○広沢
委員 あまり時間がありませんので、基本的な問題にばかりこだわっているわけにもいきませんけれ
ども、やはり四十八
年度の
補正予算では、当然歳入あるいは歳出それぞれについて、いままでの
調整をとっていくという
考え方を持っていかないといかぬ。いままでの財政のパターンというものは、
補正というのは当然当初に見込んだものを是正するという
程度にしかきておりません。減額
補正ということは、いままであまりやったことはないわけでしょう。しかし、こういうふうな
事態に来て、財政的に相当景気に対する問題があがってきて、いわゆる
公共事業においても、先ほどお話があったように、大幅に
繰り延べしなきゃならぬ、再
繰り延べもしなきゃならぬというような
段階に来ている場合においては、やはり
繰り延べだというようなことだけではなくて、
現実にそこを修正するという姿勢がなければ、それが
政府の責任であるとかないとかという問題よりも、それに財政の運用の弾力性というものをやはり持たせておかなければならないのじゃないか。いままでにそういう例というものがあまりないわけですね。その姿勢は今後ひとつ
考えていっていただきたいと思いますね。
それから、今
年度は自然増収が前
年度予算に比べていままでにない大体二兆五、六千億ですか、それだけを見込んで当初
予算というものをつくっておりますけれ
ども、それに加えて自然増収がまた一兆五千億もある。これは当局がそうおっしゃっていらっしゃるのですから、なるべく低目におっしゃる当局が一兆五千億もあると言うのですから、それ以上あるのかもしれませんが、それだけいままでにもう
考えられない大きな自然増収というものがあること自体そのものが、当初の
予算を立てる場合において、一つ問題ではないかと思うのですね。それで、これだけの
見込みを残しておいてやっていこうというのは、そこに当然
補正予算の場合において大きく抜本的に是正しようという
考え方があるから、当初の見積もりの自然増収を小さく見積もって来たんじゃないかと思われるわけですね。われわれは以前に、総合
予算主義で一年間見込んで、その中ですべて、いまの公務員の給与にしても、すべての問題についても、実勢に合うように組んでやることが必要だというふうに主張してきましたけれ
ども、そういうように今日大幅な自然増収が見込まれるということならば、そうでないとおっしゃるのならば、今日のような
インフレ下においては名目所得が大幅に上昇しておる、実質所得というものはそれだけ伸びていない、そのために
インフレで非常に生活が困っているという
状態においては、当然
年度内の
減税というものはすべきですね。その点の言い方が、
考え方というものが、非常にはっきりしないように私にはとられてしかたがないのです。あとからまとめて
お答えいただきたいと思います。
それから、四十九
年度予算についてもまだ具体的ななにが示されておりませんし、法案も何も出ておりませんから、きょうは方向だけを伺っておきたいと思うのですが、先ほどのお話にありましたように、緊急
物価対策でその総元締めをしております
経済企画庁においても、
石油危機にからんで、いわゆる石油の一〇%
供給削減の場合は、重要な
資材の減産率というのは、粗鋼においては二〇%、エチレンにおいては一〇%、パルプにおいては一八%
程度に達する、ですから、
財政面からの総
需要抑制を最重点施策としていかなければならぬという
指摘をしている。これはいまの
インフレの緊急対策の立場から、
財政当局に対する強い要望であろうと思われるわけでありますが、その中で、来
年度予算の
伸び率を当然増
程度に押える、あるいは
公共事業は
物価上昇に見合う
程度の伸びで、四十八
年度当初率、そういう比率を横ばいにすべきではないか、あるいは先ほど申し上げました
公共事業の再
繰り延べをすべきではないか。
減税の問題についても触れておりますけれ
ども、この点については、大蔵
財政当局として、そこまで現在の緊急な対策としてお
考えになっていることなんでしょうか。その点について、もうそろそろこれは煮詰まってきている
段階だと思われますので、お伺いをしておきたい。これが第二点。
それから、あと時間が五分しかありませんから続けて聞きますので、よろしくお願いしたいと思いますが、次は二兆円
減税の問題です。先ほど堀
委員の
質問に対しまして、まあ二兆円
減税はやるというような
お答えでありました。われわれは四十八
年度においてやるべきだということを主張してきたわけでありますから、当然これは私
たちもやっていかなければならないと思っているわけでありますけれ
ども、最近の
状況を見ますと、いわゆる
経済企画庁の試算によりますと、来
年度の
経済成長率についても、石油が一〇%
供給減が続けば、これはマイナスの成長率になるのではないか、あるいは後半においてそれが回復したとしても、実質成長率は一・七%ぐらいになるのじゃないか。現在の二兆円
減税を言われていた時分には、いわゆる石油問題というものを加味しないで、実質成長率は八%ないし九%というような
段階で
考えられてきたわけですね。ですから、そういうような
状況にあっても二兆円
減税は必ずやるのだという的確な
お答えを、再度いただきたいと思います。
それから、以前に年内
減税をしろと私がこの席で強く主張したときにも、それは景気対策の
関係でこれはいますべきでない、来
年度において必ず大幅なその限度までの
減税をやるのだ、こういうことをはっきりおっしゃっておられました。私は、その景気対策ということを
考えるならば、こういうような景気動向が予測しにくい、各エコノミストそれぞれにおいても非常に予測がまちまちな
段階においても、それは間違いないのでしょうなということを念を押しましたら、大蔵大臣は、それはもうやるのだと、先ほどいろいろ具体的な背景の
説明がありました。これはもう時間がありませんので、当然やるべきだということを主張して、その背景の
説明をしませんけれ
ども、その点をひとつ明確に
お答えをいただきたいと思います。
それから第四番目に、もう一つお伺いしておきたいことは、
中小企業の対策です。いまもちょっと大臣のお
ことばに入っておりましたけれ
ども、総
需要抑制の中で
中小企業対策をどうするかということがえらい問題ですね。これは特に年末を控えて、決済だとかあるいは決算だとか、あるいはボーナス期を控えて資金
需要が非常に強いという時期に、いままでにない
抑制処置をとっているわけです。何も総
需要抑制を緩和しろとは言いません。
物価の上から
考えていけば、これは総
需要抑制というものは、その動向が見きわめられるまでは、私は引き締めは続けていかなきゃならないという
考えです。しかしながら、そうとは言いながら、先ほど申し上げたように、大企業はいま相当な収益を
インフレによってあげている。
中小企業のほうは、その大企業の下積み的な
やり方も相当受けてきておりますから、今日見られるような手形の交換あるいは取引停止の問題、あるいは企業倒産の実態、こういうことから
考えましても、相当深刻な
状況に追い込まれてきています。
そこで、日銀当局も特別な配慮をするというような言い分をとっていますけれ
ども、具体的にどうするかということは言っておりませんし、あるいは
財政当局の大蔵省も、
政府金融機関に対して相当大幅に
考えたいということを示しているわけですけれ
ども、それとて、今日の
状況の中での
中小企業の置かれている非常な逼迫した立場に対応できるだけの十分な施策というものは、行なわれていないように思われるわけであります。特に、いまの大企業
中心の重点的なあり方、産業構造というものを、いまこそ転換しなきゃならぬ。したがって、そういう
意味からも、
中小企業の保護的な
やり方ではなくて、
中小企業を基本的に育成するという積極的な対策をいま打ち出さなければならないわけです。したがって、それに対するお
考えはどういうようになっているか。
時間のようでありますので、一応続けてお伺いしましたけれ
ども、
お答えによって再
質問させていただきます。