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1973-06-22 第71回国会 衆議院 商工委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年六月二十二日(金曜日)    午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 浦野 幸男君   理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君    理事 田中 六助君 理事 羽田野忠文君    理事 山田 久就君 理事 板川 正吾君    理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君       稲村 利幸君    内田 常雄君       小川 平二君    大久保武雄君       西村 直己君    八田 貞義君       岡田 哲児君    加藤 清政君       上坂  昇君    佐野  進君       竹村 幸雄君    藤田 高敏君       渡辺 三郎君    野間 友一君       近江巳記夫君    松尾 信人君       玉置 一徳君    宮田 早苗君  出席国務大臣         通商産業大臣  中曽根康弘君  出席政府委員         経済企画政務次         官       橋口  隆君         経済企画庁総合         計画局長    宮崎  仁君         沖繩開発庁総務         局長      岡田 純夫君         通商産業政務次         官       塩川正十郎君         通商産業省企業         局参事官    三枝 英夫君         通商産業省公益         事業局長    井上  保君         労働省職業安定         局失業対策部長 桑原 敬一君         自治政務次官  武藤 嘉文君         自治大臣官房審         議官      山下  稔君  委員外出席者         環境庁自然保護         局企画調整課長 新谷 鐵郎君         運輸大臣官房参         事官      佐藤 久衛君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ————————————— 委員の異動 六月二十一日  辞任         補欠選任   加藤 清政君     和田 貞夫君 同日  辞任         補欠選任   和田 貞夫君     加藤 清政君     ————————————— 本日の会議に付した案件  通商産業基本施策に関する件  経済総合計画に関する件  公益事業に関する件      ————◇—————
  2. 浦野幸男

    浦野委員長 これより会議を開きます。  通商産業基本施策に関する件、経済総合計画に関する件及び公益事業に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。
  3. 佐野進

    佐野(進)委員 私は、沖繩海洋博の問題に関して、通産大臣並びに関係各省担当者質問をしたいと思います。  私ども社会党は、沖繩海洋博開催をめぐる諸問題について、現地側の強い要請を受け、さらに党の中央執行委員会におきまして、この問題の重要性にかんがみ、調査団を派遣いたしまして、現地において、三日間つぶさに実情調査して帰ってまいったわけであります。そしてその結果に基づき、数次にわたり調査団会議開催し、さらに、昨日の中央執行委員会において調査団報告を了承し、政府にその内容実現方、あるいは改正の問題、今後取り組むべき方針等について、これをきびしく追及し、要求していくことを決定いたしたわけであります。  以上の立場に立ちまして、時間がきわめて限られておるわけでございまするから、その内容が非常に膨大でございまするが、集約いたしまして質問をしてみたいと思うのであります。したがいまして、大臣並びに関係者におかれましては、私どもは、その内容等についてはつぶさに実情現地において調査した上で、改めるべき点あるいは要望すべき点等について質問申し上げるわけでございまするから、簡単明瞭にひとつ御答弁をお願いいたし、できる限り誠意のある立場に立って、本問題の処理に当たっていただきたい、そのことを要望して質問を続けたいと思うのであります。  第一に、私は海洋博準備状況について御質問申し上げたいと思うのであります。  沖繩県民が多年の念願であった本土復帰がかない、この本土復帰の第一の画期的な行事として、海洋博開催に対して多大の期待を寄せ、県民こぞってこの成果に対して夢をふくらませつつあったことは、われわれもひとしくその実情について了解することができたわけであります。したがって、われわれは、海洋博開催について種々の条件はつけましたけれども、これに賛成し、これが成功について心から期待をいたしておるわけであります。しかしながら、今日、現地における情勢は、このわれわれの期待と相反して、一部において激しい反対運動が巻き起ころうといたしております。しかも、その巻き起ころうとしている反対理由は、あげて沖繩県民県民意識に基づく生活権擁護並びに地方自治体としての沖繩の持つ自主性擁護、さらにはまた、将来の沖繩が平和で豊かな島でありたいと願う基本的な欲望に基づいて、いま行なわれつつある準備状況の中で、それらの夢が根本的に崩壊されるのではないかというおそれと不安の中に、このような空気が醸成されつつあるわけでありますので、このような実情については、通産大臣もいろいろな角度から報告を受けておられると思いますので、この現況についてどのようにお考えになっておられますか、通産大臣の御答弁を願います。
  4. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 海洋博につきまして、いろいろ御高配、御心配をいただきまして、まことに恐縮にたえないところであります。すでに政府といたしましては、基本計画並びに会場計画も決定をし、また高速道路、そのほか諸般土地買収工事着手にもかかり、また地元沖繩県屋良知事以下の非常な熱意を受けて、懸命に所期の目的を達するために努力をしておるところでございます。物価問題や労務問題という障害も起きてきましたが、これらも一々適切に克服いたしまして、われわれの目ざす五十年に、りっぱに海洋博を完成したいと思っております。
  5. 佐野進

    佐野(進)委員 私が大臣にいま聞いたことは、りっぱに海洋博を成功さしたいという、そのことの意味を聞いているわけではございません。一番先に申し上げたとおり、この海洋博が成功するということのために幾つかの条件をつけましたけれども、私どもも賛成をしておるわけであります。その立場から、いろいろ御協力すべき点については協力しようとして現地調査をやっておるわけであります。ところが、いまそれに対して現地の一部においては反対の気運が醸成されつつあるわけであります。すでに反対の意思を明らかにした人たちもあるわけです。この実情に対してどのように措置をされようとしているのかということをお聞きしているわけです。
  6. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 一部に反対があるということも聞いておりますけれども、いろいろな条件を克服して、また反対なさっている方々には、われわれの考え方をよく御理解願って、そしてこの目的を達するようにいたしたいと思っております。
  7. 佐野進

    佐野(進)委員 ともかく御理解を願うだけでなく、これから質問申し上げますけれども反対が起きつつある理由の真意をくみ取って、それで積極的に善処されることを冒頭要望いたします。  そこで、まず第一に、準備状況の中で、一番大きな混乱をかもしだしている条件は、いわゆる政府国土総合開発計画関連いたしまして、沖繩県が策定しておりますところの沖繩振興開発十カ年計画海洋博関連であります。いわゆる十カ年計画の中に、海洋博が存在しているのか、位置づけていくのか、あるいはまた海洋博の中に、沖繩振興開発計画がくみ入れられていくのか。ということは、根本的に沖繩県開発ということに関連いたしまして、県民疑惑を招く原因になっているわけであります。海洋博中心にして沖繩乱開発を招きかねないような巨大なる資本の進出において、営利的にこれをとらえようとする本土企業進出に対して、沖繩県の本質的な開発を願い、計画的にこれの秩序ある開発進展をはかろうとする県の要望とが根本的に食い違いつつあるわけであります。したがって、沖繩におけるところの開発は、県が国の方針に基づいて自主的に定めた振興開発計画を基礎にして、この海洋博を位置づけるべきではないか。そのことによって秩序ある開発、そして海洋博計画が進められ、そのことによって県民が心のすみに抱く疑惑は解消されていくのではないか、このように考えるわけでありますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  8. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 十カ年計画は、沖繩開発の大黒柱であり、長期計画であります。海洋博は、それよりも短い期間の国際的な関連を持つ仕事であります。おのずから性格は違うと思います。片方は国際性を持っているという点において違いますが、やはり十カ年計画が大本であって、その十カ年計画の大きなワク内において海洋博というものも考慮していかなければならぬものであると思います。
  9. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは大臣、そういうことを明確にして、これからの準備状況の中で、各方面に対して強く指導していただくことを要望いたしておきたいと思います。  そこで、そのことの指導がいまの海洋博準備状況の中に明確になっていない。いわゆる海洋博があり、万博があった、オリンピックがあったという形の中において、一つの営利的な目的のためにこれを利用しようとする動きが顕著になりつつあるわけであります。営利の追求は、環境破壊、その地域における住民の生活破壊等々に対して、歯どめのかからない状況の中において進められる可能性があるわけであります。したがって、私は、海洋博担当大臣である通産大臣海洋博準備に対して果たさなければならない役割りというものはきわめて大きいと思うのであります。  ところが、現在の海洋博準備状況をつぶさに、各方面資料を取り寄せ、あるいは現地において調査をいたしました結論として感ずることは、本土復帰してまだ一年しかたっていない沖繩現況の中において、きわめてずさんといっても言い過ぎでないほどの指導体制組織体制しか組み立てられていない。万博におけるところの欠陥を克服した上で、その欠陥を是正した上で、この海洋博準備が進められておるという感じを受け得られないわけであります。いわゆる不十分な指揮体制を私ども現地並びにこの準備状況調査した結果、強く感ずるわけであります。  一体大臣は、最高責任者といたしまして、この海洋博覧会を成功させるためにどこにその主体を置くのか。博覧会協会主体を置くのか、主務大臣である通産大臣通産省中心にしてその責任を果たしていかれるのか。あるいは開発庁にその責任を果たさせようとするのか。あるいは沖繩県にその責任を果たしてもらうことにするのか。いまの形は、博覧会協会がその責任を果たすような形の中において一定役割りをになわしているのであります。  ところが、この博覧会協会は、現地においては数人の人しか常駐せず、大部分東京におり、しかもこの博覧会協会なるものは、商工会議所ないし経団連等特定経済人指導に基づいて設置され、この構成を見るに、大部分一流財界人等中心にして、本質的に沖繩県民のために海洋博開催するという意識と、意識に基づく行動に対する熱意が把握され得ないのであります。したがって、このような状況の中で、わずか一年半足らず、再来年の三月でございますから二年足らずの間において、これから行なおうとする膨大な事業沖繩県民理解協力の上に行なうがごときことは、全く不可能であると断じても差しつかえないような印象を持って私は帰ってきたわけであります。  仄聞すれば、八月ごろ現地にやっと出向くというような手ぬるい状況であります。遠く東京から沖繩現地実情も把握しないで、三百数十億の補助金を得て博覧会協会なるものは一体何をやろうとするのか。これらの対策について責任ある処置がとられるのか。私は絶対にとれないとさえ確信してはばからないような気持ちになって帰ってまいりました。  主務大臣である通産大臣は、この状況の中において、一部発生しつつある沖繩県民の不満を解消しながら全島的に協力を求めるために、その組織指導体制に対して強力なる指導性を発揮すべきではないか。いま少しくその組織のあり方について根本的にあらためて対策考えるべきではないか、このように感ずるわけでありますが、御見解を承りたいと思うのです。
  10. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 海洋博仕事は、おのおののつかさつかさで分担してやっておりますが、終局的には内閣各省、これを統合すべき閣僚協、その担当大臣である私及び現地沖繩県当局協力して実行する、そしてその事務的部分の相当な部分海洋博協会が引き受けてやる、そういう性格ではないかと思います。  海洋博協会は、博覧会主催者として、海洋博会場建設及びその運営に当たります。政府は、主催国として諸般準備公共事業あるいは人的援助物的援助、海外に対する参加要請政府出展等についての建設運営等を行ないます。沖繩県は、開催地元県として、用地の提供や必要な関連公共事業等整備、受け入れ、そういうことをやっていただくことになっております。結局各方面にわたる仕事でございますから、これを総括すべきものとして内閣海洋博推進対策本部が設置されて、私がその担当大臣になっておるわけでございます。  海洋博協会については、八月の初めに本部那覇に移転して前進させようと思っております。東京臨時本部という形にして、海洋博協会本部那覇に前進させようと思っておりますが、沖繩県当局とよく緊密な連絡をいたしまして、沖繩開発十カ年計画の線に沿って海洋博もぜひ推進していきたいと考えております。
  11. 佐野進

