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1973-02-21 第71回国会 衆議院 商工委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年二月二十一日(水曜日)     午後零時二十分開議  出席委員    委員長 浦野 幸男君   理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君    理事 田中 六助君 理事 羽田野忠文君    理事 山田 久就君 理事 板川 正吾君    理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君       稲村 利幸君    内田 常雄君       小川 平二君    越智 伊平君       木部 佳昭君    小山 省二君       近藤 鉄雄君    笹山茂太郎君       塩崎  潤君    田中 榮一君       松永  光君    加藤 清政君       上坂  昇君    佐野  進君       渡辺 三郎君    野間 友一君       近江巳記夫君    玉置 一徳君       宮田 早苗君  出席国務大臣         通商産業大臣  中曽根康弘君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      小坂善太郎君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     高橋 俊英君         公害等調整委員         会委員長    小澤 文雄君         経済企画政務次         官       橋口  隆君         経済企画庁長官         官房長     高橋 英明君         通商産業政務次         官       塩川正十郎君         通商産業政務次         官       矢野  登君         通商産業大臣官         房長      和田 敏信君  委員外出席者         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ――――――――――――― 委員の異動 二月六日  辞任         補欠選任   神崎 敏雄君     津金 佑近君 同日  辞任         補欠選任   津金 佑近君     神崎 敏雄君 同月二十日  辞任         補欠選任   近江巳記夫君     矢野 絢也君 同月二十一日  辞任         補欠選任   矢野 絢也君     近江巳記夫君 同日  理事神崎敏雄君同月六日委員辞任につき、その  補欠として神崎敏雄君が理事に当選した。     ――――――――――――― 二月七日  機械類信用保険法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二六号) 同月十九日  金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法  律案内閣提出第六一号) 同月五日  小企業経営改善資金融資制度創設に関する請  願(米原昶紹介)(第一四二号)  中小小売商店営業保護に関する請願(土橋一  吉君紹介)(第一四三号)  中小小売商業振興に関する請願神崎敏雄君紹  介)(第一四四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月九日  国土調査促進に関する陳情書  (第  二七号)  日本列島改造計画に伴う地積の正確化に関する  陳情書  (第二八号)  中小企業振興に関する陳情書  (第二九号)  中小企業金融対策に関する陳情書  (第三〇号)  工業配置のための地域区分に関する陳情書  (第三一号)  商店街構造改善助成強化に関する陳情書  (第一一二号)  中小企業振興に関する陳情書  (  第一二三号)  中小企業信用保険限度額の引上げに関する陳情  書(第一二四号)  灯油価格安定対策に関する陳情書  (第一二五号)  中小繊維産業対策に関する陳情書  (一二六号)  国内鉱山保護育成に関する陳情書  (第一二七号)  鉱業対策強化充実に関する陳情書  (第一二八号)  中小企業対策に関する陳情書  (第一二九号)  霞ケ浦総合開発に関する特別措置法早期制定  に関する陳情書  (第一三  〇号)  工業配置促進法による誘導地区の全県指定に  関する陳情書  (第一五九  号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  小委員会設置に関する件  通商産業基本施策に関する件  経済総合計画に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件  鉱業一般公益との調整等に関する件      ――――◇―――――
  2. 浦野幸男

    浦野委員長 これより会議を開きます。  この際、理事補欠選任の件についておはかりいたします。  現在、理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 浦野幸男

    浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長神崎敏雄君を理事に指名いたします。      ————◇—————
  4. 浦野幸男

