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1973-04-05 第71回国会 衆議院 地方行政委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年四月五日(木曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 上村千一郎君    理事 小山 省二君 理事 谷垣 專一君    理事 中村 弘海君 理事 中山 利生君   理事 三ツ林弥太郎君 理事 土井たか子君    理事 山本弥之助君 理事 林  百郎君       今井  勇君    片岡 清一君       亀山 孝一君    島田 安夫君       西村 直己君    前田治一郎君       保岡 興治君    山中 貞則君       渡辺 紘三君    岩垂寿喜男君       小川 省吾君    佐藤 敬治君       山口 鶴男君    山田 芳治君       吉田 法晴君    多田 光雄君       小川新一郎君    小濱 新次君       折小野良一君  出席国務大臣         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     江崎 真澄君  出席政府委員         警察庁刑事局保         安部長     斎藤 一郎君         警察庁警備局長 山本 鎮彦君         自治政務次官  武藤 嘉文君         自治大臣官房審         議官      山下  稔君        自治省税務局長 佐々木喜久治君  委員外出席者         議     員 山本弥之助君         警察庁刑事局捜         査第一課長   小林  朴君         警察庁警備局警         備課長     室城 庸之君         農林大臣官房審         議官      小山 義夫君         食糧庁総務部長 森  整治君         通商産業省企業         局企業調査課長 棚橋 祐治君         建設省計画局宅         地部宅地開発課         長       吉田 公二君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ――――――――――――― 委員の異動 三月二十八日  辞任         補欠選任   前田治一郎君     大久保武雄君   多田 光雄君     諫山  博君 同日  辞任         補欠選任   大久保武雄君     前田治一郎君 同月二十九日  辞任         補欠選任   諫山  博君     多田 光雄君 同日  辞任         補欠選任   多田 光雄君     諫山  博君 同月三十日  辞任         補欠選任   保岡 興治君     荒木萬壽夫君   諫山  博君     多田 光雄君 同日  辞任         補欠選任   荒木萬壽夫君     保岡 興治君 同月三十一日  辞任         補欠選任   高鳥  修君     西村 直己君   永山 忠則君     山中 貞則君   古屋  亨君     内田 常雄君 四月四日  辞任         補欠選任   保岡 興治君     萩原 幸雄君   小川新一郎君     近江巳記夫君 同日  辞任         補欠選任   萩原 幸雄君     保岡 興治君   近江巳記夫君     小川新一郎君 同月五日  辞任         補欠選任   岩垂寿喜男君     山口 鶴男君 同日  辞任         補欠選任   山口 鶴男君     岩垂寿喜男君     ――――――――――――― 四月五日  地方公営交通事業経営健全化促進に関す  る法律案内閣提出第五四号)  地方公営交通事業経営健全化促進に関す  る法律案山口鶴男君外十九名提出衆法第一  六号) 三月三十日  東京都の財政確立に関する請願小林政子君紹  介)(第一八二五号)  同(紺野与次郎紹介)(第一八二六号)  同(津金佑近君紹介)(第一八二七号)  同(中島武敏紹介)(第一八二八号)  同(松本善明紹介)(第一八二九号)  同(小林政子紹介)(第一八八九号)  同(小林政子紹介)(第一九四六号)  市街化区域内農地宅地並み課税阻止等に関す  る請願新井彬之君紹介)(第一八三〇号)  同(江藤隆美紹介)(第一八三一号)  同(鈴切康雄紹介)(第一八三二号)  同外三件(水野清紹介)(第一八九一号)  同(荒木宏紹介)(第一九四九号)  同外五件(大野明紹介)(第一九七八号)  同(小渕恵三紹介)(第一九七九号)  同(菅波茂紹介)(第一九八〇号)  同(村上勇紹介)(第一九八一号)  同(山口鶴男紹介)(第一九八二号)  ドライブイン等における酒類販売禁止に関す  る請願横山利秋紹介)(第一八三三号)  同(福田篤泰紹介)(第一九七七号)  地方事務官制度廃止に関する請願井出一太郎  君紹介)(第一八九〇号)  地方財政危機打開に関する請願神崎敏雄君  紹介)(第一八九四号)  同(正森成二君紹介)(第一九四七号)  同(村上弘紹介)(第一九四八号) 四月四日  市街化区域内農地宅地並み課税阻止等に関す  る請願石田幸四郎紹介)(第二〇三七号)  同外二件(小濱新次紹介)(第二〇三八号)  同外三件(伊能繁次郎紹介)(第二一三二  号)  同外二十一件(臼井莊一君紹介)(第二一三三  号)  同外二件(原健三郎紹介)(第二一三四号)  同(渡部恒三紹介)(第二一三五号)  地方財政危機打開に関する請願外三件(土井  たか子紹介)(第二〇三九号)  同(荒木宏紹介)(第二〇八三号)  同外一件(土井たか子紹介)(第二〇八四  号)  同(三谷秀治紹介)(第二〇八五号)  同(荒木宏紹介)(第二一三六号)  同外三件(土井たか子紹介)(第二一三七  号)  同(東中光雄紹介)(第二一三八号)  同(正森成二君紹介)(第二一三九号)  同(三谷秀治紹介)(第二一四〇号)  地方公務員退職年金スライド制早期実現に関  する請願土井たか子紹介)(第二〇八六  号)  ドライブイン等における酒類販売禁止に関す  る請願植木庚子郎君紹介)(第二一三一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月三十日  広域市町村圏振興整備措置要綱法制化に関す  る陳情書  (第一六三号)  同外二件  (第一八四号)  同外二件  (第二二三号)  市街化区域内農地宅地並み課税に関する陳情  書外二件(第  一八五号)  町村財政強化に関する陳情書  (第一八六号)  特別区の区長公選制実現に関する陳情書  (第二二一号)  地方議会議員共済制度改善に関する陳情書  (第二二二号)  人口急増市町村に対する財政措置強化に関する  陳情書  (第二二四号)  公共用地取得制度充実強化に関する陳情書外  一件  (第二二五号)  義務教育施設用地取得造成にかかる地方債元  利償還金需要額算入に関する陳情書  (第二二六号)  ダンプ車の過積載の取締り強化等に関する陳情  書(第二五〇号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申し入れに関する件  地方税法の一部を改正する法律案山口鶴男君  外七名提出衆法第五号)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第  四五号) 警察に関する件      ――――◇―――――
  2. 上村千一郎

    上村委員長 これより会議を開きます。  連合審査会開会申し入れに関する件についておはかりいたします。  ただいま運輸委員会において審査中の内閣提出にかかる港湾法等の一部を改正する法律案について、連合審査会開会申し入れをいたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 上村千一郎

    上村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、開会日時等につきましては、両委員長協議の上決定し、公報をもってお知らせいたします。      ————◇—————
  4. 上村千一郎

    上村委員長 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案及び山口鶴男君外七名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  この際、山口鶴男君外七名の提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案について、提出者より提案理由説明を聴取いたします。山本弥之助君。
  5. 山本弥之助

    山本(弥)議員 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、提案者を代表して、その提案理由内容大要を御説明申し上げます。  地方税源とりわけ市町村税源充実強化ということは、シャウプ税制以来の課題でありますが、残念ながら、今日においては、この問題の解決どころか、逆の方向にあるといっても過言ではありません。  すなわち、市町村税について見ますと、市町村歳入中に占める税収入の割合は、昭和二十六年度の四六%から四十三年度には三五・四%となり、ついに四十六年度には三一・七%と、実に一五%も低下している状況にあります。これは、主として、市町村税制税収入の安定に重点が置かれたため、今日の都市化現象に伴う動態的な財政需要に対応し得ないという税体系の仕組みに基因するものであります。  日本社会党は、国、都道府県市町村を通ずる税制のあり方について根本的に再検討を加え、早急に結論を出すべきであると主張し続けてきているのでありますが、この際、憲法に保障する地方自治住民福祉を守る立場から、基礎的地方団体である市町村税源充実をはかるとともに、大衆負担軽減を行なうため、当面、特に緊急と認められる事項について所要の改正を行なうこととしたのであります。  以下、順を追って地方税制改正の概要について御説明申し上げます。  第一は、都道府県民税及び市町村民税についてであります。  その一は個人についてでありまして、まず、住民税課税最低限につきましては、今回の政府案では約六万円引き上げられておりますが、所得税における課税最低限との差は依然として相当大きいのであります。かりに、住民税所得税とでは、その性格上の相違もあり、課税最低限については必ずしも一致すべきものでないという論があるにしても、できる限り両税の格差を縮減するよう、具体的な計画のもとにその引き上げをはかる必要があると思うのであります。  したがいまして、昭和四十八年度以降三年間にわたって住民税課税最低限を引き上げるため、四十八年度において、基礎控除配偶者控除扶養控除の額をそれぞれ三万円引き上げることとしております。なお、四十八年度及び四十九年度においてもそれぞれ三万円引き上げることを予定いたしておりまして、その結果、五十年度における夫婦、子供二人の標準世帯課税最低限は約百三十二万円となる見込みであります。  また、障害者控除老齢者控除寡婦控除及び勤労学生控除の額については、現行十万円を十三万円に、特別障害者控除の額については、現行十二万円を十七万円に引き上げるとともに、配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族にかかる扶養控除の額については、現行十二万円を十六万円に引き上げることといたしております。  このほか、障害者未成年者老年者及び寡婦についての非課税範囲を、年所得現行三十八万円から四十五万円に拡大するとともに、老人扶養控除の額を現行十一万円から十七万円に引き上げることといたしております。  さらに、中小事業者負担軽減合理化をはかるため、白色申告者専従者控除額現行の十七万円から四十二万円に引き上げることといたしました。  次に、現行道府県民税所得割り税率は、課税所得百五十万円以下二%、百五十万円以上四%という二段階比例税率的制度となっておりますが、低額所得者との負担均衡をはかる見地から、税率を五段階に区分する超過累進税率制に改めることといたしております。  その二は、法人についてであります。最近における企業の発展は、都市、特に大都市における公共施設充実に負う面が少なくないのみならず、公害その他の問題について、都市に多大の負担を及ぼしている実情にあるため、その負担をある程度企業に求めることは当然であると考えるのでありまして、住民税法人税割りを、道府県民税にあっては現行の五・六%を八%に、市町村民税にあっては現行の九・一%を一五%といたしております。  第二は、事業税についてであります。  事業税は本来二重課税的性格を持つものであり、特に零細な個人事業者についてはその負担の過重に著しいものがあるのであります。したがいまして、将来、個人事業税は撤廃の方向検討を加える必要があるのでありますが、当面、所得税を納付するに至らない者に対する個人事業税の解消をはかるため、事業主控除現行六十万円から九十万円に引き上げることといたしております。  また、中小事業者負担軽減合理化をはかるため、白色申告者専従者控除額現行の十七万円から四十二万円に引き上げることといたしました。  第三は、料理飲食等消費税についてであります。  都市あるいは観光地等における市町村行政負担は年々急増を示している反面、観光関係地財政収入は、市町村一に対し、府県二、国四という実情にかんがみ、その財源に充てるため、県と市町村において半々とすることを目途として、四十八年度には二分の一を市町村に交付することといたしております。  第四は、都市計画税についてであります。  都市計画税課税客体土地及び家屋となっておりますが、都市計画事業に伴う受益の度合いは、償却資産についても土地及び家屋と同様でありますので、都市計画税課税客体償却資産を加えることといたしております。  なお、都市計画税賦課期日は一月一日となっておりますので、この改正規定昭和四十九年度分より適用することといたしております。  以上の改正により、昭和四十八年度においては、個人住民税におきましては差し引き一千百六十四億円、個人事業税におきましては二百五十一億円の減税となりますが、一方、法人税割り改正に伴い、三千百七十五億円の増収が見込まれますので、この結果、都道府県におきましては五百六十一億円の減収、市町村におきましては二千三百二十億円の増収となり、差し引き一千七百五十九億円の増収となります。  以上が地方税法の一部を改正する法律案提案及びその大要であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手
  6. 上村千一郎

    上村委員長 以上で提案理由説明は終わりました。     —————————————
  7. 上村千一郎

    上村委員長 次に、内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案に対し、内田常雄君、西村直己君及び山中貞則君から、自由民主党提出にかかる修正案提出がされております。
  8. 上村千一郎

    上村委員長 この際、提出者より趣旨説明を求めます。西村直己君。
  9. 西村直己

    西村(直)委員 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、私は、自由民主党を代表して、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。  案文は、お手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。  まず、本案を立案いたしました理由でありますが、御承知のように、市街化区域内の農地に対する固定資産税及び都市計画税につきましては、周辺の宅地等との間の税負担の不均衡を是正するとともに、土地対策に資するため、昭和四十六年度税制改正において、宅地等との間の税負担均衡をはかるよう段階的に税負担を求めることとされましたが、昭和四十七年度においては、市街化区域農地の実態をさらに的確に把握して均衡ある課税を実施することができるようにするため、同年度限りの特例が設けられますとともに、課税適正化をはかるため市街化形成状況等を総合的に考慮して検討を加え、その結果に基づき、昭和四十八年度から必要な措置が講ぜられるべきものとされたところであります。  このような経緯にかんがみまして、税負担均衡土地対策に資する見地から、市街化区域農地宅地との税負担の不均衡が著しく、かつ、土地対策必要性が特に強いと考えられます首都圏等大都市圏都市に所在する農地のうち、いわゆるA農地及びB農地については、昭和四十八年度ないし昭和四十九年度から、評価額基礎として段階的に税負担均衡化を進めることとしようとするものであります。  次に、その内容についてでございますが、A農地及びB農地のうち首都圏既成市街地もしくは近郊整備地帯近畿圏既成都市区域もしくは近郊整備区域または中部圏都市整備区域区域内の特別区、指定都市及び市に所在するものに対する固定資産税につきましては、A農地にあっては昭和四十八年度から、B農地にあっては昭和四十九年度から、その評価額の二分の一の額を基礎とし、課税年度に応じて一定の軽減率を適用して、段階的に税負担均衡をはかることとしております。  なお、都市計画税につきましては、評価額基礎として、固定資産税取り扱いに準じた措置を講ずることとしております。  これらのA農地及びB農地以外の市街化区域農地につきましては、昭和五十年度末までにその取り扱いを定めるものとし、それまでは従来の税負担に据え置くものとしております。  以上が本案の立案の趣旨及びその内容であります。  何とぞ皆さま方の御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手
  10. 上村千一郎

    上村委員長 以上で趣旨説明は終わりました。     —————————————
  11. 上村千一郎

    上村委員長 それでは、内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案並び山口鶴男君外七名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案に対し、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。林百郎君。
  12. 林百郎

    ○林(百)委員 大臣、きょうは地方税法の一部改正で、いわゆる宅地並み課税、それから、その後に出る農地宅地供給促進法案ですね、これは一応除かれて質問するということにはなっておりますけれども、しかし、このたびの地方税法の一部改正の中にも、言うまでもなく、特別土地保有税等がありまして、政府土地政策の一環が、きょう質問する地方税法の一部改正の中にもすでに入っていると思うのです。  そこでお尋ねしたいのですが、特別土地保有税を今度新しい制度として設けられた理由、これはどういうところにあるわけですか。
  13. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、すでに他の委員の御質問にもお答えをしたわけでありますが、いわゆる土地の不当な買い占め、これは投機的な思惑買いをさしますが、こういったものが現実的に行なわれたことは、これは歴然たる事実であります。したがいまして、この投機対象になった土地をいわゆる宅地として吐き出させる、思惑対象として規制をするという一つの理由、それから吐き出しを促進させるという理由、これらに基づくものでありますが、もとより、この特別土地保有税だけによって思惑を規制したり、また吐き出しを促進させるということが可能なわけではありませんので、一方では、いわゆる土地譲渡税重課というものとからみ合わせて、そういった、いま申し上げましたような期待を考えたものでございます。
  14. 林百郎

    ○林(百)委員 大臣は、いま、土地買い占められている状態にある、それを吐き出させる必要がある、こういう答弁をされましたね。買い占められている実情というのはどういう実情ですか。
  15. 江崎真澄

    江崎国務大臣 私ども自治省といたしましては、的確につかんではおりませんが、これも予算委員会等で議論が出ましたように、建設省においてはある程度の資料を把握しておる、こういうふうに理解しております。
  16. 林百郎

    ○林(百)委員 自治省買い占められておる土地実情がわからないのに、それを吐き出させるための税制を設けるということはおかしいじゃないですか。こういうように買い占められておるので、これは国民の生活にとってたいへんなことだから、これを吐き出させるために特別土地保有税を設けたということでなければ論理が合わないじゃないですか。あとでもちろんわれわれは建設省、通産省、農林省等にも聞きますけれども、しかし、自治省がつかんでいなければ話にならないじゃないですか。
  17. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、特別土地保有税を制定いたします段階において、各省庁相寄りまして、いろいろ資料を出し合っております。ただ、いま突然の御質問でありますから、ここに資料を持っておりませんが、御必要があれば資料として御提出いたします。
  18. 林百郎

    ○林(百)委員 それはおかしいので、特別土地保有税行政責任自治省にあるわけなんですから、その自治省が、特別土地保有税制度を設けた理由土地買い占めにあると言っているのだから、それならば、この地行の委員会で、土地買い占め実情自治省責任を持って説明することが当然であって、突然だから資料はここにありませんということはおかしいじゃないですか。  それじゃ、自治省が掌握している範囲買い占め実情を述べてください。
  19. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、御承知のように、税制を直接担当いたしておりますのは大蔵省、そして、地方税として私ども自治省というわけでありますが、土地買い占め及びその動態については建設省が管轄をするわけになっております。もとより、あらかじめ御質問要旨がわかっておりますというともちろん準備をしたわけでありますが、いま手元局長資料の持ち合わせがないようでありますので、これは後刻すみやかに提出いたしたいと思います。
  20. 林百郎

    ○林(百)委員 大臣にお聞きしますが、そうすると、この特別土地保有税の適用になる土地保有部分はどのくらいの面積を持っておるか。あるいは、この土地所得に関して課税をする、その所得に関する分はどのくらいか。これはつかんでいられるのでしょうね。
  21. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 この特別土地保有税の、いわば保有部分に対してはどれだけの課税対象があるかということにつきましては、現在調査中でございます。実際問題としまして、取得価格がどれだけになるか、あるいはまた、課税対象が各市町村ごとにどれだけになるかという点は、これを的確に把握するには相当の日数が要るだろうというふうに考えております。そういう意味におきまして、保有部分についての課税対象、あるいはそれに対応する税額というものは、あとまだ半年くらいの日数が要るのじゃないかというふうに考えております。  また、譲渡所得につきましての、法人譲渡所得課税部分がどれだけになるかという点は、結局、租税特別措置法が来年施行されまして、それに対応して法人がどれだけ土地の処分をするか、それによってきまってくるわけでありますけれども、その辺の問題は、大蔵省のほうにおきましても、来年度の問題になりますので、まだ的確な計算はできておらないだろうというふうに考えております。
  22. 林百郎

    ○林(百)委員 税額はわからないにしても、土地保有税対象になる保有地がどのくらいかということもわからなくて、制度のほうが先行するわけですか。少なくとも、自治省としては、おかしいじゃないですか。これだけの土地買い占められている。だから、これをどうしても吐き出させる必要があるわけだ。だからこういう税制を設けるというのが本来のたてまえでしょう。それが幾ら買い占められておるかわからぬ、税の対象になる土地面積もわからぬ、しかし一応こういう税制だけを設けるということは、少なくとも、担当の責任省である自治省答弁としては、われわれ納得できないですね。
  23. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 確かに、課税客体というものを正確に調べて、それに対応する税制をつくるということになりますと、その調査を待って税制をつくるとすれば、この税制の創設がそれだけおくれるということになってくるわけでございます。したがいまして、現在のような土地の投機的な取引状況というものが見られる段階におきまして、こうした政策税制をつくるとするならば、一刻も早くこうした税制をつくるということが望ましいわけでございます。それだけ課税客体というものを明確に捕捉することは、現在の段階においてはまだ確かに困難でありますけれども、できるだけ早く税制を発足させたい、こういう趣旨からこの税の創設を考えたわけでございます。
  24. 林百郎

