○中村(重)
委員 時間の関係がありますから、私から申し上げましてお答えをいただきたいと思うのですが、電気
事業者がこの保安責任を解除されたというのは、屋内の配電施設の大半が一般需要者、所有者のものになっているといったようなことから、電気
事業者というのは所有者ではないのだというような点に名目を求めているようでございます。
そこで、先ほど長官からお答えになりましたように、配線をいたしますと、
電気工事業者は電気
事業者に報告しなければならない。いわゆる
電力会社に対して報告をする。その報告が来ましたならば、
電力会社の係員が行って検査をする。それから保安協会が自主保安体制に基づきまして定期検査等々を実は行なうというたてまえになっておるわけでございます。そこで、いま長官は、これでだいじょうぶなんだというお答えがあったわけですが、私は、この点に問題を感じておるわけです。だいじょうぶではないのだ。お答えの中にも出てまいりましたが、いま保安協会等がやっております検査は、絶縁測定だけをやっているということです。絶縁測定をやります際は、電灯を消さなければ検査はできない。具体的な問題でありますが、たとえば水商売のバーであるとかキャバレーであるとか、そういったところは住まいと店がほとんど別になっています。昼間は店を閉めている。夜に行って電気を消せといっても、商売をしているわけですから消すことはできません。絶縁測定というものはできない。できないのだけれ
ども、測定をしたという届け出をしなければなりません。そこでどういう届け出をしておるのか、そこまではお調べになっていらっしゃらないと思う。私は調べています。調べていますが、きょうは、私は、この点に対しましては、具体的なことでたいへん時間も要りますから触れません。問題は、絶縁測定だけで十分な検査というものができるかどうか。また、ほんとうに責任をもってやってくれるだろうか。
電力会社にいたしましても検査しなければならない義務はあるけれ
ども、あるいは保安協会にいたしましても検査をしなければならない義務は課せられているが、検査の結果についての責任を負う必要はないということです。これは
大臣、たいへん問題だと思うのです。この電気
事業法が昭和三十九年に改正になった。その際に、屋内配線についての保安責任というものを——検査義務は負わされたけれ
ども、その検査結果による保安責任というものから解除されたというところに実は問題がある。その責任は、だれがそれでは負わされているのか。これは所有者であり、占有者である。あるいは電気工事をした
電気工事業者にその責任が負わされてきている。絶縁検査だけでは良、不良というものはよくわかりません。さあ地震が起こった、あるいはたいへん配線が古くなった、これは変えなければならない、そういう事態がありましても、絶縁検査でその実態をつかむことはできないのです。これは何とかしなければならない。やはり検査をする者に、その検査の結果によって責任を負わせる体制を整えていかなければならないのではないか。電気
事業者は、屋内の保安検査義務だけであってその検査の結果に責任を負う必要がなくなったということは、私は、たいへんその経済負担というものは軽くなって助かっていると思う。しかし、大
企業というものはそういう形で助かったけれ
ども、需要者というもの、あるいは零細な中小
電気工事業者というものは、そのために責任を負わされるという結果になってきたということは、何としてもこれは不合理な行き方ではないかと私は思うのです。したがいまして、この電気
事業法というものをあらためてまた改正をいたしまして、電気
事業者がその検査をやったんだけれ
ども、検査の結果に対しても責任を負うというような形に変えていかなければならないのではないか。
いま
一つ検討してみなければならないことは、
電気工事業者が工事をして、検査は人がしておる。自分は検査をしてない。しかし、その検査の結果の良、不良にかかわらず、その責任を
電気工事業者が負わなければならないのであるならば、むしろその検査を
電気工事業者にも与えるという行き方をとったらいかがなものであろうか。やはりそういうものでなければ、私は正確な検査はできないのではないかという感じがいたします。どうしても法改正の
検討をここでやる必要があるのではないかと思います。この点はいま申し上げたことで
大臣は十分御理解いただいたと思いますので、
大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。