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1973-03-01 第71回国会 衆議院 逓信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年三月一日(木曜日)     午前十一時十二分開議  出席委員    委員長 久保田円次君    理事 宇田 國榮君 理事 梶山 静六君    理事 金子 岩三君 理事 羽田  孜君    理事 阿部未喜男君 理事 古川 喜一君    理事 土橋 一吉君       亀岡 高夫君    志賀  節君       中村 寅太君    長谷川四郎君       本名  武君    宮崎 茂一君       大柴 滋夫君    金丸 徳重君       久保  等君    森井 忠良君       平田 藤吉君    田中 昭二君       小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 久野 忠治君  出席政府委員         郵政大臣官房長 廣瀬  弘君         郵政大臣官房電         気通信監理官  舘野  繁君         郵政大臣官房電         気通信監理官  牧野 康夫君         郵政省郵務局長 溝呂木 繁君         郵政省貯金局長 石井多加三君         郵政省電波監理         局長      齋藤 義郎君         郵政省経理局長 浅見 喜作君  委員外出席者         郵政大臣官房首         席監察官    森田 行正君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社営業局長   玉野 義雄君         参  考  人         (日本放送協会         会長)     前田 義徳君         参  考  人         (日本放送協会         副会長)    小野 吉郎君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   野村 忠夫君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     斎藤  清君         参  考  人         (日本放送協会         経理局長)   堀場 仁徳君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認  を求めるの件(内閣提出承認第二号)  逓信行政に関する件      ――――◇―――――
  2. 久保田円次

    久保田委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中昭二君。
  3. 田中昭二

    田中(昭)委員 きょうは大臣所信表明に対する質問でございますが、私も当委員会に初めて参りまして、郵政事業につきましてはずぶのしろうとでございます。その意味では大臣もなかなか人格的にも評判のいい方でございまして、私はきのうの審議を見ておりましても、そういうしろうと郵政官署が聞き入れるというような立場にならなければ、いろいろな面が改善できないではないか、こういうふうにも思いますし、きょうはひとつ大臣郵政事業しろうと同士が――まあ大臣しろうとでないかもしれませんが、そういう意味で、いままでの慣行とかいうものにとらわれずに、わかりやすく、国民から見ても郵政事業がすっぽりして、明確に今後進展していくようにしてもらいたいと思いますから、どうかその意味で御答弁をお願いしたいと思います。事務当局からも適当にひとつ大臣補足説明をしていただくというようなかっこうでけっこうかと思います。  所管事項説明資料をもらいましたから、この順序に従いまして質問してまいりますが、まず最初に、一般会計のほうはあとに回しまして、次の郵政事業特別会計から入っていきたいと思います。  郵政事業特別会計は、ここにも述べてありますとおり、その重要施策最後のほうに三つの項目に分けてあるようでございます。その重要施策最初のいわゆる「郵便局舎改善」、これにつきましては昨日もいろいろお話を承りました。次の「集配運送施設整備拡充等郵便送達の安定と向上のための施策」、こういうものがどういうものでありますか、まずお尋ねしたいと思います。
  4. 溝呂木繁

    溝呂木政府委員 お答えいたします。  集配運送施設拡充整備ということばでくくってございますが、その中身はおおむね二つに分かれようかと思います。一つは、大都市圏等を中心にしたいわゆる集配運送施設拡充と、いま一つ外務員対策という二つの問題を私どもこのことばの中でくくってございます。  第一の大都市圏等集配運送施設拡充と申しますと、いろいろ郵便運送手段というものがございます。飛行機、鉄道、自動車というものに主としてよっておりますが、そのうち大都市圏等におきましては、専用自動車便による運送施設拡充していきたい。これは私ども専用運送便でございますので、都合のいい時間帯に必要な郵便物輸送ができる、そういうものに逐次切りかえていっているわけでございます。しかし、これは少し費用がかかりますので、いろいろ予算の収入状況等見ながら逐次拡充をして、その整備をはかっていきたいということで、四十八年度もそれを重点に置いておるわけでございます。  それから外務員対策といたしましては、これはきのう大臣からも御説明申し上げましたが、外務員休息室冷房化というようなものを進めるとか、あるいは職場には若い外務員が非常に多いので、それに対する職場ヘルパーの配置とかいったようなこと、あるいは集配するのに高層ビル配達方法について非常に難儀をしておりますので、それらに一括配達をしてもらうための施策とか、集合受け箱をつくってもらうための施策とか、そういったようなものを考えているわけでございます。
  5. 田中昭二

    田中(昭)委員 いまの二点につきまして、第一点目のいわゆる大都市郵便送達問題云々、こういうことがございました。お聞きしますと、何か輸送車両ですか、そういうものも含まれておるようでございます。そういうことがただ郵便送達の安定、向上になるだろうかというような疑問がまだ少し残るわけでございますが、この点についての説明をもう少しお願いしたいと思います。
  6. 溝呂木繁

    溝呂木政府委員 少し説明が簡単なために十分でなかったと思いますが、たとえば大都市郵便集中化というものは近年非常に目ざましいものがございます。全体として郵便物がふえていくという形よりは、都市集中化という形でもって郵便物がふえてまいります。そうしますと、郵便局間の郵便物輸送というものは非常に激増するわけでございます。そのために、結局安定と向上というためには、そういう需要のふえた部分輸送施設拡充する、そういった点でもって大都市圏運送施設拡充を行なうことによって、郵便物サービスの安定――安定ということばを強く出しましたのは、実は御承知かと思いますが、二、三年前までは非常に遅配が多うございまして、まず遅配をなくそうということで一昨年あたりからいろいろの手を打ってまいりまして、たまたま労使関係安定等と相まって、一昨年郵便日数表というものを公表いたしまして、郵便局の窓口でこれをいつ出せばいつまでにどこどこに着くという一種の郵便ダイヤのようなものを発表いたしまして、そういったような施策とそれから労使関係の安定と相まって、非常にサービス向上したと私ども考えております。したがいまして、このサービス向上したものを安定化させ、定着させようということが一つの大きな私ども目的になっておりまして、それの符に必要な部分大都市にそういう必要性があったということで、そういう施策をしているわけでございます。
  7. 田中昭二

    田中(昭)委員 安定、向上というようなことは、いまお聞きしましたように予算の消化の内容といいますか、そういう面についてはまだ少し疑問が残るような感じがする。といいますのは、いまのお話の中にも、大都市の中でのそういう郵便量が多くなったということを想定して、それに対処するためにいろいろな設備の拡充、こういうことになっておりますね。そうしますと、きのうも他の委員から御質問があっておりましたように、この郵政事業に携わる職員は、たとえば車にとってみればたいへん事故が多い。こういう問題を考えてみますと、私は心配が残るわけです。たとえば郵便車が多くなった、そのことによって事故がまたふえるというようなことも、きのうのいろんなお話から聞くと想定もできるわけですが、それともう一つは、必ずしも郵便車両をふやすことが安定というようなことにつながらない。また、大切な国民の税金をそういうことに使って、過去に郵政省会計検査院から指摘された事項があります。これは大臣も御存じないかと思いますけれども、私が概略申し上げますと、いままで郵便局が直営で自分の車で配達しておったものを、ある時期に下請業者に出しまして、その郵送を依頼したということがあるようでございます。その依頼したことによって、かえって郵便送達が不安定になったというような事実を会計検査院指摘しておるのであります。こういうことから見ますと、いまのような整備拡充というようなことだけでこの不安定要素、おくれといいますか、そういうものが除去できるものかどうか、そういう点も踏まえて大臣からお答え願いたいと思います。
  8. 久野忠治

    久野国務大臣 御指摘の点はまことにごもっともだと私は存じます。ただいま事務当局から御説明申し上げましたように、おおむね今日郵便業務安定化の方向に向いておるわけでございます。そうして四十八年度から大幅に輸送手段ども改善をいたしまして、さらに国民皆さんサービス向上につとめたい、かように考えておるわけでございます。しかし、ただいま御指摘になりましたとおり、三十一万有余に及びまする多数の職員の手によってこの事業が運営されるのでございますから、この職員皆さんの環境の改善なり、処遇の改善なり、多方面にわたってのいろいろな施策を裨益してまいりませんと、その目的を十分達成することは困難であろう、私はかように存ずるような次第でございまして、私といたしましても、この点を十分留意いたしまして、今後検討を進めていきたいと考えておるような次第でございます。
  9. 田中昭二

    田中(昭)委員 次に、郵便貯金特別会計のことでお尋ねしますが、この予算重要施策説明書を見ますと、二番目の一番でございますが、「郵便貯金増強」という項目がございまして、「純増加目標額」、郵便貯金の一年間の預け入れとそれから払い出し、その差額が純増というそうでございますが、これが四十七年度、本年度目標は一兆七千億であったわけであります。それが実績はどうなっておるかといいますと、二月二十日現在で調べてもらいましたところが、二兆五千六百十八億、すなわち、これが年度末には二兆六千億から七千億程度になるんじゃないか。このように当初の一兆七千億をはるかに上回って、二兆六千億というように多く上回るということにつきましては、郵政当局並びに国民にとってはどういう意味があるだろうか、こういうふうに思ったわけです。まずその点お答え願いたいと思います。
  10. 石井多加三