    ○林(百)委員 できるだけ早く税制を設けるということは、土地が占有されている、特に一部のものに占有されているという実態があるからこそ、それを吐き出させるための税制というものが、大臣の先ほどの答弁のように設けられるわけだ。こう考えるのが筋道じゃないでしょうか。ところが、その吐き出させる土地がどのように占有されているかということもわからない、つかめない、しかし一応税制は出しますということでは、この委員会においての責任ある自治省答弁としては納得できないじゃないでしょうかね。では、よその省へ聞くよりしようがないですか。  それから、委員長、先ほど資料を後ほど出すと言いましたから、これはもちろん当然出していただかなければなりませんけれども、しかし、この問題について、突然の質問だからと大臣は言っていますけれども、土地保有税という制度が設けられているなんということは、もう大臣も知っていることなんですから、あなたも土地を吐き出させると言っているんだから、吐き出させるために、吐き出させる土地がどういう実情になっているかくらいのことを答弁できなくちゃしようがないじゃないですか。
  25. 江崎真澄

    江崎国務大臣 私がいま突然のことで、と申し上げたのは、資料として、ここに、政府委員も持っておりません。私も持っておりません。そのことを申し上げたわけで、建設省側から至急資料を求めまして、おおよその線については御報告を申し上げたいと思いますが、これは、いま佐々木税務局長からも申し上げましたように、やはり土地が投機に向かっておることは現実であります。それから、やはり相当大手の大口に買い占めた人がある。これも現実である。したがって、その対策のために立法をする。たとえば、過剰流動性に基づいて、国民の生活必需物資の投機対象になっておる。これは好ましいことではありませんので、これが対策のための立法措置を講じて、国会の審議をわずらわせようというわけで提案いたしております。そうすると、この買い占めがどの程度行なわれておるか、これはなかなか的確につかめるものではありませんが、一つの傾向として、これは現実にあります。したがって、これはなおざりにできませんし、諸物価もそれにつれて高騰をしておる。そこで、緊急対策としての立法措置がなされた。この土地の場合も、必要以上に買い占める人があることによって不当に値上がりが続いておる。そこで、緊急にこの対策をとった。もとより、この保有税だけによって、先ほども申し上げましたように、十分な効果を期待することはできませんから、今度の譲渡税重課とか、あるいは国総法のそれぞれの計画の立案規制等々と相まって今後の円滑な都市政策に資したい、こういうわけでありまするから、買い占めがどの程度か、なかなかこれはむずかしい。たとえば、御承知のように、今度未利用地課税ということがしきりに議論せられたところでありまするが、未利用地とは何ぞやということが判定がしにくい。そんなことを議論しておることによっていたずらにじんぜん日を経過することは好ましくない。いや、そればかりか、この利用決定をめぐって非常に繁雑になるであろうということからこの保有税に踏み切ったわけでありまして、おおよその見当はつきましてもダミーあるいは手先その他を使って買いあさりをやっておるというたてまえからいたしまするというと、的確な数字が一体どの程度かということはつかみにくいというのは現実だと思うのです。
  26. 林百郎

    ○林(百)委員 そんな抽象的なことを私は聞いているわけじゃないのです。一般的にそう言われているからとりあえず税制を先行させるなんということは、これは無責任な話だと思うのです。実情がこうだからこれを打開するために税制を設けるということにならなければ、責任ある答弁にならないのですよ。  第一、大臣特別土地保有税質問がきょうあることがわかっていながら、資料をお持ちにならないということはどういうことなんですか。それじゃ、自治省建設省から聞かれたその資料を、きょうここで自治省として発表してください。
  27. 江崎真澄

    江崎国務大臣 特に今度は建設省が担当するわけでありまするが、これは当然の調査といいましても、全国的にこれを調査するということになれば、一年かけてもあなたが御希望されるような調査は、なかなか完了しないと私は思うのです。もとより、サンプル調査とでもいいまするか、代表的なというか、特定の地域を対象にして調査をする、こういうことにならざるを得ません。ただいたずらに、世間で土地買い占めが騒がれておるからこの税制を企図したなどという権威のないものではありません。サンプル調査的なものは当然建設省において行なっておるわけであります。日本においてどれだけ買い占められたか、これは調査するだけで一年以上かかります。そんなことをやっておったんでは、国民のいま要請しておる宅地供給、地方公共団体からいいまするならば、公共用地の拡大といったようなことは、小田原評定しておるうちに、足踏みせざるを得ないということになりまするので、このあたりは御理解を願いたいと思います。
  28. 林百郎

    ○林(百)委員 おかしいですよ。それじゃ、サンプルでいいですから、サンプルをここで説明してください。とにかく、この税制責任自治省ですよ。その自治省土地を吐き出させるために設けたという税制を国会へかけておきながら、その土地の占有した実情をまだ知らない、よその省に聞かなければわからないということはないじゃないですか。
  29. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 建設省調査でございますので、あるいは詳細は建設省からお話し願ったほうがいいかと思いますが、建設省調査は、調査対象企業は千二百九十九社、そのうち調査票を回収したものが七百四十社、回収率が五七%でございます。このうち、土地保有企業というのが六百九十六社ございまして、その保有面積が三十三万四千百七十一ヘクタール、それで、このうち、四十一年から四十六年までの間において土地を取得した企業が二百九十四社、四万三千七百二十六ヘクタール、また、このうちたなおろし資産として処理されておりますものが一万六千九百五十一ヘクタール、こういう実態でございます。
  30. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで、土地保有税対象になるのは、面積は幾らになるのですか。
  31. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 土地保有税対象になります面積は、これからの調査によらなければ、課税対象は正確でございません。といいますのは、取引価格の調査と、それから本年、いま評価をいたしました今年度固定資産税評価額というものとの差額がいわば課税対象になるわけでございます。これらの調査は、今後固定資産税課税の概要調書等が提出をきれる際に調査をしていかなければならないだろうというふうに考えております。
  32. 林百郎

    ○林(百)委員 自治省に幾ら聞いていてもコンニャク問答みたいなもんでありますから、それじゃ建設省のほうにお聞きします。  建設省が昨年調査したので、東京証券の取引上場会社中約七百社でどのくらいの土地を保有しているかということを発表しているはずですけれども、この数字はお持ちですか。
  33. 吉田公二

    吉田説明員 ただいま税務局長から答弁がございましたが、調査対象企業千二百九十九社のうち、四十七年の三月三十一日現在で土地を保有しています企業は六百九十六社、三十三万四千百七十一ヘクタールというふうに、この調査の結果においてははっきりいたしております。
  34. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、約七百社が三十三万ヘクタール。あとははしょりますが、三十三万ヘクタールというと、日本の国土の全面積のどのくらいに当たるわけですか。
  35. 吉田公二

    吉田説明員 大体〇・九%程度ということであります。
  36. 林百郎

    ○林(百)委員 約一%ですね。それから、これは農林省関東農政局で昨年やはり発表した土地で、東京の六十キロ圏内で大企業買い占めておる土地あるいはかかえておる土地が大体どのくらいかという推計を発表しているはずですが、これはどのくらいですか。
  37. 小山義夫

    小山説明員 関東農政局が昨年、いろいろな情報をもとにいたしまして、どのくらいの土地が民間で取得されておるかという調査をしたことがございます。それによりますと、首都圏の圏内の合計で二万八千八百十八ヘクタールという数字がございます、これは、四十六年の七月一日から四十七年の六月末までの間に取引が行なわれたか、あるいは行なわれているらしいという情報を集計をしたものでございます。それから、市街化区域の中の取引につきましては、御承知のように、農地法等も届け出にしておりますので、この情報調査は主として市街化区域以外のところの地域に関心を持って情報を集めた、こういう性質のものでございます。
  38. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、いまの首都圏周辺の地域の面積というのは、東京都の全面積のどのくらいに当たりますか。これはわかりますか。わからないならわからないでいいです。これは突然の質問ですから。
  39. 小山義夫

    小山説明員 東京都の面積を私存じませんので、どうも……。
  40. 林百郎

    ○林(百)委員 じゃ、建設省にお尋ねしますが、その約七百社の買い占めている土地が三十三万ヘクタール、これは全国の市街地面積と比較するとどうなりますか。これはわかりますか。
  41. 吉田公二

    吉田説明員 全国のDIDの面積はいまちょっと手元にございませんが、私どもの都市計画の立場で、全国の主要都市を網羅しております市街化区域面積がございますが、市街化区域面積の合計は全国で百二十万ヘクタール程度と相なっております。
  42. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、市街化区域土地の約三分の一から四分の一程度のものは買い占められているわけですね。四分の一ですか、百二十万ヘクタールと三十三万ヘクタールですから。
  43. 吉田公二

    吉田説明員 ただ、ストレートにそのようにはまいりませんのは、たとえばパルプ会社でございますとか、製紙会社等の持っております原木林でございますとか、電力会社が持っております山の中の水源涵養林でございますとか、そういったいわゆる市街化区域外の土地も相当入っておりますので、ただ面積の相対関係においてはそういう関係になりますが、市街化区域の中の面積というものはどれだけかということは、ちょっと別の問題でございます。
  44. 林百郎

    ○林(百)委員 だから、私は、全国の市街地の面積と比較して、一般的に比較してどうかと聞いているわけですよ。何分の幾つぐらいになるかということです。
  45. 吉田公二

    吉田説明員 確かに、先生のおっしゃいますとおり、百二十万分の三十三万でございますから、四分の一強でございます。
  46. 林百郎

    ○林(百)委員 四分の一。そのうちで、あなたの言うようにすでに開発がされているもの、あるいは企業として利用されているもの、それと、利用されておらなくて、未開発の状態になっているものとはどのくらいの比率になるわけですか。
  47. 吉田公二

    吉田説明員 昨年行ないました調査は、これは調査の方法をあとで私どももう少し考えればよかったという気はいたしたんでございますが、問題は、四十一年から四十六年までにおきます取得の調査ということに重点を置いたものでございますから、その調査の中に、たまたま、保有というものについては総体的な一欄を設けただけでございまして、その保有状況というのはどういうふうになっているかということについての明細は、その保有している土地が事業用財産であるとか、あるいは転売目的といいますか、その土地をいわば商品的に扱いますたなおろし資産であるとかという区分しか設けておりません。三十三万四千ヘクタールのうちで事業用資産に当たっておりますものが三十一万六千七百ヘクタール余でございまして、この調査の結果では、たなおろし資産は一万七千四百ヘクタール、こういうふうになっております。
  48. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、すでに利用されている土地と未利用地との比較はどういうことになるわけですか。何%対何%になるのですか。
  49. 吉田公二

    吉田説明員 この保有面積全体についてそういう内容調査は行なっておりませんので、この調査からではちょっとわかりかねます。
  50. 林百郎

    ○林(百)委員 通産省にお尋ねしますが、最近の買い占め資料の中で、土地買い占めがどういうような実情で行なわれているかということを説明願いたいと思います。
  51. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 お答えします。  私どものほうの今回の調査は、大手商社が生活関連物資について買い占め等を行なっているうわさがある、それが事実だとすれば問題があるという観点で、当初、所管の商品について調査をいたしたわけでございまして、土地につきましては、いささか語弊がありますが、土地そのものは当初所管にもございませんので、随伴的に調査をいたしたわけでございます。その前提で申し上げます。  大手商社は、三菱、三井、丸紅、伊藤忠、住友、日商岩井の六社でございます。これら大手六社が保有しております土地には二種類ございまして、一種類が、言うなれば、商品用のもの、宅地造成やマンション建設、または工場用地として転売するために購入した土地でございます。この商品用の土地は、まず購入額について見ますと、昭和四十六年度下期、面積にしまして約八百三十万平米、金額にしまして約二百八十億円でございますが、四十七年度下期には、面積にして約一千百十万平米、金額にして約三百四十五億円を購入いたしております。  なお、この商品用土地の購入を期末残高で見てみますと、昭和四十六年度下期が、面積にして約千六百万平米、金額にして約六百九十億円でございますが、一年後の四十七年度下期、これは四十八年の一月末現在でございますので、なお三分の一ほど残しておりますけれども、面積にしまして約三千七十万平米、金額にしまして約千百五十億円、保有面積にしますと倍近くの増加にはなっております。  なお、先生御質問の売却益につきましては、宅地造成、マンション建設等、そのコストの割り掛けがなかなかむずかしゅうございますので、商品用土地につきましての売却益は、当初の調査におきましてはさだかではございません。  なお、商社が、営業用の土地、言うなれば、倉庫とか技術センター等に用います土地につきましての保有高も若干増加はしております。  以上でございます。
  52. 林百郎

    ○林(百)委員 いまの建設省と通産省の答弁ですね。ひとつ、資料として当委員会へ配付願うようにお計らい願いたいと思います。  そうすると、通産省にお尋ねしますが、いまのは六社で、他の品目についての買い占め実情調査する。要するに、羊毛、毛糸、綿花、綿糸、大豆、木材、生糸というようなことですから、不動産を主として扱うような、たとえば三井不動産、三菱地所、あるいは東急、西武、東武というような私鉄が買い占めているわけですが、こういうところの調査はもちろんはずされているわけででしょう。
  53. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 おっしゃるとおりでございまして、形式的な申し上げ方ですが、当省所管の権限に属しませんものについては、今回の調査対象からはずしております。
  54. 林百郎

    ○林(百)委員 これは建設省でもいいですけれども、大手不動産会社あるいは私鉄、こういう大企業買い占めている土地面積がわかりましたら、これを当委員会資料として出していただきたいと思います。
  55. 吉田公二

    吉田説明員 先ほど申し上げました調査の中身については、それぞれ個票があるわけでございますが、こういった調査性格といたしまして、全数量を把握するということを目的にいたしまして私ども調査してまいりまして、ことしも早急に調査にかかるつもりにしておりますが、今後反復してこういう調査をやっていきます上に、その出てきた内容を個々に出すことはいかがか、今後の調査の的確さを期するという意味から、できれば、その全体の数ということで御報告申し上げてまいりたい、と私ども思うのでございますが……。
  56. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、これは資料のことですが、各社別はわからなくて、総体的な企業の——通産省でやったのは商社ですから、商社よりも、むしろ本命の不動産を取り扱っておる企業ですね。これがどう土地買い占めておるかという実情を参考までに知りたいのですが、そうすると、各社別のものは建設省としては出ない、しかし、そういう大手不動産あるいは私鉄等の、常識的に考えて土地買い占めに手を伸ばしている大企業が、どのように土地買い占めているかということの総体的な内容は発表できるということですか。
  57. 吉田公二

    吉田説明員 業種別程度でお許しいただきたいと思います。
  58. 林百郎

    ○林(百)委員 それじゃ、それでけっこうですから、資料を出していただきたい。
  59. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 先ほど資料要求が先生からございましたが、私が申し上げましたのも、六大商社全体としての数字でございまして、個々の企業につきましての数字は、私どもの調査が今回は任意調査でございまして、法律的な権限その他ないところで調査に協力してもらったというたてまえでございますので、資料提出も、先ほど申し上げました六社全体の数字として御理解いただきたいと思います。
  60. 林百郎

    ○林(百)委員 やむを得ないことと思いますから、その資料を出していただきたい。  そこで、自治省にお聞きしますが、まあ、買い占め実情は大体そんな状態で、このくらいのことは自治省もわかっていてしかるべきだと思いますが、これらの土地を吐き出させるということで、特別土地保有税を百分の一・四にする。それから、取得税については百分の三にする。その点、大臣、この保有部分については百分の一・四、それから取得部分については百分の三、これはどういう根拠で出てきたのですか。
  61. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 政策税制としての土地保有税をどういう形で構成をするかということは、昨年の税制調査会以来いろいろ議論があったところでございます。確かに、投機的な土地保有というものに対して、その保有に対する課税を考える場合には、そうした投機的に保有されている土地というものが的確に把握できるならば、そうした投機的に保有されている土地を吐き出させるために、相当高い税率課税をするという方式がとれるわけでありますけれども、現実問題として、投機的に保有されている土地かどうかということの判断が非常にむずかしい問題があるわけであります。さらに、それを外形的に判断をする方法として、未利用地ということで特別な用途に供されないでほったらかしになっているというようなものをつかまえられないだろうかということで、未利用地課税ということも検討したわけでございます。  こうした未利用地課税につきましては、現実問題として、私どもは、過去におきまして空閑地税というような税制についていろいろ検討をし、実地に当たって調査もしてみたことがございますけれども、結局、未利用地というものはどういうものかという点がわからない。そういうことで、未利用地に対する課税ということも技術的にまず不可能に近い。こういうことになりますと、結局、この土地保有税としましては、一般的に課税せざるを得ない、こういうことになったわけであります。  そうして、その対象所得税に置きまして、個人土地譲渡につきましての分離軽課措置がとられました四十四年以降の取引のあった土地について課税をしていくという方式になってまいりますと、やはり全部が対象になります関係で、どうしてもその税率というものは低くならざるを得ない。税制調査会におきましても、全般的な土地保有税の場合には一%ないし二%の税率程度で課税をするという、土地保有税第二案というのがあったわけでありますけれども、結局、この第二案の方式によりまして、そしてその税率をきめます場合には、その形式を固定資産税並びに不動産取得税の形式によった、こういうことで、税率固定資産税並びに不動産取得税の税率をそのまま引っぱってくるという方式を考えたわけでございます。
  62. 林百郎

    ○林(百)委員 大臣は、一昨晩、NHKのテレビで、ニュースの特集か何かで、宅地並み課税でかりに農民が吐き出した土地があるとすれば、それを必ず勤労者の住宅に提供するようにすると、非常に大みえを切ったと言えばあれですけれども、非常に確信に満ちて、未利用地税をかけます、そうしてそれを必ず宅地に利用するようにいたしますと、はっきりあなたは言いましたですよ。いま、局長答弁によると、未利用地とはいかなるものかというようなことで、実情調査したが、これは実際かけるということはなかなかむずかしい、不可能だ、考えてはみましたけれども、と、こう言っていますがね。あなたの、テレビの、あの確信に満ちた断言と違う。これはどういうわけですか。
  63. 江崎真澄

    江崎国務大臣 先ほど、私、未利用地税ということは、現実として相当むずかしいと、あなたとの質問のやりとりにおいてはっきり申し上げて、そこで、特別土地保有税といわゆる譲渡所得重課ということで土地投機を抑制し、吐き出しを促進させますと、速記録に残っていますよ。(林(百)委員「私はテレビのことを言っている。いま言ったことを言っているのじゃない」と呼ぶ)テレビで、未利用地の話について申し上げた記憶はございません。(林(百)委員「それはだめだ、違う」と呼ぶ)いやいや、それは、ここにNHKの記者の諸君もおられるから、ひとつ……(林(百)委員「それでは録音を取り寄せましょうか」と呼ぶ)どうぞ、どうぞ。そのことについて、未利用地税だとかどうとかいうことを言ったわけじゃなくて、少なくとも、今後、市街化地域の今度税の対象になるところの農地というものは、極力宅地として農家に建設をしてもらうことが望ましい、しかも、農家というものは、農地に野菜をつくったり米をつくったりということで収入の根源とせられたが、今後は、その土地によって、いわゆる家作による収入によって、昔流に言って大家さん式に、同じ土地を利用するなりにその利用目的を変えていただく、その一つの転廃業を誘導し補償するような意味の措置を今度はとりたいと思っておりますということをじゅんじゅんと述べたのであって、未利用地についてどうするなどということについては言及した覚えはございません。どうぞ、必要があれば、録音など御聴取願いたいと思います。
  64. 林百郎

    ○林(百)委員 あなた、それはひどいですよ。それはNHKの記者がここで——あなたは否定するからしようがないし、また、これは本筋じゃないが、念のために言いますが、NHKの司会者が、最後に、大臣、いわゆる宅地並み課税によって出た土地が必ず勤労者の土地にいくように効果的に運用されることは、念のためにお尋ねしますが、保証できますかと言ったら、ああ、それはやります、もしそれが宅地に利用されないような場合には、未利用地税等をかけてやりますと言っている。そのほかいろいろ言いましたが、未利用地税というのははっきり言っている。私は、未利用地税というのはどこに一体いま立法されているのか、それから、今後どういうように立法されるのかということで頭に残っているからいま質問しているので、なになら、NHKからその点の録音を取り寄せて、私のほうが確かなんですから、あなたの記憶を呼び起こしてもいいと思いますが、それはそれで、あなたは言わないと言うし、私は聞いたと言っているし、これは押し問答になりまして進みませんから、やめておきます。  そこで、通産省にお尋ねしますが、先ほど、六商社の土地によって得た利益が正確に言いますと、四十六年度の下期ですか、一年の利益が六百九十億、四十七年度下期、四十八年一月現在ですが、千百五十億円、と言われましたが、これはどういう意味なんですか。
  65. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 先ほど申し上げましたのは、六大商社が四十七年度下期——下期の途中でありますから、四十八年一月末現在の調査でございますが、その時点で保有している面積が三千七十万平米、金額にして、簿価換算でございますが、千百五十億と申し上げたわけでございます。一年前の四十六年度下期に比較しますと、保有面積が、当時は千六百万平米でございましたので、一年の間に倍近くになっておる、このように申し上げたつもりでございます。
  66. 林百郎

