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1973-06-28 第71回国会 衆議院 逓信委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年六月二十八日(木曜日)     午前十時十二分開議  出席委員    委員長 久保田円次君    理事 宇田 國榮君 理事 小澤 太郎君    理事 梶山 静六君 理事 金子 岩三君    理事 羽田  孜君 理事 阿部未喜男君    理事 古川 喜一君       亀岡 高夫君    志賀  節君       高橋 千寿君    楢橋  渡君       長谷川四郎君    本名  武君       宮崎 茂一君    金丸 徳重君       森井 忠良君    米田 東吾君       平田 藤吉君    田中 昭二君       小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 久野 忠治君  出席政府委員         郵政大臣官房長 廣瀬  弘君         郵政大臣官房電         気通信監理官  牧野 康夫君         郵政省簡易保険         局長      野田誠二郎君         郵政省電波監理         局長      齋藤 義郎君         郵政省人事局長 北 雄一郎君  委員外出席者         行政管理庁行政         管理局管理官  能勢 安雄君         自治大臣官房情         報管理官    馬場 行雄君         会計検査院事務         総局第二局長  柴崎 敏郎君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社データ通信本         部長      朴木  実君         参  考  人         (日本放送協会         会長)     前田 義徳君         参  考  人         (日本放送協会         副会長)    小野 吉郎君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   野村 忠夫君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     斎藤  清君         参  考  人         (日本放送協会         経理局長)   堀場 仁徳君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ――――――――――――― 委員の異動 六月二十八日  辞任         補欠選任   木村 武雄君     宮崎 茂一君   中村 寅太君     高橋 千寿君   大柴 滋夫君     森井 忠良君 同月  辞任         補欠選任   高橋 千寿君     中村 寅太君   宮崎 茂一君     木村 武雄君   森井 忠良君     大柴 滋夫君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  日本放送協会昭和四十五年度財産目録貸借対  照表及び損益計算書  日本放送協会昭和四十六年度財産目録貸借対  照表及び損益計算書  逓信行政に関する件      ――――◇―――――
  2. 久保田円次

    久保田委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君。
  3. 森井忠良

    森井委員 私はきょうは、最近とみに増加しつつありますコンピューター利用状況、なかんずく、コンピューターコンピューターを連結いたしまして通信回線利用するわけでありますが、最近特にシステムオートメーション化といいますか、いろいろな意味電電公社通信回線利用いたしましてコンピューターの活用をはかるという傾向が非常にふえてきておるわけでございますが、そういったことを中心通信行政の基本的な問題についてお尋ねをしておきたいと思うわけです。  まず現状認識でありますが、コンピューターがずいぶんふえてまいりました。去年の九月末の現在で、わが日本はこのコンピューター利用状況につきましては、アメリカに次いで世界で二番という資料が出ておるわけでございまして、すでに一万五千台近いコンピューター導入があるわけであります。しかも、これが利用される分野ひとり民間だけではございませんで、たとえば政府の各関係機関、ざらにはまた地方自治体都道府県なりあるいは市町村といった分野にもかなり大幅に浸透してまいりました。こういうふうに飛躍的にコンピューター利用増大をしてきておるわけでありますが、その間幾つかの問題がそこに露呈をされまして、なかんずく個人のプライバシーの侵害といった――まだ日本ではそう顕著な事件は起きておりませんけれども幾つかの分野問題点指摘をされるに至っておるわけであります。  一方電電公社におかれましては、この四十八年から発足をいたしました第五次合理化計画によりますと、データ通信のこれからの施策は飛躍的に増大をされるやに私ども理解をしておるわけでありまして、公社が去年の八月にお出しになりました電信電話拡充第五次五カ年計画を拝見いたしますと、データ通信部分、もちろんほかの部分にも力は入れてありますが、特にデータ通信サービス拡充あるいは開発については意を用いられておるようでございまして、大ざっぱに申し上げまして、「民間企業等が行なうデータ通信に必要な通信回線については、高速データ伝送を含めサービス品目多様化を推進し、特定通信回線サービスおよび公衆通信回線サービス需要に応じられるよう計画する。」これはもちろん去年の公衆法改正とあわせての具体的な施策の推進であるわけであります。そのほか、電電公社が直接行ないますデータ通信サービス拡充開発につきましても、公社の表現をかりますと、「公共的性格の強いシステム、全国的なネットワークを構成するシステム開発先導的システムに重点をおき、とくに国民福祉の充実・経済社会発展に寄与する」云々となっておるわけでありまして、文字どおりコンピューター利用いたしましてデータ通信中心にしたこの通信制度発展というものがこれから飛躍的に考えられると思うわけであります。  ところが、一方におきまして、先ほど御指摘を申し上げましたけれども、いろいろな弊害がそこに起きてきておるわけでありまして、私はあえて問題提起の上から御理解を得ておきたいと思うわけであります。たとえば一番新しいニュースから申し上げますと、これは四十八年、ことしの六月十八日の朝日新聞の朝刊に掲載されたものでありますが、運輸省自動車登録センター電算機集中管理をされております自動車登録証、これが幾つかのルートを通りまして石川三菱自動車販売会社あるいは金沢三菱自動車販売会社、こういったところにファイルが行き渡りまして、結果的にはこれは三菱自動車でありますが、三菱以外の車を買った車の持ち主に対して、具体的には四十四年から四十七年末までに他社の車を買った人となっておるようでありますが、両社、石川三菱と金沢三菱合わせまして一万二千人のファイルを――私に言わせたら盗用でありますが、盗用いたしまして、つまり商売がたきの相手の名簿を抜きまして、それに三菱の新車のダイレクトメールを送った。しかもこれは情報源が、先ほど申し上げました運輸省自動車登録センター電算機でございます。これらは非常に顕著な問題点がそこに抜き出されると思うのでありますが、あらかたそういうふうに問題を申し上げておきまして、去年の五月の逓信委員会におきまして公衆電気通信法改正、先ほど申し上げましたデータ通信の項の挿入ということに一口に申し上げてなると思うのでありますが、この附帯決議として「健全な情報化社会の実現を促進するため、すみやかに情報産業に関する総合的な基本法制を整備すること。なお、右の立案にあたっては、平和と民主主義および国民生活の健全な発展に寄与し、人権とプライバシー保護について、とくに留意すること。」という一項が入っておるわけであります。  いま私が幾つか申し上げましたように、コンピューターがふえる、通信回線利用度合いもふえる、こういった中においていまたった一つの例を申し上げましたが、あとでもう少し具体的に申し上げてみたいと思いますけれども、具体的にいろいろな弊害が出てきておるわけであります。この問題についてはそれぞれ政府機関関係があると思うわけでありますが、逓信委員会ということでありますし、特に附帯決議逓信委員会でつけられておりますので、そういったコンピューター化増大に伴いますところのもろもろの弊害を除去するために、郵政省並び電電公社は今日まで  一体どういうふうな努力をされたか。すでに一年たっておりますから、基本的な考え方についてまず承っておきたいと思うわけです。
  4. 牧野康夫

    牧野政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生指摘のとおり、一昨年公衆電気通信法改正がございましたときに参議院の逓信委員会において、昨年CATV、有線テレビジョン法案を可決いただきましたときに当委員会での御決議があったわけでございます。それで情報関係の基本的な法制、まあ情報処理法案といいますか、情報産業基本法と申しますか、情報基本法と申しますか、そういうような基本法の制定につきまして、その方法をどういうふうにしたらいいのか、御決議の趣意であるところの、昨日阿部委員からもございました三原則――平和的利用民主的運営プライバシー保護、こういうような点につきまして、どういうふうにこれをはかってまいったらよろしいかということをわれわれは鋭意研究しているところでございます。先生も御指摘のとおり、情報関係のこの種の仕事と申しますのは、いま縦社会における横の関係が非常に多い、各省にわたる事項が多いので、関連各省とも相談をいたしながら事を進めている次第でございます。郵政省といたしましては先年度より情報流通調査会というものを設けまして、各界の学識経験者あるいは実務者あるいは通信業者、そういうような実際に担務しておられる方々、あるいはそれらについて学問的に研究しておられる方々のお集まりを願って基本問題の検討を続けておる、こういう次第でございます。
  5. 米澤滋

    米澤説明員 ただいま情報基本法中心情報関係政策の問題についてお答えがございましたが、これは公社としてお答えをする筋でなくて、むしろ郵政省中心といたしまして政府自身がお考えになる問題だと思っております。ただ私のほうといたしましては、実際データ通信を実施する立場にございます。ナショナルプロジェクト、特に公共性の強いナショナルプロジェクトを進めることにしておりますが、同時にまたいろいろ資料を集めておりまして、いずれ政府のほうでいろいろな案をお立てになる場合の参考になる意見を聞かれた場合には、お答えするという意味でいろいろ資料を集めている、こういう段階でございます。
  6. 森井忠良

    森井委員 たくさん聞きたいことがありますが、米澤総裁緊急な御用があるようでありますから、総裁に対する質問だけ最初に済ましておきたいと思います。  総裁、いまのあなたの御答弁立場でありますけれども、一口で申し上げますときわめて傍観的だと思うのです。先ほど牧野監理官が申されました三原則については郵政当局としても御異議はないようでありまして、それを堅持をするという立場のようにお伺いをしたわけでありますが、具体的に運用していく場合には、電電公社の持つウエートというのは、プライバシーを守るという立場からすれば私は非常に高いものが技術的にあるのじゃないかという感じを持つわけです。仄聞するところによりますと、大阪住民管理の上から必要だということで、いま電電公社行政システムを組もうとされておるわけです。委託をされたのかどうか、その辺も明らかにしていただきたいと思うわけです。そういう場合には、何といいましても公社技術というものは日本では独占的に高く評価をされ、かつ遂行しておられるわけでありますが、そういう立場からすれば、法的な規制もさることながら、技術的にプライバシーを守るという立場研究といいますかあるいは具体的な秘密を守るといいますか、そういったものが私は確かに大きなウエートを占めてくると思うわけです。そういたしますと、そういった技術を受け持つ立場、あるいは場合によっては行政システム等公社は受託をする立場にあるわけでありますから、いま申し上げましたことを踏まえて、公社はこれから具体的にどういうふうに関係各省と連絡をとって、このプライバシーを守るための技術的な開発その他をしようとされるのか、その点についてだけお伺いしておきたいと思うのです。
  7. 米澤滋