    浦野委員長 通商産業基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、私的独占禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。  この際、通商産業大臣から、通商産業基本施策について所信を承ることにいたします。通商産業大臣中曽根康弘君。
  5. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 第七十一国会における商工委員会の御審議に先立ち、通商産業行政に関する私の所信の一端を申し述べたいと思います。  顧みますと、昨年七月私が通商産業大臣に就任いたしまして以来、日中国交回復ベトナム和平へと相次いだ一連の国際情勢の新展開は、世界緊張緩和と多極的な国際政治幕明けを告げるものでありました。  他方、国際経済情勢につきましては、一昨年十二月のスミソニアン体制下に、第二次国際ラウンド準備、第三次円対策の策定、実施等新たな均衡を見出すための努力を続けてまいりました。その結果、不安要因をはらんでいた国際通貨問題も一時小康を得たかの感がありましたが、最近再び国際通貨は激しい動揺を見せ、わが国においても去る二月十日には為替市場を閉鎖するとともに、欧米諸国と協議を重ねてまいりましたところ、現在の通貨動揺を鎮静させるためには国際協調のもとに為替変動相場制移行する以外にないとの判断に達し、これに踏み切ることにいたしました。  次に、国内に目を転じますと、幸いにして財政、金融措置を中心とする景気振興策が効を奏し、景気は、昨年後半から上昇局面を迎え、所期の水準に達したものと考えておりますが、為替変動相場制への移行という情勢変化もあり、今後その影響を注視していかなければなりません。  他方昨年は、工業配置法施行等により、国土総合開発事業がその緒につき、いよいよ本格化の段階を迎えております。しかしながら、国民福祉の一そうの向上のために、社会資本の立ちおくれ、公害問題、過密過疎問題、物価問題等なお解決をはからなければならない重要な課題が残されております。  以上、申し述べましたように、今日、対外的には激しくゆれ動く国際政治経済情勢に対する的確な対応が強く要請されており、国内においては、為替変動相場制への移行に対する国内対策を適時適切に講ずるとともに、国民福祉向上のための強力な施策展開が求められている重大な時期にあります。政府としては、世界の大きな潮流を見守りつつ、国民のニーズを的確に把握して、政策遂行に当たることが何よりも肝要と確信しております。  昭和四十八年度におきましては、かかる基本的認識に基づき、十分な予算及び財政投融資確保して、社会資本整備社会保障充実物価、地価、公害中小企業経済協力等に関する各般の施策を講ずることとしております。これら諸施策の浸透によりまして、国民福祉国際協調との同時達成を目ざしているわけであります。  通商産業省といたしましては、政府の全体施策の中に占める通商産業行政重要性を認識し、昭和四十八年度におきましては、国民福祉国際協調のための通商産業政策の新展開をはかるため、以下の諸点に重点を置いて施策推進してまいる所存であります。  まず第一に、対外経済政策について申し上げます。  わが国経済の規模の拡大に伴って、わが国経済をめぐる不均衡海外市場における摩擦現象が生じておりますことは御承知のとおりであります。  海外資源海外市場に依存するところ大きく、良好な国際環境なくしては十全の存立を期しがたいわが国としては、向上した国際的地位と責任を十分に自覚して、国際協調のもとで国益を追求することが大切であります。  わが国国際収支は、一昨年の円平価の切り上げにもかかわらず、黒字基調を続けたため、これを解消することを目的として、昨年十月、政府は第三次円対策を策定し、関税の一律二〇%引き下げ等による輸入拡大輸出貿易管理令機動的運用等による輸出適正化資本自由化等積極的推進経済協力拡充社会資本整備等福祉対策充実という五本の柱に基づいて、対外経済関係円滑化を鋭意進めてまいりましたが、欧州における通貨動揺を契機に国際的な通貨不安に見舞われることとなり、国際協調のもと、わが国為替変動相場制移行することといたしました。国際通貨動揺為替変動相場制への移行というきびしい情勢変化に対処して、中小企業をはじめとするわが国産業撹乱防止経済の安定的な発展の維持に万全を期する所存であります。  貿易の分野におきましては、国際通貨動揺に増幅されて、保護貿易主義の動きは、なお欧米に激しいものがあります。わが国としては、長期的に世界自由貿易体制を維持、確立する観点から、昨年のガット総会において新国際ラウンドについて、わが国が主導的な役割りを果たし、準備委員会設置が決定される等その成果をあげてきましたが、本年秋には、新国際ラウンドの本格的な交渉が開始される運びとなっており、わが国としては、引き続きこの交渉を成功させるため、積極的な態度で臨みたいと考えております。  また、日米通商関係につきましては、昨年七月の日米箱根会談、八月のハワイにおける日米首脳会談等を通じて、相互の意思疎通を深めてまいりました。この間、今日の日米間で最大の経済問題である貿易収支問題につきましては、緊急輸入対策、第三次円対策等の強力な施策を講じてきた次第でありますが、米国景気上昇期であったこともあり、なおアンバランスは解消するに至っておりません。これまでの施策の効果に加え、今回の為替変動相場制への移行によりまして、日米貿易バランス改善に向かうものと期待され、その推移を見守ってまいりたいと考えております。  新しく国交回復を見ました中国との経済関係につきましては、大使館の相互開設が実現し、大使交換もきまり、通商産業省日中覚書貿易事務所活動等を通じて、従来積み重ねてきた努力が、新しい展開を見せて、花開く時期を迎えております。先般私は、中国を訪問し、その実情をつぶさに見るとともに、政府関係者とひざを交えて会談してまいりました。今後はこうした成果を踏まえつつ、平和共存と互恵平等の原則のもとに、長期的観点から、貿易協定早期締結等につとめ、日中貿易拡大をはかることといたす所存であります。  経済協力につきましても、先般日タイ貿易合同委員会に出席いたしまして、私は、経済協力重要性と同時に、経済協力の方法についていかに慎重な配慮を必要とするかについて認識を深めてまいりました。  発展途上国発展を促し、わが国国際関係円滑化に寄与する重要な分野として、引き続き、援助目標の達成につとめることとし、昭和四十八年度におきましては、発展途上国からの要請に応じて、中小企業海外投資促進開発輸入とこれに関連した道路、港湾等整備等のために、所要予算措置を講ずることとしておりますが、同時に長期的に経済協力進出企業のあり方について、検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、国内における重点施策について申し上げます。  第一は、健康な国民生活と美しい国土の回復を目ざし、産業活動等に伴って発生する公害を徹底的に防止し、無公害社会を建設することであります。  