○三谷
委員 あなたがおっしゃいます御意見のようなことも、補足して説明すれば言えると思いますけれ
ども、この意見をそのまま一読しまして、一体、この摂津市の市長の具体的な
指摘に対して的確に答えておるかと申しますと、あいまいもことしたものにしてまっておる。そういう内容の意見になっておる。それが特徴なんです。
それで、国の意見の
一つは、「保育所の設置及び運営に要する
費用に対する国庫
負担については、
地方財政法及び児童
福祉法の
関係規定によるべきことはいうまでもない。」ということで、これはもちろん摂津市と意見がひとしいものであります。これはことさら強調する必要はないのですけれ
ども、しかし、そこで、
地方財政法並びに児童
福祉法というものを根拠にして、国の不当性を
指摘しておるわけですね。この摂津市の市長に錯誤があるのかどうか、その点はどうなんです。つまり、法令違反を認めるという内容になっておると思いますけれ
ども、そこはほおかぶりしたままで、将来における努力というものが強調されている。今日まで法令違反をして、損失をかけてきた、このことについての責任は一体どうなのかというようなことにつきましては、全然ここでは触れていない。ただ、今後努力する、あるいは改善してきたというだけのことです。問題は、
法律に違反する処置によりまして、明らかな損害が生じてきている。それに対して国が責任を明確にするということが必要であるにかかわらず、そこは全然触れていない。ここら辺は、なぜもう少し明快な態度をおとりにならないのか。
それから、国の意見のもう
一つの点では、国庫
負担につきましては、毎年度改善につとめておる、四十八年度におきましても、定額制を改めて、定員、基準面積、構造別基準単価方式に改めて、
超過負担の解消につとめておるとおっしゃっている。ここにおきましても、
超過負担を明確に確認してきているわけです。
超過負担というのは、法令の定めに従った処置をしていなかったわけです。そのことによりまして、
地方公共団体に対して損失を与えたということをちゃんと認めているわけです。認めておるとしますと、その認めました損害につきましてはどう
考えていくか、手続上の問題じゃなく、内容の問題としてどうするかという責任を明確にするという点が全然ありません。
それから、もう
一つは、今後におきましても必要な
部分、合理的な基準と規模、単価、規格を定めるという立場に立って改善に努力するという、つまり、今後の改善をうたっておるのです。しかし、現行においてもなお十分でないことを認めておる。現行におきましても法令違反があることを認めている内容なんです。それを認めながら、そのことによって与えました損害については、何ら触れようとしない。それから、現行におきましてもなお不十分であることを認めながら、抜本的な改善処置をとろうとしない。少しもそういう立場に立っておりません。これは一体どういうわけなんですか。
これは摂津市の市長が言っておりますけれ
ども、法治国におきまして、国が法を守らないというようなことがあっていいのか。法治国ということばがよく使われますけれ
ども、法治国というのは、いかなる権力者といえ
ども、法の定めに従って行動するということなんです。これは法治国の基本的な精神なんです。その点から照らしましても、国のとっております処置というものは合点のいくものじゃない。しかも、その点をこの意見書で明確にするという点は少しもやられていない。そこら辺は全然さわらずに、今後の努力によって問題をごまかしてしまう、そういう態度で、この問題に対する国の責任を果たせるというお
考えでしょうか。