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1973-04-17 第71回国会 衆議院 商工委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年四月十七日(火曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 浦野 幸男君   理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君    理事 田中 六助君 理事 羽田野忠文君    理事 山田 久就君 理事 板川 正吾君    理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君       稲村 利幸君    越智 伊平君       木部 佳昭君    小山 省二君       近藤 鉄雄君    笹山茂太郎君       塩崎  潤君    島村 一郎君       田中 榮一君    西村 直己君       増岡 博之君    松永  光君       岡田 哲児君    加藤 清政君       上坂  昇君    竹村 幸雄君       渡辺 三郎君    野間 友一君       岡本 富夫君    玉置 一徳君  出席国務大臣         通商産業大臣  中曽根康弘君  出席政府委員         通商産業政務次         官       塩川正十郎君         通商産業省企業         局長      山下 英明君         通商産業省企業         局次長     橋本 利一君         中小企業庁長官 莊   清君  委員外出席者         厚生省環境衛生         局食品衛生課長 三浦 大助君         通商産業省企業         局消費経済課長 村岡 茂生君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ————————————— 委員の異動 四月十七日  辞任         補欠選任   渡部 一郎君     岡本 富夫君 同日  辞任         補欠選任   岡本 富夫君     渡部 一郎君     ————————————— 四月十三日  国際経済上の調整措置実施に伴う中小企業に  対する臨時措置に関する法律の一部を改正する  法律案(出閣提出第九七号) 同月十六日  中小小売商業振興に関する請願木島喜兵衞君  紹介)(第二七五六号)  同(林百郎君紹介)(第二七八六号)  同(有島重武君紹介)(第二八三〇号)  同(木島喜兵衞紹介)(第二八三一号)  同(瀬崎博義紹介)(第二八七八号)  中小業者営業生活擁護に関する請願(平  田藤吉紹介)(第二七七九号)  同(不破哲三紹介)(第二七八〇号)  同(有島重武君紹介)(第二八三二号)  同(石母田達紹介)(第二八三三号)  同(神崎敏雄紹介)(第二八三四号)  同(田中美智子紹介)(第二八三五号)  同(高橋繁紹介)(第二八三六号)  同(増本一彦紹介)(第二八三七号)  同(松本善明紹介)(第二九二五号)  小企業経営改善資金融資制度創設に関する請  願(山田耻目君紹介)(第二七八一号)  同(石母田達紹介)(第二七八二号)  同外一件(有島重武君紹介)(第二八二五号)  同(山田耻目君紹介)(第二八二六号)  中小小売商店営業保護に関する請願阿部助  哉君紹介)(第二七八三号)  同(三宅正一紹介)(第二七八四号)  同(渡辺三郎紹介)(第二七八五号)  同(有島重武君紹介)(第二八二七号)  同(阿部助哉君紹介)(第二八二八号)  同(長谷川正三紹介)(第二八二九号)  小企業経営改善資金融資制度創設に関する請願  (板川正吾紹介)(第二七八七号)  円の変動相場制移行に伴う関連中小業者に対す  る緊急施策に関する請願佐野進紹介)(第二  七八八号)  同(青柳盛雄紹介)(第二八七九号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  消費生活用製品安全法案内閣提出第六八号)  中小企業信用保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出第八五号)  国際経済上の調整措置実施に伴う中小企業に  対する臨時措置に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出第九七号)      ————◇—————
  2. 浦野幸男

    浦野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出消費生活用製品安全法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹村幸雄君。
  3. 竹村幸雄

    竹村委員 本法案は、消費者安全保護に関して、これまでの不十分な体制を整備、強化するという観点で前向きであると評価するものであるが、法案に示されている幾つかの事項に関して、なお改善すべき内容があると見るべきである。その立場に立って若干の質問を申し上げるものであります。  第二条の特定製品を何品目ぐらいと考えておられるのか。消費者立場からいえば、先日の参考人の方も主張されていたように、少しでも危険性のあるものは指定すべきで、消費者保護立場から特定製品は多いほどよいと思うがどうか、お答えを願いたいと思います。
  4. 山下英明

    山下(英)政府委員 現在は大体二十品目ばかり考えておりますけれども法施行後来年度に持ち越されるものもあるかもしれません。
  5. 竹村幸雄

    竹村委員 昭和四十七年の十月五日に通産省から出された安全性に問題があると考えられる消費者にかかわりの深い製品の数は大体六十六品目となっておりますけれども、先日私が通産省に要求していただいた資料によりますと、その製品は三十九品目に減っているのであります。この私が要求いたしました資料の中にある三十九品目の中から、第一次特定製品は大体二十種類ぐらいという答弁がありましたけれども、この第一次特定製品が決定されると思ってよいかどうか、お答え願いたいと思います。
  6. 山下英明

    山下(英)政府委員 御指摘のとおりに、最初、六十六品目を拾いまして危険対象品目として検討してまいりましたが、そのうちの二十六、七品目というものは比較的安全性が高い、それからほかの法律規制対象になる、こういうことで、現在は御指摘の四十品目程度対象考えておりまして、そのうちの二十品目特定製品に指定していこう、こういう方針でございます。
  7. 竹村幸雄

    竹村委員 はずされておる二十七品目、あるいは重複する項目もありますので大体三十項目ぐらいの品目がはずされておるわけであります。ただいまの御答弁によりますと、比較的安全性の高いのをはずしたということでありますけれども、このはずされている項目一つ一つについて聞きたいわけでありますが、時間の都合もありますので、まず二、三の製品について、なぜはずされたかということについて聞きたいと思います。  まず、新建材についてであります。新建材建築確認のときに強度可燃性の問題については規制指導がなされておりますけれども火災のときに発生する有毒ガスや、あるいは新築の家へ入ったらかなりの期間涙が出たり、あるいはぜんそくが悪化した等の事例が非常に多いわけでありますけれども、比較的安全性が高いということで新建材をはずされた理由をお聞かせ願いたいと思います。
  8. 山下英明

    山下(英)政府委員 新建材は、先ほど私が申し上げました二つの理由の後者でございまして、これは安全性が高いわけではございません。むしろ火災のたびにその弊害も大きく、かつ原因に関しては消防庁建設省をはじめ、うちの化学工業局でも相当程度研究が進んできております。建築基準法規制をしておりますし、それが新建材規制の本筋だと思いますけれども、また、そのために今回はずしたわけでございますが、もしも使用制限だけでは不十分であって、製造販売段階で、もとから規制していかなければならないという場合には本法を適用すべきだと考えております。
  9. 竹村幸雄

    竹村委員 いま建設省関係建築確認の際の規制があるというふうな御答弁でありましたけれども建築確認のときに規制のあるのは強度可燃性の問題でありまして、先ほど私も申しましたように、有毒ガス発生やその他については何ら規制がないわけであります。これは建築確認をやっておる現場でも聞いてまいったわけでありますけれどもガス発生については何ら規制がないということでありますので、先ほど答弁もありましたように、これはぜひ特定製品に入れるべきではないかというふうに考えるわけでありますけれども、再度御答弁をお願いしたいと思います。
  10. 塩川正十郎

    塩川政府委員 先生お尋ね新建材使用についてでございますが、これはかつて磐梯山の下のところに磐光ホテルというのがございまして、火災がございました。それからまた、近くは千日前のビルの火災等がございまして、そういうものがきっかけとなって、現在消防庁で、生産技術審議会か何か、そういうところと共同できびしい基準をやっております。ついては、その新建材が燃えたときのガスをできるだけ少なくする技術開発をあわせてやっておりまして、そういう基準を一刻も早く制定しろということを私ども消防庁に言っておりまして、それと相まちまして当通産省といたしましても規制措置考えていきたい、このように思っております。
  11. 竹村幸雄

    竹村委員 次に、石油ストーブでありますけれども、これもはずされておるわけでありますが、不完全燃焼による頭痛や中毒、石油が漏れて引火、しん上下式しんが下がらなくなった、ほうろうが割れて飛び、やけど不安定性による転倒、床面異常過熱による敷きものの燃焼焦げ等があるわけでありますけれども、これについてはどう思われますか。同じように石油ふろがま石油コンロ等についても御説明を願いたいと思います。
  12. 山下英明

    山下(英)政府委員 石油ストーブにつきましても危険性のあるほうでございまして、やはり第二の理由で、ほかでやっておるから対象にしない、こういうことでございます。  それで、危険でありますために非常に早くから業界の自主的な安全規制が進んでおりまして、政府としては、JIS規格によってその規格規制を十分に徹底しようという施策はやってまいりましたが、あわせて民間において第三者機関による日本燃焼器具協会という協会検査を実行いたしております。その規制実情をつぶさに見まして、私どもとしては、直ちに本法対象にする必要はない、こう判断いたしております。石油コンロも同じでございます。
  13. 竹村幸雄

    竹村委員 それではウィンドウォッシャー液、不凍液、パンク修理剤等がはずされておりますけれども、特にパンク修理剤は、車中の温度上昇のためガス圧によるかんの爆発がある。また、断熱剤効果不足耐圧性耐熱性に問題があるが、その理由を承りたい。
  14. 山下英明

    山下(英)政府委員 これもまた第二の部類に入るものでございまして、パンク修理剤等エアゾール製品の一種で、これについては高圧ガス取締法できびしい規制をしてまいっております。容器の厚み、耐圧性あるいは噴射剤の場合には可燃性ガスあるいは毒性ガス等についての使用制限もしておりますし、また、使用しているガスの名称あるいは使用方法等については、はっきり表示するように義務づけられておりまして、御指摘パンク修理剤爆発事故はいずれも高圧ガス性質によりますものが大部分で、現在の高圧ガス取締法で、現在の高圧ガス取締法でやっていくべきではないか、こう考えております。
  15. 竹村幸雄

    竹村委員 その他約三十種類のはずされた品目についても、現実に非常に危険なものがあるわけでありますけれども先ほども申しましたように時間の都合で申し上げませんが、一つ一つよく再検討して、真に消費者の安全を守るべきだと思う。  そういう実態からお聞きをするわけでありますけれども、まず、第二条にある「一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品」、このうちで「特に」と「多い」は削除して、特定製品の範囲を限定すべきでないと思うけれども、どう思われますか。
  16. 山下英明

    山下(英)政府委員 御趣旨のとおりでございまして、危険なもので政府が直接規制すべきものは、労をいとわず指定していく方針でございます。御指摘のように、特に危険または障害の発生云々と書き、またおそれが多いと書きました理由は、この法律規制が現在の法体系また産業立法からしますと、他に例のないほどに広範な制限を課することになります。特定製品になりますと、その製造業者販売流通業者に広範な制限をかけることになりますので、その場合は指定する条件をきびしくしなければならない。この面のことも考慮いたしまして、その公平な限界線をどこに引くか。その検討の際に参考になりましたのが電気用品取締法でございまして、そこにも「特に」また「おそれが多い」という例文もあり、検討の結果、この文言になった次第でございます。
  17. 竹村幸雄