    米澤説明員 政策につきましては公社は傍観というよりも、政府のほうでおきめになる際にいろいろ意見を徴された場合には、事前に十分資料――この資料の中には技術的な要素も入っておりますが、それを現在いろいろ集めております。したがって、御意見があれば政府お答えするという形になると思います。  それからただいま秘密の問題がございましたが、データ通信業務は、これは公衆電気通信業務でありまして、公社の職員はこの公衆電気通信法によって秘密を守る義務を持っております。これは退職いたしましても、同じ在職中に知った秘密を漏らしてはならない、こういうことでありまして、その問題につきましてはかたく守っていくように公社全体がなっているわけでございます。  ところでいまのデータ通信につきましては、データ通信データそのもの、いわゆるデータバンク業務といっておりますが、このデータバンク業務については公社は関与しないという立場になっております。たとえば全銀協システム、銀行全体の為替交換業務におきましても、為替そのものの中身につきましては全銀協自体がやるのでありまして、公社といたしましてはいわゆる運用技術を含んだ、狭い意味ソフトウエアを含んだ設備を提供するということでございます。ところで秘密の問題につきましては、これは業務によっていろいろ違いますけれども、そういう際にソフトウエアの面あるいはハードウエアの面でプライバシーが完全に保護できるようなシステム構成している、こういうことでございます。具体的にどうかということにつきましてはまた所管局長から御説明いたしますが、ハード並びにソフトの両面において十分な秘密が守れるようにやっております。  それからただいま御質問ございましたが、今後公共性の強いナショナルプロジェクトをいろいろ進めることにしております。その中には住民の、たとえば地方の県庁とかあるいは市が担当するようなそういう種類の問題も出てまいります。そういう際にもシステムそのもの秘密が守れるような仕組みも同時に考えていく。たとえば一つのコードであらゆるものが引っぱり出せるようなシステムではなくて、その辺は十分システム構成においても考えていきたい。たとえばいま大阪の話がちょっと出ましたけれども大阪システムのような場合には、漢字プリンターというものの導入をはかることによって、ただソフト面だけのコントロールでやれないように、ハード面においてもそういうプライバシーが十分守れるような仕組みを考える、こういうことでございます。これはシステムによっていろいろ違いますが、たとえばいま考えております医療システムあるいはまた気象の観測システム、それおのおのがみんな巨大なシステムでありまして、関係各庁にもまたがる点が非常に多いのでございますが、基本的には、二年前に公衆電気通信法が通りました国会の中で出ました御意見あるいは附帯決議というものを十分尊重してシステム組み方を進めていきたい、こういうふうに考えております。
  8. 森井忠良

    森井委員 お急ぎでしょうが、もう一点だけ、総裁……。  具体的に、電電公社四十八年度の予算で、特定通信回線等ざっと四千五百回線今回需要に応じられるわけですね、一応予算上でありますけれども。こういう問題があるのですよ。たとえば、ある学生が来年卒業する、その学生は、言うならば特殊な技術を身につけた学生であって、金の卵だ、各企業からほしい、そういう場合がありますね。そうすると、その各企業就職先を紹介した宣伝郵便物が入ってくるわけであります。見ますと、あて名番号等はすべて統一のナンバーが打ってあるわけですね。企業は違うのです。それぞれみなおそらく大企業でありましょうけれどもあて名番号は統一している。私は、そらおそろしいことだと思うわけですね。全国の学生について統一したナンバーがあるはずはないわけでありますから、どこか何らかの形でコントロールされておる。電電公社は四千五百回線という数をふやし、おそらく来年も再来年もと、第五次五カ年計画の大きな眼目としてデータ通信を進めていくという立場にあるわけであります。そうすると、何らかの形で特定通信回線等を大幅にふやすとしても、電電公社として企業的な歯どめはできないのかどうか。あとで法的その他の問題につきましては御質問するわけでございますが、特に担当される電電公社として、その点あるのかないのか、これからどういうふうな開発をする方法があるのか、その点だけお答え願っておきたいと思います。
  9. 米澤滋

    米澤説明員 ただいまの御質問、いま具体的な面に触れてまいりましたが、先ほど申し上げましたようにハードの面、ソフトの面、一つのものが引き出す方法によって一ぺんに全部わかるというシステムでなくて、結局幾つかのシステム縦割りにいたしまして、そして縦割り相互の間というものについてはいろいろ分割する。外国の例なんかを見ましても、たとえば北欧あたりでやっているのは、そういう縦割りシステムというものをやっておりまして、一つのもので全部やれないようなシステムになっておりますから、その辺はシステム組み方自体にも相当問題があるのではないかと思います。具体的には、ではどのものはどうだということになってまいりますと、それぞれによっていろいろ組み方が違ってまいりますが、先ほど大阪の市役所の例なんかで、これはきめたわけではございませんけれども、たとえば漢字プリンターというものが一ぺん間にハードとして入りますと、ソフトとしてそれを全般的に動かしにくくなってくる、いわゆるそこで切断された形になってまいりますから、その辺は構成上十分考えてやりたい、こういうふうに思っております。先ほど申し上げましたように、基本的には国会法案審議の間の御意見附帯決議等十分尊重して処理していきたい、こういうふうに思います。
  10. 森井忠良

    森井委員 電電公社通信回線を、一つ民間企業にいま開放しておる一わけでありますから、これはもうすでに法律ができておりますので、私どもとしては不満ではありますけれども意見はいまここで差し控えさしていただきまして、問題は政府なり、それから都道府県あるいは市町村といった地方自治体、そういったものの普及状況等について、あらかじめ基礎的な質問をしておきたいと思うのです。  行政管理庁、お見えになっておると思うのでありますが、大ざっぱに、いま政府関係の各省庁でどの程度コンピューターを使っておられるのか、それから、時間の関係がありますから全部はいけませんが、幾つか特徴的な利用方法についてわかれば御説明を願いたい。
  11. 能勢安雄

    能勢説明員 お答え申し上げます。  行政機関におけるコンピューター利用状況でございますが、わが国の行政機関における利用状況は年々増加いたしてきておるわけでございまして、昭和四十七年度末現在二百五台に達しております。そうしまして、さらに昭和四十八年度には二十台程度の増加が見込まれている状況でございます。  それから省庁別では、防衛庁の四十四台を筆頭にいたしまして、郵政省三十八台、通商産業省が二十七台、運輸省二十一台といった順序になっておりまして、ほとんどの省庁利用している現況でございます。  それから適用業務でございます。適用業務につきましては、統計、科学技術計算といったいわゆる集計計算型の利用のしかたというのはすでに一般化しておりまして、次第に各省庁固有管理的な業務利用拡大がはかられているという段階にございます。各省庁の特徴的な使い方でございますが、主要な適用業務といたしましては、警察庁の運転者管理、法務省の出入国管理、外務省の旅券発給運輸省自動車登録郵政省保険、貯金、労働省の失業保険職業紹介といったところが主要な適用業務でございます。
  12. 森井忠良

    森井委員 いま御発表になりましたように、私の手元の資料でも四十三年には百台そこそこだったのですね。現在二百台を越しておる。これだけ飛躍的にふえておるわけです。先ほど私が具体的に申し上げました運輸省自動車登録センターから、そういうふうに特定会社の利益――しかもこれはきわめて卑劣なやり方でありまして、商売がたき、つまり他社の車に乗っている人の名簿だけを引き抜いて、そうして自社の車の宣伝をしている。しかもそれの火元が運輸省自動車登録センターという形なんです。行政管理庁としてはこれはどのように把握しておられますか。きょうは運輸省を呼んでおりませんので、特定企業の営利にこういったファイルが使われるということは私はきわめて問題があると思うのですが、行政管理庁の見解を聞きたい。
  13. 能勢安雄

    能勢説明員 お答え申し上げます。  ただいま、運輸省自動車登録センター登録ファイルが何か悪用されていたという御指摘でございますが、この点につきまして、私どもこのテープが県の行政利用されているということは承知しているわけでございますけれども、いま御指摘のあったような問題については今回初めて耳にするわけでございまして、実情をよく調べてみたいと思います。
  14. 森井忠良

    森井委員 所管の庁ではないにしても、去年の逓信委員会公衆電気通信法改正のときに、具体的にプライバシーを守ろう、コンピューター普及に伴うところの弊害を除去しようという附帯決議がなされておる。これは行政管理庁へも当然伝わっておると私は理解をするわけでありますが、そういうさなかで、しかも先ほど申し上げましたように、これはことしの六月の事件なんですね。しかも大新聞に報道され、心ある人は眉をひそめたというケースなんです。いまもって知らぬというのはどういうことですか。  それから、先ほど申し上げました附帯決議関連をいたしまして、すでに政府は、仮称でありますが、先ほど牧野監理官から話のありました情報処理基本法とでも申すべきようなものをつくろうじゃないかという動き、すでにこれは政府意思表示もあったわけでありまして、時期の問題はかなりサボられておるようでありますが、そういろ中でいまの御答弁は私はいただけない。一体この問題は調べておられるのですかおられないのですか。行政管理庁にもちゃんとした情報処理に関する一つのセクションがあるわけでありますから、もう少し明確に御答弁願いたい。
  15. 能勢安雄

    能勢説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のございました問題につきましては、率直に申しまして、私どもこれは実情をこれまで把握しておりません。と申しますのは、行政管理庁行政管理局というところがございますが、政府電子計算機利用調査研究に関する総合調整をはかっていこうというふうな立場に実はあるわけでございまして、各省庁のそれぞれの利用のしかたあるいは利用のためのシステム、いわゆる調査研究を推進するということを行なっていくということでありまして、実はこうした問題は直接には従来扱ってきてないということでございます。ただ、私どもといたしましては、政府管理するデータ管理のしかたにつきましては、日ごろから各省庁と緊密な連携をはかりながら調査研究を進めてまいっておるわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のありましたような、特にこのコンピューター化が進むにつれまして、政府管理するデータの取り扱いにつきましては慎重な配慮が必要だということにつきましては、いろいろとふだんから調査研究を進めてまいっておるわけでございます。そういったことで、特に最近電子計算機の利用が高まってまいりますと、従来の分析、資料管理とは違った処理のしかたが要請されているというふうなことでございまして、こういった観点から、一つにはやはり管理体制の問題でございますが、管理体制の強化をはかっていく、あるいはソフトウエアデータ管理技術開発を進めていく、さらには職員の倫理観を高めると申しますか、電子計算機担当職員の研修訓練を通じましてそういった趣旨の徹底をはかっておるというふうな状況でございます。
  16. 森井忠良

    森井委員 質問を進めていく上に、次に自治省にちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。  先ほどちょっと申し上げました都道府県それから市町村、これのコンピューター利用状況について、簡単に自治省のほうから概況を御説明願いたいと思います。
  17. 馬場行雄

    ○馬場説明員 地方公共団体、都道府県市町村を通じまして、コンピューター導入状況を御説明いたします。  まず、都道府県でございますが、コンピューターを自営で導入しておりますところの団体が三十三団体ございます。残りの団体は一部の業務を民間の計算センター等に委託をしております。したがいまして、全都道府県が何らかの意味コンピューターによる情報処理を多かれ少なかれ行なっている状態でございます。  次に、市町村でございますが、市町村につきましては、東京都の特別区を含めまして導入しております団体が二百八十団体でございます。その他の団体につきましては、委託業務として業務の委託を行なっておりますが、その数は千三百十四団体に及んでおります。したがいまして、市区町村におきましては、大体全市区町村は三千三百九団体ございますので、そのうち四八%相当の団体がコンピューターを何らかの意味で使用しておる、こういうことでございます。
  18. 森井忠良

    森井委員 ちょっと確認をしておきたいのですが、それは、都道府県でいけば都道府県独自のものか、あるいは横の連絡をとったものか、その点明らかにしていただきたい。
  19. 馬場行雄

    ○馬場説明員 都道府県同士、もしくは市町村同士の間におきます情報の交換はいたしておりません。
  20. 森井忠良

    森井委員 自治省にもうちょっとお尋ねをしますが、いま聞きますと、導入をしておるもの、それから委託をしておるもの、大ざっぱに分けて二通りあるようですね。具体的な例で申し上げますが、米沢市でファイルが一枚五十円で売られている。これは三十人ぐらい名前が載るわけでありますが、一枚五十円ぐらいでちゃんと売られておる。しかもそれは、具体的な例で申し上げますと、たとえば来年小学校にあがる――文具屋さんやあるいはランドセルを売る店屋あるいは洋服屋さん、これらはのどから手が出るほどそういう名簿はほしいわけですね。そうすると、米沢では市役所へ買いに行きますと、いま申しました三十人ぐらいのが五十円で買える。これはちゃんと条例で売ることができる。基本的には、これは住民基本台帳法によりまして公開の原則という形にはなっておるようでありますから、表向きはちょっと問題はないようでありますけれども、この事実は知っておりますか。
  21. 馬場行雄

