○三谷
委員 七%ぐらいの補助額をふやしたところで、いまの
物価の問題などから見ますと、これは焼け石に水なんです。あなた、
地方政治の実態を御
承知になっているのか。七%や八%ふやしたところで、この矛盾は
解決しやしません。しかも、
自治省は、この改善計画によりまして、四十八年、四十九年で超過負担はなくなりますということを言っている。まことに天下太平です。そんな実態じゃありません。
時間がなくなってくるので、少しかけ足で申し上げておきますけれ
ども、養護老人ホームにしてもそうなんです。去年大阪府が建てました松風荘というのがありますが、あなた方の建築補助の
基本額は平米当たり四万九百八十円だった。ところが、これは平米当たり八万四千七百五十四円ついている。しかも、これは単価差だけでなしに、数量差もある。数量は、千五百八十平米だけを国は補助対象として
認めた。実際は二千二百八十一平米なんです。だから、これは、単価の面におきましても、数量の面におきましても大きく削ってしまっている。ですから、これはたてまえからいきますと国の補助率は半額になっているが、実際は一六%にすぎない。こういうことがまかり通っているということなんです。これは一体このままほうっておいていいのでしょうか。
それから、起債についても同じですよ。大阪府の羽曳野の病院ですけれ
ども、
基本額を平米当たり五万四千百三十三円と算定された。これが実際は十万三百七十二円の実施額なんです。ですから、これは九億の起債を
認めまして、七割の起債の充当率だ、こう言うのですが、実際は三四%の充当率なんです。国の事業でも、こんな単価でできますか。できるところがあったら、例をあげて説明してごらんなさい。
それから
国民年金事務費も不当な超過負担が押しつけられている。これは富田林の例ですけれ
ども、一〇〇%の国庫補助になっているが、実際は六二%にとどまっている。これは、被保険者一人当たりの補助単価が四百四十五円でしょう。被保険者一万五百二十四人にこれを乗じた額、それと、もう
一つは印紙手数料ですね。これを合わせたものが補助額になっている。これで一〇〇%補助と言っている。しかし、実施額は九百六十二万二千円かかっている。こういう状態です。ですから、一人当たり四百四十五円という数字はどこから出してきたのか。これを
基本額にする根拠は何なのか。これを一ぺんお尋ねしたい。——時間がないから、個々については、
一つずつ返事をいただきません。まともな返事をできるわけがないのだ。初めからわかっている。
そこで、
大臣に申し上げておきたいけれ
ども、保健所の問題です。保健所の職員費も同じことなんです。大阪府下で、二十一保健所で見ますと、三四%補助のたてまえですけれど、実際は二〇%になっている。これは人件費を、一人年百十六万六百七十一円を算定しているのです。医者がおりますから、人件費が高いわけなんです。ですから、実際におきましては、医者を含みますから、一人当たり年百六十五万千二百三十一円つくわけです。それに対して百十六万六百七十一円という人件費、年一人当たり単価をきめているわけです。それで五百三十八人分と限定しているわけなんです。そこで、これはたいへんな超過負担になっている。ですから、これもやはり改善しなくてはだめなんですね。特に、保育所の問題なんか深刻なんですね。食品監視員なんというものも数が足りない。
一つの保健所に一人か二人しかおりません。食品衛生の問題が非常に深刻になっておりますが、手が足りないから、実際は検査に行きようがない。また、訪問保健婦ですが、一人で人口二万人を担当している。二万人も担当して、どうして
一つずつたずねていって仕事ができますか。できるわけがない。ところが、人員を
制限する、予算を削る、こんな状態になっている。これは明らかに保健所法を無視していますよ。
そこで、
大臣にお尋ねしたいのですが、こういう実例をたくさんあげましたが、時間がないので、もう交付税の問題は触れませんけれ
ども、交付税も一緒なんですよ。そこで、このようにしまして、国庫補助事業全般にわたりまして、実情を無視した予算措置がとられている。これは、
地方自治体の
理事者が口をきわめて非難しております。これを一体どうされるかという問題。そこで、あなたは善処するとか研究するとかおっしゃいますが、善処や研究の問題と違います。これは地財法の二条に明らかに違反しているのです。あるいは地財法十八条に違反しているのです。これは御
承知でしょう。ですから、
法律違反のことをやりながら、あなた方は恩恵でも施しているようなつもりなんです。適当に研究し、そうして改正する、こうおっしゃっている。そんなことじゃない。
法律に違反した措置をとっているわけだから、すみやかにこの問題につきましては
解決する必要があるわけなんですけれ
ども、いまの実情をいろいろお話ししましたけれ
ども、これをお聞きになりまして、
大臣の決意のほどをお聞きしたい。