仕入れて売れなかったらというふうに考えて、仕入れてこないから。だから、あしたの朝パン食だというふうにして、うっかり買いにいくのに時間がおくれると、もうない。だから年じゅうその辺の心配をしなければならない。最近は、開発で仕事をする人が入ってくるものだから、一人で十袋も二十袋も買っていっちゃう。そうすると、やれやれ、仕入れたのだけれども、買いにきた人がいたもんだからなくなったとやられて、何とも情けなくなるのですね。
野菜なんかも、季節的に地元の新鮮なものが入る場合があるけれども、ああいう土地柄ですから。二年もいる人がいますからね。ところが売れ残りしか置いてない。売れ残りが売れちゃうまで仕入れない。こういう状態が続くという。
それから医者ですけれども、お医者さんがまたたいへんなんですね。大体土浦まで行かないと、歩いて行ける近くには医者は全くない。一時間に一本のバスで、三つ目の停車場から歩いて十五分のところに、内科、小児科が一軒だけある。午前中だけです。申し込みによって夜八時に見てもらえるというようなことにしてもらっている。しようがないから、病気の子は、かわいそうだからというので、御主人に休んでもらって、タクシーを呼んで、そして土浦まで飛ばす。そうすると、どうしても二千円くらいかかってしまう。だから、ここらのところも、小さい子供がたくさんいるんですから、何とか医者というものももう少し考えてもらえぬかと言う。
それから歯医者さんについては、これは全くどうにもならぬ。土浦まで歯医者に行くにしても、これはみんな予約なんだそうですよ、二、三カ月前の予約がみんな一ぱいになってしまっていて。つまり、歯が悪くなったら、これはあきらめるよりしようがない。耳鼻科へ毎日通院させろと言われても、通院のしようがない。病気のたびに、しかたがないから御主人が休んで、一日がかりで連れていく。そうすると、もう学園研究都市の研究どころじゃないという状態になってしまっている。
それから厚生施設。これは保健所。四十八年の春に
一つ開所される予定だというんですね。これは桜村ですか、バスの便もないんだそうです。歩いてはとても通い切れない。ここらのところもどうしたらいいかという点。
それから学校ですが、幼稚園がたった一台の送迎バスで、桜村の村じゅう回るんだそうですよ、幼稚園の子供さんを乗せて拾って歩くのに。おかあさんも乗って行ってみた。そうしたら、端からずっと子供さんをバスに乗せて村じゅう歩くものですから、幼稚園に行ったら保育時間がもうなくなってしまっておしまい、こういう状態だというのです。一台のバスで、今度できた公務員宿舎まで含めて村じゅう全部回るんだそうです。
小学校は、私、行ってすぐ、あれが小学校だと言うから、公務員宿舎からどのくらいあるんですかと言ったら、千メートルです、歩いてもたいしたことはない。私がもらっている手紙では、四十分と書いてある。聞いてみると、直線では千メートルだけれども、子供の足では四十分かかる。悪くすると一時間かかる。それを何とかしてくれと言ったら、公団が立てかえて建てましょうということだが、これも確たるものにしてくれ。そうして、建てる場合には、その市町村に金がないからそうなんですから、建てたはいいが、市町村のほうはどうするんだということになる。ここらのところは、文部省の方にきょうお出かけいただくことになっておりますけれども、これはほっておけませんよ。
中学校ということになると、オール自転車通学を強要されておるというんですね、行けないから。
工事の最中ですからダンプは通る、これまた何とかいい方法を考えられぬものかというんですな。高校に入る子供さんがもうすでに
おいでになる。これから移る方の中には高校生もいる。そういう
方々はみんな二の足を踏んで、いまいろいろなことを考えているわけですね。そうなると、筑波学園都市がこれが何とかかっこうがつくまで五年かかるんでしょう。筑波大学という、あの法案は簡単に通らぬと思いますが、よしんば通ると仮定しても、ことし一期生を募集をした、
