○棚橋
説明員 お答えいたします。
私どもの
調査は、三月十三日から十五日にかけまして三日間、書面
調査及びヒアリング
調査を行ないました。
対象商社は三菱商事、三井物産、丸紅、伊藤忠、住友商事、日商岩井、六社でございます。
対象事項につきましては、商品としまして、羊毛、毛糸、綿花、綿糸それから大豆、木材及び生糸でございまして、私どものほうが生産を所管します羊毛等四品目は当然のことでございますが、大豆、木材、生糸につきましては、生産そのものは農林省さんの所管でございますけれども、私ども、輸入を所管しているという
見地から、輸入のウエートの高い、しかも、かつ、大手商社の
取り扱いのウエートが高い品目として、輸入に重点を置いて
調査をいたしたわけでございます。したがいまして、米の輸入はほとんどございませんし、したがって、大手商社の輸入面での
取り扱いは非常に少のうございますので、今回の私どもの
対象から米そのものは一応はずしております。
調査の結果につきまして、大手六社の代表者及び日本貿易会の代表者の方に当省においでいただきまして、四月三日に、当省の山下
企業局長が、
大臣の命を受けまして、次のような発言を行なっております。私どもの
調査では、商社の
段階で明白な
買い占め及び売り惜しみが行なわれたと断定できるものはございませんが、羊毛、毛糸、綿糸及び生糸につきまして、
買い占め、少なくとも買い急ぎが行なわれたという事実をつかんでいる。さらには、商品取引所におきまして、これらの品目につきまして相当の投機が行なわれた疑いもある。さらには、ほとんどの物資に共通して言えることですが、商社以下の
段階でも、問屋等、いろいろな仮需要が発生して、
思惑的な行為がかなり末端にまで及んでおる。こういう
調査の結果を申し上げまして、当省としては、第一に、今後さらに継続して
調査を各流通
段階にまたがって行なっていくということなので、ぜひ全面的な協力をお願いしたい。第二に、商社につきまして、その影響するところきわめて大でありますので、社会的な
責任を自覚してほしい。第三には、過当投機問題に対する行動基準、行動、ビヘービア、さらには、当省と商社の幹部との間に商社懇談会を設けまして、常時情報を交換して、
実情の把握を継続していく。さらには、商社も、その
企業責任を自覚して、需給がタイトになっている物資につきましては、むしろ商社が、その安定かつ低廉な供給に寄与するような体制を早急に
検討してほしい等々の対策につきまして全面的な協力をお願いしたい。以上三点につきまして強く要請したわけでございます。
先生の御
質問の、第三点の、われわれのこの
調査及び対策につきまして、行政上どのような効果が期待できるかという御
質問につきましては、御案内のように、私どもは法律的な権限は持っておりません。今回の
調査も、あくまで商社の協力を得ての任意
調査でございまして、したがいまして、立ち入り検査等は当然行なっておりませんが、われわれとしては、いろいろなデータを正確に分析したつもりでございます。したがいまして、私どものただいま申し上げました対策をきめこまかく実施していくことで相当の効果が期待できると考えております。
なお、今国会におきまして御審議をお願いしておりますいわゆる
買い占め等防止法案成立の暁には、かかる
調査が非常にやりやすくなるものと考えております。