○山田(耻)
委員 冒頭
お話ししましたように、昭和四十七年、全納税者が大体三千五百六十万程度と推計されるし、
給与所得者は、四十七年度で二千九百二十一万人税金を払っておるわけです。だから、大体八一、二%が
給与所得者の納税者である。だから、税金のことを考えますときに、やはり
給与所得を行なっておるそういう勤労者の税制というものが非常にウエートが高まってきておるということについては、これはどなたも異論のあることじゃないわけです。また、そこに一番多くの問題点が出てきておるわけです。
私は、いまの
必要経費の問題なり、あるいは
給与所得控除を大幅にふくらましてもらいたいということについて、あなたの確答をいただくことができなかったのは残念です。残念ですけれ
ども、このところをしっかりと片づけていかないと、いまの不満というものはとうてい解消する道を見出すことはできないということを私は申し上げているわけです。この点は、あなたはいまのようなことをおっしゃっていますけれ
ども、私は、よく状況としては御判断なさっていると思います。ただ、いまの二千九百二十一万というサラリーマンの納税者が飛躍的にふえてきて、全納税者の八割をこえるというこの
状態の中にもう一度メスを入れてみたい。
それは、さっきもちょっと触れましたが、若い、中学校を出て学校にも行けない、家が貧しいからすぐ工場にほうり出される、そこで働いてる、この十四歳の子供の初任給に税金がかかっておるというのがほとんどですよ。しかもこの子供は、いろいろな調査の
内容を見てみましても、家庭に仕送りをしておる子供もおりますよ。
ほんとうに寮でラーメンだけを食べて過ごしながら、経費を節約しながら働いておる子供たちがたくさんいるわけです。こういう子供たちに、最近の物価上昇で名目賃金は上がる、名目賃金が上がるから
課税の対象になる、こういう
関係でほとんど
課税の対象人口に入ってきたわけです。何も、中学校を出た十四歳のこの子供がたいへんな高給取りになったと錯覚を起こすような事態ではないわけです。この税金のかけ方が、二千九百二十一万人というサラリーマンの
課税対象になってきておるわけです。税金というのは、非常に捕捉率のいいガラス張りの中で働いておる勤労者が一番税金が取りやすいから、何でもかんでも、
課税最低限をこえたら十四歳の子供だろうが何だろうが税金を取ってしまえ、こういう
考え方があるのじゃないだろうか。そういう
考え方が進められていきますと、不満というのは爆発的になってくるのです。ますます名目賃金はふえる。ますますこの納税者はふえていくでしょう。
ここらあたりで局長、いかがでございますか。せんだってからも議論がございましたけれ
ども、せめて、中学校を出て高等学校を卒業する十八歳ごろまでは、税金をまけてやるか、かけないようにするか、そういう減免の措置がとれないものだろうか、こういうことをひとつ、私はすばらしい税の
一つの善政という立場から考えていただきたいと思うのです。法律的にも未成年ですよ。親の保護の中で生きていくのです。それが
課税最低限をこえたからといって税金を取る。その
生活実態はまことにきびしいものがあるのです。学校へ行っておる者には勤労学生
控除という恩典がある。しかし、いなかの子供で学校にも行けない、講義録をとって勉強しておるというだけではどうしようもない。みんな勉強したい、しかしそれができる
条件下にないだけに、苦しんでおる子供たちが多い。こういう法律的にも一人前の人格を持たない
人たち、こういう子供たちに対して、何とかしてやはり恩典を与えてやりたい。私は当然のことじゃないかと思います。昨日の参考人の方、東畑さん以下二人の方の
お話の中にも、法律的に一人前でない、十八歳といわずに、選挙権を持たない
人たちに対しては税の減免措置をしてやることのほうが理論的にも正しいじゃないか、こういろ意見も出ておりました。
しかし、私がいまここで申し上げておりますのは、特に、高等学校にも行けなかった、そうして一生懸命いま苦労して働いておるあの十四歳から十八歳の子供たちに対して、まず
一つの保護的な措置を講じていただくということはできないものだろうかどうだろうかと強い気持ちで考えているわけです。いかがでございましょうか。