    ○馬場説明員 先生指摘のような事実そのままについては了知しておりません。  ただ、つけ加えて申しますと、現在コンピューターを使用いたしましての住民記録の処理を行なっております団体は百六十五団体ございます。これは住民基本台帳法に基づくところの法定事項等を住民課という窓口において処理をしておるわけでございますが、その処理の過程でコンピューター部門にその資料を蓄積あるいは加工させるというような形でやっておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、まず個人の秘密保護の問題、それから市町村行政におきますところの全体の行政上の機密の問題、これにつきましてはあらゆる機会をつかまえまして十分指導いたしておるつもりでございますので、先生仰せのとおりのような事態がもしあるといたしますと、これはテープを売るというかっこうというようなことになってまいりますと問題でございますので、今後十分調査をいたしまして、適切な指導をいたしたいと思います。
  22. 森井忠良

    森井委員 これは自治省さん、具体的に申し上げますと、一つの理屈はあるのですよ。住民基本台帳はちゃんと自分で申告する、したがって書いたものを、役所が特に捏造したものじゃないわけでございますから、それがファイルに登載をされる、そうしてそれを一枚五十円で売る、こういう形をとっておるわけですね。形の上では決して民主的でなくはないようでありますが、ただ、どうでしょうか。住民基本台帳に書いたその市民、住民は、これを特定企業に売り渡されるという前提で住民基本台帳に記載してないのです。明らかに私はその点が問題だと思う。人によっては、年を聞かれること自体非常にいやな感じをすることがあるわけです。住民基本台帳に記載をする事項は十三項目か幾つかありますね。これは相手が市役所なり町村役場だから、しかも書かなければいけないということで住民は書いて出す。まさかこれが先ほど申し上げましたようにダイレクトメールに利用され、特定企業に売り渡されるというふうな、そういう前提で書いた覚えは住民の側にはないと私は思うのですよ。だから、いまの答弁で明らかになったわけでありますが、私はそこでやはり自治省の基本的な態度というものを再考を促したいと思うわけです。これは別に、いま米沢という名前を出しましたが、都内にもあるわけですね。たとえば千代田区等へ行ってごらんなさい。やはりくれと言えばくれる。ここにやはり私は問題がある。先ほどの自動車の登録の問題でもそうでありますけれども、ちゃんと登録しなければならないということで自動車の所有者は出す。それが役所によって特定企業に渡っておるという事実をこれは見のがしてはならぬと思うのですよ。特に自治省の場合は、これが住民基本台帳というふうなことになりますと、これは基本的な人権、プライバシーの最たるものだと思うわけですね。しかも、いまのところ、これは条例で一枚五十円で売っていい、売るという形まで明記されておるわけですね。直させる必要はありませんか。
  23. 馬場行雄

    ○馬場説明員 お答え申し上げます。  先生仰せのとおりのことでございますが、住民基本台帳法におきましては、法定事項といたしまして、大ざっぱに申し上げまして、十二項目につきましては、これは住民の記録を市町村長がその責任において徴しまして、そして台帳を整理するということになっております。ただ、仰せのごとく、同法には、何人も市町村長に対しまして住民基本台帳の閲覧の請求は可能である、こういう規定があるわけでございます。したがいまして、その使用目的によりましては、市町村長が判断をいたしまして、それぞれの住民の方に閲覧を許すという形になっております。  問題は、コンピューターが相当この市町村行政利用されてまいりますと、コンピューターのその性能からいたしまして非常に短時間に大量な情報がアウトプットされる、こういう特殊なといいますか特別な状況というものがそこにあるわけでございます。したがいまして、特定の業者等に、一度に一定の基準のもとにおけるところの大量の個人情報をアウトプットしてしかも提供するというようなことは、私どもが絶えず注意し、そういうことのなきよう指導している、こういう態度でございます。ただ、繰り返しますけれども、個人個人が、それぞれ自分なりあるいは関係者の住民基本台帳の登載事項につきまして、手数料を払いましてそしてその交付を受けるというととは従来からやっておるわけでございますので、ただ問題は、コンピューターを使用しての近時における行政、それに伴うところの特殊な現象といたしましては、しかもそれが部外の業者等の利用に供されるという結果を招くというような場合は、これは個人の秘密に属することでもありますし、同時に行政の機密に関することでもございますので、厳に慎むように絶えず指導を続けておるところでございます。
  24. 森井忠良

    森井委員 こればかりで時間をとるといけませんので、自治省に最後にもう一回お伺いしておきますけれども、いま申し上げました具体例も含めて数あるわけですね。しかもあなたが言われました閲覧は確かにできます。しかしそれは特定の個人のものであって、不特定多数の、言うなれば、先ほど申し上げましたように、来年度の就学児の子供全部というふうな、しかも閲覧ということと、役所がちゃんと名簿にして渡すのとは違うと思うのです。ですから、あなたにいま申し上げました実情にかんがみ、調査をされると同時に、早急に具体的な指導通達をお出しになる用意があるかどうか、それが一つ。  それから二つ目は、問題はじかに導入をしている団体ではなくて、委託団体がかなりあるわけですね。そのファイルはどっちの所有になるのですか。つまり住民基本台帳で、たまたま例に出ましたから申し上げますと、それは業者に委託をするわけですね。そうしますと、ファイルは向こうへ行ってしまいます。その場合には、完全にそういった個人のきわめてプライバシーに影響するものが民間団体の手に渡るわけですね。それはやはり役所の窓口だけを締めても、これを規制しなければ私はやはり依然として同じことが続くのだろうと思うわけです。これはあとで大臣にもお伺いするわけでありますが、結局、詰めて私が申し上げたいのは、何といいましても、この際この法制化に踏み切らないとあらゆる影響が出てまいりますけれども、一体いま自治省は具体的に――政府の場合はみずから導入する場合が多いわけでありますけれども、何といいましても財政その他の関係があって、地方自治体は委託団体が非常に多い。そのファイル秘密保持といいますか、あるいはその所有権、そういった点については、どういうふうな見解をお持ちですか。
  25. 馬場行雄

    ○馬場説明員 第一の点でございますけれども、先ほども申しましたように、特定業者なりあるいは商売にお使いになるというような場合に、行政機関であるところの市町村がみずから該当のものを編成しまして、そして外部に出すというようなことは厳に慎むべきことでありますので、私どもは、今後とも従来以上に強い指導をいたしたいと思います。同時に、仰せのとおり、さらに実態の調査を行ないまして、善処いたしたいと思います。  次に第二の点でございますが、これも市町村は、特殊な事情によりまして一部の業務を民間の計算センター等に委託をしておるという実情がございます。この場合の委託につきましては、いわゆる業務の委託をするということにしておりまして、それぞれ民間計算センター等と当該市町村と委託契約を結ぶわけでございますが、その委託契約の上でやはり起こってくるところのいろいろな機密の問題等については、契約事項としてこれは規定しております。したがって、業務そのもの、すなわち作業を委託するというかっこうが主眼でございますので、計算センター等に保管をさしておりますところのいわゆるファイル、これにつきましては、その所有は当然市町村が所有しておる。しかも市町村の職員が絶えず計算センターに出かけていきまして、それを厳重に保管する、かぎをかける、しかも盗難等の予防も行なう、あるいは外部に漏れるようなことがないようにするということで指導をいたしておりますし、現実にもうそのファイル市町村所有ということになっております。
  26. 森井忠良

    森井委員 コンビュターという名前だけ聞いても非常に問題がわかりにくいので、あなたが言われるように、地方自治体がそれだけ神経を使って、完全に保管をするというところまでいまいっていない。いまあなたがおっしゃったようなこととは、むしろ情報処理基本法というようなものができれば、当然明確にしておくべき性格の一つだと思うわけでございますけれども、一応自治省についてはこの程度で終わりまして――自治省についてはこの程度で終わりましてと言っても、もう一度明確にしておきますが、私どもしろうと考えでいけば、いま都道府県――都道府県の例で申し上げましょう、都道府県がそれぞれコンピューター利用しておるわけですね。しかもそれは独立をしておるという形になっておるわけですね。本来なら、行政管理庁もおられますけれども、横に結びつけて、各県のネットワークができれば、たとえば労働力の流動等の調査をする場合に、Aという県には人間が足りない、Bという県には人間が何人余っておる、これはどういう層だ。一つの例でありますけれども……。あるいは特定の疫病がはやった、一体よその県はどうだろうか、どういう点に注意をすれば、それは阻止できるのか。幾つかその例はありますけれども都道府県相互に結びつけたいというのが――私はどうもいま申し上げましたしろうと考えからいけば、いまは都道府県個々ばらばらでございますが、公社通信回線を借りれば、これは簡単にできるわけですね。しかも、現に行政管理庁は――去年、国会答弁では、結果的にやりませんということではありましたけれども、現にそれを真剣にお考えになって、言うならば、ざっと五十万人分ぐらいを試行的にやってみたらどうか、あるいは特定の市をきめてやってみたらどうかというような動きがあったことは事実ですね。そういうふうに都道府県相互を結ぶと、いま言いました行政の事務能率向上という観点ではいいにしても、いまのように、それぞれ独立をしてコンピューターを使っても、こういうふうにプライバシーの侵害――侵害と言い切ってはまだいけないかもしれませんけれども、とにかくそういうふうにいろ論題をすでに起こしておる、こういう中でありますから、私は、その点非常に気にするわけでありますが、これは、自治省は一体これを結びつけるような指導をなさるのかどうなのか、お伺いしておきたいのです。
  27. 馬場行雄

    ○馬場説明員 現段階におきましては、都道府県相互間におきますところの情報交換ということにつきましては、それをコンピューターなりあるいはそれに結びつくデータ通信等によるオンラインによってこれを構成するということにつきましては、そういう計画は持っておりません。ただ先生仰せのごとく、今後の問題といたしまして検討に値する問題だと思っております。
  28. 森井忠良

    森井委員 この問題については行政管理庁、どうですか。
  29. 能勢安雄

    能勢説明員 お答え申し上げます。  私どものほうで現在行政情報通信ネットワークについて調査研究を進めてまいっているわけでございますが、この行政情報通信ネットワークについては、国の行政機関で処理しているデータ伝送を対象に考えているものでございまして、国と地方公共団体とのデータ交換を目的としたものではございません。ただ、どういう範囲にするかにつきましては、目下調査検討中でございます。
  30. 森井忠良

    森井委員 さて、そこで本題に入るわけでありますが、そうすると、四十八年、ことしの四月二十八日の電気タイムスに載っておりました行政情報通信サービスシステムですが、これの全国ネットワーク構想というのは政府に限るということ、それからその記事は、一応行政管理庁の構想として確認をしていいわけですね。
  31. 能勢安雄

    能勢説明員 お答え申し上げます。  恐縮ながら、その電気タイムスの記事を私実は拝見しておりませんので、どういった内容のものか実はよく存じておらない次第であります。
  32. 森井忠良

