○竹本
委員 おそくなって、時間もありませんから、簡単に尋ねることに
中心を置きたいのですけれども、いまの
財政の問題ですね。きょうは時間もありませんから、私はその問題を十分論議もできませんけれども、
日本の
財政は、まあある意味からいえば、毎年毎年二〇%なり一六%なりということで伸びておりますが、今度ニクソンは、
予算を削減するとか公定歩合を
上げるとかいうことで、やはりインフレと対決する、取り組むためにそういう思い切った手も打つけれども、
日本の場合には、
財政の伸びが非常にスローダウンしたという例はあまりない。最近は極端にいえば無原則に膨張の一途をたどっておる。圧力団体もあばれほうだいだ。こういうことを考えますと、この調子でこのまま伸びていったならば、いま申しましたように、もう五十三年には四十五兆円を突破するかもしれないというような膨大な
予算にふくれ上がっていくということでございますので、これは非常に心配をするわけなんです。
そこで、きょうは
公債の償還
計画が
予算委員会で問題になっておりましたけれども、とにかく、
財政についても一つの展望がないということは非常にあぶないと私は思う。
政府としては長期
経済計画の中ではこれを考えるということになっておるようでございますけれども、これも内容を見なければ、これからまだ論議はできませんけれども、きわめてマクロ的というか、あるいはずさんなと申しますか、従来の延長線の上で伸びているだけだ、こういうことになりますと、
政府が考えておられるもの以上に
予算は膨張する心配のほうが多いということで、膨張に次ぐ膨張ということになりますので、私はその点を心配して、
予算についても一ぺんゆっくり、五年後にはどのくらいの
規模を構想すべきか、構想されておるかということを、やはり論議を詰めてみたいと思っておるのです。
それと
関連をしまして、
先ほど大臣からもおことばがありましたけれども、やはり
財政は困難だけれども、一つのまあ五カ年
計画ぐらいのものはそれなりに持たなければうそだ。これはドイツにおいては、御承知のように、中期
財政計画というものを持とうとしたこともある。イギリスは公共支出白書の中でそうした一つの全体的な見通しを持とうと
努力しておる。
日本でもそういう
考え方がいままでなかったわけでもないというふうに
理解をいたしておるのでございますが、これはいまのように膨張に次ぐ膨張をしておるような状態でありますから、なおさら
日本の
経済が無軌道あるいは無原則にインフレへの道を走らないようにするためにも、この辺でやはり全体としての
長期計画あるいは長期展望を持たなければいかぬ。それを、ことばがそうであるかどうかは別としまして、
財政五カ年
計画といったような形で
相当具体的なものを持たなければいかぬ。
日本の
経済社会
発展計画でも何でも、いろいろ書いてあるけれども、ほんとうの意味での
財政的裏づけというものはないというか、はなはだ不十分であるというべきか、どちらでもいいですけれども、とにかく
日本の
長期計画には一番大事な財源の裏づけというものがあまりない。そうしてみると、結局実質的には、みんなスローガンみたいなものをたくさん並べておるだけで、ほんとうの意味の
計画が
計画として成り立つ物的な基礎を持たないということになるのじゃないか。
日本の
経済全体が無軌道にインフレの道を走らないようにするためには締めくくりのものがなければならぬ。それはやはり
財政だ。そういう意味で、
財政五カ年
計画といったような一つの
計画性を持たしたい。非常にむずかしい
財政のことでございますから、厳密な意味の
計画と称すべきものに値するかどうかは別としても、そういう
方向の
努力は少なくともしなければならぬ。ドイツあたりでも中期
財政計画ということばも使っておるわけですから、そういうことが必要だと思いますが、その必要性を
大臣はどういうふうに認識されるかどうかという点を伺っておきたい。