    佐野(進)委員 大臣に対する質問は総括的な質問でありますから、具体的にお答えができないと思いますので、いまの程度の答弁でしかたがないと思うのですが、私のいままで質問いたしましたことは、大臣の今海洋博開催に対する決意というもの、単なるおざなりに、たまたまその職についていたからこれこれこうだという形のいまのような御説明でなく、もっと熱意積極性をもって本問題の処理と解決のために全力を尽くしていただきたいという意味における質問と受けとめて、善処をお願いしておきたいと思います。これからもたびたびいろいろな面で申し入れに行きますので、そういう意味において、公開の席上である当委員会において、後ほど、最後でもけっこうでございますから、これから質問申し上げることに対して大臣お答えをしていただくよう要望しておきたいと思います。  そこで、私は具体的な質問に入ってまいりたいと思います。  まず予算の問題でありますが、この予算の問題に関しましては、御承知のとおり二千億から二千五百億と建設事業規模の中において説明がされておるわけであります。これはもちろん問題になっておるところの第三セクターの費用等も含まれておるわけでございますけれども、二千億から二千五百億と五百億円の見積もりの差があるわけであります。五百億円というのは沖繩にとりましてはたいへんな金額であります。このような大きな差額が、今日なお見積もりの中において出ている原因は何なのか。実際的に二千五百億円お使いになるのか、二千億円の範囲内においておとどめになるのか、この辺ひとつ関係者お答えをいただきたい。
  12. 三枝英夫

    三枝政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生より御指摘受けました二千億ないし二千五百億と申します金額のことでございますが、これは予算という性格のものではございませんで、海洋博関係建設事業規模としてどのくらいになるであろうかという事業規模につきましての想定数字として一応の見通しをあげたということでございます。したがいまして、予算という見地から申し上げますと、直接事業関係では、協会会場整備費が二百二十億円、政府出展関係が二百十億円、この中で協会の二百二十億に対しまして国庫補助が百五十億、したがいまして、政府出展の二百十億と合わせて三百六十億ということになっております。  それから関連公共事業におきまして、千百九十二億という数字が一応各省間できまり、政府として実施体制に入っております数字でございます。  そのほかの金額につきましては、たとえば外国政府出展あるいは民間企業出展につきましては、これは過去の万博の例を想定いたしまして、これくらいの金額がかかって出てくるであろうというあくまでも推定数字でございまして、その金が全部沖繩で使われるという性質のものではございません。  それから、本部リゾート開発につきましても、主として宿泊用施設整備という観点でございますが、これも非常に恐縮でございますが、数字的には一応の推定ということでございまして、沖繩現地情勢等に応じまして、これも主として実際の具体的な計画という段階になりますときに、ここまで大きなふうにやるべきかやらざるべきか、これはいろいろ変更が加えらるべき点であろうかと思いますし、主として県及び民間のこれの計画に対しての資金のつぎ込み方との関係できまってくる、多分に浮動性のある数字でございます。  それから電力事業につきましては六十五億ということでございます。
  13. 佐野進

    佐野(進)委員 時間がないので、参事官、これからの質問に対しての答弁はひとつ簡略にしてもらいたい。そういうことは全部調べてあるのだから、ずっと調べながらどうすべきかということを前向きにきょうの委員会質問すると私は冒頭申し上げておるわけです。だから要点だけを的確にお答えください。  そこで、私が申し上げたことは、二千億から二千五百億という予算ワクの中でこの事業を進めよう、こういうことに対して、そのことのよしあしを言っておるのではないのであります。要すれば、この二千五百億なら二千五百億を投じてこの事業をやろうとするならば、短い期間の中で消化し得られない問題についても、期間が過ぎてもこれを消化すべきではないか。冒頭大臣質問したように、海洋博関連とはいいながら、振興十カ年計画の中において沖繩開発の一環の事業としての海洋博を位置づける場合、この二千五百億という金の消化は決して不可能なことではないわけでありますし、付近環境等々に対することもできるわけですから、そういう点について要望したということであります。その二千五百億という金額についていま再検討しろということをわれわれは要求しておりますけれども、その要求の趣旨もそこのところにポイントがあるということを参事官もよく理解して取り組んでいただきたいと思うわけであります。  時間がありませんから次に進めます。  沖繩海洋博における沖繩県民の参画の状況であります。先ほども申し上げましたとおり、沖繩県民は、本問題について、最初大きな期待と夢をもってこの海洋博開催を迎えようとした。しかし、日がたつに従って、これに対して反対の機運が盛り上がりつつある。へたをすると、海洋博開会の当日海洋博開会反対一大デモンストレーションが起こらないとは限らないような情勢になりつつあるわけであります。私どもはそういうことの発生を憂えるがゆえに、この問題に対してそのようなことのない措置をとるべきだということについて質問をいたしたいと思うのであります。  まず最初に、通産環境庁方々あるいは開発庁、農林の方々に逐次御質問を申し上げたいと思うのでありますが、通産省大臣以外の担当官に対して、いまの振興開発計画海洋博との関係についてどのように位置づけて処置されていくのか、通産開発庁の方に御答弁を簡単にお願いしたいと思います。
  14. 三枝英夫

    三枝政府委員 お答え申し上げます。  先ほど大臣より御答弁申し上げましたとおり、沖繩振興開発計画、これは十カ年にわたる計画としてございまして、海洋博はその一部ということで位置づけられておると思います。特に関連公共事業等につきましては、振興開発計画においても主要な中身になっておるという考えでございます。
  15. 岡田純夫

    岡田政府委員 海洋博につきましては、振興開発計画におきまして、県のほうの原案におきましても、沖繩国際海洋博覧会という一章を設けて御相談がございまして、振興開発計画自体におきまして検討いたしまして、余暇生活の充実と観光の開発という中でとらえておりまして、先ほど大臣から御答弁がございましたように、振興開発十カ年計画の中で重要な位置づけをしておるわけでございます。ただ、それに関連いたしまして気づかわれる問題に対処するために、あるいは施設部会あるいは物価部会等が設けられまして、それに万遺憾なきを期しておる、こういうことでございます。
  16. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは次に、この県民参加ということに対しては、先ほど申し上げましたとおり県がこれに参加をしておりますが、現地における推進本部会議に対しては、県労協をはじめ幾つかの団体が参加を拒否しております。その問題はいろいろありますが、特に現地におけるところの海洋博開催に対して協力でき得ない、協力しても何としても不安だという問題が幾つかあるわけであります。これらの問題について、この際まず御質問申し上げてみたいと思うのであります。  まず自然環境破壊の問題であります。私も先日現地へ参りまして、あの沖繩の島を見まして、これから短時日の間にあの島の開発が進められるならば沖繩自然環境はますます破壊し尽くされていくのではないか。建設が終わったあとにおいて一定の節度が保たれるとしても、建設の過程の中においてはたいへんだという心配を持って帰ってまいりました。特に飛行機に乗りまして、那覇の飛行場を飛び立って眼下を見おろすとき、あのきれいなサンゴ礁が一面掘り返されて、土砂の採石、採取が行なわれております。ヒトデによってサンゴが死滅しているその自然の災いに対して、人力をもってサンゴ破壊が行なわれている、このようなことがまだ建設にかからない段階の中においてすでに見られておるわけであります。こういうような状況に対して自然環境破壊をどのようにして阻止するか、たいへんな課題であります。この問題について私は幾つかの資料を持ち、あるいは子供の声を収録したこのようなものも集めてまいったわけでありますけれども、時間がないので読み上げるわけにはまいりませんが、環境庁のこれに対する見解をお伺いしておきたいと思うのであります。
  17. 新谷鐵郎

    新谷説明員 沖繩の自然を守る問題につきましては、沖繩復帰後、国立公園一カ所、国定公園二カ所を指定いたしまして、その地域範囲内におきまして沖繩の貴重な自然を守る施策を講じたところでございますけれども先生御指摘のように、その地域外におきましても現実にいろいろ自然破壊の問題が起こっておるわけでございます。私どもといたしましては、海洋博が行なわれることになります以上は、会場に選定された地域あるいはその周辺の地域におきましてある程度自然の改変が行なわれることは避けられないところでございますけれども、要はその自然の破壊の限度を最小限に食いとめ、また、なるべく自然と調和した形で開発が行なわれるということが必要であるというふうに考えております。  そこで、海洋博関係計画段階におきましても、環境庁といたしましてこれまで必要な御要望をしてまいりましたが、今後具体的な工事の施行の段階におきましても必要な意見を申し上げ、あるいはこれをチェックする役割りを果たしてまいりたいというふうに考えております。
  18. 佐野進

    佐野(進)委員 そこで私は、幾つかの問題点がありますが、時間が迫ってまいりましたので省略いたしまして、質問を続けたいと思うのでありますが、いま一つ現地においてきわめて心配になっておる事項は、この博覧会用地の取得に関連いたしまして付近用地に対する買い占めによるところの開発の阻害、このようなことがひんぱんに行なわれつつあるわけであります。したがって、このような買い占めを阻止する対策について、この際、勇断をもって対処しなければならないわけでありますが、この点についてどのような措置をする決意があるか、ひとつ質問してみたいと思うのであります。  さらに、これに関連して沖繩用地取得状況質問したいと思ったのでありますが、私の調査によってもその内容は明らかにされておりますから、その質問は省略いたしまして、約九六%取得された沖繩のいわゆる海洋博覧会用地に対して県並びに市町村等が負担しなければならない財源が膨大な金額にのぼっておるわけであります。本来このような用地取得に関する費用は国の補助金をもって交付すべきでありますが、これらの措置についていまだそのような方策がとられていないわけであります。これはこの前も質問があったやに聞いておるわけでございますが、用地補償費用、物件費等含めて十九億六千三百万円の費用がかかっておるわけでございますが、これを補助金として交付する気持ちがあるかどうか、今後の県、市町村財政との関連もございますので、いわゆる用地取得に関連いたしまして、買い占めを防止する策並びに県当局に対して補助する考え、この二点についてお聞きしておきたいと思うのであります。
  19. 三枝英夫

    三枝政府委員 お答え申し上げます。  第二点に御質問のございました会場用地の取得の問題でございますが、この件につきましては、会場計画をきめる際に、会場計画については県が用地を提供するということを前提に計画が出発した点がございます。御指摘のとおり十九億で用地取得ということになっておるわけでございますが、そのうち起債が十七億、県費二億ということになっておりまして、この起債関係の利子分等含めまして、このあと処理につきましては、財政当局、自治省等と十分検討して、沖繩県側に過大な負担にならないような検討を進めていきたいというふうに考えております。
  20. 佐野進

    佐野(進)委員 買い占め防止については、あとで一括して答弁していただきたいと思います。  そこで、いま質問を続けてまいったわけでございますけれども、結局この事業が進行する中において一番問題になってまいります問題は、労働力の確保の問題ということになるわけであります。いわゆる資材並びに労働力の確保ということになってくるわけでありまして、この問題が沖繩県民生活を根本的に破壊する要因を含んでいるわけであります。こまかくこの内容説明し、質問をしたいと思っておったのでありますが、その時間がございません。  私は、労働省あるいは経企庁等に対して、次の点について質問をしてみたいと思うのであります。  この労働力不足対策について、いわゆる沖繩県民生活破壊しないという形の中においてどのような措置をとることが必要であるか、その対策の一つをお示し願いたい。  さらに、これから沖繩における労働賃金は少なくとも最低一万円程度のものを出さなければ集まってこないであろう、したがって外国労働者の移入さえ考えている、現地において一万円の外国労働者の労働力確保をすれば、現地における労働者に対しても当然それだけの費用を払わなければならない、これはたいへんだという声があるわけであります。これらについて賃金対策としてどのような措置考えなければならないか、さらにこれらの人々が一気にどっと沖繩の町へ流れ込んでくる、その影響が非常に大きいわけであります。しかし、それらについて一定施策のよろしきを得てこの労働対策が完了いたしましても、数万人に及ぶ労働者が沖繩の本島へ入ってまいります。その結果、その労働力が全体の労働力のバランスをくずします。終わりました、さて、その後におけるところの雇用対策をどうするのか、たいへんな課題になってまいります。私は、これらの問題について逐一お答えをいただきたかったのでありますが、時間がありませんので、これらの問題につきましてはひとつ関係当局において十分配慮の上にあやまちのない対策を立てていただきたいと要望をするとともに、第一点についてのみお答えをいただきたいと思うのであります。
  21. 桑原敬一