    ○林(百)委員 わかりました。  そこで、私のほうで自治省からもらっている資料によりますと、簿価でいっても、しかも、六商社だけでも千百五十億の評価ができるという土地に対して、これは所得に関する特別土地保有税部分だと思いますが、十二億、平年度でいって三十一億ということですが、この程度で吐き出すことになりますか。簿価千百五十億。これは簿価ですから、実際価格よりはずっと低いと思います。それでもまあ千百五十億、しかも、これは商社ですからね。それに対して、初年度十二億、平年度三十一億、これは所得部分だと思いますが、これはどういうことなんですか。もし、あなたが、それを反駁するために、たとえば保有に対してはこれだけの税額を考えているというなら、その金額を示してください。
  67. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 ことしの特別土地保有税の収入見込み額は、本年の七月以降に取得されるであろう部分についての特別土地保有税の取得課税の分の見込みでございます。保有課税昭和四十九年度分からでございますので、それで、この十二億を平年度に伸ばしますと大体三十一億、こういう計算にいたしておるわけでございます。この特別土地保有税の収入見込みを算定いたします場合には、現在の不動産取得税の課税の実績から一応推定をいたしたわけでございます。この課税対象が、免税点が相当高いところに設けられておりますので、現在の不動産取得税の収入見込み額を基礎にいたしまして、そのうちから、この課税面積の関係で、特別土地保有税の取得分としておそらく対象になるであろうという面積を推定をいたしまして、それによって十二億の計算をいたしたわけでございます。もちろん、この価格は、取引価格ということで、現在の不動産取得税の課税標準となります固定資産税評価額基礎にいたしまして、その実際の取引価格を、相当額というものを推定をいたして計算をしたわけでございます。
  68. 林百郎

    ○林(百)委員 じゃ、通産省にお尋ねしますが、これは全部が取引対象になる土地かどうかということはまあ問題があるとしても、簿価が千百五十億として、普通の取引価格に直せば、これはどのくらいと見るのが常識ですか。
  69. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 申しわけありませんが、当省では、その辺の計算なり基準を持っておることはございません。お答えできません。
  70. 林百郎

    ○林(百)委員 大事なところへいくと通産省まで逃げてしまうので、これはやむを得ませんが、しかし常識でわかりゃしませんか。簿価がこのくらいなら、取引価格は通常その何倍になるものですというようなことはわかりませんか。通産省ですからね。
  71. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 たいへん申しわけありません。繰り返しますけれども、当省は、土地の簿価と時価につきましては、一般常識的な換算率といいますか、それ以上のものは持っておりません。ただ、ヒアリングの過程におきまして、簿価の土地を、非常に高いところでは五、六倍に売る、低いところでも、二倍、三倍に売っておるというケースは通常よく見られたように思っております。
  72. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、かりに三倍としても、千百五十億というのは、これが取引されるとすれば——あるいは取引されないような部分も含まれておるかもしれませんが、まあ、大体の大筋でいきますと、約三千億近くの土地を、六商社ですか、商社が持っておる。それに対して所得税だけが、所得に対する土地保有税が三十一億というと、一体、率からいったらどのくらいになるのですか。一%ですか。大臣の言う、土地を吐き出させるなんていう作用は、これでは全く用をなさぬじゃないですか。宅地並み課税のことを込めて言いますと、宅地並み課税によって、調整措置もありますけれども、農民のほうへは三百倍というような税金がばっと上がっていく。商社の持っている土地に対しては非常に寛大だ。その持っている土地の売り渡しが、想像される価格が三千億とすれば、その十分の一が三百億。百分の一が三十億ですかね。一%ということになるわけですね。平年度三十一億とここに出ている。そんなことができますか。それは結局、特別土地保有税を、売るときに価格の中に転嫁して、そして売るということになりませんか。これでもって、いや、税が高いから、持っていても利益がないから吐き出しますなんという、大臣の当初言ったこの立法の精神に沿うことになりますか。そんな一%やそこらの税金をかけたって、ですね。
  73. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 ただいま大手商社が持っております土地の簿価千百五十億というお話がございましたけれども、これと十二億円との関係でございますが、特別土地保有税の取得に対する課税部分というものは、本年の七月以降に売られた場合に、取引があった場合に、その取得者に課税をするというのが税率三%の部分でございます。  それから、保有税のほうは、現在、四十四年以降に取得した土地について、昭和四十九年度からその所有者に対して課税をするということになるわけでございます。特別土地保有税課税対象になります土地が、本年七月以降に、たとえば大手の商社がいま持っております土地を全部売り払うということになりますと、あるいは、この十二億の数字というものは大きく変動するかと思います。  この土地のうちでも、自分の事業用に使っておるもの、あるいは、宅地造成等でいま造成中のもの等もおそらくあるだろうと思います。この辺のものがどういう形で取引の過程に入るかという点は、なかなか推定がむずかしかろうと思います。その辺は、私どもとしましては、最近の不動産取得税の収入見込みの状況から見まして、一応十二億の推定をしたわけでございます。
  74. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、十二億というのは——これはこの七月以降になると思いますが、実際の取引の額はどのくらいになると考えておられるわけですか。それに対して百分の三ですか、取得のほうですから、かけたらこういうふうな数字が出るということで、どのくらいになるのですか。金額ですよ。
  75. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 七月一日以降に課税対象になります分の評価額といいますか、取得価格は約五百億前後であろうというふうに考えております。
  76. 林百郎

    ○林(百)委員 それで、面積はどのくらいになるわけですか。
  77. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 これは、どれだけの面積かという計算は、この収入見込みの算定にあたっては計算いたしておりません。
  78. 林百郎

    ○林(百)委員 面積がわからないのに価格だけ出るのはおかしいですね。  では、坪幾らで取引されると計算したのですか。何だか、幾ら聞いてもおかしな話ですね。
  79. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 不動産取得税の収入見込み額から算定をいたしますので、その税額計算を基準にしまして、その不動産取得税の対象になります分のうち、どの程度のものが特別土地保有税の取得部分として課税対象になるかということを、いわば評価額ベースで計算をいたしてまいりますので、面積的には計算をいたしておりません。
  80. 林百郎

    ○林(百)委員 じゃ、面積がわからなければ、坪幾らで取引されることもわからないと、こう聞いておけばいいのですか。
  81. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 結局、面積から積算したものではございませんので、坪幾らという計算は出ないわけでございます。
  82. 林百郎

    ○林(百)委員 大臣、いいですか。面積もわからない、取引価格もわからない、それで、大企業が保有している土地もわからない。それなのに、あなたは吐き出させるということだけには熱意を持って、そして、特別土地保有税を創設いたしました、当委員会で審議してくれといって、それであなたの言うことが額面どおり一体受け取れますか。私は、どう考えてもおかしいと思うのですよ。そういうものの基礎がちゃんとできて、こういう実情だから、この制度を設ければこういう作用を与えますから、土地を投機の対象として持っていても、それはもう何らの利得にもならないということを思い知らせることができますから、だから、この制度を設けたのであります、どうか地行の委員会でも審議してもらいたいということでなければ、何だか雲をつかむみたいな話じゃないですか。でなければ、結局、大企業土地保有は、特別土地保有税というようなものを設けて吐き出させるようにいたしましたという、そういう看板だけつくるだけで、自民党が点数をかせぐための——自民党というか政府というか、これははっきり申しますけれども、そういうゼスチュアだけじゃないですか。中身は何にもないじゃないですか。
  83. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、私は、ちょっと話が違うんじゃないかと思う。それは、さっきも、資料としてはここに待ち合わせません——建設省は持っておるなら持っておると言えばいいのに、それを言わぬものですから、私はしきりにあなたに言いわけをし、そうしてどうだと言ったら持っている。モデル調査ではございますけれども、御納得いくような資料をお出ししたわけでございます。したがって、通産省には、六大商社の強制調査ではないが、協力体制によって得た数字というものを持っておる。そういうものが積算の基礎になって特別土地保有税の法制定の方向がきまったわけであります。ただ、ここですぐどうかと言われたときに、たまたま私どもの政府委員は持ち合わせていなかったが、これはそれぞれの省庁が合議の上でつくり上げた法律でありまするから、すぐには出せなくても、一時間後には、これはもう相当な根拠を持って出せるわけでございます。それはどうぞそういうふうにお受け取りください。
  84. 林百郎

    ○林(百)委員 建設省や通産省を呼んだのは私なんですよ。もし、これで、建設省や通産省がいなかったら、何の答弁もできないじゃないですか。私は、まさか自治省がそんな無責任答弁をするとは思わなかったのですよ。いま建設省資料を出したでしょう、御納得がいきませんか、と、そんなばかな話がありますか。建設省を呼んだのは私ですよ。あなたは資料がないないと言うけれども、しかし、きょうの審議は、特別土地保有税をやるということはわかり切っているじゃないですか。事前に建設省なり通産省なりの資料を取り寄せて、自治省責任において説明するのが当然でしょう。あなたの弁解を幾ら聞いていてもしようがないから、もういいですよ。  それではお聞きしますが、私はどうしてもまだわからないのは、百分の一・四と百分の三という根拠ですよ。これは何を基準にしてそう出てきたのですか。
  85. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 この特別土地保有税は、先ほど御説明申し上げましたように、昭和四十四年以降取引の対象になった土地につきまして、そのすべてを課税対象にするという方式をとらざるを得なかったわけでございます。そういたしますと、どうしてもその税率は低目に押えざるを得ないという結果になるわけでございます。その際に、どの程度の税にするかということになりますと、これと同じような形で課税されております固定資産税、不動産取得税というものが一方においてあるわけでございます。これらの税は、その課税標準は、原則的には評価額課税をするということにいたしておるわけでございますが、この四十四年以降に取引されました土地につきましては、実際の取引価格に対して、それぞれの所有者あるいは購入者が、その取引価格について採算をとって購入されたであろうということを前提にいたしまして、いわば、その取引価格については、税負担の上においても責任を持ってもらうというような趣旨で、固定資産税、不動産取得税の形式を借りまして、そういう形で特別土地保有税を創設をしたわけでございます。そういうことで、その税率は、固定資産税並びに不動産取得税の税率を借りて、同じものを使うという方式にしたわけでございます。
  86. 林百郎

    ○林(百)委員 それじゃ、あなたから説明していただきますが、固定資産税、不動産取得税で百分の三、百分の一・四にした理由はどういう理由ですか。あなたが援用されるというなら、その援用されるもとの税率はどういうところから出てきたか、説明してください。
  87. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 固定資産税昭和二十五年、不動産取得税は昭和二十九年の地方税法改正にあたりまして、創設された税でございます。不動産取得税はその当時から三%の税率でございます。固定資産税は、その当時一・六%のものが、昭和三十年に一・四%まで下げられておるわけです。それは、固定資産税が一応収益税としての性格から見て、大体、通常の経済的な資本投資に対して通常考えられる収益のうちから払われる税制として組み立てます場合に、その収益のうちからどの程度の負担を求めるかというような観点から一・四%という税率になったものと考えております。それに対応いたしまして、不動産取得税は、いわば、その取引の際に予想される担税力というものを想定いたしまして課税をされるわけでありますけれども、これは、ほかの国税の登録税というようなものの負担ともにらみ合わせながら、一応三%という税率が制定されたというふうに考えております。いずれにしましても、こうした税負担の問題、それから財政収入との関連からその税率はきめられたわけでございます。
  88. 林百郎

    ○林(百)委員 大臣、いまもお聞きのとおり、取得に関する税の部分は、昭和二十八年に設けられた率だというのですね。それから、保有のほうの一・四は、二十九年に一・六だったのが、三十年に一・四になったのですか。いずれにしても、いまから二十年ほど前、あるいは一方は十七、八年ほど前の率ですね。それがそのまま今日の、この土地の事情が急激に変化している状態のもとで、しかも土地を吐き出させるという積極的な作用をこの制度によってもたらそうというときに、いまから二十年ほど前、いまから十数年ほど前の、その税率をそのままいまの状態に適用して、それでいいのですか。もちろん、それは、時価の評価やいろいろなものは変わるにしても、税率がこの程度のもので間に合うのですか。昭和二十八年と昭和四十八年とでは、全然事情が違うじゃないですか。
  89. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、いまあなたのおっしゃるように、いわゆる固定資産税評価額とは違って、先ほどから局長も申しておりまするように、取引価格、これは時価じゃなくて、取引価格、しかも、この取引価格を、一番把握しやすい市町村に把握させる。このあたりに私どもとしての配慮があるわけでございまして、先ほどから局長も何度も申し上げておりまするように、相当広い範囲にかけるものでありまするから、これ以上の税率ということは、経済社会の情勢等々を勘案いたしましても、どうも無理である、これが一番妥当であるということに関係省庁合議の上できめたわけでございまするが、一番肝心なところはこの取引価格、これが非常に重要な点でありまして、ただ、こちらの調査によって、普通の地価より——これは住宅地である、これは工場用地として使われておるというので、御承知のように、固定資産税評価額というものは売買対象ではないということで、ちょっと地価の公示価格よりは低いあたりで現在きめられております。これを一本化しろという主張もありまするし、税制調査会等の答申もありまするので、それに合わせていくことは私どもも考えておりまするが、現実には、地価公示価格よりはるかに低い、それを取引価格で捕捉していくというところに今度の構想があるわけでございます。
  90. 林百郎

    ○林(百)委員 だから、取引価格は前提にしてもいいけれども、率が、いまから二十年ほど前の率で、それで、この急変しておる土地事情の中で一体間に合うのかどうか。昭和二十八年は、二十八年の状態のもとで百分の三、あるいは昭和三十年なら三十年のもとで百分の一・四、その前は一・六だといま局長は言っていましたけれども、事情が全然違うじゃないですか。事情が違うときに設けられた課税率を、そのまま取引価格でもいいですよ。取引価格ということは、私もあなたも前提にしていることで、これはいいけれども、そういう率を使って、それが効率をもたらすとお考えになるかどうか、こういう点ですよ。それでいいですか。この程度のものなら、こんなものは、取引するとき、幾ら価格の中に売るほうがかけるか、買うほうが持つかわかりませんけれども、これでもって、土地を投機的な対象にすることはばからしいから吐き出しますなんて、そんな作用は私は絶対ないと思うのですよ。ことに、聞いてみれば、その率は昭和二十八年ごろのものだとか三十年ごろのものだということならば、これは話にならぬと思いますね。どうですか。
  91. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、繰り返し申し上げておりまするように、未利用地課税という形で、未利用地が何であるかということが的確に捕捉できればもっと課税率を高くすることができたと思いまするが、現実に、未利用地とは一体何をさすのかという限界が非常にむずかしいというので、緊急の対策でもあり、広い範囲課税をするということになれば、どうもこの程度にならざるを得ない。これは一つの妥当性を持っておるものだというふうに私どもは考えてこのように決定したわけでございます。
  92. 林百郎

    ○林(百)委員 時間が進んできますから、この点はその程度にしまして、次にお聞きしますが、この五百八十六条に、御承知のとおり、特別土地保有税の非課税対象になる土地がずっとありますね。私のほうも参考までに工業再配置促進法の導入地域になるところの地図を調べてみたら、この黄色い部分が全部導入地域なんですよ。ここの土地のどこへ工場が導入され、設置されても、そこへは課税がされないということになりますと、この工業再配置促進法による指定地域、日本の国のほとんど大部分を占めているどこへでも、好むところへ非課税部分が生じてくるということになると思うわけですけれどもね。  そこでお尋ねしたいのですけれども、一体、この五百八十六条の非課税地域というのは、本税の対象地域になる地域の何%ぐらいになるのか。あるいは、この非課税対象になる地域の面積はどのぐらいになるとお考えになるのか。その辺を考えていられますか。これは技術的なことですから、大臣でも局長でも、どっちでもいいですけれども……。
  93. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 非課税地域として地域の設定がされておりますものの中では、ただいま御指摘のございました誘導地域とされている地域の面積が一番大きいだろう、そしてまた、低開発地域工業開発促進法の工業開発地区でありますとか、あるいは過疎地域でありますとかというものもダブってその地域の中に入ってくるだろうというふうに考えますが、ただ、たとえば御指摘にありましたような誘導地域に立地する工場などが、これは工場の用地がすべて非課税にされるというものではございませんで、誘導地域の場合でありますと、工業再配置促進法の規定により、移転促進地域から誘導地域に出ていきました場合に、その工場の敷地が特別土地保有税の非課税に該当するということになるわけでありますから、その地域に立地した工場等がすべて非課税対象になるというわけではございません。
  94. 林百郎

    ○林(百)委員 それならばお尋ねしますが、五百八十六条を見ますと、非課税となる地域の対象として、二項の百万には工場関係が主としてあるわけなんですけれども、これがイからルまであるわけですね。それから、そのほか二十九号まであるわけですね。これによって何%の土地課税対象からはずされるかということは考えておられないのですか。われわれが数えただけでも二十九、それから二項一号ではイからルまでですからね。企業が工場をつくる敷地は、多少の条件はあっても、もうほとんど非課税になってしまう。それから、デベロッパーが適正な価格で譲渡し、そして優良な宅地を提供するというような場合には、これは租税特別措置法の免税点があるわけですが、そういうものもはずすということになれば、大企業が工場を移転することを予定するような地域は——それも二年の期間をさらに必要に応じては伸ばすこともできるというような条件もある。これはあとの免税の点でですね。そうすると、大企業やデベロッパーがやろうとする事業についてはほとんどはずされることになるのではないでしょうかということが一つと、一体、これによってどのくらいの土地が、あるいは何%の土地課税対象からはずされるとお考えになるのかということ。林さんの言うほど、それほどではないのだ、この程度だと言うなら言うで、あなたのほうの反証をあげていただきたいと思う。
  95. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 これによってどの程度のものが課税対象からはずれてくるかという点は、非常に推計がむずかしいのでございます。本年度の十二億の計算をいたします場合には、だいぶ大事を踏んで推計をいたしたわけでございますけれども、おそらく、課税対象の地区の三分の一ぐらいが非課税規定に該当する、三分の二が課税対象になるであろうかという推定をいま一応いたしております。
  96. 林百郎

    ○林(百)委員 三分の一の面積が非課税対象になるというのは、相当大きな非課税対象になると思うのですけれども、しかも、それが、ほとんど企業の敷地、それからデベロッパーの宅地提供になる地域ですからね。これは今後の推移を見れば具体的な数字が出てくると思いますが、相当大きな地域が非課税対象になるというように考えられます。  そこで、最初にお聞きしたいのは、五百八十六条の中にあるものは政令に委任する部分がほとんどですね。これは特別土地保有税全体を通じてそうなんですけれども、これが一体固まっているのかどうか。固まっているとするならば、その固まったものの内容を、当委員会にやはり資料として出していただきたいと思うのです。各号、「政令で定める」云々という字句のないのはないわけなんですね。これでは法律のていさいになっていないと思うのですが、その資料はいまできていますか。
  97. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 いま一部固まっていない点もございますけれども、大体政令の内容につきましては固まっておりますので、直ちに資料としてお配りいたします。
  98. 林百郎