    森井委員 それでは申し上げましょう。四月二十八日電気タイムスに、五十一年度を目途に、行政情報通信システムの全国ネットワークを完成する。しかも、これは当面は政府関係の各省庁、それのコンピューター利用の一元化をはかるというのが目的のようです。もしもそのとおりだとすれば、これはあらためて答弁をいただく必要はないわけで、そこで私たいへんな心配をするわけですね。先ほど自動車の登録の問題で一つ申し上げました。今度厚生省は健康管理システムをおやりになるわけですね。きょう厚生省は呼んでおりませんが、一般的にいいますと、カルテというのは非公開ですね。これこそプライバシーの最たるものです。ところがこれがコンピューターに登録をされるというふうな形になってきますと、各省庁ともそういう問題が起きてまいります。そういたしますと、これが一元化をされますと、たとえば防衛庁から労働省へ、いま日本の自衛隊は陸上自衛隊だけでも二万五千からの欠員があるわけでありますけれども、どこかに若い自衛隊へ来る人々はいないかというふうな一つ調査事項が出てくる。そうしますと、関係各省庁がきれいに結ばれておるわけでありますから、運輸省コンピューターに入れればさっとそれが出てくる。あるいはもっと悪質な言い方をしますれば、大蔵省がこの間ああいうふうに証券の問題で汚職が出てまいりました。先ほどどなたかからの答弁で、やはり個人の熱意に非常に期待するというような話がありましたけれども、かりに厚生省の担当官が生命保険会社に、この厚生省の健康管理システムの――これは厚生省でなくてもいいわけだ、ネットワークで結ばれますと、どこの省庁でもいいわけです。だれかがそれをうまくやれば、それがとれるという形になって、それが生命保険会社に渡される、これはあり得るわけであります。先ほど申し上げました行政情報通信システムというのは、行政管理庁としてはどういう目的でおやりになるのか。いま私が申し上げましたような具体的な問題点が出てまいりますけれども、一体それをどういうふうに克服されるのか、その点について明らかにしてもらいたい。
  33. 能勢安雄

    能勢説明員 お答えを申し上げます。  私ども調査研究をしております行政情報通信ネットワークでございますが、これは現在各省庁にも数多くのネットワークがあるわけであります。また将来各省庁計画中のネットワークもあるわけであります。もしそうしたネットワークが政府部内におきまして各省個々ばらばらに建設された場合には、これは通信回線網の効率性という点から見ましても非常に問題であろうかと思うのであります。そういう意味で、私たちの構想しておりますこの行政情報通信ネットワークでございますが、そういう意味での行政の経済性をはかっていくという観点から、各省庁が共同で利用できる総合通信ネットワークを実は構想しておるわけであります。先生いま御指摘データ交換でございますが、これはネットワークを建設して、そうした総合通信網を建設することによりまして、データ交換が促進されることは否定できないと思うのでございます。しかし、いま御指摘のございましたような広範なデータ交換、コンバーションにつきましては、これは異機種間のコンピューターデータ交換というものは、なかなか技術的にもむずかしい面があるというふうにも聞いておりますし、あるいはいろいろな標準化の問題が解決されねばなかなかむずかしい。しかしながら、いずれにいたしましても御指摘のようにデータ交換が将来促進されていくであろうということは間違いないと思います。私どもといたしましては、当然こうした構想を考えるにあたりましては、それとあわせてパライバシーの問題あるいは秘密保護の問題につきまして十分な配慮を加え、そうした悪用なり盗用ということを防止するシステムなりあるいはソフトウエア・プログラムをそこに織り込めるような技術的な検討も必要でありましょう。また法制の整備につきましても当然検討していかなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
  34. 森井忠良

    森井委員 時間がないのではしょるようになるわけでありますが、いまそういったネットワークにしても、そこまでデータを相互に交換をしませんということですが、それはあなたの推測であって、現実にはもうきょう私が指摘をしただけでもあれだけの問題が出てきておるわけです。しかも固有名詞のついた問題がすでに出てきておるわけです。いま私ここに各省庁コンピューターのそれぞれの適用業務についてずっと持っておりますけれども、いま時間がありませんから申し上げませんが、これもかなり広範なものです。防衛庁のごときはもうすでに四十数台というコンピューターを入れておるわけです。それは用がないのに入れたわけではない。ずいぶんいろいろなものが出てくる。郵政省の場合も二番目か三番目に多いわけでありまして、これは三十台余入れておられるわけであります。これは貯金業務、為替業務それぞれそういったものがあるでしょうから、私も理解するわけでありますが、これらが全部結びつきますと、たとえばこの人間の思想状況から、年齢その他はもちろんでありますが、一体預金の残高が幾らなのか、郵便貯金があるのかないのかというところまで全部とれるわけですね。そうしますと、やはりあなたが考えておられますように、ただ経済的に安上がりになるから行政管理庁としては一本にするというだけでなくて、いまかりに動機がそういう単純なものであったにしても、巨大な国家権力のもとにおいて使おうとすれば、それこそ文字どおり一億二千万の国民がすべて主要な項目について行政のサイドでキャッチができる。このことはまぎれもない事実です。政府は国民総背番号制についてはやる意思がない、あるいはやるにしても国民のコンセンサスを得るまではという形なんですね。ところが現実には、もう私が申し上げるまでもなく先進国のアメリカではずいぶんこのプライバシーの侵害の問題が出ておる。たとえば警察の犯罪捜査、犯罪記録等を見ましても、ずいぶんいろいろと――何しろもとが間違っておれば当分直すことができない。先ほど牧野監理官は三原則と言われましたけれども、これはまさに必要なことでありまして、たとえば私なら私はどこにどういうデータが登録されておる、それが間違いか間違いでないかは、これは当然個人が知る権利がありますし、間違っておればそれを訂正する権利もある。同時にやはり先ほど申し上げましたような観点からすれば、やはりこういった重要な個人情報について民主的に管理をするに何らかの機関が必要になってくる、あるいは法的な措置が必要になってくるという時代なんですね。  そこで大臣、たいへんお待たせをしましたが、お伺いしたいわけですが、いまお聞きのような非常に重要な要素が現在出てまいりました。私はあえて逓信委員会で去年の附帯決議に基づきまして御質問したわけでありますが、時間の関係で一口で申し上げますと、一体それではこの情報処理基本法、先ほどたまたま監理官が言われましたそのことばを使わせていただきますが、ともかく要するにプライバシーの侵害にならないように民主的に、そしてまた公開の原則に基づいてやろうというふうなことで、何らかの形で法制が必要なのであります。ところが、去年の附帯決議以来もうすでに一年たっている。しかも、事務レベルで私がいろいろ聞きますと、どこの省庁もこれは私の所管でありますといってやろうとする省がないのであります。行政管理庁へ行けば、うちかなと言う、こういうふうな形なんですね。そうしますと、やはり何といっても最大のものは通信の秘密、あるいは先ほど申し上げました通信回線網を利用するわけでありますから、そういうような立場からすれば、郵政省あたりが機関車にならないと、先ほど申し上げましたようにどんどんデータ通信発展をしていく。ところが、先ほど申し上げましたように、法的な規制はないままの野放しであります。もう一刻も猶予することはできませんし、先進諸外国でもすでにもう法的な規制というものを考えられつつある時代であります。大臣のお考え、特に所管の官庁もまだはっきりしておらないというようなこともあるわけでありますが、田中内閣の閣僚の一人としてこの問題についてどのようにお考えなのか、久野郵政大臣からお伺いしたいと思います。
  35. 久野忠治

    ○久野国務大臣 先ほど来、具体的な事実に基づいて貴重な御意見を拝聴したわけでございます。先ほど牧野監理官から申し上げましたように、人権とプライバシー保護については特に留意するということを、当逓信委員会附帯決議に基づきまして、省内において学識経験者関係団体等の専門家等からなります総合情報流通調査会を設けまして、検討を進めておるような次第でございます。しかし、いつまでも検討検討と言っておるわけにはまいらないと思うのであります。いわゆる情報化社会多様化、高度化に伴いまして、やはりこの技術の面あるいは法制化の面で何らかの具体的な措置をすることが必要ではないか。私は先ほど来お話を伺っておりまして、さように感じていた次第でございます。  そこで、情報処理基本法という法を制定してはどうかということになるわけでございます。この基本法につきましては、事務当局より先ほど申し上げましたように、広範な関係機関あるいは省庁あるいはこの技術的な問題等もあるわけでございますから、こうした問題を十分調整をいたしませんと、なかなかこれはりっぱな基本法を制定するというわけにもまいりません。それならば検討の時期はまた先に延びるんじゃないか、こういうことになろうかと思うのでございますが、先ほど来の具体的な事例等にかんがみましても、これはできるだけ早い機会にこのような法制化が必要である、私はさように感じておるような次第でございまして、事務当局に命じまして、この検討を進めさしていただきたい、かように存ずる次第でございます。
  36. 森井忠良

    森井委員 電電公社にお伺いしたいわけでありますが、先ほど申し上げましたように、ことしもまた私が指摘をしている間にデータ通信がどんどんふえていくわけでありますが、技術的に先ほど総裁にお伺いしましたけれども技術的な問題についてもやはり限界があるように、私しろうとでありますが、感じます。これからの開発について、いま大臣から法的な問題について若干の答弁があったわけでありますが、電電公社としては、先ほど総裁も言われましたけれども技術的に先ほど具体的な例で申し上げました行政管理庁が主唱いたします全国ネットワークも、これは政府関係だけでありますが、そういったものについて情報が、何といいますか、特に国民のプライバシーが侵害されないような歯どめをするような技術的な措置というのは、先ほども行政管理庁が言われました具体的な全国ネットワークも五十一年を目標に政府の各省庁を集めるというわけでありますが、この問題については、具体的に技術的な秘密保持の措置がとれるのかどうなのか、この点だけ一点承っておきたいと思います。あとは時間がありませんから……。
  37. 朴木実

    ○朴木説明員 お答え申し上げます。  データ通信システム秘密保護と申しますか、プライバシーの侵害に対しまして、それを防止するということは非常に重要な問題だと考えております。もちろん、そのシステムのオペレーションをやっている職員の倫理というような問題もございますけれども、それ以前に自動的にプライバシーの侵害を防止する方法を現在考えておるわけでございます。また実施もしております。  どういうようなことかと申しますと、ハードの面とソフトの面と両方におきまして二重に防止しております。ハードの面で申し上げますと、たとえばデータ通信システムのセンターにたくさんの端末機から接続されます。その場合にあるAという端末機からデータを投入しまして、センターのファイルに格納されておる。これをB、C、Dなどの端末機から読み取られては困るというような場合には、Aの端末機の中にハードである特殊の暗号を組み込んでおきます。そうしますと、そのAの端末機から開始ボタンを押しますと、自動的に暗号がその端末機からセンターに送られまして、センターではそれをチェックして、確かにAだなということを確認した上でAの格納したデータに接続するというような方法がございます。したがいまして、こういうようなことをしますと、B、C、Dその他A以外の端末機から、Aの格納したデータに近づくことはできないわけでございます。  それだけではこういうような問題が出てまいります。一つのAの端末機でも、それを使用する人が複数ありまして、アという人がそのAの端末機を使用する、イという人がやはりそのAの端末機を使うという場合がございますが、その場合にアという人が、たとえば人事上の記録を格納しておる、イという人は営業上のデータを格納しておく。そうしますとイという人がアの人の格納したデータ、人事上の記録をのぞきたいという場合も出てまいるかと思うわけでございますが、先ほどのハードの端末機から自動的に暗号が出るというような仕組みだけでは、いま言ったような同じ端末機を複数の人が使う場合には防止できないわけでございます。その場合にはAの端末機をアという人とイという人が同時に使うといたしましても、アの人だけが知っておる暗号をセンターとアとの間で協定をしておきまして、暗号をきめておきます。そうしますと、アという人がほかの人にいじられたくないデータを格納する場合には、アの人の持っておる特有の暗号をあらかじめ打ちましてそして格納しておく。そうしますとイの人はその暗号を知りませんから、センターでは、アの人の格納したデータにたとえ同じ端末機からでも近寄らぜないというようなソフトの面での防止対策もございます。そのように端末機をチェックするという問題、あるいは同じ端末機でも使用者をチェックするというような問題をハードの面、ソフトの面で実施しておるわけでございまして、先ほど各官庁のコンピューター通信回線で自由にデータ交換がされるというようなお話もございまして、そういうような傾向は今後世界的な傾向として伸展してまいるかと思うわけでございます。その場合でも、いま申し上げました端末機のチェック、あるいは端末機を使用する使用者のチェックという方法がございますので、技術的に考えますれば、プライバシーの侵害という問題に対しましては相当程度有効な措置が講じられつつあるというふうに考えております。
  38. 森井忠良

