○
加藤(
清二)
委員 だから私がお尋ねしておるのは、ドル換算でなくして円換算の輸出量が聞きたい、こう言っておる。ドルで試算をした場合には、円が
切り上げられれば、まあかりに一割
切り上げられたとすれば、ドルの受け取りは一割多くなるにきまっているんですよ、量は一緒でも。それから、インフレで
物価が上がっていけば、量は同じでも金額は上がるにきまっているのですから、これは。だから、実態を
国民によく知らせるためには、
日本が
アメリカへ売った品物くらいは
日本円に換算して
国民に知らせるべきだと思うのです。その実態を
数字の、すなわちドル建ての魔術で受け取っておりますると、
アメリカ輸出は円
切り上げ後もどんどん伸びたという間違った印象を与えるからなんです。その実、具体的に
産業別にこれを見ますると
——あなたが答えないからこっちから言う。自動車の輸出の伸びは、最盛期は三〇%以上あったのに一〇%以下に減っているのです。
繊維全体としては、日米協定で五%は完全に伸ばされる、しかも、シフトも許すということになっておりまするけれ
ども、これは伸びておりません。ことにウールのごときは、先ほ
ども申し上げましたが、一九六八年をピークに半減また半減なんです。もうかっているのは
アメリカのキャラウエーです。そういう実態を
日本流に解釈し、
日本の
国民によくわかるように説明をすることが、
政府としての任務ではないかと思う。なぜ
アメリカのペースにはまって、
アメリカのグラウンドで勝負をしなければならないのか。これはおかしいんです。したがって、きょう答弁ができなければやむを得ません。予算
委員会とは違うから、さあ出せなんていうことは言いません。あとでいいから出してください。
引き続いてお尋ねします。
ことしの
物価の目標ですね。
物価値上げ。卸が二%と聞いております。小売が五・五%と聞いております。それは努力目標なのか。
ほんとうにそうなるのか。なぜそういうことを聞かなければならぬかというと、いままでの経企庁の
物価値上げの
数字はみんな努力目標で、全部一年たって見ると、その目標を上回っているというのが前例だからでございます。さて、ことしはといえば、また円再切りが行なわれる。円再
切り上げが行なわれれば、当然
卸売り物価は下がってしかるべきでございます。それを承知の上で、昨年二・二%だというのにことしまだもっと下がるファクターがありながら二%ときめられた理由。
それから、もう
一つの問題は、
消費者物価の値上がりが五・五%と
政府みずからがおっしゃられました場合に、はたして
国民の預金を奨励することができるかできないかという問題です。
国民の預金金利は、定期であったとしても、資本利子税その他を差し引きますと五%以下になります。それじゃ、貯金しておいたら損するではないかという論理になってくるわけなんです。貯金して損するようなことを
国民に奨励できるのかとお尋ねしなければならない。よくもまあ五・五%という
数字を出しなすったとその出典を危ぶむものでございますが、それと同時に、それでもその
数字がはたして努力目標であるのか、実質そこへ持っていくのか、これを聞きたいんです。