    竹村委員 時間の関係で先へ進みますけれども、さらに特定製品についてどの製品を指定するかについては、消費者あるいは消費者団体意見を聞いて決定すべきものであると思うが、通産省にはその用意があるか。もしあるとするならば、いかなる方法でやられるのか、あわせてお聞きをしたいと思います。
  18. 山下英明

    山下(英)政府委員 法律でも特に審議会を設置して、その意見を聞いてきめることにしております。そこに消費者の代表が参加されます。
  19. 竹村幸雄

    竹村委員 次に、第三条に参りますけれども特定製品を指定する際の基準についてお伺いをしたいと思います。特に基準を定める場合、電気用品取締法において、電気あんかの表面温度基準が高過ぎてやけどをする、また、トースターが片切りで感電するなどの問題があります。本法においては、消費者が若干の誤用をしても安全なように基準を作成すべきであると思うが、どうか。
  20. 山下英明

    山下(英)政府委員 電気あんかの技術基準では、外かく外面温度最高限度を摂氏九十度以下としておりますが、これは安全性と同時に、あんかとしての温度を維持するという両面の検討できめた基準でございます。それと同じように、私どもも、今後かりに圧力がまなり、あるいは炭酸飲料びんなり順次指定していきますときには、それの品物の効用と同時に、安全性確保基準を技術的かつ数字的に明瞭につくっていく方針でございます。
  21. 竹村幸雄

    竹村委員 次に、第四条で輸出用製品について除外されておりますけれども、その理由についてお聞きをしたいわけであります。これは輸入国において基準があるといわれておりますけれども輸出国立場として安かろう悪かろうというのではなくて、安全を保証した製品輸出すべきであると思いますが、どのようにお考えですか。
  22. 山下英明

    山下(英)政府委員 このたびの国内における製品安全、これは日本の現在の社会生活実情に合わせて、先ほども申し上げましたものの効用安全確保均衡線を探ったわけでございますが、これによって今回法律が通りまして基準をつくった場合に、ある場合には東南アジアの一国、ある場合にはアメリカ、ある場合にはヨーロッパと輸出していきますときに、相手国社会経済の水準がそれぞれ違う。それに対して日本安全基準をそのまま適用していいかどうか、これも検討したわけでございますが、まだ世界は国によってそれぞれ状況が違い過ぎる。日本基準を押しつけるわけにはいかない。そこで今回は輸出をはずしました。   〔委員長退席田中(六)委員長代理着席〕 はずしましたが、先生が御指摘のように、危険なものを出すことは防がねばならぬ。現在輸出検査法でやっております検査は、必ずしも品質だけでなくて、その性能、安全も含めて良質のものを輸出することになっておりますので、当分はこれでだいじょうぶだ、こう判断しております。
  23. 竹村幸雄

    竹村委員 通産省は、さきにPCB問題で、輸出についても行なわせないとの決定を行なっているわけでありまして、輸出品については相手国にまかせるという立場でなく、当然検査等対象にすべきであろうというふうに思うわけであります。アメリカで昨年立法した消費者用製品安全法におきましては、輸出製品という一章をわざわざ立てて、法令に基づいて定めた規定命令及び基準輸出製品にも適用されると明記してありますけれども、このことについてはどう考えられますか。
  24. 山下英明

    山下(英)政府委員 相手国がそれぞれ安全基準アメリカのように持っておる——アメリカ法律先生指摘のとおりであることは承知いたしております。私どもも、それにならうべきかどうかは検討はしてみましたが、先ほど申し上げましたように、現在の輸出検査法でやっておる基準でだいじょうぶではないか。それから相手国安全基準で当然制限されます。それでは、発展途上国のように安全基準法がまだない国に日本が出していく場合にどういう性質であるか、それは輸出検査法でやっていこう、こういうたてまえでございます。
  25. 竹村幸雄

    竹村委員 ただいまの御答弁を承っておりますと、輸出検査法で十分であるというふうに受け取っていいわけですか。わざわざ輸出品についても特定製品対象にするという気持ちは全然ないわけですか。
  26. 山下英明

    山下(英)政府委員 そう考えております。
  27. 竹村幸雄

    竹村委員 私は当然輸出品についてもこれの対象にすべきであるというふうに考えるものであります。  時間の都合で、あと二十分しかありませんので先に進みますけれども、次に三十五条の危害防止命令について質問いたしたいと思います。  三十五条は、販売した事実がなければ規制できないが、販売しようとしているときに未然販売を差しとめることもできる権限とすべきではないか。
  28. 山下英明

    山下(英)政府委員 きつい命令でございますので、販売したという事実を条件にしております。
  29. 竹村幸雄

    竹村委員 特定製品は、第四条で、検定なしで販売してはならないとの規定があります。この第三十五条は、それに反した者に対する危害防止命令であります。すでに第四条に反する行為に対する制裁であるから、その発動条件のうち「危害の拡大を防止するために特に必要があると認める」というふうな条項は不当に条件をきびしくするものであって、不必要というべきで、危害発生のおそれありとすれば、それで回収できるということで十分であると思いますけれども、どう思われますか。
  30. 橋本利一

    橋本政府委員 御指摘のとおりでございますが、先ほど局長答弁いたしましたように、危害防止命令趣旨といたしましては、違反者を直ちに処罰するということだけではなくて、さような場合には機動的に危害防止措置を十分講じたいといったような趣旨から三十五条の規定を置いておるわけでございますが、事故発生未然に防止するという点につきましては、三十五条の規定にかかわらず、平素市場に出回っております製品を試買いたしまして、これをテストする、あるいは一般消費者からの苦情処理等を十分に吸収いたしまして、その点から事故発生未然に防止したい、さように考えております。
  31. 竹村幸雄

    竹村委員 次に、八十二条について質問をいたしたいわけでありますけれども緊急命令について、緊急命令を行なう条件として「重大な危害発生し、又は発生する急迫した危険がある」としておりますけれども、多数の製品が出回っている今日、危険のおそれのある製品をすべて特定ないしは自主製品とすることは困難であることにかんがみまして、この条項発動条件はあまりきびしくすべきでない。したがって、「重大な」とか、「急迫した」は削除すべきであるというふうに考えておるわけであります。そのことについての答弁をお願いしたいと思います。
  32. 橋本利一

    橋本政府委員 ただいま先生指摘のとおり、緊急命令につきましては、「重大な危害発生し、又は発生する急迫した危険がある場合において、」発動することにいたしておりますが、これにつきましては、特定製品に指定するまでに時間がかかる、反面、製品多様性あるいは新しいいわゆる新製品開発ということが行なわれているわけでございまして、そういった点から、特定製品に指定されていない消費生活用製品については緊急命令発動することにいたしておるわけでございますが、反面、特定製品に指定いたしますと、製造事業者販売業者あるいは輸入業者にそれだけの制限を与えることとも相なりますので、とりあえず緊急命令発動いたしておきまして、所要の手順を踏んだ上で特定製品として規制を加えていくほうが適当かと考えたわけでございます。
  33. 竹村幸雄

    竹村委員 次に、第九十三条についてお伺いいたします。  主務大臣に対する申し出について、主務大臣が行なった措置公表して公衆に知らしむる必要があると思うわけであります。この九十三条を見ましても、その公表の項がないわけでありまして、これによってうやむやを防ぐほか、措置が迅速に行なわれることを期待できることからしても、当然一項を設けて公表するという措置がとられなければならないと考えますけれども、どのようにお考えですか。
  34. 橋本利一

    橋本政府委員 九十三条におきましては、主務大臣に対する一般消費者からの申し出を受けまして主務大臣が必要な調査を行ない、それに基づきまして政令指定等所要の手続を踏むことに規定いたしておるわけでございますが、御指摘のとおり、公表については法文上明確にはいたしておりませんが、必要なものにつきましては十分消費者に周知徹底し得るように措置いたしたいと考えております。
  35. 竹村幸雄

    竹村委員 ただいまの答弁によりまして、「法律に基づくその他適当な措置」の中に公表が含まれておるというふうに解釈してよろしいか。
  36. 橋本利一

    橋本政府委員 ここで予定いたしておりますのは、特定製品としての政令指定、それに基づきます基準の作成、あるいはこの法に規定いたします諸般の命令発動、そういったものを考えておるわけでございますが、公表についてもその一部として考えてみたいと思います。
  37. 竹村幸雄

    竹村委員 同様の観点で、第三十五条の危害防止命令及び第八十二条の緊急命令においても、製品の回収のほか、必要な応急の措置として、危険な製品の名前、欠陥の内容等公表を必ず行なうべきであるというふうに考えますけれども、同じように考えてよろしいか。
  38. 橋本利一

    橋本政府委員 本法規定しております命令というのは、当該事業者に対する命令になっておりますが、われわれといたしましては、その結果につきましては極力公表する方向で対処いたしたいと考えております。
  39. 竹村幸雄

    竹村委員 続いて事故報告についてお伺いしたいわけであります。  産業構造審議会の答申には事故報告システムの確立を主張しておりますけれども本案にはその趣旨が織り込まれておらないわけであります。本案においては、当然事業者事故報告義務を課することを織り込むべきであるが、なぜそのような措置を講じなかったのか。かかる条項を加えるべきであると思いますけれども、どう思われますか。
  40. 橋本利一

    橋本政府委員 事故報告システムにつきましては、本法に織り込むべく検討いたしたわけでございますが、法律技術的な問題もございまして、本法に、規定としては載せないことにいたしたわけでございますが、事の重要性にかんがみまして行政措置として実施いたしたい。具体的には、工業品検査所に新年度から商品テスト部を設けまして、このテスト部によりまして事故事例の収集、原因の整理、分析をいたしたいと考えております。  なお、本法の八十三条に報告徴収規定がございます。具体的にいかなる内容を徴するかは政令であらためて定めることになっておるわけでございますが、ただいま申し上げましたような趣旨からいたしましても、事故発生した場合には、その事故状況原因、同一型式の製品販売数量販売先等につきましても報告させることができるように検討いたしたいと考えております。
  41. 竹村幸雄

    竹村委員 いまの御答弁によりますと、通産省としても事故報告システム項目を入れたいということでありましたけれども法律技術的な問題でそのことができなかったということでありますけれども理由を聞かしていただけるならお願いしたいと思います。
  42. 橋本利一