    ○林(百)委員 では、それはそれで配っていただくことにして、その次にちょっと条文でお尋ねしていきますが、五百九十五条の、今度は免税点の部分ですけれども、ここの一項三石、二号、三号の「二千平方メートル」、「五千平方メートル」、「一万平方メートル」に満たない場合には、特別土地保有税は課さないというから、保有も譲渡も課さないことになるわけですね。二千平方メートル、五千平方メートル、一万平方メートルというものまで除くというのはどういうわけですか。どうしてこういう必要が生じてくるのですか。
  99. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 特別土地保有税の免税点を定めます場合におきましては、一応投機的な土地保有の対象になるであろうという、ある程度のまとまりのある面積というものを想定したわけでございまして、そういうことで、まず、指定都市の場合において、二千平方メートルという面積を定めましたのは、公有地拡大法の規定で届け出を要する面積が二千平方メートル、これを一応基準にとりまして、そして買いかえ資産についての課税の特例が設けられておりますのが五倍までの面積というような基準がつくられておりますので、大体、その他の市町村の場合の面積は、二千平方メートルを基準にして、一万平方メートルを定め、そして、その中間として、都市計画区域を持っている市町村として、ほぼ中間値の五千平方メートルというものを定めたわけであります。この面積は、市町村ごとの名寄せをいたしました累積面積によることにいたしております。一件の土地が二千平方メートル以下でありましても、その市町村ごとに持っております面積がこの基準を合計面積でこえる場合には課税対象になる、こういう形で構成をしております。
  100. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、この免税点で省かれてくる土地の総面積は、本税の対象地域の何%くらいになるとお考えですか。
  101. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 これは税額ベースでの計算でございますけれども、現在、不動産取得税の対象になります土地取引のうちの税額ベースで一割程度のものがこの特別土地保有税対象になってくるだろうというふうに考えております。
  102. 林百郎

    ○林(百)委員 だから、大体どのくらいのパーセントを占めるわけですか。面積の比例から言って、本税の対象地域になるものの何%ぐらいがこの免税の対象になるのですか。
  103. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 地域ごとの計算はいたしておりません。
  104. 林百郎

    ○林(百)委員 それでは、十二億という数字も出てこないじゃないですか。
  105. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 七月以降におきましてどの地域でどれだけの土地の取引が行なわれるかということが、なかなか推定困難でございますので、一応現在の不動産取得税の課税状況から推定をいたしまして、収入ベースで大体一割程度ということを想定したわけでございます。
  106. 林百郎

    ○林(百)委員 この五百九十五条による免税の対象になる土地面積が、本税の対象になる土地面積の何%になるかということはまだわからない、将来にかかっているんだ、こう聞いておけばいいですね。
  107. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 いまの段階では、残念ながらそういう状況でございます。
  108. 林百郎

    ○林(百)委員 次に、六百二条です。租税特別措置法の関係ですけれども、これは、徴収を猶予し、そして、将来免税の措置をとるという措置をしたのはどういうわけですか。
  109. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 この六百二条の関係は、いわゆる土地造成事業の業者にかかる免税措置でございます。それが、いわゆる優良デベロッパーといいますか、優良プロジェクトに該当するかどうかという点になりますと、その優良デベロッパーに該当するしないの判断は最終段階でなければきまってこない。こういうことで、これにつきましては、一応徴収猶予制度を設けまして、最終的に、これが、利益率の関係あるいは譲渡価格、あるいは公募といったような条件に該当して、優良プロジェクトに国税の上におきましても該当したという場合には、この特別土地保有税も、納税義務を免除するという方式をとったわけでございます。
  110. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、その譲渡価格が適正であるというのは、どういうことを意味しておるのか。また、優良な宅地の供給に寄与するということは、どういうことを意味しているのですか。
  111. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 これは国税の租税特別措置法に準拠するという予定にいたしておりますけれども、たてまえとしては、その利潤率が適正であること、それから、その譲渡される価格が適正価格、いわば、その付近にもし公示価格等がありました場合には、それらの価格から見て、適正な価格で売られておること、あるいはまた、一般に公募の方式で譲渡をされるというような条件が、租税特別措置法のほうで条件が設けられる予定でございますけれども、そういう条件に該当したもの。これは、同じ政策税制として、譲渡益課税のほうと特別土地保有税という、両税が設けられるという、その趣旨からその考え方を合わせていこう、こういうことで租税特別措置法の規定に従っていこうということにしたものでございます。
  112. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、実際この恩典にあずかるものは民間のデベロッパー、こう考えていいですか。あなたも最初デベロッパーと言って、あとでプロジェクトということばに変えていますけれども……。
  113. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 この対象になりますものは、そうした宅地造成事業を行なうものが直接の税負担を負うことになるわけです。ただ、これは、業者ごとに、業者によって認定するのではなくて、その宅地造成事業の個々の宅地造成事業について、それが優良プロジェクトであるかどうかということを認定するというたてまえにいたしておりますので、業者による判定ではなくて、事業による判定をしていく、こういうことでプロジェクトということを申し上げたわけでございます。
  114. 林百郎

    ○林(百)委員 事業による認定と言いますが、その事業を行なうのは企業なんですから、その事業を行なう企業というのは、大体民間デベロッパー、こういうように考えていいですか。
  115. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 さようでございます。
  116. 林百郎

    ○林(百)委員 土地保有税の点については、なお、私のほうの他の委員からも質問があると思いますので、一応これで打ち切っておきまして、あと自治大臣にお尋ねします。  地方税個人所得の問題についてお尋ねしますが、夫婦子供二人の四人家族の給与所得の場合、今回の改正案によると、課税最低限が一応八十六万五千七百六十六円になっている。今度は、昭和四十八年の生活保護基準に基づいて、東京都に住む基準家族四人世帯、夫三十五歳、妻三十歳、男子九歳、女子四歳の四人家族が一年に受けることのできる生活保護がどのくらいになるかと計算してみますと、冬季の加算、特別控除あるいは期末、扶助等も入れますと、九十六万八千二百円という数字が出てくるわけなんですけれども、生活保護を受けている標準家族以下の給与の者に地方税としての所得税をかけるという制度ですね。これは均等割りもかかるわけですけれども、生活保護家庭には均等割りはつかないわけですけれども、こういう制度について大臣はどうお考えになりますか。
  117. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 ことしの夫婦子供二人の課税最低限は八十六万五千円、ただいまお述べになりましたとおりでございます。ただ、この課税最低限の数字は、御承知のとおり、前年所得に対する課税でございますので、本年度の生活保護基準額とはそのまま比較にはならないのではないだろうかというふうに考えております。私どものほうとしましては、昭和四十七年の一級地における生活保護基準額というものが、昨年の場合五十七万四千円という数字でございますので、これらの数字から見ましても、課税最低限としては低過ぎる数字にはなっておらないというふうに判断をいたしておるわけでございます。
  118. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、均等割りは当然つくわけですね。だから、生活保護を受けている所得よりも少ない所得の家庭に対して均等割りがついている。そういう家庭はどのくらいあるのですか。
  119. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 それについて正確に計算したものはちょっといまございませんので、また、あとで調査いたしまして御報告いたします。
  120. 林百郎

    ○林(百)委員 それは資料としていただきましょう。  大臣にお尋ねしますが、減税と申しますが、率は若干下げ、また、控除額も若干下げてはおりますけれども、対前年度比で、都道府県税の自然増収は九百七十九億六百万円、市町村税で千三百四十億五百万円、合わせて二千三百十九億一千百万円。均等割りでの増収が、都道府県税で九千三百万円、市町村税で五億六千五百万円、合わせて六億五千八百万円。これに対して、減税ということで見ますと、都道府県税が二百八億四千百万円、市町村税が八百五十一億九千八百万円、合わせて千六十億。だから、減税、減税と言われますけれども、減税したものの倍くらいが自然増として——これは、所得割りと均等割りについて、われわれのほうで、調べてみたのですけれども、こういう比率になっておりますが、これは結局、減税ではなくして、自然増という形で、地方税を納める者の側に立てば、ことしはやはり増税になるんじゃないですか。実際さいふから出ていく金、腹を痛める金から言えば、増税ということになりませんか。
  121. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、御承知のように、所得の増加に伴うわけでありますから、それだけ生活規模も上がっておるわけでございまして、それに伴っての自然増という形になるわけであります。これは、社会、経済情勢の推移に見合った妥当な所得増というわけでございますから、必ずしも低所得者に対する過酷な課税という形にはならないと思います。
  122. 林百郎

    ○林(百)委員 過酷になるかならないかは別として、それでは局長にお聞きしますが、このたびの減税措置によって減税される金額と、四十八年度増収見込み額と、差っ引くと事実上どのくらいの増収になるわけですか。すべての地方税でいいです。
  123. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 現行制度のもとにおきます自然増収額が、一兆三千三十五億でございます。これに対しまして、税制改正による減収額が千二百三十二億ございますので、合計いたしまして一兆千八百二億の増収ということに相なります。
  124. 林百郎

    ○林(百)委員 いや、私の聞いているのは、現行法でいって、減税として税収がそれだけ落ち込むわけですから、それに対して自然増としてふえる額はどのくらいか、こう聞いているわけですよ。だから、われわれは、それは増収という名のもとにおける事実上の税負担の過重だと思います。大臣は、それは所得がふえるんだから、税金をたくさん納めるのはあたりまえだと言いますけれども、その数字を聞いているんです。
  125. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 減税前の自然増収額は、いま申しましたように、一兆三千三十五億でございます。
  126. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、減税前がそれで、私の聞いているのは、地方税全体が減税だということを政府は言っていますから、減税によって免除される額と自然増としてふえる額との比率を聞いているんですよ。その額を聞いているわけです。納めるほうは、事実上それだけ多いものを納めなければならないわけです。大臣は、それは所得がふえるからあたりまえだということを言っているわけですね。
  127. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 減税割合は約九・五%ぐらいになります。
  128. 林百郎

    ○林(百)委員 一兆何千億も自然増ということになれば、たいへんなことになりますので、それはあとでいいですから、私の言うことをよく聞いて、数字を出してください。  いいですか。減税と言うのでしょう。減税によって免除される金額がどのくらいあるのか。所得割りにしても、あるいはほかの税金にしてもいいから。そして、それに対して自然増として取られる額はどのくらいになるのか。今度新しくこの地方税法がしかれます。しかし、それによっても自然増という数字が出てくるわけです。その自然増による額のほうが、減税によって免除される額より多いわけでしょう。それがどのくらいか。さっき私が所得割りと均等割りだけは出しましたけれども、地方税全体としてどうなるのか。だから、事実上の増税になるのではないか。ただ、大臣は、所得がふえるから、控除を減らしても、あるいは税率を作用しても、自然増は出てきますよと、こう言っているんですから、納めるほうはそれだけふところからたくさんの金が出るわけですから、幾らの金が出るかということを聞いているわけです。きょうここでいますぐ答弁しなくてもいいですから、私の言うことがわかったら、その数字をあとで出してください。こまかい数字のことですし、時間がありませんから、次の質問に移ります。  じゃ、最後にお尋ねしますが、大臣に、法人に対する固定資産税の問題をお聞きしたいのです。  わが党の考えとしては、法人に対する固定資産税については、やはり累進制をとるべきだというように考えているわけなんですけれども、今年度法人固定資産税について調整措置をとりましたね。これはどういうわけで調整措置をとられたわけなんでしょうか。
  129. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、御承知のように、評価がえをいたしまして、今度の課税が急激に上昇するわけであります。したがいまして、住宅の場合は、評価額の二分の一ということで優遇措置をとるわけでありますが、工場の場合も、あまりにも急激に上がり過ぎるというために、税制上の措置として、まあ漸増という形にしたわけでございます。
  130. 林百郎

    ○林(百)委員 当初、新聞の報道によりますと、自治省としては、法人の、ことに法人所有の非住宅用地に対しては調整措置はとらないということが報道されたわけですね。ところが、その法人所有の非住宅用地を取り上げてみますと、それもおしなべて調整措置をとるということは、率直に言って、あなたの好むことばか好まないことばかは別として、やはり財界からそういう措置をしてもらいたいという要望があって、それを入れたことになりませんか。最初、新聞の報道によりますと、法人所有の非住宅用地に対しては調整措置はとらぬと言っていたんですよ。それがちゃんととるようになっているわけですからね。しかも、四十八年度は三分の二を控除するということになっているわけです。
  131. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは別に陳情があって右左できるものでもございません、これは、従来の納税額からいたしますと、この評価がえの課税によって三倍程度アップするわけです。そういうことになりますと、物価等々に与える影響も多うございますし、やはり漸を追うて徴税するということが従来でも行なわれておるわけでございます。相当大きな値上がりになるので激変を緩和したという程度のものでありまして、別に、これによって不公平な課税をしておるというていのものでは絶対ございません。
  132. 林百郎

    ○林(百)委員 では、これで私の質問を終わりますが、大臣、これは特に法人に限っているわけですね。法人というのは、中小企業もありますけれども、非住宅用地を持っている法人ですから、大企業を考えてよろしいかと思うわけですが、それに対する固定資産税なんですから、もし政府がほんとうに勤労者のための宅地を提供させるというならば、法人が非住宅用地としていつでも投機の対象となり得るような土地を持っているという場合には、その土地の評価に対しては調整措置をしなくて——あなたは急に高くなると言うかもしれませんけれども、しかし、利用されておらない土地法人が持っているわけなんですから、いま、あなた方は、農民にまで宅地並み課税をかけるといって勇んでいるときなんですから、そういうところにこそ何も調整措置をしなくて——われわれは累進的な課税をしろとまで言っておりますけれども、しかし、調整措置をして三分の二も控除してやる必要は何もないじゃないですか。そうすれば、法人が非住宅用地、要するに工場の用地、あるいは住宅用地として使っておらない土地を保有することをむしろ奨励し、そのことが土地投機を促す一つの手段になるんじゃないですか。こういう点で私は聞いているのです。
  133. 江崎真澄

    江崎国務大臣 事業場である土地は、いま、私、三倍になると申し上げましたが、初年度は確かに三分の二を調整いたします。それでも従来の固定資産税の倍額程度にはなるわけでございまして、これは相当な増税ということになるわけでございます。  しからば空閑地はどうするのか、これが問題の点だと思いますが、先ほどから申し上げておりますように、四十四年の四月以降に取得した土地については、固定資産税のほかに、その当時の取引価格を追跡調査しまして、それに特別土地保有税がかかる。しかし、従来持っておりますものは、これはそれなりにそこで生産が進められるわけですから、その生産の効率によって利潤が上がれば、富の再分配という思想を背景にした累進課税所得税でこれを捕捉するという形になるわけです。固定資産税の場合は一種の物税でありますから、まあ、倍になるというあたりが国民生活とのかね合いにおいて適切妥当なところではないか、こういう判断をしてこの措置を決定したわけでございます。
  134. 林百郎

    ○林(百)委員 それでは、これで質問を終わりますけれども、大臣法人所有の非住宅用地に対する固定資産税の優遇的な調整措置ということについて、私がここで質問するのは、当初は、負担の調整措置をとらないということを言っていたのですよ。だから、自治省でもそういう考え方があったわけですよ。それを三分の二も控除するというような、あるいは倍になるからというような大臣のお声がかりというものは、これは何としても、財界からの圧力で、ひとつ自分のほうは大目に見てもらいたい、あるいは税負担をなるべく軽くしてくれということによってこういう措置が出たということは間違いないというように思うのです。新聞に出したのですからね。そして、皆さんのほうにもそういう意見があるわけなんです。あなたは、未利用地にも税金をかけんばかりのことを言った。私は、かけるとテレビで聞いたと言って、あなたは言った覚えはないと言うから、これは繰り返すことはやめますが、そうまで言っておるあなたが、何も利用しない土地法人が持っておることに対して、それに対する固定資産税に対して、私のほうは累進的な課税をしろと言うけれども、累進的な課税をしないにしても、こんなに、三分の二も控除してやるというような優遇措置をとる必要は絶対ない。これは何と考えても、こういう法人、大企業の圧力あるいは陳情というもので動かされたというより考えようがない。こう考えますので、その点はひとつよく反省をしてもらいたい。  こういう点を私の最後の質問にして、私の質問を終わります。
  135. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは重要な御発言ですから、率直に私はお答え申し上げますが、そういう陳情だとかによって左右されたものではございません。激変を緩和するということは、税制調査会において、第三者の権威ある機関として勧告いたしておられます。この税制調査会の意見に基づいて今度の緩和措置をとったということでありまして、何か、陳情によって政府が不当な措置をしたような御質問は、どうぞひとつおやめをいただきたいと思います。
  136. 上村千一郎

    上村委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後零時三十七分休憩      ————◇—————    午後三時二十一分開議
  137. 上村千一郎

    上村委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  警察に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山口鶴男君。
  138. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 今月の三日でありますが、本会議におきまして、いま全国民的な関心の的になっております商社の買い占めを規制する法律案政府提案いたしました。また、社会党、共産党、公明党、民社党の野党四党も、商品買い占めを規制する法律案を、野党四党共同提案として提案をいたしました。本日、議運の理事会で、この法案は物特に付託をいたしまして議論を進めることになったわけでございます。それほど、この商社の買い占めの問題は、国民の大きな関心の的になっております。  ところが、本日のテレビニュースあるいは新聞等を拝見いたしますと、モチ米の買い占めに関係いたしまして、食管法違反の容疑をもって、丸紅の東京本社を今週中にも捜索をするということが報道せられておるのであります。警察庁としては、そのような方針でありますか。まずお伺いをいたします。
  139. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 ただいまお尋ねの件は、先般来、食糧庁で最後の調査を行ないまして、その結果、警察に対しまして、北海道、茨城県、福島県の三カ所でもって、それぞれ食管法違反の容疑があるものについて告発があったのでございます。それは三月の中旬のことでございますが、その告発に基づきまして、警察は、これまでに十五カ所の捜索を実施して、関係者の取り調べを行なっております。これについて、警察の立場で厳正な捜査を進めたいという方針で、ただいまのところ捜査しておるところでございます。
  140. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういたしますと、警察庁は、茨城、福島両県警と協議をした結果、丸紅に対する捜査を、近く食管法違反容疑として行なうように指示した、こういう記事が報道されておりますが、それが事実なわけですね。
  141. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 けさほどの朝日の報道の内容につきましては、新聞社独自の活動で取材されたと思うのでございますが、警察としましては、ただいま申し上げたように、関係者等について取り調べ、今後必要に応じて捜査を進めていく。具体的なことについて、目下捜査中でもございますし、今後の進展いかんにもよることでございますので、ここで詳しく、あるいは将来のことを確定的に申し上げるということはちょっと差し控えたいと思います。
  142. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そうしますと、捜査の進行の結果、丸紅本社が食管法違反の容疑がきわめて濃いということについては、警察としては確認をしておるというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  143. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 ただいまもお答え申し上げたとおり、目下捜査中の事柄でございまして、その内容の詳細について、私どもここで申し上げることを差し控えさせていただきたいと思います。
  144. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 ただいまのようなことで、捜査中の問題については、繰り返し御答弁があって、警察としては常にそういう御答弁を繰り返してきた。その点は私も長い経験で承知をいたしております。  そこで、私が問題にいたしたいのは、こういった商社の買い占めに対して、食管法違反の容疑なりで捜査をするという場合に、証憑書類が一体どうかということが当然一番問題になると思うのです。したがって、相手側といいますか、商社の側が証拠の隠滅をはかった場合には、捜査というものが非常に困難になるということは当然だろうと思うのです。そういう配慮もあってただいまのような答弁をされたということも考えられるわけでありますが、そのように受け取ってよろしゅうございますか。
  145. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 お尋ねのとおりでございまして、捜査中の事件について、捜査の日時等を警察が積極的に言う、あるいは今後どうなっていくかという予想を言うということは、捜査の将来の進展上、ことに、証拠の隠滅をやられて捜査の面でいろいろ困難を来たすようになるということがございますので、警察としては、その点について、捜査中の事件についてはできるだけ公表はしない、関係者以外には内容がわかることのないようにという配慮をして、捜査の厳正を期しておる次第でございます。
  146. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 その点はわかりました。その点がわかりましたから、私は、実は、このことを問題にいたしたいのであります。ということは、茨城県警あるいは福島県警が、小さな業者のモチ米の買い占めをすでに捜査いたしました。これについては、どの業者を捜査するというような予告は、テレビにも、新聞にも、事前には何ら報道されなかった。また、そういうような趣旨の警察の談話というものも出なかったわけです。しかるに、丸紅といえば、わが国の大手の商社であることはだれも承知をしておることです。その大手の商社である丸紅に容疑がある。これについては、今週中にも捜査をするというようなことが新聞に大きく報道されるということになれば、そうでなくても、小ものばかりをつかまえて中心を何ら押えないじゃないかという国民の批判があった警察が、そこへもってきて、今週中にこの丸紅に対して捜査をいたしますというような予告が出る。しかも、その中には、警察庁が茨城あるいは福島の県警と協議をしながらそういう方向で進めておるということを報道されておりますし、さらに問題なのは、ここに茨城県警本部長の談話というのが載っています。「事件解明の糸口に」として「食糧庁が告発した業者に対する取調べは最後の詰めの段階にはいっており、その進み具合によっては今週中にも丸紅に対する強制捜査に着手したい。もちろん、業者に対する裏付け捜査ではなく、丸紅に直接かかる食管法違反容疑で、この捜査によって事件解明の突破口を見出したい。」という談話が載っているのです。県警本部長みずからがこう言っている。しかも、この人は国家公務員でしょう。いま大臣も来られましたが、国家公安委員会の所管のもとで、警察庁長官が指示して動く県警本部長がこういう予告をやったということは、まさに、丸紅飯田に、この間に早く証拠隠滅をやりなさいということを奨励しているようなものじゃありませんか。私は、このことが問題だと思うのです。その点はいかがですか。
  147. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、政治的な意味も含まれておりますので、私から先にお答えを申し上げますが、実はあの朝日新聞の記事を見まして、現にそういうことがあるかどうか、それはあと斎藤部長からお答えを申し上げますが、私どもも、いま御質問のように奇異の感を持ったことは事実であります。そこで、直ちに調査をいたしましたところ、そういう言辞を弄したことはない、このように申しております。もとより、まだこれから具体的な捜査に入ろうという場面で、いつごろどうするかなどという発言が責任者の間においてあろうとは私どもも思いませんが、多少新聞の表現とは実際には違っておる、こういうふうに私どもも報告を受けておる次第でございます。
  148. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 ただいま大臣からお答えがございましたが、先ほど私も申し述べましたように、警察が捜査をしておる事件については、いろいろな証拠の関係あるいは関係者の名誉の関係その他がございますし、刑事訴訟法に基づいて、捜査の内容というものはつとめて秘密にするようにということでございますので、私どもとしては、どんな場合でも、これを警察から発表するということはいたさないことにしております。  先ほど申し述べましたように、告発があって、警察がすでに十五カ所の捜索をやって、被告発人というものも告発状の中でわかっておりますし、そういうことで、独自の取材活動で、新聞報道関係者が筋を想像して、取材活動の結果を報道されるということについては、独自の活動に対しては、少し警察の立場もございますが、警察も手の打ちようがないということでございます。  県警本部長の談話ということについては、大臣からもお話がございましたように、本人は、そういう具体的な日時等については受け答えをしておらないということでございます。
  149. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 それはおかしいと思うのです。大臣は、いま、朝日新聞という特定の名前をあげられましたが、もちろん朝日新聞にも出ておりますが、朝日新聞ばかりじゃありません。テレビ等の報道にも、今週中に丸紅の本社を捜索する予定だというようなことがやはり報道されておるのです。  ただいまの大臣並びに保安部長の御答弁はどうも納得できないのですが、明らかにこういう予告がされる。しかし、これはマスコミ関係者の方が一生懸命取材活動をやって、あるいは出ることもあり得るということは私もわかります。お互い政治家として、記者の方々とおつき合いしている人間ですからわかりますが、しかし、警察は、少なくとも、国会でこういうことを聞けば、現在捜査中の問題についてはお答えできませんといつも言うのが例なんです。それが、大手の商社に限ってこういう予告がされる、そういうことが流れるということが、国民の側から見て問題だと私は思うのです。同時に、さらに問題なのは、本部長談話として出ているということが問題なんです。まあいまの御答弁では、本部長としてはそういうことを言った覚えはないと言うのだそうですが、そういうことをいつまでも繰り返しておったら水かけ論ですから、委員長、私は要求したいのです。  かつて、地方行政委員会において、楢崎君が不当逮捕された問題その他の問題で、長崎県警本部長あるいは他の県警本部長を、これは国家公務員ですから、当委員会に出席をいただいて、そうして議論をした経過がありますが、大臣と部長がそう言われるならば、この際国家公務員である茨城県警本部長に、当然これは国家公務員なんですから、当委員会に御出席をいただくように、ぜひ私は要求をいたしたいと思うが委員長、いかがですか。
  150. 江崎真澄