    森井委員 最後に一言だけ。時間が超過しましたから、最後に一言大臣にもう一度お伺いしておきたいと思うのでありますが、事務当局を督励して早く情報処理基本法、仮称でありますが、それをつくりたいというお考えのようであります。大臣、私が考えましても、所管らしいところを見ますと、郵政省はもちろんあります。行政管理庁、ありますね。それから、ひょっとするとこれは総理府あたりになるのじゃないかというふうな感じも持って持てないことはありません。そこで事務当局もですけれども、いま言いますように、大臣これは手おくれになりますとほんとうにたいへんなことになりますので、いま申し上げましたような、まことに横越でありますが、関係閣僚の皆さんとも大臣としてお話し合いをいただいて、一定のめどをつけていただく、それで所管を明らかにしていただく、こういうことをぜひお願いをしたいと思うわけでございますが、この点について最後に大臣の所見を承りたい。  それから行政管理庁資料要求しておきたいと思うのでありますが、きょう時間がなかったので、各省庁の具体的なコンピューター利用状況について明らかにしていただけませんでしたので、各省庁別コンピューター利用状況、それから特に、項目もですけれども、どの程度の人間のファイルが登載をされておるのか、その辺も当然行政管理庁として調査がなされなければならない立場、時期でありますから、したがって、そういったものをお届けを願いたい。これは資料要求いたします。  以上で終わります。
  39. 久野忠治

    ○久野国務大臣 御指摘のとおり、各省庁にかかわる問題が多いのでございます。でありますから、やはり基本法の制定につきましても、各省庁間において十分連絡をとりませんと問題の本質的な解決はできないことは御指摘のとおりだと私は存じます。閣内におきましても、この点について関係閣僚ともよく話し合いをいたしまして、でき得る限り早い時期にこのような法制が実現いたしますように努力をしたい、かように存ずる次第でございます。
  40. 久保田円次

    久保田委員長 次に、平田藤吉君。
  41. 平田藤吉

    ○平田委員 私は簡易保険の契約をめぐる問題について、前回、四月二十五日の当委員会での質問に引き続いてお伺いしたいと思うのです。  まずあらためて、簡易生命保険法に基づいて被保険者一人の最高契約額がきめられているわけですけれども、それは幾らか。それからもう一つは、それは終身保険とか養老保険とかいろいろありますけれども、そのそれぞれが一定額まであるのか、全部合わせて一人幾らというふうになっているのか、この二点についてまずお答え願いたいと思います。
  42. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 簡易生命保険法第十七条の規定によりますと、被保険者一人につきまして三百万円ということが最高制限額となっております。なお、保険種類につきましては、養老保険に三百万円入っておりますと、終身とかそのほかの保険には入れないという意味で、全部の種類を合計いたしまして三百万円に達しますと、それが最高制限額になるわけであります。
  43. 平田藤吉

    ○平田委員 一人の被保険者が三百万円以上の契約をした場合にはどうするのか、この点についてお答え願います。
  44. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 ただいまの御質問、三百万円をこえました契約につきましても、これを有効として取り扱っておりまして、一たん保険事故が発生しました場合には、保険金の支払いの責めに任ずる、こういうことになっております。
  45. 平田藤吉

    ○平田委員 そうすると、いまよく聞こえないのですけれども、三百万円以上の契約をしても差しつかえないということですか。
  46. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 差しつかえないという意味じゃございませんで、三百万円をこえます契約につきましても、簡易保険局といたしまして、その保険の責めに任ずる、有効として取り扱っている、こういうことでございます。
  47. 平田藤吉

    ○平田委員 そうしますと、三百万円をこえた場合でも有効として取り扱うということであれば、解約、つまり最高限度額をこえた場合に契約を解除するというような措置はとらなくてもいいわけだと思うのですけれども、それが行なわれているわけでしょう。なぜなんですか。
  48. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 一たん締結せられました契約が、簡易生命保険法の十七条の最高制限額の規定に違反するということで無効の取り扱いをしていないということを先ほど申し上げたわけでございます。いまの先生の御質問は、その場合に保険者の側としてはこれを有効として取り扱うということにいたしておりますが、契約者の側からこの契約について解約といいますか、保険を継続したくないという意思表示がございました場合に、これはやはり契約がなかったものとして取り扱う、こういう措置をとっております。
  49. 平田藤吉

    ○平田委員 そうしますと、簡易保険募集員が一人の被保険者に対して三百万円以上の契約をした場合、その契約は法律上の効力を持っているという見解ですか。
  50. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 簡易生命保険法の最高制限額の規定につきまして、やはり時代の変遷とともにその解釈が変わってきておる、われわれはこのように考えております。戦前の無審査、小口、月掛けの生命保険につきましては簡易保険が独占をいたしており、民間保険との間にはっきりした境界線があったわけでございます。その当時におきます簡易生命保険の最高制限額の規定につきましてはこれを強行規定として、これを超過する契約につきましては無効という取り扱いをいたしております。これを強行規定であるということから無効としておったのであります。戦後二十一年に簡易生命保険の独占規定が撤廃になりまして、民間保険も無審査、小口の保険が営業できる、こういうことになりました以後における最高制限額の規定についての解釈につきましては、これを一応訓示的な規定ということでわれわれは解釈をいたしております。またいままで、下級審でございますが、地方裁判所におきます判決も一、二例がございますが、これにつきましてもそういう判示が出ておりまして、私どもその十七条の規定に違反したということをもって直ちにこれは無効である、こういう解釈はとっていないわけでございます。
  51. 平田藤吉

    ○平田委員 そうしますと、募集員が最高限度額をこえる契約をした場合でも、つまり最高限度額であるというのを承知して、この被保険者はもう三百万円入っておるというのを承知して、そしてさらにそれをこえる契約をした場合でもかまわないという見解ですね。
  52. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 簡易保険契約といたしまして、私法上の契約としては有効である。私法契約といいますか、保険契約の申し込み、これが適法といいますか、形式に従って行なわれておりました場合に、これが成立をした場合には有効である、こういう考え方でございます。
  53. 平田藤吉

    ○平田委員 それは法律のどこに基づいて行なわれているんですか。十七条の規定を、効力を持たないものにする法律が何かできているんですか。
  54. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 簡易生命保険法十七条の解釈によりまして、これは有効である、こういうふうな取り扱いをいたすわけでございまして、現在簡易保険局がとっておりますのは、被保険者一人について三百万という規定がございますが、これが六百万の契約が締結をせられた、その場合におきまして、契約が継続をいたしております場合に、ただ簡易生命保険法の十七条に違反をしておる、三百万をこえておるということだけでこれを無効としない、こういうことでありまして、十七条の解釈上、そういうことになる、こういうことであります。
  55. 平田藤吉

    ○平田委員 十七条の解釈上という根拠をひとつ示してください。それがくずれているとしたら、十七条が全く効力を持たないものであるとしたら、これはたいへんな問題だと思うのですが、その根拠をはっきりさせてください。
  56. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 私ども、簡易生命保険法の十七条を無視してやってもいい、こういうことを申し上げているのではございませんで、十七条違反の契約が締結されてもそれを有効としている。したがって、外務員がこれをとれとか、十七条というのは規定があるけれども、これを無視して大いにとりなさい、あるいは十七条があるにかかわらずこれを無視してわれわれのほうからいろいろな指令をする、そういう趣旨で申し上げているわけではございませんで、十七条の規定があることは事実であります。またこれを守るように指導もいたしておりますけれども、この規定に違反したということで無効の取り扱いをしていないということを申し上げているわけでございます。
  57. 平田藤吉

    ○平田委員 十七条の規定はあるけれども、この規定を破って契約をとっても違反だとはいわないのだということですね。法律上違反ではないのだとおっしゃるんですね。その法律上違反でないという根拠があるならはっきりさせてくださいよ。あなたのかってな解釈でやられてはたまりませんよ。
  58. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 私ども申し上げておりますのは、法律に違反をしていないということを申し上げておるわけではございませんで、十七条違反であります。しかし、この違反をしておりましても、この違反をした契約が成立した場合に、われわれとしてはこれを有効として取り扱っておる、こういうことでございます。
  59. 平田藤吉

    ○平田委員 これはおかしいじゃないですか。十七条に違反である、違反であるけれども違反を認めているのだというのは、あなた方自身が法律をかってに破っていることになるじゃありませんか。はっきりさせてくださいよ。私が聞いているのは、一つは、被保険者がこの十七条の最高限度額をこえているのだということを承知の上で契約した場合どうなるのか、その場合は別に契約は解除いたしません、本人から申し出があった場合に限って契約を解除するのでございます。それでは簡易保険の募集員が一人の被保険者に対して三百万円をこえる額の契約をした場合にどうなるのか、それは十七条違反だけれども、違反じゃないのだ、こういう説明では私はわかりかねますから、はっきりさせてください。
  60. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この十七条の最高制限額の規定を超過して結ばれました契約、これが法律に違反するということは先ほど来申し上げておるとおりであります。ただ、この最高制限額を超過して結ばれました契約の効力に関しまして、これが十七条に違反して制限額をこえた契約であるということのゆえをもって無効の取り扱いはしない。ただ、これをすすめるかどうかということは、これは当然十七条の規定が行政当局に対する訓示的な規定というふうにわれわれ解釈しておりますので、そういうことの起こらないように指導をいたしておるのでございます。ただ誤って、あるいは外務員のほうにそういう意識があって結ばれたとしましても、一たん締結された契約につきましては、保険者のほうからこれの無効を主張をしない、有効として取り扱う。したがって、一たん保険事故が起こりまして、死亡なり何なりが起こりました場合は、これは超過契約である、無効だから保険金を支払わない、こういう態度をとりませんで、たとえ超過契約でありましても保険金の支払いの責めに任ずる、こういう取り扱いをしておる、こういうことでございます。
  61. 平田藤吉

    ○平田委員 私はそのことを聞いているんじゃないですよ。簡易保険の募集人が一人の被保険者に対して三百万円をこえる契約をした場合に、その契約は十七条に違反しないのかと聞いておる。
  62. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 先ほども申し上げましたように、十七条違反でございます。
  63. 平田藤吉

    ○平田委員 それでは次に御質問しますけれども、簡易保険局では募集技術指導官というものを置いているようですけれども、職制上はこれはどんな位置にあるのだろうか、このことについてお答え願います。
  64. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 生命保険の募集につきましては、御承知のように非常に高度な募集に関します技術あるいは基礎知識というものが必要でありまして、簡易生命保険におきましても、約二万六千の外務職員を擁しております。これらの保険募集の技術の指導につきまして、これは外務員の中の課長代理及び主事の中から、これらの募集技術につきまして練達をし、かつ後進の指導に適任と思われる者を募集技術指導官に委嘱しております。
  65. 平田藤吉

    ○平田委員 それは、そうすると職制上はないんですね。ただ技術指導官という名をかってにつけてあるというだけのことですね。主事であるということなんですね。そこははっきりさせておいてください。
  66. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 ただいま申し上げました課長代理、主事、主任、こういう職制上の地位とは違うわけであります。  なお、正確を期しますために、後ほどお答えします。
  67. 平田藤吉

