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藤田委員 このOECDのPPPの原則に関連をして、いまのこの
法案審議にも
関係するわけですが、OECDの環境
局長をしておりますロドリック博士という人との間に、
日本の
業界といいますか、BIACというのですか、
日本委員会の主催で三十二回のOECDの懇談会が開かれておるわけですね。それに対して、いまの解釈についてこういう端的な質問がなされておるわけです。「
日本では目下救済基金を作る試みがある。
政府の考えでは、OECDにはPPPの原則があるので、全部
企業で
負担せよといっているが、これはダメージ回復のための金だから、PPPの原則に入らぬと思うが、どうか。」とういう質問に対して
局長は、「その意見は正しい。公害防止とコントロールのために使われる金の原則は、環境
資源を合理的に処理して、貿易投資にゆがみをつくらぬことが大事であると考えている。汚染者の
負担は、環境が受け入れられる状況を作り出すためのもので、人間を含んだ環境が受け入れられるものだと解釈することは、条文の初めの意図にはなかった。」こういう
答弁が
一つあるわけですね。
それともう
一つは、これはもう今度の
鉱害防止の
法案に直接
関係するのですが、
鉱山の
業界代表ですね、「私は
鉱山を代表する
業界のものであるが、
鉱山においては過去の排出による蓄積の問題がある。」いわゆる蓄積
鉱害の問題ですね。ということで質問をして、いわゆる「
鉱山地帯は自然に重金属類が沢山含まれている地域なので、ともすると自然汚染を含めて
企業負担がかけられる
傾向がある。人為汚染との区分は極めてむずかしいと思うが、費用
負担の場合に、自然汚染分は是非めん除さるべきだと考えている。この点費用
負担にあたってどう考えるか。」という質問に対して、「原則として公害防止の費用は汚染者
負担と考えているので、過去のダメージはふれない。
政府や住民からの圧力でそうなるかも知れないが、OECDでは、そこまで現在のところにふれていない。あくまでも、コントロールの費用であって、ダメージの費用は含まないと考えている。」こういうふうに
答弁をしておるわけですね。ですから、OECDにおける公害防止のこのPPPの原則というものは、通商
政策上あるいは貿易
政策上の
一つの原則であって、
日本だったら
日本のように、高度経済成長の中でこれだけ生活環境が破壊されるような公害問題が起こっている。
そこで、人に対する被害あるいは救済の問題、そういう問題については、これ以上に別のきびしい基準があってしかるべきじゃないか。ですから、このPPPの原則があるから、今回のこの
法律案でいえば、蓄積
鉱害に向けて国が、公機関が
一定の財政援助といいますか、補助金といいますか、そういう
負担をすることはいけないのだということにならぬと思うのですね。これは解釈上の問題ですから、いま聞いておるのは。対応のしかたの問題については、私は別に考えがあるわけですけれ
ども、このOECDのPPPの解釈の問題としては、きのう
政府が
答弁したこと、あるいはいまここに紹介したように、
政府の
見解というものは、解釈上誤っているのじゃないかと思うのですが、これはどうですか。この解釈を統一しておかないと、この蓄積
鉱害に対応する場合の
政策上の
対応策が間違ってくると思うのですね。きのう川俣健二郎代議士の
答弁については、私はどうもここで
業界代表が質問しておるのと同じような
答弁だったと思うのですが、どうでしょうか。