かかる観点から、当省におきましては、ガス化脱硫その他公害防止技術開発実用化促進するとともに、大型プロジェクト研究開発の強化、コンビナート対策生活産業廃棄物対策拡充等措置を講ずるほか、近時問題となりつつある金属鉱山等鉱害防止をはかるため、金属鉱物探鉱促進事業団を改組し、同事業団に、新たに鉱害防止工事に必要な資金の貸し付け等の業務を行なわせることとし、また、鉱害防止計画的実施をはかるため、所要立法措置を講ずることとしております。  PCB問題等で、新たに提起されております化学物質安全対策といたしましては、有害な化学物質管理取り締まり体制を確立し、あわせて、新規化学物質に関する規制等を行なうため、新規立法を今国会に提出することといたしております。  第二は、消費生活充実のための施策展開であります。  まず、消費生活の安全を脅かしている危険な消費財につきまして、その安全確保をはかるため、危険な製品に関する規制、安全確保対策推進の中核となるべき認可法人設立等を内容とする新規立法措置を講ずる所存であります。  また、物価対策拡充流通システム化促進等を進めるほか、余暇開発にも積極的に取り組むこととしております。  さらに、機械類信用保険法につきましては、新たにリース契約による取引保険の対象とするため所要法改正を行なうこととしており、また、百貨店法につきましては、中小小売り商業者事業活動機会を適正に確保するとともに、流通合理化消費者利益保護といった社会的要請にも配慮して、その見直しをいたす所存であります。  第三は、過密過疎問題を解決し、経済活動地域社会との融和をはかり、均衡のとれた国土の建設を目ざす国土総合開発のための諸施策であります。  工業配置促進法が昨年施行され、本年はいよいよ国土総合開発本格化の年であります。政府におきましては、本年七月に国土総合開発庁を発足させることを予定しており、鋭意その準備を進めているところでありますが、通商産業省といたしましても、予算財政投融資の両面におきまして、工業配置促進対策を飛躍的に拡充することとしており、また、これと相まって、工場周辺地域社会との融和等をはかるため、工場立地調査等に関する法律の改正により、工場環境整備基準の策定、工場設置者に対する工場環境整備の義務づけ等を定めたいと考えております。  第四は、国際化に対処するための中小企業対策推進であります。自由化の進展、発展途上国の追い上げ、さらには今回の国際的な通貨価値変動等国際化の波は、わが国中小企業に打ち寄せており、また、国内的にも、環境保全等社会的要請にこたえていくことが必要となっております。  特に、今回の国際的な通貨価値変動によってこうむることが懸念されます中小企業への影響につきましては、前回の通貨調整の際の経験に学びまして、中小企業の健全な発展が阻害されることのないよう、所要対策をとる所存であります。  以上のほか、中小企業をめぐるきびしい環境変化に対処し、その健全な発展をはかるため、実情に即して中小企業の定義を改正するとともに、小規模企業経営改善推進するため、小口、低利、無担保、無保証の融資制度を創設し、あわせて経営改善普及事業拡充をはかることといたしております。  また、中小企業知識集約化のための措置中小企業金融拡大等をはかるほか、中小小売り商業近代化等促進するため、所要立法措置を講ずる所存であります。  以上のほか、生命傷害共済事業の的確な実施をはかるための中小企業等協同組合法の一部改正及び保険拡充をはかるための中小企業信用保険法の一部改正を今国会に提出して、中小企業施策充実につとめたいと考えております。  第五は、わが国経済基礎条件変化に対処して、輝かしい未来の創造のために、長期的観点から、産業構造質的転換を遂げ、産業の力を社会開発に活用し、技術開発するための諸施策であります。  まず、人間能力開発情報化推進電子計算機産業民間シンクタンク航空機産業等振興をはかることとし、特に、昭和四十八年度におきましては、次期民間輸送機開発のための本格的な調査を開始することとしております。  また、繊維産業構造改善を進めるほか、既存産業知識集約化についても、その具体策の確立につとめる所存であります。  さらに、社会開発産業の活力を利用するため、医療システム機器及び映像情報システム、住宅、都市産業振興に積極的に取り組むほか、大型プロジェクト方式による技術開発、民間の自主的技術開発等推進にもつとめることとしております。  第六は、資源エネルギー安定供給のための施策展開であります。  まず、石油につきましては、世界の需給の逼迫化が懸念されるに至っておりますが、これに対処するため、海外及び大陸だなにおける石油資源開発、LNGの導入を積極的に進めるとともに、石油の備蓄及び流通合理化の一そうの推進をはかることとしております。  また、鉱物資源につきましては、海外における探査、開発を進めると同時に、国内探鉱促進金自由化対策等の諸措置を講ずる所存であります。  石炭対策につきましては、さきの閣議決定に基づき、昭和四十八年度から第五次石炭対策実施することとし、このため、石炭鉱業合理化臨時措置法石炭鉱業再建整備臨時措置法等改正につきまして、御審議をお願いすることとしております。  以上のほか、電力につきましては、電源立地対策推進水資源につきましては、工業用水道事業促進造水対策に重点を置いて今後の施策を進める所存であります。  以上に申し述べましたように、内外における経済社会情勢変化はまことに目ざましいものがあり、通商産業政策もきびしく転換を迫られております。このような情勢に対応して新しい通商産業政策を総合的、計画的に推進するため、昭和四十八年度におきましては、通商産業省の機構の改正を行なうことといたしております。  その内容を申し上げますと、まず、現在の鉱山石炭局公益事業局を統合して、資源エネルギー庁を設置するとともに、その他の本省内部部局につきましては、これを再編成し、通商政策局貿易局産業政策局立地公害局基礎産業局、機械情報産業局及び生活産業局といたしております。この通商産業省設置法改正につきましては、内閣委員会において御審議いただくことになっております。  なお、私は、沖繩国際海洋博覧会を担当いたしておりますが、沖繩の本土復帰を記念するとともに、沖繩県振興わが国海洋開発促進をはかるための沖繩海洋博覧会は、その開催まであと二年を残すのみとなりました。昨年から、本格的準備段階に入っておりますが、この博覧会が成功裏に開催されますよう、関係者一同の御協力を得て、今後とも全力をあげて取り組む所存であります。  以上申し述べました諸施策を中心に、昭和四十八年度におきましては、一般会計予算に二千百二億円、石炭及び石油特別会計等に一千九百八十五億円を計上するとともに、財政投融資におきましても、通商産業省関係として二兆一千百六億円を予定しております。  私は、これらの諸施策実施を通じて、国民福祉向上国際協調のために、最善を尽くす所存であります。  委員各位におかれましても、一そうの御理解、御支援を賜わりますようお願い申し上げます。
  6. 浦野幸男