    橋本政府委員 事故報告法律規定いたします場合には、当然それを担保するために罰則の適用等考える必要があるかと思います。さような場合に何が事故であるかということの内容規定が技術的にむずかしいということ、それから中には流通市場に出回っておる段階において、そのものを製造したいわゆる製造事業者が関知しない段階において事故発生しておるといったようなことも考えられますので、さような点から法技術的には規定し得なかった次第でございます。
  43. 竹村幸雄

    竹村委員 法律的には規定し得なかったけれども、八十三条の業務の状況に関し報告させるというところでそういうシステムを生かしていきたい、そういう御意思であるというふうに解釈してよろしいか。
  44. 橋本利一

    橋本政府委員 そのとおりでございます。
  45. 竹村幸雄

    竹村委員 次に、製品安全協会についてお伺いいたしますが、第五十九条に、評議員会は二十人以内で組織するとありますけれども、構成の内容についてお聞きしたい。できるだけ消費者の代表を多く入れるべきだと考えますけれども、どうですか。
  46. 橋本利一

    橋本政府委員 協会の性格からいたしまして、その業務は公正、中立に運用され、かつ、一般消費者からの信頼がかちえられるような形において遂行すべきかと思います。さような観点に立ちまして、評議員会の構成メンバーである評議員につきましては、業界関係者を排除いたしまして、消費者、学者等の学識経験者で構成いたしまして、その意見を積極的に協会の運営に反映してまいりたいと考えております。
  47. 竹村幸雄

    竹村委員 製品安全協会は、みずから安全性の認定をした製品に万一事故が生じたときは、被害者の立場に立って事故原因について公正な審査を行なうべきであると思います。また、協会消費者の依頼に応じ手軽に製品の安定性についてテストをする業務もあわせて行なうべきであると考えますけれども、どうですか。
  48. 橋本利一

    橋本政府委員 本法によりまして協会に被害者救済制度を設けましたのは、できるだけ簡易に被害者に対する損害賠償を実施いたしたい、かように考えた次第でございますが、やはりその立証責任は一般民法に基づく賠償法理と全く同様でございまして、その限りにおいては挙証責任が転換されたということではございませんが、先ほど申し上げましたような被害者救済制度設立の趣旨からいたしまして、できるだけ被害者のほうの責任を軽減した形におきまして協会のほうで公平な審査を行なっていきたい、かように考えております。  それから消費者からの協会のテスト依頼の問題でございますが、本法第六十三条第六号に、協会の業務の一部といたしまして、消費生活用製品安全性の確保のために必要な試験等を行なうという規定がございます。消費者の依頼によりまして、この規定の一環といたしまして積極的にそのテスト依頼に応じてまいりたい、かように考えております。
  49. 竹村幸雄

    竹村委員 先ほども申し上げましたように、協会が真に消費者立場に立って消費者の安全を守るために商品のテストや消費者の相談に応ずるとするならば、一体窓口をどうするのか。第九十六条の都道府県知事に委任する事項とは、どういう権限を委任しようとしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
  50. 橋本利一

    橋本政府委員 協会の地方の窓口を全国の主要都市に配置したいという点においては御趣旨のとおりでございます。極力民間の検査機関等をネットワークといたしまして、事業者並びに消費者の利便に供したいと考えているわけでございます。その関連におきまして、都道府県は地方住民と密接な関係に立っておるわけでございますので、その協力を十分確保いたしたいと考えております。具体的には、本法報告徴収あるいは立ち入り検査といったような権限の一部を都道府県にお願いいたしますと同時に、消費者に対するPR、苦情の受付等について御協力を促したいと考えております。
  51. 竹村幸雄

    竹村委員 それでは先へ進みますけれどもアメリカにおいて昨年の十月に消費者用製品安全法が立法されておりますけれども、その対象品目は三百五十以上、予算は七三年度で五千五百万ドル、七四年度で五千九百万ドル、七五年度では六千四百万ドルと聞いておりますけれども、正しいかどうか。
  52. 橋本利一

    橋本政府委員 私のほうも、先生指摘のように聞いております。
  53. 竹村幸雄

    竹村委員 この数字をわが国の現状とストレートに比較することは無理だろうというふうに考えますけれども、予算においても製品数においてもたいへんな差があり過ぎると思うわけであります。わが国でも、対象製品数、予算とも、現在予定しているものよりも大幅に増加させ、窓口も、先ほど答弁がありましたけれども、各府県に置くようにしなければ消費者保護に値しないと思いますけれども、どうですか。最後に次官から答弁していただいて、終わりたいと思います。
  54. 塩川正十郎

    塩川政府委員 御質問にございますアメリカの安全管理システムというものは、日本のとちょっと違うように思います。と申しますのは、向こうは独立した行政委員会のようなものをつくっておりまして、それの事務局の経費等というのを全部向こうの会計で持たなければならぬ。一方われわれのほうといたしましては、通産省の行政の中で、これをみなしてきておるということもございます。それともう一つは、安全基準アメリカではいわゆる民間の研究団体に委嘱しておる、その委嘱費が実は非常に高い経費がかかる、こういうぐあいに聞いております。  もちろんわれわれも、この三億何千万と本年度計上いたしましたものではとても足らないと思っておりまして、先日の委員会でも申し上げましたとおり、とりあえず発足させていただいて、レールに乗せていただく、そしてこれをだんだんと拡大していって充実さしていきたいと思うものでございますので、予算の点につきましても、われわれはまだまだ奮発しなければならぬ、このように思っております。
  55. 竹村幸雄

    竹村委員 終わります。
  56. 田中六助

    田中(六)委員長代理 渡辺三郎君。
  57. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 最初に、四十六年度の苦情件数が三千六百三十六件、こういうふうになっておるわけでありますけれども、これはそれぞれの機関を経由して出された苦情件数の合計だろうと思うわけです。資料を見ますと、通産省それから国民生活センター、さらに都道府県の消費生活センター、それから日本消費者協会、こういったそれぞれの機関を経由して出されておる苦情件数が、合計していま言った数字になる、このようになろうかと思いますけれども、いま私が申し上げましたそれぞれの機関といいますか、そのそれぞれの件数をひとつ最初にお知らせいただきたいと思います。
  58. 村岡茂生

    ○村岡説明員 たいへん恐縮でございます。手元に資料がございませんが、三千六百三十六件のうち、通産省及び地方通産局、これを全部合算いたしました数字が五百八十七件でございます。それ以外に、実は三つの国民生活センター、都道府県の消費生活センター及び日本消費者協会の分でございますが、内訳は、申しわけございませんが、手元に資料を持っておりません。
  59. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 それでは次に、検査機関というのがあるわけでありますけれども、これは国の検査機関、それから主務大臣の指定をされておる検査機関、それぞれあると思うのですが、この内容を少し具体的にお聞かせをいただきたいと思うのです。それで、わかれば数なども詳しくお聞きしたい、こういうふうに思います。
  60. 村岡茂生

    ○村岡説明員 検査機関は三種類ございまして、国の検査機関、それから必要がある場合に安全協会がみずから検査を行なう場合、それから第三に指定検査機関と三種類ございます。国の検査機関は、通産省関係でおもなものだけ申し上げますと、工業品検査所というのがございます。現在の職員が三百十八人おります。検査所の数は十二カ所、全国に検査窓口を持っております。次に、繊維製品検査所というのがございます。職員は三百六十七名、検査窓口の数は三十カ所ございます。  なお、第二の製品安全協会が行ないます場合についてでございますが、現在のところ、窓口は東京一カ所でスタートする予定にしております。職員数は約四十人弱ということでございますが、どの程度指定検査機関に委任できるかというところが確定しておりませんので、業務の内容等現在不明でございます。  第三の指定検査機関でございますが、検査機関の数といたしまして三十九ございます。主として輸出検査法に基づきまして民法法人等によります公益性が担保されて指定を受けている検査機関でございますが、現在三十九、その職員数でございますが、五千人強でございます。窓口の数でございますが、非常に膨大でございまして四百五十カ所をこえるわけでございます。  以上でございます。
  61. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 次に、これはしばしば本委員会でも議論になったわけでございますけれども、あるいは質問に答えられたわけでございますけれども、この対象品目が一応二十品目だ、こういうお話が先ほどもございました。ところで、この前本案を審議している中でお答えをいただいた、いわば具体的にそれならどういう製品対象になるか、こういう質問に対しましては、私の記憶では、具体的には六つくらいの製品を例示されました。先ほど同僚の竹村委員質問に対しては二十品目くらいだということが明確になっておるわけですが、この前六つを例示されましたほかに、具体的にどういう品目があるのでしょうか。この点をひとつはっきり製品名をあげてお答えをいただきたいと思うのです。
  62. 村岡茂生

    ○村岡説明員 現段階におきましては、いずれも私ども省内におきまして検討中の品目ということでございまして、今後法律が公布され次第、審議会において検討することになっております関係から、非常に仮定の問題であるという前提でお聞き取りいただきたいと思います。いままでの委員会におきまして例示的に四、五品目述べましたものと重複しておりますので、御了解いただきます。  圧力なべ、炭酸飲料びん、浄水器、金属玩具、機械玩具、電動玩具、プラスチック玩具、木製玩具、幼児用乗りもの、歩行器、シガレットライター、マッチ、かさの一部、歩行者用安全帽、登山用ザイル、登山用安全ベルト、カラビナ、ハーケン、アイゼン、水中ガン、水中もり、シュノーケル、マスク、それからフィン、これも水中用品の一種でございます。スポーツ用ヘルメット、スキーのセーフティー、ブランコ、すべり台、鉄棒、それからラッカー、エナメル、家庭用漂白剤、自動車用ブレーキ液、オートバイ等の乗りもの用安全帽、サイクリング自転車等々でございます。これらを特定製品あるいは安全協会が行ないます自主的な製品の候補にしていくべく現在内部的に検討を進めている、こういう段階でございます。
  63. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 それではちょっと簡単に確認をしますけれども、いま課長があげられた製品については、これは必ずしも指定をする特定製品ではなくて、安全協会が自主的に製品の安全を期するために指定をするといいますか、対象にしておる品目を込みで言われたわけでしょうか。それは簡単でいいのです。
  64. 村岡茂生

    ○村岡説明員 両方の品目を含めてお答え申し上げております。
  65. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 次に、最初に申し上げました苦情件数の内訳は、通産省あるいは通産局、この合計だけがいま明確にわかっておるわけでありますけれども、問題の内容といいますか、あるいは本法が成立をして、今度安全協会を中心にして機能を発揮することになりますけれども、住民とより密接に結びついた形では、これまでもそうでありましたが、今後も都道府県の消費生活センターの果たす役割りは相当大きくなっていくのではないか、こういうふうに思います。  それで、この三千六百三十六件の内訳というのは、いま正確にわかりませんが、私の考えますには、これまでの苦情も都道府県の消費生活センターを通じてあげられてきたもの、その合計はおそらく相当の数になっておるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。  そこで、都道府県の消費生活センターの実態あるいは機能の充実の程度といいますか、そういう点を考えてみますと、住民の要望に対してまだ貧弱な機能しか発揮できないのが今日の実態ではないか、こういうふうに私は考えておるわけであります。その辺について、通産省では実情をどのように把握しておられるのか。まとまった考え方があれば、この際、お聞かせいただきたいと思うのです。
  66. 山下英明

