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村山(喜)
委員 いまお聞きいたしましたように、
気象庁が事業費として、常時
観測体制を続けているが、十六の
火山について五千万円の事業費しか持っていない。そのほかに、機動的に移動をする
観測班も随時つくられるように聞いておりますが、人員で約四十名というのが、
気象庁関係の
火山を主体とした地震
対策の
関係の人員であるようであります。それは大学は、東大、
京都大学、九大、あるいは
鹿児島大学その他ございますが、約一千万円。
そこで私は、こういう貧弱な
状態の中では
——萩原先生は、地殻変動に伴う地震の予知については、四十九年度から始まる地震予知研究第三次五カ年
計画ですか、それの推移の中から、いまの三倍程度の金があれば大型のものについては予知ができるのじゃないかと言われている。
火山については、
気象庁の地震
活動検測センターの関谷所長にお尋ねいたしますと、
火山は局地性がある、そして集中している、そして大きな地殻変動とは
関係がないから、一般的な地震よりも予知というのは可能性がより高いのだということを言われている。とするならば、もう少しこれに金を投入をして、そして集中的にこの問題を取り上げていただくとするならば、予知というのは、理論的にも学問的にも、その実現の可能性というものは高いのじゃないだろうかと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
たとえば
京都大学の
桜島火山観測所では、先ほども
総務長官に話をいたしたのでございますが、大体ここには
傾斜計やそれに伴う
テレメーター等もあるようでございますが、器材のところで、こういう器材を必要とするというようなのが出ているわけです。それは、
自動地震記録装置、金額にして二千三百万円、それから中城
火山観測データ自動収録装置、これが北のほうの
工事をやれば五千三百万円、次年度で南方域をやれば六千万円、こういう設備が、現在の
観測の人員、
体制を見ながら、必要であるというようなことで、
予算要求が出るわけですね。ところが、
予算要求が出ましても、それを
関係の
観測機関で
計画をしましても、日本学術
会議の地震予知小
委員会で
調整をする。それに各省庁で
調整をする。それに持ってきて、
文部省の
測地学審議会でまた
調整をして、それをまた各省庁に持って帰って、それぞれ各省庁から大蔵省に
予算要求をする。こういうようなシステムをとる中で、第一線の
観測所あたりが出したものは雲散霧消しまして、どこにその
要求がいったのやらさっぱり目が見えないというような形になってしまう。
〔
委員長退席、
金丸(徳)
委員長代理着席〕
しかも、私が聞いているのでは、
気象庁の場合にはこの
傾斜計もまだ十分に備えつけておいでにならないように聞いているわけです。
京都大学の
桜島火山観測所の場合には、
傾斜計もすでに四カ所に備えつけられて、それをつないで
処理をする方式もとられているようでございますが、そういうような点から見ますと、いままで地震
活動なり、あるいはその中の局部的な
火山活動に伴う
災害、地震の
爆発の予知というようなものについては、あまりにも貧弱ではなかったろうか。だから、もっとこれを精力的に
政府が本腰を入れてやるならば、この
火山の
爆発時点等についても、もっといまよりも高い精度の予知ができるのではなかろうかと思われるのでございます。
この前、
桜島の
火山活動について
鹿児島の地方気象台が、
火山情報の六号というのを五月二十五日の十一時に発表されております。それによりますと、「溶岩上昇の気配が濃厚であり、南岳の
活動が数か月にわたった噴煙
活動の
段階から
爆発活動へ移行しつつあるものと思はれます。今後、
爆発が増加するおそれがあるので十分注意してください。」という予報をお出しになった。ところが、六月の一日には二回にわたって
爆発をしているわけです。ですから、そこまでも近いところまで予測数値が出され、そして六月一日の十八時に同じく警報として
鹿児島の地方気象台が発表されたものを見てみますと、それは一日の二回にわたる
爆発の
あとを受けまして、「今後も
爆発は続きますので十分注意してください。」という予報、注意というものを出されています。
とするならば、これがもっと的確に、ある時点において、数日後には
爆発するおそれがあるというような
状態が出てくるならば、これに対応してそれぞれ準備をするという手だてが残りますので、まず
火山活動の予知、いまでは情報でございますが、これが予知できるという
段階にまでそれぞれ努力をし、そういうような
状態をつくり出すことが私は一番必要なことではなかろうかと思うのでございますが、それについて、その可能性の
問題等を
気象庁長官、どういうふうにお
考えでございますか。やはり何といっても、きょう出席をされた中ではあなたが一番重要なポイントに立っていらっしゃる方であるようでございますので、お聞かせをいただきたいと思います。
それと同時に、杉岡参事官、あなたのほうで予知
対策について
——いまのように各省庁ばらばらで、こんなふうにしてあっちで削りこっちで削って、
最後にはどこに雲散霧消したかわからないような姿になるような、こういう
状態はよくないと私は思いますので、一体これはどこが
責任を持ってやるかということになれば、
文部省にまかせるわけにいかぬだろうと思うのですよ。やはり
災害という問題から
考えれば、
総理府もこれに対して何かものを言うておく必要がある、そういうように
考えるのでございますが、あなたの感度をひとつお聞かせをいただきたい。