    ○桑原政府委員 沖繩海洋博の労働力確保対策の問題でございますが、海洋博を含めまして沖繩におきます建設事業の総労働力は約五万人必要だというふうに、私ども関係省との間で推測をいたしております。現実に沖繩で三万八千人くらいの方が建設業で働いておられますので、約一万二千人の方が足りない、こういうようなことになろうかと思います。やはり沖繩海洋博を成功させるためには、あくまでも現地方々が積極的に御参加いただくことが大事だと思います。そういった意味で、最近沖繩海洋博の臨時安定所を設けまして、積極的に地元の方の海洋博参加を呼びかけておるわけでございます。  なお、技能労働力を中心としまして足りない面がございますので、これは大阪の万博の経験を生かしまして、各県に積極的に協力を求めまして、この海洋博の成功のために努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
  22. 佐野進

    佐野(進)委員 そこで、だいぶ時間が迫ってまいりましたので、大臣にこれから原則的な面について質問をし、運輸省、建設省に対して次の質問をいたしたいと思います。  いままで質問について十分意が尽くせませんでした。そこで、原則的な面について質問をしたいと思うのでありますが、結果的にいま申し上げましたようなことは氷山の一角でございまして、もろもろの不安要素が多数存在をいたしておるわけでございます。したがって、沖繩海洋博に対しては規模の縮小をはかり、自後の対策については、海洋博終了後においてその工事を行なうということにしたほうがよろしいのではないかという見解が相当強く明らかにされつつあるわけであります。われわれもまたそのように考えるわけでございますが、規模の縮小によってこれから起こるであろう混乱を是正し、海洋博を秩序ある形の中において開催するということに対して大臣はどのようにお考えになるか、このことについてお聞かせ願いたいと思います。  同時に、そのあと地利用計画についても万全を期さなければならぬわけであります。これをそのまま放置いたしますと、また一部特定の人たちにこれを利用されてしまうということにもなりかねないのでありますので、それらについての見解をお示し願いたいと思います。  時間がございませんので、一括して次の問題の質問をいたします。  海洋博準備状況の中で、課題がたくさんあるのでありますが、私が一番心配いたしましたのは、いわゆる県民意識によってこの海洋博に対して反対するということとともに、何百万人という人が限られた期間あの島に押し寄せることによって起きる交通混雑をどのようにして取り除くかということが重要な課題であると思うのであります。  そういうような意味においていろいろな角度で検討を続けてまいりましたが、この検討の内容は、またあらためて御質問なり文書でもってあなたのほうにお出ししたいと思いますけれども、当面する課題としては、先日、地方行政委員会等におきましても議論されております沖繩の陸上輸送機関として国がこの措置と積極的に取り組むという形の中において、最も安易にして簡単に設置できる機関として、モノレールをぜひ建設してはどうかということであります。このモノレールについて建設当局はすでに重点地域として決定している、運輸当局もこれに積極的に取り組むということでございますから、これを設置するということについてのお考えを明らかにしていただきたいと思うのであります。そしてさらに、軍港あるいは港湾その他の施設について、これを積極的に開放せしむる、こういうような措置によって足を守るべきではないかとわれわれは強く考えておるわけでございますが、このことについて御見解をお聞きいたしまして、不足した部分はさらに各省交渉その他の形の中において逐次明らかにしてまいりたいと考えて私の質問を終わりますので、御答弁をお願いいたしたいと思います。
  23. 三枝英夫

    三枝政府委員 事業規模の縮小をすべきではないかという点と、あと利用の問題に関しましてお答え申し上げます。  海洋博の総事業規模といたしましては、先ほど申し上げましたように、まだ民間等の関係については多分の不確定な要素がございますが、政府関係でまとめております会場及び関連事業につきましては、結果的にあるいは縮小ということがやむを得ず出てくる点もあろうかと思いますが、現段階におきましては、これはデメリット等発生する問題あるいは環境上の問題等、十分に関係各省連絡をとりながら進めておるということで、縮小ということは考えてございません。  それから、あと利用の問題につきましては、これは万博のときと違いまして、最初からあと利用を主要な施設についてはやっていくという前提で、残すべき施設と撤去すべき施設とを会場計画の設計にあたりましては十分配慮しつつ考えてございます。  ただ、管理運営等全体的にどうするかという問題は、政府及び県、参加したいろいろな企業、これを合わせまして正式の委員会等、組織をもちまして今後検討すべき課題というふうに考えてございます。
  24. 佐藤久衛

    ○佐藤説明員 御質問のモノレール計画につきましては、これは開発庁予算でございますけれども調査費を計上いたしまして現在調査中でございます。ただ、残念ながらその後、いろいろな設計、工期等の点から海洋博には間に合いかねますけれども、私どもとしましてはいろいろな経営調査等、その他前向きの姿勢でもってこの問題に取り組んでいる、こういう状況でございます。
  25. 浦野幸男

    浦野委員長 藤田高敏君。
  26. 藤田高敏

    ○藤田委員 私、実は通産大臣と経済企画庁長官に質問しようと思ったのですが、参議院との関係で急に出られぬようになったようであります。と申しますのは、いま新聞その他でたいへん大きく政治問題として報道されております電力料金の値上げ問題について質問するために、事務当局の答弁では私自身の質問要旨から考えて適当でない、このように考えたわけでありますが、おりませんので、その間、事務的な関係についてまず質問をしておきたいと思います。  その第一は、四国電力及び関西電力が続いて料金値上げの申請をしたというふうに報道されていますが、その値上げ申請の概括的な内容について説明をしてもらいたい。これが第一点。  第二点は、この値上げ申請をしてきている二つの会社の経理内容として、配当金及び利益準備金、支払い利息、減価償却費、こういったものについてここ数年来の実績を事務的に報告をしてもらいたいと思います。
  27. 井上保

    ○井上政府委員 今回行なわれました四国電力及び関西電力の料金値上げ申請の概要でございますが、申請の理由といたしましては、最近におきます公害対策費の増高、あるいは減価償却費の高騰、これは最近におきます公害投資の増強等にも関係がございますが、そういう問題であるとか、あるいはOPEC攻勢によります燃料費の増加、そういう経費の増加ということが企業努力にもかかわらず吸収しがたい程度に至っておるということでございまして、それが大体申請の理由でございます。  なお、申請の内容といたしましては、概括的に申し上げますと、値上げ幅といたしましては、四国電力が電灯、電力の合計で申し上げますと、二一・五四%、電灯では十二・五七%、電力では二六・九六%でございます。また関西電力におきましては、申請の電灯、電力の計では二八・一三%、電灯では一五・七九%、それから電力では三五・一五%でございます。  それから、最近におきます両社の収支の概括でございますけれども、総括的に申し上げますと、総収入と総費用との差額を見てまいりますと、四十六年度におきましては、関西電力では利益額が約百七十二億、それから四国では三十八億、四十七年度におきましては、関西が百三十一億、四国が三十六億ということでございまして、これは配当あるいは準備金というものを支出いたします前の数字でございます。  その間、利益の差し引きの状況を申し上げますと、たとえば、総収支の伸び率は、関西におきましては十二%程度、総費用は一四%程度、四国におきましても、総収益は一五%程度伸びておりますが、総費用は一七%伸びておるというようなことでございまして、全体的に経理の内容が非常に悪化してまいっております。  個々の数字につきましては、四国電力で申し上げますと、四十七年の支払い利息は七十三億、四十六年が六十二億、四十五年が五十四億でございます。減価償却費は四十七年が百十一億、四十六年が九十六億、四十五年が九十三億でございます。配当金、利益準備金の合計でございますが、四十七年が三十九億、四十六年が三十八億、四十五年が二十六億程度でございます。  それから、関西電力でございますが、支払い利息は四十七年が四百十六億、四十六年が三百四十八億、四十五年が三百四億でございます。減価償却費が四十七年が七百十一億、四十六年が五百九十六億、四十五年が五百八十億でございます。配当金、利益準備金の合計で申し上げますと、四十七年が百九十七億、四十六年が百八十一億、四十五年が百五十九億という数字でございます。
  28. 藤田高敏

    ○藤田委員 その種の資料は大体私も調べておるわけでありまして、実際言うと、この種の質問のやりとりをする時間自身がたいへんもったいない、こういうふうに思うわけでありますが、大臣がいないものですから、しかたありません。  そこで、いま一つお尋ねしますが、このような値上げは、政策当局としては、ことしじゅうには四国電力なり関西電力から申請がなされるであろう、こういうふうに予測をされていたかどうかということが一つであります。  二つ目には、これは仮定の論議でありますが、現実の問題になってきたわけですから、これは単なる仮定の論議にはならないと思いますが、もし、この四国電力なり関西電力の料金アップを認めるということになれば、北海道電力が続いてこの値上げの申請をするともいわれておるし、あるいは最近、伊達火力発電所の問題でたいへん問題が社会問題化してきたので、こういう条件の中で値上げ申請をするとこれはまたたいへんだということで手控えるとも聞いておるわけでありますが、そこらの事情についてわかっておれば聞かしてもらいたい。  また、大阪瓦斯がこれまたこれらの値上げに関連をして料金値上げの申請をしてくるのではないかということがいわれておりますが、これらの見通しについてお尋ねいたしたい。  第三点は、それとの関連において、もしこの二つの料金値上げをやれば、その他の公共料金の値上げについて、いま指摘したようなガス料金の値上げを含めて、続いて申請されるであろう公共料金の値上げを認めないというわけにはいかないと思うわけですね。そういう関連について、まず政策当局の見解を聞かしてもらいたい。
  29. 井上保

    ○井上政府委員 通産省におきまして電気ガスの公益事業規制を行なっておるわけでございますので、常時、経理内容等には十分注意を払っております。したがいまして、電気ガスの各社の経理内容がどういう傾向にあるかということは常時承知いたしておりますけれども、料金申請につきましては、各企業における経営者の経営努力あるいはその他諸般情勢の判断に基づきまして、各経営者が自主的に申請いたすものでございまして、通産省といたしましては、新聞その他である程度事前にそういう空気を察知はいたしておりましたけれども、明確には知っていないところでございます。  なお、今後の料金申請の出方でございますが、これにつきましても、いま申し上げましたと同じような事情でございまして、一般的にいいまして経理内容が悪くなっておるという状況を把握いたしておりますけれども、それが直ちに料金の申請につながるかどうか、それは将来の原価計算期間の見通しにかかりまして、そこまでわれわれのほうはこまかくタッチしておりませんので、これもいまにわかにどういうことであるかということを申し述べることはできる段階ではございません。  なお、大阪瓦斯につきましては、諸般情勢から見まして近く申請が出てくるのではないか、こういうふうに考えております。  それから、その他の公共料金に対するはね返りの問題でございますが、これは公共料金それぞれの分野におきまして、それぞれの原価計算を行ないまして、それぞれの見通しに立ちまして、それぞれのところから申請が出てまいると思いますので、われわれのほうといたしましては的確に申し上げることはできないと思います。
  30. 藤田高敏