    山下(英)政府委員 消費生活センターは、従来にも増して活用かつ御協力いただきたいと思っておる機関でございまして、昭和四十七年度中には、各都道府県に少なくとも一カ所の消費センターが確立されたわけでございます。商品テスト事業、苦情相談、講習会、こういう事業をやっていただいておりまして、地方地元の消費者行政の中心になりつつあると私どもは認識しております。これの実際の仕事を充実していくためには、いわゆるコンサルタントが必要だと思いますが、このコンサルタントを養成するためには、国民生活センターから日本消費者協会に三百十万円の委託金を交付しまして、年二回約七十人の養成事業をやっております。  現在までの実績から見まして、今後とも消費者への指導、PRそれから苦情受付、また試買検査にもこの消費生活センターの協力を得たい。さらに、各都道府県が行ないます本法に基づく報告徴収、立ち入り検査の一部の実施についても、ときに応じて消費生活センターに協力してもらえるのではないか、こう考えております。   〔田中(六)委員長代理退席、委員長着席〕
  67. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 いまお話のありましたコンサルタントの養成の問題でありますけれども、これは本法案の成立によってこれからますます重大性を増していく、そういう機能を当然都道府県の消費生活センターが持たなければならぬ。こういうお話で、そのとおりだと私も思う。  ところで、このコンサルタントの実態を見ますと、いまもお話がございましたが、日本消費者協会に委託をして講習を受けて、一定の資格を持って各都道府県の消費生活センターで仕事をしておるわけでありますけれども、これは私の調べたところでは、大学を出て二カ月ぐらい講習を受けるわけです。そしてこれまでいろいろ苦情に対する相談や、あるいは今後は、いまのお話でありますと立ち入り検査も含めて相当重要な役割りを果たすわけでありますけれども、現状は、局長も御存じのとおり、いま各都道府県のセンターに配置をされておりますコンサルタントというのは、非常に数が少ないのです。しかも、いま言いましたように、わずか二カ月間の講習であります。これでは、私はまだまだ不十分ではないかと思います。  それから、少し具体的な問題になりますけれども、これらの講習を受けて各都道府県でいま仕事をしておりますコンサルタントの身分上の保障や待遇上のいろいろな条件、これもきわめて恵まれておらないというのが今日の実態であります。たとえば生活改良普及員、こういった立場の人々とも比較をしてみたのでありますけれども、いま言った諸点がどうもあまりよろしくない、私はこういうふうに思います。ですから、今後ほんとうに消費者の生活の安全を守っていくという立場で重要な役割りを果たすこういう職員の身分その他の立場については、十分配慮をしていく必要があるのではないか。そうした面での機能の充実をはからぬと、せっかくいい法律ができても、実際は住民の要望に十分こたえていくことができないといいますか、あるいは非常に不十分だ、こういうふうになっていくのではないかと思いますので、その点、もしお考えがあり、あるいはきわめて近い将来、その点の充実改良をはかっていくというお考えがあれば、少し具体的な中身など含めてお聞かせいただきたいと思います。
  68. 山下英明

    山下(英)政府委員 この法律が通りまして運用で法の目的を充実させていくわけでございますが、その際の一つの大きなポイントがいま御指摘のコンサルタント、つまり全国にわたって、先ほど申し上げたいろいろな業務をやっていく人の問題だと思っております。七十人、二カ月の研修が不十分であることも全く御指摘のとおりだと思います。私どもは、消費生活センターの設置をふやし、機構として拡充するとともに、そこに配置する人間の質向上には全力をあげていきたい、こう思っております。政府として経済企画庁、通産省、農林省から建物、機械、設備については補助していく方針でございます。と同時に、先ほど申し上げましたように、研修事業についての費用も責任を持って充実していくつもりでございます。  最後に、残る待遇については、地方公共団体とも相談いたしまして、私どもとしては、もちろんそういった待遇を含めた機関経費の補助も国がすべきであり、したいと思っておりますが、いろいろな従来の制限もございますので、その辺は地方公共団体とも相談しながら、いずれにしても、その待遇も改善して万全を期していきたい、こう思っております。
  69. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 わかりました。この問題のみならず、最近は地方公共団体が国から委任をされる事務、この取り扱いというものが非常にふえております。それで、たとえばこれでいえば、消費者の生活向上あるいはその他住民のいろいろな要望にこたえる地方公共機関の仕事がそれだけふえておるわけでありますから、当然といえば当然なのでありますけれども、それにやはり財政が伴わないという非常な苦しみを地方自治体でもかかえておるわけであります。ですから、いま局長が言われましたように、ひとつあらゆる面で十分地方自治体などとも協議を深めていただいて、いま言ったような点について大きく前進をしていけるような措置をぜひともこの際強く要望しておきたい、このように思います。  それから、この法案審議の際に、試買テストの問題でいろいろ御質問がありましたし、また電気製品で試買テストの問題にからんで、いままで市販した製品名あるいは改善命令をどのようにしたかというふうな点で質問がありまして、その資料も出されました。それで、このことはやはり非常に重要だと私は思っておるわけでありますが、たとえば、次のような問題については何をもって規制をするのか、ひとつお答えをいただきたいと思うのです。  具体的な例を申し上げたほうがいいと思うのでありますけれども、たとえば、ほうろう、それからアルミ容器、こういったものの中で溶出する重金属、たとえば鉛、銅、カドミウム、これらの定量、それから検出、こういうふうなものが行なわれておるわけでありますけれども、私の調べた結果では、基準以上になっておるものがしばしば見受けられます。ところが、JISには重金属の溶出基準はございません。それから、日本琺瑯工業連合会の自主規制では一定の溶出の基準というものが定められておりますけれども、これについてはあくまでも自主規制だというふうに思います。それから、水道法の水質基準についても一応ありますけれども、こうした点との関連で、今回製品の安全といいますか、これの完ぺきを期していく場合に、いま申し上げましたような事例の場合には、一体何によってどのように規制をされていくのか、この点ひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
  70. 山下英明

    山下(英)政府委員 御指摘の陶磁器関係、ほうろう、鉄器等の有害、危険につきましては、第一次的には食品衛生法で従来とも規制が行なわれてきたわけでございますが、さらに御指摘のように、鉛、カドミウム等重金属関係が除かれておりましたので、とりあえず四十七年十月からは中華食器について安全マーク制度が実施され、さらに、この七月を目途としまして、全食器にそれを適用していくつもりでおります。これはこの法律が施行前の状態で関係官庁、学識経験者、消費者、メーカー等が集まりまして、陶磁器業界自身の中でそういう検討をして実施してきた安全制度でございます。  通産省としましては、この安全性には特に着目しておりますので、従来の試買試験を強化してまいりますとともに、民間の民主的な安全規制を助成していきたい。この法律が通りましたあとは、そのときの自主規制実情をよく見守りまして、必要がある場合には本法対象にしていきたい、こう思っております。
  71. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 いま申し上げました点でJISにもこの重金属の基準を設置する必要があるのじゃないかという意見も、私が先ほど申し上げましたような実態を踏まえて出ておるわけであります。  それから、ほうろう及びアルミ製品、アルミ製のやかん、こういうものから溶出する重金属には水道法のいわゆる水質基準を適用することが望まれるのではないか、こういったような意見どもございます。そういう点についてはどのようにお考えでしょうか。
  72. 村岡茂生

    ○村岡説明員 アルミ製のやかん、食器、その他から溶出いたします重金属の問題につきましては、学界等を含めましていろいろ問題になっておるケースでございます。問題になっておりますというのは、どのような金属が溶出してくるか、アルミという金属がかなり不安定な要素もあるようでありますので、ただいま研究中というのが実態でございまして、明確にお答えすることができないのははなはだ残念でございますが、私どもも鋭意今後検討を続けてまいりたい、かように考えております。
  73. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 それでは時間がありませんから、次の質問をさしていただきたいと思いますが、これは先ほど竹村委員からも相当きびしく質問があり、考え方が明らかにされました。さらにまた、これまで比較的長い時間にわたって本法の運用の内容についてはいろいろあったわけでありますけれども、その中で、前回の参考人の方々の御意見も含めて各委員から強く言われております幾つかの問題があると思うのであります。  少しそれと重複する面はありますけれども危害防止命令については、安全協会が行なう自主検査製品についてもやるべきではないのか、こういうふうな点も先ほど竹村委員からも言われましたが、私は、冒頭二十品目の内訳をいろいろお聞きしておりまして、そのことをなお一そう強く感じるわけなのであります。したがって、こういう点については、今後は運用の中でわれわれが繰り返し主張しておりますような趣旨が十分に盛り込めるのかどうか、こういう点、もう一度お伺いしておきたいと思うわけです。
  74. 橋本利一

    橋本政府委員 御指摘の点につきましては協会の自主性に待つ。もちろん主務大臣としても十分監督はいたすわけでございますが、性格が自主製品、いわゆる特定製品でございませんので、直ちに危害防止命令発動するということは適当でないかと思います。本法規定する緊急命令によりまして処置いたすというのが考えられる措置かと思います。あるいは状況によりましては、自主製品として民間の努力に待つのみでは十分安全性が達成できないといったような判断に到達する場合には、やはり特定製品に取り上げた上でないと三十五条の危害防止命令発動するのは適当でないかと、かように考えております。
  75. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 いま緊急命令のお話もございましたが、この八十二条の問題につきましても本法審議の過程でずいぶん意見が出ました。これも集中した議論の対象になったところだと思うのです。これは何回か言われましたから私は条文を読んで繰り返すことはしませんけれども、非常にいろいろな条件がある。こういう条件を満たした中で初めて緊急命令が出されるというふうなかっこうになるのですが、その点、条件があまりにもきびしいといいますか、持つべき条件というものがあり過ぎる。これではほんとうに十分に消費者の安全というものが期せられるのかというふうな疑問がやはり私どもにはあるわけであります。  それで、この緊急命令については、臨機に弾力的にどしどし行なっていく。目的が消費者の生命、身体の危険の除外あるいは安全、これを目的としておるわけでありますから、そういう点を十分配慮していく必要があるだろうと思うのです。それから、参考人の方も、売り出してから回収するなんというのはむだではないか、こういうふうな意見を私どもは持っておりますということを言っておられました。この緊急命令の運用の問題、先ほど三十五条との関連でお聞きしたわけでありますけれども、この八十二条についてもう一度運用の面を中心にしながら考え方をはっきりさせていただきたいと思うのです。
  76. 橋本利一