あとこの人が卒業するときにならないと学園都市はできないですよ。その間、いま高校一年になる人は大学に行ってしまうんですよ。そうすると、これはまたどうするかという問題が出てくるのですから、
そこらもかつてここで念を押してあるはずです。これは文部省の
皆さんのほうも、地元の市町村等と話し合って特別措置を考えて、小学校が建つように、中学校が何とかなるようにする。中学が満ぱいならば、寒いところだからプレハブというわけにはいかぬにしても、教室増設等は考えて何とかしていただかないと、たまったものではないですよ。ぜひそこのところは
あとから
お答えいただきたいし、お考え願いたいのです。
それから中学校の、いま自転車のことを申し上げましたが、道路があんなふうになっておりますし、これから相当たいへんな時期が続くと思いますから、
そこらも研究していただきたい。
それから交通安全という面でも、やたら車が通りますからたいへんあぶない。横断歩道だなんだというものも、なかなか的確につくってくれないと言っておりました。
それから防犯。さっきすでに申し上げましたが、街路灯その他が全くないので、夜まつ暗で全く見当がつかぬという状態になってしまう。だから、夜はもちろんのこと、散歩が唯一の楽しみで
——娯楽
機関が何にもない原っぱのまん中です。関東平野のまん中ですから。そこに公務員宿舎七棟建っているだけなんです。
あとはみんな
工事なんですが、そこに、街路灯も何にもないところで何か
事件があったら問題ですよ。さっき申し上げましたが、昼間でもめったに歩けないと言っていますから。だから
警察をつくってくれるという話があった。少なくとも警部以上の方がそこに常駐するような
警察にしてくれと言っているんですよ、現場は。非常に人里離れて危険な状態にあるのだからというのです。
それから役場までの交通の便が全くない。役場に行くのに交通の便なし。郵便局も歩けば約四十分かかる。
それから家計なんですが、うちのふところ勘定。いま私がここでずらっと申し上げましたが、幾ら倹約してみても、下水あるいは水道から芝生の
管理からみんな取られている。子供の病気だとすぐ車を使う。そうそう亭主を研究室から呼んでくるわけにはいかないから、やっぱりタクシー、ハイヤーに来てもらって行く。だから、どんなに倹約してみても、こっちにいたときから見ると一万五、六千円支出はよけいかかっているというのです。もう筑波山ろく学園都市なるものは、確かに過渡的な段階だとはいいながらもひど過ぎるですよ。これにはすべて個人暖房その他をやっているわけです。寒いところですから、本来ならば集中暖房ぐらいは私は考えてあげなければならぬと思うんですね。
せっかく
皆さんおいでになったので、いろいろ御質問あろうと思いますので、大筋だけ拾っていま申し上げましたが、ここらのところ、私は、筑波山ろく学園都市というものは、筋論で不賛成で今日まできましたが、すでに人が移っておられるのです。問題を解決することが焦眉の急ですから、いまの問題をとりあえずどういうふうにお考えになるか。もちろん調整手当に類するものが八%ついていることはわかるのです、この
委員会に法案が出たのですから。だがそれで足りる
性格のものではない。だからそういう
意味で、やっぱり筑波山ろく学園都市の調整手当は八%ですが、これはもう少し、
人事院なり総理府なり、総理府人事局の方も
おいでになりますが、やっぱり現地に行って見ていただきまして、現地の方に聞いてみていただいて、実際にかかっているのは何とか特別に考えてあげないと。奥さんが共働きしようにも内職しようにもしょうがないのです、物理的に。だから、
そこらもぜひひとつ考えていただいてはどうか。こういうことを言っていた奥さんがいました。つまり、学童保育までを含めた保育施設をつくってもらえれば、つとめに行きたいんだと言っているんですよ、前歴、前職があるんだから。ところがそういう施設もない。だから毎月苦しいのがわかっていても、しかたがないからがまんしている。内職もできなければ何もできない。
そこらも含めて、ならば特別な手当をさらにお考えいただく、そういう多角的な角度から御検討いただきたいということなんですが、御答弁願いたいと思います。