    江崎国務大臣 ちょっとその前に……。  朝日新聞が取材をせられて、それがああいう記事になったわけです。私、必ずしもそれが間違っておるということを申し上げるわけではありませんが、少なくとも、私どもが、組織を通じて、責任者から責任者である本部長に尋ねましたところ、そういう事実はございませんということを言っておるわけであります。これが各紙全部一律一様に載っておるということでありますともっと問題は深刻であるというふうに考えます。それから、テレビという御指摘がございましたが、これはどういうテレビでありまするか、あるいは、朝日との系列化といいますか、関係のあるテレビではなかろうか。何となくきょうあの記事の取り扱い等を見ましても、まあ、お互いに政治家として、比較的新聞には関心度の高い者として見ますと、トップ記事で、いわゆる新聞社としては、一つの特だね扱いのような扱いになっておりますですね。そういうような観点から申しまして、このあたりについては、ひとつ、しばらく私に預けさせていただいて——いま御質問の点のような疑いなどは、これはごうまつもあってはなりません。少なくとも、こういう捜査にあたっては、中正、特に厳正に捜査をするというたてまえが警察のモットーでもありまするので、これは国家公安委員長として、警察庁長官及びここにおりまする部長等と十分連携を密にしまして、真相に触れたいと思いまするので、できれば私にしばらく預からせていただきたいと思います。
  151. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 その点は納得できません。ただ、茨城の県警本部長をお呼びするかどうかという問題は、通常理事会で御相談いただく問題だと思いますから、理事会で、わが党の理事からも、あるいは他党の理事さんからも御要求があるかと思いますが、その点は、理事会で議論させていただくことで、一応おきましょう。  そこで、私がさらに重ねてお伺いしたいのは、このような記事が出た。県警本部長の談話も出た。そういう中で、丸紅について捜査令状を求めて、食管法違反の容疑で捜査をしたが、結局は証拠隠滅されて竜頭蛇尾に終わったということがあれば、ずばり、警察の責任だろうと私は思うのです。そうでしょう。したがいまして、このような報道が出たことによって、このモチ米の買い占めにからむ大手商社の容疑というものがうやむやに終わったということの絶対ないように、その点は、ここで、国家公安委員長として、責任を持って御回答をいただきたいと思うのですが、その点はいかがですか。
  152. 江崎真澄

    江崎国務大臣 告発をされてまいりました事犯の捜査につきましては、これは厳正にやっております。もう、時々刻々斎藤部長から報告を受けておるわけでありまするが、これは、警察の厳正公正性をお認め願いたいものだと思います。しばらく問題の推移を見守っていただきたいと思います。
  153. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 先ほどの問題は、理事会で善処をいただきたいと思います。  ついでにいま一つ、警察に関するお尋ねをいたしたいと思うのですが、実は、過般起きました上尾の事件であります。当時、上尾には、一八三〇M列車並びに八三二M列車の二本の列車が入っており、さらに、その後、特急の列車が一本入ったわけです。上尾で群衆が集まりまして、騒然とした状況になりました際、したがって、三本の列車が入って、このホームにおったわけであります。このうちの一八三〇M列車については、この列車が新前橋の電車区に回送されておったわけでありますが、私は、この列車を一時間以上かけまして詳しく内部を点検する機会を得ました。当時、上尾におりました一八三〇M列車は十二両編成だったわけでありますが、そのうちの三両はほとんど破損を受けることがなくて、直ちに運行に使えるということで、三両はございませんで、三両を除いた九両が、当時、新前橋の電車区にございました。時間もありませんから私は端的に聞くのでありますが、確かに、内部を見ますと、列車内部がずいぶん破損を受けておりました。特に、運転席がそこに四つほどあったわけでありますが、一つはガラスが破損をされまして、容易に内部に侵入できる状況でございました。ところが、あとの運転席は、一つこのくらいの穴があいておるのがありましたが、このくらいの穴では人間が入ることはできないわけでありまして、あとは全部無傷でありますから、当然、人が入ることはできません。しかるに、中を見ますと、運転席のメーターその他がいずれも破損をいたしております。それからさらに、各列車には配電盤がいずれもございます。配電盤の中をかぎを使ってあけてみますと、あすこには、四百ボルトの高圧の部分と百ボルトの低圧の部分がございますが、四百ボルトの高圧の部分はほとんど破損はございませんで、百ボルトの低圧の部分のみがすべて破壊をされておりました。こういう状況でありますから、これは、当然、かぎを持った人が当時の紛争の中におったとしか考えられぬわけです。これが運転席のかぎです。これがなければあきません。これが電車の運転に使用するかぎでありまして、運転席の中の部分をあけたり、運転に使ったりするかぎです。これがなければあかないところがやはりこわれておりました。私は、このかぎを一時借用いたしてまいったわけでありますが、このかぎは車掌さんと運転士が持っておる。このかぎは、運転士さんと、車を検査いたしますから、検査掛の方が持っているわけです。そして、国鉄当局はすべてこれをチェックいたしまして、だれがこのかぎを持っているということは確認しておるそうであります。ですから、このかぎを持っているという人は、特定した人しかいないわけであります。しかも、このかぎがなければあかぬところが、配電盤があけられている。配電盤はこれであけられるわけですが、それで、運転席もこれであけられて、しかも、これを使ってあくところが破損されている、破壊されているということは、私は、非常にふしぎに思いました。したがって、群馬の県警本部長にその点を申し上げ、警察庁と直ちに連絡をとって、そして、この電車区にあります電車をさらに詳細に検討し、もし、内部の人しか持っていないかぎが使われたとするならば、当然、その疑いに対して究明する責任があるのではないかということを実は要求いたしました。その後、警察庁としても御調査をいただいているだろうと思います。警備局長もおられるわけでありますが、私が指摘したような点で十分車両の点検をいたしましたかどうか、お尋ねをいたします。
  154. 江崎真澄

    江崎国務大臣 具体的な事犯の、また最も具体的な問題についての御指摘でございますから、警備局長以下関係者から答弁をいたさせます。
  155. 山本鎮彦

    山本(鎮)政府委員 確かに、かぎでなければあかないような状態というふうに見受けられましたけれども、その窓は、いわゆる落とし窓になっておって、この落とし窓をこぶしでたたいてゆさぶると、それがどすんと落ちる。そこから手を入れて忍錠をあければはずすことができる。こういう状況でありましたので、かぎでなくても、そういう方法でドアをあけるということは可能であるというような調査の報告が来ておるわけでございます。  それから、いまのは運転台でございますが、配電盤の中が、低圧用と高圧用と両方あって、高圧のほうはこわされておらないというようなお話があるわけでございますが、私どものほうもその点十分調査したわけでございますが、これもやはり、戸をあける際には、うしろに忍錠がかかっておるという状況でございますけれども、このとびらは非常に薄い鉄板でございますので、取っ手を強く引けば弓なりになってあくというのが現場検証の結果はっきり出ておりますので、必ずしもかぎがなければあかないという状況ではない。そして、中の配電盤の破壊状況も、われわれの調べたところでは、高圧の配電盤のほうが七つ、低圧が二つということで、決して低圧だけがこわされておるという状況でなくて、われわれの調査では、むしろ高圧のほうが多くこわされておるというような結果が出ておる状況でございます。
  156. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 これが列車の内部です。前に石をぶつけられまして、このくらいの穴があいておるだけです。そして、他のガラスは関係ないのに、中の計器が破損をされています。それは確かに、おっしゃるとおり非常にくふうをすれば、あるいはあくかもしれない。私は何もためしたわけじゃないからわかりませんが、警察がそうためしたというなら、あるいはくふうすれば、かぎがなくともあくかもしれない。しかし、九両の運転席が、一つだけはガラスが破損されて、出入りは自由です。他のものについては、ガラスが全部完全か、そうでなければ、一つ穴があいておるだけで、中の計器がすべてこわれておるということは、全部くふうをしてあけたろうというふうに一律に判断することは誤りじゃないか。やはり、かぎを持った者がおったおそれというものが多分にあるだろうと思うのです。そういう点での捜査は現にやっておるかやっていないかという問題なんです。  それからさらに、これが配電盤です。それはうんと引っぱったり何かすればあくかもしれませんが、私は、国鉄の係の者に、かぎがなければあかないのだということを言いました。実は、そこにおる警察の課長さんも来て、こっちのめがねをかけた方が来て、引っぱればあくのだというようなことを言っていましたが、しかも、それに立ち会った国鉄関係の人が、これはおかしい、絶対にあかぬはずなのにと言っておったそうですから、普通の人はかぎがなければあかぬという認識だろうと思うのです。専門家がそう言っておるのですからね。とすれば、うんと引っぱってあいたかどうか知りませんけれども、同じように、かぎを持った人間があけたという、そのほうがより濃厚であるということは当然じゃないかと思うのです。そういうことを御調査になっておるかどうかということです。  それから、これは配電盤の内部の破損の状況です。低圧部分が破損しております。下が高圧部分です。四百ボルトです。ですから、山本さんのお話のように、高圧のほうがこわれておって、低圧のほうが何ともないということはありませんですよ。そういう認識は間違っておると思うのですね。いかがですか。
  157. 室城庸之

    室城説明員 細部の点でございますから、私から御説明申し上げたいと思いますが、埼玉県警察といたしましては、上尾事件の起きました当日、十三日に、現場で、現場についての実況見分をやるようにつとめて努力いたしましたが、ただ、あの事件が起きましたあと、夕方のラッシュ時間までに何とか現場を早く回復したい、そうしないと、また夕方のラッシュに次の騒動が起きてはという懸念がございまして、国鉄当局としても、できるだけ現場を早く動かしてほしいという要請もございましたので、つとめて短時間のうちに、写真撮影等実況見分を最大限にやりまして、後日またあらためて車両について検証をやるということで、その際に一回と、先生が新前橋でごらんになりました、その次の日あたりになろうかと思いますが、さらに専門家の立ち合いも求めまして、時間も十分にかけて検証いたしました。その結果、私どもとして承知いたしておりますことは、ただいま局長からもお答え申し上げましたが、運転台の内部の計器などがこわされておりました運転台は、一八三〇の列車につきましては、八台全部、それから八三二列車につきましては、全運転台六台のうち五台。合計十三台の運転台がこわされておりますが、そのうち、運転台のガラスが破られておりましたのは四台でございまして、ガラスが破られないで、しかも内部の計器だけが破損されていたもの、先生御指摘のような状態のものは九台ございました。  そこで、ガラスが破られていないにもかかわらず、なぜその内部に侵入できたかという疑問につきましては、担当者も非常に不審に思いまして、国鉄の担当者の立ち合いを求めた上で、いろいろな形で、その場で実験をしてみておるわけでございます。そうして、ある状態のもとでは、相当きちんと締めたつもりでおっても忍錠がはずれてしまうということを実験的に承知いたしました。また、配電盤のとびらにつきましても、先ほど局長から御説明申し上げましたように、破損しましたとびらがあけられておる部分を見ますと、忍錠をささえておりますつめがみな外側に向いて、要するに、何かに引っぱられてつめが曲がってはずれたという形跡がいずれも顕著に見られておるようなわけでございまして、かぎを用いてあけたというよりは、強引に引っぱってあけたというような形跡が認められるわけであります。  なお、ただいまの低圧、高圧の部分につきましても、十分に検証いたしました結果、局長からお答え申し上げたとおりでございまして、低圧の部分につきましても、高圧の部分につきましても、いずれも、いわば見さかいなくこわしておるというふうな形跡が見られるわけでございます。したがって、特に高圧の部分を避けたというほどの形跡は、いまのところ見当たりません。特に、この高圧は、いわば冷房用の……。
  158. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 もういいです。  いまの御答弁を聞いておって、私は、非常に遺憾に思ったのです。具体的な問題もそうでありますが、事件が起こりまして、ただし、三月十六日の午後十時、夜中でありますが、問題の新前橋の電車区にありました九両の電車を私は見ました。そして、翌日十七日に群馬県警本部へ参りまして、県警本部長に対して疑問点を申し上げて要請をしたわけですが、そうしますと、いまのお話ですと、早く原状回復したいという希望はあったかどうか知りませんが、私の十七日の指摘があってから専門家を加えて調べたというのですね。そうでしょう。いまの御答弁はそうですね。私は、それはやはり怠慢だと思うのですよ。そうじゃありませんか。それこそ、これは各紙にあれほど大きく報道された事件ですね。しかも、金銭が紛失したとか、いろいろ問題もありました。当然そういう面の捜査もやっておられるだろうと思うのでありますが、列車の破損状況がどうであって、そして、その状況はどうか、そして、このような貴重な列車を破壊した犯人は一体だれだろうかということは、当然警察としては追跡もしなければならぬ問題だろうと私は思うんです。しろうとである私が十六日に見て、そして、おかしいという指摘があってから、初めて専門家の立ち合いのもとで調べてみるということでは、さっきの丸紅の問題じゃありませんけれども、警察としては、これは少し怠慢じゃありませんか。どうですか。それが一つです。  それから、それは引っぱったらあくかもしれぬ。それから、低圧、高圧のほうは、写真も見られたから認識を新たにしたと思うのですが、私が見たのは、とにかく、低圧、高圧なんか私は知りません、ここは高圧部分だと説明されて、なるほどちゃんとしておる、ここは低圧部分です、こわれている、なるほどそうだというんで、ずっとすべてそうでした。そういう状況からいたしまして、それは引っぱればあくかもしれぬ。あるいは、くふうをすれば運転席の窓が開くかもしれぬ。しかし、あれだけすべてにわたって運転席の内部が破壊され、しかも、ディスコン棒という、普通の人には全くわからぬようなものを使ってのいろいろ破壊が行なわれているわけですから、列車の内部あるいは列車の状況等について相当知識を持っている人、場合によってはかぎを持っている人ということになれば、これは内部の人です。そういう方がこの騒乱に対してある程度関与していたかもしれぬということは、当然、警察として捜査をしてしかるべきではないかと私は思うのです。こっちのほうから指摘をされてから専門家が立ち合って調べてみるというような、率直に言って間抜けなことをやっておっては、警察の仕事はつとまらぬじゃないかと私は思うんですが、その点はどうなんですか。
  159. 室城庸之

    室城説明員 先ほどの申し上げ方がちょっと御理解いただけなかったかと思いますが、私どもとしましては、当日、早急に、許された時間の範囲内で実況見分をいたしております。ということは、鉄道側の専門家をさがしましたが、鉄道側としても、十分実況見分に立ち合うだけの専門家がいまいないというようなことでもございましたので、鉄道公安官の立ち合いを求めまして——これはもちろん機械の専門家ではないと思いますが、しかしながら、現場をそのままの姿でとどめておく努力をしなければなりませんので、写真を写すということにつきましては、細部にわたって相当枚数もちろん写しておりまして、決して何もやらなかったというわけではございません。ただ、一つ一つについて、先ほど申し上げましたように、専門家も加えて実験的にやっていくというふうな検証というものは、当日のどさくさの中ではできなかったということを申しておるわけでございまして、現場の姿は、当日の写真にはっきりと残っております。したがって、実験的なやり方も加えた検証を、先生がごらんになった翌日に、私どもも時間をかけてやった、こういうことでございまして、決して手落ちがあったということではないと思います。  なお、いろいろと私どもも御指摘を受けまして、あるいは、内部説というふうな疑いにつきましても、十分お答えできるだけの捜査をしなければなりません。したがって、関係者につきましては、その後もなお引き続き取り調べを進めまして、その間にいろいろなことを承知しておるわけでございますけれども、それらを総合いたしまして、これは計画的になされたものである、内部の者の計画的犯罪であるというようなことを確信するような材料にはまだ行き当たっておらないということを申し上げたわけでございます。
  160. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 上尾の事件があったのが十三日でしょう。私が見たのが十六日ですからね。したがって、その間、十三日はやむを得なかったとしても、十四、十五、十六と三日ゆとりがあったわけです。当然、その間に、専門家を立ち合わせた調査というものは、するつもりだったら十分できた時間的ゆとりがあったんじゃないかと思う。私が見たのが十六日、そして、県警本部長に指摘をしたのが十七日ですよ。それからやったというのでは、いかにも時間的なブランクがあり過ぎたのじゃないか。これはわざとなまけておったと言っちゃ恐縮ですけれども、わざと、いわばその間何もしないでおった、こう指摘されてもやむを得ないじゃありませんか。そうでしょう。それが一つ。  それから、さらに捜索を進めているというお話でありますけれども、やはり、これだけの国民の疑惑にこたえる責任が警察にあると私は思います。この指摘の問題につきましては、徹底的に捜査をする決意がございますか。そうして、場合によりましては、当委員会に、その後具体的な結果が出ました段階で御報告をいただく用意があるかどうか。その点だけお尋ねをいたしておきたいと思います。
  161. 山本鎮彦

