○寺前
委員 お疲れのところおそれ入ります。きょうは私は、陸の王者日通というふうにいわれています
日本通運株式会社——これは私はよく知りませんが、一般通運
業者は四、五百あるようですね。それらの通運
業者全体の取り扱い高の中では、この会社は七割余りからの独占的な
状況にあるといわれているというふうに思うのです。こういう
状態が続いているのは、八年来ずっと統計を見ていると独占
状況というのが存在しているというように思うのですが、
昭和四十二年の十二月、ちょう
どもう五年になりますが、日通事件ということで世間の非難が集中して首脳陣が一新させられるという事態が起こっています。きょう私は、この
日本通運株式会社の下請であるところの三和興業という会社が、
日本通運株式会社との間で、昨年、下請契約を破棄するという事態で仕事を干されるという事件があったわけですが、その
原因の
一つになっているのに、下請の三和興業株式会社の
労働者か
労働組合をつくろうとした。その
労働組合をつくろうとしたということに対して、その社長は、日通の東京の秋葉原支店の
業務課長の方その他の人から呼びつけられて、そういう
状況だったらおまえのところとの仕事の契約はせぬぞという、そういう圧力をかけられる中で、三和興業の社長が、
労働組合をつくるのをやめておけという話をそこの、下請の三和興業の
労働者にかけたという事件が、これが実は東京都労委に提訴されております。これは三和興業
労働組合の執行
委員長から三和興業の社長、それから日通の代表取締役の澤村、こういう人々を相手どって申し立てをやっているわけですが、この申し立ての事実を通じて、今日の
日本の独占段階になってきている
状況のもとでは、かなり下請というのが存在している。下請の
企業というのは親元
企業から圧力がかけられて、そして
労働組合をつくるならばこうするぞといういろいろのおどしがかけられる。これはぼくは共通した問題を含んでいるというふうに思うので、三和興業の
労働組合に対して行なっているというこの介入、これについて一体どういうふうに
考えたらいいんだろう。この申し立てが実は東京都労委に出されているわけですが、これに対して当該の日通のほうから答弁書がまた同時に都労委に対して行なわれております。その答弁書を見ると、長々といろいろ書かれているわけですが、組合から出されたところの「申立書の記述によれば、申立人組合は、専ら三和興業の従業員をもって組織されたものであって、被申立人会社と、申立人組合の組合員との間に直接の
労働契約
関係が存在していなかったことは、申立人自身も認めているとおりであるが、上記の外、特に、申立人組合の組合員との
関係で日通が労組法第七条の「使用者」と解しなければならない事実
関係も法的根拠もないので、本件申立は結局その点において、被申立人を誤ったものと言うべきである。したがって、
労働委員会規則第三十四条第一項五号に基づいて、その余の点を検討するまでもなく、当然却下せられるべきものである。」というふうに書かれている。私はさっきも言ったように、下請の
企業の
労働組合が、そこの社長からの圧力が、その裏にそういう大きな
企業があって独占的な事業を持っている場合は行なわれるという
可能性というものはある。そういう場合不当
労働行為として——
労働組合を結成することに対して、当該の三和興業の社長は、不当
労働行為をやっているということを、私が聞いたら、そう言うのです。だけれ
ども、私がやったのには実は裏がこうこうありますから、組合さんのほうから訴えられている事実についても、これは私は当然子会社が親会社からやられる場合には起こる問題であるというふうに思いますと言っておられるわけですね。だから、この
関係について一体どういうふうに解釈されるのか。これは当事者の三和興業の社長とそこの
労働組合との
関係の不当
労働行為というだけでいいのか。それも裏づけがあって、その圧力があればこそこういうふうになるんだということになれば、当然不当
労働行為の対象として解すべきだと思うのだけれ
ども、その点についての見解を聞きたいと思うのです。