    橋本政府委員 八十二条につきましては、御指摘のように他の規定よりも若干要件がシビアになっておりますが、これはやはり消費生活用製品と、広く製品の範囲を押えておるところから、法律バランス上、均衡上かような規定になっておるわけでございますが、本法趣旨といたします一般消費生活用製品安全性の確保という観点に立ち、また、ただいま先生指摘のような御趣旨を体しまして極力前向きに運用してまいりたいと考えます。
  77. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 それでは最後にもう一つだけお伺いしたいと思います。  六十三条関係でありますが、これもこれまでいろいろ議論がありました。この中で私がお聞きしたいと思っておりますのは、三号の「一定の金額の範囲内」、これは一千万円では——保険金の上限ですが、いま少な過ぎるのではないかというふうな御指摘が、これまで委員の方々からもありました。この一千万円という上限の考え方は、こういう議論が積み重ねられたきょうの段階でも変わっておらないのかどうか、この点が一つ。  それからもう一つは、同じく五号の「一定の金額の資金を交付する」、これは一律三十万円、このようにこの前御答弁があったわけでありますけれども実情からいけばこれは全く少ないと思うのですよ。  そういうような点について、これは決していまここで出た問題ではなくて、これが提案をされて、これまでの長い時間の審議の中で各委員からも強く言われた内容でありますけれども、この点はどうなんでしょう。
  78. 山下英明

    山下(英)政府委員 政府原案を提出いたします当時、私どもが一千万円、三十万円を考えておりましたことは従来御説明したとおりでございますが、本委員会の審議の過程、参考人の御意見も拝聴いたしましたので、私どもとしては、法実施段階までさらに検討さしていただきたい、こう思っております。
  79. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 質問を終わります。
  80. 浦野幸男

    浦野委員長 上坂昇君。
  81. 上坂昇

    ○上坂委員 多くの委員の皆さんが質問されたので、重複する点があるかもしれませんが、その点は御了承いただきたいと思います。  一番先に、本法の立案にあたって、昨年の十二月の産業構造審議会の答申があった、それを受けたということでありますが、その答申のうち、本法にかかる基本的な内容というのは、非常に簡単に、製品安全性規制しなければならないというような、そういうかっこうなんですか。内容的には非常に指摘をしたものが答申されたところがあるわけですか。そういう点、お伺いしたい。
  82. 山下英明

    山下(英)政府委員 御指摘のとおり、産構審の答申を受けまして、その趣旨にのっとり、消費生活用製品の安全については、この法律で基本的な条項をつくろう、基本的な基盤をつくろう、こういう趣旨で立案したものでございます。
  83. 上坂昇

    ○上坂委員 趣旨はわかるのですが、その趣旨というのは、非常に簡単にそういう製品をつくれ、つくらなければだめだろうというような趣旨なんですか。内容的に答申の中にもっとたくさん指摘をしたというような点はないのですか。
  84. 山下英明

    山下(英)政府委員 大きな目的から申し上げれば、国民福祉の向上、この一九七〇年代の産業政策の基本として国民福祉を向上する、そして消費生活の充実をしてほしい、そういう答申でございますので、その線に沿いまして、ただ従来からやっておりました各個別の取締法の範囲をそこから除きまして、そして現在提案申し上げているような製品安全法の体系になったわけでございます。
  85. 上坂昇

    ○上坂委員 こういう保護法といいますか、これは一方的に立案して押しつけても意味はないわけでありますが、いままで消費者意見というのは、通産省としてはどの程度聞いているのですか。この間、参考人意見を私たちは聞いたわけでありますが、本法をつくる前にどの程度聞いているのか。
  86. 山下英明

    山下(英)政府委員 産業構造審議会の答申をいただきますときに、その中に主婦連、地婦連等消費者の代表が五人入っておられました。また、昨年の十二月には、消費者意見を聞くための懇談会を開きました。また、御承知のように、提出資料にもございますように、安全苦情に関する——三千六百三十六件、昭和四十六年度という、あの苦情聴取の組織も、通産省を中心に全国の消費生活センター等の組織を通じまして消費者意見を聞いておるわけでございます。今回通産省が私書箱ナンバーワンというものを設けましたのも、消費者の苦情を直接そこで聞こう、こういう趣旨でございます。また、この法律の運用にあたって消費者意見を聞くように配慮をしておりますことも御承知のとおりでございます。
  87. 上坂昇

    ○上坂委員 第二条の特定製品の問題と範囲の問題がありますが、この基準を作成するときに、やはりいろいろ業界の抵抗というのが出てくるんではないかという気がしますが、そういう点については、自信を持ってこれはもうだいじょうぶだ、排除をしていくというふうに決意をされるのか、その点はどうですか。
  88. 山下英明

    山下(英)政府委員 私どもはこの基準が非常に大事だと思っておりますが、それをつくる際には公正かつ技術的にきめてもらおう、これを趣旨といたしております。先ほど安全あんかの際に一例を申し上げましたように、ある温度以下であればあんかとしての役目はないが、ある温度を越えれば危険である、ちょうどその両面の接合点をどこに求めたらいいか、そういうことで科学的にきめていく方針でございます。
  89. 上坂昇

    ○上坂委員 先ほど質問でちょっと聞き漏らしたのですが、業界から入れない、学識経験者、第三者とで構成するんだというのは、これは安全及び品質表示審議会のことを言っているのですか、発起人会のことを言っているのですか。
  90. 山下英明

    山下(英)政府委員 そのとおりでございます。その審議会でございます。
  91. 上坂昇

    ○上坂委員 従来は、こういう機関にはたいてい業界代表が入っておったのですが、私もこれを質問する前にちょっとお聞きしたところが、事務局のほうでは、やはり業界の人を入れなければならないだろうというような話があったわけです。これはほんとうに業界代表を入れないでやれるというふうにお考えですか。
  92. 山下英明

    山下(英)政府委員 先ほど答弁も含めまして、一括申し上げますが、業界の代表を入れないというのは安全協会の評議員の中には入れないということでございます。そうして御指摘製品及び品質表示審議会の構成は消費者、学識経験者、業界人、これの公平な構成できめていきたいと思っております。
  93. 上坂昇

    ○上坂委員 いつでも公平だ公平だという形で結局は公平でなくなってしまうのが普通なんですが、こういう機関はいままで大体業界からの圧力が強くなってくるのが常識なんです。それからこうした審議会というのはたいていおかしなことになってしまって、普通業界の意向というのが強く反映されるような結果になってしまう。  そこで、たとえば三、三、三の比率でいくというようなかっこうになっても、そこら辺がむずかしい。それで、消費者代表のほうも、なるべく政府のほうに協力をするような団体のほうばかり選ぶような傾向もなきにしもあらずでございまして、そういう点について、いつでも公平、十分に御意思を尊重していくというかっこうになってしまうのですが、もう一回確認しておきますが、その点は絶対だいじょうぶなんですか。
  94. 山下英明

    山下(英)政府委員 構成から申しますと、それが三、三、三というような三者均等になるかどうかは現在きめておりませんが、私どもの基本観念は、製造業者自体が現在製品安全について無感覚であったり、あるいはこの審議会品目を指定したり基準を認める審議会でございますが、そういうときに品目を少なくしようとか、基準を下げようというような根性でおられたんでは、現在の製造業者としてはつとまらないと私どもは思っております。しかし、事業の立場上偏した意見を持つことがあるかもしれませんので、人数的にも制限して、消費者、学識経験者のほうが人数が多いという形に持っていくつもりでございます。  先ほども申し上げましたように、この基準のつくり方というのは実際運用上の大事なところで、その基準をうっかり低くつくろうものなら、起きました被害については、特定製品の場合には国自身も責任の一半をかぶるというようなことでございますので、決しておろそかにはできないと思います。政府みずからが基本的な条件を示しまして、たとえば、この製品は通常の使用の場合に科学的にどういう基準を出すべきか、この点についての数値を検討してほしい、そしてその範囲内で専門家の御検討をいただこう、こう思っております。
  95. 上坂昇

    ○上坂委員 その審議会でありますが、審議会の答申というのはどの程度に尊重されるものなのか。それから、いままで審議会に諮問はしたけれども政府はこういうふうな考え方を持っているということになると、その考え方の方向にいってしまうという傾向もいろいろな形であったと思うのですが、そういう点で、いま言ったような点についてはどういうふうにお考えになりますか。
  96. 山下英明

    山下(英)政府委員 私どもは数年来工業技術院でJIS規格の指定をやってきておりますが、この場合も、審議会におはかりするある基準政府側から示した上で検討をおはかりする、審議会は専門家の小委員会を設けて品目別に基準をつくって政府側に答申してまいりますが、審議会が答申した場合にはほぼ一〇〇%といっていいほどに尊重してまいってきております七この経験を生かしてこの法律を運用していきたいと思っております。
  97. 上坂昇

    ○上坂委員 安全協会の問題ですが、この発起人について十五名以上の学識経験者というふうになっておりますが、これは具体的にはどういう人をお考えになっておりますか。
  98. 山下英明

    山下(英)政府委員 このほうは業界人を入れずに構成していくつもりでございます。
  99. 上坂昇

    ○上坂委員 業界関係者が入会をすることになるわけですが、これはどういう形で入会をしていくのですか。業者が個々に入会していくのか、あるいは団体をつくって入るとか、いろいろな面があると思いますが、その点はどういうふうになっているかということをお伺いしたいのです。
  100. 橋本利一

    橋本政府委員 協会製造事業者輸入業者販売業者との関係は個別の契約の関係に入るわけでございまして、団体加入といったようなことは原則として考えておりません。
  101. 上坂昇

    ○上坂委員 損害賠償の問題、被害者救済の問題でありますが、特定製品をつくる業者は協会には入れるんですか、入れないんですか。
  102. 橋本利一

    橋本政府委員 特定製品につきましては、一応、公法上の規制をやっておるわけでございますが、協会との関係で、私法上の契約として、特に損害賠償措置につきまして、この被害者救済制度の活用をはかるために当該関係事業者が参加することは自由でございます。
  103. 上坂昇

    ○上坂委員 この協会に未加盟の業者によって事故が生じたようなときば、そして、しかもその事故製品特定製品でないという場合には、損害賠償はどういうふうにするんですか。
  104. 橋本利一

    橋本政府委員 御質問の点につきましては、本法規制対象外の事業者ということになりますので、一般の民法原則に従って処理されることになるだろうと思います。
  105. 上坂昇

