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土橋委員 そこで私は、ラジオ関東という放送局が今日までいろいろ御奮闘になった点もあろうと存じます。しかしここの社長の遠山景久さんという方は、いま
お話のあったような基準に照らして、これは許されない放送を繰り返しておったということがいえるのじゃないかというふうに私は思うのであります。その一つの例でございますが、これはちょうど昭和四十三年ごろの事例であります。これは
労働組合あたりからきちっと出た資料でございまして、ラジオ関東が沖繩返還問題について街頭ティーチインという、街頭の一般の
大衆にマイクを当てまして、そうしてあなたの御
意見はどうですか、こういうことをやるのでありますが、このときに、ある政党に所属をしておる方、いわゆる衆議院選挙に落選をした川上照彦という方にあらかじめ話をつけておいて、そしてその人が街頭に立っておるわけですね。そこへアナウンサーが持っていって、あなたの御
意見はどうでしょうか、こういうふうな形式をとらして、沖繩返還についてある政党が思うような方向のいわゆる証言というか
意見を述べさしたというようなことが、遠山景久さんが
中心になっておるラジオ関東で行なわれたのであります。これは証人もありますし、こういう点からラジオ関東というのはたいへん好ましくない、一方的な放送をしておるということがいえるのであります。これは資料がありますから、あなたに差し上げますから、
あとでゆっくり見ていただきたい。これが一つ。
それから、御
承知の小林
郵政大臣のときの昭和四十二年の二月ごろ、小林
郵政大臣がVHFの電波からUHFの波に切りかえるということを、何か記者会見などでそれとなく仰せになったようです。それから一斉に、Uの波に変わるというので各放送
関係の人あるいは報道
関係は、それぞれ
お互いにUの電波を
東京で利用したい、それを活用して免許を取りたい、これは無理からぬことだと私は思うのであります。ところがこの遠山景久氏は、当時いわゆる中日
関係のダミーとして、そうしてこの方がいろいろ活動をされたのでしょう、
皆さんもよく知っていらっしゃいますように
東京新聞というのがございます。これはきょうの
東京新聞でございますが、この
東京新聞というのは、これは資本の
関係で、俗に言えばこれは中日
新聞というのに乗っ取られて、中日
新聞が全部これを経営しておるわけです。本社は中日
新聞。名前は
東京新聞の名前をとっておりますが、これは御
承知のように、いろいな
関係がございまして、水野成夫さんがサンケイ
新聞をつくるにあたりまして、与良ヱさんと呼ぶのですか、死なれた元中日
新聞の社長ですが、これが副社長として水野成夫さんのサンケイ
新聞とそれから
二つの放送局を経営するにあたって、尽力をして副社長になられたわけです。
意見が合わなくて、わずかにしてこの方は退社をされましたが、そういういろいろな会社
関係の問題がございます。そのダミーとして遠山景久さんという方がUの電波を受ける、届け出をするために、毎日と日本経済とこの
東京新聞、それからラジオ関東を
中心にいろいろ活動されたのであります。この活動のしかたに私は問題があると思うのです。この遠山さんが御自分でずっと記録しておられる遠山用箋というものを――これは遠山さんの筆跡です。この記録の中を拝見しますと、どういうことをおやりになっているかと申しますと、当時重宗参議院議長三選の問題が起こりまして、そうして重宗参議院議長の三選を勝利させることによって、佐藤榮作内閣総理大臣に一つのU問題についての圧力をかけるという運動をずっとやっていらっしゃる。この中には、要するに安岡さんであるとか、田中角榮さんであるとかあるいは福田赳夫さんとか、そういう
方々としょっちゅう会合を催されているのであります。これは御本人の筆跡であることは間違いないのです。これを拝見しますと、この報告書によれば、重宗参議院議長に対して百万円ずつ三回献金をしておるわけです。私が言うのじゃないですよ、この報告書にそう書いておるのですよ。これはつまり中日本社のダミーとして一々、大鳥一郎というのが現在の社長でございますが、そこへ報告をしていらっしゃる。その
内容を見ると、大体三回に分けて百万円ずつ――これは私資料を詳しく読みませんけれ
ども、ここに書いてあるところをずっと見ますと、たとえばこういうことも書いてあるのですね。「川島正次郎は、遠山直接
関係出来るも、元毎日出身なる故、
真意伝え難し。但し工作は絶対必要、之は金で左右される人物。」こういうふうなことも書いてあるのです。故人に対して申しわけないのですが、こういうようにすべて当時の閣僚
諸君や
幹部諸君のことについては書いてある。たとえば福田赳夫さんと宴会を開いておる。遠山景久は百万円出したけれ
ども福田さんはこれを受けない、拒んだということもちゃんと書いてある。田中角榮さんについても手にとるように全部、この資料は田中角榮さんの性格からその社会的な地位までちゃんと、これは大島さんという中日の社長に一々レポートしておるわけです。こういうことで、これは資料でありますから私はこの資料を申し上げておるわけです。これは要するに反共的な
幹部の一人でございまして、そうしてこの方は、残念ながら、どういうお
考えか存じませんけれ
ども、ここに資料のございます松葉会という有名な、
東京周辺における暴力集団とでも申しましょうか賭博集団があることは
皆さん御
承知のとおりでありますが、この松葉会が、関西の親分の神戸市兵庫区上沢通一丁目一番地本多会
本部の方と、
お互いにここに番いてあるようなことで、何といいましょうか、一つの団結をした。平田勝市さんという方が二代目の本多会の会長さんでございます。それから藤田卯一郎さんという方は松葉会の会長さんでございます。この