    浦野委員長 次に、経済企画庁長官から、経済総合計画について所信を承ることにいたします。経済企画庁長官小坂善太郎君。
  7. 小坂善太郎

    小坂国務大臣 第七十一回国会におきまして、商工委員会の皆さまに初めてごあいさつを申し上げるわけでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。  わが国は、去る十四日、変動相場制移行いたしました。  最近のわが国経済は、生産、出荷が高い伸びを示し、設備投資にかなりの動意が見られ、卸売り物価上昇を続けるなど、経済上昇基調が明確となってきており、また、輸出の増勢もなお根強いものがありますので、変動相場制移行による影響はかなり吸収されるものと思われますが、当面、予想される輸出関連産業中小企業等への影響に対しては、これによって混乱が生ずることのないよう、万全の措置を講じてまいる所存であります。  一方、変動相場制のもとで円の実勢が高まることは、物価観点から見れば、輸入品の直接的な価格低下をはじめとして、その安定に寄与し得るものであります。政府としては、今回の措置物価の安定に十分結びつくよう、主要輸入物資等について輸入価格低下分等を適正に消費者に還元するための各般施策を一そう強力に推進するとともに、今後の経済運営にあたっては、経済安定的成長確保しつつ、福祉指向型経済への転換を一そう推進してまいる所存であります。  ひるがえって、最近の物価動向を見ますと、昨年の消費者物価は、比較的落ちついた動きを示しましたが、秋以降、卸売り物価の騰勢が強まり、それがやがては消費者物価にはね返るおそれもありますので、今後の物価動向を十分注視するとともに、各般施策を強力に推進する所存であります。  このため、まず、生活必需物資価格の安定をはかるべく、流通機構改善を進めるとともに、輸入政策をさらに積極的に活用していく所存であります。また、低生産性部門合理化によって生産性向上をはかり、国内競争条件整備することも物価対策上重要であります。  公共料金については、物価全般に及ぼす影響を考慮し、その引き上げを極力抑制する方針であります。ただ、これによって公共サービス低下を来たし、国民福祉が阻害されることのないよう配慮することも必要であります。  さらに、物価対策を一そう強力に推進するため、経済企画庁物価局を新設することなどを内容とする経済企画庁設置法の一部改正案国会に提出しております。  また、物価の安定とあわせて、消費者のための行政にも特に力を入れることとし、商品等安全性確保をはかるとともに、各種サービス販売等分野においても消費者保護対策充実いたします。  多角的通貨調整実施後一年余を経過しましたが、わが国をめぐる国際環境はさらにきびしさの度を加えております。特に最近におきましては、ドルの切り下げ、円の変動相場制移行をはじめとした国際通貨情勢の緊迫、日米貿易関係改善を迫るアメリカの要求等があり、わが国国際収支の不均衡是正が緊急の課題となっております。  政府は、一昨年来、三次にわたる対外経済政策策定し、輸入拡大輸出適正化資本自由化、外貨の活用等をはかってきたところでありますが、今後とも、一そう強力かつ確実にこれらの施策推進することが必要であると考えております。  また、わが国が、今日達成された経済力にふさわしい開発途上国援助を行なうことは国際的責務であると考えております。政府は、今後、政府開発援助量的拡大に一そうの努力を払うとともに、その質的改善にもつとめてまいりたいと思います。  現代の経済社会及び国民生活の諸問題を解決するためには、経済社会技術等に関する各種の専門的な知識を結集することによって行なわれる総合的な研究開発推進する必要があります。  このため、内閣総理大臣認可法人として、総合研究開発機構を創設し、わが国における新しい研究開発体制整備をはかるべく、所要法案を提出いたしました。  わが国国土利用の偏在、過密、過疎問題の激化、公害問題の深刻化等の現状にかんがみ、自然環境を保全し、公共福祉を優先せしめつつ、健康で文化的な生活環境確保国土均衡ある発展をはかることが急務となっております。  このため、現在新全国総合開発計画の総点検を行なっておりますが、一方、全国土にわたる土地利用基本計画策定土地取引届け出制等を骨子として、現行の国土総合開発法を全面的に改正すべく、その法案を提出することといたしております。  政府は、去る十三日、国民福祉充実国際協調推進を軸とした経済社会基本計画を決定いたしました。  本計画は、内外諸情勢の急激な変化を背景として、わが国経済社会に内在する国民の活力を生かしつつ、今後長期にわたる発展の道を切り開いていくために、新しい時代にふさわしい新しい経済社会のあり方を追求したものであります。  すなわち、環境、資源の有限性に着目し、従来の設備投資競争と使い捨ての経済を反省し、浪費をしない、物を大切にする、環境をよごさない経済行為と消費態度を打ち立てなければならないと思います。  そして、豊かな環境の創造、ゆとりのある安定した生活の確保物価の安定及び国際協調推進の諸目標を達成するための斉合的かつ具体的政策体系を提示しております。  政府としては、国民の連帯意識に基づいた協力を得つつ、活力ある福祉社会の実現を目ざして、本計画を強力に推進してまいる所存であります。  以上、商工委員会が開かれるにあたりまして、私の所信の一端について申し述べ、ごあいさつといたします。     —————————————
  8. 浦野幸男

    浦野委員長 この際、新たに就任されました政務次官を御紹介申し上げます。  塩川通商産業政務次官。  矢野通商産業政務次官。  橋口経済企画政務次官。     —————————————
  9. 浦野幸男