    ○平田委員 委員長あと質問の都合で、これはちょっとはっきりさしてもらわないと困るのですよ。どの位置にあるのか。位置によっては、やはりかなり問題にしなければなりませんので、それでひとつ大急ぎで、はっきりさしていただきたいと思います。
  68. 久保田円次

    久保田委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕
  69. 久保田円次

    久保田委員長 速記を始めて。
  70. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 簡易保険の募集技術指導官につきましては、公達によりまして、募集技術指導官規程というものが置かれておりまして、ただいま正確に調べておりますけれども、地方郵政局長がこれを任命する。地方郵政局長によって指定をせられました職務の分担ということで、先ほど来申し上げております課長、課長代理、主事、主任というような職制というものとは違うということは申し上げられるかと思います。
  71. 平田藤吉

    ○平田委員 それは何に基づいてそういう公達というやつが出ておりますか、何に基づいているのですか。
  72. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 どうもおくれまして失礼いたしました。  郵政省設置法第三条「郵政省の任務」というのがございまして、「左に掲げる国の事業及び行政事務を一体的に遂行する責任を負う行政機関とする。」ということで、郵便なり貯金なり簡易保険等々書いてあるわけでございます。これらの任務を一体的に機動的に遂行するために、いろいろな職制なり何なりを置ける、こういう基本的な権限は、この郵政省設置法の第三条にある、こういう解釈でございます。
  73. 平田藤吉

    ○平田委員 それは、そのどこに従ってつくられたのかということなんですよ。もやもやと郵政省が何でもつくれるのだということじゃなくて、法律のどこに基づいてつくっているのかということを聞いているのです。
  74. 久保田円次

    久保田委員長 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  75. 久保田円次

    久保田委員長 速記を始めて。
  76. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 ただいま申し上げましたように、郵政省設置法の規定に基づきまして、郵便なり貯金なり簡易生命保険事業を一体的に遂行する責任を郵政大臣が負っておるわけでございまして、その責任の遂行といいますか、そういう意味で省令、公達、訓示、通達等を包括的に発し得る権限を持っておるわけであります。この保険募集技術指導官に関する公達につきましても、簡易生命保険事業を遂行する責任を負う郵政大臣の権限内の行為として、公達をもって募集技術指導官を置き得る根拠をつくった、われわれこういうふうに解釈いたしております。
  77. 平田藤吉

    ○平田委員 じゃ大臣にお伺いしましょう、大臣はそういうことができるのだというのですから。募集技術指導官というものを、大臣いま聞いていておわかりのように、組織にもないものをいつでも大臣がこれは必要だなと思ったら通達を出してつくれるのだ、こういう回答ですよ。大臣、これでいいのですか。
  78. 久野忠治

    ○久野国務大臣 事務当局より答弁させます。
  79. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 先ほど申し上げましたとおり、基本的にはこの設置法の三条にあるわけでございますが、さらに郵政省設置法の第二十八条、組織の細目というところがございます。第二十八条「郵政省の組織の細目については、この法律に規定するものの外、郵政大臣が定める。」この規定が根拠になっております。
  80. 平田藤吉

    ○平田委員 そうしたら募集技術指導官という職制は、その公達によってつくられたというふうに理解してよろしゅうございますか。
  81. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 ただいま御質問の職制という用語につきまして、われわれこれをつまびらかにしないわけであります。募集技術指導官につきましては、先ほど申し上げましたごとく公達によって設けられた職務である、こういうことが言えようかと思います。
  82. 平田藤吉

    ○平田委員 職務というのは、みんな職務はあるんですよ。だけど、何で法律にない、職制でもない募集技術指導官なるものをあなたのほうがかってにつくられたのか。それは保険募集の技術上の問題でいろいろ検討する人が必要なので、都合上つけた名前でございますというならば、それはそれなりに私のほうも了解のしようがあるんですよ。しかし法律を基礎にしているというふうにおっしゃるのだと、いまの説明では説明がつかないでしょう。法律上の職制ではないのです。職制ではないけれども、公達によってつくられた任務分担という話でしょう。それは話は通らないですよ。ちゃんと募集技術指導官というふうに名前がついているのですから、こういう官職があるのかということを聞いているんですよ。
  83. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 お答え申し上げます。  募集技術指導官につきましては、先ほど申し上げております募集技術指導官の設置に関します公達によって設けられた官職でございます。官職につきましては、これは法律、政令、省令等それぞれ根拠を別にしておりますが、先ほどちょっとことばが足りませんでしたけれども、設置法三条の規定に基づいて郵政大臣が簡易保険業務を一体的に遂行する責務を持っておりますので、この職務を遂行するについての権限――この募集技術指導官につきましては組織規程上の役職ではないわけであります。仕事の範囲を明確にするために担務の分担を定めた、その仕事にふさわしい名称として簡易保険募集技術指導官という名称をきめまして、これを公達の上ではっきりさせた、こういうことになっております。
  84. 平田藤吉

    ○平田委員 いまの説明では理解できません。できませんけれども、これはいまの状態では説明できるような根拠は出てこないと思います。あらためてまた質問しますから、検討しておいてください。  ところで、前回私が質問しました区チヨさんにかかる保険契約について、その後あなたのほうから概要報告といいますか、文書で出てきました。それによりますと、  1 募集の概要   (1)日本橋郵便局勤務募集技術指導官 畑田繁則(三十六才)は、昭和四十七年九月七日、中野北郵便局区内において、同局外務員戸田弘を指導中、区亮郷宅を訪問し、同人妻チヨさんに簡易保険への加入を勧誘した。   このとき、子供四人に対し、合計四件(保険金各三百万円)の傷害特約全期間払込十五年満期養老保険契約の申込みを受理した。(被保険者に無面接)   (2)畑田繁則は、昭和四十八年二月七日、再び戸田弘を指導中、区亮郷宅を訪問し、前回の契約の礼を述べるとともに、簡易保険の追加勧奨を行なったところ、加入の応諾を得たので合計十二件(保険金各三百万円)の傷害特約付十年払込十五年満期養老保険契約の申込みを受理した。(超過契約、被保険者に無面接)   (3)畑田繁則は、昭和四十八年三月十四日、中野北郵便局外務員遠藤今朝雄を指導中、区亮郷宅を訪問し、チヨさんに、さらに保険への追加加入を勧奨し、前回同様合計十二件(保険金各三百万円)の傷害特約付十年払込十五年満期養老保険契約の申込みを受理した。(超過契約、被保険者に無面接)   (4)以上の畑田繁則の取扱いにかかる契約のほか、昭和四十七年十月十八日および同四十八年三月二十二日、遠藤今朝雄が合計八件(保険金百万円 四件、同三百万円 四件)の傷害特約付養老保険契約の申込みを受理している。(超過契約、被保険者に無面接)   (5) 本件にかかる契約受理内容は別表のとおりである。  2 本件についての措置本件契約については、調査の結果、ほとんどが超過契約であって、区チヨさんも契約の継続を希望していないことが判明したので、被保険者が日本国籍を有していないという事情も考慮して、全契約について無効処理をすることとし、昭和四十八年五月十二日、払込保険料全額の返還を行なった。  3 関係者に対する措置   (1)畑田指導官については、超過契約となることを知悉しながら、しかも被保険者に無面接のまま契約の申込みを受理したこと、区チヨさんが住民票の提出は可能である旨申し述べたことをもって、被保険者に日本国籍があるものと誤信し、保険勧誘を行なったこと等募集技術指導官としてふさわしくない行為が認められたので、五月十八日付で募集技術指導官を解任した。   なお、募集関係者については、募集手当の返納をさせることとした。   (2)東京郵政局に対しては、今後かかる事態を惹起しないよう、厳重に下部機関の指導を行なうよう注意した。 そして畑田繁則の募集状況についてずっとあげております。  これがあなたのほうから出された報告なんですけれども、この報告にもありますように、先ほど最初にお伺いした十七条違反、これを承知しながら、畑田指導官は幾つもの違法行為をやっている。この状況、これはたいへんだと思うのです。ここの家だけで全部で三十六件、契約額にして一億円ですか、こういう状況ですよ。そして保険料額にして七十万七千百円を受け取っていたのです。これには関連者がいろいろあるわけですけれども、この報告によると、あなたのほうは畑田技術指導官を解任したということになっております。やったことはずいぶんひどいことなんです。これは職制でないのだが、解任したということになっていますが、解任して、指導官であるときとないときとはどんな違いがあるのですか。
  85. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 募集技術指導官としてふさわしくないということでその職を解きましたので、彼はもとの保険の外務主事ということに戻っておるわけであります。
  86. 平田藤吉

    ○平田委員 これは違法行為をやったので処分したのじゃなくて、適当でないので解任したのですか。これはちゃんとしておいてくれませんか。どういうことですか。
  87. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 ただいままでの措置は、この行為者本人が募集技術指導官たるにふさわしくないということをもちまして募集技術指導官をやめさせたということであります。彼が法律に反する行為をやったことについての責任の追及につきましては別途ということでございます。
  88. 平田藤吉

    ○平田委員 私がこの前質問し、重大だと言って指摘したのは四月二十五日ですよ。労働者が憲法で保障されたストライキをやったときはすぐぴしっと処分して、こういうものについては何もしてない。これからどうするつもりですか。
  89. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 本件につきましての処分の権限は東京郵政局長にあるわけでございますが、現在までのところ、東京郵政局長からこの処分につきまして報告は受けておりません。しかし連絡したところ、現在手続中であるということの報告を受けております。
  90. 平田藤吉

    ○平田委員 どんな手続をとっているわけですか。どういう処分をする手続をとっているのですか。
  91. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 この処分の量定なり何なりにつきましては、これは処分権者の権限でありまして、われわれのほうから特段にかくかくということの指示はいたしておりません。したがいまして、またその内容等につきましてもいま連絡を受けていない状況でございます。
  92. 平田藤吉