    石井政府委員 お答えいたします。  ただいまお話のありましたように、昭和四十七年度郵便貯金増加目標額は、今年度予算成立の際に一兆七千億という数字がきめられておったわけでありまして、それに対しましてただいまお話にありましたように、大体二月十日現在で二兆五千億をちょっとオーバーした数字に相なっております。このままでまいりますと、二月、三月といいますのは、郵便貯金伸びとしてはいままでの例から見ましてむしろ払い出しの多い時期でございまするので、いままでの増勢がこのまま続くとは思いませんけれども、大体二兆六千億ぐらいに年度末に到達するのではないかと考えておるわけであります。この二兆六千億の数学は、一兆七千億の目標額に比べますと九千億も上回る、非常に大きな手短より上回る実績でございますけれども、この二兆六千億の中で、私たちが分析いたしまして今後の四十八年度目標額を幾らにするかという際に考えなければなりませんと思いましたことは、御案内のように昨年の八月一日から郵便貯金の利子、これは銀行預金も同様でございましたけれども、一律利下げが行なわれました。その利下げの際に、特に七月に入りましてからいわゆるかけ込み預金と申しますか、利率の高いうちに、いまのうちに預金をしておきたいという一般預金者考え方が、実際の七月、八月の、特に七月中の郵便貯金伸びの中で約二千億から三千億ばかり、実績として従来になかった異常な数字が見えたわけでございます。こういった点を考えますと、今年度の二兆六千億がかりに実現いたしましても、その中で本来のそういった預金利率の引き下げというような異常事態が起こらなければ、大体二兆三千億軽度の実績であったというふうに考えるわけでございます。そういったようなことが来年度予算目標にも大体二兆三千億という数字を策定いたしました一つの大きな理由になっておるわけでございます。
  11. 田中昭二

    田中(昭)委員 なるべく簡単にしてくださいね。皆さん聞いておられて、私が質問したこと――専門家はわかるかもしれませんけれども貯金目標額なんかについては、国民の生活に相当の影響があろうと私は思うのです。これがいま局長の御説明のとおり九千億も突破するということですね。一兆七千億が二兆六千億にもなろうとする実績、二月の十日現在をおっしゃいましたけれども、二月二十日現在でもうすでに先ほど私が申し上げたような数字なんです。私たち全然しろうとが考えますと、大体一兆七千億という目標と、実績の二兆六千億という九千億もの上回り方、それに関連して四十八年度は二兆三千億という目標をきめられた。大臣、これはどうでしょうか。国民はこういうことに無関心であっていいものだろうか。いいものならいいものでいいです。どういうお感じがするのか、大臣から簡単にお答え願いたいと思います。
  12. 久野忠治

    久野国務大臣 御質問の御趣旨が私ちょっとわかりかねる点が一部ございますが、私は、郵便貯金というのは国民の間に幅広く定着をしておりまして、そうしてこの貯金が安定した姿で今日皆さんの御協力を得て伸びつつある、かように存ずるような次第でありまして、私は、このことが理解されるということはたいへんけっこうなことである、そういうふうに理解をいたしております。
  13. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣、まだよく理解できないそうでございますから、私も理解できないからお聞きしているわけでございますけれども、少し具体的に私、その目標額設定のことについて当局にお尋ねしながらいきますから、聞いておいていただきたいと思います。  過去十年間、三十八年から本年度末に至るまでの各年の目標額とそれから実績額とその差額を、金額だけ、ほかのいろいろなことをつけ加えないで、時間がありませんから言ってください。
  14. 石井多加三

    石井政府委員 昭和三十八年度でございますが、目標額千九百億、これに対しまして実績は二千九百六十五億、三十九年度二千七百億に対しまして三千八百七十億、四十年度三千八百億に対しまして四千七百八億、四十一年度四千九百億に対しまして五千九百三十五億、四十二年度五千六百億に対しまして七千九百六億、四十三年度八千億に対しまして九千七百九十五億、四十四年度九千八百億に対しまして一兆二千一六億、四十五年度一兆一千三百億に対しまして一兆四千百九十八億、四十六年度一兆三千五百億に対しまして一兆八千八百六十一億。以上でございます。
  15. 田中昭二

    田中(昭)委員 四十七年度はおっしゃらなかったので私が申し上げますが、一兆七千億に対しましていまの二兆六千億ですね。  そこで大臣数字をいまおっしゃったからわかったと思いますが、貯金目標をきめる場合に、前年の貯金増勢といいますか、趨勢を考えてつくった、こう案内にあるわけです。それは当然でしょうね。前年実績を見ながら翌年の目標をきめる。前年の実績と翌年の目標額との差額を私が調べてみたのです。そうしますと、三十八年から前年の実績よりも低い金額で始まっているのです。ことしでいえば、ことしが二兆六千億になれば目標は二兆三千億、こういうふうに低く、これはいいと思うのです。これは、この差がどうあるかということは別において、そういうきめ方できめられてきておるわけです。ところが、中間の四十一年度から、今度は逆に四十年度、前年の実績よりも高い数字のものがきめられておるのです。四十一年度目標をきめるときにそうなっているわけです。いままでは、三十八年から前年の実績よりも下できめてきて、それが今度は、四十一年からは逆に実績よりも多く目標額をきめてきた、これはわかっていただけますか。それが今度は、四十五年からまた逆に、ことしと同じように前年の実績よりも少ない目標額がきまっておるわけです。このように、目標額とその年の実績とを比較しますと、その差額が相当大きく開いたとき、いわゆる目標額のほうが前年実績より多いときと少ないときというのがずっとこうあるわけです。これはどちらが望ましいのでしょうか。その差額がずっと前年実績よりも目標額が多くいくのがいいのか、それとも前年実績よりも下の目標額にきめるのがいいのか、どちらが望ましいのでしょうか。
  16. 石井多加三

    石井政府委員 お答えいたします。  特に意識しまして前年度実績よりも次の年度目標額を上げるとか下げるとかいうことは考えておりませんが、大体前年度実績になりそうな額、予算編成の時期には必ずしも十分年度末までのその年の実績をつかむわけではございませんので、十二月ぐらいの時点での予想をするわけでございますけれども、その時点年度末までの予想した数字を土台にしまして、大体そのくらいなら次の年度目標額としても十分達成し得るということで考えておるわけでありまして、ただいま御指摘になりましたように、四十一年、四十二年のこれは、前年度実績よりもわずかに少し上回るような次の年度目標にいたしておりますが、また最近におきましては逆の形になっておりますけれども、特に意識的に大幅に実績を下回る目標を立てておるということはわれわれの考え方にあるわけではございません。
  17. 田中昭二

    田中(昭)委員 意識的にやってないと言うのは簡単で、私はこれは目標額というものがきまったり前年実績というものがあれば、貯金増加目標に対して、その職場に働く職員から見ればたいへんなことだと思うのです。大臣、これは私は、国民立場に立って、また職員はこの目標額が前年実績よりも低かったり高かったりすることを、ただ経済、諸般の情勢なんかと言っておられないと思うのです。このことは大臣からいますぐここで御返答できなければよく勉強してもらってでもいいのですが、どうでしょうか。私のようなしろうとが、数字を見てそういうふうに思うことはどうでしょうか。私はふしぎに思うのです、行き方が全然逆なように変わっているのですから。それで、そのことがいいとか悪いとかは別にしまして、そういうことは国民にとってどういうふうに理解すればいいかということを聞いているわけですが、いかがですか。
  18. 久野忠治

    久野国務大臣 そのときどきの経済情勢の見通しによって私は変わってくると思っております。しかし、内容についてはまだ十分検討いたしておりませんので、検討した後、あらためてお答えを申し上げたいと存じます。
  19. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣経済情勢変化によって変わるべきものだ、こういうふうにおっしゃっております。私は毎年の予算編成期におきますこの所管事項説明資料というものをずっと見てみました。ところが、経済情勢が変わったと書いてないのですよ。ここ十年間、二十年間同じですね。この増加目標達成のためには、一つは最近の郵便貯金増勢、次に経済情勢、次に事業経営上の必要性等、こういう文句は全然変わってないのです。よく当局に聞いてみますと、これは内容説明は、私たちにわかるような説明は何もないわけですね。そういう目標額決定については逆のような状況が起こる。行年の所管事項説明の中で同じ文句を並べて、大体国民はわかりますか。それは経済情勢をどういうふうに勘案したということがわかりましょうか。ある郵政省の内部で私はこれを聞いてみましたら、こんなものはただ飾り文句ですよ、こういうことです。飾り文句国民説明しよう、そういう態度は私はけしからぬと思う。いかがです、これは。
  20. 石井多加三

    石井政府委員 経済的な状況あるいは事業上の要請というような文句は確かに毎年使われておりますけれども、これはそのときそのときの情勢変化を申しておるわけでありまして、決して単なる飾り文句ではございません。来年度所管説明の際にも申し上げておりますような意味は、たとえば経済情勢と申しますのは、来年度における国民の総分配所得、過去におきますその実績の中で郵便貯金に回ってくる割合といいますか、そういったものを勘案しますし、また事業上の要請と申しますのは、郵便貯金事業というものの経営は、過去に集めた金とその年度に新たに集めます預金額をすべて大蔵省資金運用部に預託いたしまして、その預託利率六分五厘をかけたものをもらって、それで郵便貯金経営に必要な一切の費用をまかなっておるわけであります。その中から郵便貯金預金者に対する利息の支払い、あるいは従業員の給与あるいは貯蓄増強に必要な経費等一切をまかなう、いま申し上げました二兆三千億の目標額が達成できればそういうことも大体うまくまかなえるというような観点で、二兆三千億というような額を決定したような次第でございます。
  21. 田中昭二