    浦野委員長 公正取引委員会委員長より、昭和四十七年度における公正取引委員会の業務概要について説明を求めることといたします。公正取引委員会委員長高橋俊英君。
  10. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 昭和四十七年中における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。  御承知のとおり、わが国経済は、国際的要因と国内的要因とが複雑に関連し合い、幾多の困難な問題を提起しておりますが、公正取引委員会といたしましては、わが国経済の健全な発展をはかるため、経済環境の推移を考慮に入れながら、独占禁止政策を有効適切に運営するようつとめてまいりました。  まず、昨年、特に前半における相当深刻な不況に対処して認可されました不況カルテルについて申し上げます。  昭和四十七年中に実施された不況カルテルは、全部で十三品目にのぼりました。一昨年以来、かなりの期間にわたって低迷を続けた景気は、昨年秋口あたりから急速に回復に向かいました。これに伴い、不況カルテルを順次整理してまいりまして、年末には、残った八件のうち六件は打ち切りといたしました。現在残っておりますのは、依然として大きな需給ギャップをかかえているステンレス及びガラス長繊維の二件のみとなっております。  一方、いわゆるやみカルテルその他の独占禁止法違反事件の中には、不況期であったことも反映してか違反の規模、質の面でやや悪質と思われるものが幾つか認められました。これらの違反事件については可能な限り手を尽くして取り締まりにつとめてまいりまして、昭和四十七年中における独占禁止法違反として審査いたしました事件は、総計百五十四件に及びました。昨年中に審査の終了したもの六十七件、このうち法的措置をとったものは二十四件であります。  昭和四十七年中における会社の合併の届け出は、千五十一件ございまして、これらを慎重に審査いたしましたが、中小企業の合併が大半を占めており、特に法律上問題となったものはありませんでした。今後とも、合併につきましては、行き過ぎた経済力の集中を未然に防止するため、慎重に対処してまいる所存であります。  次に、経済国際化に伴う問題についてであります。  従来、公正取引委員会は、国際的技術導入契約の適正化をはかるようつとめてまいりましたが、一昨年の円切り上げ等を契機として総代理店契約についても、これを厳正にチェックする方針のもとに、その届け出を督促いたしました。国際契約のうち、改良技術の制限、競争品の取り扱い制限等法律に違反するおそれのある条項を含む契約百六十五条について、これを是正するよう指導を行なっております。また、審査を有効かつ能率的に行なうために、必要に応じ認定基準を作成することといたしておりますが、昭和四十七年においては、輸入総代理店契約について認定基準を作成いたしました。これにより、総代理店制度に伴う弊害は防止されるものと期待しております。  また、わが国をめぐる国際経済環境に対応して秩序ある輸出要請されておりますが、輸出取引法に基づく輸出カルテルについては、公正取引委員会といたしましても、受け身ではありますが、最近までこれを促進する姿勢をとってまいりました。  次に、再販制度につきましては、昭和四十六年に決定いたしました弊害規制方針に基づき、比較的問題が多いと見られる化粧品、医薬品の二業種につきまして、個々の事業者ごとに弊害の是正を指導してまいりました。しかし、再販制度の問題は、この弊害規制だけでこと足りるものでないことはもちろんでありまして、再販制度が今日いかなる意義を持つかという観点から、そのあり方について、今後とも十分検討を加えてまいりたいと存じております。  景品表示法の運用について申し上げますと、過大な景品つき販売や虚偽、誇大な表示は、消費者の正しい商品選択を妨げるばかりでなく、事業者の公正かつ自由な競争を阻害することにもなりますので、公正取引委員会としては、これらを厳重に規制するようつとめているところであります。  昭和四十七年中に景品表示法違反として取り上げた事件の総数は千七百八十七件、このうち排除命令を行ないましたものは二十五件、警告等により是正させましたものは九百八十八件であります。また、公正競争規約は、変更を含め五件認定いたしまして、その結果、規約の総数は四十件に達しております。この公正競争規約につきましては、景品表示法違反の未然防止にもつながりますので、できるだけ多くの業界でこれを設定するよう、強力に指導してまいりたいと思います。  なお、景品表示法の一部改正は、昨年十月一日から施行されまして、同法の権限の一部を都道府県知事に委任することとなりましたので、公正取引委員会といたしましては、各都道府県と密接な連絡をとりつつ、同法の運用を一そう効率的に行なってまいるようつとめているところであります。  最後に、下請事業者の保護に関する施策について申し上げたいと思います。昭和四十七年中に下請代金の支払い状況を中心に八千四百九十の親事業所に対しまして調査を行ない、勧告四十二件を含め四百三件につき支払い改善等の措置を講じさせました。  以上、簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。
  11. 浦野幸男

    浦野委員長 公害等調整委員会委員長より、鉱業等にかかる土地利用の調整に関する事務処理概要について説明を求めます。公害等調整委員会委員長小澤文雄君。
  12. 小澤文雄