    山本(鎮)政府委員 先ほどの数字で、一八三〇ですか、この列車の関係で、低圧、高圧の関係で、ちょっと資料がございますので、この点だけ御説明いたしますと、この列車を調べたところ、破壊された高圧が四で、低圧が一という検証の結果が出ております。全般的に見て、いま先生の御指摘の点については、現在もまだ捜査は継続しておる状況でございますが、現在までは、繰り返すようでございますが、そういう内部の計画的な犯行と疑われるような事実は出ておりませんが、先生の御指摘の点も含めて、さらに捜査は継続して、はっきりした点が出れば、この委員会に報告をいたします。
  162. 上村千一郎

    上村委員長 林百郎君。
  163. 林百郎

    ○林(百)委員 私も、国民の食生活に重大な影響を及ぼす米の買い占めの問題について質疑をいたしたいと思いますが、当初に申し上げたいことは、いかに捜査中とはいえ、警察としては、国民の疑惑にこたえる責任があるわけですね。国会は国権の最高機関なんですから、国民にかわって質疑をしているわけなんですから、この国民の疑惑にこたえる責任が当然あると思うのです。できるだけの事実ははっきりさせる必要があると思うのです。捜査に名をかりて事実を隠蔽するというようなことは、国民に対する国会の責任を果たさないことにもなりますので、そこで、私は、当初まず食糧庁にお尋ねしますが、食糧庁では、この三月二十三日に、未検査のモチ米計八百十五万トンを扱った業者に刑事責任の疑いありとして、これは六業者ですか、告発したという事実はありますか。
  164. 森整治

    ○森説明員 お答えいたします。  未検査のモチ米について調査いたしまして、三月十四日に、北海道の倉庫にございました三百九トンの所有者であります東京都あられ工業協同組合を、それから、たしか三月十六日に、福島県の営業倉庫にありました分につきまして谷口商店を、それから、三月十七日に、茨城県の集荷業者の倉庫にございました三百四十四トンの未検米につきまして、警察当局へ告発を食糧事務所からいたしております。
  165. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、北海道と福島ですか。茨城県関係は、その告訴の内容の中には入っていないんですか。
  166. 森整治

    ○森説明員 三月十七日に、茨城県の分について告発をいたしております。
  167. 林百郎

    ○林(百)委員 北海道、福島、茨城の関係の業者、そこにモチ米が買い占められていた事実があったので、食糧庁としては告発をした。その背後に丸紅が関係していたということは、食糧庁ではわかっていたんでしょうか、いないんでしょうか。
  168. 森整治

    ○森説明員 ただいま申し上げました中で、茨城の分につきまして、所有者からの聞き取りによりまして、全所有者が丸紅であるのではないかということで、その程度の情報は承知をいたしておったわけでございます。
  169. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、ここは地方行政委員会ですから、手続きをまずお聞きしますが、これはモチ米ですね。新聞ではやみ米と書いてあるところもありますけれども、これは自主流通米であることは間違いないんでしょうか。その自主流通米を集荷業者が買うには、どういう手続きで買う必要があるのか。それから、食糧庁が告発したというが、告発は、一体、食管法の何条の違反として、どういう手続き違反として、あるいはどういう条文の違反として告発されたんでしょう。
  170. 森整治

    ○森説明員 一番最初にモチ米であります。全部モチ米でございます。  それから、自主流通米かどうかということでございますけれども、自主流通米という制度は、先生、こういうことになっておるわけでございます。指定法人と申しまして、具体的に申し上げますと、全農、それから全集連、そういう団体がございます。全集連というのは商人系でございます。それが単協までずっとつながっておりまして、そのルートで出てきた米が実需者に売り渡される。それを食糧庁は自主流通米のルート規制をしておりまして、そのルートで流れる限りにおいては、自主流通米として、食糧庁の事務所で承認をいたしまして、輸送も全部そういうことで流れておるのを自主流通米といっておるわけであります。  それから、余り米というのがございますが、余り米も一応同じルートで流れております。  今回のものにつきましては、食糧庁は、倉庫をずっと全部調査いたしまして、その過程で、先ほど言いました北海道なり茨城の倉庫にありますお米を発見したわけでございますが、これは全部未検米といいまして、政府の検査を受けていないお米でございます。したがって、検査米は、いま全部自主流通のルートに流れておるわけでございます。あるいは政府に入ってきておるわけでございます。それ以外の検査を受けていない米でありますから、要するに、それ以外のルートで流れて、ここに存在しておるという傍証になったわけでございます。したがいまして、結論から言いますと、自主流通米ではございません。いわゆる未検米と称するものがあったということでございます。先ほど、先生が、買い占めで告発したとおっしゃったのですが、実は、食糧庁といたしましては、物がそこにあったというだけで、それが、おそらく違法の状態で取引されたものと推定をされるものがあった。そこで、その所有者につきまして、ここに違法の状態のものがあるからということで告発した。  何条で告発したかといいますと、食管法の九条に、ちょっと読みますが、「政府ハ主要食糧ノ公正且適正ナル配給ヲ確保シ其ノ他本法ノ目的ヲ遂行スル為」と目的が書いてありまして、「政令ノ定ムル所ニ依り主要食糧ノ配給、加工、製造、譲渡其ノ他ノ処分、使用、消費、保管及移動ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得」という規定がございます。それに基づきましていろいろ流通の規制が行なわれております。その九条に違反をいたしまして、政府以外に売ってはいけないとか、それ以外から買ってはいけないとか、いろいろ規制がございます。その規制にひっかかるということで告発をわれわれはいたしたわけでございます。
  171. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、そういう政府の検査を受けなくて、数百万トンの米が倉庫に入っていた。これはどういう倉庫に入っていたのか。また、政府の検査を受けなくて、そういう状態に米を置くということにするならば、どういう手段によってその米がその倉庫に集められたということが考えられるわけですか。政府の検査も受けない米が、先ほどあなたはどのくらいと言いましたか。新聞には八百十五トンとありますが、あなたのほうで告訴した米の量はどのくらいか。それもできたらお聞きしたいと思います。それが、どういう状態でそこへそんなに集まってくるようになるわけですか。
  172. 森整治

    ○森説明員 約八百十五トンでございます。  それから、集荷された経路は、実は、今回のその問題については調べておりません。ただ、一般的に申し上げますと、結局、農家がある集荷商人に売って、集荷商人からそういう倉庫へ集められてくるというケースと、それから、単協を通じましてそういうところへ集められてくるケースとありまして、物の流れにつきましては、要するに、検査をしてない米でございますから、いろいろな包装も違います。包装も違いますし、それから、ウルチが入っておりましたり、正規の規格どおりになっていないお米もいろいろ含まれまして、そういうものがそういうところへおそらく集まってきた、こういうふうに考えております。
  173. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、罰則は第何条の罰則になるわけですか。
  174. 森整治

    ○森説明員 食管法の三十一条によりまして、九条の命令に違反したものということになるわけでございます。
  175. 林百郎

    ○林(百)委員 十年以下の懲役、十万円以下の罰金、この条項ですか。
  176. 森整治

    ○森説明員 さようでございます。
  177. 林百郎

    ○林(百)委員 わかりました。  そこで、八百十五トンの米を買うとすると、金にするとどのくらいかかるものですか。
  178. 森整治

    ○森説明員 約八億ということでございます。
  179. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで、今度は通産省にお聞きしますが、通産省が、三日に、商社の買い占め容疑が濃いということで、六社をあげていますね。三菱商事、三井物産、丸紅、伊藤忠、住友商事、日商岩井、大手六社、この丸紅を買い占め商社の中に入れた理由はどういう理由ですか。米が入っている、入っていないは別として……。
  180. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 けさほど先生の御質問にお答えしまして、六大商社の名前を申しましたのは、調査対象として取り上げたものを申し上げたわけでございます。ここで、個別企業の中で、どの商品についてどの商社が買い占め等の事実があったかということにつきましては、けさほど御理解いただいたように、企業の秘密とのかね合いもございますし、今後なおわれわれの調査に協力してもらう必要性もあるという見地から、個々の企業の名前を申し上げずに、全体の趨勢を申し上げたわけでございます。  丸紅につきましても、大手商社の一つとして有力な立場にありますので、そのような見地から調査対象企業に取り上げたわけでございます。
  181. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、丸紅は資本金はどのくらいですか。そして、食料品の買い占めの実績もあることはあるのですか。
  182. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 二つの御質問のうちで、資本金につきましては、現在の丸紅の資本金は二百七十五億円でございます。  なお、御質問買い占めの食料品の実績といいますのは、私ども、数字を持っておりませんが、丸紅の食料品の取り扱いのウエートは、四十七年の九月末現在の数字で、丸紅の取り扱っております商品の中で一三・二%でございます。
  183. 林百郎

    ○林(百)委員 大体、全貌の大綱がわかってまいりました。  そこで、食糧庁にお聞きしますが、モチ米が約八百十五トンですか、この程度がある一つの商社にかりに買い占められたとすれば、それは流通過程にあるモチ米の価格に影響を及ぼしますか。及ぼしませんか。
  184. 森整治

    ○森説明員 その程度の米でありますれば——その程度というのはおかしいですけれども、具体的に八百トンと申されましたけれども、その数字そのものから、何か買い占めみたいなことが行なわれ得るかということに対しましては、それだけではそういう事態にはならない。そういう御趣旨かどうかわかりませんが、確かに、当時の状況は——現在まででございますが、需給が約六万トンで、生産と需要の間に、数字にアンバランスが出た。そのうち三万トンは政府でいま放出しております。残りの三万トンは輸入の手当てをいたしまして、その需給のつじつまを合わせるということをやっておるわけであります。そういう三万トン以内のアンバランスがある場合に、その八百トンがどれだけの影響があるだろうかと、こういうふうに御理解をいただけばわかりやすいのではなかろうかと思います。
  185. 林百郎

    ○林(百)委員 ことしは米の生産が——ことしと、いっても暦年度でいたします。米の生産の年度というのはなかなかむずかしいから、常識的に暦年度でやりますが、昨年が六十万トンなのに、ことしが五十三万トン、自主流通が、昨年は二十万トン、ことしは十三万トン、自家飯米が二十万トン、だから、ことしは昨年より自主流通に乗ってきておる。モチ米が、自主流通に乗っている米が約七万トン少ない。こういう数字をわれわれは聞いております。  それから、三万トン米を外国から輸入するという手当てをしているというときに、モチ米を買い占めている。しかも、それは、東京あられというようなものを中心とした菓子だとか、あられだとか、こういうものの原材料になるわけですね。これが食ぜんに乗る米ならば、全体量から言えば、わずかかもしれないが、ことしのモチ米の実情から言って、そういうもので影響してこないと言えますか。それから、外国から輸入の手配もしなければならないという状態のもとで、しかも、そのモチ米が国民生活の中における、菓子だとか、あるいはあられだとか、米を材料にしてつくるものというときに、八百トンもの買い占め、まあ、新聞によれば数千トンということで、これはインタロゲーションのマークがついていますが、そうなれば、一そう大きく影響を及ぼすわけなんですけれども、これはどうですか。影響がないと言い切れますか。それとも、国民生活には相当の影響を及ぼすことになる、だから食糧庁としても告発したのだ、ということになるわけですか。
  186. 森整治

    ○森説明員 正確に数字を申し上げますと、われわれが考えておりますところの、まあ、先生の表現によれば四十七米穀年度ですが、その生産が、五十九万六千トン、これに対しまして、自主流通が十八万六千トンでございます。四十八米穀年度、いわゆることしでございますが、その生産は五十七万トンという推計を立てております。これに対しまして、自主流通が十三万三千トンでございますから、五万三千トンがショートしておるということで、そのうち三万トンは政府の在庫ですでに売り払っております。あと、輸入の手当てをいろいろしておる。こういうことでございます。  そこで、御指摘の主食ということでございますが、このうち、通常では大体七万トン、ことしは大体五万トンの予定を自主流通の中で立てております。ですから、全体としますと大体そういう数字になります。  それから、もう一つ、御承知のように、年末に、そのうちの約八割は正月のおもちとして消化されるわけでございます。実は、政府のほうも、そのほうばかり気をとられておりまして、それの相場をあまり上げないということでいろいろ操作をしておりまして、それが終わったあと、実は、いろいろ価格が上がり出したという経過があるわけでございます。したがいまして、主食そのものがどうかということになれば、卒業のお祝いに赤飯をたきますとか、そういうものに使われる程度で、一応年間を通じますと、端境期までのものとしましては、そういう正月のおもち用の需要を満たした残りの分ということになるわけであります。ですけれども、その場合に、やはり、米菓業者等のそういう必要で原材料として渡せるものが、現在の端境期になりますと不足しておるという認識を持っております。
  187. 林百郎

    ○林(百)委員 ちょっと実情をお聞きしたいのですが、モチ米の値段ですね。これは四十七年度でいいのですが、当初と今日とではどういうように値が上がってきているのですか。
  188. 森整治

    ○森説明員 ただいま、自主流通米の価格としましては、一万三千円程度……。
  189. 林百郎

    ○林(百)委員 今日、一年の間にどのくらい上がったのですか。
  190. 森整治

    ○森説明員 四十七年の数字で申し上げますと、これは水もち、水稲のもちで申し上げますが、六月ごろから一万三百五十円ということで、これは日経の、いわゆる自由米相場といわれておるものでございますが、それが一月に一万一千百円、二月に一万三千五百円という程度の価格の上昇があり、その後、三月も大体同じような、この程度の水準かというふうに承知しております。自主流通米の価格は、いま一万一千三百円程度と承知しております。
  191. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで、警察にお聞きしますが、警察が言わなくても、食糧庁がちゃんとこういうふうに言っているわけです。食糧庁は食糧庁として、専門の立場からこれはおかしいということを言っているわけですよ。先ほど、丸紅がどうも関係しているらしいと考えられたのは、これは森さん、福島にあったのですか、これはどこでしたか、北海道ですか。
  192. 森整治

    ○森説明員 茨城でございます。
  193. 林百郎

    ○林(百)委員 茨城ですね。新聞で見ますと、茨城県の主要食糧集荷指定商業協同組合の倉庫に三百四十四トン丸紅で保管されていた。これがどうも怪しいというように食糧庁では考えたと言われております。  そこで、警察にお聞きしますが、この告発状を受け取ったことは間違いないでしょうな。
  194. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 告発状は、先ほど食糧庁から御説明があったように、北海道の分は三月十四日、茨城県の分は三月十七日、福島の分は三月十五日に、それぞれ受理しております。
  195. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで、告発には、丸紅の名前は出てくるのですか、出てこないのですか。新聞を見ると、悪質な業者として、八件六業者を告発したのだけれども、そのほとんどに丸紅が関係しているということがわかってきたというように言っています。もし、丸紅という名前は、捜査中だから、林さんそこはかんべん願いたいというにしても、この八件六業者だけでおさまるのですか。その背後に資本が動いているのですか、いないのですか。
  196. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 告発は、告発状が出ておりますので、詳細申し上げてもいいのですが、長ったらしゅうございますが、申し上げますと、北海道の分は、違反物資の所在地が石狩郡当別町の辻野倉庫というところにあります。
  197. 林百郎

    ○林(百)委員 何トンか、言ってください。
  198. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 数量が三百九トンでございます。被告発人は、要するに現在その名義になっておる人は、東京都あられ工業協同組合の人が名義人になっております。それから茨城の分は、これもそれぞれ申し上げてもいいのですが、何カ所かに分かれておりまして、合計が、茨城県の分は、トン数で言いますと——それでは詳細申し上げます。時間がかかりますが、水戸市の茨城県主要食糧集荷指定商業協同組合、茨集と俗称されますところの水戸倉庫、そこに、ただいま申し上げました東京都あられ工業協同組合名義のものが百八十トン、それから、東京都の金剛堂製菓会社の名義のものが四十四トン、それから新潟の、栗山という米菓をこしらえるところのものが三十トン、長岡市の上信製菓というところの名義になっておるのが三十トン、それから新潟の小千谷でございますが、新野製菓の名義になっておるのが六十トン。同じく茨城県水戸市の日通の下市倉庫というところに九トン、これは茨城県の谷口商店の名義になっております。それから、水戸市の日通水戸倉庫、そこに三十九トン、それから、同じく茨城県結城市の日通結城倉庫に三十九トン、それから、行方郡の麻生町というところの谷口商店の倉庫に二トン、それだけが谷口名義で持たれておる。それから、福島には、福島市の日通の倉庫に、やはり谷口商店の名義で七十三トンあるということで、それぞれの名義人を被告発人として告発状が出ております。ところが、さっき食糧庁からお話がありましたように、これが名義人であるが、はたしてほんとうの所有者であるかどうか、あるいは、だれかほかの人の名義になっておるか、食糧庁のお話では、丸紅が背後にあるということであるが、私どもも風評ではそういうことを聞いておりますが、はたして丸紅のものであるかどうか、そうすると、いつ丸紅がこういう名義人に切りかえたのか、あるいは丸紅が、先ほどもお尋ねがあったように、どういう集荷方法でやったのか、あるいは丸紅が関係しておるとしても、融資をしてやったのか、あるいはその商社の行為としてやったのか、といったようなことを詳細に詰めてまいらなければならぬというのがただいま私どものやっておる仕事でございます。ところが、この過程において関係人をずいぶん呼んで聞いておりますが、それぞれ実情も違うようでありますし、商社との関連において、本人の言い分も、正直に言うような人もありまして、いろいろ問題がございまして、真実がなかなか把握できないというのがいまの真相でございます。そこで、警察としては、大臣もさっきお答えになったように、厳正に真相を明らかにしたいという努力をしておるのでございまして、その中で、何のたれべえがどういうことを言っておる、何のたれべえがどういうことをやったということをただいまの時点で申し上げるのは、捜査中だから差し控えさしていただきたいというのが私どものお答えでございます。
  199. 林百郎

    ○林(百)委員 このモチ米の買い占めの主要場所になっている茨城にある米の背後に丸紅がどうもあるらしいということを、食糧庁も感じ取っているということも言っているわけなんですから、そうすれば、警察としても当然丸紅に対しても捜査の手を伸ばさなければならないと思いますが、この点はどうですか。当然捜査の手は伸ばすんでしょうね。資本金が大きいからということで、まさかたじろぐようなことはないと思いますが、その点はいかがですか。
  200. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 先ほど来お答えしておるように、告発を受理しまして、警察としては、食管法九条違反であると罰則もあるということでございますから、この真実を明らかにするのが警察の責務でございまして、そのためには、あらゆる障害を排除して真相を明らかにしたいという努力はやっております。
  201. 林百郎

    ○林(百)委員 時間もありませんので、もう一つ質問して、これで終わりますが、実は、東京あられ名義で、実際は丸紅が買い取っておる。委任状は三月二日付。問題になってから委任状を取り出した。それを昨年の十月ごろにさかのぼらしている。十月に取った委任状を三月二日付にするか、あるいは、三月二日に取った委任状を十月にさかのぼらしたか、その辺は捜査のあれですから、私も詳しいことは聞きませんが、こういう委任状を書きかえているという事実がある。それから一方、東京あられに対して丸紅の領収書が出ている。こういう事実もはっきり私たちは聞いております。したがって、東京あられというのは単なるロボットというか、名義人にすぎなくて、背後は丸紅の資本が動いている。こういうように、少なくともわが党の捜査によれば、この点は非常に確率が高い。したがって、わが党の捜査が正確か、警察の捜査が正確かは、今後事実が証明すると思いますが、こういう点に抜かりがないようにやるかどうか。  それから、食糧庁にお聞きしますが、東京あられからかりに委任状を取って、丸紅が買い取るということはできるのかできないのか。それも、未検査米ならば、さっきのお話だったらできないように思うのですが、その辺はどうですか。この二つを警察庁と食糧庁に聞いて、私の質問を終わります。
  202. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 いま先生が具体的な事実をあげてお尋ねでございますが、警察としても、これは職権でもって捜査をする立場にございますので、捜査の過程で、いまの御指摘に類似したいろいろなことが判明しておりますから、そういうものを整理いたしまして、そうして関係者の責任を明らかにする。それで、特に今回の事件というのは、一連の流通過程を明らかにして、末端の実需の必要のために買い占めた、買ったというようなものよりは、中間において流通秩序を乱す悪質な行為をしたというところをつかまえて、食管法の精神に照らして措置をするというのがわれわれの責務だというふうに考えております。
  203. 森整治