    ○平田委員 あなたのほうは、これだけの問題が起こっておるのに、それは人まかせですと誓うのですか。そうはいかないでしょう。こんなむちゃくちゃなことをして、詐欺師にひとしいといわれますよ、これじゃ。それについてはあなたのほうは指一本触れようとしてないじゃないですか。あなた自身も処分するつもりもないじゃないですか。すべきだという考えすら明らかにしてないじゃないですか。これじゃ悪いことをするやつがはびこるわけですよ、保険局に。こういう連中に限って労働組合を分裂させて、そうして波乱をつくり出していくのですよ。あなた、これは違法行為なんだからきちっと処分すべきだという見解なのか見解でないのか、明らかにしてください。
  93. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、簡易生命保険の最高制限額の制度及びその内容である限度額につきましては、大正五年に簡易生命保険ができましてからいろいろな変遷を経ております。終戦後、これは二十一年でございますが……(平田委員「そういうことを聞いているんじゃないんだよ。」と呼ぶ)基本的な考え方を申し上げたいと思うわけでございます。昭和二十一年に簡易生命保険が独占を廃止しました以後におきまして、この最高制限額、超過契約の取り扱い並びにそれを行ないました職員の措置につきまして私どもの基本的な態度を申し上げたいと思うのでございますが、確かに募集に行き過ぎがあったり、超過契約が間々発生し、あるいはいろいろな事態を起こしておること、われわれ十分承知をいたしておるのでございますが、生命保険を募集する募集の実態といいますか、確かに募集というものが、簡易保険の場合においては保険の外務員につきましても固定給が保障されておりますが、その上に能率給としての募集手当というものが認められておるというのは、やはりこの募集というのは非常にむずかしい仕事であろうというのが一つの理由かと思います。  さらにもう一つ、募集の実態につきまして、これは契約でありますから、少なくとも形の上では保険契約を申し込む人と受理者という人がいるわけでございます。実際、その募集の現場の実態を言いますと、申し込む方が一人、これを受理する保険の募集員が一人でありまして、どういうことばのやりとり、あるいはどういう応接の中でこの契約の申し込みがなされ、またこれの受理という行為が行なわれたかにつきましては、真実の発見なり、また後に問題が起こりました際の真実の追及というのはなかなかむずかしいことだろう、私このように思っております。  保険募集事業の特性ということに着目をいたしまして、この最高制限額を超過しました契約を結んだ職員につきましては、これを指導によって矯正をしていく、こういう基本的な態度をとっておりまして、そういう行為を行ないました職員を処分をもって矯正する、実はこういう基本的な態度をとっていなかったのでございます。  さらに基本的に申し上げますと、この超過契約が本来無効だということになりますと、これは処理は簡単だろう、私はこのように思うのでございますが、ただ保険者の立場として、いまの簡易生命保険法十七条の規定をわれわれはこれは訓示規定と解釈し、限度額をオーバーしましてもこれが有効であるという取り扱いをしております以上、この超過契約を結びました職員についての措置というのが必然的に甘くならざるを得ない、といいますとちょっとおかしいのでありますが、大目に見ておるということはこれまた否定し得ない事実でございます。そういう事業の本質と歴史的な経緯というものを考えますと、確かにわれわれとしましても、いま御指摘のような行為をしました職員についての責任の追及といいますか、問責という点について甘かったという点なり何なりはあろうかと思いますが、われわれのいままでの基本的な態度というものは指導によって矯正していく、まあ通達、会議等、その他いろいろな場面を通じまして外務員の良識に訴えるという方法によって超過契約というものを自然になくしていこう、こういう基本的な態度をとっております。したがいまして、繰り返して申し上げますが、超過契約をとりました職員の個人の責任の追及ということはあまり厳格にいたしておらなかったわけでありまして、そういう事業の本質なり歴史的な沿革というものをひとつ十分御了解をいただきたい、こういうふうにわれわれは思う次第でございます。
  94. 平田藤吉

    ○平田委員 何を言っているのです。どうするのですかと聞いているのですよ。あなたはこれに対してどういう考えで臨むのかということを聞いておるのに、いままではこうでございました、終わりますということじゃ、答えになりませんよ。そういうことを言っているから、全くかってなことがやられるようになるのですよ。  これは「外野新聞」という新聞です。あなた方、大臣もあなたも出席しているところでの話だ。こう言っているのですよ。「お客さまというのは時に勝手なことを言う場合があります。それがマスコミに取り上げられ、いろいろの問題を提起しています。どちらの言い分が正しいかは、さして問題ではなく、」これは体験発表の、なかなかどうしてすぐれているといわれて、全国からえりすぐられた中からえりすぐられて、発言しているのですよ。お客さんというのはかってなことを言っている……。どうするのです、あなた方の基本的な態度はこれを許されるのか。あれほど、この一年余、二年余にわたって大問題になってきている違反契約、超過契約をどんどんやってくるというこの状態を、あなたはいままでどおりの態度で臨むのかどうかということです。そして、お客さんはかってなことを言っている、マスコミが取り上げるから。あなたも言っているでしょう、これが国会でも問題になるようになっておりまして、と言っている。そういうことじゃだめですよ。どうするか。
  95. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 いままでの態度は先ほど申し上げましたとおりでありますが、ここ一両年非常に御指摘のような事例が多発をいたしておりまして、私どもこれは指導だけではなかなかむずかしい。外務員個々の職員の良識に訴えるということだけでは今後こういうものを規制していくというのはなかなか困難だろう、こういう考え方に私ども立つようになりました。御承知かと思いますが、一昨年くらい前からこの募集ワクの規制、あるいは用います話法とか資料とか、そういうものの規制なり団体の取り扱い等につきましても、相当の規制――いままではむしろ外務員が自由にやれるようにということを奨励をいたしておったのでありますが、非常に規制を強くいたしました。これがまたある程度成績にもはね返ってきて、最近の簡易保険の伸びが悪くなったということがいわれるわけでございますが、御指摘のように問題もいろいろ発生いたしておりますので、二万六千の外野の組織に非常な衝撃を与えるというようなことはわれわれ避けたいと思うのでございますが、今後は個人の責任の追及につきましても効果のある方法を発見をしていきたい、このように考えております。
  96. 平田藤吉

    ○平田委員 あと何かやりたいので御協力をお願いしますと来たのですが、私にあまり質問させないのだが、これは困ったものだな。なるべく協力したいと思っていますが、向こうが協力してくれないのですから……。  あなたは公務員法というのを知っているのでしょう。法律違反は処罰することになっているんじゃないの。しかも意識して、わかり切っている。専門家であって、百も承知だ。それが繰り返し繰り返し超過契約を相手にいわば強要しているのですよ。金があるところだったら、ちょうど砂糖に群がるアリのごとくですよ。幾らか持っておるなと思ったら、もう何としてでも金をもぎ取る。これが新聞にはみんな書いてある。すぐれた外務員の発言はそうですよ。こういうことになっているのですよ、あなた。だからはっきり承知の上でやっている。十七条違反、法律違反を処分しないのか。それなら法律違反を処分しないのだというふうにここではっきり言ってごらんなさい。
  97. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 私、処分をしないということを申し上げておるわけではございませんし、現在先生が御指摘になっております事案につきましては、処分権者の東京郵政局におきまして目下手続を進めておる、検討中であるということは申し上げたとおりでございます。確かに法律違反につきましてはその責めを問われるべきでありますが、そのことがすぐ処分をしなければいかぬということになるかどうかは――処分の対象となることは確かにそのとおりでございます。処分が現実に行なわれるかどうかということはまた別な問題になろうかと思います。
  98. 平田藤吉

    ○平田委員 明確な法律違反ですよ。どこへ出したってこれは法律違反ですよ。それは対象になるだろうけれども、処分するかどうかは別だ、あなたはそうおっしゃる。十七条違反ははっきりしているでしょう、これは。しかもみずからが十七条違反を進んで、承知の上で犯しているのですよ。それでもあなたはまだその処分をするかどうかは別の問題だ、法律違反であることは間違いない、対象になることは間違いないが、処分するかどうかは別の問題だとあなたは言えるのですか。これだけの報告書をちゃんと出して、指導官として適当ではないと言っておる。明確な法律違反です。法律違反なんだから、法律違反については、たてまえとしては処分するのがあたりまえである。処分するかどうかは別の問題だと言う必要はないですよ。あたりまえであるということなんですよ。それが基本的な立場でしょう。実態をいろいろ検討してみたけれどもこれは対象にならなかったということ、それはありますよ。この件については、あなた、これは余地ないでしょう。そこのところはあなたのほうで検討すると言うのですから、検討された結果に基づいてまたあらためてやりましょう。  さて、このあなた方の考え方でいきますと、ばく大な募集手当、これは給料日になりますと封筒が机の上へ立つというのです。われわれの月給じゃ立ちませんけれども、机の上に立つというのですよ。ずっしりして立つというのですから。札束がこんなに厚いから立つのでしょう。そして机の上に立つ手当と、それから出世目当て、これで詐欺にひとしい行為といわざるを得ないようなことをやっておいて、被保険者から苦情が出たら、これはまずいから返せばいい、こういう式なんですよ。あなた方のいまの論法だと、どろぼうをやったって、もとを返せばよいじゃないか、別に罪には問われない、どろぼうのしかたによっては罪に問われないと言っておるようなものですよ。これは返せばよいという考え方の中に重大な問題がある。国民を愚弄するもこの上ないことだと思うのです。しかもこの件については、中野北局長、彼は区チヨさんが不正契約をしたと受け取られるようなものの言い方をしておる、こういうふうに聞いております。簡易保険局に対して、局長のところにはどんな報告が来ておりますか。
  99. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 私のほうは調べましたけれども先生がおっしゃっておるような事実はございません。
  100. 平田藤吉

    ○平田委員 局長は言っていないというふうにおっしゃいますね。私のほうも現地にあらためてそう言っておるということで手を入れてみますよ。あなた方のほうは、中野北局とその現地に郵政監察官を入れているというふうに聞いておりますが、これはほんとうですか。しかも、事もあろうに、畑田らの違法行為の調査ではなくて、区チヨさんの訴えを真剣に取り上げた労働者に対して、公務員法違反の形で処分する目的で調査しておると聞いております。これはたいへんですよ。公然と違法行為に出た畑田らは処分されずに、法を守り、被保険者の苦情を親身になって解決しようと努力した者が処分される対象にされている。これは一体どういうことなのですか。監察局を動かすということは中野の郵便局長だけでできるはずはないのです。本省の課長や課長補佐が関連しなければ郵政監察官を動かせるはずはないわけです。無法者を守って、法を守ろうと努力する人がいためつけられる。これでは不正契約を野放しにする仕事を郵政省自身がやっておることになるわけです。局長、この実態を何と考えられるのか。責任をどうとられるのか、明らかにしてください。
  101. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 ただいま御指摘の区チヨさんの契約の関係をめぐりましての、あるいは監察官が中野北郵便局に入っておる、あるいはそれはどういうふうな形でいろいろ仕事をしているかということにつきまして、まだわれわれ報告を受けておりませんので、いまここで質問に対して、ちょっとお答えすることができかねるわけでございます。
  102. 平田藤吉

    ○平田委員 これだけの重大問題を、たとえ一つであっても、これは実は氷山のほんの一角にすぎないのですから、あなたのほうではもう少し真剣にやはり検討しておくべきですよ、きょう私が簡易保険の超過契約をめぐる問題について質問することになっているのですから。  それじゃお伺いしますが、この畑田とほか六人が徒党を組んで、繰り返し繰り返し区チヨさんのところに乗り込んでいますね。この連中はどうなっているのです。みんな超過契約ですよ。それから無面接で面接なしです。これはどうします。あなた方どうしましたか、答えてください。
  103. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 御指摘の畑田指導官以外の六人につきまして、先ほど申し上げましたように、人事担当のほうにおきまして処分について検討中である、こういうことでございます。
  104. 平田藤吉

    ○平田委員 何か時間の計画がだいぶ急がれているようですね。どうします、本会議も一時からありますし。ですから、なんなら、私はここで質問を中断して、次回に時間をいただきたいと思う。どうします。皆さんのほうで相談してみてください、五分でやれとか三分でやれといっても困るから。
  105. 久保田円次

    久保田委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕
  106. 久保田円次

    久保田委員長 速記を始めて。  後日に機会を設けます。
  107. 平田藤吉

    ○平田委員 では、中断します。      ――――◇―――――
  108. 久保田円次

    久保田委員長 次に、日本放送協会昭和四十五年度財産目録貸借照表及び損益計算書、並びに日本放送協会昭和四十六年度財産目録貸借照表及び損益計算書の両件を議題とし、審査に入ります。
  109. 久保田円次

    久保田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、両件の審査が終了するまで、随時参考人として日本放送協会当局の出席を求めることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 久保田円次

    久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 久保田円次

    久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決ました。     ―――――――――――――
  112. 久保田円次

