○塩川
政府委員 今日、
セメントの
需給ギャップが深刻な問題になってきておりまして、これが寄って来たる原因はいろいろございましょうが、そんなことは結果から見ました場合には単に言いわけにしかすぎないように思います。でございますから、これからの
対策ということに懸命の
努力をいたさなければならないと思うのでございます。それにつきましてはやはり
需要をきびしく算定していかなければいかぬと思います。それがために来
年度は八千万トンという
見通しを持っておるのでございまして、この八千万トンにつきましてはやはり科学的に計数をいたしまして、これで十分な
需要であろうという一応の
見通しを持っておるのでございます。しからば、その八千万トンをどうして
確保するかということが問題でございますが、現在ありますところの
設備を全部稼働の状態に持っていくと同時に、
業界において一千万トン
増設をするということを極力急がして、そしてあらゆる面から通産サイドから支援もいたしまして、
増設を早急にさしていかなければいかぬ。これがまず第一点の問題でございます。
それと昨年の
補正予算において出ました公共
投資、これに対する手当て措置が、先ほど
局長が言っておりましたように若干
見通しが甘かったところがあったと私は思うのです。そこで四十八
年度予算が執行されます場合に、でき得ればそういう
公共事業、これが来
年度需要増の中で一三%を占めておりますので、これはできるだけ早く発注をしていただくと同時に、だからといって発注と同時に一斉に
工事にかかられたのでは、これまたたいへんな事態が起こってまいろうと思います。そこで発注を早くして、十分
セメントの
需要の
見通しを早く立てていただくと同時に、施工については、やはり私はその中で緊急度を勘案して順序を立ててもらわなければ、発注したからといって、一斉にこれがやられたんでは、これはまた非常なギャップが出てくると思うのでございます。したがいまして、一方において一千万トンの
設備の
増強を早急にはかると同時に、
需要の面におきましてもやはり調整を極力していかなければならぬ、このように思っております。
なお、
輸入に対する期待でございますが、この問題等につきましては、私たちも極力
輸入の
増加をはかっていきたいと思っておりますが、これは中村先生御承知のように、現在
韓国におきましては、現場では日本の商社がどんどん行きましてどんどんと買い付けておる。これがために
韓国のセメンも、もともと
需給がやっと均衡がとれておるような、余りがちのところではないところでございますが、そういうところに日本のほうから買い付けにいくと値段は上がる、品は
不足する、こういう事態が起こって、
韓国にあるいはまた台湾等に迷惑をかけてもいけませんしいたしますならば、
輸入の増に対しますものをあまり甘く見てはいかぬ。やはり根本的には国内におきますところの
供給体制を強化していくということ、ここに重点を置いて考えなければいかぬと思っております。つきましては、先ほど申しました諸点について
努力し、今後におきましてこういうことの起こらぬように極力つとめてまいりたいと思います。