    田中(昭)委員 当局説明はそれぞれ飾り文句じゃないというけれども飾り文句じゃなければその内容一つ一つ説明できるかというと、説明できないです。私はそれをいまここで求めようとは思いません、そのことをやったら時間がありませんから。いいですか、大臣が就任されて所信表明なさる場合に、貯金増勢を考えてとかいうのであれば、その貯金増勢が全然逆なような状態に変わるのですから、当然私はその説明があってしかるべきだ、どういう思いになるのですが、そういう感じに対してはどうですか。大臣最後にいろいろ聞きましても、まだおわかりになっていないようなことがたくさんありますから、結論が出ませんから、できれば委員長、こういう問題はやはり国民にわかるようにしてもらわなければ困ると思うのです いかがですか。
  22. 久野忠治

    久野国務大臣 十分検討した後、明らかにしたいと思います。
  23. 田中昭二

    田中(昭)委員 どういう検討がなされますか、また別な機会にお尋ねすることにしまして、ただ一つだけ指摘しておきたいことは、この目標額がことしの予算折衝の段階においても千五百億円ふえておるのです。これはほんとうは大蔵省当局にも来てもらって、じっくりやりたいのです。ちょうど予算分科会がまだありますから、この問題については私はやらなければいけないと思うのです。というのは、目標額実績というものに対して予算増強経費というものがついております。この増強経費が過去の実績と比べてかなり低く――低くといいますか、目標額がきまったものに対してつけた増強経費と、それからさらにそれに対して、予算の確定時期において目標額をふやされた分に対する増強経費つけ方というようなものがたいへんおかしな結果になっておるのです。大臣もひとつここで見てください、すぐわかることでございますから。ようございますか。――この増強計画を見てみますと、前年四十七年度で一兆七千億で百四十五億円くらいの増強経費がついている。こういう見積もりです。四十八年度は二兆一千五百億に対して百八十四億九千万ですね。それが今度は予算決定時において二兆三千億と、千五百億目標がふえたのです。私は、これに対しては当然その分の経費はふえるはずだ、こういうように思うのですが、査定を見てみますと、その百八十四億円よりも低く百七十九億円、約五億円、五億円近い経費大蔵省から削られている。これはあくまでも予算上の問題ですけれども、私はこういう点についてほんとうにこまかく突き合わしていきますと、いわゆる目標額達成に対する経費が不十分であるならば、それがまた郵政当局の一番ガンとなっております労使の関係といいますか、そういう問題に発展してこざるを得ない。だから重大だ。当然目標がふえたならば、そのふえた分に対する経費というものは見てやるべきだ、こう思うわけです。当局とその点いろいろ数字を打ち合わせましたが、一応の数字は出してもらいましたけれども、私はこういう立て方においてどうしても無理な結果になりはしないか、この働く人たち立場からいえば。そういう点についてもひとつ十分今後検討の材料にしていただきたいということをお願いしておきます。  次に、またはなはだ郵政省としてはお困りになる問題をここに言わざるを得ないわけでございますが、次にあがっておりますのは郵政省内の事故犯罪の問題が書いてございます。大臣、先ほどから言いますように、郵政事業国民に与えます影響は重大であります。多くの国民がこの郵政事業に関係ございますし、そういう意味からいえば、国民に対して責任と義務が伴っていると思います。  そこで、毎年重要施策一つとして取り上げておりますこの事故犯罪についての結論は――結論といいますか、その理由は、郵政事業の信用確保のためというふうに述べられておりますが、まずこの信用確保ということについて大臣の御見解をお聞きしたい。
  24. 森田行正

    ○森田説明員 お答えいたします。  郵政省の扱っております郵便なり信書でございますが、信書なり、それから貯金、保険、非常なる多額のお金をお預かりしている省におきまして、犯罪によりましてそういうものがなくなるというふうなことは、国営事業のたてまえからいたしましてもきわめて信用を害する、こういうものは絶対になくするようにというのが趣旨でございます。
  25. 田中昭二

    田中(昭)委員 やはり大臣、こういう重点施策の中の一つについては、どちらがどうか知りませんが、事務当局が先に答えるんじゃなくて、大臣説明で足りないところを当局説明する。初めから断わっておったはずです。そうでしょう。信用確保ということについては、国民各層に与える影響は重大なんですから、そのことについてくらいの説明はまずしてもらいたいと思います。  次は事務当局でけっこうですが、毎年こういう項目が出ておりますが、私は勉強のために過去の分を見てみました。そうしますと四十三年度所信表明の中では、三十九年度、四十年度は逐次発見件数が減少しました、こういうようなくだりがあるわけでございます。そこで一ぺん過去十年間の郵政内部の郵政大臣に報告のあった犯罪件数と金額だけをずっと言ってみてください。
  26. 森田行正

    ○森田説明員 お答えいたします。  私、手元に五年間しか持っておりませんので、前の五年間はまた後刻御報告をいたしますが、昭和四十二年度三千三百八件、四億五千七百万円、四十三年度三千六百九十六件、三億一千四百万円、四十四年度四千二百三十五件、四億四千六百万円、四十五年度四千五百七十八件、三億六千七百万円、四十六年度四千六百四十四件、五億六千万円の犯罪となっております。
  27. 田中昭二

    田中(昭)委員 そこで、毎年重要事項としてこういうことを行なってきておるわけですが、私はいまの件数を聞いていますと、ほんとうはその犯罪だって、新しい施策が行なわれるならば、当然その内容については改善されたものが出てこなければならないと思うのです。どうしてもいまの件数と金額を見た場合には、そういう納得のいかない点が多いのですが、どうでしょうか。大臣、これはそんな感じがするのですが、率直に意見を簡単に、感じだけでもけっこうですから……。
  28. 久野忠治

    久野国務大臣 まことにこれは遺憾なことでございまして、その原因につきましては、内部の要因と外部の要因、いろいろあろうかと思うのでございますが、このような犯罪が、件数が減少もしくは絶滅いたしまするように、ひとつ省をあげて努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  29. 田中昭二

    田中(昭)委員 どうか当局におきましては、そういう問題につきましても同じことを、綱紀の粛正をはかりますということだけで済まされずに、ひとつ斬新的な方法を、効果のあがる、改善された、いわゆる国民にとっては毎日毎日が生活に大事な事業を行なっておる当局職員皆さんのことでございますから、私はきのうもちょっとお聞きしておりまして、郵政省当局職員の給料がたいへん安いということも考えてみますと、何かしらんこういうことでは潜在的不正事故というのはかえってふえているんじゃなかろうか、こういう気もせざるを得ないわけであります。どうかそういう点につきましてはひとつ十分、同じことを繰り返すだけで終わらかすということじゃないようにしていただきたいということをお願いしておきます。  次に、その前にございますが、昨年法律改正になりました郵便貯金法の一部を改正する法律の中のいわゆる貯金の貸し付け制度、このことにつきまして、一、二お伺いしておきたいと思います。  この預金者貸し付け制度というのがここにも書いてありますとおり、「郵便貯金をより利用しやすくするため、貯蓄制度の一環として設けられた」こうありますが、わが国以外ではどういう制度が行なわれておるか、私、昨年の審議に加わっておりませんものですから重複するかと思いますが、ひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
  30. 石井多加三

    石井政府委員 諸外国における預金者貸し付けの状況でございますが、現在郵便貯金をやっております国が外国で約六十カ国近くあるわけでございます。同じような郵便貯金制度のもとで、こういった預金者貸し付けをすでにやっております国が、フランス、スペイン、ベルギー、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーといったような国、その他多数ございまして、一、二の例としてフランス、スペイン、スウェーデン等について申し上げますと、フランスでは貸し付けの限度額は十万フラン、約六百万円でございます。貸し付け制度ができましたのは、一九六五年十二月。利用状況でございますが、一九七一年末現在で、四億九千万フラン、二百九十五億円程度でございます。スペインは貸し付けの種類が四種類ばかりありますが、農業貸し付け、漁業貯金貸し付け、住宅貯金貸し付け、一般貸し付け等がございまして、一番大きいのは農業貸し付けで、現在限度額は二千三百九十万円まで貸しておるようでございます。住宅貸し付けは三百五十八万円まで、漁業貸し付けが約二百三十九万円、一般貸し付けも同様二百三十九万円でございます。制度ができましたのは多少古くございまして、一九六〇年五月からでございます。利用状況につきましては、一九七一年の一年間で邦貨にいたしまして約二百六十億円程度利用されております。スウェーデンでございますが、貸し付けの限度額は預金総額の一倍ないし二倍まで、ただし限度額は九十一万までということになっておるようでございます。貸し付け制度ができましたのは新しゅうございまして、一九六九年の三月からでございます。それから利用状況でございますが、一九七〇年末現在で、約五千七百五十万円というふうな状況でございます。
  31. 田中昭二

    田中(昭)委員 この預金者貸し付けにつきましては、その預金者のすべての人たちの要望を十分取り入れて、それに報いていくというようなことになっておりますが、いろいろあるようでございますが、時間もございませんから、大臣もこれについてはおわかりになっておると思いますから省略さしてもらいまして、最後に、この問題につきましては「制度の拡充をはかってまいりたい」こういうふうになっておるわけでございますが、制度の拡充ということはどういうことをお考えになっておりますか、お答え願いたいと思います。
  32. 久野忠治