    ○森説明員 委任の件でございますが、自主流通米の制度につきまして、委任買い付け代行という形で、それが酒米とモチ米について行なわれる。現に行なわれております。酒米については三割、モチ米については一割、これは先生御承知のように、民法上委任をするわけでございますが、このことまでわれわれは問題にしておりません。ただ、自主流通米以外の世界について、だれが何をするかということはすべて違法でございまして、別に委任があろうとなかろうと、それは関係ない、このように考えております。
  204. 林百郎

    ○林(百)委員 今度は委員長に希望しておきますが、捜査中のことですから、捜査当局もいろいろ微に入り細をうがっての答弁もできないだろうし、こちらもだいぶ遠慮しましたので、この問題は、当委員会は一つの主管の委員会でありますから、いずれまた質問する機会を与えていただきたい。こういうことを委員長に要望して、私のきょうの質問を終わります。
  205. 上村千一郎

  206. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、いままでの議論、やりとりでいろいろと明快に問題点が出てまいりましたが、そこで、私は、二月二十三日にこの問題をもうすでに提起してありますが、大臣は大手商社というものをどう考えているかということをまずお聞きしたいと思うのです。  私の質問に対して、その一番最後に大臣がこうお答えしております。「大手商社というものの自覚にまっている。これを期待するのは、日本の商人道というものには、明治以来、士魂商才といいまして、伝統があるのですよ。いま士魂商才はいずこに行ったか、まことに慨嘆にたえないわけでございまして、私は、この日本人すべてが、戦争に負けたからといって、日本人の美しい民族の魂まで失ったか、これを慨嘆しながら申し上げたわけでございまして、少なくとも大手と名のつく上場会社は、士魂商才の親戚ぐらいではあってもらいたい、こう思います。」と結論で申しておるわけでありますが、これはまことに大きな包容力の中から大臣が申したと思うのでございます。大臣が「士魂商才の親戚ぐらいではあってもらいたい」と言った丸紅飯田も大手商社のようでございますが、こういう大臣の期待にそむいて——大臣の期待にそむいてというよりも、国民の生活に背を向けて、物価騰貴やすべての経済の機構を破壊していくようなことに対しては、私は断じて許せない。この問題について、大臣は、これらの大手業者に対して、まず何らかの警告を発せなければならぬ段階に来ていると思うのですが、まず御見解を承りたいのであります。
  207. 江崎真澄

    江崎国務大臣 日本は経済大国ですし、その経済大国を代表して諸外国と取引をする、それが大手商社なんです。だから、いま速記録をお読み上げになったように、大手商社というものは、やはり日本を代表する商社であるというプライドを持たなければならぬ。それが、かりそめにも——モチ米はいまや主食ではないかもしれません。モチ米はいまや正月用であったり、米菓用であったり、あるいは趣味、趣向に属する米かもしれませんが、かりそめにもこれに手をつけて、そして思惑に参画しておる。これはもってのほかだと思うのです。これも、小川委員が御質問になるちょうど二十日か約一カ月近く前に、私自身も、警告の意味を含めて、そういう確たるうわさに基づいて、大手商社が米などに買出動しておることはきわめて遺憾であるということを述べ、もし違法行為があればびしびし取り締まらなければならぬということを言ったのですが、これは、少なくとも警察の立場としては軽々に言える発言ではなかったわけであります。しかし、いかに自由経済下とはいいながら、少なくとも、まだ食管法が残っておる。しかも、それが、国民の主食が一つの投機対象になりかねまじき傾向にある。これを憂慮しての私自身の発言になり、また、その後あなたの御質問になったわけでありますが、警告は、もともとこれは、私ども警察側の警告というより、それぞれ関係省庁の警告、この場合で申しまするならば食糧庁、また、大手商社に直接関係する役所というならば通産省、これなどの行政指導が望ましいわけでございまして、通産省においても、このモチ米等をはじめ、大豆であるとか、木材であるとか、セメントであるとか、そういった各種の資材を対象にして、幾たびとなくすでに警告を発し、また、実情調査しておられる、こういうふうに承知いたしております。
  208. 小川新一郎

    小川(新)委員 こういうように丸紅というような特定な商社の名前が出た以上は、それに対してはどう思いますか。
  209. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは、厳正に捜査を続ける、そして、何らかの結論を得る、こういうふうに考えております。
  210. 小川新一郎

    小川(新)委員 その場合、何らかの厳正な処置を講ずる前に、社会的、道義的不安に対して警告を発しますか。
  211. 江崎真澄

    江崎国務大臣 この警告の問題は、私がいまも申し上げましたように、通産省、食糧庁などが言う、いわゆる道義的責任を問うということ、これはやはり当然責任が問われるべきだと思うのです。日本を代表する商社である以上、その商社は、何をやってもいいなんというものじゃありませんし、金もうけのためには手段を選ばず——何か、週刊誌等にもそういうような発言があったようですが、これはまあ、相手がほんとうに言ったのか、記事がそういうふうになったのかわかりませんが、少なくとも、そういうことによって一波万波を呼ぶように国民的不安を醸成する、また疑惑を持たせるということであるならば、これは厳正に取り締まっていくのが警察の立場であると考えます。
  212. 小川新一郎

    小川(新)委員 通産省の方が時間の関係で行かれるそうですから、通産省にお尋ねいたします。  通産省は、四月の三日に、商社の首脳部に呼びかけ、何らかの警告を発したと言われておりますが、その中身は何なのか、また、商社による米の買い占めが問題になっておりますが、この米の買い占めに対しても警告を発しているのか、行政指導の効果はどのくらい期待できるのか、また、行政指導の限界についてはどのように考えているのか、この三点についてお尋ねします。
  213. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 お答えいたします。  私どもの調査は、三月十三日から十五日にかけまして三日間、書面調査及びヒアリング調査を行ないました。対象商社は三菱商事、三井物産、丸紅、伊藤忠、住友商事、日商岩井、六社でございます。  対象事項につきましては、商品としまして、羊毛、毛糸、綿花、綿糸それから大豆、木材及び生糸でございまして、私どものほうが生産を所管します羊毛等四品目は当然のことでございますが、大豆、木材、生糸につきましては、生産そのものは農林省さんの所管でございますけれども、私ども、輸入を所管しているという見地から、輸入のウエートの高い、しかも、かつ、大手商社の取り扱いのウエートが高い品目として、輸入に重点を置いて調査をいたしたわけでございます。したがいまして、米の輸入はほとんどございませんし、したがって、大手商社の輸入面での取り扱いは非常に少のうございますので、今回の私どもの対象から米そのものは一応はずしております。  調査の結果につきまして、大手六社の代表者及び日本貿易会の代表者の方に当省においでいただきまして、四月三日に、当省の山下企業局長が、大臣の命を受けまして、次のような発言を行なっております。私どもの調査では、商社の段階で明白な買い占め及び売り惜しみが行なわれたと断定できるものはございませんが、羊毛、毛糸、綿糸及び生糸につきまして、買い占め、少なくとも買い急ぎが行なわれたという事実をつかんでいる。さらには、商品取引所におきまして、これらの品目につきまして相当の投機が行なわれた疑いもある。さらには、ほとんどの物資に共通して言えることですが、商社以下の段階でも、問屋等、いろいろな仮需要が発生して、思惑的な行為がかなり末端にまで及んでおる。こういう調査の結果を申し上げまして、当省としては、第一に、今後さらに継続して調査を各流通段階にまたがって行なっていくということなので、ぜひ全面的な協力をお願いしたい。第二に、商社につきまして、その影響するところきわめて大でありますので、社会的な責任を自覚してほしい。第三には、過当投機問題に対する行動基準、行動、ビヘービア、さらには、当省と商社の幹部との間に商社懇談会を設けまして、常時情報を交換して、実情の把握を継続していく。さらには、商社も、その企業責任を自覚して、需給がタイトになっている物資につきましては、むしろ商社が、その安定かつ低廉な供給に寄与するような体制を早急に検討してほしい等々の対策につきまして全面的な協力をお願いしたい。以上三点につきまして強く要請したわけでございます。  先生の御質問の、第三点の、われわれのこの調査及び対策につきまして、行政上どのような効果が期待できるかという御質問につきましては、御案内のように、私どもは法律的な権限は持っておりません。今回の調査も、あくまで商社の協力を得ての任意調査でございまして、したがいまして、立ち入り検査等は当然行なっておりませんが、われわれとしては、いろいろなデータを正確に分析したつもりでございます。したがいまして、私どものただいま申し上げました対策をきめこまかく実施していくことで相当の効果が期待できると考えております。  なお、今国会におきまして御審議をお願いしておりますいわゆる買い占め等防止法案成立の暁には、かかる調査が非常にやりやすくなるものと考えております。
  214. 小川新一郎

    小川(新)委員 あなたが行かれる前にちょっとお尋ねしたいんですが、生糸とか、羊毛とか、こういうものの倉庫をチェックされたことはいま発表になりましたが、そうすると、いまちまたでうわさされているところの、洋服が値上がりするとか、ガーゼがなくなったとか、そういうことについては、いまの状態で国民が不安にならなくともいいということですか。確かに、任意の状態であったけれども、倉庫をチェックし、検査した、いろいろ投機的に行なわれたものがあった、そう理解して、われわれが何も不安にならなくともいい、また、値上がりを心配して買い急ぐようなことがあってはならない、こう判断してよろしいものなんでしょうか。
  215. 棚橋祐治

    ○棚橋説明員 私ども、申し上げましたように、立ち入り検査まではいたしませんでしたが、いろいろな調査の結果、たとえば羊毛につきましては、前年の羊毛の需要が、これは全量輸入しておるわけでございますが、二百四十万俵、本年は少しふえましても二百六十万俵程度であろうかと思いますが、商社、これは大手六社ではなくて、大手六社を通じましての全体の数字を想定いたしますと、約三百万俵が手当て済みである、このように信ずるに足りるデータを把握しているわけでございます。したがいまして、言うなれば、需給関係で羊毛の不足がうわさされておりますけれども、これは事実ではないということを、羊毛一つ例にとりましたけれども、同時に発表いたしまして、こうした情報提供をきめこまかく消費者の方々に提供し、そうした需給面からの不安を取り除いていきたい、このように考えております。
  216. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、これは大事なことですね。いま世界的に羊毛が足りないのだ、だからいますべての羊毛製品が値上がりしていくのだということで、原産地の生産の不足が原因であると理解している方もたくさんいる。ところが、現在、こういう任意の立場で調査しただけでも、国民が要求するだけの数量というものが大手商社に握られているということがチェックされた。これは重大な問題じゃないですか。これを放出させて、すみやかにいまの国民の生活不安というものを取り除く必要があると思います。  いま大臣がちょっと中座している間に、重大な発言が行なわれておったわけですが、この問題は、いま再度聞きましたからわかると思うのですが、その点はあとで大臣にお答えいただくとして、あなたは時間がないのでしょう。けっこうでございます。中座してください。大臣、その問題はあとにします。  それから、食糧庁ですね。三井物産が、宮城県で、飯米を、ササニシキの四割を押えたといううわさがありますが、事実ですか。
  217. 森整治

    ○森説明員 私どもの調査では、そういう事実は全然聞いておりません。また、調査でも出てきておりません。
  218. 小川新一郎

    小川(新)委員 三菱商事が、山形県のほぼ全域の酒米を手にしたといううわさがありますが、これはどうですか。
  219. 森整治

    ○森説明員 そういうお話も聞いておりませんし、また、調査でも出てきておりません。
  220. 小川新一郎

    小川(新)委員 茨城県のモチ米農林二六号など、丸紅が相当数握ったといううわさ、これはどうでございますか。
  221. 森整治

    ○森説明員 そういう具体的なお話も——具体的といいますか、そういうお話は聞いておりません。
  222. 小川新一郎

    小川(新)委員 次に、伊藤忠が、平均して全国の米に進出してきたといううわさがある。これはどうですか。
  223. 森整治

    ○森説明員 全部知らないということになるわけですけれども、たとえば昨年、伊藤忠が、ウルチのお米につきまして、三越を通じて販売をいたしまして、それに一時問題がありまして、われわれで注意したということはございますけれども、全国的にどうこうという話は聞いておりません。
  224. 小川新一郎

    小川(新)委員 私がいま述べたのは、全部うわさ話ですか。
  225. 森整治

    ○森説明員 うわさといいますか、私ども、そういう、いま名前があがったところが全然お米を扱っていないというふうには考えておりませんけれども、先生が御指摘になりました一つ一つに正確にお答えをいたしますと、いま一つ一つの御質問に対してお答えしたとおりでございます。
  226. 小川新一郎

    小川(新)委員 では、その次にもう一つお尋ねします。  食糧庁の現職の役人で、引き抜きがあって、大手商社の常務とか、専務または相当の幹部になっている人の名前をあげてください。
  227. 森整治

    ○森説明員 三菱に、東京の所長をしておりました加藤さんという方が嘱託で入っております。それから武井さんという方が、これは宮城の所長でございますが、三井物産農産販売という会社に常務で入っております。宮沢さんという新潟の所長さんが、同じ会社に、参与という形で、いずれも四十六年でございますが、入っております。それから田中という人が、福井の所長をしておりましたが、四十七年に、丸紅に嘱託で入っております。  以上でございます。
  228. 小川新一郎

    小川(新)委員 そのほかはございませんね。
  229. 森整治

    ○森説明員 範囲でございますけれども、たとえば食糧事務所の、いろいろな出張所だとか、支所ですとか、そういう関係でたくさんおりますけれども、その卒業生がそういう商社関係にどの程度入っておるかということは、若干はあろうかと思いますが、そうたいした数はないというふうに承知しております。
  230. 小川新一郎

    小川(新)委員 たとえば、いまあなたが発表した中で漏れている一つの例として、栃木食糧事務所の北村所長、これがやはり米の大手商社に引き抜かれておりますね。だから、あなたがおっしゃったことが必ずしも正確だとは私は認められないのですけれども、あとで正確な資料提出していただきたい。いますぐということは、ここで急に言われたのですから無理なことだと思いますが、天下りの問題だけでなくて、これは現職が引き抜かれているところに問題がある。私が言っているのは、卒業してから天下って行かれたというのではなくて、現にまだつとめる期間がありながら、大手商社に引き抜かれているというところに問題が出てきている。  このようなモチ米の買い占め事件、そして、いま告発されているような問題が起きてくる背景という問題についてお尋ねをしたいのですが、一体、なぜこういう問題が最近になって起きてきたのですか。これはやはり食管法に抵触してくるわけですね。こういう問題が国民の不安を助長する一つの例として示されたわけですが、大臣、この問題についてはどういう御所見をお持ちでございましょうか。ちょっと大きな政治問題でございますので、教えていただきたい。
  231. 江崎真澄

    江崎国務大臣 前段の天下りの問題につきましては、これは予算委員会等でもよく問題になりましたが、食糧庁の場合ばかりでなくて、これは各省ともに定年が早く来る、二度のつとめをしなければならないというようなことで、幹部のごく小部分は二カ年間関係のところには行かないということになっておりますが、事実上、第二の人生をどうするかということで、そういった就職の問題等々とからみ合わせて深刻に考え、解決をしなければならぬ問題であるというふうに思っております。  それから、後段のお示しについては、やはり、過剰流動性資金が豊富であるということ、それから、一つには、世界的にインフレの傾向があり、日本もインフレである、いやそうではないという議論がしきりに行なわれておりますが、いずれにしろ、世界的なインフレが一つの背景になっての換物思想がこういう商社等々にもあるということが言えると思います。しかし、日本の場合、これは特に厳に取り締まりをしていかなければならないということで、過剰流動性を制約する法律の御審議をいまわずらわしておるわけでありまするが、さっき、通産省側からの羊毛原料の指摘にもありましたように、便乗値上げということも現実にあるようですから、こういうことにも関係行政庁がよくよくきめこまかに対策をしてもらうことが必要である。そのために、先ほどあわせてあとからお尋ねがあるということでしたが、ついでながらに申し上げるならば、田中総理も、通産大臣とか、経企長官とか、あるいは農林大臣に、それぞれの倉庫とか市場とか、そういうところへどんどん果敢にみずから出かけていって、事情を調査するとともに、そういう倉庫等の実情もしっかり把握すべきである、同時にまた、原材料としての羊毛原料なり、あるいは大豆なり、木材なりというものが現にそれぞれの場所にあるというのであるならば、マスコミが発達した日本であるから、それぞれのマスコミの上に具体的にそれを述べて、国民に早く知らせるべきであると、こういうことを言われております。私も全く同感だと思います。私の担当ではありませんが、先ごろ来、警察側も取り締まりなどをいたしておりまするが、たとえば、あの大豆の場合を考えてみましても、一俵六千円ぐらいのものが、一番高いときには一万五千円くらいになったわけです。幸い、いまは七、八千円程度だということをいま農林省の諸君から承ったわけでありますが、これなども、とうふ屋に聞いてみますと、大体一俵で八百丁とれるというのです。ごく巧みな人はそこから九百丁ないし一千丁とる人もないわけではない。ですから、そういう特殊な場合を除きましても、八百丁としても、五円値上げすれば四千円カバーできる。十円上げれば八千円カバーできるのですね。それを、原材料が不足した、一部には買い占めも行なわれておる、先行き高いぞということになりますと、便乗して三十円も四十円も上げてしまう。この辺の消息がもう少し的確にマスコミに報道されていったならば、消費者としてももっと便利であろう。これは、われわれ政府側としても、十分そのあたりに意を用いて、きめこまかく吹聴したり、報道機関に説明したりする必要があろうかというふうに反省をいたしておる次第でございます。今後は、その反省の線にのっとって、ぜひ実行をしていきたいと思っております。
  232. 小川新一郎

    小川(新)委員 時間が参りましたから、これで終わらせていただきますが、こういう商社の問題または大手メーカーの独占的な問題については、国民としてはどういう抵抗をしたらいいのだろうか。いま、アメリカで、牛肉が高い、不買運動で、一主婦が火の手を起こして、きょうで四日も五日も肉を食べない、食べていたのは大統領だけだなんという話がありますけれども、そういう問題が出てきますが、いま通産省にお聞きしたところでは、羊毛などというのは、まだまだ高くなるという要素は全然なくて、よけいにあったということがきょうはっきりしたわけです。そうしますと、通産省は、この間、そういう問題については、国民の抵抗として不買をさせろということを言っているけれども、お米なんかは不買をするわけにはいかない。われわれは買わないわけにいかない。そこで、そういう国民のささやかな抵抗というものは、この際一番最大限にできる問題としては、一体何が効果的なのか、そして、そのことは、もしもそれが効果的である問題であるならば、政府は応援してあげるべきではないか、こういう立場に立って、私は、この話の締めくくりをしたいのでございますが、最後に、その点について大臣にお尋ねしたいのでございます。  また、牛肉の輸入肉についても、不明朗な点が多々あるし、これらが次から次と、月を追っていろいろな問題が出てくるようなことがあれば、それこそ、先ほど大臣が言われたように、日本列島は士魂商才いずこに行ったのかと、またまた慨嘆せざるを得ない。慨嘆しているうちはいいですけれども、いよいよ資源が枯渇してきて、いろいろな問題が出てきて、二十一世紀に向かっての大きな一つの不安が、国民の若い人たちの中に盛り上がってくること自体のほうがおそろしい。私は、そういう政治問題として、こういった問題をいま提起しておりますが、最後に、国民のささやかな運動としての考え方、また、いま言ったような不買運動が起きたときには、政府としてはどの程度支援できるのかということ、この点をお尋ねいたしまして、時間が参りましたからやめさせていただきます。
  233. 江崎真澄