    ○藤田委員 いまちょっと、私の受けとめ方に間違いがあるかもわかりませんが、この二つの電気料金の値上げについては具体的には想定をしていなかった、こういうふうに聞こえたわけですが、間違いありませんか。
  31. 井上保

    ○井上政府委員 先ほど申し上げましたように、公益事業行政の一環といたしまして、料金が非常に中心的な問題であるということはふだんから十分に存じておりますので、経理内容の動向につきましては常時把握いたしておりますが、料金の申請につきましては、これは将来期間のただいまの算定要因で申し上げますと、将来三年間の経費あるいは収入の見積もりによりまして申請をいたすわけでございまして、これはわれわれのあずかり知らないいろいろな要素がございますので、そういう申請がそういう将来の期間の原価をもとにして出てくるか、いつ出てくるかということにつきましては、当方としては、大勢は経理の内容は知っておりますけれども、具体的な問題につきましては知っていない、こういうことでございます。
  32. 藤田高敏

    ○藤田委員 通産当局及び経済企画庁にも関連して質問をいたしますが、それでは四十八年度の物価情勢についての見通し、あるいは四十八年度の予算は国会でもちろん成立をしたわけでありますが、この予算編成に伴うさまざまな経済指標の策定にあたって、この電気料金の値上げということは、具体的には策定の中にそれでは入っていないのかどうか、この点ひとつ明確にしてもらいたいと思います。
  33. 橋口隆

    ○橋口(隆)政府委員 この電力料金の値上げにつきましては、四十八年度では具体的には織り込んでおりません。
  34. 藤田高敏

    ○藤田委員 料金値上げが入っていない。この二つの電力料金あるいは今日の段階で大阪瓦斯の料金値上げが予想されておるわけですが、こういったものは入ってないということですね。  それであれば、これは具体的な問題になりますが、それぞれの電力会社の申請によれば、八月の十五日までにこの料金値上げを認めてほしいという、そういう申請内容になっておると思います。政府は、時間的にはこの時間内に結論を出すのかあるいは若干ずれるのか、それはわかりませんが、この値上げを認めるということになれば、この四十八年度の経済計画の中に入ってないわけですから、物価の動向あるいは物価がどの程度上がるかという、策定計画の中に入ってないわけですから、これを値上げするということになれば、その分が他の面に及ぼす波及効果を含めて物価はさらに上昇するわけでありますが、その上昇するということを政府は値上げした場合には認めるわけですね。
  35. 橋口隆

    ○橋口(隆)政府委員 電力料金の値上げは、現在通産省に申請がなされたばかりでございまして、経企庁といたしましては、これを認めるかどうか、また、認めるとした場合にどの程度にするかということは、現在のところは全く白紙でございます。  ただ、かりに認めた場合に、どういう影響を与えるかということを一応試算をいたしております  それをちょっと申し上げましょうか。——四国の場合におきましては、地域における指数の比重が一万分の二百三十七でございまして、電灯の場合、〇・二九%の消費者物価への影響がございます。全国指数に与える影響は〇・〇〇八となっております。また、電力を含めました平均が二一%といたしました場合には、地域の消費者物価に与える影響は〇・五一と見ております。全国へは〇・〇一四と算定をしております。  それから関西電力の場合は、地域指数が一万分の百九十一でございまして、電灯の場合、CPIに与える影響は〇・三と見ております。そして全国に与える影響は〇・〇五でございます。電力を含めました平均が二八%の値上げと見ました場合には、その影響は〇・五三%でございます。全国全体に与える影響は〇・一というふうに算定をいたしております。
  36. 藤田高敏

    ○藤田委員 私は、いまの数字を聞いただけで、これはもう政府は、経済企画庁、通産省を含めて、認可当局は、物価の波及効果はきわめて少ない、言えば、コンマのゼロゼロ幾らだ、たいしたことはないんだ、心配するな、いましばらく検討して政府は認めましょう、こういう結論を出したと同じことだと思いますね。私は、いまの数字自身の信憑性についてはきょうは論ずる時間がありません。しかし、この電気料金の値上げは、いま電灯料金というふうにしぼって言われましたが、家庭用の電気製品を使う量、あるいはこれは産業用も入るかもわかりませんが、全体的に物価にはね返る影響の度合いというものはどの程度のものか、これをひとつ説明してもらいたいと思います。
  37. 橋口隆

    ○橋口(隆)政府委員 ただいまは、四国電力と関西電力についての一応の試算を申し上げたのでございますが、全体として、経企庁といたしましては、通産省の査定の結果を見きわめ、また、この電力料金は政府全体としての非常に重大な課題でございまして、公共料金政策を今後どういうふうに進めるかという基本的な方向をきめることが必要でございまして、それについては、まだ政府全体の態度はきめていないわけでございますから、具体的には、まだ数字を申し上げられない段階でございます。
  38. 藤田高敏

    ○藤田委員 政府が、この電力料金を含めてでありまが、公共料金の策定にあたって今年度はどうするかというようなことについて方針がきまってないというようなことは、今日これだけ物価問題が、きのうの田中総理の記者会見あるいは福田行政管理庁長官のどこかの講演、こういう自民党内閣の今日の首脳陣のこれからの発言を見ても、物価問題が今日、政治問題の最大課題である、このように強調しておるのですね。そういう中で、物価がどのように変動していくか、その中で公共料金の占める役割りというものは非常に大きい。たとえば、かつて、私の記憶に間違いがなければ、昭和三十九年池田内閣当時、この物価抑制策の一つの方策として、公共料金は一切一年間は値上げをしない、こういうことを政府方針としてきめたことがあったと思う。それほどに公共料金の値上げというものは、物価の中では非常に大きな影響力を持っておる。にもかかわらず、その事務当局がこれから検討しなければ、この電力料金の値上げをはじめ、公共料金の値上げについて方針がきまってないなんということを——少なくとも経済企画庁というのは、去年予算の編成期にあたって、四十八年度は公共料金の値上げについては、どれとどれとを値上げする、どんな申請が出てきても、この一年間は物価政策のたてまえからいって、料金値上げはやらないのだ、こういうことを策定するのが経済企画庁の仕事じゃないですか。そんなことができない経済企画庁だったら、ないほうがましですよ。どうですか。いまの答弁は重大な政治問題だ。
  39. 橋口隆

    ○橋口(隆)政府委員 公共料金政策につきましては、真にやむを得ないもののほかには極力これは抑制する、そういう方針がきまっておりまして、具体的には、今回の四国電力と関西電力をどうするかということはこれから検討する段階になっております。確かに藤田先生がおっしゃいますとおり、公共料金については今年度は完全に抑制したほうがいいと私は考えておりますけれども政府全体の方針として今後これをどう扱うかということは、具体的にはこれからの課題になっております。
  40. 藤田高敏

    ○藤田委員 きょうは一般質問ですから質問は続けざるを得ないのですが、また、政務次官の答弁ですからというようなことで質問もしますけれども、先ほどのような答弁予算委員会なんかでやったら、私は、予算委員会はストップだと思うな。それは、あなた、公共料金の値上げをするかしないかについての方針がきまってない、こうあなたはおっしゃったのでしょう。これはたいへんな問題ですよ。少なくとも、先ほど事務当局の見解を聞きましたが、この電力料金の値上げについては、私たちのサイドでも、ことしの初めから料金値上げというものがあっちこっちうわさをされていた。もうことしの予算編成期の段階で、この料金の値上げ問題が論議の対象になっていた。ですから、このこと自身を想定しないで、ことしの物価動向あるいは経済の見通しについて政府一定の方向を出したとすれば、私は無定見のそしりを免れないと思う。そういう点では、私は、今日のこの物価情勢の中から考えて、電力料金の値上げは、原則的に値上げをすべきでない、原則的と申しますのは、産業用も含めてのことでありますが、なかんずく家庭用、一般消費者向けの家庭用の電力料金は、これは絶対に値上げをすべきでない、このように考えますが、通産大臣がお戻りになられたようでありますから、大臣及び経済企画庁を含めて見解を聞かしてもらいたいと思う。
  41. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 公共料金をできるだけ抑制すというのは政府の一般的方針であります。今回、二電力会社から申請がございましたが、この内容をしさいに検討いたしまして、政府の一般的方針に沿ってできるだけ抑制していきたい、こういう考えで審査する考え方であります。
  42. 藤田高敏

    ○藤田委員 経企庁、どうですか。
  43. 橋口隆

    ○橋口(隆)政府委員 ただいま通産大臣が言われましたとおり、また先ほど申し上げましたとおり、政府方針としては、現在国鉄運賃改定法案を出しておりますが、それ以外のものは極力抑制をする、そういう方針で臨んでいるわけでございます。具体的には、これから現在の問題については査定をするということになっております。
  44. 藤田高敏

    ○藤田委員 一般的には、公共料金は極力抑制する、こういうことでございますが、きのうの新聞を引き合いに出すまでもなく、全国市街地における地価は十六%、木造住宅建築費は二四%、卸売り物価は前年六月対比で十三・二%、消費者物価は一割以上の値上げ、まさにインフレの加速期ともいうべき現象を呈しておるわけなんですね。全くこれはもう異常な状態であります。私は、田中内閣が命をとられるかとられないかはこの物価問題と公害問題なかんずく物価問題にあると思うのです。福田長官のきのうの講演なんかも、これは何も閣内の不統一をどうこういうことに焦点を合わしたくないわけでありますが、物価問題で大きな意見の対立が生れてきておる。こういう国民のサイドから見ても、この物価問題をどうするんだ、大胆な政策転換を通じて物価を抑制してもらいたい。いま国民は、国会に対して、国政に対して、あるいはいまの内閣に対して非常な政治不信を持ってきておるのは、私は物価問題だと思う。そういう異常期の中で、いま通産大臣が言われたように、あるいは政務次官が答弁したように、一般論でできるだけ規制していきたいというようなことで国民が納得するでしょうか。私は、少なくともこの種の国民の生活に非常に影響力のある電力料金の値上げ等は、申請をしてきたとたんに、政府としては、ほんとうに国民の生活考えるという政治をやろうとするのであれば、タイムリーに、少なくともことしじゅうはこの料金値上げについては認めないというぐらいな一つの方針が明示されることが、今日の政治情勢の中で具体的に非常に大切ではないかと思うのです。その点についての、これは特に通産大臣見解を承りたい。これはひやかしではありませんが、中曽根大臣とか小坂経済企画庁長官というのは、現在の内閣の中でも有力閣僚だ、これは国民はひとしく認めておると思うのですよ。だれが総理になろうと、自民党の内閣では大もの級だと思われておるこういう人たちがおって、この程度の問題についてタイムリーな方針なり結論が出せないということになれば、私は、結果としては、先ほども言ったんだけれども、この二つの料金値上げは政府としては認めるんだということを裏書きすることになると思うのです。大臣、どうでしょうか。
  45. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 物価をできるだけ抑制していくというのは政府方針でありまして、藤田委員の御説も非常に傾聴しておるところでございます。ともかく申請が出ましたから、この申請の内容をいろいろ検討いたしまして、政府のそういう方針に基づいてこれを処理していきたい、そういう努力をしたいと思っております。
  46. 藤田高敏

