○竹本
委員 私は、
二つの点について簡単にお伺いをいたしたいと思います。
時間がありませんので結論だけでけっこうですが、まず第一点は、固定相場制には、いつ、いかなる
条件のもとに帰るお考えであるかということであります。
きょうの新聞で見ますと、ルクセンブルクにおいて開かれた
ECの閣僚
理事会で、ソームズ副
委員長は、「
通貨情勢は
ドルの再切下げなども含めて揺れ動いたが、それでも
貿易自由化の必要性は少しも変っていないし、新国際ラウンドを始めるのに格好の時期であることにも変りはない」こういうふうに述べております。しかし、そうした
情勢に進めていくためには、当面
通貨の問題が片づかなければならないと思います。そういう
意味で、私は、
IMFの
総会において、
大臣がワンワールドを説き、また、調整可能な平価
制度こそが、
世界貿易と
国際金融の拡大に寄与するものであるというふうに述べておられることは、非常に賛成であります。どう考えましても、幅のある、弾力性のある固定相場制に帰っていかなければならないと私は考えておるわけでございますが、よくいわれる
ドルの
交換性の問題も、
SDRの問題も、その次の
段階であって、いま
SDRがどうとか、
コンソリデーションがどうだと幾ら論議してみても、一応そういうことを考える場ができなければなりませんが、その場をつくる前
段階の締めくくりは、一応レート調整が一通り行なわれるということでなければならぬと思うのです。そういう
意味から申しますと、その固定相場制には、一体いつごろに、いかなる
条件のもとに帰ることができると
大臣はお考えであるかということをお尋ねしたいのであります。私は、
日本は
フロートやむを得ない措置であるということもわかりますけれども、いつまでも
フロートを続けておるということについては、あまり利益でないという考えを持っておる。
それからもう
一つは、
国際通貨を論ずる場合の場において、すでにアメリカが一〇%
ドルの切り下げをやった、ヨーロッパは
ドルに対して
フロートをやりましたが、マルクはマルクで三%切り上げた、こういう事実を積み重ねてきておるのだから、
国際通貨会議の場において、今度はどうしますということを言うのは
日本の番だと思うのです。
日本はいま
フロートをやっているということも、
一つの答案のようでもありますけれども、これは一種の形勢観望なんですね。流れに従っていきましょうというだけなんで、
日本としてはどうしますと言って、第一ラウンドの
国際通貨の混乱を収拾するのについて積極的、具体的な案を
日本が出したということにはならないと思うのです。今度の
ドルの問題は多分に短期の思惑が多いのでございますから、それはそれなりとして片づけなければならぬ問題として、やはり
通貨調整の場合で一番大きな
役割りとか
意味を持っておるのは
日本の立場だと思うのですが、その
日本は、
フロートしてまあ様子を見るのだというようなことでは、なかなか
各国も納得しないのではないか。そういう
意味において、アメリカが
ドルを一〇%切り下げた、マルクが三%切り上げた、次は
日本の円は幾らにどう切り上げるのかということがどうしても問われざるを得ない。そういう
段階において、私のほうは慎重に
内外の
情勢を見てからということだけで
フロートをしておるということでは、私はどうもまとまりが悪いと思うのです。
そういう
意味で、第一問は、いつごろ、いかなる
条件のもとに
日本が自主的に動くのか動かないのか。やはり全部
ナイロビなら
ナイロビで
会議が行なわれるまでは待ちの一手だということになるのかどうかという点をひとつ。
それから第二番目の問題は、円の
経済圏の問題でございますけれども、これについてもいろいろ最近は説が流れております。私も、やむを得ない
一つの
方法として、
経済の
ブロック化の傾向から見て考えるわけでございますが、その場合に、特にアジアを中心に円の
経済圏を
確立するということになるのでありましょうが、簡単な問題は、
一つは、円建て決済というものは、長期、短期にわたって現在どのくらいあるのか、それをどのくらいにまでどういう
方法で拡大していかれるつもりであるかということ、それから円建て債の発行というものは最近どういうふうになっておるか、どういうふうにされるつもりであるか。
もう
一つは、これまたけさの新聞を見ると、中国に肥料を輸出するという問題も、円の
フロートの
関係等も主たる理由の
一つになって、なかなかまとまりが悪いということになっておるようでございますが、たとえばヨーロッパの
共同フロートの
考え方を参考に考えてみましても、マルクとフランがある
程度結びついておる、ドイツとフランスがこうした緊密な
協力をしておるというところに
共同フロートの強みがあると思うのです。一体
日本はどうも、外交面で考えますと、
大臣も外務
大臣もやられましたからよくおわかりのように、私は、共同のパートナーというものがなければ、国際場裏において十分な発言はできないと思うのですね。そういう
意味で、
通貨の問題についても、一体だれがほんとうのパートナーであるのか、私は非常に疑問に思っておる。それから円の
経済圏をつくるということになった場合にも、ほんとうの
意味での
日本のよきパートナーはどこに求めるのかということをひとつ伺ってみたいのです。そういうことから考えると、
日本と中国がよきパートナーになるかならぬか議論があると思いますが、いずれにしても、円・元決済の問題にしても、円・元レートの問題にしても、いまの形を一体どういうふうに続けていけばより前向きの形になるのか、あるいはまた、円ブロックの中で
日本と豪州との
関係をそういう場合にパートナーの一人の候補として考え得るのではないかと思いますが、
通貨面から見たそういう結びつきを通じてこの構想を前に進めるためにはどういう
努力が必要であろうとお考えになるであろうか。
この
二つの点について簡単にお答えだけをいただけばけっこうです。