    ○小澤政府委員 ただいまから旧土地調整委員会及びその後新設されました公害等調整委員会が昭和四十七年中に行ないました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整事務の処理の概要を御説明申し上げます。  事務の説明に入ります前に、まず、公害等調整委員会の設置の経緯について御説明申し上げます。  公害等調整委員会は、昨年の第六十八国会で制定されました公害等調整委員設置法によりまして、土地調整委員会と中央公害審査委員会とが統合されまして総理府の外局として置かれた行政委員会でございまして、昨年七月一日から新しく発足したわけでございます。鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整をはかるという従来の土地調整委員会の任務権限は、そのまま、公害等調整委員会に引き継がれまして行なわれることになったわけでございます。  続きまして、これらの事務の大要について簡単に御説明申し上げます。  第一は、鉱区禁止地域の指定に関する事務でございます。各省大臣または都道府県知事の請求に基づきまして、聴聞会を開き一般の意見を求め、利害関係人を審問した上で、一定の地域において鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定をいたします。また、同様の手続によりまして、その解除を行なうこともございます。その指定の場合、鉱物の掘採が著しく公共福祉に反するようになっていると認めるとき、その鉱業権の取り消し等を通商産業局長に対し勧告いたします。  第二は、異議の裁定でございまして、鉱業法、採石法、森林法、農地法、海岸法、自然公園法、地すべり等防止法、河川法、首都圏近郊緑地保全法、近畿圏の保全区域の整備に関する法律、砂利採取法及び都市計画法等に規定してあります特定の処分に対する不服につきましては、鉱業、採石業及び砂利採取業などと一般公益または農業、林業その他の産業との調整をはかるために、行政不服審査及び行政事件訴訟の特例といたしまして、直接裁判所へ出訴することを認めず、もっぱら当委員会が公開審理等準司法的な手続を経まして異議の裁定を行ないます。この異議の裁定または裁定申請却下の決定に対しまして不服のある場合には、当委員会を被告として東京高等裁判所に訴えを提起するということになっております。  第三は、土地収用法及び森林法上の事業認定や裁決に関し、主務大臣があらかじめ当委員会の意見を聞かなければならないこととされている場合がございまして、その場合にはこれに対して回答を行なうものであります。  次に、昭和四十七年中における当委員会の事務処理の概要を御説明申し上げたいと存じます。  第一に、先ほど申しました鉱区禁止区域の指定に関する事務でございますが、昭和四十七年中に当委員会で処理手続を進めました件数は十五件でございました。そのうち八件は、前年から係属中のもので、七件は、昭和四十七年中に新たに請求のあったものでございます。これを請求理由別に見ますと、ダム関係のものが十四件、自然景観の保護に関するものが一件となっておりまして、請求者別に見ますと、内閣総理大臣からの請求が一件、農林大臣からのもの五件、建設大臣から二件、都道府県知事から七件となっております。これらにつきまして、通商産業大臣等関係行政機関の意見を聴取し、聴聞会を開催し、利害関係人を審問し、現地調査など所定の手続をとるとともに、具体的に当該地域の地形、地質、鉱床、一般公益各般の事情を詳細に検討するなど審議を進めたわけでありますが、ことにダム関係には、間々計画の確定を待つ必要があるとか、あるいは用地取得または補償交渉等の進捗程度に応じて措置を進めなければならない必要などもございまして、そのためにすぐそのまま処理手続を進めにくい場合もございまして、そのような関係から昭和四十七年中に処理を完了したものは二件でございます。  第二に、異議の裁定でございますが、昭和四十七年中当委員会に係属した事案は三件でございまして、係属事案のうち一件は、通商産業局長の四件の処分について一個の裁定申請により、その取り消しを求めてきたものでございます。これらの事案は、鉱業法の規定による通商産業局長の処分に対するものが二件、都市計画法の規定に基づく条例の規定による市長の処分に対するものが一件でございます。この三件のうち、一件については、請求の理由なしとして棄却の裁定をなし、その他二件は、目下審理中でございます。  第三に、土地収用法関係の意見でありますが、昭和四十七年中に当委員会で処理手続を進めましたものは九件で、いずれも建設大臣から意見を求めてきた事案でございます。これらの事案は、道路河川関係が五件、電力関係が二件、その他二件となっておりまして、収用委員会の収用裁決を不服とするものが七件、建設大臣の事業認定を不服とするものが二件となっております。九件のうち五件は回答済みでありますが、残り四件は目下審査中であります。  以上をもちまして、昭和四十七年中の事務処理の大要を申し述べた次第でございます。  なお、公害等調整委員設置法第十七条に定められております昭和四十七年中の所掌事務処理状況の報告書は、会計年度で取りまとめまして、所定の手続を経てお手元にお届けいたすことになっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。      ————◇—————
  13. 浦野幸男

