○前田参考人 ただいま議題となっております
日本放送協会の
昭和四十八
年度収支
予算、
事業計画及び資金計画につきまして、御
説明申し上げる機会をお与えくださいましたことに対し、厚くお礼申し上げます。
協会の
昭和四十八
年度の
事業の運営につきましては、
事業経営の長期的構想のもとに、中心機能の放送センターへの一元化を契機として、一そう業務の効率化を推進し、テレビジョン、ラジオ両放送の全国普及の早期達成につとめますとともに、すぐれた放送を実施して、
国民の要望にこたえ、
国民生活の充実
向上に資するよう努力する所存でございます。
また、放送センター総合
整備の完了に伴い、不用となる東京放送会館の土地、建物を売却することといたしております。この売却収入につきましては、これを最も有効に
国民に還元する趣旨のもとに、放送センターの建設及び沖繩の復帰にかかる債務の返還並びに放送界全般の
向上に寄与する放送文化基金の設立に充てるとともに、
事業安定のための資金確保を行なうことといたしております。
次に、
昭和四十八
年度事業計画のおもな
事項について、御
説明申し上げます。
まず、建設計画から申し上げますと、テレビジョンにつきましては、難視聴地域の早期解消をはかるため、二百二十地区にテレビジョン中継放送局の建設を完成し、百四十地区の建設に着手するほか、辺地において共同受信
施設を一千十
施設設置することといたしております。また、県域放送を実施するためのテレビジョン局二局の建設に着手することといたしております。
一方、ラジオにつきましては、超短波放送局三十三局の建設を完成するとともに、二十局の建設に着手することといたしており、このうち、沖繩地域において那覇など三局を完成して、沖繩県で超短波放送を開始することを計画いたしております。
このほか、報道用取材機器、中継放送用機器、業務の効率化のための機器等の
整備を実施することといたしております。
次に、
事業運営計画について申し上げます。
まず、国内放送につきましては、テレビジョン、ラジオ放送ともに放送系統の性格に即して、番組
内容を充実刷新することといたしておりますが、テレビジョン放送におきましては、総合放送は、広く
一般を対象とした番組を編成し、
昭和四十八
年度は、特に、変動する社会
情勢、
国民生活の動向に対応し、報道、教養番組の充実、少年少女向け番組の刷新を行なうほか、内外のすぐれた芸術の積極的紹介等を実施することとし、教育放送は、系統的な教育番組を中心に、高等学校向け番組の充実、語学番組の
拡充等番組
内容の充実強化をはかることといたしております。
なお、カラーテレビジョン放送時間は、総合、教育放送合わせて一日二十二時間三十分とすることといたしております。
ラジオ放送におきましては、第一放送は、ラジオの機動性、速報性を生かした番組の強化等番組
内容の充実刷新につとめることとし、第二放送は、高等学校向け番組の充実等学校放送番組の強化をはかることといたしております。また、超短波放送は、県域を基本とするニュース、インフォーメーション番組等ローカル放送を充実強化し、あわせてその特性を生かした番組の充実をはかるとともに、沖繩県において新たに放送を開始することといたしております。
また、国際放送につきましては、一日三十七時間の放送時間により、ニュース、インフォーメーション番組の充実をはかるとともに、各地域の特殊性に即した番組を編成し、放送を通じての国際間の理解と親善に寄与することといたしております。
次に、営業関係につきましては、社会
情勢の
変化に即応した営業活動を積極的に推進することとし、受信者の理解と協力を得るよう、協会
事業の周知及び電波障害対策等受信の
改善を積極的に行なうことといたしております。
これらにより、極力、受信契約者の維持開発につとめ、受信料の確実な収納をはかることといたしております。
調査研究につきましては、番組面において、
国民世論
調査、番組聴視
状況調査並びに意向
調査等を行なうとともに、技術面において、放送技術新分野の開発研究、カラーテレビジョンの
改善研究、放送衛星に関する開発研究、放送技術発展のための基礎研究等を積極的に実施することといたしております。
経営管理関係につきましては、
事業規模の拡大に伴う業務の増大に対処いたしまして、業務全般にわたり、効率化を積極的に推進して、
経費の節減につとめますとともに、
職員に対する教育訓練の実施等により企業能率の
向上をはかることといたしております。
また、業務の効率化により、要員数を前
年度どおりといたしますとともに、給与につきましては、適正な水準を維持するよう
改善をはかる所存であります。
最後に、これらの
事業計画に対応する収支
予算につきまして申し上げます。
事業収支につきましては、収入において一千五百四億一千九百万円を予定いたしておりますが、
昭和四十八
年度における受信契約者の増減につきましては、カラー契約において三百二十一万五千件の増加を見込み、普通契約においては、カラー契約への変更等により二百五十七万九千件の減少、契約総数において六十三万六千件の増加をはかることとし、
年度末における契約数を、カラー契約一千八百八十二万六千件、普通契約五百八十六万七千件、契約総数二千四百六十九万三千件と予定し、これによる受信料収入を一千百六十三億九千百万円と予定いたしております。
このほか、国際放送関係等の交付金収入二億二百万円、
預金利息等の雑収入二十二億五千百万円、東京放送会館の土地、建物売却益等の特別収入三百十五億七千五百万円を予定いたしております。
これに対する支出は、総額一千三百二十五億七千九百万円で、この
内容は、国内放送費に三百五億七千八百万円、国際放送費に八億二百万円、営業費に百三十一億二千百万円、
調査研究費に十七億二千四百万円、管理費に百二十六億四千八百万円、給与に四百十四億一千二百万円、減価償却費に百六十五億円、財務費に二十六億四千五百万円、放送文化基金設立のための支出等の特別支出百二十七億四千九百万円、予備費に四億円を予定いたしております。
これらにより、
事業収支差金は、百七十八億四千万円となりますが、このうち、百四十三億四千七百万円を債務償還のため
事業収支差金受け入れに計上するほか、三十四億九千三百万円を
事業安定のための資金として、その使用を翌
年度に繰り延べることといたしております。
次に、資本収支につきましては、収入において総額三百六十八億六千四百万円を予定いたしており、この
内容は、
事業収支差金受け入れ百四十三億四千七百万円のほか、減価償却引き当て金、資産受け入れ等二百二十五億一千七百万円となっております。
これに対する支出は、総額三百六十八億六千四百万円で、建設計画の実施に百七十億円、放送債券の償還に十二億四千万円、長期借り入れ金の返還に百七十七億三千八百万円、放送債券償還積み立て資産の繰り入れに八億八千六百万円を計上いたしております。
以上、
昭和四十八
年度日本放送協会の収支
予算、
事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べさせていただきましたが、わが国
経済文化の発展、
国民生活の
向上に放送の果たすべき使命がますます重要となっていることに思いをいたしまして、
従業員一同総力をあげ、この責務の遂行に努力する所存でありますので、
委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞすみやかに御審議御
承認を賜わりますようお願い申し上げまして、私の
説明を終わらせていただきます。