    江崎国務大臣 非常に重要な御提言だと思います。政府としましては、先ほど申し上げましたように、繰り返しませんが、できるだけすみやかに実情を国民に知らせること、これが一番大事なことだと思うのです。そして、行政庁は十分監督をする。自分の先輩がどういう地位にあろうと、そういうことと問題の当否とは別であります。また、法に触れておるに至っては、これは論外でありますから、少なくとも、国民の側に立って、関係行政庁は十分その指導性を発揮して、行政措置をとっていく、これは大事なことだと思います。  それからもう一つは、いま、不買運動などはどういうふうにしたらいいかということですが、これは私もにわかに思いつきませんが、たとえば、消費者米価を上げるというときには、新聞等をはじめ主婦連等、いろいろな団体が非常に問題にして、これに抵抗をせられるわけです。もしそうであるなら、標準米の行くえは一体どうなっておるか、また、自由米と比べたときに味わいはどうなのか、これを消費者の立場からきめこまかにどんどんおやりになり、そういうことについて、関係行政庁は協力する立場に立って、そういう試食会や検査会というようなものは御案内しますくらいに、食糧庁などが先頭に立っていくということになりますと、もう少し地についた消費者側の便宜供与ができるのではないかというふうに思います。今後、いろいろまたいいお知恵がありましたら、たまたま私も閣僚をいたしておりますので、率直な御意見を承りたいと思いますし、私どもも、そういう配慮を絶えず十分いたしてまいりたいと思っております。
  234. 小川新一郎

    小川(新)委員 それでは、閣僚会議で、田中総理以下全閣僚のいるところで、ただいま申し上げたようなことを大臣はおっしゃっていただけますか。そして、その問題を、具体的に取り上げる問題として、私はきょう要望して終わりますが、それだけちょっとお願いします。
  235. 江崎真澄

    江崎国務大臣 わかりました。こういう問題については、閣議のたびに、いつもいろいろと相談をいたしております。新聞などでは、今様黄門をきめ込むなどと言っているようですが、この間、通産大臣や小坂経済企画庁長官が、それぞれの担当場所を歩いたようでございますが、かりそめにもこういう問題で国民が不利にならないように、なお十分努力をしてもらいたいと思います。(「江崎さん、どこを歩いた。米の倉庫を歩かないとだめだよ」と呼ぶ者あり)これは、おいおいひとつ実行していきたいと思います。
  236. 上村千一郎

  237. 折小野良一

    ○折小野委員 もういろいろと質問もございましたので、簡単に二、三の点についてお伺いをいたします。  現在、米が問題になっておりますが、最近のいろいろな商品投機の情勢を見ますと、国際的な背景があるものがいろいろとあるわけでございます。たとえば、大豆において、アメリカでできが悪かった。そういうようなことが日本の大豆に影響する。それで、食糧庁の方にまずちょっとお聞きしたいと思うのですが、米につきまして、諸外国の米の生産、その需給関係、あるいは米の国際価格の動向、こういう面がわかっておりましたら、ひとつお知らせ願いたいと思います。
  238. 森整治

    ○森説明員 お米につきましては、タイ、ビルマが大体輸出力を持っておりましたが、最近は、東南アジア等の干ばつで、たとえばタイにいたしましても、大体年間二百万トンの米の輸出力が、大体百万トン台に落ちてしまったということがございます。それから、輸入国の方面において、バングラデシュとかインドネシアも相当不作というようなことですし、韓国、フィリピン等の需要が非常に増大しておりまして、ことしの需給は相当悪くなっております。そこで、価格でございますが、お米は約七、八割程度国際価格が上昇をしております。そういうようなことでございますが、ただ、この問題は、去年の天候が非常に異常であったということから、国際的に、米だけでなしに、麦につきましても、その他トウモロコシ等、全般の穀物につきまして、非常に需給がタイトになったということでございます。大体ことしの端境期まではこの状況が続きまして、ニュークロップが出てまいります時期にもう一回あらためて判断をし直さないといけない事情でありまして、価格につきましては、いま申し上げましたように、大体、高いもので七割から八割、低いので三、四割という価格の動きになっております。
  239. 折小野良一

    ○折小野委員 その、国際的な動向の日本に対する影響でございますけれども、米は、需給度がわりあい高い。大豆とか、その他に比べますと、格段の相違がございます。それから、私どもが承知しておるところでは、価格におきましても、日本の米の価格は、国際価格より非常に高い。こういうことでございますから、それが直ちにいまの米の投機の問題に影響してくるというふうには考えません。当面、先ほど御説明のあった六万トンのアンバランスの中の一部を輸入して、手当てをしておるというふうにおっしゃいましたが、この秋までの間、そのような予想される緊急の手配には支障はないか。その点についてはどういうふうにお考えになりますか。
  240. 森整治

    ○森説明員 ただいま、一万五千トンのうちの四千トン入港をいたしておりまして、それを直ちに売却をいたす。残りのものについての契約は、要するに、早く日本に持ってくるということをはかっております。  申しおくれましたが、タイのモチ米でございますが、タイのバンコクに現物がございます。それから、そのほかにも、なお別に、中国の本土、大陸のほうからモチ米を入れたことはございませんけれども、オファーをしておりまして、好意的にいろいろ配慮をしてもらっておる状況にございます。  その他、アメリカ等につきましても交渉をしておりますが、端境期までに、不足分につきましては、大体手当てができるのではないかというふうに考えております。
  241. 折小野良一

    ○折小野委員 いまおっしゃったような手当てで、たとえば木材について言われておりますように、日本のそのような米に対する需要が、今度は逆に外国に対して非常に悪い影響を及ぼす、あるいは国際価格をそれがさらに引き上げる一つの引き金にもなってしまう、こういうような懸念はございませんか。
  242. 森整治

    ○森説明員 先生御指摘のとおり、その問題は非常に重要な問題でございまして、したがいまして、われわれも、その点につきましては、非常に、気を使い過ぎるほど気を使っております。のどから手が出るほどほしくても、その問題がございますので、いろいろ苦心をしながら買い付けを行なっておるという状況でございます。
  243. 折小野良一

    ○折小野委員 その問題はそれだけにいたしますが、先ほどから、いまの米の問題について、現在当面問題になっておるのが大体八百トンというような程度の数字があがっておるようですが、全国的な情勢をにらんで、この八百トン以外に、どの程度そのような状態の米がありそうか。見込みで、大体見当がつく数字がございましたら、お知らせをお願いいたします。
  244. 森整治

    ○森説明員 食糧庁がこの際調査いたしましたのは、まず最初に、主要生産県と消費県、東京、大阪等の営業倉庫、農業倉庫、その他工場の付属倉庫について、一斉に在庫調査をいたしました。その数量が、発見されました未検米が、先ほど申しました正規の流通以外に出ておると思われる米でございますが、約五千八百トンでございます。そのほか、二十七県につきまして、要するに全国ということでありますが、残りの県につきましても、指定倉庫を中心にいたしまして在庫調査をいたしておりますが、これは、数百トン程度の未検米の発見にとどまっております。この分につきましては、告発をしました残りのものにつきましては、非常にモチ米が払底しておるさなかでございますので、むしろ早くそれを使わせるということで、たくさん持っておるものにつきましては、公平に少し分けてもらう、それから、少ないものについては、そのまま使わせる、それから、卸が持っておりますものにつきましては、消費者に安く行くように、値上がり前の一月中旬の価格で小売りに売ってもらうというような措置で、早急に処分をいたさせておるところでございます。
  245. 折小野良一

    ○折小野委員 次に、警察庁にお伺いいたしますが、ただいま問題になっております食管法違反の問題、これについて、いまいろいろと捜査を進めておいでになって、そして、現在、報道されるところによりますと、大手商社の中の一つの丸紅というのが浮かび上がってきておる。捜査の段階におきまして、その他今後出てくるであろうもの、あるいは、こういうところもあるのじゃなかろうかというような見込みのものというのは、ほかにいろいろとお気づきになっている点があるわけですか。
  246. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 警察がただいま捜査しておるところのものについては、先ほど来いろいろお話がありましたところの、問題になっておる商社だけではないか。私どもが食糧庁からいろいろ聞いたり、あるいは私どもが米の業界の動きを調べたところによりますと、それぞれえてえてがございまして、モチ米についてはやっぱり特定のところ、あるいは主食についてはどこの会社というようなことになっておるようでございまして、いま、食糧庁でおやりになったモチ米を主にした調査では、そうたくさんの商社が出ておるというふうには承知いたしておりませんです。
  247. 折小野良一

    ○折小野委員 もちろん、捜査の段階でもございますし、個々の名前をあげるというようなことはできないだろうと思います。しかし、ただ単に、このモチ米の八百トン、個所にいたしまして、現在の一道二県ですか、それだけで事が終わりだ、それだけでもうほかはないんだというふうには、外部から私の見ているところではちょっと考えられないのです。捜査の段階でも、いろいろな情報をとったり、いろいろされておるだろうと思いますが、これに類するものはまだいろいろあるのだというふうな感触でございますか。もう大体これで終わりなんだという感触でございますか。
  248. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 私どもの捜査の立場と、食糧庁が食管法に基づいて調査なさる立場とはちょっと違いまして、食糧庁は、食管法に基づいての調査権をお持ちでございまして、倉庫の中に立ち入って調べる。私どものほうでは、刑事訴訟法に基づく捜査をする。その場合には、ただ米があるということのほかに、違反米があるのだということを踏まえて捜査をしなければならぬ。そこに幾らかズレがございますが、いままで、そうは申しますものの、食糧庁の告発がなしに、たとえば新潟でもそういう事例がありますし、山形でもございますが、いろいろと農協の中のもめごとがあったり、横領のようなものがあったりしたことを捜査のきっかけにして、この食管法違反というものを、従前とも検挙をしておりますが、今後もそういう態度で、告発の有無にかかわらずやるつもりでございます。  ただいま承知しておるところで、特定の商社の名前が浮かんでおるというものは、いま、現に、モチ米の場合以外にはございませんです。
  249. 折小野良一

    ○折小野委員 米につきましては、食管法というものがございますから、告発をして、そして警察権の発動が行なわれるということができるわけでございます。しかし、現在問題になっておりますいわゆる商品投機、その対象になっておりますその他の多くの品物につきましては、現在のところ、表面上いろいろ問題にはなっておりますが、警察権の発動というところまではいっていないのだと思います。ですから、これに対する立法というようなものが政治的な一つの問題になっておるわけでございますが、今回のこの問題は、いわば氷山の一角だというふうに考えます。そういうような意味におきましても、ひとつ徹底的に捜査をしていただきたい。そしてまた、これを契機として、その他の多くの商品投機に対しましても、国民という立場から、厳然たる態度をもって、国民の生活の不安を除くという体制をはっきり立てていかなければなるまいと思います。少なくも、現在の段階におきまして、米だけは、食管法がございますのでこういうふうにできるわけなんでありますが、その他の商品については何もできない。おそらく、国家公安委員長も腕をこまねいておられるだろうと思うのでございますが、そういう立場で、今度新しく国会で立法されようといたしております。  現在の米の問題その他の実情を見ました場合に、売り惜しみあるいは買いだめ、その行為自体を取り上げなければ、やはりほんとうの効果はあがらぬのじゃないかと私どもは考えます。まあ、国家公安委員長は田中内閣の閣僚でございますから、内閣が出した法案に別の考え方を述べるということはできないかと思いますが、こういう点につきまして、もう少し何とか徹底すべきじゃないかというふうに私どもは考えるんですが、個人的な立場でもけっこうですから、委員長のお考えを承りたいと思います。
  250. 江崎真澄

    江崎国務大臣 国民の生活必需物資を、値上がり待ちの、いわゆる投機対象にするということは、国家としての、国民の共同体という一つのたてまえから言っても、これは許せることではないと思うわけです。ただ、自由経済を基調にいたしておりまするから、どうしてもこれは、商社なり業者そのものの自覚にまつということなのですが、現実には、すでに買い占め、売り惜しみなどが起こっておる。しかし、今度出されておりまする取締法によりましても、相当この効果をあげ得ると思いますが、やはり、大商社などの場合は、新聞にこれが報道される。議論の対象になる。その商社が国民を無視した経済行為をしておるということになれば、少なくとも相当社会的な制裁は受けるわけでありまして、私どもは、自由経済のもと、商社そのもの、実業家そのものが自覚をし、十分反省をしてもらうことを期待するわけでありますが、しかし、また、法律などがありまするものについては、法律にかりそめにも違反したものは厳正に取り締まっていく、こういうことでなければならぬと思います。  しかし、いまの日本の実情から申しますると、まず、関係省庁の積極的な行政指導がなされること、そして、さっき小川委員の御質問にもお答えいたしましたように、国民の生活必需物資であればあるほど、その実態等々を刻々マスコミ等を通じて政府が真相を知らせていくこと、これなどは相当効果をあげ得るものと思っております。これは、大臣が直接倉庫に行くとかいうようなことも、もとより代表的な場面としては必要ですが、これは、関係省庁が熱意を持ってそのことをやろうということになれば、相当な効果をあげ得るというふうに思います。  罰則はその次でありまして、まず、お互い同士が自覚をし合うことが先決のように思いますし、特に、関係省庁の強い行政指導について、私どもは、今後、総理を中心にして大いに注意喚起をしてまいりたいというふうに思っております。
  251. 折小野良一

    ○折小野委員 行政指導ももちろん必要だと思います。そして、それは、あらゆる方法を講じてやられることは当然のことだと考えます。しかし、自由経済であるから、罰則を設けたり、あるいは刑罰を発動したり、というようなことはできるだけやりたくないというようなお考えでございますが、しかし、自由経済を守るためにこそ、そういう社会的な制裁というものをはっきり打ち出すべきである、それが法治国家だ、私どもはそういうふうに考えます。したがって、いろいろな行政指導で効果があげられれば、それは大いにけっこうなことですし、そういう手だては、あらゆる方法を講じていかなければなりません。しかし、それだけでなかなか事はおさまらない。いやしくも日本を代表する大手の商社、これらの方々が、米の買いだめとか、そういうものをやっていいんだなんて思っている人はいないはずです。それからまた、いま問題になっておりますようないろいろな商品について、これの買いだめだとか、売り惜しみをやっていいという考え方でやっている者は決していないはずであります。そういうような面に対して、ただ単にその反省を求めるとか、あるいはその自覚にまつということだけで、この社会的な多くの問題の解決はつかないんじゃなかろうか、それに対しましては、社会的な制裁をはっきり打ち出すということによって、社会を守る、あるいは、いまの自由経済なら自由経済を守るということが必要なんじゃなかろうかというふうに私どもは考えます。  そういう面からいたしまして、最近、この商品投機の問題についていろいろ報道がなされておりますが、しかし、そういうふうな報道がいろいろなされておりながら、いまなお、商品投機の実態というものがなくなったというふうには決して言われないわけであります。しかも、その報道しておるものは、たとえば今度、米の問題で丸紅が出た、それを大きく報道をしたということは、ただ単に食管法違反だから大きく取り上げたというわけじゃございません。これはやはり、こういうような生活必需品の関係の商品の投機というものが社会の敵であるというような立場から、こういう問題を大きく取り上げておるわけであります。そういう面からいたしますと、法制度の面からももっと整備をしていく必要がある。売り惜しみ、買いだめというような実態がありましたら、やはり、その事実というものをはっきり処罰の対象にしていくことが必要なことじゃないかと私どもは考えますが、ひとつ、もう一ぺん答えてください。
  252. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御指摘の点は、私どもも全く同感であります。したがいまして、どこの商社がどこにどれだけの国民の生活必需物資を思惑貯蔵しておるかということも公表もしたり、また、それの放出も勧請するという法律が一方で出されておるわけでありまするが、これなどについて、ここでいま私がいろいろ意見を差しはさむ余地は、政府の閣僚としてありませんが、国会審議の過程において、いろいろまた御論議の上で、こういうふうにしたほうがなお適切であるということになれば、御修正をなさるなり、あるいは、これは与野党合意でどのようにでもなるわけでございますから、御審議の場において大いに議論をしていただきたいと思います。  ここで私が士魂商才なんていう古いことばを持ち出しましたのも、実業家も、全部が全部そうでもありますまいが、もう少し自覚をしてもらいたいからで、これは、いま御指摘になるように、新聞等においても、国民の生活必需物資を思惑対象にしたということに対する憎しみがトップ記事になったり、大きな記事にもなるわけです。自由ということは、他人の自由を踏みにじって自由がないように、自由経済であるからといって、金がもうかればどんなことをしてもいいなどというのが自由経済では絶対ないはずでありますので、そのあたりを実業家自体に十分自覚をしてもらいたい。また、関係官庁においては、遠慮なく悪いものは悪いということで警告を発し、きびしい行政指導をしていくという方向が望ましいと思います。  また、いろいろな物資をめぐりまして、かつての戦中及び戦争直後のような暗い——何となく、警察がすべてを疑いの目で見るということ、善良な商社まで疑いの目で見てかかるということは、ここまで発展をしてまいりました日本の実情から申しましても、これは残念なことですし、決して前向きの政策ではなかろうというふうに思います。したがいまして、別途出した程度の法案になっておりまするが、今後ともこの推移を見守りまして、私どもも、法に違反したものはきびしく罰していく。しかし、違反しないものは、前段で申し上げましたような形でやる。どんなに法律を整備いたしましても、国民が自覚しない限り、この円滑な成果が期待されるとは思いません。したがって、なおなおひとつ努力をしてまいりたいと考えております。
  253. 折小野良一

    ○折小野委員 この問題は、非常に大きな問題のほんの一部分ではございますが、ひとつがんばっていただきたいと思います。  いままでの問題と全然別でございますが、一つだけちょっとお尋ねをしておきたいと思います。ついせんだって、埼玉県でございましたが、アルバイトの学生が暴行の容疑に問われまして、結局、それは、アリバイが発見されて、無実であったということがわかったわけでございますが、あの問題のその後の経過がわかっておりましたら、簡単でけっこうですから……。
  254. 小林朴

    小林説明員 捜査第一課長をいたしております小林でございます。  その後の経過につきまして御説明を申し上げたいと思います。  あの事件は、ああいうふうに、少女の証言によりまして、それで逮捕するというようなことになったわけでございますけれども、その犯行の時間の確定が非常にむずかしゅうございまして、御本人もやっぱり学校におられて、出られたというようなことがございまして、その結果、三月の七日になりまして、検事の指揮書によりまして釈放ということになったわけでございます。アリバイが一応成立したという形で釈放になってございます。  その後、御本人の希望によりまして、一応、刑事部長、地元の署長等が御本人の宅に参りまして、たいへん御迷惑をかけたということで陳謝をいたしました。同時に、御本人の出身校が学芸大学でございますけれども、そちらのほうにも参りまして、こういう事情で誤って逮捕したような結果になってしまったということで説明をいたしまして、学校のほうも御了承いただきました。  それで、現在は、御本人が希望されておる学校に御就職になっておるというような状況になってございます。
  255. 折小野良一

    ○折小野委員 事件のほうの経過はどうなりましたですか。はっきり解明されましたのですか。
  256. 小林朴

    小林説明員 事件のほうは、まだ解明いたしておりません。
  257. 折小野良一

    ○折小野委員 事件が解明をする、はっきり全貌がわかってくるということも、また一つの名誉回復にもつながってくることだろうと思いますから、こういう面も今後努力していただきたいと思います。  しかし、何といっても、将来ある青年の一生にとりまして、こういうことがあったということは、その人の将来にいろいろな形で大きな影響を与えるのじゃなかろうかというふうに考えております。いまの御答弁によりますと、関係者は、非常に誠意をもって了解を得られた、あるいは陳謝をされたということだと思いますが、制度的に、こういう場合の名誉回復の方法というものは何かございますか。
  258. 小林朴

    小林説明員 制度的には、被疑者補償規程というものがございまして、それに基づきまして——事件を送致いたしまして、送致後、起訴前に、それが間違いであった、明らかに御本人は犯罪を犯しておらないというようなことがわかった場合には、一応、この被疑者補償規程によりまして、これは法務省で管轄しておられることでございますけれども、補償をするというような形になっております。
  259. 折小野良一

    ○折小野委員 いずれにいたしましても、あのような事態が起こったことはたいへん遺憾なことでございますが、その名誉回復につきましては、あらゆる方法を講じていただきたいと思います。しかし、ただ単に、金銭的な方法とか、あるいは制度的な方法だけですべてが片づくわけのものでもございません。そういう面につきましては、十分な陳謝その他がなされたようにはお聞きいたしておりますが、そういうことが起こらないようにということを十分考慮していくことが今後の問題としても大切なことであろうというふうに考えております。そういう点につきましては、今後の行政の執行について十分配慮されるよう御要望申し上げて、私の質問を終わります。
  260. 上村千一郎

    上村委員長 次回は、明六日金曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十六分散会