    ○藤田委員 実にすげない答弁ですね。これはテレビも入ってないし何ですけれども、いまのような答弁を国民が聞いたらほんとうに失望しますよ。失礼な言い分だけれども、そんな考え方で経済閣僚としての責任を果たそうとしておるのであれば、私は、基本的な考え方を変えて、やはりもっと真剣に国民の立場に立って政権担当の責任を果たしてもらいたいと思う。  そこで、あえてお伺いしますが、政府は物価の抑制についてできるだけ努力を払ってきているんだ、これからも払っていきたいんだ、こう言っておりますが、先ほど私が指摘したように、そういう方向で努力をしても何ら実効があがってないじゃないですか。実効のあがることをやってくださいよ。そのためには、こういった公共料金の中でも横綱格といわれておるような電気料金に対して、政府としては、やはり今日の異常な物価情勢の中で少なくともことしは業界の意向はどうあろうとも抑制していくんだというような方針が出されることが当然ではないでしょうか。大臣見解を求めます。
  47. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 先ほど来申し上げましたように、物価を抑制するということは政府方針でございまして、土地課税あるいは輸入の増大、そのための関税の引き下げ、あるいは二回にわたる公定歩合の引き上げ、あるいは三回にわたる預金準備率の引き上げ、こういうふうにして過剰流動性をできるだけ早く取り去るように努力したりして物価の引き下げ、投機の解消ということに非常に努力しておるところでございます。そういう努力をしておるということも御認識いただきたいと思うのであります。  公共料金の問題については、政府のそういう一般的な方針がございますから、その方針にのっとってこれを具体的に審査していきたいと思うわけでございます。
  48. 藤田高敏

    ○藤田委員 私たちも国政を論ずる一人として、いま大臣が言われたような、たとえば金融面からする物価の抑制策についてどういったことを政府がやってきておるかというぐらいなことについてはあらかた理解をしておるわけです。しかし問題は、それらの政策が政策効果を生んでないんですね。そうして消費者物価が一割以上も上がるというような全くギャンブル経済の中に国民を投げ込んでいくようなことになっておるわけであります。そういう情勢の中では、いままでいろいろなことをやってきたけれども、その実効があがってないということであれば、インフレ抑制ムードのいわゆる心理的効果を含めて、国民生活に非常に関係の深いこの種の料金値上げというものは、ある意味においては、今日ただいまの政府の政治方針として、経済政策の中でも一番大きな重点施策としてこの公共料金の値上げはやらない、こういう方針を打ち出すことがきわめて必要だと私は思います。  きょうはこれ以上の答弁を引き出すことはできないと思いますが、私は、先ほど申し上げたように、この料金値上げについては反対でありますし、政府としては、ぜひこの値上げを認めないということで検討すべきだということを要請いたしておきます。  そこで、次に少し具体的な問題に入りますが、この電力料金の算定にあたっては、現在の法律に基づきまして原価主義がとられておりますが、この原価主義は、ある意味では非常に時代おくれの算定方式ではないか、電気料金の体系ではないかと思うわけでありますが、この点についての見解はどうでしょうか。
  49. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 電気事業法によりましていわゆる原価主義の料金体系がとられております。最近の諸般情勢から見まして、この原価主義の料金体系も客観情勢の変化に伴って検討を加うべき時期が来ていると思います。
  50. 藤田高敏

    ○藤田委員 これまたけさの新聞ですが、両角通産次官が、この電気料金の算定方式について、いわば原価主義を政策料金的なものに改変すべき時期に来たというふうに言われておるようでありますが、これは通産当局の統一した見解として今日理解してよろしいかどうか、それが第一点。  それと、私、先ほど申し上げたわけでありますが、この料金の値上げの申請を検討するにあたって、国民の生活を守る、いわゆる国の政治の方向を産業優先、開発優先の政治から福祉優先、人間優先の政治に切りかえるのだ、これが今日の国政を論ずる者のコンセンサスとして確立しておるわけですから、そういう観点からいけば、これは算定方式と関連をいたしまして、少なくとも家庭用の電力料金は絶対値上げすべきでないと考えるわけでありますが、この点についての大臣見解を聞かしてもらいたい。  さらに、私は質問の時間を合理化する意味においていま一つ質問をいたしますが、公益事業とは何か、今日の電力事業は、公益事業とはいうものの、実質的には民間の独占企業と何ら変わりがない性格を持ってきたのではないか。公益事業と一般の民間の独占事業と比較して、公益性の事業として電気事業を認めている。労働者の観点からいけば、労働者のストライキ権、基本権というものが公益事業の名において、ああいう形で大幅な制限を受けておる。そこまで労働者の基本権を制限して事業活動を行なう電力会社を公益事業という観点から考えますなれば、私は極論をすれば、産業用と家庭用の電気料金という比較ではなくて、家庭用というこの電気料金は無料にしていってもいいのじゃないか、無料化する方向で電気料金というようなものは検討をすべきではないか、ある一定の量までですね。これは同じ家庭でも百使うところもあれば、あるいは十使うところもあるということではいけませんから、いま言ったように一定の量までは無料化していってもいいんじゃないか。たとえばソ連あたりは、地下鉄の料金なんというものは行く行くは無料にしていく、これは地下鉄というものは道路なのだ、こういう考え方に立つと同じような観点から、公益事業性格上、家庭用の電力料金についてはそういう方向でこの機会に検討すべきでないかと思うのですが、見解を聞かしてもらいたい。
  51. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 通産省としましては、福祉のための成長、福祉優先主義をとっておるわけであります。それで、従来の重化学工業に重点を置いた政策から知識集約産業、省資源型産業という方向にいま強く転換させようとしているときでもありますから、そういう政策的考慮もあって、省資源型の方向に誘導していくという観点も考えつつ、電力や石油の使用というものについていろいろな対策を講じていきたいと思っておるわけであります。原価主義というものについてもそういう考慮もあるいはなさるべきではないかと思います。  それから家庭用のものにつきましては、私もそういうお考えの方向については同感でございます。ただ、家庭用といってもテレビを三つも四つもつけっぱなしで見ておるといううちもありますし、あるいは大きな邸宅で電気をつけておるといううちもありますし、ルームクーラーを大型のものをつけておるといううちもあります。だから、やはりぜいたく的なものというのは値が高くてもいいのじゃないか、必要なもので生活を維持する部分については、これはいろいろ社会的考慮を払うべきである、そういうふうに私は思います。  公益事業につきましては、たとえば電気事業というようなものは供給の義務を法律で負っておるわけであります。それと同時に、一面において地域的独占が認められておるわけであります。供給の義務を負っておるということは普通の業態と違う業態でありまして、そういう点においては義務を履行できるような考慮をわれわれも政策的にいろいろ考えてやらなければならぬところでもあります。
  52. 藤田高敏

    ○藤田委員 時間的な関係で具体的に煮詰めることはできませんが、私は、今国会の中でこの問題についてはひとつ掘り下げた政策論議、これはエネルギー資源の問題と関連してぜひやりたい、こう思っております。しかし、いま言われたように、私は、特に家庭用の電力料金について無料化の方向で現状維持、据え置きだけでなく、積極的にという意見を出しましたのは、いま大臣が言ったように、決してぜいたくする家庭と、一般的に合理的な生活をしておるものとを無差別にやれという意味ではない。基本的には憲法二十五条の最低の文化的な生活ができる、そういうところに焦点を合わせて、この料金改正についても、今回の料金改定の申請を機会に、据え置きからさらに家庭用の電気料は切り下げていくべきだ、こういうことを強く主張いたしておきます。  最後にお尋ねしておきたい一点は、今回の電力料金値上げの理由として幾つかあげております中に、電源開発促進費の負担が増大するという項目があります。なるほど火力発電所あるいは原子力発電所、こうあるわけでありますが、私の調査によりますと、関西電力の美浜原発は去年の六月に事故を起こして、ことしの十二月まで運転中止して、そうして三カ月間運転をして、また同じような事故が発生をして現在運転を中止をしておると聞いております。そうしてこの技術的な内容もいささか調べておりますが、ごく常識的に考えて、インコネルというような耐熱合金を使っておるこの蒸気発生機の中に事故を起こすなんということは、少しこの種の技術的知識のある者からいえば、全く理解ができないような事故が起こっておるわけであります。この商工委員会でもあるいは科学技術の特別委員会でも、原発の問題については何度か論議になってきておりますが、この種の安全性さえ十分に確保できない段階において、この原子力発電所というものをどの電力会社もどんどん建設を急いでおる。そうしていわば家庭用電力料金を中心として、これらの電源開発の費用負担に、これらの金を充当しておるわけでありますが、企業サイドに立って考えた場合といえども、一つの炉で六百億あるいは一千億もかかるような原子力発電所をつくって、そうして事故が起こって運転中止をしなければいかぬ。さらにはどんなことが起こってくるかもわからない。そういう不安な原発に、電気料金の値上げをしてまで、それらの費用がどんぶり勘定の中で充当されるような政策は、この際大きな転換をはかるべきでないか。先ほど大臣もおっしゃられましたが、産業計画懇談会のこの資料も、私ゆうべ見直して見ましたけれども、まさに資源を節約しなければいかぬ、いわゆるエネルギーを節約しなければいかぬ、なかんずく、石油の節約をしなければたいへんなことになる、もう財界というか業界自身が、こういう報告書を出しておるぐらいですから、そういう観点からいっても、この際政府の、いま私が指摘したような政策の転換が必要ではないかと思うのでありますが、電気料金の値上げに関連をして政府見解を承り、私の質問を終わりたいと思います。
  53. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 先ほど申し忘れましたが、申請の審査は現行法に基づいて行なわんとしておるものでございます。  それから第二に原発の問題でございますが、省資源という面から見ますと、いわゆるバルキーカーゴーといわれるような膨大なタンカー隊あるいは巨大な石油基地群あるいは水陸連絡設備というようなものをできるだけ少なくするという意味においても、原子力平和利用ということは文明の方向でもあるように私は思います。したがって、企業は常に技術の開発、いわゆるインプルーブメントしていかなければならない、世界の大勢におくれないようにすることも必要であります。電気事業の内部においてそういう新しい企業の創意くふうと発明、技術開発ということを私たちは否定することはできないと思うのであります。  原発の問題については、科学技術庁、原子力委員会においてもいろいろ厳重な規制をしておりまして、またICRPの国際的基準等もすでに設定をされておって、そういう意味においては規制的には行き届いておるものがあると私は思っております。そういう範囲内において平和利用を進めていくということは文明の方向であると思いますので、これを否定することは私は理由がないと思います。
  54. 藤田高敏

    ○藤田委員 時間が来ましたから私これでやめざるを得ません。しかし、この問題は重大な問題ですから、引き続いてこの質問をすることを留保すると同時に、最後にちょっとひっかかったわけです。申請は現在の原価主義に基づいてやるんだ、こういうことでありますが、私は、その前提に立つ限り、どこか家庭用の電力料金の値上げもやらざるを得ないんだというふうに、政治的に読み返して聞けば聞こえるわけですが、そういうことではなくて、今日業界筋の中でも、あるいは先ほどの産業計画懇談会の一つの提言とさえなってきており、通産省の部内においても、けさの新聞に出ておるように、政策料金に切りかえていくべきだ、こういう意見さえ出ておるわけでありますから、現在の原価主義というものに固執して今回の申請問題を取り扱うのではなくて、この際、先ほど言ったエネルギーの大きな政策転換という課題を含めて、いわば政策料金に積極的に切りかえていくことがいいのかどうか、もうすでに財界のほうはそういうことをやったらたいへんだというような意見も出ておりますが、今日この電力料金の決定にあたっては、財界のほうに顔を向けてやるのではなくて、国民の側を向いて、ひとつ家庭用の電力料金は絶対上げない、こういう方向で検討されることを強く要求しておきます。
  55. 浦野幸男