    ○上坂委員 その場合には、いま、民法の規定で、別なところでやるということでありますが、そうなりますと、やはり非常に人命に危害が加えられたというような場合に、それは未加盟者であり、あるいは特定製品でありませんから、政府の今後の指導に待つという形になると思いますが、そうした指導の面というのはどういうふうにお考えになりますか。
  106. 橋本利一

    橋本政府委員 御指摘のとおり、行政指導を行なうことになりますが、この協会と契約を結びましてSGマークを貼付し、かつ、その商品について事故発生した場合には協会が行なう被害者救済制度を活用するよう方向として指導することになるかと思います。
  107. 上坂昇

    ○上坂委員 そういう製品を扱っている者については、今度は協会に入れて、そしていま言ったようなマークをつけさせるというようなかっこうになるんですか。
  108. 橋本利一

    橋本政府委員 さようでございます。
  109. 上坂昇

    ○上坂委員 八十四条に関連しますが、立ち入り検査をする場合ですが、この場合には立ち入り検査の端緒というのはどういうふうにして見つけ出すんですか。
  110. 橋本利一

    橋本政府委員 本法規定では、報告徴収規定もございます。あるいは一般に消費者から苦情が寄せられる場合もございます。あるいは広く市場に出回っておる製品を試買検査いたしまして、その結果等から判断いたすことが可能かと思います。
  111. 上坂昇

    ○上坂委員 立ち入り検査をしたあとの結果については、これはいつごろ公表されるんですか。
  112. 橋本利一

    橋本政府委員 立ち入り検査実施し、それに対する対策を完結したところで極力前向きに公表いたしたいと考えます。
  113. 上坂昇

    ○上坂委員 公表方法というのは、どういう形で公表されるんですか。
  114. 橋本利一

    橋本政府委員 一般に官庁に記者クラブがございますので、そういった席をかりて発表いたしたいと考えます。
  115. 上坂昇

    ○上坂委員 各省との間の問題もいろいろ出たわけでありますが、これはいろいろな法律で、お互いに譲り合ってしまったり、お互いに責任をなすりつけるということがあるわけでありますが、そういう点についての問題と、それから、主務大臣に届け出があった場合には、直ちに、ほかの商品との関係がある場合には他の各省に連絡をする、こういうようにお答えがあったわけでありますが、その点については直ちにできるという形に解釈してよろしいのですか。
  116. 橋本利一

    橋本政府委員 平素からも関係官庁としては密接に事務連絡の場を持っておりますので、本法のいかんにかかわらず、さような方向で対処してまいりたいと考えます。
  117. 上坂昇

    ○上坂委員 商品はたくさんありますし、また各地でつくられているというふうに思います。これを押えるということは通産省でもなかなかむずかしいであろうし、中央の安全協会でもできないということで、都道府県あるいは地方公共団体、そういうところが窓口になるというような形になるだろうと思うわけでありますが、大体県の商工課なんかでやっております。たとえば、これは厚生部でも同じですが、保健衛生などを見ても、なかなか取り締まりができないわけであります。その取り締まりができないというのは、特に、まず人数が足りない、人件費がない、極力予算措置を押えるというようなかっこうになっております。こういう点について、各都道府県にやらせる、あるいは都道府県の消費センター等にやらせるという形になっているわけですが、これらについて今後どういう予算的な措置をしていくというふうにお考えになっておられるか、お答え願いたいと思います。
  118. 橋本利一

    橋本政府委員 都道府県知事に対しましては、本法による立ち入り検査あるいは報告徴収の権限の一部を委任したいと思っておりますし、また、法律の周知徹底あるいは各県消費生活センターを通じての苦情受付あるいは市中に出回っている製品の試買テスト、かような業務の一部を都道府県に委任いたしたい、かように考えております。これに伴って必要とする予算につきましては、本法に基づく具体的施策が四十九年度から本格化いたすわけでございますので、来年度は十分必要な財政的措置を講じていきたい、かように考えておるわけでございます。
  119. 上坂昇

    ○上坂委員 無数の商品ができてきて、これを売ろうとするわけでありますが、これは安全な製品の中に入れる、あるいは特定製品として指定をしていくというようなことはなかなかむずかしいと思いますが、これは規定していく場合、先ほどからいろいろ聞いているわけでありますが、たとえば玩具類なら玩具類というふうに大きくくくって、そしてその中でこれとこれとこれというふうなかっこうでしていくという一つの場合があると思いますが、商品をくくっていくということは、そういう点では有効ではないかというふうに考えますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
  120. 橋本利一

    橋本政府委員 本法規定する事業の区分あるいは型式承認における型式の区分、こういった点が先生指摘の点に相当いたすかと思います。たとえば、一言でヘルメットと申し上げましても、素材がどのようになっておるか、あるいは用途、たとえば、登山用だとか、スポーツ用だとか、あるいは労務用だとか、用途によって、また、その使用サイズ等も変わってくるかと思いますので、さような区分に従いまして、安全基準を作成してまいりたいと考えております。
  121. 上坂昇

    ○上坂委員 主務大臣に、いろいろ一般消費者申し出る手続などをしていく場合、これは申し出についての秘密の厳守というようなこともやはり考えられるわけでありますが、そういうことについては、どういうふうにお考えになっておりますか。
  122. 橋本利一

    橋本政府委員 公務員につきましては、一般的に秘密保持の義務がかかっておるわけでございますが、御指摘のような申し出人が申し出たということについて、何らかのマイナスを受けるといったような場合には、当然その名を秘匿すべきだと思いますが、一応われわれといたしましては、その申し出の信憑性あるいは追加的な質問等の関係もございますので、申し出書には、住所なり氏名なりは書いていただくということになるかと思います。
  123. 上坂昇

    ○上坂委員 先ほどいろいろ窓口を広げる、あるいは投書させるとか、苦情申し出をさせる機関をたくさん置くというようなお話でございましたが、政府がいろいろ考えた場合に、こうした一つの製品によって被害が起きた、それに類するようなものについての被害の予想がされるというような場合に、そういうことについては審議会に諮問をするとか、あるいはいろいろな参考人意見を聞く公聴会を催すとか、そういうようなことは今後十分やっていくというふうに考えられておるのかどうか。
  124. 橋本利一

    橋本政府委員 現在行政措置として考えております事故報告システムは、来年度から工業品検査所商品テスト部を新設いたしまして作業を行なう、その内容といたしましては、事故情報の収集、事故原因の究明、事故の分類、整理、解析、かような点を検討いたしておるわけでございますが、このような結果につきましては、ものによっては特定製品に指定する、あるいは緊急命令発動する、直接業界指導をする、あるいは先生ただいま御指摘のような形で公表いたしまして、前車の轍を踏まないような、一般消費者に周知徹底するとともに、関係事業者に自重自戒を求めるということで活用してまいりたいと考えております。
  125. 上坂昇

    ○上坂委員 最後に言っておきたいのですが、国の持てる力をフルに発揮するというような形でこの法律を運用していく。それから規制については非常にむずかしいわけでありますが、これはめんどうがらずにやっていくというようなお答えがあったわけであります。めんどうがらずにやっていくといっても、無数にある商品でありますからなかなかむずかしいと思います。  先ほど都道府県に対する予算措置等については、来年度からは本格化していくということでありますが、肝心の通産省自体でやろうと思っても、やはり相当な予算措置ができませんと、私は、これは仏つくって魂入れずというようなものになってしまうおそれがあると思いますので、そういう点で、これから発足する上において、これに対する関係職員の人数なりあるいは予算措置なりはどの程度確保していくというようにお考えになっておるか。これは通産大臣の御決意をいただきたいというふうに思います。
  126. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 本法律案は、通産省としても画期的な観点に立ちまして、消費者本位の行政へ通産省の仕事を向けていこうという一端として始まった法律案でございます。そういう意味におきまして、この法律を施行するために人員や予算等につきましては、非常に注意をして充実さしていきたいと思っております。本年は、六カ月でございまして、いよいよ来年から本格化すると思いますが、来年度予算、人員等の配置につきましても万全を尽くしていきたいと思っております。
  127. 上坂昇

    ○上坂委員 そのはかのいろんな問題については、たくさんありましたが、大体重複いたしますので、私の質問を終わります。
  128. 浦野幸男

  129. 岡本富夫

    岡本委員 消費生活用製品安全法案、この審議にあたりまして、最初に通産大臣にお伺いをいたしたいと思います。  この法律案には、施行期日は、「公布の日から起算して九月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」というようにございますが、この法律が当委員会で——まあ国会で決定する。それに対して、今度は各省、すなわち通産省でこれを順奉していくという義務があろうと私は思うのですが、大臣は、この法律案がきまりましたら、その法律趣旨に沿って行政を行なっていくのか。この点をひとつはっきりしていただきたいと思うのです。
  130. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 本法の施行につきまして若干期間がとってございますが、これは実施に関する諸般の基準等のためでもございますが、もしその間に不測の事故等が起こりましたら、本法の精神をくみまして、行政措置によりまして適切な処置をとっていきたいと思います。
  131. 岡本富夫

    岡本委員 そうしますと、この公布の日から起算して九カ月をこえない範囲で必ず行なう、こういうことでございますか。
  132. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 さようでございます。
  133. 岡本富夫

    岡本委員 まあこの法律、これのみでなくして、いろんな法律がございますが、その法律は国会で議決され、そしてこの国権の最高機関でこれが制定された。それに対して、行政府であるところの各省、特に通産省にお尋ねするわけですが、通産大臣は、その法律に従って——たとえばここでは九カ月ですが、それからきちっとその法律に従っていろいろ行政をやる、これははっきりしておりますか。もう一度ちょっとお聞きしたい。
  134. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 そのとおりでございます。
  135. 岡本富夫

    岡本委員 あなたは本年の三月二十七日にこういう答弁をなさっております。商工と公害環境保全特別委員会との連合審査のときに、わが党の坂口委員に対して、「法律の条文もさることながら、官庁も含めた社会意識というものが非常に重要であろうと思います。」中を抜いてですが、「そのまわりの力に作用されて法律の寛厳おのおの時を得るように運用されてきているわけでございます。」国権の最高機関であるところの国会におきまして法律が制定された、その法律をまわりの力に作用されて、法律の寛、これはゆるやか、あるいは峻厳に行なう、おのおの時を得るように運用していく、こういうお話を聞きましたのですが、これはほんとうでしょうか、あなたはそういう考えで……。
  136. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 法律は国会を通過して成立するものでございまして、そのときに立法者の意思というものは法律の中に盛り込まれるものであると思いますが、法律の解釈論となりますと、これは時代によって変化を受けていくものであろうと思います。  いままでいろいろな法律について取り扱いを見ておりましても、必ずしも一義的な単一な取り扱いを受けないで、そのときそのときに適切な運用が行なわれるように解釈に弾力性を持たせてきた、それが実態であるだろうと思います。英国のような場合には、むしろ法律なんかなくても慣習その他によって適合させてきたというところがございますが、法律そのもの自体の解釈は時代によって変化していく。そしてそのときの人たちが最も要望する正義なり公平なりを確立するように、法の精神を生かしていくというのがまた執行者の立場にある者の態度でもあるだろうと思います。
  137. 岡本富夫