方々が、遠山景久君から四十三年の七月ごろあいさつに行って三十万円もらった。三十万円渡したということが書いてあります。三十万円もらって三日目に藤田卯一郎さんおなくなりになっております。生前香典をいただいたようにも
考えられる、そういう
関係でございます。こういう右翼暴力的な団体とこの遠山景久さんというのは非常に深い
関係を持っておるわけだ。要するに、関西の暴力的な団体と全部手打ち式をやっておりますが、この中に特別見属人――われわれにはこういう名前よくわかりませんが、これは幡随院長兵衛の町やっこ時代のことばだと思います。私らにはよくわからない。その特別見届人の初めから四番目に「遠山景久」と書いてある。そうすると、この方は
一体普通の中立あるいは不偏不党の
立場に立って放送をしなければならぬ会社の社長として、こういう
諸君が申請をしても、
郵政大臣はのうのうとして免許を与えるのですか。
この
諸君がやっている行動は、ここにも資料がたくさんございますが、まず、ここの
労働組合に赤攻撃をするというので、佐藤総理も、レッドパージをやるのかね、ああやりますとも、レッドパージをやらなければUをつけることができないではないかという
発言も首相官邸の食堂で行なっております。この資料を見ますと、この松葉という松葉会の雑誌です、これも私全部拝見いたしました。ここに書いてあることは
一体何が書いてあるのか。暴力的な、しかも国粋任侠道などと称して、結局赤攻撃とある政党を支持している暴力的な集団であることはきわめて明瞭であります。そこにまた論文を書いておる。この論文がまた奇態な論文でありまして、遠山景久大
先生が論文をお書きになっておる。これに
東京工業大学講師という名前で「中立論への警告」という論文をお書きになっております。私はよく拝見させていただきました。よく研究させていただきました。この論文たるや実に反共を
中心とするチェコスロバキア問題を取り上げておるのであります。この
内容はマルクス・レーニン主義をきわめて曲げておる思想であります。反共的な思想からこれを書きおろしておるのであります。事実と相違することを多く述べておるのであります。この方が
東京工業大学の講師などという名前でいろいろ書いていらっしゃる。きわめて浅薄、きわめて
内容がありません。哲学的な心理を何ら具現をいたしておりません。こういう人がラジオ関東の社長で、
労働組合に対して不当な
処分をしたというので、その
処分の撤回を
東京地方労働委員会、
東京地方裁判所においてさせられておるのであります。ある政党の
諸君はこの問題についてあらゆる方法において癒着しておるのであります。それが当時のいわゆる佐藤榮作さんの内閣のときの一面を雄弁に物語っておると思うのであります。
でありまするから、こういう
諸君が再び申請してくるであろうところの免許の問題について、
郵政大臣はどうお
考えでしょうか。資料ありますから、私うそ言っておるのじゃないから、この資料を全部見ていただければわかる。また松葉会の論文というものをごらんくだされば、大体どういうことが書いてあるかわかる。これらの資料はそれぞれの
方々が私に寄せてくれましたので、これはごらんのとおりです。こういう
諸君に免許を与えていいかどうか、いかがなものでしょうか、
郵政大臣。この遠山さんという方の
労働組合に対する攻撃
内容はここに出ております。これを拝見すると、言語に絶するものであります。労働問題を知らないことはもちろん、労働
関係法規すらも全然知らない。そうして
幹部というのはどういうことをやるか、
幹部というのはどなることだ、どなっておけばいいのだ、この方はそういうことを平然と言っておる社長であります。どなって相手方が萎縮したところで仕事をやらせればいいじゃないか、どなるのが
幹部の仕事だ。そうしてABCのランクをつけまして、
労働組合をロックアウトし、赤攻撃をして、先ほ
ども申したように、
東京地方労働委員会においても、これは取り上げられなかった。
東京地裁においても、不当な解雇である、
不当労働行為である、こういうことをいわれておるのであります。さらに、この御本人の経歴書というものは、私は拝見しましてあ然としました。奥さんが、この経歴書を書いたときは八人目でございます。そうして、ある書道の大
先生の婦人なんかを情婦にしておるのであります。書道の
先生ですよ。しかも、これは若いときに銀座の警察という名前でぐれん隊の親分であったのであります。現在はおそらく十人くらい奥さんを持っておるでしょう。そういう方が
一体ラジオ関東の放送局の社長にふさわしいかどうか。私はうそは申しません。この資料には八人目と書いてある。これを書いたときには八人目だそうですよ。そうして暴力団と結託し、あらゆる方法で問題をやっている。これは要するに一つのプライバシーですから、何も放送の免許に関する問題とは
関係ないのです。しかし、私がいま申し上げるこういう資質を持った人がやっておるところの放送局が、はたして不偏不党性があるかどうか。あるいは、たとえば台湾問題についてもそうです。台湾独立運動を盛んにこの文章の中で書いております。(「個人の問題だ」と呼ぶ者あり)いや、これは放送局の社長としてそういうことをやっていいのかどうか。そういうものの
考え方でいいのかどうか。これはある政党の一部の
幹部がやはり台湾ロビーといわれまして、台湾独立運動や台湾の問題についていろいろ活動しておったことはよく
皆さん御
承知のとおりです。そういうような人が放送局の社長として、いわゆる放送全体を監督する、あるいはこの放送全体の不偏不党性が保持できると
考えておるかどうか。これは事実に基づいて申し上げておるのです。どうでしょうか