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山口(鶴)
委員 では、
建設大臣はけっこうです。
ただいまこまかいことについていろいろ
お尋ねをいたしましたが、冒頭申し上げたように、私は、このような質問をすることは実は不本意なのであります。私
ども野党に
自民党さんのほうから、この
農地の
宅地並み課税の問題については、
政府・与党の間でいろいろやりとりをした結果、
政府提出からははずして、そして昨年の
経過もあることだから、
地方行政委員会の合意に基づいて議員立法で処理をいただきたい、ついては十分話し合いをいたしたいと、こういう申し出がございました。私
ども野党はお互いに
地方行政委員会は気がいい人間が多いものですから、その点を快くすんなり受けまして、そして今日まで苦労をいたしまして、この問題について取り組んできた。せっかく三月二十二日の段階では、私
ども野党の
考え方は——もちろん、その際に共産党さんは、四項目について、これはワンパッケージでなければいけないというような御意見もございました。また、民社党さんの立場で、附則その他において、わが党の
考え方がある程度反映されるような字句をひとつ
考えていただきたいという御意見もございましたけれ
ども、しかし、まあ野党四党最大公約数をとりました形で、一応四つの
原則を——三年間という
期間を切って一応
営農の
意思を申請する、その場合は徴税猶予ではなくて
農地課税とすべきである、さらに、大
都市とその他の
地域との区別はしない、政令というものは必要ないのであって、これは行政指導でもって足りるではないかと、こういう
趣旨の意向を
自民党さん方にお伝えをし、
自民党さんの側もそれを受けまして、その四つを全部了承したようではなかったようでありますが、
農地課税ではなくて、徴税猶予という形でどうかというような形にして、
自民党さんの出先の側においては一応の
考え方がまとまり、その段階で返事をすればもう問題なかったんだろうと思うのでありますが、田中総理でありますか、田中総裁でありますか、まあ、田中総裁だろうと思うのでありますが、田中総裁のオーケーをとりに行ったところが拒否された。新聞には、「野党四党案拒否」というようなことで大きく報道されたというような形で今日まで推移をいたしたわけです。
この間、三月三十日に開かれました予算
委員会で、わが党の細谷
委員がこの問題を取り上げ、
江崎自治大臣と田中総理との間で
議論をいたしました。
法律に優先して行政指導でやるなんということはおかしいではないかというようなこともあり、結局、ここにおいでの
内田さんが、どういう資格ですか、たぶん
自民党の税制調査会長というような立場で提案者という形になりまして、
自民党の
修正案をこの
委員会に提案をされたという
経過だろうと思います。
私
どもは、そういう
経過はまことに遺憾であり、憤激にたえません。結局、私
どもとすれば、先ほど来申し上げたように、
課税権者は市町村長なんですから、問題は、市町村長がこの
農地の
宅地並み課税の問題について裁量権を持っていないいまの
自民党さんの案、それから、四十六年の
地方税法改正案、そこにやはり問題がある。さらに、先ほど来
議論いたしましたように、
都市の緑化というものを
考え、環境保全というものを
考えると、
内田さんもかつて、環境庁ができる以前の厚生
大臣として、公害問題については中心になって実はお取り組みになった方ですが、そういう
意味で、
都市の公害というものが激化する中で、少なくとも
都市の環境というものを保全をしたい、まじめに
営農する農家の立場を保護したいというようなことを総合いたしまして、私
どもは先ほど来申し上げたような案を出したわけです。昨年自治
大臣でございました渡海さんも、
お話をしたところが、四十六年の
法律の中の欠陥の
一つは、市町村長の裁量権というものが全くなかった、これは確かに間違いであったということを、実は述懐しておられたわけであります。そういう中で、先ほどあのようなこまかい
議論をしなければならないということについて、実は私は非常に残念に思うわけでありますが、率直に
お尋ねをいたしたいと思うのです。
繰り返しそのような
議論はあったと思いますが、念のために
江崎自治大臣に申し上げますが、今回のこのような
経過については、やはり率直に反省をしていただきたいと私は思うのです。
地方行政委員会は、今日まで長い歴史がございます。警察法の改正あるいは警職法の問題、近くは定年法の問題で強行採決などをやった歴史はありますけれ
ども、しかし、それ以外にはそういう紛糾した過去というものはないわけです。問題は、与野党立場は違っても、少なくとも自治を守っていこう、地方自治を尊重していこう、こういうことではある程度与野党の間にニュアンスの
相違はありましても、共通の土俵というものがあったろうと思うのですね。そのことを
大臣に十分
考えていただきたい。そういう中で、各党の意見はあるにしても、合意できるものについてはできる限り合意していこう、地方自治を守っていくという観点からはできる限り意見の一致を見出していこうというつもりで、今日までやってきたわけであります。そういう立場で私
どもが協力をした。しかるに、
自民党の党内事情のために、せっかくのそういったよき伝統に傷をつけたということについては、そのときの自治
大臣であった
大臣として、やはり率直に反省をいただかなければならぬと私は思うのですが、いかがですか。