○高橋(俊)
政府委員 たいへんきびしいおしかりを受けておるのですが、私としては、先ほ
ども申しましたように、やると言った以上はやっているのです。しかし、これはそういうふうに——なぜかと申しますと、あまり詳しく
調査しなくても、たとえば総合
商社等が悪いのだ、この騰貴はそういうところに
原因があるのだということで、たとえば発表するとしますれば、それは
一般的には何か
調査して
指摘したように見えるかもしれませんけれ
ども、私は初めからその点をお答えしておりますが、独禁政策というのはやはり競争維持政策である。したがいまして、御
指摘のとおり共同
行為があれば、これは独禁法上問題になる。
そこで、共同
行為があるかないかは確かに
調査してみなければわかりませんから、四十条による
調査をとりあえず行なう。もしその共同
行為の疑いがあれば四十六条に切りかえます。それは当然四十六条に切りかえて、立ち入り
調査を含めて、いまのやり方よりはもっと強い
方法をとれますから、その点では共同
行為を行なったと見られる何らかの
証拠らしきものが得られればやるつもりでおりますが、いままでのところはなかなか手がかりが得られなかった。
調査の
方法といたしましては、各
商社並びに
商社だけではございませんが、
関係業者と見られるものに対しまして、一定期日内にこういう資料を
提出しろ、それは買い入れと売却と在庫とか、こういうのが原則でございますが、いつどれだけ買い入れて、それをどれだけ販売し、そして在庫の変動はどうなっているかというふうな点をまず
把握するということが中心でございますが、これはか
なりの数の相手方から、それぞれ品目によって違いますけれ
ども、
商社についても十数社からいろいろ取っておる例が多うございます。
そして、それだけでは困りますから、業界の代表といいますか、業界の
責任者と思われる者に公取へ来ていただいて、そこで
事情聴取をする、これは四十条にいう
調査の限界でございます。もちろん四十条も、おわかりのとおり、これはほかの
調査をするのじゃないので、
公正取引委員会がその職務を行なうにつき必要があると認めるときでございますから、何でも使えるというわけではございません。やはりこれは何か公取が
調査上必要がある、問題に関連して必要があると思ったときでございます。
それは何かというと、やはり共同
行為等がありはせぬかというふうな点に重点を置いて調べる。その前提として、いかなる買い付けを行なったのか、どういうふうに物を引き渡しているのか、どこへ売っているのかというふうな点でございますね。たとえば大豆の例なんかで言いますと、一つの例を申しますれば、船に乗せて、そして洋上で直ちに八〇%を売却し、それから途中で一五%を売却する、五%しか
商社自身はこちらに着いたときには持っていないというふうなしきたりになっておる。しかし、さらに突き詰めて言うならば、向こうで買い付けて、どこかで船に乗せることをおくらせる
行為があったかなかったか、しかも、それを共同で行なったかどうかというふうな点がつかめないと——共同でわざと出荷をおくらせるような
措置をとったかどうか、これらについては、私
どもいままで見たところでは、買い付けをして、それを船に積むことを共同して故意におくらせたというふうな
事例は、これはなかなか
把握できない、なさそうに思います。
そこで、逆にいえば、私
どもが、
商社には今度の買い占め問題についてそういう
責任がないのだというふうな言い方を曲がり
なりにもいたしますと、これは私は非常に弊害があると思います。そういうことがあるかないかは、これからもっと新しい
法律に基づいてそれぞれの省が徹底的に調べるということでなければ、これはわからないわけでございます。私
どもは、いまのところ、四十六条は使い得る
段階にない。しかし、もし何かうまい申告でもありまして、確かに
業者が何らかの共同
行為で、買い占めばかりでなくて売り惜しみをしている。買い付けるときには競争でありましたけれ
ども、——買い付けば一斉に高値を申し合わせて買い付けているとは思いません。そういうことはないけれ
ども、それぞれの社がみんな共同
行為を行なってやったかどうかについてはまずなかろうと思いますが、売り惜しみの点ではあるのではないか、つまりどこか自分でないところに品物を持たしておけばいいわけですから、それらのことについては相当な深い
調査が必要ではないか、こう考えておるわけでございまして、決してやる気がないというふうに——これはそう受け取られても私はいたし方ないと思います。自分では、部下の者が、非常に極端に言えば、すき間がないほどこき使われている面もあると思うのです。だから、私としては相当やらしているつもりでありますけれ
ども、問題にできる限界はあると思います。そういうことでございます。