    久保田委員長 それでは、両件について久野郵政大臣から説明を聴取いたします。郵政大臣久野忠治君。
  113. 久野忠治

    ○久野国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会昭和四十五年度財産目録貸借照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出につきまして、概略御説明申し上げます。  これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。  日本放送協会から提出された昭和四十五年度の貸借照表等によりますと、昭和四十六年三月三十一日現在における資産総額は一千二百一億四千万円で、前年度に比し、七十六億六千百万円の増加となっております。これに対しまして、負債総額は四百四億六千五百万円で、前年度に比し三十億五千三百万円の増加、資本総額は七百九十六億七千五百万円で、前年度に比し、四十六億八百万円の増加となっております。資産の内容を見ますと、流動資産百三十九億四千万円、固定資産一千四十五億三千万円、特定資産十四億九千万円、繰り延べ勘定一億八千万円であり、固定資産の内容は、建物四百二億五千五百万円、土地百三十七億七千五百万円、機械三百四十四億五千九百万円、その他の固定資産百六十億四千百万円となっております。  また、負債の内容は、流動負債九十八億九千五百万円、固定負債三百五億七千万円であり、固定負債の内容は、放送債券百四十九億円、長期借り入れ金百十五億七千万円、退職手当引き当て金四十一億円となっております。  資本の内容につきましては、資本七百五十億円、積み立て金三十一億六千百万円、当期資産充当金十二億八千九百万円、当期剰余金二億二千五百万円となっております。  次に損益について御説明申し上げますと、事業収入は九百二十億六千二百万円で、前年度に比し七十二億六千三百万円の増加であり、事業支出は九百五億四千八百万円で、前年度に比し、七十三億七千四百万円の増加となっております。したが.いまして、事業収支差金は十五億一千四百万円で、前年度に比し、一億一千百万円の減少となっております。  なお、事業収支差金の内容は、資本支出充当十二億八千九百万円、当期剰余金二億二千五百万円となっております。  引き続きまして、昭和四十六年度財産目録貸借照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出につきまして、概略御説明申し上げます。  これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。  日本放送協会から提出された昭和四十六年度の貸借照表等によりますと、昭和四十七年三月三十一日現在における資産総額は一千三百四十億八千六百万円で、前年度に比し、百三十九億四千六百万円の増加となっております。これに対しまして、負債総額は五百四十三億七千六百万円で、前年度に比し百三十九億一千百万円の増加、資本総額は七百九十七億一千万円で、前年度に比し三千五百万円の増加となっております。  資産の内容を見ますと、流動資産百五十九億八千八百万円、固定資産一千百六十六億六千七百万円、特定資産十二億六千八百万円、繰り延べ勘定一億六千三百万円であり、固定資産の内容は、建物四百二十二億八千五百万円、土地百四十四億六千百万円、機械三百七十億四千八百万円、その他の固定資産二百二十八億七千三百万円となっております。  また、負債の内容は、流動負債百十九億四千三百万円、固定負債四百二十四億三千三百万円であり、固定負債の内容は、放送債券百二十六億八千万円、長期借り入れ金二百五十五億五千三百万円、退職手当引き当て金四十二億円となっております。  資本の内容につきましては、資本七百五十億円、積み立て金四十三億一千七百万円、当期資産充当金三億円、当期剰余金九千三百万円となっております。  次に損益について御説明申し上げます。  事業収入は、一千九億八千六百万円で、前年度に比し八十九億二千四百万円の増加であり、事業が出は一千五億九千三百万円で、前年度に比し百億四千五百万円の増加となっております。したがいまして、事業収支差金は三億九千三百万円で、前年度に比し十一億二千百万円の減少となっております。  なお、事業収支差金の内容は、資本支出充当三億円当期剰余金九千三百万円となっております。  以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
  114. 久保田円次

    久保田委員長 次に、参考人、日本放送協会会長前田義徳君から説明を聴取いたします。前田会長
  115. 前田義徳

    ○前田参考人 ただいま郵政大臣から日本放送協会昭和四十五年度財産目録貸借照表及び損益計算書の概要につきまして御説明がございましたが、委員長の御指名によりまして、補足説明を申し上げることといたします。  まず、当年度末現在の資産総額は一千二百一億四千万円で、この内訳は、流動資産百三十九億四千万円、固定資産一千四十五億三千万円、特定資産十四億九千万円、繰り延べ勘定一億八千万円でございまして、固定資産の内容は、建物四百二億五千五百万円、土地百三十七億七千五百万円、機械三百四十四億五千九百万円、その他の固定資産百六十億四千百万円でございます。  この資産総額を前年度末に比較いたしますと、七十六億六千百万円の増加となっております。  これは主として、当年度の建設計画に基づき草津等二百四十局の総合・教育両テレビジョン局の新設、京都等五十二局の超短波放送局の新設、奈良ほかの放送会館の整備、その他放送設備の整備等を行なったことによる固定資産八十一億九千三百万円の増加によるものでございます。  一方、これに対します負債総額は四百四億六千五百万円で、この内訳は、流動負債九十八億九千五百万円、固定負債三百五億七千万円、でございまして、固定負債の内容は、放送債券百四十九億円、長期借り入れ金百十五億七千万円、退職手当引き当て金四十一億円でございます。  この負債総額を前年度末に比較いたしますと、三十億五千三百万円の増加となっておりますが、これは主として、受信料前受け金等の増加により流動負債が二十億六千五百万円増加したためでございます。  また、資本総額は、七百九十六億七千五百万円で、この内訳は、資本七百五十億円、積み立て金三十一億六千百万円、当期資産充当金十二億八千九百万円及び当期剰余金二億二千五百万円でございます。この資本総額を前年度末に比較いたしますと、四十六億八百万円の増加となっております。  なお、資本につきましては、前年度末に比較して五十億円の増加となっておりますが、これは、積み立て金から五十億円を資本に組み入れたためでございます。  次に、損益計算書により事業収支について見ますと、まず受信料等の事業収入は、九百二十億六千二百万円で、前年度に比較しまして、七十二億六千三百万円の増加となりました。  これは主として、総合・教育両テレビジョン放送網の建設を推進いたしますとともに、放送番組内容の充実刷新及び事業の周知、受信者の維持開発につとめました結果、有料受信契約者数が、カラー契約におきまして、当年度内に三百六十六万の増加を示し、当年度末七百六十六万となったためでございます。一方、普通契約は、カラー契約受信者の増加に伴い、当年度内に二百九十五万の減少を示し、当年度末一千四百九十四万となりました。  次に、事業支出は九百五億四千八百万円で、この内訳は、給与二百七十三億二千二百万円、国内放送費二百六十五億三千百万円、国際放送費七億四千百万円、業務費八十四億五千五百万円、管理費百二億五千八百万円、調査研究費十四億八千二百万円、減価償却費百三十二億八千九百万円、関連経費二十四億七千万円となっております。  これを前年度に比較いたしますと、七十三億七千四百万円の増加となりましたが、これは主として、放送番組内容の充実刷新、カラーテレビジョン放送時間の拡充、受信者の維持増加対策の推進及びこれらの事業規模拡大に伴う維持運用費等の増加並びに建設工事の進展に伴う減価償却費の増加によるものでございます。  また、資本支出充当として、十二億八千九百万円計上いたしました。  これは、債務の償還等の資本支出に充当したもので、貸借照表に記載されている当期資産充当金に相当するものでございます。  以上の結果、当期剰余金は、二億二千五百万円となりました。  これをもちまして、協会の昭和四十五年度末における財政状態及び当年度の事業成績につきましての補足説明を終わらせていただきます。  引き続きまして、昭和四十六年度財産目録貸借照表及び損益計算書の概要につきまして、補足説明を申し上げたいと存じます。  まず、当年度末現在の資産総額は一千三百四十億八千六百万円で、この内訳は、流動資産百五十九億八千八百万円、固定資産一千百六十六億六千七百万円、特定資産十二億六千八百万円、繰り延べ勘定一億六千三百万円でございまして、固定資産の内容は、建物四百二十二億八千五百万円、土地百四十四億六千百万円、機械三百七十億四千八百万円、その他の固定資産二百二十八億七千三百万円でございます。  この資産総額を、前年度末に比較いたしますと、百三十九億四千六百万円の増加となっております。  これは主として、当年度の建設計画に基づき神津島等二百二十地区のテレビジョン局の新設、京都ほかの県域放送を実施するためのテレビジョン局の新設、千葉等五十一局の超短波放送局の新設、前橋ほかの放送会館の整備、その他放送設備の整備等を行なったことによる固定資産百二十一億三千七百万円の増加によるものでございます。  一方、これに対します負債総額は五百四十三億七千六百万円で、この内訳は、流動負債百十九億四千三百万円、固定負債四百二十四億三千三百万円でございまして、固定負債の内容は、放送債券百二十六億八千万円、長期借り入れ金二百五十五億五千三百万円、退職手当引き当て金四十二億円でございます。  この負債総額を前年度末に比較いたしますと、百三十九億一千百万円の増加となっておりますが、これは主として、長期借り入れ金の増加により固定負債が百十八億六千三百万円増加したためでございます。  また、資本総額は七百九十七億一千万円で、この内訳は、資本七百五十億円、積み立て金四十三億一千七百万円、当期資産充当金三億円及び当期剰余金九千三百万円でございます。この資本総額を前年度末に比較いたしますと三千五百万円の増加となっております。  次に、損益計算書により事業収支について見ますと、まず受信料等の事業収入は一千九億八千六百万円で、前年度に比較しまして、八十九億二千四百万円の増加となりました。  これは主として、総合・教育両テレビジョン放送網の建設を推進いたしますとともに、放送番組内容の充実刷新及び事業の周知、受信者の維持開発につとめました結果、有料受信契約者数が、カラー契約におきまして、当年度内に四百十三万の増加を示し、当年度末一千百七十九万となったためでございます。一方、普通契約は、カラー契約受信者の増加に伴い、当年度内に三百四十四万の減少を示し、当年度末一千百五十万となりました。  次に、事業支出は一千五億九千三百万円で、この内訳は、給与三百十八億九千六百万円、国内放送費二百八十七億四千五百万円、国際放送費七億六千万円、業務費九十六億二千六百万円、管理費百十億九千万円、調査研究費十五億一千五百万円、減価償却費百三十九億八千百万円、関連経費二十九億八千万円となっております。  これを前年度に比較いたしますと、百億四千五百万円の増加となりましたが、これは主として、放送番組内容の充実刷新、カラーテレビジョン放送時間の拡充、受信者の維持増加対策の推進及びこれらの事業規模拡大に伴う維持運用費等の増加並びに建設工事の進展に伴う減価償却費の増加によるものでございます。  また、資本支出充当として三億円計上いたしました。これは、貸借照表に記載されている当期資産充当金に相当するものでございます。  以上の結果、当期剰余金は、九千三百万円となりました。  これをもちまして、協会の昭和四十五年度及び六年度末における財政状態及びそれぞれの当年度の事業成績につきましての補足説明を終了させていただきますが、今後の事業運営にあたりましても、公共放送としての使命と責務を銘記し、一そう放送事業の発展に努力してまいりたい所存でございます。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  116. 久保田円次

    久保田委員長 次に、会計検査院難局から検査結果について説明を聴取いたします。柴崎第二局長
  117. 柴崎敏郎

    ○柴崎会計検査院説明員 日本放送協会の検査について御説明申し上げます。  日本放送協会昭和四十五事業年度及び昭和四十六事業年度の財産目録貸借照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書は、四十五事業年度分につきましては昭和四十六年十月二十六日内閣から受領し、その検査を終えて同年十一月三十日内閣に回付いたしました。  また、四十六事業年度分につきましては、昭和四十七年十月三十日内閣から受領し、その検査を終えて同年十一月二十四日内閣に回付いたしました。  同協会の両事業年度の会計について検査をいたしました結果、特に不当と認めた事項はございません。  以上、簡単でございますが、御説明を終わります。
  118. 久保田円次

    久保田委員長 これにて説明は終わりました。  両件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十五分散会