    浦野委員長 この際、昭和四十八年度通商産業省関係予算について説明を聴取することにいたします。通商産業大臣官房長和田敏信君。
  14. 和田敏信

    ○和田(敏)政府委員 昭和四十八年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画について御説明申し上げます。  詳細につきましては、お手元にお配りいたしております「昭和四十八年度通商産業省予算案等について」に記述してございますので、ごらんいただくようお願いいたしまして、概略御説明申し上げます。  まず、昭和四十八年度の通商産業省の一般会計予定経費要求額は二千百二億一千二百万円でありまして、前年度予算に対して、四百六十九億五千五百万円、二八・八%増となっております。  次に重点事項別に予算内容を御説明申し上げます。  第一、無公害社会の建設  無公害社会の建設のための予算につきましては、前年度比二倍強の二十二億六千九百万円を計上しております。なお、このほか、他の項に含まれる公害防止関連予算を含めますと八十二億八千六百万円でありまして、これも前年度比二倍に近い増額でございます。  内容といたしましては、公害防止技術開発産業廃棄物対策公害総合事前調査等拡充をはかるほか、金属鉱物探鉱促進事業団を改組拡充して、金属鉱業事業団とし、これに鉱害防止のための融資等を行なわせることとしております。さらに、化学物質安全性確保をはかるための予算確保することとしております。  第二、消費生活充実  消費生活充実につきましては、百八十一億一千二百万円を計上しております。  まず、新たに総合的な安全性確保向上対策推進するための予算を計上しております。また、物価安定、流通合理化消費生活改善等の施策充実に必要な予算措置を講ずるとともに、沖繩国際海洋博覧会につきましても、その準備に万全を期することとしております。  第三、日本列島の改造  日本列島の改造につきましては、その飛躍的な前進をはかるため、九十三億五千九百万円を計上しておりますが、中でも、工業配置対策本格化をはかるため、九十億三千七百万円を計上しておりますほか、工業の再配置に伴う工場環境の整備促進するための予算措置を講じております。  第四、国際化に処する中小企業  中小企業対策につきましては、対前年度比二六・四%増の六百三十五億七千四百万円を計上しまして、施策全般にわたり充実をはかっております。中でも、四十八年度は、小規模企業に対する小口、低利、無担保、無保証の新融資制度を初年度三百億円の融資規模で発足させる等、小規模事業対策の大幅な拡充をはかることとしております。  さらに、中小小売り商業施策強化することとするほか、中小企業振興事業団事業運営に必要な経費を三百九十六億九千二百万円に増額いたしております。第五、国際経済における調和の確保  国際経済における調和の確保につきましては、対前年度比二四・七%増の百五十四億四千二百万円を計上いたしております。  まず、日本貿易振興会に対する補助を六十二億八千八百万円に増額しております。  次に、経済協力については、対前年度比三七・四%増の六十五億一千八百万円を計上しまして、開発輸入、研修、経済開発調査、研究協力各種協力事業充実することといたしております。  さらに、新たに中小企業海外投資推進のための予算を計上しております。  第六、未来社会への前進  未来社会への前進につきましては、六百六億円を計上いたしております。  まず、情報処理、電子計算機産業航空機産業等振興をはかるとともに、医療機器システム、映像情報システム、住宅生産における新技術等開発推進することとしております。  技術開発につきましては、大型プロジェクト制度の予算を八十三億五千万円と大幅増額いたしましたほか、重要技術開発費補助金、テクノロジーアセスメント推進費をはじめ所要資金確保をはかっております。  第七、資源とエネルギーの安定供給  資源とエネルギーの安定供給につきましては、二百二十九億四千三百万円を計上しておりますが、このほかに、石炭及び石油対策特別会計に一千三百五十六億三千万円を計上しております。  内容といたしましては、内外資源の探査、開発、電源周辺地帯の整備、造水促進対策工業用水道の整備等促進することといたしております。  第八、その他  以上の一般会計のほか、特別会計といたしまして、アルコール専売事業特別会計は、歳入百二十五億八千万円、歳出百九億二千六百万円、輸出保険特別会計は、歳入歳出とも五百億二千六百万円、機械類信用保険特別会計は、歳入歳出とも十八億七千万円を計上いたしております。また、石炭及び石油対策特別会計につきましては、すでに御説明申し上げましたように、歳入歳出とも労働省所管分を含めまして一千三百五十六億三千万円を計上いたしております。このうち、石油対策分は二百六十四億二百万円を計上して、石油公団の機能の拡充等をはかることとしております。また、石炭対策につきましては、一千九十二億二千八百万円を計上いたしまして、新たに第五次対策に取り組むこととし、石炭鉱業合理化安定等の施策推進することといたしております。  引き続きまして、昭和四十八年度の通商産業省関係財政投融資計画につきまして御説明申し上げます。  総額は、二兆一千百六億円でありまして、前年度当初計画一兆七千五百七十億円に比べ、二〇・一%の伸びとなっております。  第一、無公害社会の建設  まず、日本開発銀行の公害防止ワクを拡大するほか、貸し付け金利についても、所要の引き下げを行なっております。また、中小企業金融公庫、国民金融公庫等についても、貸し付けワクの拡大を行なっております。  また、さきに御説明いたしましたとおり、金属鉱物探鉱促進事業団を改組し、鉱害防止工事に対し低利融資を行なうこととしております。  第二、消費生活充実  流通部門の近代化のため、引き続き日本開発銀行の融資等を行なうことといたしております。  第三、日本列島の改造  工業配置・産炭地域振興公団における工業配置部門の事業規模を前年度の百四十五億円から七百億円へと飛躍的に拡充しております。  なお、工場の緑化等を推進するため、日本開発銀行の公害防止ワクから新たに必要な資金を融資することといたしております。  第四、国際化に処する中小企業  中小三機関につきましては、前年度当初計画比一九・八%増の一兆六千七百十九億円の普通貸し付け規模を確保する一方、沖繩振興開発金融公庫についても所要資金ワクを確保することとしております。また、中小企業金融公庫、国民金融公庫の特別貸し付け制度について、新たに製品安全性改善、小売り商業高度化等の個別貸し付けワクを設けることとしております。  このほか、さきに申し上げましたとおり、小企業経営改善資金融資制度を創設することといたしております。  なお、商工組合中央金庫につきましては、四十八年度から長期貸し付け金利を〇・一%引き下げることとしております。  第五、国際経済における調和の確保  日本輸出入銀行の輸入及び海外投資のための融資ワクにつきまして、二千三百三十億円、前年度比二・四倍の資金量を確保することとしております。  第六、未来社会への前進  電子計算機産業につきましては、日本電子計算機株式会社に対する日本開発銀行融資ワクを確保しております。また、新しい技術開発促進するため、日本開発銀行の国産技術振興ワクを拡大することとしているほか、住宅産業、海洋開発産業振興、紡績業等の構造改善等のため、日本開発銀行等より融資を行なうこととしております。  第七、資源とエネルギーの安定供給  まず、石油につきましては、石油開発公団から探鉱投融資、備蓄用原油購入資金融資等を行なうこととしております。また、日本開発銀行から民族系企業育成等の融資を行なうこととしているほか、新たに大陸だな石油開発についても同行から特利融資を行なうこととしております。  次に、石炭につきましては、工業配置・産炭地域振興公団の事業拡充を行なうほか、新たに石炭火力発電所の建設に対し、日本開発銀行の融資を行なうこととしております。  さらに、金属鉱物探鉱促進事業団国内探鉱融資について貸し付け金利の引き下げ等を行なうほか、原子力発電、地熱発電を促進するため、日本開発銀行から所要の融資を行なうこととしております。  以上をもちまして、通商産業省関係予算案及び財政投融資計画についての御説明を終わります。     —————————————
  15. 浦野幸男

