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土橋委員 いま声ありて、いい答弁だというようなことをおっしゃっているけれ
ども、先ほどから何回も言うように、公開入札制というものは資本主義体制では認められておる。それにただ乗っかっただけだということであって、この自由民主党田中政府の土地投機を許し、あるいは地価の高騰を呼び起こすような政策のもとにそういう体制をとらざるを得なかったという、この内容が私は非常に遺憾であるし、NHK前田
会長の今後の政策と申しましょうか運営といいましょうか、これについても一まつの暗影を投げたといわざるを得ないのであります。
そこで私はもう一つ伺いたいのですが、あなたの御
説明では、十四社はこの三菱地所と大体土地をさら地にした値段ではとんとんだったというような御
説明があったように記憶している。それで三菱地所が上物だけを七十一億か何か乗っけたと
説明をされました。私はここに大問題があると思うのです。つまり三菱地所だけが二百八十何億の要するにさら地の値段をつけて、上物だけは、いまあなたもおっしゃったように、
電話もあるし、冷暖房設備もあるし、講堂もあるのだ、それを七十一億で買った。つまり十四社がそういうような土地の最高の二百八十億とか二百九十億になるような体制をとっておったというところが問題なんですよ。NHKが三菱地所に、上物を乗っけたものだけ七十一億か何か加えたからこれを落札して買ってもらったという、こういう
説明をあなたはしようとしていたけれ
ども、ここに問題があるわけだ。つまりおたくの建物と土地を買おうという業者が、二百何十億するような土地を買うものが、この東京では十四人も十五人もいる。しかも上のせした建物だけが七十一億だったというものをひっくるめて三百五十億で買ったというような人が十四人も十五人もおるということが問題なんですよ。一体こういう体制に対して、田中政府が――これは最高の価格を上げるような、土地の騰貴を認めるような、そういう態度を
建設省がとっておるところに問題があるわけですよ。それに前田
会長として気づかなかったのか。前田
会長はどうしてここのところを食いとめて、いわゆる公共放送にふさわしい土地の処分をして、そして借金を返すような体制をとらなかったかということを私は重ねて残念に思うわけなんですよ。これが、三菱地所だけ突出して、そして三百五十億で買ったというならこれだけを締めなければいかぬですけれ
ども、そういう三菱地所に匹敵するようなものが、おたくのあと地と建物を買うために十四人も十五人もおったというところに問題があるわけですよ。そうでしょう。ですから、こういう事態に対してなぜ国務大臣である
久野さんは目を光らせて、そういうことについて田中総理に進言をして、この問題を法律的な
措置や、あるいは準備金の引き上げや、あるいはその他の金融
措置あるいは租税
措置によってこれをとめなかったか。ここですよ。あなたは四つの条件だけつけてこの問題に水をあけたということは、国務大臣としての
久野さんの責任は免れることはできないというふうに私は
考えているのです。時間もございませんので、私は十二時三分までですからこれ以上詰めませんけれ
ども、あらゆる機会を通じてこういう田中政府のいわゆる高度経済成長政策――それならば直ちに電電の五カ年
計画をやめさせるべきですよ。先ほどどなたか発言がございました。
マンホールでたくさん死んでいる。結局要りもしないような
仕事を強行して、そして
道路災害を引き起こし、交通災害を引き起こし、公害を起こしておいて、そして千五百万台の
電話をつけようというようなむちゃなことをして、広域時分制をやってみたり、あるいはまた債券を十五万円に引き上げてみたり、こういうでたらめないわゆる高度経済成長政策をやめさせなければこの問題は解決しないのであります。あの問題については電電の
米澤さんだけ責めたって問題は解決しない。問題は国務大臣であるあなたがいわゆる電電の五カ年
計画というまことにずさんな、しかも大衆から資金を集めておいて、おまけにデータ通信などに金をつぎ込むような、住宅
電話で将来先行きの不安だというようなものについて金をどんどん投資をする、そうすると減価償却もしなければいかぬ、借金の回収もしなければいかぬ、あらゆる方法で、国有鉄道がやったと同じような赤字で、要するに
電話料金を上げることを中心とする一種の企業体になってしまう、こういう結果になるわけです。ですから、あなたとしてはあの質問に対しましても、あなた自身が全責任をもって、いわゆる田中政府の日本列島改造をめぐるところの、四十八
年度予算をめぐるところのあの施政演説の中にも書いてございますね、通信ネットワークを完成するといっておる。その内容を受けて、御承知のように
米澤総裁はさらに五カ年でこれをつけようとしておる。そういう無謀なことをあなたはとめなければならないし、やめさせなければならぬということを私は
考えておる。
郵政大臣、どうですか。