    岡本委員 私はなぜこれを聞くかと申しますと、あなたが法律に基づいて通産行政をやるのか、あるいは法律なんかはそのときそのときで、法律どおりやるか、あるいは法律どおりやらないか——特に私は、あなたの政治姿勢というものに非常に驚きだ。ということは、鉱業法という法律があるのです。このときにあなたは答弁なさっておるのですが、これは昭和二十四年から四十五年までの間、二十年間一度も適用してない。その適用してないということは、適用してなかったがために、あんなに大きな公害がどんどん起きた。私は、これは結局通産行政の公害に対するところの不認識からきた、あるいはまたほんとうに国民の生活を守ろうという立場でなかった、そのために二十年間もこの法律は適用されてなかった。  あなたはいま答弁なされましたけれども、そういう政治姿勢では、いかにりっぱな法律をつくりましても、都合のいいときはその法律を実行する、あるいは都合の悪いときは実行しない、そのまま寝かせておく、これでは何にもならないと私は思うのです。いまあなたの答弁なさったのとこれとどうですか。二十四年に施行された鉱業法が四十五年まで全然活用されてなかった、それでどんどん公害が起こってきた、この事例をひとつ御答弁願いたいと思うのです。
  138. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 私が申し上げましたのは、法の執行という部面からの考えを申し上げたのでございまして、法がなければ権限がございませんから執行もできないと思うのです。それで、与えられた法律のワク内において精神を生かしながら弾力性を持たせて、時代に合うように法を解釈して実行していく、そういう意味で申し上げたのでございます。  鉱業法の場合には、適用された部分と適用されない部分とがあったと思いますけれども、法を適用するというときについては、やはり社会意識とか、あるいはそういうものが多少関係してきているのではないか。たとえば、こういう過剰流動性というものが出てきて民衆が困ってくるというような場合には、きびしく執行されて寸毫も許されないというような態度が必要でありましょう。しかし、物が余ってきて弾力性があるというときには、その寸毫も許されないというようなものから、行政官庁の力をほかの部面に移して、ほかの許さない部面に力を注ぐ、そういうことも執行の範囲内にはあると思うのです。そういう意味のことを実は申し上げたのでございます。しかし、法がある以上は、その法に従って法を忠実に適用しなければならぬということはもう根本的条件でございます。
  139. 岡本富夫

    岡本委員 いまあなたが答弁になった、法律がある以上は法律に従って忠実に行政は動かなければならぬ、それが私は結論だと思うのです。ところが、二十四年から四十五年までの間、鉱業法の第百九条あるいは保安法の二十五条から二十六条、こういうものを全然適用してなかった。それに対してあなたは、公害問題に対する社会意識が低かったためにそういうことであったのだというような意味の答弁であり、そういう社会意識が高まってきたから法律を峻厳にするのだ、それでなければたとえ違反しておってもゆるやかにする、こういうように受け取れるような御答弁なんです。そういうことを考えますと、結局ここで各委員の皆さんが一生懸命にりっぱな法案をつくり、そうして国民生活を守ろう、こういうようにしましても、業界の圧力や、あるいはまた何らかのあれによってその法が曲げられてしまう。そうして法というものは私は国民のためにあると思うのです。そのあなたの通産大臣としての、閣僚としての姿勢というものをはっきりしておかなければならぬ、これが私のきょうのまずあなたに対する質問なんですよ。いかがでございましょう。
  140. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 法がつくられました以上は、行政官庁の者は法の命ずるところに従って誠実にこれを執行する、そういうことは根本的に私も考えておるところでございます。もしその点に誤解がありましたら、ことばが足りなかったことでございまして、遺憾に存じます。  御指摘の問題は、鉱業法の百九条の無過失賠償責任の問題であったのだろうと思います。それで、最近公害問題が非常に叫ばれてまいりまして、今度無過失賠償という問題が正式に法律の上でもきめられるようになりましたが、鉱業法はその先駆をなすものであったろうと思います。ただ、賠償という問題について、挙証責任という場合において、この鉱業法百九条のほうは被害を受けた人たちのほうにたしか挙証責任があるのじゃないかと思います。そういう意味においてなかなか挙証ができなかった。今度はもう挙証責任をひっくり返してしまった。そういう意味において時代は発展しておりますし、一般大衆を保護するという方向に非常に社会の意識も法の重点も転換してきている、そういうことがこの百九条、それから新しくできてきた公害諸立法の無過失賠償責任において認められておるところであると思うのです。そういう意味のことを私は申し上げたかったのでございます。
  141. 岡本富夫

    岡本委員 いずれにしても、今後この法律が制定されましたならば、きちっとその法の精神に基づいて行政を行なっていく、この点についてひとつ強力に申し入れもし、厳守していただきたい。それでなければ、何ぼ一生懸命法をつくっても何にもならないということを再度申し添えておきます。  次に、この法律案は消費生活のための安全法でありますから、私どもも決して反対するのではありませんが、特に諸外国を調べますと非常に製品の安全対策が進んでいる。製品安全性を確保し、国民の安全な消費生活の実現をはかるということは最も基礎的な国の行政であると私も考えるわけですが、いままで政府はどのような施策を講じてきたのか。従来の政府の姿勢はどうも製造業者のほうに目が向いておって、消費者のほうの立場に立つことが忘れられていたのではないかという節があるわけでありますが、今後これらの製品安全性確保のために、また向上対策にどういう決意をもって臨まれるのか、これをひとつお聞きいたしたい。
  142. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 従来政府は食品衛生法あるいは電気用品取締法ガス事業法等の取締法令によりまして、製造販売等の規制を行なってまいりました。これらの施策が円滑に実施されるように、対象品目について試買検査、立ち入り検査の充実等、監視体制の整備をはかってきております。しかしまた、一方におきましては、一般消費者から製品安全性を向上させる強い要求がございまして、民間におきましても独自で製品安全性確保をはかるほか、おもちゃ、石油燃焼器具等の例に見られますように、製品ごとに業界、団体を中心に学識経験者、消費者等の意見もいれた自主的な安全基準を作成して、これにのっとった安全マーク制度を実施しており、政府もその指導を行なってきたところでございます。  しかし、政府としては、消費者の生命、身体に及ぼす被害を未然に防止して、安全な消費生活の実現をはかるために最も基礎的な国の責務がここに存在すると認識いたしまして、消費者立場に立って、今後一そう製品安全確保対策の総合的推進につとめる所存でございます。今回本法案を御提案申し上げたのも、そういう趣旨によって御提案申し上げたのでございます。
  143. 岡本富夫

    岡本委員 いま大臣から食品衛生法とか安全法、こういうお話がありましたが、たとえば食品衛生法というのがある。ところが、千葉ニッコーのあの汚染油の問題、これはビフェニールが食用油の中に混入しておった。これは御承知のようにPCBと同じです。たいへんな問題です。こういう問題が起こっておるわけです。したがって、法律があっても、その法律に基づいてほんとうに行政をきちっとしていないところにこういう問題が起こったのではないかと私は思う。一番私が心配なのは、これは厚生省の問題だから私ども関係ないのだというように閣僚の一員として通産大臣が考えていらっしゃるのであれば、いまの答弁とちょっと違うのじゃないかと私は思うのですが、この点についてどういうお考えを持っていらっしゃるのか。
  144. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 食品衛生法あるいはそのほか消防関係あるいは警察関係、火薬類の取り締まりとか、そういうようないろいろな取り締まりを実行してきておるところでございますが、最近は新しい製品が非常に出てまいりまして、それらの製品の中には不測の危害を民衆に与えるという危険性なきにしもあらずでございます。いま御指摘になりましたPCBの問題もそうでございますし、千葉ニッコーの問題もその一つの例でございますけれども、そういう問題がほかの分野にも起きないように、そういう意味で今回この法律の提案を申し上げておるわけでございます。食品は食品あるいは工業製品は工業製品、おのおのがおのおのの分野において民衆、消費者を保護する、危害から守る、そういう精神に立って手を尽くして、行政当局としての責任を果たしてまいるべきものと考えます。
  145. 岡本富夫

    岡本委員 本法案を審議するにあたって、ぼくは公開の原則というのがあると思うんです。もしも変な製品が見つかった場合に、それをどういうふうに消費者に知らしめ、消費者を保護するか。ただ検査をして、型式承認なんというものは一品一品やるのじゃありません。抜き取り検査ですから、そういう安全性を確保できないようなものを見つけた場合、あるいはまたそれがわかった場合、一般の国民、消費者にどういうように公表するのか。まずそれについて、一つの事例として千葉ニッコーの汚染油の問題について厚生省からひとつ……。
  146. 三浦大助

    ○三浦説明員 千葉ニッコーの問題についてお答え申し上げます。  厚生省が四月十日に千葉県の衛生部から報告を受けまして、千葉ニッコー株式会社が熱媒体の混入した食用油を販売しておった、こういうことを知ったわけでございまして、この会社は、三月十五日に、製油の最終工程にあります脱臭装置の熱媒体の通ったコイルパイプに直径一ミリの穴があいておる、そこから熱媒体が漏れて食用油に混入したことを確認したわけでございますが、これを隠蔽したことによってこの食品事故に発展したわけでございます。  漏れた熱媒体の量は四十五キロぐらいございました。まず私どもは、この毒性という問題を考え消費者の安全という問題を考えまして、消費者にともかくこれを食べないようにというPRをするとともに、二月二十日から四月十日までの製品を移動禁止、販売禁止、回収の措置を講じておるわけでございます。
  147. 岡本富夫

    岡本委員 移動禁止あるいはまた食べないように、こう言いましても、アイロンとか、あるいはまた、何といいますか、電気製品、そういうものであれば使わないようにというようなことができますけれども、どれがこのビフェニールですか、それが入っているか、どのお菓子に入っている、どれに入っているということをあなたのほうできちんと公表しなければこれはわからないのじゃありませんか。いかがですか。
  148. 三浦大助

    ○三浦説明員 ただいま御指摘の点でございますが、ともかく千葉ニッコーで精製された油を大急ぎで調べました。それにつきましては全部わかったわけでございます。その油につきましても、直ちに都道府県を介しまして連絡をしたわけでございますが、その後調査結果がだんだんわかるにつれまして約七十種類に及びます製品がつくられていたわけでございます。これらにつきましても、わかった段階で、むしろ都道府県の段階で、もうこちらへ知らせる前に県で発表して各県に連絡していただく、こちらも県から問い合わせがあったときにはそれを全部県のほうに連絡して、ともかくまず消費者が食べないということが一番大事な対策であるわけでございます。約七十種類に及びますが、これも全部公表をしてございます。
  149. 岡本富夫