    浦野委員長 次に、昭和四十八年度経済企画庁関係予算につきまして説明を聴取することにいたします。経済企画庁長官官房長高橋英明君。
  16. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 昭和四十八年度経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち、当庁関係予算の総額は八百五十七億八千二百三十四万円でありまして、前年度予算額七百十五億二千七十二万円に比較いたしますと、百四十二億六千百六十二万円の増額となっております。  この予算のうち、公共事業関係費以外の経済企画庁一般の経費は百十二億六千八百三十五万円で、前年度予算額に比較いたしますと四十八億一千六百七十五万円の増額、公共事業関係費は七百四十五億一千三百九十九万円で、前年度予算額に比較いたしますと九十四億四千四百八十六万円の増額となっております。  以下、経費の内訳につきまして、御説明申し上げます。  第一に、経済企画庁として六十四億二千七百二十二万円を計上しております。  この経費は、人に伴う経費及び一般事務を処理するため必要な経費のほか、経済基本政策の企画立案及び調整、国民生活充実対策、長期経済計画の策定国土の総合開発、内外の経済動向調査及び分析等を行なうため必要なものであります。  昭和四十八年度におきましては、物価に関する総合的な施策を強力に推進するため物価局を新設し、必要な事務を行なう経費及び国民のすぐれた頭脳を結集し、総合的な研究開発実施するための総合研究開発機構の創設の経費が新たに計上されております。  第二に、物価対策特別推進費として二億円を新たに計上しております。  この経費は、物価対策に資する情報の提供、パイロット事業等各省各庁の所管する物価対策の総合効果を確保するための事業推進するための経費であります。  第三に、政策推進調査調整費として三億円を新たに計上しております。  この経費は、各省各庁の所管する経済政策を推進し、かつその総合的効果を確保するために必要な諸調査実施するための経費であります。  第四に、離島振興特別事業費として七千五百万円を新たに計上しております。  この経費は、離島において、地方公共団体が離島開発総合センターを建設する場合に、その経費の一部を補助するため必要なものであります。  第五に、国土調査費として三十五億九千八百五十四万円を計上しております。  この経費は、国土調査法に基づいて地方公共団体が行なう地籍調査等の経費の一部補助及び基準点測量を行なうため必要なものであります。  第六に、豪雪地帯対策特別事業費として一億九千五百八十五万円を計上しております。  この経費は、豪雪地帯において、地方公共団体が雪上車を購入する場合、特別豪雪地帯において雪上車の管理を行なう等の機能を総合的に備えた克雪管理センターを建設する場合、及び新たに防雪生活圏整備モデル事業実施する場合に、その経費の一部を補助するため必要なものであります。  第七に、振興山村開発総合特別事業費として一億三千百六十五万円を計上しております。  この経費は、地方公共団体が、振興山村において集落再編モデル事業及び新山村建設モデル事業実施する場合に、その経費の一部を補助するため必要なものであります。  第八に、地域開発計画調査費として八千万円を計上しております。  この経費は、各省庁の所管する各種の地域開発計画に関する調査の総合効果を確保するとともに、後進地域の開発に関する調査を行なうため必要なものであります。  第九に、経済研究所として二億六千八万円を計上しております。  この経費は、経済構造及び経済循環の基礎的な研究調査並びに国民経済計算の調査及び分析等のため必要なものであります。  次に、公共事業関係費の内容につきまして、御説明申し上げます。  まず第一に、離島振興関係事業費として四百二十五億八百十五万円を計上しております。  この経費は、離島における道路、港湾等整備産業基盤の整備生活環境及び国土保全施設の充実等に必要な事業推進をはかるため必要なものであります。  第二に、水資源開発事業費として二百三十三億五百八十三万円を計上しております。  この経費は、水資源開発公団が、五大水系における建設事業等を継続実施するほか、四十八年度より実施する建設事業及び実施計画調査などのため必要なものであります。  第三に、国土総合開発事業調整費として八十七億円を計上しております。  この経費は、各省各庁の所管する開発保全に関する事業間の調整及び全国総合開発計画等の推進をはかるために実施する大規模、かつ、広域にわたる開発保全に関する事業調査について、総合的調整を行なうため必要なものであります。  以上、一般会計予算の概要を御説明申し上げましたが、次に、経済企画庁関係の財政投融資計画につきまして、簡単に御説明申し上げます。  まず、海外経済協力基金につきましては、最近における対外経済協力拡充要請にこたえるため、事業規模として前年度に対し三百八十五億円増の一千六百五億円を予定しております。この内訳は、直接借款一千四百十億円及び一般案件百九十五億円でございます。これに要する資金には、資金運用部資金六百九十五億円と一般会計からの出資金五百六十億円を含めた自己資金等九百十億円を充てることにしています。  次に、東北開発株式会社につきましては、会社の経営基盤の整備強化をはかるとともに、内陸工業団地の造成等、東北開発促進にとって必要な開発事業実施することとし、事業資金として前年度に対し三億円増の三十四億円を予定しております。これに要する資金には、産業投資特別会計からの出資金五億円のほか、公募債二十九億円を充てることにしております。  次に、水資源開発公団につきましては、水資源開発事業費で御説明申し上げました五大水系における開発事業推進及び完成施設の管理等のため、総事業費として前年度に対し百六十四億円増の七百九十三億円を予定しております。これに要する資金には、資金運用部資金から三百十四億円、水資源開発事業費を含めた自己資金等四百七十九億円を充てることにしております。  最後に、北海道東北開発公庫につきましては、資金需要の増大に対処するため、貸し付け規模として前年度に対し百六十億円増の九百億円を予定しております。これに要する資金には、産業投資特別会計からの出資金十三億円、資金運用部資金政府資金と公募債六百六十七億円のほか、自己資金等二百二十億円を充てることにいたしております。  以上をもちまして、経済企画庁関係の予算並びに財政投融資計画について、その概略を御説明申し上げました。  何とぞよろしく御審議のほど、お願いいたします。      ————◇—————
  17. 浦野幸男

    浦野委員長 この際、小委員会設置の件についておはかりいたします。  先般の理事会で御協議願いましたとおり、鉱物及びエネルギー資源に関する諸問題を調査するため、小委員十五名よりなるエネルギー・鉱物資源問題小委員会及び流通問題に関する諸問題を調査するため、小委員十五名よりなる流通問題小委員会並びに沖繩国際海洋博覧会準備、運営等について調査するため、小委員二十名よりなる沖繩国際海洋博覧会に関する小委員会をそれぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 浦野幸男

    浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長の選任、また、小委員及び小委員長辞任補欠選任等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 浦野幸男

    浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、明後二十三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時十九分散会