    浦野委員長 竹村幸雄君。
  56. 竹村幸雄

    ○竹村委員 国民生活に非常に関連が深い電気料金値上げが関西電力及び四国電力から通産省に対して申請されました。先ほども話がありましたように、引き続き大阪瓦斯の料金値上げも二十三日に申請される予定だといわれております。昨年後半から国民生活の衣食住にかかる物資の卸売り物価が急上昇を続けているが、これは大商社を中心にした買い占め、売り惜しみによることはすでに明らかにされている。この卸売り物価の急上昇が消費者物価に影響し始め、四月の東京都区部の消費者物価指数で見ると、対前年同月比で一〇・一%の上昇、前月比で一・八%の上昇と、まさに異常な急上昇ぶりであります。また、今国会には国鉄運賃値上げ、健保料金値上げの法案が提案され、国民生活に重大な圧迫を加えようとしております。こうした状況における電気料金、ガス料金の値上げ申請であり、何よりも公共料金だけに物価全般に及ぼす影響が非常に大きいわけであります。政府は物価の抑制を唱えているが、電気、ガス料金値上げを認めることは、政府みずからが物価値上げ、インフレーションを促進することになるわけであります。  そこで、関西電力、四国電力、大阪瓦斯の値上げ申請に対して、企画庁、通産省見解をただしたいわけであります。  まず経済企画庁にお尋ねをいたします。  このような物価高騰の時期に、物価全般に影響を及ぼす公共料金である電気料金、ガス料金の値上げを認めることを妥当と考えておるのかどうか、公共料金政策は政府の介入できる唯一の物価対策といえるわけでありまして、公共料金のあり方、ことに電力、ガス料金について、先ほどもお答えがありましたけれども、もう一度見解を伺いたいわけであります。
  57. 橋口隆

    ○橋口(隆)政府委員 公共料金につきましては、先ほど申し上げましたように、極力これを抑制するというのが基本的な方針でございます。したがって、電力料金につきましても、極力これを抑制していく、そして国民生活に重荷を背負わせないようにするというのが現在の考え方でございます。  現在、通産省に申請がなされたばかりでございまして、企画庁にその協議が参りましたならば、われわれは国民的な立場からこれを再検討いたしまして、それにつきましては、できるだけ国民に負担をかけないような努力をするということで、いま部内でも話を進めておる最中でございます。
  58. 竹村幸雄

    ○竹村委員 先ほども話がありましたけれども、かつて政府は、昭和三十九年一月二十四日の閣議了解によって公共料金をストップしたことがあります。当時地方議会でいろいろと論議して、地方議会で決定をしたところの市電、市バス料金をはじめ私鉄料金等を二年近くも値上げを認めないという強い物価安定政策をとったことがあるわけであります。今日のまさに異常な物価値上げに対処するため、経済企画庁が中心となって、政府は公共料金の引き上げは行なわないものとする。なお、政府が規制する価格については、これに準じて取り扱うものとする。これは昭和三十九年一月二十四日の閣議了解事項の十一項、公共料金についての決定でありますけれども、このように公共料金値上げを強力に押え、物価の安定をはかるべきだと考えるものでありますが、もう一度見解を伺いたいと思います。
  59. 橋口隆

    ○橋口(隆)政府委員 三十六年から三十九年にかけましては、当時ストップ令を出したわけでございますが、非常に効果があったと考えております。経済企画庁でも、物価全体、国民経済全体の立場からそういう点について再検討すべきではないか、こういうことで部内では一応検討を進めております。  そこで、今回の電気料金の値上げについてどうするかということにつきましては、ただいま申し上げましたようにまだ白紙でございますけれども、これからも十分ひとつ相談をいたしまして、そうして政府全体の方向として、できるならば極力これを抑制する、そういう方向で進んでまいりたいと考えております。
  60. 竹村幸雄

    ○竹村委員 時間の都合上次に進みますけれども通産大臣にお伺いいたしたいわけであります。  関西電力を例にとりますと、関西電力の値上げの理由によりますと、一に公害対策費の増大、二にOPECなど産油国の原油の値上げによる燃料価格の増大、三つ目として電源開発費の拡大、四つ目として電力輸送コストの上昇などが主張されております。一方、関西電力の収支の状況を見ますと、昭和四十年をピークにして悪くなり始めておるのであります。ちょうどその時期から関西電力は、先ほどもお話がありましたけれども、原子力発電所建設を始めたのでありまして、この原子力発電所の建設が収支を圧迫し、赤字の原因となったと思うのでありますけれども見解を伺いたいと思います。
  61. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 関西電力の場合は、原子力発電に対する投資がほかの電力よりも多いということは事実のようでございます。しかし、大体原子力発電の場合は、燃料費が非常に安くなる、そして資本コストは高くなる、建設費は高くなる、そういう傾向で、これは両方平準化いたしますと〇・六%くらい高くつくという計算になっておる由であります。一%以下ということでありますから、それほど大きく響いているというふうに私は考えません。
  62. 竹村幸雄

    ○竹村委員 いま御答弁をいただいたわけでありますけれども、関西電力の原子力発電所建設費を見ますと、これは計画中も含むわけでありますけれども、四千三百六十三億円にものぼっておるのでありまして、金利負担も加えるとばく大な資金が必要であります。この膨大な設備資金が経営収支の圧迫をしないわけはないというふうに考えておるところでありまして、もう一度御答弁を願いたいと思います。
  63. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 関西電力の場合を見ますと、原子力発電投資額は四十一年から四十七年の間で二千二百三十七億円、全投資額の一兆一千二十億円の二〇%であります。これは九電力会社を総合した場合の十三%よりも多少高目になっております。関西電力の四十五年から四十七年の間の原子力発電の減価償却費は二百四十三億円であり、総費用一兆二百三十七億円の二・四%であります。このうち約半分の一・二%相当額が原子力発電による増分費用として考えられますが、一方原子力による燃料費節約額は三年間で六十五億円程度と考えられますので、原子力発電による増分費用は〇・六%と考えられておるという数字であります。
  64. 竹村幸雄

    ○竹村委員 原子力発電所の問題につきましては公害問題も含めて次の機会にやりたい、こういうふうに考えております。  次に、電力の使用数量を見ますと、約八割が大企業、産業用あるいは業務用を中心とした電力用であり、約二割が家庭用を中心とした電灯用であります。一方、現行の料金体系を見ますと、大企業を中心とした大口電力は、これは関西電力の料金表によりますと、一キロワット当たり三円七十五銭と非常に安いわけでありまして、一方家庭用については約十一円、約三倍近くになっております。まさにこの料金体系は大企業に奉仕し、産業優先、国民生活犠牲の料金制度だといわざるを得ません。ここで大きく発想を転換して百八十度考え方を変えて、大口電力需要者が大量に電力を使用するから設備の拡大をはからなければならないし、あるいはまた大量に資源を消費するために公害問題やいろいろな問題が起こってくるという考え方に立って、鉄鋼をはじめ大企業が大量に電力を使用する大口電力料金を値上げをして、一般家庭用小口需要者についてはむしろ値下げをすべきであると考えるのであります。  一つの例を申し上げたいわけでありますけれども、そうした考え方に立って、昭和四十三年四月一日に京都市の水道料金の改定にあたって、従来京都市の水道料金もたくさん使えば使うほど安くなる、こういう料金体系でありましたけれども、先ほど私が申しましたように、上水道の施設の拡大あるいはいろいろの投資は大量に水を使う、そのために必要であるという見地から考え方を百八十度変えまして、家庭用といわれる給水管の呼び口径が十三ミリから二十ミリまでについては基本水量二十トンまでを三百四十円と安くして、そして給水管が太くなるほど、これは大量に水を使うために給水管を太くするわけでありますけれども、二十五ミリでは五百八十円、四十ミリでは七百八十円となり、五十ミリとなると二十トンで二千八百円、七十五ミリ以上では同じ二十トンで三千四百円としたのであります。  なお、従量料金にいたしましても、二十一トンから六十トンまではトン当たり三十円、六十一トンから二百トンまでは三十六円、二百一トン以上は四十九円と、使えば使うほど料金が高くなってくる。このような考え方に立って料金制度の策定をいたしておるわけであります。  このように、大口需要者、大企業の大口電力料金を引き上げ、小口需要者、特に家庭用には引き下げまたは据え置く料金制度のほうが妥当性があると考えますけれども大臣お答えを伺いたいと思います。
  65. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 電気事業法に基づいて原価主義をいままでとってまいりましたが、これは負担公平という原則が基礎になるのではないかと思われます。たとえば、工場とか産業に供給する場合には高圧線一本引っぱってきて、そして工場内に据えつければそれで済む。しかし、家庭用になる場合には、変圧器を持ってきて電圧を下げて、それから各戸ごとにいろいろ工事をやって中へ入り込んでいかなければならぬ。結局原価が高くなる。そういうことがあって家庭用のほうは高くなってきたと思うのであります。しかし、最近は資本費が非常に大きくなったりいたしまして、しかもまた、家庭用ではルームクーラーとか、いわゆる三種の神器等に使う電力がかなりふえてきていまして、平準化する傾向になってきております。先ほど申し上げましたように、日本の国策として省資源型の産業構造に転換させて知識集約型の方向に持っていこう、そして生活優先、福祉優先という思想に立って政治をやろうというときでございますから、いままでのこの原価主義に対して検討を加えまして、将来その検討の結果これを改正するということも考うべきである、そういうふうにいま私は考えております。
  66. 竹村幸雄

    ○竹村委員 いま個別原価主義で算定をしているという話がありましたけれども、先般、衆議院を通過いたしました国鉄運賃の値上げのときにも、わが野党は、こぞって、個別原価制から見るならば貨物は大幅な赤字であり、旅客は黒字である、このことを強く訴えたわけでありますけれども、そのときは総合原価主義に立って考えていくというふうな答えの中で、黒字である旅客の運賃まで強引に値上げをした。また、今回の値上げにあたっては、総合原価主義をとるならば、直ちに私が先ほど申し上げた考え方に立って大口電力を値上げをし、小口家庭用電灯は値下げをすべきである。こういう立場に立ちますと、全く逆に個別原価主義で考えていくということは非常に矛盾がある。そのこと自身、大企業のために有利なところを拾い読みをしているというふうに考えるところでありまして、早急にこれは検討し改正をしていただきたいというふうに思うわけであります。  また、今回の値上げ率が家庭用では一五・七九%に対しまして、産業用、業務用は三五・一五%に奉っているのは、現行料金制度が間違っておった、あるいは家庭用が不当に高かったという反省の上に立って出されたものではないかと思うのでありますけれども、その点についてお答えを願いたいと思います。
  67. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 国鉄について総合原価主義をとっておるということでありますが、まさにそのようであります。しかし、電気事業公益事業であると同時に、私企業としての性格もまた持っており、株式会社でやっておるわけであります。したがって、能率的な経営のもとにコストに見合った料金によって収支の均衡をはかって、永続的に安定的な電気の供給をはかっていく必要があるわけであります。したがって、特定の需要家についてコストよりも安くあるいは高く、アンバランスがあるという場合には、収支の均衡をさせるということはなかなかむずかしい要素も出てまいります。収支が赤字になった場合には、私企業である電気事業に対して財政上の補助がない以上、公益事業としての本来の使命達成が不可能になる事態も生ずることも考えられます。  以上のような理由から、電気料金についてはコストというものが中心になって考えられたのでございますが、しかし、先ほど来申し上げましたように、省資源型の産業構造に転換していこうという考え方や、あるいは福祉優先社会、政策的考慮も電気料金について考えるべきである、そういう諸般の考慮も入れて検討を加えたいと思っておるところであります。  いま電力会社がそういう感覚を持って申請したのではないかというお話でございましたが、われわれのほうもそういう改良を加えていかなければならぬ段階であるという観念を持っておりましたが、おそらく電力会社もいろいろコスト計算をして、そうして最近の情勢として、先ほど申し上げましたように、資本費の増大等によって、大口電力に対するコストが、かなり資本費が入っているという意味において高まってきているということもありまして、それと同時に、多少世論も考えていまのような形になって出てきたのではないかと思います。
  68. 竹村幸雄