    久野国務大臣 皆さんの御協力によりまして、この新しい制度がことしの一月から始まったわけでございます。これは国民皆さんに非常な好評でございまして、全体的に見まするならば、この限度額は、私の率直な感懐を申し上げますと、あまりにも低過ぎるという感じでございます。一件当たり十万円でございますが、これは低過ぎると思います。これはでき得る限りやはりこの一件当たりの限度額をある程度引き上げる必要があろうかと思うのでございまして、そのためには関係各省庁との間に十分連絡をとり、また国会の決議等もあることでございますから、国会の皆さんとも十分御協議をいたしまして、これらの制度の改善を進めていきたい、かように考えておりますわけでございます。
  33. 田中昭二

    田中(昭)委員 国会の決議もありまして、やっていきたい、それは具体的には貸し付け限度額の引き上げだ、こういうように私いまお伺いしたわけでございますが、いま外国の例をいろいろ聞きましても、またわが国の郵便貯金に対する庶民の感じといいますか、それと各金融機関でやっております貸し付けの状況を見てみますと、できるだけ引き上げたいと大臣が思っておられれば、一つ目標がなければ、ただそういうことを繰り返すだけでは私はせっかく久野郵政大臣が御就任になった意味が薄れるのじゃなかろうかと思うのです。聞くところによりますと、昨年の出発のときも三十万ぐらいをやりたいというようなことがあって、それを踏まえて限度額を引き上げようということであるならば、私はいまの大臣のときにそういう面についてはできるだけ引き上げたいんだけれども、それにはやっぱり目標がなければいけないと思う。どうですか、ひとつ前向きのお答えをもう一つお願いします。
  34. 久野忠治

    久野国務大臣 御指摘の点はまことにごもっともだと思います。そこで関係各方面とこれは十分に連携を保つ必要があろうかと思いますし、協議をする必要があろうかと思いますので、ここで目標額数字でもってお示しすることはいかがかと存じます。しかし私自身といたしましては、あまりにも限度額が低過ぎるという感じを持っておる次第でございまして、皆さんと十分連携を保ちながら、これが早期に実現をいたしますように努力をいたしたい、かように考えております。
  35. 田中昭二

    田中(昭)委員 くどいようですけれども、やっぱりできるだけ引き上げたいということだけ、それはだれでも考えていることなんです。貯金の限度額がいま百五十万ですか、ほんとうならばその金額だけでも、その金額一ぱいぐらいでも他の金融機関だったら貸すわけですね、担保にするわけですから。なぜ郵便貯金だけがそんなにあまりにも低過ぎる額でおらなければならないか、こういう議論をしていきますとまた長くなりますけれども、私は引き上げたいという気持ちは大臣もあるとするならば、目標額をちゃんときめなければ――いま大臣はそれは関係各省と話をしなければいかぬということですけれども、話し合ったらもらうべきものも削られるのですよ、大蔵省に行ったら。予算増強経費がいい証拠じゃないですか。国民の税金を、国民のふところを吸い上げるほうは千五百億も、前年よりも五割近い目標額の引き上げを行なっておる。もうこれで一ぱいですよと言って大蔵省へ持っていって、また大蔵省から千五百億上のせされたじゃないですか。ですから、ここで郵政大臣が百五十万まで貸しますということは言えないにしてみても、それは公共機関として郵便貯金のいまのあれがございますから、もう少し高く限度額を打ち上げたほうがいいのじゃないですか。  それでは時期はいつごろですか。
  36. 久野忠治

    久野国務大臣 先ほど外国の例の説明事務当局からいたした次第でございますが、この例に徴しましても、やはりいまの預金者貸し付け制度の一件当たりの限度額というのはあまりにも低過ぎる、何度も申し上げておりますとおりでございます。でありますから、この制度ができまする際には、昨年いろいろの経過があったわけでございます。その内容についてはよく御存じのとおりでございますから、やはり私といたしましては、今後できるだけ早期にこれは、限度額を引き上げる等の処置につきましては早急に努力をいたしたい、かように存じておる次第でございまして、十分ひとつ御理解をいただきたい、かように存じます。
  37. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣のお考えをあまりくどくお聞きするような形になってしまいまして、私たいへん申しわけないと思うのですが、ただあまりにも低過ぎますから、とにかくいままでの経過から見て何とか早い時期に引き上げる、この方向だけはひとつ御確認いただきたい、こう思うわけであります。  次に、本年度大臣所信表明の中の重要な四つのことをきのうお聞きしましたが、その中にあります宇宙開発についてお尋ねしたいと思います。  まず、「世界における宇宙開発の急速な進展」というようなことがここに書いてあるわけでございますが、具体的にどのように世界の情勢というのは進んでおるのでしょうか。簡単にお答え願いたいと思います。
  38. 齋藤義郎

    ○齋藤(義)政府委員 実用の国際通信用の衛星としましては、御案内のようにインテルサット関係の衛星が上がっておるわけでございます。東欧圏では、ソ連圏ではモルニア衛星、これが上がっておるわけでございます。実用の国内衛星では、去年の十二月、年末にカナダの国内衛星アニタというものが上がっております。それから昭和四十八年度にはイタリアで実験衛星、これはシリョーという名前でございますが、これが上がります。それから独仏共同衛星のシンフォニー一号、これが予定されております。それから米国では応用技術衛星ATS-Fというのが予定されております。それから一九七四年、昭和四十九年でございますが、独仏共同衛星シンフォニー二号、三号、これが予定されております。それからカナダの通信技術衛星CTSというのが予定されておるわけでございます。それから一九七六年、これがインテルサットの四号の改良型――いま四号が上がっておるわけでございますけれども、それの改良型を上げよう。それからブラジルでは放送衛星を上げたいと計画しておるようであります。それから一九七七年、これは日本の実験衛星で実験静止通信衛星、これは世界各国の衛星から見ますと若干容量が軽いわけでございますけれども、それが予定されております。それから一九七八年、これはオーストラリアが通信衛星を上げようと計画しております。それから一九七九年、ヨーロッパ地域衛星、それから西ドイツでは放送衛星を上げたい、大体こういうような計画が現在あるわけでございます。
  39. 田中昭二

    田中(昭)委員 その次に、この宇宙開発につきまして電波権益というようなことが出てきておるわけですが、この電波権益というのは大体どういうものなのか、それを確保することがわが国の国益にどうつながって、他の国々に何か影響を与えるものであるかどうか、その点を簡単にお伺いしたいと思います。
  40. 齋藤義郎

    ○齋藤(義)政府委員 電波権益と申しますと、具体的には静止軌道の位置、静止衛星ですと赤道の真上三万六千キロ、ここに静止させるわけでございますが、その静止軌道の位置と周波数の問題、これが電波権益となるわけでございます。衛星が静止衛星であるためには、いま申し上げましたように、約三万六千キロの軌道をとる必要があるわけですが、一方衛星相互間の混信――そばに、あまり近くに衛星をあげますと混信を起こします。したがって衛星はある程度の間隔を置く必要がございます。そういうような観点からいたしますと、地球上に日本が最も都合のよろしいというような軌道はそれほど無限にあるわけではございません。したがいまして、国際間の取りきめによりまして早期に打ち上げるということ、軌道を確保する、ある一定の軌道においてある一定の周波数を確保するということが電波権益につながるわけでございます。
  41. 田中昭二

    田中(昭)委員 大臣、そういう権益確保のために、まず、そういうことがわが国の他に及ぼす影響といいますか、どんなふうに考えたらいいのでしょうか。私も初めてでよくわかりませんが……。
  42. 久野忠治

    久野国務大臣 私たち、特に私自身が、この宇宙衛星の打ち上げを非常に強く主張いたしましたゆえんのものは、ただいま電波監理局長から説明をいたしましたように権益の確保でございます。それだけではなくして、通信衛星は日本の情報化社会に対処いたしますために、この通信網の拡充強化、こういうことに大きく利益をもたらすものであるという観点から通信衛星を早期に打ち上げたい、こういっておるのであります。放送衛星についても難視聴の解消、その他国民皆さんに大きな利益をもたらすものである、かような観点から放送衛星も早く打ち上げるべきものである、かような考え方に立って、実は事務当局からの説明を聞いたところによりますと、長い間郵政省としてはこれは懸案事項として予算要求をいたしておったようでございますが、実際にはこれが取り上げられなかったのであります。ところが幸いにして本年度ようやくこの問題を大蔵省当局が認めるところとなりまして、御存じのとおり五十一年度打ち上げを目途にしていよいよ実行段階に入ったというのが実情であるわけでございまして、ぜひこの五十一年度打ち上げ目標が達成でき得まするように私たちは全力をあげて努力をいたしたい、かように存ずるわけでございます。
  43. 田中昭二

    田中(昭)委員 そういうお考えがあることについて、きのうも実はこの開発を進めることについての予算獲得のいきさつの中で、たいへん疑問を抱くような何事かというような感じを私も受けたわけなんですが、そのこまかい内容についてはいろいろ資料要求いたしましたけれども、まだまだ勉強が足らない点もございますからあとに譲るといたしまして、いま基本的な考え方の五十一年度に打ち上げたいということは、きのうも何かそういう目標は含んでの予算の査定だ、こういうふうに聞きましたし、またきのうの新聞報道によりますと、宇宙開発委員会から出ました新しい計画を見ましても、そういうふうにきょうの委員会にかけてあるそうでございますが、それを見ましても、確かにそういう五十一年度を目途に開発し打ち上げることが強く要請されておる、これは認める、こういう意味になっておると思うのです。認めるというのも開発委員会の同意を得なければなりませんからね。そういう結果になったわけです。そうしますと、私は、どうしてもやはり郵政省のこの開発に対する考え方だけが何かしらん先走りしたような、結果的にはですよ、感じがするのですが、その点どうでしょうか。
  44. 久野忠治

