○田口
委員 まあこれは深くは私は言いませんけれ
ども、ちょっと食品衛生課即取り締まりというのは即断だというふうに
大臣がおっしゃるのですけれ
ども、私はほんとうはそうは思いたくないのです。しかし、保健所のいまの機能が十分でないという公衆衛生
局長のお話に
関連して私は申し上げたのですけれ
ども、
一般国民の場合に食品衛生というのは、確かに
厚生省は環監、食監というふうに職務がありますけれ
ども、あるいは食品収去というのですか、そういう業務があるでしょう。食品収去、食監がそれをやるわけですね。それはその受け取り方、こっちが収去されるのですけれ
ども、私は保健所の一係員がどうこうというのじゃないのですよ。あくまでいまやられておる仕事は、時代の要請に対応していないということもあるでしょうが、収去ということ
自体が私なんかの耳に入ってくるのは全く取り締まりですね。
ですから、そういうことを見て、ああいうところに調理師の問題がいったら、これはおまえのところ、まないたきたないじゃないかといってびしびしやられるのじゃないか、こうなってしまうという危惧を実は持っておるのです。ですから私はあえて言ったのは、そういう取り締まり的と言ったわけです。
大臣の決裁が終わっては、もうお手あげですから、十分そういうことのないようにひとつあらためてだめを押しておきます。
さらに先ほどから老人
医療の問題でいろいろと出ておるのですが、これは
厚生省が発表した数字ですから、いまさら申し上げる必要はないと思うのですが、
日本の老人人口が一九六八年には六十五歳以上が六・八%である、一九八〇年になれば九%になるだろう。ところが患者総数に占める六十五歳以上の割合が、一九六八年には一四%であったけれ
ども、一九八〇年には二四%になるであろう。これはまだ老人
医療の無料化がやられてないときの数字ですね。この数字を見ても、すでに人口の老齢化よりも、病人のほうの老齢化が前に来ておるということは、数字からいえるわけです。実際の年寄りは八〇年には九%だけれ
ども、病人のほうは二四%になる。こういった病人の老齢化がふえていくというものをすべて
医療機関で受けとめていることは、先ほど
大原先生もおっしゃったとおりです。
そこで老人
医療の問題で、今回の
健保の改正案、私は地元でいろいろと座談会、懇談会なんかで注文、
意見を聞くのですが、大企業の
健保組合のあるところから
——健保組合とは一がいにいえませんけれ
ども、
健保組合のある大企業を定年退職をして中小企業に入っていく。その中小企業は大かた政管
健保だ。こういう類型ですね。そういったことから政管
健保の年齢構成で疾病構造もだいぶ変わってくるということもあるのですけれ
ども、この際ひとつこういうことが考えられぬだろうか。
定年退職から理想をいえば老人
医療の年齢までということになるのですが、少なくとも六十五歳ぐらいまでの間は、その属しておった組合、
健保組合、政管なら政管で引き続いて被
保険者として資格を持っていけるというふうな制度、これはかつての国会でそういう案が一度出されたということを聞いておるのですが、それを蒸し返すつもりはありませんけれ
ども、こういった老人問題がいわれておるときに、この定年退職から六十五歳なら六十五歳、七十歳なら七十歳までの間を引き続いてその属した
健保組合、政管
健保の被
保険者として資格を与えるような方向というものが検討に値しないか。これが一つ。
それからもう一つは、これは公衆衛生、保健所の保健業務に
関連するのですが、大体お年寄りが、いま在宅で
医者にかかる場合もいろいろな病気がありますが、一番多いのは何といっても高血圧ですね。これは極端な例を申し上げるようですが、老人
医療が無料化になったということも一つは原因でしょうが、
医者のはしごというのが多いのです、
医者のはしごというと変な言い方ですけれ
ども。それで、ある
健保組合の保健婦から話を聞いたのですが、レセプトをずっと見ておったら同一人が同一の疾病で転々とお
医者さんにかかっておる。はなはだしい場合は一日に三回くらいかかっておる。
そこでその患者のうちへその保健婦が、組合員の家族ですから行ったら、仏壇の前にお茶を入れる乾燥箱があるのですね。大げさな話じゃないのですよ。大きな木の箱に
一ぱい薬が詰めてあったというのですよ。保健婦が行ったら、これはどこそこのお
医者さんからもらった薬、これはどこそこのお
医者さんでもらった薬……。あなた、こんなに飲んだらまいってしまうじゃないか。気休めということもあるでしょうから、どこそこへ行くということで、はしごをやるわけですね。
健保組合の場合にはそういった保健指導、労務管理の一環として保健婦さんの活動というものは、比較的綿密にやられておるようです。ところが政管
健保の場合は、そういう制度は皆無といってもいいわけですね、そ
うそうチェックはできませんから。そういったことを保健指導していくというのは、やはり保健所の保健婦に課せられた任務です。ところが三歳児だ何だということで、これも大事な仕事なんですが、十分にやっていない。人の問題もあります。老人
医療の無料化ということに対応して、そういった保健指導ということが全く手抜きになっておる。当然公衆衛生の観点からこれをひとつやって、早急に対策をとってもらいたい。
それからさっき言ったように、定年後の継続被
保険者の資格、私はもう一つ注文をつけておきたいのですが、これもお年寄りの集まりに行ったら、こういう
意見が出るのですよ。年寄りになったら、目が悪くなるのは、あたりまえだと言われるかもしれませんけれ
ども、大体老眼鏡かけますわな。ところが老人
医療の場合でも保険の場合でも、検眼とかめがねというのは保険の対象外でしょう。イギリスはめがねなどあるそうですけれ
ども、せっかく老人
医療というものが、問題があるにしても、ここまで進んだ以上は、その検眼、めがねの問題についてこういう
健保の改正案にひっくるめて一つの政策として打ち出す必要があるのじゃないか。年寄りだから目が悪くてもしょうがない、もうよぼよぼ、めがねなんか必要ないだろうということは言えぬと思うのです。
厚生省から
資料をもらったら、これは政管
健保で八十歳以上の非組合員がわずかですけれ
どもおるわけですね。六十五歳以上もちろんおりますけれ
ども、そういったことから考えても
健保の対象にめがねを入れようということは、いま、あまり急な言い方かもしれませんけれ
ども、政管
健保で八十歳以上が総数で二百五十分の一抽出で〇・〇九%おるのです。こういう実態があるから、老人に対する検眼、めがね、こういう問題について何らかの措置を考えるべきではないか。以上申し上げましたが、いかがでしょうか。