    ○竹村委員 電力消費抑制効果を考えた場合、また、今日の公害の状況考えた場合、産業用、業務用の消費を押えることが産業の立地抑制になり、大気汚染をはじめ水質汚濁防止につながることからも、先ほどからも申し上げておりますように、小口電灯料金の据え置き、大口電力料金の値上げをすべきだというふうに考えるわけであります。そうした場合、電気事業法第十九条の改正は必要かどうか、必要だとすれば、通産大臣は改正する意思があるのかどうか。  けさの新聞を見ますと、昨日の通産次官の記者会見によって、電力料金に政策料金を導入するというふうに言っておられますし、また一方、今度の電力料金値上げの検討には間に合わないというふうにも言っておられるわけであります。いまから検討して、今度いつまでにそうした政策を入れるのか。昭和二十九年から十九年目に値上げが提案された。これから先十九年あるいは十数年向こうのために検討を始めるのかどうか。私は、こうした方向が正しいという考え方に立つならば、いますぐ電気事業法の改正を検討すべきであり、実行すべきであろうというふうに考えるものであります。その点についてのお考えをお聞かせ願いたい。
  69. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 電気事業法を検討するということは、先ほど来申し上げているとおりでございますが、今回の審査にあたっては、現行法を基礎にしてやる、そして現行法のワク内において最大限の考慮を払うように、私自体としては心づもりを持っておるわけでございます。現在の電気事業法における原価主義をきめる際には、たしか昭和三十二年ころであったと思いますが、一年以上も審議会にかけまして、いろいろな各方面の意見を聞いてきめたのでございまして、現在の料金制度をどうするかということにつきましても、やはり各方面の意見をよく聞いて適切な処理をしなければならぬと思っております。
  70. 竹村幸雄

    ○竹村委員 時間が参りましたので、質問を保留してやめたいと思いますけれども、最後に、ただいま大臣から答弁がありましたけれども、決断と実行を一枚看板、表看板にしておる田中内閣であります。かの小選挙区制を無理やり成立さそうとしたときには、決断と実行どころか、われわれは独断と暴走ではないかというぐらいに強力に馬力をかけて無理押しをしてきた経過があるわけでありまして、そうしたことについては決断と実行を行なうけれども、国民のためになる正しい方向にそうした制度を変えるということについては一年とかあるいは二年の検討を要するということではわれわれは理解できないわけでありまして、われわれが理解できないだけでなしに全国民が理解できないということを強く訴えまして、質問を終わりたいと思います。
  71. 浦野幸男

    浦野委員長 板川正吾君。
  72. 板川正吾

    ○板川委員 電気料金関係で私も若干質問をいたしたいと思いますが、与えられた時間が二十分ということですから、幾つかの問題点だけにしぼります。  その前に通産大臣に伺いますが、田中総理がこの間大阪の参議院補欠選挙のときに大阪へ行って記者会見をされた。そのことが記事に出ておりまして、その際に、関西電力から料金値上げの申請があれば慎重に考慮すると言いながら、全体のニュアンスとしてはさっそくにも認めよう、こういうふうな感じの記事がありました。通産大臣の所管の事項でありますが、この申請を総理大臣が言うようにさっそくにも認める空気でありますか、その点をまず第一に大臣に伺いたいと思います。
  73. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 これは電気事業法の命ずるところによりまして、いろいろ審査の手続がございまして、その各項目にわたる厳重なる審査を行ないまして、その客観的審査の結果を踏まえて結論を出す、そういう考えでありますから、あらかじめ上げるとか下げるとか、そういうことの先入観を持っておりません。
  74. 板川正吾

    ○板川委員 わかりました。ひとつ慎重に対処すべきだと思います。  そこで、これは再三大臣もここで説明されておりますが、政府は、従来の産業優先の経済政策を改めて、知識集約型、省資源産業型に変えていこう、経済構造を変えていこう、こういう方針をしばしば言明しておりますが、その趣旨に変わりはございませんか。その方向に変わりはありませんか。
  75. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 変わりはございません。
  76. 板川正吾

    ○板川委員 そうしますと、現在の電気料金の体系というのがどういう形にできておるかということを十分検討してもらいたいと思います。政府が従来の産業優先の経済政策というのを変えていこうとすれば、私は、今度の電気料金の値上げについて、現行法の解釈、運用でやっていくということになりますと、これは政府の産業優先の政策を変えていくということと相反するのですね。いまの電気料金の体系というものを申し上げてみますと、電灯料は全体のうちで二一%を占めております。しかし、電灯料金の収入は三八%であります。業務用の電力は、これは四十六年の実績でありますが八%で、これの収入は一〇%、小口電力が二八%使用して収入が一七%、大口電力は五三%消費をしておりますが、それから上がる収入は三三%、こういうことになっておりますね。これはまさに産業優先の料金体系になっておるわけであります。ですから、産業優先の政府の政策を変えていこうというならば、私は、まず今度料金体系を根本的に洗い直さなくちゃならぬ、こう思いますが、いかがですか。
  77. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 先ほど来申し上げますように、省資源型、知識集約型、福祉優先型という方向に切りかえていきたいと思いますので、現行の電気事業法による原価主義についても検討を加えていきたいと申し上げているところでございます。現在出てきております申請につきましては、現行法がございますから、現行法で審査はいたしたいと思っております。しかし、いまの国の方向はそういう方向へ持っていきたいと思いますから、この原価主義についてはできるだけ早期に検討を加えて適切な処理をしていきたい、こう思っております。
  78. 板川正吾

    ○板川委員 先ほども若干の議論がありましたが、現在の料金の規程というのは電気事業法の十九条の二項にありますね。それは「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの」ということになっております。これがいわば供給規程算定要綱ということになって、総括原価方式ということになっておる。総括原価方式でありますが、この種別ごとに個別原価方式をとっておりますね。国鉄の場合にはやはり国鉄運賃法で「公正妥当なものであること。」、これは電気料金でいうならば能率的経営ということになろうかと思います。そして第二として「原価を償うものであること。」というのが国鉄運賃法の原則の一と二なんですね。国鉄の場合には営利事業でありませんから「適正な利潤」というのがございませんが、まさに総括原価、要するに収入で費用をまかなうという総括原価方式でありますことは間違いありません。しかし、国鉄の場合には、さらに種別ごとに路線ごとに個別原価方式をとりませんで総合原価方式をとっておる。だから、法律を変えなければいまの個別原価方式を変えることはできないということはないと思います。これはどう思いますか。
  79. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 国鉄の場合は総合原価方式でおやりになっておるようでありまして、電気事業法の原価主義というのと若干異にしていると私も思います。そういう総合原価主義をとることがはたして妥当なりやいなや、その点も含めて私たちは検討を加えていきたいと思っております。ただ、運用上最大限の努力を私たちは今回の審査にあたりましてもやっていきたい、そう考えておるわけであります。
  80. 板川正吾

    ○板川委員 これは次官か局長でもいいですが、わが国の電気料金の体系というのはまさに産業優先型にできております。私、外国の例を調べてみましたならば、たとえば家庭用料金を一〇〇といたしますと、アメリカではいわゆる産業用が六三の割合で、一〇〇対六三、イギリスでは一〇〇対八八、わずかしか安くありません。西ドイツが五三、カナダが六一、イタリアが五三、日本は四二ですね。これは七〇年の資料でありますが、七一年もほぼこれとたいして違いはありません。こういうように家庭用を一〇〇とした場合に、産業用が四二、半分以下というのはフランス以外に例はないですね。まさにこれは産業優先の料金体系をなしている、こういうふうに考えられるが、政府はどう考えておりますか。
  81. 塩川正十郎

    ○塩川政府委員 先ほど大臣からも説明がございましたように、原価主義の原則をいままで貫いてまいりまして、それによりますと、やはり家庭におきますところの電気の使用量というものが欧米諸国に比べまして日本のほうは過去において非常に少なかったと思います。そういたしますと、原価主義の内容から見まして、送電あるいは電圧、そういういろんな面から見まして、家庭用のものが若干コスト的に高くついてきておった、こういうことがその料金体系の中に出てきたと思うのであります。しかし、最近におきましては、家庭用電気の需要というものが非常に多くなってまいりましたしいたしますので、今回の料金申請の内容を一応表だけ見ました場合に——内容はまだ精査しておりませんけれども、表面だけ見ました場合に、家庭用電気の値上がり率と産業用電気の値上がり率とは非常に差が出てきておるということが出てきておりますので、逐次そういう点に変更が起こりつつある、このように思っております。
  82. 板川正吾

    ○板川委員 いずれにしましても、現在の電気料金体系というのは、これは関西電力、四国電力ばかりじゃない、九電力すべてが産業優先、それから国民に対して非常に高率の割合になっておる。だから私は、政府が真剣に産業優先の政策を変えるというならば、今度の場合には料金体系を根本的に変える、そうすれば別に家庭料金値上げをしなくてもある種の原価を補償することができる、こう思います。ぜひひとつ検討を願いたいと思います。時間の都合でまたあとで議論はいたしたいと思います。  それからこの際、私は九電力を含め、電気事業というもののあり方を根本的に検討しなければならないという時期にあるんじゃないか、こう思います。たとえば九分割、いまの電力会社が九つに分かれたときはほぼ二十年前でありますが、当時の発電所の最大規模というのから比較いたしますと、現在は大体一基の出力にいたしましても九倍くらいになっております。それから最大出力というのが六倍くらいになっております。二十年前と今日ではそうなっております。     〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕 そして需要が十一倍くらいにふえております。最近は、御承知のように東京電力の姉崎では百八十万キロワットアワー、一基の出力が六十万、こういう大規模な発電所を設けられるようになりますと、将来原子力発電所をつくる場合としましても、大規模な設備、出力になりますが、こうなりますと、日本列島を考えた場合に、発電所をつくる場所というのはある程度制約されます。これは東京のまん中やあるいは大阪地方のまん中へつくるというわけにいきません。だから、関西電力は福井のほうにつくったり、東京電力が東北のほうへつくったりするのでありますが、こういう状態になってきますと、九つに電力会社というのが分割しておるというのは、どうもわが国産業経済のたてまえからいって一つのネックになりつつあるんじゃないだろうか。たとえば発送電関係は九電力を一つにすべきだという見解もあります。あるいは今度四国なり関西なりが家庭用の電力料金は上げない、産業用を上げる、こういうことになりますと、関西、四国と他の電力会社との産業用電力の単価が違うことになりますね。そうしますと、安いところへ企業が立地するということになるかもしれません。こういうのはやはり料金体系の一つの均一化といいますか、政策を込めて均一化をする必要がある。そうしますと、いまのままの九電力をそのままに置く形がどうしても時代の要請に合わなくなってくるんじゃないか、こう思いますが、次官の見解はいかがですか。
  83. 塩川正十郎