    久野国務大臣 先ほど電波監理局長から御説明申し上げましたように、各国ともこの通信衛星、放送衛星等につきましては技術を進め、さらに打ち上げに非常に熱意を示し、また着々としてこれが進められておるわけでございます。でありますから、やはりわが国といたしましては、この世界の情勢に即応するような体制を進めていくことが妥当である、かような考え方に立って予算要求をいたしたような次第でございます。この予算折衝の過程につきましては、昨日いろいろお話を申し上げたところでございますが、しかし、五十一年度打ち上げを目途にしてというこの目標につきましては、各省庁間で合意を見たのでございまして、どうかその点についてひとつ皆さんの御協力もぜひお願いを申し上げたい、かように思います。
  45. 田中昭二

    田中(昭)委員 だから、私は、この合意を見ることがわかっておったならば、何も予算を減らしたりふやしたりする必要はないと思うのですよ。やり方がまずかったおけですよ、時期が。そうでしょう。まあその点、また機会があれば――四十一億近くですか、要求しておりながら、一回二十億ついたとか、また八億七千万に減ったとかというようなことですね。こういうことについては、私は、郵政省だけが独走するというような形は今後してもらいたくない、こういうことなんですよ。  この問題はまたお聞きすることにしまして、次にもう一つ残っておりますので、時間も進んでおるようでございますから進みますが、次は、通信網の整備の関係で、先日から報道されております日本と中国との海底ケーブルの問題でございますが、報道によりますと、三月中句に中国から電信総局長が来られて協議がなされるというようなことでございますが、そういうことが進んでおるとするならば、この海底ケーブルを実施する計画案なり実行プランというものは、もう当然できておらなければならないと思うのです。そういうことについて大臣はどの程度お知りになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
  46. 久野忠治

    久野国務大臣 私は、日中間の通信網の整備のためには、これはもうぜひ早期に実現をいたしたいと熱望いたしておるような次第でございます。先般十一名の技術調査団が日本へ来られまして、私のところへもわざわざ表敬にお見えになりましても、いろいろお話をいたしたのでございますが、中国側も非常に熱意を示しておられるのでございます。その結果、昨日も申し上げましたように、三月の中句ごろに鍾夫翔中国電信総局長が来日されるように、ただいま手続を進めておるような次第でございます。もちろんこれはKDD――国際電信電話株式会社が直接協定を結ぶわけでございます。これは中国の担当者との間に協定を結びまして、その協定に対して郵政大臣承認を与えるという形になるわけでございますが、しかし、それにいたしましても、やはり郵政省所管事項といたしましては非常に重要な事項でございますから、この問題が早期に両国間で話し合いが進みまするように努力をいたしたいと思います。
  47. 田中昭二

    田中(昭)委員 これでもう最後でございますから、もう少し詰めておきたいと思います。  いまおっしゃったように、私も一応その程度のことを聞いておるわけでございますが、実際の仕事はKDD――国際電電会社がやる、そのやる仕事について中国側もたいへんな熱意を持っていること、郵政大臣も一生懸命やりたい、早くやりたい――早くやりたいというのは言い過ぎかもしれませんが、とにかくやりたいという御意見があれば、そういう考え方であるならば、これは専門家でもけっこうですが、常識的に、三月といえばもうきょうは三月なんです。海底ケーブルというのは、そんなに――大臣が中国の代表と会われてかりに大体の話し合いが煮詰まれば、煮詰まる前には、たとえばケーブルの敷設につきましては、日本のどこからどういうふうに引っ張って、中国にどういうふうに揚げる、そういうふうな計画なり具体的プランは、これは当然なければいかぬと思うのですが、いかがですか。専門家のほうからでもけっこうですから、ちょっと答えてください。
  48. 牧野康夫

    ○牧野政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘の、実際もうかなり具体的ということになれば、どういうような内容が具体的にきまっておるかという御質問でございますけれども、実は海底ケーブルと申しましても、いろいろ種類がございます。中に通します回線数は、その所要量、どのぐらいの通話量があるから、あるいは電報通数があるからということによってきまってまいります。そうしますと、それによりまして、海中に埋めますところの中継器とか、そういういろいろの仕組みをきめていくわけでございます。そしてそれに従いまして、両国間の陸揚げ地点をどういうふうにきめていくのかということが技術的にきまってくるわけでございます。  それらのこまかい点につきましては、先ほど大臣お話にございました、この前来日されました中国の技術調査団の方々が十分日本で行なっている状況等を御視察になりまして、それを持ってお帰りになりまして、今後その具体的な内容について検討が行なわれることになる、こういう順序になっておりまして、現在のところ、具体的にそれらの問題がきっちりときまった形にはまだなっておらない、こういうことでございます。
  49. 田中昭二

    田中(昭)委員 私は、ここできっちりしたものを出せと言っておるのじゃないのですよ。きっちりしたものがきまっておって、それを私たちしろうとが聞いて何になりますか。国際電電のほうでは、確かにその試算といいますか、それはしなければならない。それでは実際に三月中旬に郵政大臣が会われて何を話されるのですか、大体。やりたいということを話されるのですか。そうでしょう。ですから、そういう計画について、郵政省は国際電電からどのようなことを聞いておるか、ほんとうは何も聞いていないのか、こういうことのために事務当局に等えてもらったのです。一つもそういうことについて答えないようだったら、わざわざ事務当局から聞く必要はないのですよ。そうでしょう、大臣。そんな子供みたいな――大臣に、あなたが中国の代表と会って何をするのですかとそんなこと聞けないじゃないですか。そういう具体的プランはあるのですか、それをどのように郵政省がタッチしておるのですか、こう聞いているのです。最後に、時間も来たようでございますから、委員長に御協力を申し上げて、終わりますから、もう少し納得のいく答弁をお願いしておきたいと思います。
  50. 久野忠治

    久野国務大臣 国際電電から資料もいろいろ私は見せていただきました。報告も私は聞きました。聞きましたが、この内容はまだ固まっていないのでございます。いろいろ問題点もあるようでございます。でありますから、これらの問題につきましては、相手のあることでございますので、中国側ともやはり話し合わなければならない、かような意味で、鍾夫翔電信総局長が来日されるのでございますから、来日されましたのを機会に、十分両国で隔意ない意見の交換を行ないまして、でき得べくんば、方向につきましてはある程度進めたい、かように存ずるような次第でございます。
  51. 田中昭二

    田中(昭)委員 最後につけ加えておきます。  こういう委員会で、私たちのようなしろうとを、ことばだけで事務当局のほうの専門官が答弁することは、はなはだ私は心外です。いま大臣のおっしゃったとおり、プランというのを聞いているのじゃないですか。それを全然何も知りませんとか、そういうふうに言っちゃいけないですよ。今度私は、この問題につきましては、委員会がございますときにはその進展状況なりをお聞きしますから、どうか進展状況につきましては、どういうふうに進んでおるというぐらいのことは御返答できるようにしていただきたい。よろしくお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
  52. 久保田円次

    久保田委員長 次に、小沢貞孝君。
  53. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 時間もないようですから、質問通告には実はなかったわけですが、最初質問なので、ほかの党の代表からあるいはお尋ねがあったかと思いますが、大臣から率直にお答えをいただきたいと思うわけです。  田中総理は日本列島改造という大きな看板を掲げて、そしてまた予算編成に当たったと思うのだが、電信電話、放送、郵政業務、こういうことの予算編成のときに、大臣がどういう意図、どういうお考えでこの予算編成に当たられたかということを率直に、これはもう全然なければないでかまわないと思うのですが、それを最初にお尋ねしたいと思います。
  54. 久野忠治

    久野国務大臣 なるほど田中総理は「日本列島改造論」という本をお書きになりまして、その中で交通通信網の整備というのを大きな柱に掲げておられるわけでございます。もちろんこれは列島、日本の国土の開発のためには、ただ単に道路網の整備をやるとか住宅をつくるとかということだけで目的を達するわけではございません。やはり新しい都市ができ、新しい地域が開発をされますれば、それとの間の情報、通信網というものの整備をいたさなければその地域の開発を進めることは不可能でございます。でありますために、ぜひこの通信網の改善のためにまず第一に取り上げるべきことは、電信電話、こういうものの通信網の整備拡充をはかる、そのためには、従来とかく世論からいろいろいわれております電話の積滞数の解消につとめなければならない、こういう問題等につきまして実は強く主張いたしまして、来年度予算案の中には三百十万個の積滞を解消するという予算が計上せられたような次第でございます。
  55. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 なるほど、それも日本列島改造からきたところの一つの考えであると思います。私は、田中総理の日本列島改造の中には、都市の過密、それから過疎地帯における過疎の問題の解決というような問題もまた日本列島改造の考え方に十分織り込まれておらなければならない問題ではなかろうか、しょっちゅうそう考えておったわけであります。だからそういう立場に立って、もう時間もありませんから二、三の問題を御質問したいと思います。  たとえば、電波を国民があまねく享受する、難視聴の解消、こういうような問題も当然この日本列島改造のものの見方の中にあってしかるべきであろう、こういうように考えるわけです。ところが大臣の話の中にも、今日難視聴解消はきわめて重要な課題であります、こういうようにうたわれておるだけで、具体的にはどうしますということがないわけです。そこで私は一、二の例を事務当局質問をいたしますから、その事情を聞いていただいて、大臣はどういうように対処していきたい、こういうように私も具体的な提言をいたしたいと思います。お答えをいただきたいと思います。  最初に、難視聴の解消でNHKはなかなか努力をされて進んでおるようですが、山間僻地における民放のほうはこれに伴って進んでいかないわけであります。だからNHKがどのくらい進んでおるにもかかわらず、民放はどのくらいおくれておるのだ、具体的にそういうことを簡潔にひとつ事務当局からお答えをいただきたい、こう思います。
  56. 齋藤義郎