    岡本委員 県のほうに発表してもらっても、知事やあるいはまた副知事は知るかもわからぬ。また、その係は知るかもわからぬけれども、一般の消費者——ぼくは東京都に住んでおりますけれども、東京都から通知が来ない。ぼくは、一般紙を通ずるとか、あるいはまたテレビできちっと連絡するとか、もっとはっきり国民がわかるようにしてもらわなければならぬと思うのです。それについてどうですか、もう一度。
  150. 三浦大助

    ○三浦説明員 これにつきましては、もちろん、いま都道府県を介してと申し上げたのですが、むしろその前の段階で、私ども、新聞、テレビ等を通じまして、わかった製品からこれを発表しているわけでございます。
  151. 岡本富夫

    岡本委員 どうも私は公表のしかたが手ぬるいように思う。  通産大臣、これはあなたのほうの関係でない、これはもう厚生省でやるのだという責任のがれでなくして、私は、こういった粗悪品あるいは人体に影響のあるもの、こういうものはすみやかに、たとえば、政府としてばっと公表するとか、そして皆さんを早く守る、消費者を早く守るというような手を打たなければならぬと思うのです。三月の十五日からずっと流れて、もう食べておるのです。四月の十日にわかった。これは私は一つの例を言っているわけですよ。その間に、どんどんパンの中にも入っている。これは尼崎でパンの中からわかったというのですね。したがって、私は、この消費生活のあらゆる製品について、国民の皆さんの健康あるいは安全、こういうものに対しては、もっと特別な配慮の手を政府のほうで打たなければならぬ、こういうように思うのですが、大臣はいかがですか。
  152. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 ごもっともな御発言だろうと思います。われわれもそういう御趣旨を体しまして、万一にもそういうものが発生した場合には、各段階でこれをチェックすると同時に、すみやかに一般国民にテレビやラジオや新聞等を通じて知っていただいて、惨禍を起こさないように手当てをしなければならぬと思います。
  153. 岡本富夫

    岡本委員 もうやめようと思うけれども、外野席がうるさいからもう一問だけ。  そこで、工業品検査所の中に商品テスト部ですか、これを新設した、ここで新製品の確認のための検査を行政的に行なおうとしているというのでありますが、四十八年度の予算を見ると千二百万円、このぐらいの予算では、全製品検査し、あるいはまた危険な製品の芽を事前につみ取ることができないのではないか。非常にこの予算では少ないのではないか。非常に数が多いわけですからね。この点については、大臣はいかがお考えですか。
  154. 山下英明

    山下(英)政府委員 おっしゃいますとおりに、四十八年度は千二百三十八万円ですが、これは先ほども大臣が答弁されましたように、来年度から平年度予算になりますので、私どもは新予算で要求いたしまして、充実さしていくつもりであります。
  155. 岡本富夫

    岡本委員 これで終わりますが、大臣、最初に言いました法律をつくってもその法律に基づいた行政、これがいいかげん惰性に流れたり、あるいはまたそれをやらなかったり、こういうことにならないように、ひとつくれぐれも——各党の委員の皆さんがこうして一生懸命に勉強して、そうして消費者のためにいい法律をつくろうというので努力されているわけです。したがって、その法律の精神にのっとって、ひとつりっぱな行政を行なって消費者を守っていく、こういうように要求し、最後にあなたの決意を伺って終わります。
  156. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 御発言を体しまして、しっかりやります。
  157. 浦野幸男

    浦野委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  158. 浦野幸男

    浦野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  消費生活用製品安全法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  159. 浦野幸男

    浦野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  160. 浦野幸男

    浦野委員長 次に、本法律案に対し、稻村左近四郎君外四名より、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党五党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。稻村左近四郎君。
  161. 稻村佐近四郎

    ○稻村(佐)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     消費生活用製品安全法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、国民の安全な消費生活の実現・向上を図るため、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一、消費生活用製品について出来る限り多く特定製品として指定するとともに、関係試験検査機関の有機的活用を図るなど検査体制を整備拡充すること。  一、製品の欠陥に起因する危害発生について事業者等による届出又は通報の制度化、試買検査、定期検査の効率的な実施及びモニター制度の拡充等により監視体制を確立すること。  一、製品安全協会消費者立場に立つてその業務を行なうため、協会への民間出資、役員及び評議員の選任等について十分配慮し、協会の被害者救済制度に製造事業者が多数加入するよう指導すること。  一、被害者救済制度については財産の損害も対象に加え、損害がてん補される最高限度額及び製品安全協会が交付する資金の額を引上げるようつとめること。  一、危害防止命令緊急命令発動にあたつては、一般消費者の安全を確保するため、これを弾力的に運用し、その結果等を公表すること。  一、中小製造事業者に対し、安全性に関する指導に努め、税制・金融上の助成措置を強化すること。  一、安全マーク及び製品使用方法等について簡潔明瞭に表示し、安全マークに対する信頼性を高めるよう指導すること。  一、消費生活用製品安全性に関する情報の提供及び啓発活動を積極的に促進する一方、消費者意見を反映させるため製品安全及び家庭用品品質表示審議会製品安全協会に積極的に消費者を参加させ消費者の自主的活動の健全な発達を図ること。  一、既存の関係諸法令の対象製品についても本法と均衡ある措置をとり得るよう検討を加えること。 以上であります。  本決議案の内容につきましては、消費者代表の参考人意見聴取等、審査の過程において十分御承知のことと存じますので、説明は省略させていただきます。  委員各位の御賛同をお願いいたします。
  162. 浦野幸男

    浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  163. 浦野幸男

    浦野委員長 起立総員。よって、本動機のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。中曽根通商産業大臣
  164. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、対策に万全を期する次第でございます。どうもありがとうございました。     —————————————
  165. 浦野幸男

    浦野委員長 おはかりいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 浦野幸男

    浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  167. 浦野幸男

    浦野委員長 内閣提出中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び国際経済上の調整措置実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次政府より提案理由の説明を聴取いたします。中曽根通商産業大臣。     —————————————
  168. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。  中小企業信用補完制度は、創設以来一貫して発展を遂げ、現在二兆三千億円を上回る保険規模に達し、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にする上で大きな役割りを果たしてきております。  しかしながら、中小企業を取り巻く環境は、現在、急速に変化しつつあり、それに伴い、信用補完制度においても中小企業者の現実の資金需要に十分対応できない面が出てまいっております。  本法律案は、このような観点から中小企業信用保険法の一部を改正しようとするものでありますが、その概要は、次のとおりであります。  第一は、保険限度額の引き上げであります。  最近の中小企業者の資金需要の大口化傾向に対応して、普通保険の中小企業者一人当たり限度額を現行の二千五百万円(組合の場合は五千万円)から三千五百万円(組合の場合は七千万円)に引き上げようとするものであります。  また、特別小口保険につきましても、小規模層の資金確保の円滑化をはかるため、小企業者一人当たり限度額を現行の八十万円から百万円に引き上げることとしております。  第二は、公害防止保険のてん補率の引き上げであります。  すなわち、公害問題の重要性にかんがみ、公害防止保険のてん補率を現行の七〇%から八〇%に引き上げようとするものであります。  このことにより、公害防止保証の一そうの推進がはかられ、中小企業者に対する公害防止資金の融資の円滑化に寄与するものと考えます。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  次に、国際経済上の調整措置実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  去る二月十四日に実施されましたいわゆる第二次ドル・ショックと称される円の変動相場制への再移行は、輸出関連の中小企業の事業活動に著しい影響を及ぼすことが憂慮されております。  政府としては、直ちに、中小企業製品にかかる輸出の円滑化をはかるために外貨預託を裏づけとする先物為替予約制度を実施しましたが、中小企業対策の重要性と緊急性にかんがみ、政府部内で所要措置検討を進めた結果、三月十四日、国際通貨情勢の変化に伴う緊急中小企業対策について閣議決定を行ないました。閣議決定は、次の事項を骨子としております。  すなわち、第一は、政府関係中小企業金融三機関等による長期低利の緊急融資の実施であります。融資規模二千二百億円、金利六・二%の特別融資により、輸出関連の中小企業者の経営安定をはかるものであります。  第二は、前回のドル・ショック時に実施した緊急融資の返済猶予を行なうほか、設備近代化資金、高度化資金等についても返済猶予措置を講じ、経営安定をはかるものであります。  第三は、担保力の乏しい輸出関連の中小企業者に対し、中小企業信用保険の特例措置を講じ、その信用補完をはかるものであります。  第四は、法人税及び所得税につき、今後二年間欠損金の繰り戻し制度による還付を既往三年間にさかのぼって行なうなどの税制上の特別措置であります。  第五は、中小企業の事業の転換を円滑化する措置であります。  政府としては、これらの特別措置により、輸出関連の中小企業者が第二次ドル・ショックに耐え、事業活動に支障を生じないよう遺憾なきを期したいと考えております。  本法律案は、この閣議決定の内容中、法律的な措置を要する事項につき、立案されたものでありますが、その要旨は、次のとおりであります。  第一は、今般の円の変動相場制への再移行を国際経済上の調整措置として規定し、これにより影響を受ける輸出関連の中小企業者を新たに認定することであります。この結果、前回のドル・ショック時に認定を受けた中小企業者も、新たに認定を受けることにより、再び救済措置を受けることができます。  第二は、新たに認定を受けた中小企業者について、中小企業信用保険上の特例措置を講ずることであります。具体的には、通常の保険限度額のほかに、特別小口保険については八十万円、普通保険については二千五百万円のそれぞれ通常分と同額の別ワクを設け、無担保保険については通常分の一・五倍の四百五十万円の別ワクを設けることであります。この信用補完の強化により、担保が不足している中小企業者に対して、金融の円滑化をはかることであります。  また、四十八年二月十四日以降、認定を受けるまでの間に、信用保証協会輸出関連中小企業者にした保証についても、この特例措置を遡及して適用することといたしております。  第三は、認定を受けた中小企業者に対し、設備近代化資金の支払い猶予の特例及び事業の転換の円滑化のための措置を講ずることであります。  第四は、租税特別措置法の一部を改正し、新たに認定を受けた中小企業者等に対しては、今後二年間に生ずる欠損金につき繰り戻し制度による還付を通常は一年となっておりますのを特に既往三年間にさかのぼって認めることとしたことであります。  第五は、新たに認定を受けた中小企業者に対し講ずる特別措置に遺憾なきを期するため、法律の有効期間三年を五年に延長することであります。  これが、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  169. 浦野幸男

    浦野委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は、来たる二十日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時十分散会