    ○塩川政府委員 板川先生の御設問は、私はもっともな点もあると感じます。しかし一面、また電気事業者の経験者等からも私聞いたのでございますが、二十年前に分割いたしますときにいろいろ争点となった点がございまして、それはやはり電気の供給あるいは発電の状態というものが地域性によって相当違う。だから、どうしてもその地域性というものをある程度経営の中に入れていくべきだということが大きい争点であったように思うのであります。そういう点から見まして、現在の会社、九電力に分かれております経営のあり方というものの長所は大いに生かしていく。先ほど仰せの広域的に運営したほうが国民経済的に見て有利な場合が当然あろうと思いますが、そういう点につきましては、現行制度のもとにおきましても、広域活用というか広域運用というか、そういう制度でやっておるのでございまして、私はそういう活用を今後ともさらに強めていくことによって先生の言っておられますような要件が満たされていくようにも思っております。
  84. 板川正吾

    ○板川委員 電気事業の中には広域運用というのがありますが、広域運用のあり方ではもう時代の要請にこたえ得ない事態になりつつあるということを私は主張したわけであります。  次の問題に入りますと時間を食いますから、また機会をあらためて議論をいたします。持ち時間が終わりましたから、以上で終わります。
  85. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)委員長代理 中村重光君。
  86. 中村重光

    ○中村(重)委員 板川質問関連をしまして、武藤自治政務次官並びに橋口経済企画政務次官にそれぞれお尋ねをいたします。  御承知のとおり、政府は従来生産第一、産業優先の施策をとってまいりました。これに対しまして、現在政府が進めていこうとする方針は、国民福祉、生活優先に切りかえていこうという方針を明らかにしておるわけでありますが、そうした考え方でまいります場合に、電気ガス税のあり方というものが、その政府の切りかえていこうとする方針に沿っているのかどうかという点であります。電気ガス税の非課税範囲というのは第四百八十九条に明記してあるわけでありますが、現在電気ガス税の税収は一千五百億、この四百八十九条による非課税が五百三十億と伝えられているわけであります。しかも、それはほとんど産業用の非課税である、このように考えてまいりますと、電気ガス税から追及をいたします場合、依然として産業優先の姿勢は変わっていないと私は思うわけであります。なかんずく五百三十億の非課税額の中には、輸出振興という面から十五億程度の非課税額が入っておるということを知るにあたりまして、なおさらその矛盾を痛感せざるを得ない。この点に対して武藤自治政務次官はどのような見解をお持ちなのか。また、橋口経企政務次官は物価対策の面からどのようにお考えになっておられるのか、それぞれの見解を伺ってみたいと思います。
  87. 武藤嘉文

    ○武藤政府委員 先生御指摘のとおり、従来の日本の経済優先の政策から社会福祉優先へと政策を転換をしておるわけでございまして、その点から、電気ガス税というものに対する考え方をどうするか、こういうことでございますが……     〔発言する者あり〕
  88. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)委員長代理 静粛に願います。
  89. 武藤嘉文

    ○武藤政府委員 昭和四十八年度の地方税法の改正の中でも、御承知いただいておりますとおり、この電気ガス税の非課税措置を従来なかった社会福祉、たとえば老人ホームあるいは精薄施設あるいは母子寮、乳児院、こういったような社会福祉施設にまで適用をいたしたわけでございます。この点については従来の政策とは違った方向に一歩踏み出したわけでございますから、ぜひ御理解をいただきたいわけでございますが、それと同時に、いま御指摘のとおり五百億にのぼる産業用の非課税措置を一緒になくせば、御指摘のようなことはなかったわけであります。これが残ってしまったという点においてたいへん残念に思っております。  すでに地方制度調査会あるいは税制調査会におきましても、この非課税措置の洗い直しをやれという答申をいたしておりますし、また地方税法改正に伴いまして衆議院、参議院においても、それぞれ非課税措置の抜本的洗い直しを御指摘いただいておるところでございます。私どもそれを受けまして、昭和四十九年度の税制改正の中においては、何らかの形でこの問題について前向きで取り組みたい、こういうことでいま税制調査会にもお願いしておるわけでございます。私ども、産業用のそのようなものが将来必要でないということ、また一方地方財政の財源の確保が望まれておるということ、また一方家庭の電気ガスの御負担をなるべく少なくしよう、こういう三つの考え方からいけば、御指摘のことは当然やらなければならないことだと思います。特にいま五百億とおっしゃいましたその中において、たとえば鉄鋼関係に約二百億非課税措置によるものがあるわけでございまして、産業優先から福祉優先、こう切りかえた以上は、そういう問題についてはメスを入れていかなければならない。四十九年度の税制改正においてはぜひともその実効をあげたい、こう思っておる次第でございます。
  90. 橋口隆

    ○橋口(隆)政府委員 電気ガス税につきましてはただいま武藤政務次官から申し上げたとおりでございますが、御承知のように、この電気ガス税というのは評判の悪い税でございまして、特に一般家庭用の電気ガス税については、消費者保護の見地からもこれは是正すべきではないかという意見が非常に強いのでございます。  そこで、財政上の見地からいたしまして、そういう点を配慮しながら、逐年免税点の引き上げあるいは税率の引き下げ等について努力をしてまいりまして、ことしの六月一日からすでに免税点を引き上げることにいたしております。また、十月一日からは税率を七%から六%に引き下げる、こういう方向で進んでおりますが、今後はさらに消費者の保護のためには特に電気ガス税を減免をする、そういう措置を強力に進めてまいるために、自治省、大蔵省あるいは通産省とも十分相談いたしまして、ただいま自治省からも話がございましたように、四十九年度以降にこれを極力反映させるように経企庁としても努力をしたいと考えております。
  91. 中村重光

    ○中村(重)委員 橋口政務次官は、家庭用電力に対しまして、これはガスも同じでありますけれども、免税点を引き上げた、こう言われる。また、現行七%を今度六%に引き下げるということになるわけですね。金額としては、電気が現行の八百円を千円、ガスを現行千六百円を二千円に引き上げる、こういうことですが、この金額から見てみましても、生計費に課税すべからずという原則に私は反すると思う。今日、家庭用に対して電気ガス税を課税するといったようなこと自体が、政府の姿勢が生活優先というものに切りかえていないということの証左だと思う。これは議論の余地はないと思う。また武藤政務次官は、社会福祉施設に電気ガス税の税収というものを使うようにした、したがって政府の意のあるところをくみ取ってくれと言われたが、そんなことは理由にならない。この電気ガス税のあり方そのものをどう考えるのか、政府が生産第一、産業優先という方針を切りかえないのであるならば、この産業用の非課税の措置というものは即時撤廃すべきである、これを残したというところに問題があると私は思う。いま政務次官から、四十九年度から現在の非課税措置というものを洗い直して、これを撤廃する方向に進めたいという答弁がありましたが、先般、自治省の各局長の物価対策特別委員会においての答弁を聞いてみますと、財源的な面からこれを撤廃することは無理があるという答弁をしておるようであります。明らかに武藤政務次官の答弁と矛盾しておると私は考える。そういうことは許されてはなりません。少なくとも自治省の方針というものは確立されていなければなりません。いま明らかに、四十九年度からこれを洗い直し、撤廃する方向で進めてまいりたいという答弁がありましたが、四十九年度にこのような矛盾したことを改めて、産業用の非課税措置を撤廃する方針なのかどうか、これを明らかにしておいてもらいたいと思います。
  92. 武藤嘉文

    ○武藤政府委員 お答えをいたします。  私ども、先ほど申し上げましたように、地方財政の面から申しますと、千何百億にのぼる電気ガス税の税収があるわけでございます。これを一度に撤廃いたしますことは市町村の財政に与える影響は非常に大きいものでございますから、家庭用電気ガス税を全部やめたらいいじゃないかという御議論には、正直われわれはいまのところ賛成いたしかねるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、そういうことでございますけれども、しかしながら、家庭用の電気ガス税の負担をできる限り少なくしていくと同時に、産業優先から福祉優先になったのでございますから、その産業用の非課税措置が残っておる、これについてはもう前向きで検討しなければならぬということで、大臣も私もそういう気持ちで取り組んでおりますし、税制調査会にも、その旨前向きで検討していただくようにお願いをいたしておるわけでございます。いまこの時点で撤廃をいたしますということをここで断言ができないことはまことに残念でございます。四十九年度におきまして全廃ができるかどうか、これは正直私はわからないと思いますけれども、洗い直しをいたしまして、何らかのいい方向が出てくる、こういうことだけははっきり申し上げられるわけでございます。
  93. 中村重光

    ○中村(重)委員 政務次官、何らかのいい方向が出てくる、そんなあいまいなことでは、私どもは納得することはできません。橋口政務次官が先ほどお答えになりましたように電気ガス税は評判が悪い、悪税のそしりが非常に高い。これは即時撤廃すべしということを私は主張したいわけであります。政務次官、いま直ちに地方自治体の財源上の立場からこれが撤廃できないとするならば、千五百億の中に、五百三十億というのは産業用の非課税措置でしょう。なかんずく十五億程度は輸出振興のための非課税扱いになっているわけでしょう。軽減措置ですね。こんな矛盾したことが許されていいとお思いですか。だから直ちに電気ガス税というものを撤廃できなければ、産業用の非課税措置というものを改めるべし、これをやめるべし、そうして家庭用の免税点というものをもっと大きくして、事実上生計費に課税すべからずという原則を守っていく、そういう方向で改むべきであると私は考えますが、その点に対する見解をいま一度伺いたい。
  94. 武藤嘉文

    ○武藤政府委員 はっきり明言ができないことがまことに残念でございますけれども、仕組みといたしまして現在ちょうど政府の税制調査会が始まったばかりでございます。われわれ、いろいろそこへ御審議をお願いしておる段階でございまして、私は政治家といたしまして撤廃をいたしますほうがよほどいいことはよくわかっておりますけれども、しかしながら、そういういまの段階でございますから、私どもは極力そういう方向で努力をいたします。そうして産業用の非課税がなくなれば、その分だけ家庭用のほうに振り向けても地方財政に影響を与えないわけでございますから、それが一番いい姿であることだけはよくわかっております。そういう方向で極力努力をいたしますので、いまここで撤廃をいたしますと明言ができないことは残念でございますけれども、しばらくごしんぼう願いたいと思います。
  95. 中村重光

    ○中村(重)委員 政務次官、この税の構成ですが、従価税になっておりますね。この電気ガス税というのが従価税になっているということはどうなのか。電気料金、ガス料金が高いところは、したがって税金も高くなる。だから需要者はダブルパンチを受けているのですよ。こんなことが許されていいとお思いですか。これは幾らかでも均衡をはかっていこうとするならば、当然従量税であるべきである。勢い、供給密度というものが低いところはコストも高くなるのです。したがって、料金というものは高い。料金が高いのもたいへんなんだ。かてて加えて、この電気ガス税が従価税ということによってさらに高くなる。私どもは、声を大にして、これを改むべしという主張をするのだけれども、まあ現在の従価税というのが税金を取りやすいのかどうか知りませんが、これを改めようとはしない。政務次官は、これについてどのようにお考えになりますか。
  96. 武藤嘉文

    ○武藤政府委員 確かにいま課税標準が料金になっておるわけでございまして、御指摘のとおりそういう意味からいけば従価税でございます。特に電気料金が大口小口によって現在違うものでございますから、御指摘のような点があろうと思います。現在のような電力料金の体系が今後とも続く限りにおいては、先生の御提唱いただきました、そういう形はおかしいじゃないかということはよくわかりますので、これもあわせて四十九年度の中で検討したいと思います。
  97. 中村重光

    ○中村(重)委員 予定の一時になりましたから、関連質問でもありますから、電気ガス料金の問題については、いずれ経済企画庁長官、通産大臣御出席の際に十分ひとつお尋ねをしてまいりたい。きょうは保留をいたしまして、これで終わります。
  98. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)委員長代理 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時一分休憩      ————◇—————     〔休憩後会議を開くに至らなかった〕