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橋口(收)
政府委員 年金資金の
収支差額と申しますか、保険財政でございますから、責任準備金に相当するものを
資金運用部でお預かりをいたしております。その
制度の反映の結果としてお預かりをいたしておりますので、
年金財政のあり方について発言をするような
立場ではございません。その点は御了承いただきたいと思いますが、御
承知のように、いまの
年金財政はいわゆる修正実額積み立て方式ということでございまして、完全に積み立てをするという形になっておりませんから、これは御
承知のように一部賦課方式に移行しているという見方もできるのでございまして、いわゆる修正率が五〇%をこえない限度になっておりますから、まだもちろん積み立て方式のほうが力が強いということは御
承知のとおりであろうと思います。
そこで、将来の
年金財政のあり方はどうなるかということでございますが、かりに先生のおっしゃったような形で修正実額積み立て方式の修正率を高めていく、だんだん賦課方式に近づく、一挙にいま七兆円を取りくずすという問題は別といたしまして、今後の積み立ての割合が減るという場合にどうするか、その減っていった部分を公債に置きかえたらどうか、こういう御主張ではないかと思いますが、公債は御
承知のように建設公債という
一つの大きな歯どめがございますし、それから今度の経済社会基本
計画を見ましても、租税負担なりあるいは社会
保険料負担というものは相当上がるという
計算になっております。その辺の
関係がどういうふうになるかという問題は別にいたしまして、先生のおっしゃったように、かりに修正率というものは高くなっていって、
財政投融資の
原資として振り向けられるものがだんだん伸びが小さくなるというようなことになった場合はどうするかという問題でございますが、それは
前回の佐藤先生の御
質問にも
お答えをいたしましたが、いまの財投の
原資は
資金運用部資金が非常に大きな割合を占めておりますが、かつては
政府保証債等が非常に大きなウエートを占めた時代もございます。もちろん
運用部
資金のほうがウエートとしては高いのですが、しかし
政府保証債というものが非常に増発された時代もございます。昭和四十一年、二年等は
政府保証債等は非常に大きくなっている。したがいまして、かりに
年金給付というものの
内容が改善され、給付の状態がよくなれば、それだけ民力がつくわけでございますから、したがってその分を引き当てとして
政府保証債を発行するということは、原理的な問題としては
考え得るのじゃないかという感じがするのでございます。
したがいまして、そういう状態になるのかならないのか、それからどの程度なるのか、いつなるのかという問題等については、もちろん青写真を持ち得る
立場じゃございませんけれども、かりにそういう状態になれば、いま御説明したような対応の方式もあるのじゃないか。したがって
財政投融資の
原資を確保する
目的で積み立て方式を特に
制度として固定しているという
考え方は、実は
考え方としてはさか立ちをしているのではないかという感じがしているのでございまして、私どもは
制度の反映としてお預かりをいたしておりますので、お預かりしましたものの
運用には適正を期する必要がありますが、そういう基本的な諸条件が変わった場合に、必要な対応の道ということを
考えていく必要もありますし、かりにそういう
資金の流れが変わるということになれば、いまの
財政投融資対象機関というものは、いまのままで存在する
合理性があるかどうかというような問題も生じてまいりますから、これは遠い将来の問題として
考えますと、いろいろ対処のしかたがあるのじゃないかという感じがいたしておるのでございます。