    ○齋藤(義)政府委員 一つの指標として申し上げますと、NHKの総合テレビ、これの置局の数が千六百三十九カ所でございますが、これに対して民放が、一局でもあるところ、一局でもある地区、これが六百六十六ということになりまして、これを対比いたしますと、NHKの中継局がある地区で民放が一社もないというところが九百七十地区ということになっておりまして、御指摘のように民放の難視聴解消という事柄はNHKに比べて相当劣っておるということでございます。
  57. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 これだけ劣っておるのをどういうように同じような状態まで進めていくようにしようとしているか、してきたか、いままでの指導の方針等について、ごく簡潔でいいですから、お聞きしたいと思います。
  58. 齋藤義郎

    ○齋藤(義)政府委員 民放につきましては経営の問題もございますので、できるだけ機会をとらえて郵政省としては難視聴解消の要請を行なっております。それからNHKと共同建設というようなことも極力勧奨いたしまして難視聴解消につとめていただく、こういう施策を講じてまいったわけでございます。
  59. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 ことしの予算に四百七十九万、たいへん少ない額なんだけれども、難視聴解消をはかる調査研究、こういうのが新しい予算として盛られて、それも努力の一つのあらわれではなかろうか、簡単に言ってそう思います。これは一体何をやろうとしているか、具体的に御説明いただきたいと思うわけです。
  60. 齋藤義郎

    ○齋藤(義)政府委員 御指摘のように、NHKにつきましても山間僻地の難視聴の解消がだんだんむずかしくなってまいります。特に民放については、御指摘のように非常にむずかしい問題があるわけでございます。それから都市部につきましても、ビル陰問題がますます増加してまいりまして、こういうように、難視聴対策全般について少しこの際抜本的な方策を考えるべきではないかということでございまして、来年度約五百万ばかりの予算をもちまして学識経験者による調査会を設けまして、法制的な面、技術的な面あらゆる多角的な検討を加えてまいりたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
  61. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 先ほど御答弁にあったように、民放は経営の問題があるわけです。民間で経営しておるものが山の奥へ行ってサテ局を建てて金をかけても、スポンサーはつかないし、これは、私たち経営上とてもできませんと言えば、要請をしようが何しようができようはずがないわけです。これはあたりまえのことだと思うのです。それを今度の予算においては、いま御答がありましたように、全般について抜本的な対策を立てたい、非常に決意新たにこれに取り組もう、こういうわけなんですが、この抜本的な方向としては一体どういうことを考えておるか。その点、何かいま予定しておることがあったらお聞かせいただきたいと思います。
  62. 久野忠治

    久野国務大臣 難視聴の原因につきましては多種多様でございます。最近では、山間僻地だけではございません。新幹線による難視聴、それから高圧線のための鉄塔、高層ビル、工場の非常に高い煙突といろいろの原因があるわけでございます。そういうような難視聴の原因につきまして、やはり多角的に、またその内容をきめこまかく突きとめませんと、それに対する対応策が出てまいりませんので、学識経験者による調査会を四十八年度は設置いたしまして、四百七十九万円の予算でこれを早急に結論を出したい、こういうことでございます。
  63. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それではちっとも抜本的ではないと私は受けとらざるを得ないわけです。  そこで大臣、率直に言って、私も一つ提案をしたいと思うわけです。電波というのは国民の財産というか国民の宝であり、それを特定の営利会社に、おまえは使ってよろしいぞと言って、国民の中から選ばれて使うわけです。そうしてそれを使わしてもらって、ただで使って営利事業をやっておる。これが私は民放の実態ではないか、こう思います。電力会社が発電所を建設するときには、水を使用する場合に水利使用料というものを払っているわけでしょう。ところが、電波だけは――私はそういうことを常に考えていたのですけれども、電波だけは国の財産、国の宝もの、それをある特定の八十社か九十社がただで使わしてもらって、そうして自分のところはもうけ仕事をやっている。そして、難視聴を解消しなければならないという問題にあたっても、これは経営上の問題があって、私たちはそんなところをやっていたのでは私の会社が赤字になってとてもできません……。そこで、私は率直に言って、この電波税あるいは電波使用料みたいなこういうものを徴収をして、そういうものを財源にして、そうして難視聴地域の解消に充当する、こういうことを提言をしたいわけであります。これは電波使用料といったらいいか――電波法でも改正しなければできないでしょうが、これはサービスエリアというようなこともその使用料を徴収する基準になるでしょうし、あるいはまた電波の規模といいますか電波の強さというか、キロワットですか、専門屋さんは20log10hルートGPというえらいむずかしいことが電波の強さにあるそうなんですけれども、そういうものと二つのファクターでもってある額の電波使用料を徴収する。都会においては、民放においては難視聴はないのですからそこの分は持ち出しになるかもわかりませんが、山間僻地、これは難視聴解消にたくさん金を使わなければならないのだけれども、そういうところに流してもらうということになれば、ちょうど地方交付税のものの見方と同じようなものの見方になるのではないか、私はこういうふうに思うわけです。だから、電波使用税、使用料、こういうものをこの際取って、三年に一ぺんずつ認可するわけですから、何かそういう機会に法律改正をして取って、この際難視聴解消というものをある程度義務づけていく。NHKでサテ局を建てるのに、いままで協力をして民放もそれじゃ一緒にやりましょうということがあったのだけれども、私、一、二の例のときは、私たちのところはとてもサテ局は建てても合わないからといって地方の民放ではしやしません。こういうことをある程度義務づけていくためには、融資か融資の利子補給なりあるいは補助金を出すとか――サテ局一局建てるのに一千万から二千万くらいかかるようですから、そのためある程度の補助金をかけてNHKと民放は並列して今後やっていく、そういうことをさせるために、電波税を取ってみんなでプールしてやっていってはどうか、こういうことを私は具体的に前から考えているわけですが、どうでしょう。
  64. 久野忠治

    久野国務大臣 まことに貴重な御意見だと存じます。そのような御意見等を体しまして、やはり調査会で十分検討したい、こう申し上げておるのでございまして、今後の研究課題として、法制上のたてまえもございますからただ単に私がここで簡単に申し上げることはいかがかと存じますが、非常に貴重な御意見として、私は、今後の調査会の運営についてもこれらの諸問題等を含めて早急に結論が出されるように期待をいたしておるような次第でございます。
  65. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 大体そういう御答弁をいただけばいいわけですが、先ほど事務当局では抜本的なことをひとつやろう、こういうわけで調査研究会のための費用ということで五百万近くの予算が組まれておるわけです。だから、私の提言を正式な議題としていただいて、法制上の問題もひとつ含めて、そこで検討をいただく、こういうように理解していいわけですか。
  66. 久野忠治

