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中曽根国務大臣 先ほど御答弁申し上げました中に、私が四カ国を訪問することに関連いたしまして表敬及び親善友好を深めると申し上げまして、答礼という
意味では必ずしもないわけでございます。これは国王が
おいでになった場合には国王が行かれるのが答礼であり、総理が
おいでになったときは総理が行かれるのが答礼で、私は一介の閣僚でありますから、
友好親善を深めるということで御理解を願いたいと思います。
それから、
アメリカの
エネルギー白書を見ますと、あれは国防省とか国務省とかあるいは商務省とか
関係各省で調整をして、かなり研さんをして出てきたものではないか、初めはもっと早く発表されるであろうという予定で、しかもかなり
エネルギー危機を訴えたもののようだといわれておりましたが、それがかなりモディストな
内容になってきたというのは、あまりそういう表現をとると内外に対する
影響が非常に大きいので、
関係各省の中からそういうチェックが出てきて、わりあいに質実な
内容で発表されたのではないかと想像されます。しかし、反面
アメリカ国民に向かって節約運動を訴えているところを見ると、
アメリカが
エネルギー問題について将来相当な決心をしておるということは想像されると思います。
それから、
アメリカの
石油が輸入に転ずるということが大きなファクターになってくるようでございまして、私らが聞いている
方向に
アメリカもやはり動いているんだな、それが
相当数の輸入量に転ずる
可能性があるようである。私のところへ来た専門家の
アメリカの某高官が言ったことでは、一九八〇年ごろになると
アメリカの
世界に対する
石油代の支払いが二百億ドルから二百五十億ドルくらいになるかもしれぬ、そのころECが二百億ドルくらいになり、
日本が百五十億ドルから二百億ドルくらいになるかもしれぬ、そういうことも言っておりました。
そういう点から見ると、
アメリカがかなり輸入に出てくる、国内の資源はある程度国防上の必要から保存しておきまして、そして外から買い付ける、そういう
方向に出てくる
可能性があるように思います。現に
アメリカでは
メジャー系でないガソリンスタンドは相当ガソリンが配給困難になって休止しているのがあるようです。私の友人もこの間行って帰ってきた話によりますと、自動車を持っていっても満タンにしてくれない、五割とか六割でかんべんしろ、そういう
情勢でもあるよしであります。これは最近の特異な現象であるかもしれませんが、
アメリカの将来全般を
考えてみると何ものかを暗示しているような気がいたします。
そういうような事態にかんがみて、
ニクソン大統領は、
石油のみにたよらないでほかの
エネルギー資源を非常に強調してきておる。
石炭とかあるいはガスとか、いままでは
アメリカの
エネルギーの大部分はガスに依存しておったようでありますけれども、
石炭、
原子力についても強く言及しておりますし、そういう
エネルギー不足から見たら、
公害問題についてもしばらくはがまんしてもらっても、
石炭とかそのほかの
エネルギーを使うべきであるというようなトーンの表現が出てきております。
〔
委員長退席、稻村(左)
委員長代理着席〕
マスキー法を一年間延期したという話でございますけれども、同じ発想で
公害問題に対する認識が
日本よりはまだ軽い、そういう気がいたします。
わが国の
エネルギー政策といたしましては、
国際協調でやるということと、それからできるだけ
世界の各
方面から多元的に
供給源を確保するということと、それから
石油、
石炭、
原子力、水力、火力、そういう総合的な
エネルギーの調整を
考える、二次製品、三次製品についての将来のバランスもやはり
考えていかなければならぬ、そういう
考えを持っております。
われわれの大きな目標としては、
安定供給の確保と環境保全
対策と二つあると思いますが、
安定供給の確保につきましては、まず第一に、
石油、
天然ガス海外自主開発という問題がございます。これは六十年度の目標として三〇%を確保しよう、そのためには民間の資源の獲得及び
供給体制の強化という問題があります。それから
石油開発公団の強化という問題がございます。
それから第二に、
わが国周辺大陸だなの開発という問題がございます。
第三番目が
石油流通体制の整備という問題がございます。これは国内における
石油パイプラインとかCTSの問題が出てまいります。
第四番目が
石油の備蓄という問題がございます。現在は四十五日分ございますが、四十九年度の目標として六十日分にふやそうとしておるところであります。
第五番目が
供給源の分散でございまして、
中近東、南方、ソ連、中国あるいは
メジャー、
OPECとの直接取引、そういうあらゆる面について手を打っていく必要があります。
それから六番目に、電源立地の促進の問題がございます。今回、地帯整備法を提出いたしました。
その次に第七番目に、ガス事業の促進の問題があります。これは高圧、高カロリー化、LNGの使用等でございます。
第八番目に、
石炭、第五次
石炭政策で五十年度に二千万トンを下らない水準を確保する、こういう問題がございます。
第九番目が
エネルギー源の多様化といたしまして、
原子力開発とか、地熱発電、太陽
エネルギー、燃料電池であるとか、いま御指摘になりましたオイルシェール、タールサンドの開発、こういう科学技術上の開発を促進するという重点がございます。これが
安定供給の確保の部分であります。
それから環境保全
対策としては、低硫黄化
対策がございます。これは脱硫の促進、重油脱硫、排煙脱硫、特にガス化脱硫の問題がございます。それから低硫黄原重油の輸入促進、それから液化
天然ガス輸入、使用の促進、それから
石油精製パターンの軽質化、原油なまだきの問題がこれに
関係してまいります。それから地域冷暖房の促進、これは熱
供給事業に
関係してまいります。それからしばらくの間ナフサなまだき等も調整
政策として活用する、それから技術開発、これは重質油分解、ガス化脱硫等の問題でございます。
第二番目が
原子力環境安全
対策でございます。これは地域整備及び温排水
対策等がございます。
なお、省
エネルギー対策として、
エネルギーの効率的使用、これは節約技術の開発とか、システム開発の問題がございます。
第二番目が省
エネルギー型
産業構造への転換、これは
産業構造の知識集約化とか
エネルギー多消費型
産業の海外立地とか、そういう問題が出てくると思います。