○土橋
委員 たいへん明確に答えていただきましたので、これは速記録に二重まるで
——要するに、今後自衛隊であるとか在日米軍がこれを利用するとかいうことがないことを、私は
日本民族の独立のため、通信が国民大衆のために活用されるという観点から、言いにくいことでありましたけれどもあなたに明確にしておかないと、
郵政省が一生懸命努力した、最後になって使うときには
アメリカ軍が使ってしまうとかあるいは大資本家たちが金もうけのためにこれを利用してみたり、あるいは自衛隊や機動隊がそういう自分の管理システムを強化するためにこれを利用するというようなことがあってはならないということを私は言っている。だからあなたと同じ
考えなんですから、どうかその点は間違えないで、その点を明確にしておきませんと、あとあとこれがまた機動隊に利用された
——そのいい例は、あなたも御承知のようにVHFという波を、国民全体の電波として、要するに
放送局が使っておったわけですね。自由民主党の小林さんという方が
郵政大臣になって、国民に相談もしない、聴視者にも相談しない、業者にも相談をしないでそれをUHFの波にかえたわけですね。そのために、テレビの受像機を持っている全国民は、UHFの電波を受けるような、そういう受像機を買わなければいかぬとかあるいは中の機械をかえなければいかぬとかいうことになった。そういうことを平気で自由民主党政権のもとにやったわけですよ。一
郵政大臣が電波をかってにそんなことをできるものじゃないわけです。これは国民の電波です。
郵政大臣の電波ではないわけです。そういう不心得な者がたまたま自由民主党から出るわけなんです、
郵政大臣という地位を占めまして。この問題については、
久野さんに限ってはさようなことはないと思うけれども、私は、そういう点を厳重にしておかないと、大資本家のためや
アメリカ軍のためやあるいは自衛隊が使うということが非常に懸念される。極端に言えば
郵政省はあて馬みたいになりまして、努力はしたけれどもその成果はほかの者がみな奪ってしまう、こういうことにならないように、この点を本
委員会においても明確にしておきたいという点が私の念願でございますので、御了承願いたいと思います。
次は、米澤
総裁は非常に博学な方でございまして、特に電気通信科学についてはわが国においても指折り数えられる学者でございます。したがって、米澤
総裁のお書きになったものを私はじっくりと玩味さしていただいておりますけれども、非常に勉強に相なっておるわけです。ただ、この
逓信委員会におきまして私は申し上げたのですが、米澤
総裁が
——ここではしなくも「電電20年の歩み」というので、通信興業新聞社という一外郭の新聞社の要請に従って、各幹部の方々がみな論文を書いていらっしゃる。私はこれは全部拝見いたしました。米澤
総裁のおっしゃっていることを引用いたしますと、これは
郵政大臣に聞いていただきたいのですが、ここにこういうことを書いていらっしゃる個所がございます。これはちょうど四ページの三番目のパラグラフでございまして、「広域時分制の採用は、明治・大正以来のわが国の
電話料金制度に根本的な改正を加えるものである。社会・経済圏の広域化という時代の要請にこたえ、同時に、
公衆電話網を民間のコンピュータに開放するという要請に応ずるための改正であり、現在および今後の社会情勢に即応できる近代的な料金制度であるといえる。」こういう名文句をお書きになっているわけです。
さて私はお尋ねをしたいのですが、これは広域時分制、つまり三分打ち切りをする、その基本的な
内容は、データ通信制度の拡充強化にあるという結論なんですよ。つまり電信
電話の中心的な業務をやっておるのは
電電公社であるわけです。現在の収入
関係から見るならば、
電電公社の最も重要なことは、いわゆる
電話の積滞を
解消して、すべての国民に
電話があまねく安い料金で享受できる体制をとるというのが
公社の基本的な方針でなければならぬと思うわけです。
ところが最近は、米澤
総裁が常におっしゃっておりますように、今日はいわゆるマス・チャンネル・ソサエティーの時代だ、したがってポスト・インダストリアル・ソサエティーはもはや十年前のある教授が
説明した遺物である、今日は大量情報化時代である、それに即応するためにはどうしても
電話で長い話をしてもらっては困るので、要するに広域時分制に移行したのだということを言われておるわけです。私たちは本
委員会においてこれを追及しました。これはデータ通信制度のために広域時分制をやるのじゃないかといかほど追及しても、
電電公社の幹部諸君は、いやそんなことはない、三分間あれば話ができるのだから、統計によっても、しかるべき
内容で三分以上になるものは少し長話の
内容であるから、私たちは七円を増して十四円ちょうだいして、五分間でも