    久野国務大臣 法制上の問題をいまここで申し上げることは、私はまだ早計かと存じます。やはりそうした問題等も含めまして、ただいま具体的な案につきましていろいろ御提言がございましたが、こうした点を調査会において検討していきたい、かように存じております。
  67. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それでは、そういうことでひとつ調査会においてそういう法制上の問題を含めて、私の具体的な提言をひとつ検討していただく、こういうように理解して次に進みたいと思います。  電電公社の積滞の問題についてであります。私のほうのいなかへ来ると、小沢貞孝や、二年も前に申し込んだけれどもまだ電話がつかない、こういう質問がたくさん来るわけです。私は、これは五カ年計画とかいろいろあるのだけれども経営のあり方について根本的に考えなければいけない問題じゃなかろうかとしょっちゅう考えておるわけです。私が昔県会に行っていた終戦直後のときには、山の中の開拓地に電気がない。これは確かに電力会社がそこまで電気を持っていくのは容易なことじゃなかったと思うが、電力会社に要請したり、県も何がしかの融資の補助金を出したりして、とうの昔に解消してしまったわけです。電電公社の説明のとおり、もはや電話は生活必需品である。必需品であるものが――いま家を建ったときに水道、電灯なんかあくる日いくという中で、電電公社の電話だけは、まだ二年先でございますと言っておられるのは経営のあり方に問題がある。これが民間でやっておったならば、そういうことはとうの昔になくなっているというようにしょっちゅう考えるわけで、これはもう、そういう積滞については新しい五カ年計画で終わりまでに解消しますというようなどうせ御答弁だろうと思うけれども、この問題について根本的に取り組んでいただかなければいけないのじゃなかろうか、こう考えます。私はそこに民間経営と役所の経営というものの違いが存在するのじゃなかろうか、こう考えますが、電電公社の総裁いらっしゃるので、その点……。
  68. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  ただいま、御指摘がございましたように、四十七年度末におきまして約二百万ちょっと欠ける積滞がございます。最高の積滞は昭和四十五年でございまして、このところ積滞は大体今後五十万くらいずつの割合でもって減らしていきたい。それで現在もうすでに、たとえば場所によりましては申し込んで一月あるいは以内につくという場所も相当できておりますが、全国的にこの積滞をなくなすために第五次五カ年計画をいまつくっております。ちょうど昭和四十八年度が、いま国会に予算案として出されておりますが、その初年度になりますが、この第五次五カ年計画の末におきましては全国的規模におきまして積滞を解消する、そうして加入電話を約千五百三十万つけるということにしております。この千五百三十万の中で住宅電話が千二百万を占める。先ほど御質問にもございましたように、電話が国民の生活必需品化してまいりましたので、すでに現在でも住宅電話が半分以上になっておりますけれども、この第五次五カ年計画の末におきましては大体四世帯に三台平均つけるということにしております。ただ場所によりまして、たとえば自動改式にどうしてもしなければならないというようなところがございますので、そういう改式を、実はこの第五次五カ年計画の末におきまして全国全部自動改式にするということでいま考えておりまして、自動改式にしなければならないようなところはその五カ年計画の末の終わりのほうになると思います。しかし、大体県庁所在地クラスのところは、昭和五十年末におきましては、申し込んだらすぐつけるという状態になるだろうと思います。  もう一つ、特に過疎地帯につきましては加入区域というものを設けてあるわけでございますが、その特別加入区域等をこの五年間で逐次一般加入区域に編成がえをいたしまして、そういう点におきましてサービス改善もはかりたい、こういうように考えております。
  69. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 事務当局でいいのですが、都会においてはいま申し込んでからどのくらいでつくか、いなかにおいてはどのくらいでつくか、うんと簡単なことでいいのだが、わかりませんか。都会においてはいま一、二カ月でつくような場所がだんだんふえてきておりますが、いなかにおいては、まだ私たちのところは二年というのがあたりまえに聞いておるわけです。格差があるのじゃないですか。
  70. 玉野義雄

    ○玉野説明員 先ほど総裁からもお話がございましたように、東京、大阪等の中心部につきましては電話がすぐつくようになっておりますが、先生おっしゃいましたいなかのほうでございますが、手動局あたりですと設備自体が改式しませんとなかなかつきませんので、そういうところは第五次分といいますか、住宅につきまして二年ないし三年かかるようなところもございます。大部分は毎年、積滞といいますか待ち合わせ期間を順次縮めていくということでやっております。しかし、手動局につきましても非常に積滞がたまってまいりますと問題がございますので、できるところは近隣の自動局に収容しまして、そのあいた部分でつけるということをやっております。
  71. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 ことしの電電公社の予算を見ると、過去三、四年のを私いただいたわけですが、昭和四十四年は五千八百七十億の投資額で、内部資金のうちの九割以上を占める減価償却費が三千百十三億、約五三%であったわけです。それからだんだん逓減してきて、ことしは四六、七%ぐらいが減価償却引き当て金でまかなっておるということだが、これから投資がますますふえていって、住宅用電話がだんだん多くなると、投資に対する収入は減ってくるという状況になってくれば、私は経営上重大なピンチがありはしないかということを常に考えているわけです。だから、五カ年計画の中には電話料金を上げるとかそういう計画も入っておるわけですか。
  72. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘がございましたように、住宅電話の比率が今後ふえてまいります。先ほど申し上げましたように五カ年計画末では大体四世帯に三台電話がつくというところもあります。確かに住宅電話の収入は、いわゆるビジネス電話に比べまして大体三分の一から四分の一というところでありますが、この五カ年計画の収支関係を見ますと、これはいろいろ今後の経済見込み、いろいろな変動、それらのものもありますが、大体収支とんとん、若干赤字だという程度でございまして、いまのところ直ちに料金値上げを見込んだ五カ年計画はつくっていないのでございます。
  73. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それは、この前改正をした広域時分制というのが実質的には大幅な値上がりになっているので、そういうものがだんだん定着なりしていけば、それによって実質的には値上げだから電話料金の値上げはやらないで済むということになりはしないかと思うわけです。これはその当時もだいぶ論議されただろうと思うのです。  そこで、具体的に、広域時分制を昭和四十七年十一月十二日から実施した月の中で、単位料金区域の飯田、四日市それから甲府、この三局について実績を概略ここで示していただきたい。こまかい数字は、これは委員長に要求しておきますけれども、たとえば飯田の単位料金区域内にある局は飯田電報電話局、下伊那郡高森町にある電話取扱局、大島郵便局以下十七電話局だか郵便局があるわけです。これが単位料金区域になっておるわけです。それからいま申し上げた四日市は、鈴鹿電報電話局、四日市電報電話局以下十三あるわけです。これが単位料金区域になっておるわけです。それから甲府はたしか十七、八あったと思いますが、その昭和四十七年一月と、それから単位料金区域における昭和四十八年一月の料金、それから広域時分制に移行した前の月、昭和四十七年十月、要するに、昭和四十七年一月は対前年同期でございます。それから移行する直前の月、この二つの月をとって、いまの飯田単位料金区域、それから甲府単位料金区域及び四日市単位料金区域について実績の比較できる資料をひとつ御提示をいただきたい。それは電話料及び基本料金、それぞれ別にして資料をひとつ出していただく、こういうぐあいに委員長から取り計らっていただきたい。いまの三局について概括的にわかればいま御答弁いただく、こまかい資料は後日出していただくように委員長から取り計らいいただきたいと思います。
  74. 玉野義雄

    ○玉野説明員 お答え申し上げます。  ただいま手元にございます資料は四十七年一月から四十八年の一月がございますので、先生がおっしゃいました四十七年十月というのがございませんから、これはあとでまた差し上げたいと思いますが、一加入当たりの平均してみますとこれでもほぼ推定はつくのではないかと思いますので御参考までに申し上げますと、甲府につきましては、基本料が四十七年の一月では一加入当たり八百九十二円でございますが、ことしの一月では千十三円ほどになっております。それから度数料につきましては、昨年の一月が二千八百五十四円ほどでございましたが、ことしが二千八百三十三円ほどになっております。  それから四日市につきましては、一加入当たりの基本料は昨年の一月が八百五十円でございますが、ことしの一月が九百六十九円になっております。それから度数料については三千五百五十三円が三千五百二十三円というふうになっております。  それから飯田につきましては、基本料は八百七十円でこれは大体変わっておりませんが、度数料につきましては三千八百六十九円が三千七百七十二円というふうなことで多少下がっております。  それから基本料につきましては、今回の広域時分制によりまして単位料金区域単位の加入数で級局をきめますので、それによる基本料の値上がりがございますので、ちょっとこの辺昨年の一月と同等に比較できない点がございます。
  75. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 また資料を出していただいてから、十分これは検討させていただくことにいたします。  それから時間がないので大臣にお尋ねしておきたいと同いますが、広域時分制に移行すると、これは考え方によればたいへんいいことでもあり、また料金が実質的に上がっておるのじゃなかろうかと思うので、またそのときにお尋ねをいたしたいと思いますけれども、それと関連して、大臣たいへん御理解のある点で、過疎地域にいくと有線放送電話があるわけです。有線放送電話も、電電公社が広域時分制に移行したにふさわしいように制度の改正その他をやらなければならない時期に来ておるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけです。  そこで、これもまた大臣に新しく検討していただきたいと思いますが、いままで一千億も金をかけております。全国で三百二十万戸、一千億の金をかけております。そしていま維持費に年々二百四、五十億ずつかけておるわけです。だから、これをもっともっと活用するような方向で今後検討していかなければいけないのじゃなかろうか。さっきも申し上げたように、電電公社の電話は二年もたたなければつきませんというところをちゃんと補完をして今日までやってきたわけであります。ところが、こまかいところを見るとなかなか問題があって、電電公社に接続してもらいたいといえば、行けないという場所も出てきてみたり、時分制か定額かということになると、どっちでもいいほうを選ばせればいいじゃないかというと、それは一回選んでしまったが最後、変えませんというようなことを電電公社に言われたりというようなことで、それだけの金をかけて自発的に――年間二百四十億の維持費をかけてやってきたものを、いま過疎地帯における通信網その他のためにもっと活用するような方向を、これは大臣、たいへん御理解があるようなので検討していただかなければなりませんが、具体的にはいま有線放送電話の業務区域というのは市町村、その近くにうんと密接なところがあればちょっと入ってもいい、こういう程度になっているわけです。ところが実際の経営主体というのは農協が七割から八割なんです。農協は二、三カ市町村を含めて農協の経営をやっているわけです。だから経営主体の傘下にあるところは業務区域にしてやれば、同じ農協が事業主体、経営主体ですから、そこへ全部有線放送電話でつながる、こういうことになるので、業務区域が市町村というところに限定をすることは、市町村経営のものは二割くらいしかないわけで、それを若干越えて農協経営は二、三カ村やっているわけです。農協経営でやっているならば、その農協傘下のところには業務区域を拡大をしていく、これはやはり経営の上から当然のことではなかろうかと私は思う。有線放送電話の法律を変えて、業務区域といって金縛りに縛った区域を幾らかに広げてやらなければいけないのじゃなかろうか、そうすると、二年も三年もたたなければ電話が入らないというところも、その業務区域を拡大することによって電電公社の補完的な役割りを十分果たしていける、こういうように考えるわけです。大臣は昔から有放にたいへん御理解があると聞いておりましたので、ひとつ有放についての積極的な御回答をいただきたいと思うわけでございます。
  76. 久野忠治

