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齋藤国務大臣 先ほど来いろいろお話のございましたまず最初の、いろいろな
基準を国民にわかりやすくという問題これはもうほんとうに御
指摘のとおりでございます。先般の魚などにつきましても、私
ども言いわけをするつもりはございませんが、たとえば最高度に、〇・三PPMまで
限度一ぱい汚染されている魚ならば、この程度食べてもいいというふうないろいろな前提条件を置いて申し上げたつもりでございましたが、私
どもの説明が十分でなく、また
新聞のほうでもそういう前提条件についてあまり書きませんでぱっと出たものですから、アジは十二匹までしか食べられないのだというふうに国民に誤解を与えた、こういうことになるわけで、確かに私
ども、こういう
基準という目で見てわかるしろものではございませんものですから、そういう科学的なことを国民
一般にわかっていただくようにするにはどうすればいいか、ほんとうに私は今回の経験を通じて非常に反省させられました。
これは学問的なことであるけれ
ども、もっと
日常生活に沿ってわかりやすく説明するにはどうすればいいのか、この表示問題とからめて今後真剣にこの問題は、そういうPR、専門の
方々の御意見も伺いながら、そのやり方を根本的に変えなければ、
基準を出して、かえって国民の不安を醸成するということになるのじゃないかというように、実は今度の体験を通じて反省をしておるわけであります。
したがって、こういう学問的なこと、特に
化学物質につきましては私
ども頭が弱いですし、国民もなかなかわかりにくいのです。ですからこれは、学問的知識の豊富な
方々の常識でやられたのでは、やはりだめなんですね。何も知らない
一般大衆ということを頭に描きながらどうすればいいのかということを中心に、今後の
基準の問題なり表示の問題なり反省をしていきたいと
考えております。
それがらただいまお尋ねの、こういう
法律をつくっても検査体制なりはどうなっているのだというお尋ね、まことに私はごもっともな御意見だと思います。政府側でごもっともだなんて言うと、はなはだ不見識な話かもしれませんが、まことに遺憾な状況にあるわけでございます。そこで実は先般も、だいぶ前になりますが、閣議においてこういうふうな
法律施行を期待いたしまして、検査体制の思い切った強化をやらなければだめですということを閣議でも申し上げ、大蔵大臣にもこの点については、
法律が通ったあとにできるだけの予算を心配してくださいということを申し入れ、大蔵大臣も、わかったからできるだけの予算は出すようにいたしましょう、こういうことに一応なっておるわけでございます。
そこで、現在の国立の
衛生試験所だけでやろうといっても実際できません。人員やその他予算の関係でいっても手一ぱいでなかなかできません。そこで、各
地方にあります
衛生試験所の専門の
方々に、専門の項目がございますから、それぞれの項目について全国の
衛生試験所の
方々を動員いたしまして、委託
研究ということで金を支出して、こういうふうな検査体制のネットワークをしこうではないかということを
考えておりまして、先般閣議で私が発言いたしましたあと、すぐ
厚生省の中に検査体制強化に関するプロジェクトチームをつくりまして、一応の案ができました。そこで、近くこれは大蔵省に持ち込みまして、この検査体制についての必要な予算を出してくれということで折衝をいたそうと
考えておるわけでございます。
したがって、現状ではまさしく御
指摘のとおり十分な予算もございません。まことに私も遺憾しごくでございまして、今後はやはりこういうふうな国民生活に関係のある検査体制の問題それから魚などについても汚染地域におけるいまの監視体制の強化、これはいま大蔵省と折衝しておりますからきょう、あすじゅうには予算がきまる予定にしておりますが、そういうわけで私は実は深刻に受けとめておるのです。
そう言ってはあれですが、
厚生省はこういう方面にどうも力を入れてなかったのじゃないか。私も昨年なったばかりですから、あまり十分承知してなかったのですが、今後は大いに反省いたしまして、こうした方面にこそ予算は重点的につぎ込むべきである、こういうふうにいま
考えて、今後大いに
努力をいたしてまいりたいと思いますから、田邊
先生のような専門の
方々からいろいろ御
指摘をいただいて、予備金の確保等について
努力をいたしてまいりたい、かように
考えておる次第でございます。