お話しになれましょう、こういう
内容であったわけです。私たちは、それはデータ通信制度をやるために、要するに大衆の迷惑を省みないで広域時分制、三分で打ち切りをやるものじゃないか、これは公共料金の引き上げにも該当するじゃないかということで追及してまいりました。これらの事実に見られるように、最近
電電公社は非常に膨大な投資をいたしております。たとえば今度の五カ年
計画では御承知のように七兆円を投資いたしました。債券償還か一兆三千億をこえている。そして、これが要するに千五百三十万台の
電話を開設する膨大な基礎を持っておるわけです。ところが、実際業務の
内容を見ますと、もうすでに電電の書類によって明確でありますように、ばく大な投資をしておる
関係上、いわゆる減価償却というものが非常にきびしくなっておるわけです。借り入れた債券の償還という問題も非常に大きくなってきておる。これからまた、いわゆる自由民主党
田中政府の政策によって、御承知のようにドルの一〇%切り下げと変動相場制の中において、きょうきのうの新聞でも書いておるように、この自由化を強行すれば電子計算機とICが
日本にどうっと入ってくるのだ、これに対してどういう防禦をするかということでいろいろ業界その他で苦慮しております。この方が盛んに、それは特別扱いでやるんだということで新聞なんかに発表されて、ここの部屋にかかっている絵の方が盛んにやっていらっしゃる。はたして一体、現在の状況におきましては、そういう体制下において、しかも高いコンピューターを買い入れたり、あるいはいま申し上げたように物価がどんどん上がってきますから
人件費もどんどん上がってくるわけですね。そうすると、将来これから住宅
電話を
——かりにいまの比率でございますと八割近いものが住宅
電話をつける。業務
電話のようにしょっちゅう
電話をつけっぱなしでやってくれないわけですから、ラーメン一丁とかあるいはお友だちに
電話をかける、こういうような、いわば
電話の収入面から見るならば、どちらかというとビジネス
電話より収入面が少ない、度数料が少ない、こういうものがだんだんふえてくる傾向にあるわけです。そこへもってきてデータ通信のほうにどんどん金をつぎ込んでいく、そのデータ通信も一体見込みがあるのかどうか、はたしてどういうシステムがほんとうに採算に乗るようなシステムであるかというようなことについても五里霧中の状態である。そうなってくると、ばく大な投資をして減価償却して、物価が上がって労働者の賃金を上げなければいかぬという事態と、また債券を償還しなければいかぬ、こういうことになってくると、電電の論文にもはっきり言っているように、将来この問題については相当研究しなければいかぬということが叫ばれておるわけです。ところが、一方の論文を読むと、
電電公社というのはもう
日本の業界においては新
日本製鉄の上を行っているんだとか、あるいはトヨタ自動車の上であるとか国鉄ととんとんのような、
日本の企業としては大きなものになっておるというようなことを盛んに宣伝をする、そういう電電の幹部もおるわけです。
そうなってまいりますと、いま申し上げましたように、将来電電というものが国鉄と同じように、どうしてもまた払い切れない借金や減価償却や物価の値上がりによって、たいへん困るんじゃないか。いままでのような調子でいくならば、電電の将来というものはきわめて暗いというふうに私は
考えて見ておるのですけれども、それ以外に、もうける口が電電は一体あるのか。あるとすれば、テレマーに見られるように、きょう、先ほどどなたかから
質問が出たように、テレマーだって出ておりますね。これによって二十七億円損をしておるのです。五社に注文したものが御承知のように三分間じゃなくて二分五十秒とか四十秒で時間を合しておる、こういうものを買い込んでおる事態でございます。これはテレマーの問題でございますね。三分で打ち切りのやつをただで貸しておるというのですけれども、新聞はこう言っておるのです。
公社の
予算は一兆二千億、そのうち〇・二%ちょっとに当たる費用だから、月給十万円の人が二百数十円を費やした程度だと
公社の人は
説明した、というようなことをいって、二十七億ばかり損害が出ておるように書いておる。これから買い入れる機械、そういうようなものについても、
開発途上でございますから、いろいろそういうものが出てくることはテレマーだけじゃないわけです。そうすると、電電というのは将来一体やっていけるのかどうか、これについて
郵政大臣はお
考えになったことがございましょうか、それとも現在の
公社のこういう時の勢いに乗ったといいましょうか、こういうやり方でいって将来は収支が、きちっと帳簿じりが合うようなことができるかどうか、こういう点についてあなたのお
考えをお尋ねしたいと思います。