    久野国務大臣 ただいまいろいろ具体的な御提案がございました。御指摘もございました。そのとおりでございます。私もこの問題では地域でたいへん頭を悩ました一人でございます。でありますから、来年度予算で農村通信調査会というのをつくりましてひとつ抜本的に内容検討してみたいというので七百万円余を計上しておるような次第でございます。この検討の結果いろいろ処置をしてみたい、かように考えております。
  77. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 前向きの御答弁をいただいたので、業務区域の拡大、何か県内一中継というようなことになっているから、県内どこでも通じるというようなことをそこで具体的にひとつ提起をしていただいて御検討をいただく、こういうようにしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。      ――――◇―――――
  78. 久保田円次

    久保田委員長 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。
  79. 久保田円次

    久保田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、本件の審査が終了するまで随時参考人として日本放送協会当局の出席を求めることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 久保田円次

    久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 久保田円次

    久保田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  82. 久保田円次

    久保田委員長 それでは提案理由の説明を聴取いたします。郵政大臣久野忠治君。
  83. 久野忠治

    久野国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会昭和四十八年度収支予算事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。  この収支予算事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。  まず、収支予算について、概略を申し上げます。  事業収支におきましては、収入は一千五百四億二千万円で、前年度に比し、三百九十七億六千万円、支出は一千三百二十五億八千万円で、前年度に比し、二百十一億円それぞれ増加し、事業収支差金は百七十八億四千万円となっておりますが、このうち、百四十三億五千万円を資本収支に繰り入れ、三十四億九千万円を翌年度に繰り延べることといたしております。  資本収支におきましては、収入、支出とも三百六十八億六千万円で、前年度に比し、収入は十億八千万円、支出は十九億円の増加となっております。  次に、事業計画につきましては、そのおもなものは、テレビジョン放送及びラジオ放送の全国普及をはかるため、放送網の建設を行なうこと、テレビジョン放送及びラジオ放送の番組内容の充実刷新を行なうとともに、教育、教養番組の利用促進につとめること、積極的な営業活動を行ない、受信契約者の維持増加をはかること等となっております。  また、放送センター建設の完了に伴い、不用となる東京放送会館の土地、建物を売却することとしておりますが、その収入は、借り入れ金の返還、放送文化基金の設立、事業安定化資金の確保等に使用することといたしております。  最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。  郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等について慎重に検討いたしました結果、お手元にお配りいたしましたとおりの意見を付することといたした次第であります。  以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどお願いいたします。
  84. 久保田円次

    久保田委員長 次に、参考人日本放送協会会長前田義徳君から補足説明を聴取いたします。前田会長
  85. 前田義徳

    ○前田参考人 ただいま議題となっております日本放送協会昭和四十八年度収支予算事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げる機会をお与えくださいましたことに対し、厚くお礼申し上げます。  協会の昭和四十八年度事業の運営につきましては、事業経営の長期的構想のもとに、中心機能の放送センターへの一元化を契機として、一そう業務の効率化を推進し、テレビジョン、ラジオ両放送の全国普及の早期達成につとめますとともに、すぐれた放送を実施して、国民の要望にこたえ、国民生活の充実向上に資するよう努力する所存でございます。  また、放送センター総合整備の完了に伴い、不用となる東京放送会館の土地、建物を売却することといたしております。この売却収入につきましては、これを最も有効に国民に還元する趣旨のもとに、放送センターの建設及び沖繩の復帰にかかる債務の返還並びに放送界全般の向上に寄与する放送文化基金の設立に充てるとともに、事業安定のための資金確保を行なうことといたしております。  次に、昭和四十八年度事業計画のおもな事項について、御説明申し上げます。  まず、建設計画から申し上げますと、テレビジョンにつきましては、難視聴地域の早期解消をはかるため、二百二十地区にテレビジョン中継放送局の建設を完成し、百四十地区の建設に着手するほか、辺地において共同受信施設を一千十施設設置することといたしております。また、県域放送を実施するためのテレビジョン局二局の建設に着手することといたしております。  一方、ラジオにつきましては、超短波放送局三十三局の建設を完成するとともに、二十局の建設に着手することといたしており、このうち、沖繩地域において那覇など三局を完成して、沖繩県で超短波放送を開始することを計画いたしております。  このほか、報道用取材機器、中継放送用機器、業務の効率化のための機器等の整備を実施することといたしております。  次に、事業運営計画について申し上げます。  まず、国内放送につきましては、テレビジョン、ラジオ放送ともに放送系統の性格に即して、番組内容を充実刷新することといたしておりますが、テレビジョン放送におきましては、総合放送は、広く一般を対象とした番組を編成し、昭和四十八年度は、特に、変動する社会情勢国民生活の動向に対応し、報道、教養番組の充実、少年少女向け番組の刷新を行なうほか、内外のすぐれた芸術の積極的紹介等を実施することとし、教育放送は、系統的な教育番組を中心に、高等学校向け番組の充実、語学番組の拡充等番組内容の充実強化をはかることといたしております。  なお、カラーテレビジョン放送時間は、総合、教育放送合わせて一日二十二時間三十分とすることといたしております。  ラジオ放送におきましては、第一放送は、ラジオの機動性、速報性を生かした番組の強化等番組内容の充実刷新につとめることとし、第二放送は、高等学校向け番組の充実等学校放送番組の強化をはかることといたしております。また、超短波放送は、県域を基本とするニュース、インフォーメーション番組等ローカル放送を充実強化し、あわせてその特性を生かした番組の充実をはかるとともに、沖繩県において新たに放送を開始することといたしております。  また、国際放送につきましては、一日三十七時間の放送時間により、ニュース、インフォーメーション番組の充実をはかるとともに、各地域の特殊性に即した番組を編成し、放送を通じての国際間の理解と親善に寄与することといたしております。  次に、営業関係につきましては、社会情勢変化に即応した営業活動を積極的に推進することとし、受信者の理解と協力を得るよう、協会事業の周知及び電波障害対策等受信の改善を積極的に行なうことといたしております。  これらにより、極力、受信契約者の維持開発につとめ、受信料の確実な収納をはかることといたしております。  調査研究につきましては、番組面において、国民世論調査、番組聴視状況調査並びに意向調査等を行なうとともに、技術面において、放送技術新分野の開発研究、カラーテレビジョンの改善研究、放送衛星に関する開発研究、放送技術発展のための基礎研究等を積極的に実施することといたしております。  経営管理関係につきましては、事業規模の拡大に伴う業務の増大に対処いたしまして、業務全般にわたり、効率化を積極的に推進して、経費の節減につとめますとともに、職員に対する教育訓練の実施等により企業能率の向上をはかることといたしております。  また、業務の効率化により、要員数を前年度どおりといたしますとともに、給与につきましては、適正な水準を維持するよう改善をはかる所存であります。  最後に、これらの事業計画に対応する収支予算につきまして申し上げます。  事業収支につきましては、収入において一千五百四億一千九百万円を予定いたしておりますが、昭和四十八年度における受信契約者の増減につきましては、カラー契約において三百二十一万五千件の増加を見込み、普通契約においては、カラー契約への変更等により二百五十七万九千件の減少、契約総数において六十三万六千件の増加をはかることとし、年度末における契約数を、カラー契約一千八百八十二万六千件、普通契約五百八十六万七千件、契約総数二千四百六十九万三千件と予定し、これによる受信料収入を一千百六十三億九千百万円と予定いたしております。  このほか、国際放送関係等の交付金収入二億二百万円、預金利息等の雑収入二十二億五千百万円、東京放送会館の土地、建物売却益等の特別収入三百十五億七千五百万円を予定いたしております。  これに対する支出は、総額一千三百二十五億七千九百万円で、この内容は、国内放送費に三百五億七千八百万円、国際放送費に八億二百万円、営業費に百三十一億二千百万円、調査研究費に十七億二千四百万円、管理費に百二十六億四千八百万円、給与に四百十四億一千二百万円、減価償却費に百六十五億円、財務費に二十六億四千五百万円、放送文化基金設立のための支出等の特別支出百二十七億四千九百万円、予備費に四億円を予定いたしております。  これらにより、事業収支差金は、百七十八億四千万円となりますが、このうち、百四十三億四千七百万円を債務償還のため事業収支差金受け入れに計上するほか、三十四億九千三百万円を事業安定のための資金として、その使用を翌年度に繰り延べることといたしております。  次に、資本収支につきましては、収入において総額三百六十八億六千四百万円を予定いたしており、この内容は、事業収支差金受け入れ百四十三億四千七百万円のほか、減価償却引き当て金、資産受け入れ等二百二十五億一千七百万円となっております。  これに対する支出は、総額三百六十八億六千四百万円で、建設計画の実施に百七十億円、放送債券の償還に十二億四千万円、長期借り入れ金の返還に百七十七億三千八百万円、放送債券償還積み立て資産の繰り入れに八億八千六百万円を計上いたしております。  以上、昭和四十八年度日本放送協会の収支予算事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べさせていただきましたが、わが国経済文化の発展、国民生活の向上に放送の果たすべき使命がますます重要となっていることに思いをいたしまして、従業員一同総力をあげ、この責務の遂行に努力する所存でありますので、委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞすみやかに御審議御承認を賜わりますようお願い申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。
  86. 久保田円次

    久保田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は来たる七日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時八分散会